JP4104122B2 - 商品排出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、商品を1個ずつ排出する商品排出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば飲料入りの缶やペットボトルなどの商品を販売する自動販売機では、コラムの商品通路内に商品を上下方向に重ねて収納し、商品販売時に、コラムの下部に設置された商品排出装置によって最下位の商品から順に1個ずつ排出している。
【0003】
商品排出装置は、商品通路の両側に、商品通路の最下位の商品を係止する下側係止体とこの下側係止体で係止された商品の上側の最下位から2番目の商品を係止する上側係止体とを、それぞれ商品を係止する係止位置と商品の係止を解除する係止解除位置との間で回動可能に支持し、ソレノイドの作動により下側係止体および上側係止体の一方が係止位置に、他方が係止解除位置に連動して回動するように構成している。
【0004】
そして、商品排出待機時には、下側係止体を係止位置に、上側係止体を係止解除位置にそれぞれ位置させ、下側係止体で最下位の商品を係止している。一方、商品排出時には、ソレノイドをオンし、下側係止体を係止解除位置へ移動させて最下位の商品を排出させるとともに、略同時に上側係止体を係止位置へ回動させてこの上側係止体で2番目の商品を係止し、さらに、最下位の商品の排出後、ソレノイドをオフし、下側係止体を係止位置に、上側係止体を係止解除位置にそれぞれ移動させ、2番目以上の商品を下降させて2番目の商品を下側係止体で係止し、次の排出動作に待機している(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、自動販売機で販売する商品には、小径缶、大径缶やペットボトルなどの寸法および形状が異なる多品種の商品があり、一般的に、各商品の寸法形状に応じて商品通路を調整しており、すなわち、小径缶なら商品通路の間隔を狭く、大径缶なら商品通路の間隔を広くするように調整している。しかしながら、自動販売機内には多数のコラムがあり、これら全てのコラムについて商品通路を商品の寸法形状に応じて調整するのには大変な労力を必要するとともに、調整の間違いが発生しやすく、排出不良が発生するおそれがある。そこで、商品通路の間隔を最も径の大きい例えば500mlの飲料入りのペットボトルなどの商品が通過可能に設定しておき、この商品通路の間隔を無調整で小径缶、大径缶やペットボトルなどの寸法および形状が異なる多品種の商品を取り扱える商品排出装置が開発されてきている。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−197534号公報(第5頁ないし第7頁、図8および図9)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、商品が小径缶の場合には、コラム内に多数の商品が収納されていても下側の商品にかかる荷重が大径缶やペットボトルの場合に比べて小さいため、商品排出時に、上側係止体がタイミングよく最下位の商品と2番目の商品との間に入り込み、ソレノイドの駆動力で上側係止体を商品通路内に大きく突出させ、2番目の商品を係止することが可能である。
【0008】
しかし、商品が大径缶やペットボトルの場合には、コラム内に多数の商品が収納されていて下側の商品にかかる荷重が大きく、商品排出時に、2番目の商品が勢いよく下方へ押し出され、早いタイミングで2番目の商品が下降し、上側係止体が商品通路内に十分に突出しない状態で下降してくる2番目の商品に当接した状態となるが、この状態をソレノイドの駆動力では支えきれず、上側係止体が押し戻され、2番目以上の商品が複数本続けて排出してしまう問題がある。
【0009】
このような問題は、商品通路の間隔を無調整で小径缶、大径缶やペットボトルなどの寸法および形状が異なる多品種の商品を取り扱える商品排出装置において発生しやすいが、商品通路の間隔を調整する商品排出装置においても発生することがある。
【0010】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、商品排出時に、2番目以上の商品を確実に係止し、商品を1個ずつ確実に排出できる商品排出装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の商品排出装置は、商品通路の一側に設けられ、商品を係止する係止位置と商品の係止を解除する係止解除位置との間で回動可能とする下側係止体と、前記商品通路の一側で下側係止体より上側に設けられ、下側係止体で係止された商品の上側の商品を係止する係止位置と商品の係止を解除する係止解除位置との間で回動可能とする上側係止体と、前記下側係止体を移動させる下側作動軸、前記上側係止体を移動させる上側作動軸、これら下側作動軸および上側作動軸を連結し下側作動軸で下側係止体を係止位置に移動させるときに上側作動軸で上側係止体を係止解除位置に移動させる商品排出待機位置と上側作動軸で上側係止体を係止位置に移動させるときに下側作動軸で下側係止体の係止解除位置への移動を許容させる商品排出位置との間で移動可能とする連結体、およびこの連結体を商品排出待機位置と商品排出位置との間で移動させる駆動部を有する駆動機構と、前記連結体の商品排出位置への移動途中で前記上側作動軸に係合して前記連結体が商品排出待機位置へ戻るのを規制する中間位置規制部を有し、前記係止解除位置から係止位置へ向けて移動した上側係止体が係止解除位置へ戻るのを規制する規制体と、前記上側係止体を係止解除位置に戻すときに前記規制体による規制を解除させる解除体とを具備しているものである。
【0012】
そして、この構成では、商品排出時に、連結体が商品排出待機位置から商品排出位置に移動し、この連結体の下側作動軸で下側係止体を係止位置から係止解除位置に移動させて最下位の商品を排出するとともに、連結体の上側作動軸で上側係止体を係止解除位置から係止位置へ向けて移動させて2番目以上の商品を係止するとき、商品の荷重によって上側係止体が係止解除位置へ押し戻されるのを規制体で規制するため、2番目以上の商品を確実に係止し、商品を1個ずつ確実に排出可能となる。さらに、規制体の中間位置規制部が連結体の商品排出位置への移動途中で上側作動軸に係合し、連結体が商品排出待機位置へ戻るのを規制するため、上側係止体が係止位置に移動途中で2番目の商品に当接してしまって商品通路内に十分に突出しない状態でも、2番目以上の商品を確実に係止可能となる。
【0013】
請求項2記載の商品排出装置は、請求項1記載の商品排出装置において、規制体は、連結体が商品排出位置に移動した状態で上側作動軸に係合して連結体が商品排出待機位置へ戻るのを規制する商品排出位置規制部を有するものである。
【0014】
そして、この構成では、規制体の商品排出位置規制部が連結体の商品排出位置への移動状態で上側作動軸に係合し、連結体が商品排出待機位置へ戻るのを規制するため、係止位置の上側係止体が2番目以上の商品の荷重によって押し戻されるのを防止し、2番目以上の商品を確実に係止可能となる。
【0015】
請求項3記載の商品排出装置は、請求項1または2記載の商品排出装置において、下側係止体は、この下側係止体の係止位置から係止解除位置へ向けた移動により下側作動軸を商品排出位置へ向けて押圧し連結体を介して上側係止体を係止解除位置から係止位置へ移動させる押動部を有しているものである。
【0016】
そして、この構成では、最下位の商品の排出時における下側係止体の係止位置から係止解除位置へ向けた移動により、下側係止体の押動部で下側作動軸を商品排出位置へ向けて押圧し、連結体を介して上側係止体を係止解除位置から係止位置へ強制的に移動させるため、最下位の商品と2番目の商品との間の隙間が少ない場合でも、最下位の商品の動きに連動して上側係止体を最下位の商品と2番目の商品との間の隙間にタイミングよく強制的に入り込ませ、2番目の商品を確実に係止可能となる。
【0017】
請求項4記載の商品排出装置は、請求項1ないし3いずれか記載の商品排出装置において、解除体は、下側係止体の係止解除位置から係止位置への移動に連動して規制体による規制を解除させるものである。
【0018】
そして、この構成では、下側係止体の係止解除位置から係止位置への移動に連動して解除体で規制体による規制を解除させるため、上側係止体での係止が解除された商品を下側係止体で確実に係止可能となる。
【0019】
請求項5記載の商品排出装置は、請求項1ないし4いずれか記載の商品排出装置において、下側係止体の係止位置は略水平であるものである。
【0020】
そして、この構成では、下側係止体の係止位置は略水平であるため、下側係止体が下方へ大きく傾斜している場合に比べて、下側係止体上に商品を係止した状態での小径の商品と大径の商品との高さの差を少なくして、商品排出時の上側係止体による2番目の商品の係止を確実にし、小径の商品から大径の商品までの多品種の商品に対応可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0022】
図1に示すように、例えば飲料入りの缶やペットボトルなどの商品11を販売する自動販売機において、例えばサーペンタイン形の複数のコラム12を備えており、これら各コラム12の下部にコラム12の商品通路13内に上下方向に1列に重ねて収納される商品11を係止するとともに商品販売時に最下位の商品11から順に1個ずつ排出する商品排出装置14がそれぞれ配設されている。各商品排出装置14には、商品11の有無を検知して商品11の売り切れを検知する商品検知装置15が一体的に配設されている。なお、図1に示す例では商品11として例えば500mlの飲料入りのペットボトルを示しており、商品11の上下方向つまり長手方向を横向きの姿勢で商品通路13に収納されている。
【0023】
図1および図2に示すように、商品排出装置14は、上下方向に開口しコラム12に連続して商品11が導かれる商品通路13を有し、この商品通路13の両側に商品11の両側部をガイドする側板21,22が配設されているとともに商品通路13の両端に商品11の両端部をガイドする図示しない端板が配設されている。この商品排出装置14は、商品通路13の間隔を無調整で小径缶、大径缶やペットボトルなどの寸法および形状が異なる多品種の商品11を取り扱えるように構成したもので、両側板21,22の間隔および両端板の間隔は取り扱う商品11のうちの最も大形の商品11、例えば500mlの飲料入りのペットボトルが通過可能に設定されている。
【0024】
一側の側板21の下部側には、商品排出装置14の機構が配設される開口部27が形成され、この開口部27の両端にフランジ部28が側板21の外側へ向けて折曲形成され、これらフランジ部28間に下側シャフト29および上側シャフト30が上下方向に平行に取り付けられている。
【0025】
下側シャフト29には、最下位の商品11を係止可能とする下側係止体としての下側ラッチ31が回動可能に軸支されている。この下側ラッチ31は、商品通路13内に略水平に突出して商品11を係止する係止位置と下方へ回動して商品11の係止を解除する解除位置との間で回動可能とし、下側シャフト29に装着された下側係止体付勢手段としてのスプリング32によって係止位置へ向けて付勢されている。下側ラッチ31は、例えば合成樹脂製で、下側シャフト29に回動可能に係合する軸受部33が形成され、この軸受部33から商品11を係止する係止部34が突出形成され、この係止部34の外面側に複数のカム部35が突出形成されている。これらカム部35には、下側ラッチ31を係止位置で規制するためのストッパ部36、下側ラッチ31の係止位置と係止解除位置との間での動きを許容するためのカム溝37が形成されている。
【0026】
下側ラッチ31の内側に重なる状態で下側シャフト29に回動可能に軸支された係止カバー38が配置されている。この係止カバー38は、金属板製で、側板21の横幅に近い幅広に形成され、上部両端に下側シャフト29に回動可能に係合する軸受部39が形成されている。係止カバー38は、連結片40によって下側ラッチ31に連結され、下側シャフト29を中心として下側ラッチ31と一体に回動するもので、下側ラッチ31の一部を構成する。係止カバー38の下端である先端は、下側ラッチ31の係止部34の先端より長く突出されており、商品通路13内に略水平に突出する係止位置において一側の側板21から商品通路13の通路幅の半分以上の領域に大きく突出する。
【0027】
上側シャフト30には、最下位から2番目の商品11を係止可能とする上側係止体としての上側ラッチ41が回動可能に軸支されている。この上側ラッチ41は、商品通路13内に突出して商品11を係止する係止位置と商品通路13外に退避して商品11の係止を解除する解除位置との間で回動可能としている。上側ラッチ41は、例えば合成樹脂製で、側板21の横幅に近い幅広に形成されており、上側シャフト30に回動可能に係合する軸受部42が形成され、この軸受部42から商品通路13内に突出して商品11を係止可能とする係止部43が突出形成され、この係止部43の外側面に複数のカム部44が突出形成されている。これらカム部44には、上側ラッチ41の係止位置と係止解除位置との間での動きを制御するためのカム溝45が形成されている。
【0028】
また、一方のフランジ部28と側板21の外面に取り付けられたガイド部材46との間に、下側ラッチ31のカム部35に係合する下側作動軸47および上側ラッチ41のカム部44に係合する上側作動軸48がそれぞれ上下方向にスライド可能に支持されている。これら下側作動軸47と上側作動軸48とは連結体49によって一体的に連結され、この連結体49の上端は側板21の外側面上部に取り付けられた駆動部としてのソレノイド50のプランジャ51に連結され、連結体49の下端は連結体49を下方へ向けて付勢する連結体付勢手段としてのスプリング52に連結されている。そして、ソレノイド50のオフ時にはスプリング52の付勢によって連結体49を引き下げ、下側作動軸47で下側ラッチ31を係止位置に移動させるときに上側作動軸48で上側ラッチ41を係止解除位置に移動させる下方の商品排出待機位置に移動させ、また、ソレノイド50のオンによりスプリング52の付勢に抗して連結体49を上方に引き上げ、上側作動軸48で上側ラッチ41を係止位置に移動させるときに下側作動軸47で下側ラッチ31の係止解除位置への移動を許容させる上方の商品排出位置に移動させる。したがって、下側作動軸47、上側作動軸48、連結体49およびソレノイド50などによって、下側ラッチ31および上側ラッチ41を移動させる駆動機構53が構成されている。
【0029】
下側ラッチ31のカム溝37には、この下側ラッチ31の係止位置から係止解除位置へ向けた移動により下側作動軸47を商品排出位置すなわち上方へ向けて押圧し連結体49を介して上側ラッチ41を係止解除位置から係止位置へ強制的に移動させる押動部37aが形成されている。
【0030】
なお、下側ラッチ31と上側ラッチ41との位置関係は、下側ラッチ31が略水平な係止位置で商品11を係止した状態において、商品排出時に、商品11が小径缶の場合には上側ラッチ41が最下位の商品11と2番目の商品11との間に入り込み、商品11がペットボトルや大径缶の場合には上側ラッチ41が最下位の商品11の上部付近に当たるような位置関係に設定されている。
【0031】
また、図1ないし図3に示すように、上側シャフト30には規制体54が回動可能に軸支され、この規制体54は規制体付勢手段としてのスプリング55によって上側作動軸48に係合する方向へ向けて付勢されている。規制体54は、例えば合成樹脂製で、上側シャフト30に回動可能に係合する軸受部56が形成され、この軸受部56から複数の係合部57が突出形成されている。これら係合部57には、連結体49の商品排出待機位置で上側作動軸48に当接する当接部58、この当接部58より先端側で連結体49の上方の商品排出位置への移動途中で上側作動軸48に係合して連結体49が下方の商品排出待機位置へ戻る移動を規制する中間位置規制部59、この中間位置規制部59より連結体49が上方の商品排出位置に移動した状態で上側作動軸48に係合して連結体49が下方の商品排出待機位置へ戻るのを規制する商品排出位置規制部60がそれぞれ形成されている。これら中間位置規制部59および商品排出位置規制部60はそれぞれ上側作動軸48と係合可能に段差をもって凹状に形成されている。
【0032】
上側シャフト30には、商品排出時に商品11を他側の側板22に寄せて下側ラッチ31で係止させる機能をも有する解除体としての下側ガイドカバー61が回動可能に取り付けられている。この下側ガイドカバー61は、金属板製で、側板21の横幅に近い幅広に形成され、上部両端に上側シャフト30に回動可能に係合する軸受部62が形成され、下部側が下側ラッチ31の係止カバー38の上部側に重なるように配置されている。この下側ガイドカバー61には、下側ラッチ31の係止解除位置から係止位置への移動によって規制体54に当接して規制体54による上側作動軸48の規制を解除させる解除部63が突出形成されている。
【0033】
また、側板21の開口部27の上側に溝部64が形成され、この溝部64には商品排出時に商品11を他側の側板22に寄せて上側ラッチ41で係止させる上側ガイドカバー65が回動可能に取り付けられている。この上側ガイドカバー65は、金属板製で、側板21の横幅に近い幅広に形成され、上部に溝部64に回動可能に係合する係合部66が折曲形成され、下部側が上側ラッチ41の上部側に重なるように配置されている。
【0034】
また、他側の側板22には、上側ラッチ41に対向する位置に商品通路13内に突出する突出部67が形成されている。
【0035】
次に、一側の側板21の上部側には、商品検知装置15の機構が配設される開口部71が形成され、この開口部71に取付部材72が取り付けられ、この取付部材72に検知レバー73および検知スイッチ74がそれぞれ取り付けられている。検知レバー73は、例えば合成樹脂製で、取付部材72に対して支軸75により回動可能に軸支されるとともに、この支軸75に装着されたスプリング76によって検知レバー73が商品通路13内に突出する方向に付勢されている。検知レバー73には、商品通路13内に商品11がないために検知レバー73が商品通路13内に最も突出した状態で検知スイッチ74をオンする押動片77が突出形成されている。
【0036】
側板21の開口部71の上側に溝部78が形成され、この溝部78には検知板79が回動可能に取り付けられている。この検知板79は、金属板製で、側板21の横幅に近い幅広に形成され、上部に溝部78に回動可能に係合する係合部80が折曲形成されており、検知レバー73の商品通路13内側に重なる状態で配置されている。
【0037】
次に、本実施の形態の作用を説明する。
【0038】
図1に示すように、商品排出待機時には、ソレノイド50がオフし、スプリング52の付勢によって連結体49が下方の商品排出待機位置にあり、下側作動軸47に下側ラッチ31のストッパ部36が当接して下側ラッチ31が商品通路13内に略水平に突出する係止位置にあり、また、上側作動軸48にカム溝45が係合する上側ラッチ41が商品通路13内から退出した係止解除位置にある。そのため、下側ラッチ31上に最下位の商品11が載り、この最下位の商品11上に商品通路13内の商品11が載っている。
【0039】
また、規制体54はスプリング55によって上側作動軸48へ向けて付勢されており、この規制体54の当接部58が上側作動軸48に当接している。
【0040】
そして、商品排出時には、ソレノイド50がオンし、連結体49が下方の商品排出待機位置から上方の商品排出位置へ向けて移動を開始する。図4に示すように、下側作動軸47が上昇を開始することで、下側作動軸47が下側ラッチ31のストッパ部36から外れてカム溝37に対向し、下側作動軸47にカム溝37が係合しながら下側ラッチ31にかかる商品11の荷重によって下側ラッチ31が下方へ回動する。上側作動軸48が上昇を開始することで、上側ラッチ41が商品通路13内の係止位置へ向けて突出するように回動する。
【0041】
下側ラッチ31が下方へ回動していく途中において、カム溝37の押動部37aが下側作動軸47に当接して強制的に押し上げるとともに連結体49を介して上側作動軸48を強制的に押し上げ、上側作動軸48を介して上側ラッチ41を商品通路13内へ強制的に突出させる。すなわち、最下位の商品11の下降に連動して上側ラッチ41を最下位の商品11と2番目の商品11との間の隙間にタイミングよく強制的に入り込ませる。そのため、角形のペットボトルのように商品11間の隙間が少なくとも、上側ラッチ41を商品11間の隙間に確実に入り込ませることができ、2番目の商品11の係止が確実に可能となる。
【0042】
図5に示すように、上側作動軸48が上昇していく過程で、規制体54の中間位置規制部59が上側作動軸48に係合する。ところで、商品11がペットボトル(あるいは大径缶)の場合には、商品通路13内に多数の商品11が収納されていて下側の商品11にかかる荷重が大きく、商品排出時に、2番目の商品11が勢いよく下方へ押し出され、早いタイミングで2番目の商品11が下降し、上側ラッチ41が商品通路13内に十分に突出しない状態で下降してくる2番目の商品11に当接した状態となる場合がある。このような状態では、ソレノイド50の駆動力では商品11の荷重がかかった上側ラッチ41をそれ以上突出させることができず、逆に上側ラッチ41が押し戻される場合がある。このとき、規制体54の中間位置規制部59が上側作動軸48に係合しているため、上側作動軸48の下降を規制し、つまり上側ラッチ41が押し戻されるのを規制し、2番目の商品11を確実に係止することができる。
【0043】
下側ラッチ31にかかる最下位の商品11の荷重によって下側ラッチ31が下方へ回動しながら、最下位の商品11が落下する。
【0044】
最下位の商品11が落下すれば、図6に示すように、下側ラッチ31がスプリング32の付勢によって上方へ回動して略水平な係止位置に復帰し、さらに下側ラッチ31が上昇することで下側ガイドカバー61を押し上げ、この下側ガイドカバー61の解除部63で規制体54を押動し、規制体54の中間位置規制部59が上側作動軸48から外し、規制体54による上側作動軸48の規制を解除する。
【0045】
ソレノイド50はオンしてから最下位の商品11が排出されるのに必要な所定時間経過後にオフし、連結体49が下方の商品排出待機位置へ向けて下降し、下側作動軸47が下側ラッチ31のストッパ部36に対向する位置に戻り、上側作動軸48の下降によって上側ラッチ41を商品通路13外の係止解除位置へ退避させるとともに上側作動軸48が規制体54の当接部58に当接する位置に戻る。
【0046】
上側ラッチ41の係止解除位置へ退避によって係止されていた商品11が下降し、図1に示すように、下降する商品11を下側ラッチ31で係止し、次の商品11の排出に待機する。
【0047】
また、図7に示すように、商品11が小径缶の場合には、商品排出時において、商品通路13内に多数の商品11が収納されていても下側の商品11にかかる荷重がペットボトルや大径缶などに比べて小さく、かつ小径であるため、ソレノイド50の駆動力によって上側ラッチ41が商品通路13内に十分に突出した状態で2番目の商品11を係止できる。そのため、上側作動軸48が上昇していく過程で、規制体54の中間位置規制部59が上側作動軸48に係合した後にさらに商品排出位置規制部60が上側作動軸48に係合する。このように、規制体54の排出位置規制部60が上側作動軸48に係合した状態では、上側作動軸48の下降を規制し、つまり上側ラッチ41が押し戻されるのを規制し、2番目の商品11を確実に係止することができる。
【0048】
以上のように、商品排出時に、連結体49が下方の商品排出待機位置から上方の商品排出位置に移動し、この連結体49の下側作動軸47で下側ラッチ31を係止位置から係止解除位置に移動させて最下位の商品11を排出するとともに、連結体49の上側作動軸48で上側ラッチ41を係止解除位置から係止位置へ向けて移動させて2番目以上の商品11を係止するとき、商品11の荷重によって上側ラッチ41が係止解除位置へ押し戻されるのを規制体54で規制するため、2番目以上の商品11を確実に係止でき、商品11を1個ずつ確実に排出できる。
【0049】
規制体54の中間位置規制部59が連結体49の上方の商品排出位置への移動途中で上側作動軸48に係合し、連結体49が下方の商品排出待機位置へ戻るのを規制するため、上側ラッチ41が係止位置に移動途中で2番目の商品11に当接してしまって商品通路13内に十分に突出しない状態でも、2番目以上の商品11を確実に係止できる。
【0050】
規制体54の商品排出位置規制部60が連結体49の上方の商品排出位置への移動状態で上側作動軸48に係合し、連結体49が下方の商品排出待機位置へ戻るのを規制するため、係止位置の上側ラッチ41が2番目以上の商品11の荷重によって押し戻されるのを防止でき、2番目以上の商品11を確実に係止できる。
【0051】
最下位の商品11の排出時における下側ラッチ31の係止位置から係止解除位置へ向けた移動により、下側ラッチ31の押動部37aで下側作動軸47を上方の商品排出位置へ向けて押圧し、連結体49を介して上側ラッチ41を係止解除位置から係止位置へ強制的に移動させるため、最下位の商品11と2番目の商品11との間の隙間が少ない場合でも、最下位の商品11の動きに連動して上側ラッチ41を最下位の商品11と2番目の商品11との間の隙間にタイミングよく強制的に入り込ませ、上側ラッチ41で2番目の商品11を確実に係止できる。
【0052】
下側ラッチ31の係止解除位置から係止位置への移動に連動して下側ガイドカバー61の解除部63で規制体54による規制を解除させるため、上側ラッチ41での係止が解除された商品11を下側ラッチ31で確実に係止できる。
【0053】
下側ラッチ31の係止位置は略水平であるため、下側ラッチ31が下方へ大きく傾斜している場合に比べて、下側ラッチ31上に商品11を係止した状態での小径の商品11と大径の商品11との高さの差を少なくして、商品排出時の上側ラッチ41による2番目の商品11の係止を確実にでき、小径の商品11から大径の商品11までの多品種の商品11に対応できる。
【0054】
【発明の効果】
請求項1記載の商品排出装置によれば、商品排出時に、連結体が商品排出待機位置から商品排出位置に移動し、この連結体の下側作動軸で下側係止体を係止位置から係止解除位置に移動させて最下位の商品を排出するとともに、連結体の上側作動軸で上側係止体を係止解除位置から係止位置へ向けて移動させて2番目以上の商品を係止するとき、商品の荷重によって上側係止体が係止解除位置へ押し戻されるのを規制体で規制するため、2番目以上の商品を確実に係止でき、商品を1個ずつ確実に排出できる。さらに、規制体の中間位置規制部が連結体の商品排出位置への移動途中で上側作動軸に係合し、連結体が商品排出待機位置へ戻るのを規制するため、上側係止体が係止位置に移動途中で2番目の商品に当接してしまって商品通路内に十分に突出しない状態でも、2番目以上の商品を確実に係止できる。
【0055】
請求項2記載の商品排出装置によれば、請求項1記載の商品排出装置の効果に加えて、規制体の商品排出位置規制部が連結体の商品排出位置への移動状態で上側作動軸に係合し、連結体が商品排出待機位置へ戻るのを規制するため、係止位置の上側係止体が2番目以上の商品の荷重によって押し戻されるのを防止でき、2番目以上の商品を確実に係止できる。
【0056】
請求項3記載の商品排出装置によれば、請求項1または2記載の商品排出装置の効果に加えて、最下位の商品の排出時における下側係止体の係止位置から係止解除位置へ向けた移動により、下側係止体の押動部で下側作動軸を商品排出位置へ向けて押圧し、連結体を介して上側係止体を係止解除位置から係止位置へ強制的に移動させるため、最下位の商品と2番目の商品との間の隙間が少ない場合でも、最下位の商品の動きに連動して上側係止体を最下位の商品と2番目の商品との間の隙間にタイミングよく強制的に入り込ませ、上側係止体で2番目の商品を確実に係止できる。
【0057】
請求項4記載の商品排出装置によれば、請求項1ないし3いずれか記載の商品排出装置の効果に加えて、下側係止体の係止解除位置から係止位置への移動に連動して解除体で規制体による規制を解除させるため、上側係止体での係止が解除された商品を下側係止体で確実に係止できる。
【0058】
請求項5記載の商品排出装置によれば、請求項1ないし4いずれか記載の商品排出装置の効果に加えて、下側係止体の係止位置は略水平であるため、下側係止体が下方へ大きく傾斜している場合に比べて、下側係止体上に商品を係止した状態での小径の商品と大径の商品との高さの差を少なくして、商品排出時の上側係止体による2番目の商品の係止を確実にでき、小径の商品から大径の商品までの多品種の商品に対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態を示す商品排出装置の断面図である。
【図2】 同上商品排出装置の側面図である。
【図3】 同上商品排出装置の規制体の動作を説明する説明図である。
【図4】 同上ペットボトルの商品排出状態を示す商品排出装置の断面図である。
【図5】 同上図4に続くペットボトルの商品排出状態を示す商品排出装置の断面図である。
【図6】 同上図5に続くペットボトルの商品排出状態を示す商品排出装置の断面図である。
【図7】 同上小径缶の商品排出状態を示す商品排出装置の断面図である。
【符号の説明】
11 商品
13 商品通路
14 商品排出装置
31 下側係止体
37a 押動部
41 上側係止体
47 下側作動軸
48 上側作動軸
49 連結体
50 駆動部としてのソレノイド
53 駆動機構
54 規制体
59 中間位置規制部
60 商品排出位置規制部
61 解除体としての下側ガイドカバー
Claims (5)
- 商品通路の一側に設けられ、商品を係止する係止位置と商品の係止を解除する係止解除位置との間で回動可能とする下側係止体と、
前記商品通路の一側で下側係止体より上側に設けられ、下側係止体で係止された商品の上側の商品を係止する係止位置と商品の係止を解除する係止解除位置との間で回動可能とする上側係止体と、
前記下側係止体を移動させる下側作動軸、前記上側係止体を移動させる上側作動軸、これら下側作動軸および上側作動軸を連結し下側作動軸で下側係止体を係止位置に移動させるときに上側作動軸で上側係止体を係止解除位置に移動させる商品排出待機位置と上側作動軸で上側係止体を係止位置に移動させるときに下側作動軸で下側係止体の係止解除位置への移動を許容させる商品排出位置との間で移動可能とする連結体、およびこの連結体を商品排出待機位置と商品排出位置との間で移動させる駆動部を有する駆動機構と、
前記連結体の商品排出位置への移動途中で前記上側作動軸に係合して前記連結体が商品排出待機位置へ戻るのを規制する中間位置規制部を有し、前記係止解除位置から係止位置へ向けて移動した上側係止体が係止解除位置へ戻るのを規制する規制体と、
前記上側係止体を係止解除位置に戻すときに前記規制体による規制を解除させる解除体と
を具備していることを特徴とする商品排出装置。 - 規制体は、連結体が商品排出位置に移動した状態で上側作動軸に係合して連結体が商品排出待機位置へ戻るのを規制する商品排出位置規制部を有する
ことを特徴とする請求項1記載の商品排出装置。 - 下側係止体は、この下側係止体の係止位置から係止解除位置へ向けた移動により下側作動軸を商品排出位置へ向けて押圧し連結体を介して上側係止体を係止解除位置から係止位置へ移動させる押動部を有している
ことを特徴とする請求項1または2記載の商品排出装置。 - 解除体は、下側係止体の係止解除位置から係止位置への移動に連動して規制体による規制を解除させる
ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載の商品排出装置。 - 下側係止体の係止位置は略水平である
ことを特徴とする請求項1ないし4いずれか記載の商品排出装置。
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