JP4103166B2 - セメント用添加剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、セメント用添加剤に関し、詳しくはスレート製作において、セメント、骨材および水を主成分とする混練物を水切り用の孔あき板に載置して圧搾プレス成形する際の水切り工程で用いられる濾水性向上剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
セメント用添加剤としては、コンクリートを練る際に使用する水の量を減らす減水剤、練った後の流動性を保持する流動化剤、凝結時間を短縮する凝結促進剤、鉄筋コンクリートなどにおける錆を防止する防錆剤、コンクリート中の空気量の調整をするAE剤などが知られている。
一方セメント、骨材および水を主成分とするスレート製品の製造において、被成型物用の混練物をプレスのプレス下型上に載せた水切り用の孔あき板上に載置し、脱水プレスして成型物を形成するが、これらを混ぜ合わせただけでは脱水プレスの水切り工程での脱水性が悪いためスレートの生産性が低下する問題がある。 しかし既に知られているセメント用添加剤においては、この問題に対して十分な効果が得られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、特定の添加剤を使用してスレート製造における脱水プレスの水切り工程での脱水時間を短縮し、生産性を向上させることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、天然油脂と炭素数8〜22の脂肪酸またはその塩との混合割合がモル比で1/3〜1/0.01であり、天然油脂と炭素数8〜22の脂肪酸またはその塩との混合物の和1molに対して炭素数2〜8のアルキレンオキシドを5モル以上付加反応して得られる反応生成物からなり、エチレンオキシドと炭素数3〜8のアルキレンオキシドとのモル比が1/40〜2/1であることを特徴とするセメント用添加剤である。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明に使用する天然油脂としては、ヤシ油、パーム油、オリーブ油、大豆油、菜種油、アマニ油、ヒマワリ油等の植物油、豚脂、牛脂、骨油、獣脂等の動物油および魚油のほか、これらの天然油脂の硬化油、半硬化油、更にこれらの天然油脂の精製油や精製工程で副生する回収油等があげられる。
【0006】
本発明に使用する炭素数8〜22の脂肪酸としては、カプリル酸、2−エチルヘキサン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、イソパルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、ヘキサデセン酸、オレイン酸、エライジン酸、エルカ酸、リノール酸、リノレン酸等があげられ、また炭素数8〜22の脂肪酸を含む牛脂脂肪酸、ヤシ油脂肪酸等の混合脂肪酸、回収油由来の脂肪酸等が挙げられる。
炭素数が8より少ないと原料脂肪酸の臭気が強く、製造時において作業上好ましくない、炭素数が22より多いと入手が困難なため好ましくない。
【0007】
本発明に使用する脂肪酸の塩としては、上記脂肪酸のアルカリ金属塩、具体的にはリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、セシウム塩等が挙げられるが、入手性などの点からナトリウム塩、カリウム塩が好ましい。
天然油脂と炭素数8〜22の脂肪酸またはその塩との混合割合は、モル比で1/3〜1/0.01、好ましくは1/2〜1/0.1である。モル比が1/3より少ないと長鎖アルキル基を持つエステル化合物のアルキレンオキシド付加体の含有量が減少するため濾水性が低下し、1/0.01より大きいとアルキレンオキシドとの反応が進みにくくなる傾向がある。
【0008】
本発明における炭素数2〜8のアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、ヘキセンオキシド、シクロヘキセンオキシド、スチレンオキシドなどがあげられるが、入手性などの点からエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドが望ましく、水への分散性の点から、エチレンオキシドを必須成分とするものが望ましい。
【0009】
これらアルキレンオキシドを油脂と炭素数8〜22の脂肪酸の混合物の和1モルに対して5モル以上、より好ましくは9モル以上付加する事が望ましい。アルキレンオキシドの付加モル数が5モル未満であると、未反応の油脂が残存し、水への分散性が劣るため好ましくない。また、アルキレンオキシドの付加モル数が全体で200を越えると系全体の粘度が非常に高くなるため、製造および取り扱い上好ましくない。
【0010】
エチレンオキシドと炭素数3〜8のアルキレンオキシドとのモル比は1/40〜2/1、好ましくは1/30〜2/5が適当である。2/1より大きい場合は脱水プレスに時間がかかりすぎ、1/40より小さい場合は分散性が低くなり、スレートの製造が困難となる。
上記のモル比を満たせば、これらのアルキレンオキシドによって得られるオキシアルキレン基は2種以上のアルキレンオキシドのブロック状付加でもランダム状付加であってもよいが、水への分散性および消泡性能を高める点からブロック状付加であることがより好ましい。
【0011】
本発明のセメント用添加剤の製造するにあたって、反応温度は80〜160℃、好ましくは100〜140℃が適している。使用する触媒は通常アルキレンオキシドの付加反応において使用されるアルカリ性物質、アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩および有機金属塩等で、例えばナトリウムメチラート、カリウムメチラート、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、酢酸ナトリウム、乳酸カリウムや、先にあげた脂肪酸のナトリウム塩、カリウム塩等が挙げられる。この触媒は生成物に対して0.01から0.5重量%程度使用するのが、アルキレンオキシドの付加反応性を高めるために好ましく、さらに常圧で反応を行うよりも10kgf/cm2(ゲージ圧)以下の加圧下で行うのがより好ましい。
【0012】
本発明のセメント用添加剤は、スレートへ直接添加しても良いし、水または有機溶媒などで希釈して乳化、分散ないし溶解させて使用しても良い。更に他のセメント用添加剤と併用して用いても良い。
本発明のセメント用添加剤の系への添加量はセメント、水および骨材の合計量に対して0.005〜0.1重量%、好ましくは0.01〜0.10重量%である。
本発明において被成型物の混練条件や成形条件について何ら限定されるものではない。即ち混練物の原料として使用するセメントは通常一般に使用されているものでよく、また特別な種類のセメントであっても良い。骨材としては、砂、パルプ等が挙げられるが、これらについてもセメントと同様に特に限定されるものではない。
【0013】
【実施例】
以下、実施例で本発明を具体的に説明する。
製造例1
大豆油932.1g(1.0mol)、オレイン酸84.0g(0.3mol)、水酸化カリウム5.6g(0.1mol)を5リットルオートクレーブに入れ、系内の空気を窒素ガスで十分置換した後、系内を85℃に昇温し、窒素を吹き込みながら30mmHg以下の減圧下で脱水を1時間行った。その後、120℃に昇温し、エチレンオキシド550.0g(12.5mol)を5.0kgf/cm2(ゲージ圧)以下で徐々に圧入した。圧入後、圧力が一定になるまで、約2時間120±5℃に保ち、反応を行った。その後、プロピレンオキシド631.6g(10.9mol)を反応容器内に5.0kgf/cm2以下で徐々に圧入した。圧入後、反応容器内の圧力が一定になるまで、約2時間120±5℃に保ち、反応を継続した。反応終了後、17.5%塩酸を添加して触媒を中和し、系内の温度を110℃に昇温し、窒素を吹き込みながら30mmHg以下の減圧下で1時間脱水を行った。その後、濾過を行うことによりセメント用添加剤(A)を2020.0g得た(収率:92%)。
【0014】
製造例2〜6
製造例1と同様の方法にて、表1に示したセメント用添加剤B〜Fを得た。
【0015】
製造例7
グリセリン40.0g(0.43mol)、水酸化カリウム10.0g(0.18mol)を5リットルオートクレーブに入れ、系内の空気を窒素ガスで十分置換した後、系内を120℃に昇温し、プロピレンオキシド1672g(28.8mol)を5.0kgf/cm2(ゲージ圧)以下で徐々に圧入した。圧入後、圧力が一定になるまで、約2時間120±5℃に保ち、反応を行った。その後、エチレンオキシド367g(8.34mol)を反応容器内に5.0kgf/cm2以下で徐々に圧入した。圧入後、反応容器内の圧力が一定になるまで、約2時間120±5℃に保ち、反応を継続した。反応終了後、17.5%塩酸を添加して触媒を中和し、系内の温度を110℃に昇温、窒素を吹き込みながら30mmHg以下の減圧下で1時間脱水を行った。その後、濾過を行うことによりセメント用添加剤Gを1997g得た(収率:96%)。
【0016】
製造例8
製造例7と同様の方法にて、表1に示したセメント用添加剤H及びIを得た。
用いた各種セメント用添加剤を表1に示す。
【0017】
【表1】
【0018】
実施例1
下記の方法で評価を行った。結果を表2に示す。
<濾水性試験>
家庭用ミキサーに乾燥パルプ13g、水800gおよび表1に示すセメント用添加剤A0.4g(乾燥パルプ、水およびポルトランドセメントの合計量に対し0.04重量%)を加えて撹拌した。これにポルトランドセメントを187g添加して60秒撹拌後、速やかに300mmHgの減圧下で濾紙を用いて濾過をする。常温下に濾液が450g溜まる時間を測定した。
【0019】
<水への分散性試験>
150ミリリットル蓋付きサンプル瓶にイオン交換水100ミリリットルを入れ、温度20℃において、セメント用添加剤を1g添加した。これを手で5往復浸盪し、そのときの状態を目視で観察した。
【0020】
実施例2〜7および比較例1〜3
表2に示す配合でセメント用添加剤および添加量を変更した以外は、実施例1と同様の方法で評価を行った。
【0021】
比較例4
表2に示す配合でセメント用添加剤を添加量しない以外は、実施例1と同様の方法で評価を行った。
【0022】
実施例1〜6と比較例1〜4における濾過時間を比べてみると、本発明品では約20%濾過時間が減少していることが分かる。
【0023】
【表2】
【0024】
【発明の効果】
本発明のセメント用添加剤は、スレートの製造時においてセメントおよび骨材と水との分離性を良くし、脱水プレスの水切り工程での脱水性が良好となり、生産性が向上する。
Claims (1)
- 天然油脂と炭素数8〜22の脂肪酸またはその塩との混合割合がモル比で1/3〜1/0.01であり、天然油脂と炭素数8〜22の脂肪酸またはその塩との混合物の和1molに対して炭素数2〜8のアルキレンオキシドを5モル以上付加反応して得られる反応生成物からなり、エチレンオキシドと炭素数3〜8のアルキレンオキシドとのモル比が1/40〜2/1であることを特徴とするセメント用添加剤。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP6073798A JP4103166B2 (ja) | 1998-03-12 | 1998-03-12 | セメント用添加剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6073798A JP4103166B2 (ja) | 1998-03-12 | 1998-03-12 | セメント用添加剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH11255547A JPH11255547A (ja) | 1999-09-21 |
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ID=13150884
Family Applications (1)
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JP6073798A Expired - Lifetime JP4103166B2 (ja) | 1998-03-12 | 1998-03-12 | セメント用添加剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP4103166B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
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---|---|---|---|---|
JP4520600B2 (ja) * | 2000-08-28 | 2010-08-04 | 日本製紙株式会社 | 空気連行剤 |
-
1998
- 1998-03-12 JP JP6073798A patent/JP4103166B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11255547A (ja) | 1999-09-21 |
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