JP4102251B2 - 塗料ミスト処理剤及び処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車、建築材、あるいは家庭用電化製品などの塗装に用いられる湿式塗装(特に、水溶性塗料において)において、塗装ブース循環水中に捕集された未塗着塗料粒子を固液分離しながら不粘着化させ、液面に浮上させた状態で回収させるとともに、循環水上に発生する泡を抑制できる処理剤および処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、自動車、建築材あるいは家庭用電化製品等の各種の塗装において、一般に塗装効率が20〜80%であるために、余剰塗料ミストを循環水で捕集する湿式塗装ブースが常用されている。循環水に捕集された塗料ミストは、凝集して浮上または沈降するが、粘着性が高いため、塗装ブースの循環系(例えば、水膜板、シャワーノズル、配管、ストレーナー、ポンプ等)や排気系に塗料粕となり固着し、これらの系を閉塞させてしまう。このため塗装ブースの処理効率や塗装作業効率に大きな影響を与え、塗料粕の除去には多大の労力や経費を必要としている。
【0003】
このような問題に対処するために、従来から種々の塗料ミスト処理剤が提案され使用に供している。例えば、特許文献1には、エピクロルヒドリン−ポリアルキレンポリアミン縮合物からなるカチオン性高分子凝集剤及び塩化亜鉛、塩化アルミニウムなどの両性金属塩を含有する処理剤、特許文献2には、エピクロルヒドリン−ポリエチレングリコール−アルキレンジアミン反応物からなるカチオン性高分子凝集剤とアルカリ性塩化亜鉛を含有する処理剤、特許文献3には、メラミン・アルデヒド酸コロイドを含有する処理剤等が知られている。これらはいずれも水溶液であるかあるいは使用する直前に水溶液として循環水に添加するが、水溶液中では高分子鎖中の電荷が中和されることによって高分子鎖が十分に伸びた状態とならず、高分子が効率的に塗料粕に吸着しにくいことが考えられる。
【0004】
また、循環水の長期間使用によって腐敗が進行することから、循環水の発泡が著しくなる。さらに、近年環境影響を配慮して使用量が増えている水溶性塗料は、顔料の親水性を向上させるために親水性の界面活性剤や樹脂を添加されていることから、循環水の発泡が著しくなっている。著しい発泡によってブースピットから循環水が溢れたり、塗料粕の回収が困難となることが問題視されている。
【0005】
このような問題を対処するために、上記の薬品に加えて、消泡剤を定期的に添加する必要があり、作業が煩雑となること、および薬品のコストが高くなるという問題が生じている。
【0006】
【特許文献1】
米国特許3251882号
【特許文献2】
米国特許3990869号
【特許文献3】
特公昭63−33799号
【0007】
【本発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記に示した問題点を解決すべくなされたものであり、特に、水溶性塗料の凝集・回収性が良好であるとともに、循環水の発泡を抑えることができ、作業効率の低下およびコストアップを伴うことなく湿式塗装ブース循環水用塗料ミスト処理剤を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
即ち本発明は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の成分からなる湿式塗装ブース循環水用塗料ミスト処理剤を見出し、また、該処理剤を用いた処理方法を完成するに至った。特に、本発明は、水溶性塗料に対して効果的である。
【0009】
即ち、本発明の湿式塗装ブース循環水用塗料ミスト処理剤は、次に示す成分組成からなることを特徴とする。
【0010】
1. (1)高分子逆相エマルションを必須成分とする湿式塗装ブース循環水用塗料ミスト処理剤を提供する。
2. 更に、(1)高分子逆相エマルションと(2)不水溶性または難水溶性多価アルコール及び/またはそのエーテルを必須成分とする湿式塗装ブース循環水用塗料ミスト処理剤を提供する。
3. また、本発明の湿式塗装ブース循環水用塗料ミスト処理剤と、下記の(a)から(c)に記載の物質の何れかの中から少なくとも1つを同時に添加することからなる湿式ブース循環水用塗料ミスト処理方法を提供する。
(a)無機多価金属塩
(b)疎水性高分子エマルション
(c)粘土鉱物
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明における高分子逆相エマルションとは、連続層である疎水性有機溶剤中に水溶性あるいは親水性の高分子が粒子状として分散した状態のもので(W/O型)あり、水に溶解すると連続層である水中に高分子粒子が溶解、疎水性有機溶媒は水中に分散した状態(O/W型)になる。水溶性高分子の水への溶解・分散速度が増すとともに、塗料粒子の凝集性が向上する。
【0012】
本発明における高分子の分散媒に使用する疎水性有機溶剤として、ノルマルペンタン、ノルマルヘキサン、イソヘキサン、イソオクタン、イソドデカン等のパラフィン系炭化水素、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等のナフテン系炭化水素、アセトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤、ブチルアルコール、ヘキシルアルコール、オクチルアルコール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等のアルコール系溶剤、ナフサ、マシン油、ガソリン、灯油、軽油、重油、石油エーテル、石油ベンジン、テレビン油、ミネラルスピリット、ホワイトオイル、インクオイル等の石油系溶剤が挙げられる。好ましくは、ノルマルヘキサン、イソヘキサン、イソオクタン、イソドデカン等のパラフィン系炭化水素、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等のナフテン系炭化水素及びマシン油、灯油、軽油、ミネラルスピリット、ホワイトオイル等の石油系溶剤である。
【0013】
本発明に用いる高分子逆相エマルションの水溶性・親水性高分子としては、カチオン、両性またはアニオン性高分子であり、具体的には、アクリルアミド・アクリル酸エステル共重合物またはその第四級アンモニウム塩、アクリルアミド・アミノメチルアクリルアミド共重合物またはその第四級アンモニウム塩、アクリルアミド・N,Nジメチルアミノエチルアクリレート共重合物またはその第四級アンモニウム塩、アクリルアミド・N,Nジメチルアミノエチルメタクリレート共重合物またはその第四級アンモニウム塩、アクリルアミド・アクリル酸・メタクリル酸N,Nジメチルアミノエチル共重合物またはその第四級アンモニウム塩、ビニルピロリドン・ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合物またはその第四級アンモニウム塩、ジメチルアミノエチルメタクリレート・アルキルメタクリレート共重合物のモノクロル酢酸反応物、ジアリルアミン第四級塩−マレイン酸共重合物等が挙げられる。好ましくは、アクリルアミド・アクリル酸エステル共重合物またはその第四級アンモニウム塩であるポリアクリルアミド系の凝集剤である。
【0014】
また、本発明に使用する水溶性高分子として、水溶液とした場合のpHが酸性、中性、及びアルカリ性の何れも使用可能であるが、特に、酸性を示すものが凝集効果が高くて好ましい。
【0015】
本発明に使用する水溶性高分子の分子量は、一般的には、10万〜1200万であるが、好ましくは、100万〜1000万である。これは、水溶性高分子の分子量が10万以上で塗料粕の凝集性が十分に得られ、また分子量が1200万以下であれば、高分子の溶解性が容易、つまり液の安定性の維持が容易だからである。
【0016】
本発明に用いる逆相エマルションの製造方法は、特に問うものではないが、一般的には、界面活性剤を含有した重合に不活性な疎水性有機溶剤に、重合後水溶性あるいは親水性を示す重合体となる単量体の水溶液を分散させた後、通常ラジカル重合剤を用いて重合することにより得られる。
【0017】
高分子逆相エマルションの配合量は、塗料ミスト処理剤に対して9.5〜98重量%、好ましくは、20〜80重量%である。これは、高分子逆相エマルションの配合量が塗料ミスト処理剤に対して9.5重量%以上で、塗料粕の凝集性、循環水の清澄性が十分に得られる。
【0018】
本発明に使用する多価アルコールまたはそのエーテルとして、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等のアルキルグリコールであり、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル(HeG)、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル(EHG)、ジエチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル(EHDG)、エチレングリコールモノフェニルエーテル(PhG)、プロピレングリコールモノフェニルエーテル(PhFG)、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル(DBDG)、エチレングリコールジグリシジルエーテル等のアルキルグリコールエーテル。その他、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、ピナコール、ヒドロベンゾイン、ベンズピナコール、シクロペンタンジオール、シクロヘキサンジオール、グリコールセルロースなどである。好ましくは、水に対する溶解度が1重量%以下で分子量が70以上のアルキルグリコールエーテルである。具体的に例示すると、HeG、EHG、EHDG、PhG、PhFG、DBDGである。
【0019】
本発明に用いる多価アルコールまたはそのエーテルは、水溶性塗料等の特に発泡しやすい循環水の発泡を防止するとともに、塗料ミスト処理剤の粘度調整剤の役割を示す。多価アルコールまたはそのエーテルの配合量は、一般的に、塗料ミスト処理剤に対して0.5〜90重量%であるが、好ましくは、5〜90重量%である。これは、多価アルコールまたはそのエーテルの配合量は、一般的に、塗料ミスト処理剤に対して、0.5〜90重量%の範囲で十分な抑泡性が得られるからである。
【0020】
本発明における疎水性有機溶剤の併用は、本発明に用いる多価アルコールまたはそのエーテルが安定な系を作りがたい場合に、多価アルコールまたはそのエーテルを安定に溶解または分散させるため必要に応じて用いられる。一般的には、高分子逆相エマルションの分散媒として用いた疎水性有機溶剤を用いることが出来る。しかし、同時に同等の疎水性有機溶剤を用いる必要はない。特に、好ましくは、両性高分子の分散媒に使用する疎水性有機溶剤と同様の溶剤が挙げられる。具体的にはノルマルペンタン、ノルマルヘキサン、イソヘキサン、イソオクタン、イソドデカン等のパラフィン系炭化水素、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等のナフテン系炭化水素、アセトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤、ブチルアルコール、ヘキシルアルコール、オクチルアルコール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等のアルコール系溶剤、ナフサ、マシン油、ガソリン、灯油、軽油、重油、石油エーテル、石油ベンジン、テレビン油、ミネラルスピリット、ホワイトオイル、インクオイル等の石油系溶剤が挙げられる。好ましくは、ノルマルヘキサン、イソヘキサン、イソオクタン、イソドデカン等のパラフィン系炭化水素、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等のナフテン系炭化水素及びマシン油、灯油、軽油、ミネラルスピリット、ホワイトオイル等の石油系溶剤である。この様な溶剤は、比較的消泡効果が高い上、塗装はじき等の問題が少ないという利点がある。
【0021】
本発明に用いる消泡剤は、通常用いられている消泡剤でよく、例えば、疎水性有機溶剤、脂肪酸多価金属塩、疎水性無機粉体、消泡性非イオン性界面活性剤等が挙げられ、これらのうちのいずれか一つ以上を用いればよい。好ましくは以上の何れをも含有してなるものである。配合量は、塗料ミスト処理剤全体に対して、0.05〜50重量%である。好ましくは、0.5%〜30重量%である。これは、消泡剤の配合量が塗料ミスト処理剤全体に対して、0.05重量%以上で十分な消泡性が得られ、また50重量%以下であれば液の安定性の維持が容易で、経済的である。
【0022】
本発明における消泡剤の脂肪酸多価金属塩としては、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸、オレイン酸、エルカ酸等の脂肪酸のマグネシウム、アルミニウム、カルシウム、鉄、亜鉛、ニッケル、バリウム等の金属塩が挙げられるが、好ましくはラウリン酸、ステアリン酸、モンタン酸等の飽和脂肪酸のマグネシウム、アルミニウム、カルシウム塩である。
【0023】
本発明における消泡剤の疎水性無機粉体として、疎水性シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム等が挙げられる。
【0024】
本発明における消泡剤の非イオン性界面活性剤として、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル等の脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン(プルロニック型・テトロニック型)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等のエーテル型等が挙げられるが、好ましくはポリエチレングリコール型である。
【0025】
本塗料ミスト処理剤は、湿式塗装ブース装置において、余剰塗料に対して通常は、1〜20重量%をブース循環水中にバッチあるいは定量注入ポンプ等で添加して使用する。好ましい使用量は、高分子逆相エマルションの水溶性・親水性高分子の量が、余剰塗料に対して0.5〜20重量%にするとよい。これは、本塗料ミスト処理剤は、湿式塗装ブース装置において、余剰塗料に対して、1重量%以上で塗料粕の不粘着性、塗料粕の浮上性、塗料粕の凝集性、循環水の清澄性、循環水の消泡性の効果が十分に得られ、また、20重量%以下で経済的である。
【0026】
本発明における塗料ミスト処理剤は、循環水に(a)無機多価金属塩、(b)疎水性高分子エマルション、(c)粘土鉱物の何れか一つ以上とを同時に添加することによって、より塗料粕を効率的に回収することができる。
【0027】
本発明に使用する無機多価金属塩としては、亜鉛酸ナトリウム、アルミン酸ソーダ、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、塩化カルシウム、塩化鉄、塩化バリウム、塩化マグネシウム、硝酸アルミニウム、硝酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、炭酸マグネシウム、硫酸亜鉛、硫酸アルミニウム、硫酸アルミニウムカリウム、硫酸ストロンチウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム等が挙げられる。より好ましくは硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸ストロンチウム等の多価金属硝酸塩及び多価金属硫酸塩である。添加量は、本発明の塗料ミスト処理剤に対して5〜50容量%である。これは、添加量が本発明の塗料ミスト処理剤に対して5容量%以上で塗料粕の十分な凝集性が得られ、循環水の十分な清澄性が得られる。また、50容量%以下であれば塗料粕の十分な浮上性、凝集性が得られるからである。
【0028】
本発明に使用する疎水性高分子エマルションとしては、低分子量ポリエチレン、パラフィン、モンタン酸ワックス及びそれらを原料とする酸化ワックス、エステルワックス、マイクロワックス、アクリルアミド・アクリル酸・アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、脂肪酸アミド、及び、エチレン、プロピレン、アクリル酸、ウレタン、アクリル、スチレン、ブタジエン、酢酸ビニル、アクリロニトリル、ビニルピリジン等の重合物またはこれらを含む共重合物等が挙げられるが、好ましくは、低分子量ポリエチレン、及び、アクリル、スチレン、ブタジエン、酢酸ビニル、アクリロニトリル、ビニルピリジン等の重合物、またはこれらを含む共重合物のエマルションである。添加量は、本発明の塗料ミスト処理剤に対して5〜50容量%である。これは、添加量が本発明の塗料ミスト処理剤に対して5容量%以上で塗料粕の十分な凝集性、浮上性が得られる。また、50容量%以下であれば循環水の十分な清澄性が得られるからである。
【0029】
本発明に使用する粘土鉱物として、カオリン、クレー、タルク、珪藻土、パーライト、ベントナイト、活性白土、酸性白土、ベーマイト、ムライト、ゼオライト、セピオライト等が挙げられるが、好ましくはベントナイト、ゼオライト、セピオライトである。添加量は、本発明の塗料ミスト処理剤に対して5〜50容量%である。これは、添加量が本発明の塗料ミスト処理剤に対して5容量%以上で塗料粕の十分な凝集性が得られ、循環水の十分な清澄性が得られる。また、50容量%以下であれば塗料粕の十分な浮上性、凝集性が得られるからである。
【0030】
好ましい併用物質は、水溶性塗料の場合は無機多価金属塩である。
【0031】
【実施例】
表1に示す組成の塗料ミスト処理剤を調製し、以下の実施例及び比較例に示した試験に供した。
【0032】
【表1】
【0033】
実施例1〜14
[評価方法]
・水道水500mL入れた2L入りの家庭用ミキサーに、表2に示した塗料ミスト処理剤(表1に記載)と併用剤との合計1mLを添加し(表3に塗料ミスト処理剤と併用剤の比率を示した)、軽く攪拌しながらpHを7付近に調製した。
・次いで、塗料[関西ペイント株式会社製 自動車用水性アクリル系塗料(ワインレッド)及び日本ペイント株式会社製 自動車用水性アクリル系塗料(グリーン)]を5g添加し、9500rpmで20秒間攪拌し、攪拌停止後、塗料粕の不粘着性、凝集性、浮上状態、及び、水の清澄性、消泡性について評価した。不粘着性、凝集性、浮上状態、及び、水の清澄性は、目視で評価し、消泡性については以下のように評価した。いずれの評価も表4の評価基準をもとに評価した。結果を表5及び6に示した。
【0034】
[循環水の消泡性評価方法]
ミキサーの撹拌停止後、泡が消えるまでの時間を測定し、これを消泡時間(秒)とした。180秒経過後も泡が残るものについては試験を中止し、評価を180秒以上とした。
【0035】
比較例1〜7
実施例と同様に試験を行った。結果を表5及び6に示した。
【0036】
比較例8〜10
塗料ミスト処理剤を用いず、併用剤のみを添加した試験を行った。結果を表5及び6に示した。
【0037】
比較例11
塗料ミスト処理剤及び併用剤を全く添加しない試験を行った。結果を表5及び6に示した。
【0038】
【表2】
【0039】
【表3】
【0040】
【表4】
【0041】
【表5】
【0042】
【表6】
【0043】
【発明の効果】
本発明の塗装ミスト処理剤を使用することにより、特に水溶性塗料等、分散性が高く発泡が多い塗料に対して抑泡性があり、塗料粕が凝集・浮上し、容易な回収が可能となる。
Claims (6)
- (1)高分子逆相エマルションと(2)不水溶性または難水溶性多価アルコール及び/またはそのエーテルを必須成分とする湿式塗装ブース循環水用水溶性塗料のミスト処理剤。
- (1)高分子逆相エマルションを9.5〜98重量%、(2)不水溶性または難水溶性多価アルコール及び/またはそのエーテルを0.5〜90重量%を含有する請求項1に記載の湿式塗装ブース循環水用水溶性塗料のミスト処理剤。
- 更に、(3)消泡剤及び/または疎水性有機溶剤を含有する請求項2に記載の湿式塗装ブース循環水用水溶性塗料のミスト処理剤。
- 高分子逆相エマルションの高分子が、カチオン、両性またはアニオン性であり、(メタ)アクリル酸及びその塩、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミド末端アミン及び末端4級アンモニウム塩、マレイン酸のうちのいずれかの共重合物である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の湿式塗装ブース循環水用水溶性塗料のミスト処理剤。
- 多価アルコールまたはそのエーテルが、水に対する溶解度(20℃において)が1重量%以下で分子量が70以上である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の湿式塗装ブース循環水用水溶性塗料のミスト処理剤。
- 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の湿式塗装ブース循環水用水溶性塗料のミスト処理剤と、下記の(a)から(c)に記載の物質の中から何れかの少なくとも1つを同時に添加することからなる湿式ブース循環水用水溶性塗料のミスト処理方法。
(a)無機多価金属塩
(b)疎水性高分子エマルション
(c)粘土鉱物
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