JP4101618B2 - チップピックアップ方法およびチップピックアップ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、チップピックアップ方法およびチップピックアップ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば半導体デバイスに用いられる部品であるチップは、一般的に半導体ウェハから複数に分割採取される。半導体デバイスの製造においては、前述のように半導体ウェハから分割され整列配置されるチップをピックアップし、所定の位置まで搬送し、位置決めされた後各種の処理を行うことを繰返し、製品化されている。前述のチップのピックアップは、整列配置されるチップを1つずつ画像認識し、認識される画像情報に基づいてチップの良否を判定し、良と判定されたチップを順次ピックアップする動作である。画像情報に基づくチップの良否は、チップ自体の有無、欠け等の外観不良の有無に基づいて判定され、良と判定されたチップが、コレットと呼ばれる真空吸着用治具を備えるピックアップ手段によってピックアップされ、ダイボンド処理などに供されている。
【0003】
以下にチップピックアップ方法の従来技術について説明する。図44はチップ1が半導体ウェハ2から分割されて整列配置されている状態の一例を示す図であり、図45は、図44に示す配置のチップ1をピックアップする従来技術の動作を説明するフローチャートである。ここでは、複数のチップ1は常に行列状に配置されるものとし、複数のチップ1が整列配置される平面上において、チップ1が配置される行方向をX軸方向、列方向をY軸方向と定義する。
【0004】
ステップa1のスタートでは、複数(ここでは8つ)のチップが分割採取されて少なくともX−Y2軸方向に移動可能なテーブル上に前述の図44に示すように整列配置され、かつ整列配置されている状態のチップ1を、たとえばカメラによって撮像できる状態にある。
【0005】
ステップa2では、整列配置されているチップ1の1つをカメラによって撮影し、撮影された画像を画像処理装置に取込む。ステップa3では、画像処理装置においてチップ1の画像情報を解析処理する。ステップa4では、解析処理結果に基づいて、チップ1自体の有無および欠け等の概観不良の有無などによってチップ1の良否を判定する。判定結果が肯定でチップ1が良品であるとき、ステップa5に進む。
【0006】
ステップa5では、チップ1が載置されるテーブルをX−Y2軸方向に補正移動して、チップ1を予め定められるピックアップ位置に配置する。ステップa6では、ピックアップ位置に配置されるチップ1をピックアップ手段によってピックアップする。ステップa7では、テーブルをX軸方向に予め定められるピッチだけ移動し、ステップa2に戻る。ここでピッチは、整列配置されているチップ同志の重心位置間隔に等しい距離に定められる。
【0007】
先のステップa4の判定結果が否定で、チップ1が撮像画面内に存在しないか、またはチップ1が不良品(この両者を総称して不良品とする)であるとき、ステップa8に進む。ステップa8では、画像処理装置におけるチップ1の不良品との判定結果が連続して得られた回数が、予め設定される回数nであるか否かが判断される。判断結果が肯定であるとき、ステップa9に進む。ステップa9では、テーブルの送り方向をX軸方向からY軸方向へ変更する。ステップa10では、テーブルをY軸方向に予め定められるピッチだけ移動し、ステップa2に戻る。
【0008】
先のステップa8の判断結果が否定で、画像処理装置におけるチップ1の不良品との判定結果が連続して得られた回数が、予め設定される回数n未満であるとき、ステップa11に進む。ステップa11では、テーブルをX軸方向に予め定められるピッチだけ移動し、ステップa2に戻る。
【0009】
図45のフローチャートに示すチップピックアップの従来技術を、後述の図46〜図68を参照して具体的に説明する。
【0010】
図46は、チップC1の画像取込みの状態を示す図である。図46では、先の図44に示すように配置されるチップ1のうち、チップC1を第1番目にピックアップするように設定される。従来技術では、1つのチップC1のみが、カメラによって撮像される画像認識エリア3内にあり、画像認識エリア3内において認識されるチップC1の画像情報に基づいて良否判定が行われる。チップC1が良品であるとき、チップC1の重心が予め定められるピックアップ位置4に配置されるようにテーブルが補正移動される。ピックアップ位置4に移動されたチップC1は、ピックアップ手段によってピックアップされる。
【0011】
図47は、チップC1をピックアップした後の状態を示す図である。チップC1をピックアップ後は、テーブルをX軸方向であって矢符5に示す方向へ予め定められるピッチだけ移動し、チップC2の画像を取込む。ここでテーブルの送り量であるピッチとは、前述のように、X軸方向にテーブルを移動する際には、行方向に配置されるチップ同志の重心位置間隔に定められ、Y軸方向にテーブルを移動する際には、列方向に配置されるチップ同志の重心位置間隔に定められる。
【0012】
図48は、チップC2の画像取込みの状態を示す図である。画像認識エリア3内にあるチップC2の画像情報に基づいて良否判定が行われ、良品であるとき、チップC2の重心が予め定められるピックアップ位置4に配置されるようにテーブルが補正移動される。ピックアップ位置4に移動されたチップC2は、ピックアップ手段によってピックアップされる。
【0013】
図49は、チップC2をピックアップした後の状態を示す図である。チップC2をピックアップ後は、テーブルをX軸方向であって矢符5に示す方向へ1ピッチだけ移動する。図50は、画像認識エリア3内に取込むべきチップ画像の無い状態を示す図である。画像認識エリア3内にチップが存在しないので、テーブルの補正移動動作およびチップのピックアップ動作をすることなく、テーブルをX軸方向であって矢符5に示す方向へ1ピッチだけ移動する。
【0014】
図51は、画像認識エリア3内に取込むべきチップ画像の無い状態を示す図である。画像認識エリア3内にチップが存在しない判定が2回連続したので、テーブルの補正移動動作およびチップのピックアップ動作をすることなく、テーブルをY軸方向であって矢符6に示す方向へ1ピッチだけ移動する。すなわちこの例示においては、前述の画像処理装置におけるチップ無しまたはチップ不良品との判定結果の連続回数n=2に設定している。なおY軸方向に平行な移動方向は、図51の紙面に対して上下いずれの方向をも選択することができるけれども、第1番目にピックアップするべく設定したチップに対する行列配置に基づいて、矢符6方向に定める。
【0015】
図52は、画像認識エリア3内に取込むべきチップ画像の無い状態を示す図である。画像認識エリア3内にチップが存在しない判定が1回であり2回未満であるので、テーブルの補正移動動作およびチップのピックアップ動作をすることなく、テーブルをX軸方向であって矢符7に示す方向へ1ピッチだけ移動する。なおこのときテーブルの移動方向はX軸方向であるけれども、1度Y軸方向に移動した後は、前回X軸方向に平行に移動させた方向と逆の方向が選択されるように設定する。
【0016】
図53は、チップC3の画像取込みの状態を示す図である。チップC3の画像情報に基づいて良否判定が行われ、良品であるとき、チップC3の重心がピックアップ位置4に配置されるようにテーブルが補正移動される。ピックアップ位置4に移動されたチップC3は、ピックアップされる。図54は、チップC3をピックアップした後の状態を示す図である。チップC3をピックアップ後は、テーブルをX軸方向であって矢符7に示す方向へ1ピッチだけ移動し、チップC4の画像を取込む。
【0017】
図55は、チップC4の画像取込みの状態を示す図である。チップC4の画像情報に基づいて良否判定が行われ、良品であるとき、チップC4の重心がピックアップ位置4に配置されるようにテーブルが補正移動される。ピックアップ位置4に移動されたチップC4は、ピックアップされる。図56は、チップC4をピックアップした後の状態を示す図である。チップC4をピックアップ後は、テーブルをX軸方向であって矢符7に示す方向へ1ピッチだけ移動し、チップC5の画像を取込む。
【0018】
図57は、チップC5の画像取込みの状態を示す図である。チップC5の画像情報に基づいて良否判定が行われ、良品であるとき、チップC5の重心がピックアップ位置4に配置されるようにテーブルが補正移動される。ピックアップ位置4に移動されたチップC5は、ピックアップされる。図58は、チップC5をピックアップした後の状態を示す図である。チップC5をピックアップ後は、テーブルをX軸方向であって矢符7に示す方向へ1ピッチだけ移動し、チップC6の画像を取込む。
【0019】
図59は、チップC6の画像取込みの状態を示す図である。チップC6の画像情報に基づいて良否判定が行われ、良品であるとき、チップC6の重心がピックアップ位置4に配置されるようにテーブルが補正移動される。ピックアップ位置4に移動されたチップC6は、ピックアップされる。図60は、チップC6をピックアップした後の状態を示す図である。チップC6をピックアップ後は、テーブルをX軸方向であって矢符7に示す方向へ1ピッチだけ移動する。
【0020】
図61は、画像認識エリア3内に取込むべきチップ画像の無い状態を示す図である。画像認識エリア3内にチップが存在しない判定が1回目であるので、テーブルの補正移動動作およびチップのピックアップ動作をすることなく、テーブルを矢符7に示す方向へ1ピッチだけ移動する。図62は、画像認識エリア3内に取込むべきチップ画像の無い状態を示す図である。画像認識エリア3内にチップが存在しない判定が2回連続したので、テーブルの補正移動動作およびチップのピックアップ動作をすることなく、テーブルをY軸方向であって矢符6に示す方向へ1ピッチだけ移動する。
【0021】
図63は、画像認識エリア3内に取込むべきチップ画像の無い状態を示す図である。画像認識エリア3内にチップが存在しないので、テーブルの補正移動動作およびチップのピックアップ動作をすることなく、テーブルを矢符5に示す方向へ1ピッチだけ移動する。なお1度Y軸方向に移動した後であるので、X軸方向の移動方向は矢符5に示す方向が選択される。
【0022】
図64は、画像認識エリア3内に取込むべきチップ画像の無い状態を示す図である。テーブルの移動方向変換後、画像認識エリア3内にチップが存在しない判定が1回目であるので、テーブルの補正移動動作およびチップのピックアップ動作をすることなく、テーブルを矢符5に示す方向へ1ピッチだけ移動する。
【0023】
図65は、画像認識エリア3内に取込むべきチップ画像の無い状態を示す図である。画像認識エリア3内にチップが存在しない不良品の判定が2回連続したけれども、さらに続けてテーブルを矢符5に示す方向へ1ピッチだけ移動する。このように不良品の判定が2回続けて行われたにも関らず、テーブルがX軸方向に移動される理由は以下による。
【0024】
図45に示すステップa8の判断は、テーブルのY軸方向移動が実行された後、1回以上チップのピックアップが実行された場合、またはテーブルのY軸方向移動が1回も実行されていない場合における移動方向変更判断のロジックである。
【0025】
図が繁雑になることを避けるために図45では省略されているけれども、前述のステップa8の移動方向変更判断ロジックに優先し、テーブルがY軸方向に移動した後、1回もチップのピックアップ動作が実行されていない場合、不良品の判定回数が2回以上であっても続けてX軸方向にテーブル移動させるロジックが設けられていることによる。
【0026】
図66は、チップC7の画像取込みの状態を示す図である。チップC7の画像情報に基づいて良否判定が行われ、良品であるとき、チップC7の重心がピックアップ位置4に配置されるようにテーブルが補正移動される。ピックアップ位置4に移動されたチップC7は、ピックアップされる。図67は、チップC7をピックアップした後の状態を示す図である。チップC7をピックアップ後は、テーブルを矢符5に示す方向へ1ピッチだけ移動し、チップC8の画像を取込む。図68は、チップC8の画像取込みの状態を示す図である。チップC8の画像情報に基づいて良否判定が行われ、良品であるとき、チップC8の重心がピックアップ位置4に配置されるようにテーブルが補正移動される。ピックアップ位置4に移動されたチップC8は、ピックアップされる。
【0027】
このようにして、テーブル上に行列状に配置されるチップC1〜C8が順次ピックアップされる。図69は、従来技術のチップピックアップ動作を行った際のテーブル移動の軌跡を示す。図69中のチップC1〜C8の配置は先の図44に示す配置と同一であり、図69中の矢印が、テーブルが予め定められるX軸方向またはY軸方向へ1ピッチずつ移動した軌跡を示す。
【0028】
従来技術のチップピックアップ動作におけるチップの認識では、画像認識エリア3内に1つのチップが収まるようにして画像認識し、チップ品質の良否に関らずチップを1つずつ欠かすことなく良否判定する。良否判定後、良品のチップはピックアップされ、不良品のチップおよびチップ無しの場合にはピックアップせずに、テーブルを1ピッチ移動させて次のチップの認識を行う。
【0029】
このようなピックアップ動作では、テーブル上に行列状に配置されるチップのうち、隣にチップの配置されていないチップを認識した後では、次の画像認識するべきチップが存在しないので、画像認識するべきチップを求めてテーブル移動を繰返すチップの探索動作が発生する。すなわち前述の図69に示すように、チップが存在せずテーブル移動のみを示す矢印のみの軌跡が多く発生する。このチップ探索動作は、実質的にチップをピックアップすることのない時間を費やすので、半導体デバイス製造におけるチップピックアップ作業時間を不所望に増大させ、生産効率低下の要因となっている。
【0030】
またチップ探索動作負荷を軽減するために、チップの分割されたウェハをピックアップ装置に装入する前に、分割されたチップの位置情報を予め求めておき、この位置情報に基づいてテーブルを移動させてチップをピックアップする方法が提案されている。しかしながら、チップをピックアップする際のニードル突上げの影響および経時変化によるウェハ形状の変化に伴い予め求めたチップの位置情報と、ピックアップ時の実際の位置との間に齟齬の生じることがあり、万全なピックアップ方法とは言えない。
【0031】
またチップをピックアップするもう一つの従来技術には、2軸方向に移動可能に設けられるシート上に配置されたチップのうち、予め定められるピックアップ位置に位置するチップをニードルによってシートを介して突上げ、突上げられて剥離し易くなったチップをコレットでピックアップするという方法がある。図70は、もう一つの従来技術に用いられるチップピックアップ装置51の構成を簡略化して示す部分配置図である。図70では、チップピックアップ装置51のうちチップ52のピックアップに関する要部のみを図示する。
【0032】
シート53上に行列状に配置されるチップ52(総称するときは数字のみの参照符号で示し、個々のチップを称するときはアルファベットの添字を付して示す)は、カメラ54によって撮影される。カメラ54で撮影され画像取込みされた画像情報が図示しない画像処理装置に入力される。図71は、カメラ54によるチップ52の撮像画面55を例示する図である。図71に示すように、カメラ54の撮像画面55である画像認識エリアに含まれるチップ52の数は、1ないし2個である。ここで画像認識エリア55内に含まれるものとして計数されるチップ52は、チップ52の全体像が画像認識エリア55内に含まれるものに限定される。
【0033】
画像処理装置では、画像認識エリア55において予め定められる2次元座標系に基づいて、画像認識エリア55内に含まれてその存在が認識されるチップ52aの重心位置Gaが演算される。画像処理装置には、画像認識エリア55内に前記2次元座標系に基づいて予め定められるチップのピックアップ位置P1がストアされている。前述のチップ52aの重心位置Gaが演算されると、その演算結果とチップのピックアップ位置P1とが、画像処理装置から図示しない制御手段に対して出力される。
【0034】
制御手段は、画像処理装置からの出力に応答し、チップ52aの配置されているシート53を、チップ52aの重心位置Gaがピックアップ位置P1に位置するように移動させる。図72は、ピックアップ位置P1に位置するチップ52aがコレット58によってピックアップされる状態を示す図である。また制御手段は、前記ピックアップ位置P1の下方に設置される突上手段56に備わるニードル57を上方に向って駆動し、シート53を介してチップ52aを突上げてシート53から剥離しやすくするとともに、コレット58をピックアップ位置P1に位置されるチップ52aに向って降下させ、チップ52aを真空吸着してピックアップするように動作制御する。
【0035】
チップ52aのピックアップが完了すると、ピックアップされたチップ52aに隣接するチップが存在するであろうと推定される位置までシート53を移動させて、シート53上に配置されるチップ52の新たな画像を取込み、前述と同様の動作が繰返される。
【0036】
しかしながら、もう一つの従来技術には、以下の問題がある。図73は、ピックアップ位置P1に位置するチップ52aのコレット58によるピックアップが完了した状態を示す図である。もう一つの従来技術では、一つのチップ52aのピックアップが完了すると、ピックアップ前のチップ52aにシート53上で隣接するチップ52bが次にピックアップされるべきチップとして選択される。したがって、シート53は、シート53上のチップ52bが、ピックアップ位置P1に近づくようにおおまかに移動される。このとき、先のチップ52aをピックアップするべくニードル57で突上げられたシート53は、ピックアップが完了してニードル57の下降した後においても、短時間では変形が回復せず元の平面に戻らない。
【0037】
したがって、シート53が変形したままで、カメラ54によってチップ52bの画像を取込むと、シート53上で傾斜した状態のチップ52bを撮像することになるので、傾斜していない場合に比べてカメラ54に入射する光量が変化して良品チップを不良と誤認したり、重心位置の誤差を生じる原因となっていた。また逆にシート53の変形が回復して平面に戻るまで時間間隔をあけて、次のチップピックアップ動作を行うようにすると、無駄な時間を消費することになり、高速連続ピックアップを行うことができなくなるので、生産効率を低下させるという問題がある。
【0038】
このような問題を解決する先行技術に、チップをピックアップする順番を予め定められた数だけ飛ばしながら、たとえば一つ飛ばしにピックアップするというものがある(たとえば、特許文献1参照)。この先行技術では、ピックアップするチップの順番を予め定められた数だけ飛ばすように設定することによって、ニードルで突上げられたシートの変形の影響を受けていない位置に存在するチップを次のピックアップ対象に選択することができる。
【0039】
しかしながら、前述の先行技術にも以下の問題がある。図74は、シート53上にチップ52が行列状に配置される例を示す図である。図74に示すように、シート53上に配置されるチップ52が、行列を構成するすべての配置位置を規則正しく充足していないとき、前述の先行技術では、効率的にピックアップすることができない。たとえば、上から第2行目59のように、チップが一つ飛ばしに配置されているとき、一つ飛ばしにチップ52のピックアップ動作をするべく1回目の行方向の走査をすると、第2行目59に配置されるすべてのチップ52の画像を取込んでピックアップすることができるけれども、取残しを防止するべく同じ第2行目59に対して2回目の行方向の走査をすると、全く存在しないチップを求めて1行分の画像取込み動作をすることになり、ピックアップ作業に無駄な時間を生じて生産効率低下の要因になるという問題がある。また前述の先行技術では、シートの厚み、シートの弾性率、突上量などの諸条件を考慮し、突上げによる変化の影響がない場所を予測して、次にピックアップするべきチップを決定することが提案されているけれども、その実現には前述の諸条件に基づきチップをいくつ飛ばしにピックアップするかの設定をデータベース化して、制御手段に備わる記憶手段にストアしておかなければならないという操作の煩雑化の問題もある。
【0040】
【特許文献1】
特開2001−160560号公報
【0041】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、チップの探索動作負荷を軽減し、効率良くチップをピックアップできるチップピックアップ方法およびチップピックアップ装置を提供することである。
【0042】
また本発明のもう一つの目的は、シート上に配置されるチップに抜けがある場合においても、突上げによるシートの変形の影響を受けることなく、効率良くチップをピックアップできるチップピックアップ方法を提供することである。
【0043】
【課題を解決するための手段】
本発明は、少なくとも2軸方向に移動可能なテーブル上に載置される複数のチップを順次ピックアップするチップピックアップ方法において、
前記複数のチップを撮像し、
撮像画面内に含まれる複数のチップの配置を画像情報とし、
画像情報として得られる各チップの重心位置を、撮像画面において予め定められる2次元座標系によって求め、
各チップの重心位置と、撮像画面内において予め定められる基準位置P0との距離を求め、
前記基準位置P0から最短距離に重心が位置するチップを選択し、
選択されたチップが撮像画面内において予め定められるピックアップ位置P1に位置されるようにテーブルを移動し、
前記ピックアップ位置P1に位置するチップをピックアップすることを特徴とするチップピックアップ方法である。
【0044】
本発明に従えば、撮像画面全体を画像認識エリアとして利用し、撮像画面内には複数のチップが配置され、配置される複数のチップのうち基準位置P0から最短距離に重心が位置するチップを選択し、選択されたチップがピックアップ位置P1に位置されるようにチップの載置されるテーブルを移動し、前記選択されたチップをピックアップする。このように撮像画面内に複数のチップを含み、撮像画面内で基準位置P0に最も近接しているチップを順次選択しピックアップすることによって、チップ探索動作を不要にしチップのピックアップ作業におけるチップ探索時間を削減することができるので、半導体デバイス等の製造における生産効率の向上を実現できる。
【0045】
また本発明は、前記テーブル上に載置される複数のチップは、行列状に配置され、撮像画面内には、複数のチップの配置されるべき位置が少なくとも3行3列含まれることを特徴とする。
【0046】
本発明に従えば、撮像画面内には、複数のチップの配置されるべき位置が少なくとも3行3列含まれる。このことによって、画像認識エリアである撮像画面内に最大9つのチップを行列状に整列配置することができるので、撮像画面からチップを見失うことが少なくなり、チップのピックアップ作業効率を高めることができる。
【0047】
また本発明は、前記基準位置P0は、
撮像画面に備わる4つの隅部のうち、前記テーブル上に行列状に配置され撮像画面に含まれる複数のチップのうちから第1番目の順位でピックアップされるチップの位置に最も近接する隅部に設定されることを特徴とする。
【0048】
本発明に従えば、基準位置P0は、撮像画面に備わる4つの隅部のうち、撮像画面に含まれる複数のチップのうちから第1番目の順位でピックアップされるチップの位置に最も近い隅部に設定される。このことによって、基準位置P0と、ピックアップされるべく選択されるチップとによって形成される矩形領域内に他のチップが含まれることを抑止することができる。したがって、テーブル上に整列配置されるチップ群を、前記矩形領域によって矩形領域の内外に分割することを防止できるので、ピックアップされるべきチップを選択する都度、テーブルを不所望に前記矩形領域の内外に往復移動させることを抑止できるので、チップ選択のために要するテーブルの移動時間を短縮することができる。
【0049】
また本発明は、前記撮像画面内にピックアップされるべきチップが存在しないとき、
前記2次元座標系を構成するX軸またはY軸のうち、直前にテーブルが移動された軸方向における前記撮像画面距離L1から、前記テーブルに載置されるチップ同志の前記軸方向における重心位置間隔に等しい距離L2を減じた距離L3(=L1−L2)を求め、
前記テーブルを、直前にテーブルが移動された軸方向に前記距離L3移動することを特徴とする。
【0050】
本発明に従えば、撮像画面内にピックアップされるべきチップが存在しないとき、X軸またはY軸のうち直前にテーブルが移動された軸方向における撮像画面距離L1からテーブルに載置されるチップ同志の重心位置間隔L2に等しい距離を減じた距離L3だけ、テーブルは、直前にテーブルが移動された軸方向に移動する。このことによって、テーブルは、1度の機会において重心位置間隔L2を超える距離の移動が可能になる。したがって、チップ探索動作回数を軽減して探索の所要時間を短縮することができ、チップピックアップ作業の効率を向上することができる。
【0051】
また本発明は、前記2次元座標系における各チップの重心位置、前記基準位置P0および前記ピックアップ位置P1の座標位置を、前記テーブルの平面において予め定められる基準位置T0を原点とする2次元座標系における座標位置であるテーブル座標データに変換し、
テーブル座標データに基づいて各チップの重心位置と前記基準位置P0との距離を求め、
チップの重心位置と前記基準位置P0との距離が短い方から順番に各チップの配列されるチップ座標配列データをメモリにストアし、
チップ座標配列データにおける先頭のチップの重心位置が前記ピックアップ位置P1に位置されるようにテーブルを移動し、
前記ピックアップ位置P1に位置するチップをピックアップすることを特徴とする。
【0052】
本発明に従えば、各チップの重心位置、基準位置P0およびピックアップ位置P1の座標位置をテーブル座標データに変換し、テーブル座標データに基づいて各チップの重心位置と基準位置P0との距離を求め、その距離の短い方から順番に各チップの配列されるチップ座標配列データがメモリにストアされ、チップ座標配列データにおける先頭のチップの重心位置がピックアップ位置P1に位置されるようにテーブルを移動し、ピックアップ位置P1に位置するチップがピックアップされる。
【0053】
チップがピックアップされたとき、そのチップのメモリ内におけるチップ座標配列データを削除し、さらにテーブル座標データに基づいて残りの各チップの重心位置と基準位置P0との距離を求め、その距離の短い方から順番に各チップの配列されるチップ座標配列データを新たにメモリにストアし、新たなチップ座標配列データにおける先頭チップの重心位置が、ピックアップ位置P1に位置するようにテーブルを移動してチップをピックアップするという動作を繰返すことによって、チップ取残しの無いチップピックアップ作業を実現することができる。
【0054】
またテーブル座標データに基づいて繰返しチップ座標配列データを更新作成することができるので、手作業による画像処理開始位置再設定回数を軽減し、効率の良いテーブル移動が可能になる。このことによって、チップ探索の所要時間を短縮することができ、チップピックアップ作業の効率を向上することができる。
【0055】
また本発明は、少なくとも2軸方向に移動可能なテーブル上に載置される複数のチップを順次ピックアップするチップピックアップ装置であって、
前記テーブル上に載置される複数のチップを撮像し画像情報として出力する撮像手段と、
前記撮像手段による撮像画面内に含まれる各チップの重心位置を、撮像画面において予め定められる2次元座標系によって求め、各チップの重心位置と撮像画面内において予め定められる基準位置P0との距離を求め、さらに基準位置P0から最短距離に重心が位置するチップを選択する画像処理手段と、
撮像画面内において予め定められるピックアップ位置P1に位置されるチップをピックアップするピックアップ手段と、
前記画像処理手段によるチップ選択結果に応答し、選択されたチップが撮像画面内において前記ピックアップ位置P1に位置されるようにテーブルの移動を制御するとともに前記ピックアップ位置P1に位置されるチップをピックアップするようにピックアップ手段の動作を制御する制御手段とを含むことを特徴とするチップピックアップ装置である。
【0056】
本発明に従えば、テーブル上に載置される複数のチップの位置を画像情報として取込み、画像情報に基づいて撮像画面内に含まれる各チップの重心位置を求め、複数のチップのうち基準位置P0から最短距離に重心が位置するチップを選択し、選択されたチップがピックアップ位置P1に位置されるようにチップの載置されるテーブルを移動し、前記選択されたチップをピックアップすることができる。このように撮像画面内に含まれる複数のチップのうちから基準位置P0に最も近接しているチップを順次選択しピックアップすることによって、チップのピックアップ作業におけるチップ探索時間を削減することができ、ピックアップ作業効率の良いチップピックアップ装置が提供される。
【0057】
また本発明は、少なくとも2軸方向に移動可能に設けられるシート上に前記2軸方向に対応するように行列状に配置される複数のチップを順次ピックアップするチップピックアップ方法において、
前記複数のチップを撮像し、
撮像画面内に含まれる複数のチップの配置を画像情報とし、
画像情報として得られる各チップの重心位置を、前記2軸方向に対応するように撮像画面において予め定められる2次元座標系によって求め、
前記2次元座標系には、今回ピックアップ対象として選択され予め定められるピックアップ位置に位置するチップに隣接する配置位置を第1番目の順位位置とし、チップが行列状に密に配置されると想定した場合におけるチップの重心位置間隔である1ピッチ毎に順位が増加するように配置位置の順位が定められ、
各チップの重心位置に基づいて、前記2軸のうちチップを順次ピックアップする方向に延びる軸である優先認識軸上で、チップを順次ピックアップする進行方向の反対方向に位置する少なくとも第3番目の順位位置までチップの存在の有無を識別し、
前記優先認識軸上における前記反対方向で第1番目の順位位置以外の順位位置にチップの存在が認識されるとき、存在の認識されるチップのうちから最先の順位位置に存在するチップを次回にピックアップする対象チップとして選択することを特徴とするチップピックアップ方法である。
【0058】
本発明に従えば、シートの移動可能な2軸方向をなす軸のうちチップを順次ピックアップする方向に延びる軸である優先認識軸上で、今回ピックアップされるべく選択されて予め定めるピックアップ位置に位置するチップを基準とし、基準とするチップに隣接するチップの配置位置を第1番目の順位位置とするようにチップの配置されるべき位置に順位を予め定めておき、優先認識軸上でチップを順次ピックアップする進行方向の反対方向に位置する少なくとも第3番目の順位位置までチップの存在の有無を識別し、優先認識軸上における前記反対方向で第1番目の順位位置以外の順位位置にチップの存在が認識されるとき、存在の認識されるチップのうちから最先の順位位置に存在するチップを次回にピックアップする対象チップとして選択する。
【0059】
このように第1番目の順位位置に存在するチップをピックアップ対象として選択せず、それ以外のシートの変形の影響を受けなくなった状態のチップを選択してピックアップすることができるので、チップを不良品と誤認したり、チップの重心位置を誤って演算することが防止される。また前記進行方向に順次ピックアップ動作が行われているときには、シートの変形を受ける配置位置に存在してピックアップされることなくピックアップ位置を通過して前記反対方向に位置する配置位置へ移動したチップであっても、シートの変形の影響を受けなくなった時点においてその存在が認識され、ピックアップ対象として選択されるので、選択結果に応じてシートを前記反対方向に移動させてそのチップをピックアップすることが可能になり、ピックアップの取残しが防止される。
【0060】
また、シートの変形の影響を受けるチップをピックアップ対象から外してピックアップ動作をする場合、優先認識軸方向で一方の方向にピックアップ動作を完了した後、先にシートの変形の影響に起因して取残したチップをピックアップするべく優先認識軸方向で他方の方向にチップの探索およびピックアップ動作を行う。このときシートの変形に起因して取残すチップがさらに発生すると、優先認識軸上に存在するすべてのチップをピックアップするまでに、優先認識軸方向に複数回往復動作をしなければならない。しかしながら、本発明の方法によれば、反対方向においてシートの変形の影響を受けなくなったチップの存在の有無を識別し、その存在を認識する都度ピックアップすることができるので、優先認識軸上に存在するすべてのチップをピックアップするための動作距離が短くなり効率的にチップをピックアップすることが可能になる。
【0061】
また本発明は、前記優先認識軸上で、チップを順次ピックアップする進行方向に位置する少なくとも第3番目の順位位置までチップの存在の有無を識別し、
前記優先認識軸上における前記反対方向で第1番目の順位位置にあるチップ以外のチップの存在が認識されないとき、前記優先認識軸のチップを順次ピックアップする進行方向で第1番目の順位位置にあるチップ以外のチップであって、存在が認識されるチップのうちから最先の順位位置に存在するチップを次回にピックアップする対象チップとして選択することを特徴とする。
【0062】
本発明に従えば、優先認識軸上で、チップを順次ピックアップする進行方向に位置する少なくとも第3番目の順位位置までチップの存在の有無を識別し、優先認識軸上における前記反対方向で第1番目の順位位置にあるチップ以外のチップの存在が認識されないとき、前記進行方向で第1番目の順位位置にあるチップ以外のチップであって、存在が認識されるチップのうちから最先の順位位置に存在するチップを次回にピックアップする対象チップとして選択する。
【0063】
このことによって、前記反対方向にシートの変形の影響を受けなくなったチップの存在を認識して、そのチップのピックアップ動作を行った後、続けてシートの変形の影響を受けなくなったチップの存在を認識できないとき、即座に前記進行方向に向ってシートの変形の影響を受けていないチップの探索および認識とピックアップ動作とに戻ることができるので、効率的にチップをピックアップすることが可能になる。また、前記進行方向および前記反対方向のいずれの方向についても各順位位置におけるチップ存在の有無を識別し、存在を認識したチップをピックアップ対象として選択するので、チップの存在しない順位位置を通過するように移動してピックアップ動作を実行することができる。したがって、チップの高速ピックアップが実現される。
【0064】
また本発明は、前記撮像画面内に含まれる複数のチップのうち、前記優先認識軸上に配行または配列されるチップのみを、その存在の有無を識別する対象にすることを特徴とする。
【0065】
本発明に従えば、撮像画面内に含まれる複数のチップのうち、優先認識軸上に配行または配列されるチップのみが、存在の有無の識別対象とされる。このことによって、各順位位置にチップが存在するか否かの識別を、優先認識軸の方向に1次元的に行うだけでよくなるので、撮像画面内において画像処理する領域を、優先認識軸方向における撮像画面の長さと、非優先認識軸方向におけるチップの寸法に一定量のマージンを加えた長さとの積で与えられる領域に限定することができる。したがって、撮像画面の全領域を画像処理する場合に比べて、処理速度が速くなり、ピックアップの効率化が実現される。
【0066】
また本発明は、前記優先認識軸上で、良品チップの存在を予め定める回数連続して認識できないとき、
前記シートを、前記2軸のうち前記優先認識軸に直交する軸である非優先認識軸の延びる方向に前記1ピッチ移動させ、
移動後、前記優先認識軸上でチップを順次ピックアップする進行方向を、移動前の進行方向と反対の方向に転換させることを特徴とする。
【0067】
本発明に従えば、優先認識軸上で、良品チップの存在を予め定める回数連続して認識できないときには、シートを、2軸のうち優先認識軸に直交する軸である非優先認識軸の延びる方向に1ピッチ移動させ、シートを移動させた後、優先認識軸上でチップを順次ピックアップする進行方向を、移動前の進行方向と反対の方向に転換させる。このことによって、チップの存在しない順位位置を際限無く繰返し探索するようなエラーを発生することなく、シート上に行列状に配置されるチップを取残すことなくピックアップすることができる。
【0068】
また本発明は、前記画像情報として得られる各チップの重心位置は、前記2次元座標系によって与えられる座標値を用いて演算処理することによって求められることを特徴とする。
【0069】
本発明に従えば、画像情報として得られる各チップの重心位置は、2次元座標系によって与えられる座標値を用いて演算処理することによって求められる。このようにチップの位置は、撮像画面内に位置し画像情報として取込まれる都度、演算処理によって求められるので、経時変化等によってピックアップ作業開始時に対するチップの位置変化が生じているような場合であっても、正確なチップ位置を求めてピックアップすることができる。
【0070】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態であるチップピックアップ装置10の構成を簡略化して示す系統図である。チップピックアップ装置10は、少なくとも2軸方向に移動可能なテーブル11上に載置される複数のチップ12を撮像し画像情報として出力する撮像手段13と、撮像手段13による撮像画面内に含まれる各チップ12の重心位置を、撮像画面において予め定められる2次元座標系によって求め、各チップ12の重心位置と撮像画面内において予め定められる基準位置P0との距離を求め、さらに基準位置P0から最短距離に重心が位置するチップ12を選択する画像処理手段14と、撮像画面内において予め定められるピックアップ位置P1に位置されるチップ12をピックアップするピックアップ手段15と、画像処理手段14によるチップ選択結果に応答し、選択されたチップ12が撮像画面内においてピックアップ位置P1に位置されるようにテーブル11の移動を制御するとともにピックアップ位置P1に位置されるチップ12をピックアップするようにピックアップ手段15の動作を制御する制御手段16とを含む。
【0071】
テーブル11は、チップ12が載置されるステージ17と、ステージ17を少なくとも2軸方向に駆動させるテーブル駆動部18とを含む。ステージ17は、金属製の平板であり、少なくとも2軸方向に移動可能に構成される。テーブル駆動部18は、たとえばステッピングモータなどを備え、制御手段16を介して電力供給を受けるとともに、制御手段16から出力される制御信号に従って、ステージ17を所望の方向に所望の距離移動させる。
【0072】
チップ12は、たとえばシリコンウェハを分割したペレット上に回路の形成されたものである。撮像手段13は、光学カメラ19と、光学カメラ19によって撮影される画像を2値データまたは多値データに変換して画像処理手段14へと出力する画像取込部20とを含む。本実施の形態では、撮像手段13に光学カメラ19が用いられるけれども、これに限定されることなく、たとえばCCD(
Charge Coupled Device)などが用いられても良い。
【0073】
画像処理手段14は、撮像手段13の画像取込部20によって入力される画像情報を解析する、いわゆるイメージアナライザと称される画像処理装置である。画像処理手段14には、画像情報を解析するための演算手段と判別手段とが備わる。演算手段は、撮像手段13によって撮影される撮像画面内に存在するチップ12の重心位置および重心位置と基準位置P0との距離を演算する。判別手段は、演算手段による演算結果に応答し、基準位置P0から重心位置が最短距離にあるチップ12を判別し、ピックアップされるべきチップとして選択する。
【0074】
ピックアップ手段15は、コレット21とコレット駆動部22とを含む。コレット21は、真空または減圧吸引治具である。コレット21の一方の端部は真空ポンプなどの図示しない減圧手段に接続されてその内部が減圧されるので、コレット21の他方の端部に形成される開口部をチップ12に押圧することによって、チップ12はコレット21に吸引されピックアップされる。コレット駆動部22は、たとえばステッピングモータなどを備え、制御手段16を介して電力供給を受けるとともに、制御手段16から出力される制御信号に従って、コレット21を3軸方向のいずれに対しても所望の方向に所望の距離移動させる。
【0075】
制御手段16は、CPU(Central Processing Unit)を備えるたとえばマイクロコンピュータなどによって実現される処理回路である。制御手段16は、画像処理手段14によるピックアップされるべきチップ12の選択結果に応答し、制御信号をテーブル駆動部18およびコレット駆動部22に対して出力する。前述のように制御信号に従って、テーブル駆動部18は、前記チップ12が撮像画面内においてピックアップ位置P1に位置されるようにステージ17を移動し、コレット駆動部22は、ステージ17の移動によってピックアップ位置P1に位置されるチップ12をピックアップするようにコレット21を動作させる。
【0076】
以下に本実施の形態における基準位置P0とチップのピックアップ位置P1について説明する。図2は、撮像手段13による撮像画面23を示す図である。本実施の形態では、テーブル11のステージ17上において行列状に配置されるチップ12のうち、最上行かつ最左列に位置するチップを第1番目の順位でピックアップするべきチップ12として設定する。したがって、図2に示される撮像画面23内にステージ17上のチップ群が取込まれるとき、撮像画面23に形成される4つの隅部のうち、行列配置されるチップ12のうち最上行かつ最左列に位置するチップに対して最も近接する図2の紙面における左上隅部に基準位置P0が定められる。ピックアップ位置P1は、長方形に撮像される画面23の重心位置に設定される。
【0077】
また次に画像処理手段14によるチップ12の重心位置演算について説明する。図3は、チップ12の重心位置演算の概略を示す図である。ここでは、理解を容易にするために、チップ12の平面形状を長方形とする。前述の図2に示す撮像画面23に定められる基準位置P0を原点とし、撮像画面23に直交する2軸をX軸−Y軸とする2次元座標系を形成する。この撮像画面23に形成される2次元座標内にチップ12が位置し、長方形であるチップ12の4隅部の座標を、それぞれ(x1,y1)、(x2,y2)、(x3,y3)および(x4,y4)とする。このとき、チップ12の重心位置Gの座標は、(x1,y1)と(x3,y3)とを結ぶ1次直線24と、(x2,y2)と(x4,y4)とを結ぶ1次直線25との交点の座標(XG,YG)として求められる。この交点のX座標は式(1)によって求められ、Y座標は式(2)によって求められる。
【0078】
基準位置P0の座標値を2次元座標系の原点すなわち座標値(0,0)におくと、チップ12の重心位置Gの座標値(XG,YG)を用いて基準位置P0とチップ12との距離LGは、次の式(3)によって求められる。
LG=√(XG2+YG2) …(3)
【0079】
画像処理手段14は、撮像画面23内に含まれるチップ12のそれぞれについて前記距離LGを演算し、最短の距離LGを有するチップ12をピックアップするべきチップ12として選択する。
【0080】
次にチップピックアップ装置10によるチップのピックアップ動作手順について説明する。図4は、チップピックアップ装置10によるチップのピックアップ動作を説明するフローチャートである。
【0081】
ステップb1のスタートでは、複数のチップ12が分割採取されてテーブル11のステージ17上に行列状に整列配置され、かつ整列配置されている状態のチップ12を、撮像手段13によって撮像できる状態にある。
【0082】
ステップb2では、整列配置されているチップ12を撮像手段13に備わる光学カメラ19によって撮影し、撮影された画像情報を画像取込部20が画像処理手段14に出力する。このとき、撮像手段13による撮像画面23には、チップ12もしくはチップ12の配置されるべき位置が、3行3列準備される。すなわち撮像画面23は、最大9つのチップ12を含むことができるように構成される。
【0083】
なお、撮像画面内に含まれるチップ12の数を多くすることによって、チップ探索時間の削減効果を得ることができるけれども、チップ12を多く含むことのできるような広い視野に解像度良く画像情報を得るためには高性能すなわち高価格の撮像手段を必要とするので、無制限に多くすることも非現実的であり、少なくとも3行3列含まれることが好ましいものとした。
【0084】
ステップb3では、画像処理手段14においてチップ12の画像情報を解析処理し、撮像画面23内に含まれるチップ12に不良品があるか否かを判定する。判定結果が肯定でチップ12のうちに不良品があるとき、ステップb4に進む。ステップb4では、撮像画面23に含まれるチップ12のうち不良品と判定されたチップ12に関する画像情報を消去し、ステップb5に進む。すなわちステージ17上に存在し、撮像画面23内には含まれるけれども、画像処理手段14における画像処理においては不良品と判定されたチップ12は無いものとして処理する。
【0085】
前述のステップb3における判定結果が否定で、撮像画面23内に含まれるチップ12に不良品がないとき、ステップb5に進む。ステップb5では、画像処理手段14において、撮像画面23内に含まれ良品と判定された各チップ12それぞれの重心位置Gが、前述のように演算される。ステップb6では、画像処理手段において、先のステップb5で求められた各チップ12の重心位置Gと基準位置P0との距離LGが演算される。ステップb7では、画像処理手段14において、各チップ12について求めた前記距離LGのうち最短の距離を有するチップ12が選択される。この画像処理手段14による最短距離を有するチップ12の選択結果が、制御手段16に対して出力される。
【0086】
ステップb8では、ステップb7における画像処理手段14からの出力に応答し、制御手段16が、テーブル11に対して制御信号を出力し、前述の選択されたチップ12が、チップのピックアップ位置P1に位置されるようにテーブル11を移動する。ステップb9では、制御手段16が、ピックアップ手段15に対して制御信号を出力し、コレット21をピックアップ位置P1まで移動させるとともに、コレット21に前述の選択されたチップ12をピックアップさせる。ステップb9の後、ステップb2に戻り以降のステップを繰返す。
【0087】
さらにウェハから分割された8つのチップ(C1〜C8)が、前述の図44のように行列状に整列配置されている場合のチップピックアップ動作について、後述の図5〜図20を参照して具体的に説明する。以後、ステージ17上のチップを総称する場合には参照符12で示し、ステージ17上に行列状に配置されるチップを個別に称する場合には、参照符C1〜C8で呼ぶ。
【0088】
図5は、チップピックアップ動作開始時における画像取込みの状態を示す図である。前述のようにピックアップされるべき第1番目の順位を最上行最左列に位置するチップC1に設定する。したがって、基準位置P0は、前述のように撮像画面23の左上隅部に設定される。なおここでは、チップC1〜C8のすべてが良品である場合のピックアップ動作について例示する。
【0089】
図5に示す撮像画面23では、5つのチップ(C1,C2,C4,C5,C6)が含まれる。撮像画面23には最大9つのチップ12を含むことができるけれども、ピックアップされるべき第1番目の順位を最上行最左列に位置するチップC1に設定したので、撮像画面23に含まれるチップは、前述の5つである。撮像画面に含まれる各チップについて重心位置(G1,G2,G4,G5,G6)を演算処理して求めるとともに、前記各重心位置について、重心位置(G1,G2,G4,G5,G6)と基準位置P0との距離LGをそれぞれ求め、距離LGが最短であるチップC1が、ピックアップされるべきチップとして選択される。チップC1の重心位置G1が、ピックアップ位置P1に位置するようにテーブル11が移動される。なおピックアップ順位が第1番目に設定されるチップC1においては、テーブル11の移動は補正移動程度である。チップC1の重心位置G1がピックアップ位置P1に位置された状態で、チップC1がピックアップ手段15によってピックアップされる。
【0090】
図6は、チップC1をピックアップした後の状態を示す図である。チップC1がピックアップされた後の新たな撮像画面23に含まれる4つのチップ(C2,C4,C5,C6)の重心位置(G2,G4,G5,G6)を演算処理して求めるとともに、前記各重心位置について、重心位置(G2,G4,G5,G6)と基準位置P0との距離LGをそれぞれ求め、距離LGが最短であるチップC6が、ピックアップされるべきチップとして選択される。チップC6の重心位置G6が、ピックアップ位置P1に位置するようにテーブル11が移動される。図7は、チップC6がピックアップ位置P1に移動後の状態を示す図である。チップC6の重心位置G6がピックアップ位置P1に位置された状態で、チップC6がピックアップ手段15によってピックアップされる。
【0091】
図8は、チップC6をピックアップした後の状態を示す図である。チップC6がピックアップされた後の新たな撮像画面23に含まれる2つのチップ(C5,C7)の重心位置(G5,G7)を演算処理して求めるとともに、前記各重心位置について、重心位置(G5,G7)と基準位置P0との距離LGをそれぞれ求め、距離LGが最短であるチップC5が、ピックアップされるべきチップとして選択される。チップC5の重心位置G5が、ピックアップ位置P1に位置するようにテーブル11が移動される。図9は、チップC5がピックアップ位置P1に移動後の状態を示す図である。チップC5の重心位置G5がピックアップ位置P1に位置された状態で、チップC5がピックアップ手段15によってピックアップされる。
【0092】
図10は、チップC5をピックアップした後の状態を示す図である。チップC5がピックアップされた後の新たな撮像画面23に含まれる4つのチップ(C2,C4,C7,C8)の重心位置(G2,G4,G7,G8)を演算処理して求めるとともに、前記各重心位置について、重心位置(G2,G4,G7,G8)と基準位置P0との距離LGをそれぞれ求め、距離LGが最短であるチップC2が、ピックアップされるべきチップとして選択される。チップC2の重心位置G2が、ピックアップ位置P1に位置するようにテーブル11が移動される。図11は、チップC2がピックアップ位置P1に移動後の状態を示す図である。チップC2の重心位置G2がピックアップ位置P1に位置された状態で、チップC2がピックアップ手段15によってピックアップされる。
【0093】
図12は、チップC2をピックアップした後の状態を示す図である。チップC2がピックアップされた後の新たな撮像画面23に含まれる2つのチップ(C3,C4)の重心位置(G3,G4)を演算処理して求めるとともに、前記各重心位置について、重心位置(G3,G4)と基準位置P0との距離LGをそれぞれ求め、距離LGが最短であるチップC4が、ピックアップされるべきチップとして選択される。チップC4の重心位置G4が、ピックアップ位置P1に位置するようにテーブル11が移動される。図13は、チップC4がピックアップ位置P1に移動後の状態を示す図である。チップC4の重心位置G4がピックアップ位置P1に位置された状態で、チップC4がピックアップ手段15によってピックアップされる。
【0094】
図14は、チップC4をピックアップした後の状態を示す図である。チップC4がピックアップされた後の新たな撮像画面23に含まれる3つのチップ(C3,C7,C8)の重心位置(G3,G7,G8)を演算処理して求めるとともに、前記各重心位置について、重心位置(G3,G7,G8)と基準位置P0との距離LGをそれぞれ求め、距離LGが最短であるチップC7が、ピックアップされるべきチップとして選択される。チップC7の重心位置G7が、ピックアップ位置P1に位置するようにテーブル11が移動される。図15は、チップC7がピックアップ位置P1に移動後の状態を示す図である。チップC7の重心位置G7がピックアップ位置P1に位置された状態で、チップC7がピックアップ手段15によってピックアップされる。
【0095】
図16は、チップC7をピックアップした後の状態を示す図である。チップC7がピックアップされた後の新たな撮像画面23に含まれる1つのチップ(C8)の重心位置(G8)を演算処理して求めるとともに、重心位置(G8)と基準位置P0との距離LGを求める。このとき撮像画面23には、チップC8が含まれるのみであるので、チップC8が、ピックアップされるべきチップとして選択される。チップC8の重心位置G8が、ピックアップ位置P1に位置するようにテーブル11が移動される。図17は、チップC8がピックアップ位置P1に移動後の状態を示す図である。チップC8の重心位置G8がピックアップ位置P1に位置された状態で、チップC8がピックアップ手段15によってピックアップされる。
【0096】
図18は、チップC8をピックアップした後の状態を示す図である。チップC8がピックアップされた後の新たな撮像画面23に含まれる1つのチップ(C3)の重心位置(G3)を演算処理して求めるとともに、重心位置(G3)と基準位置P0との距離LGを求める。このとき撮像画面23には、チップC3が含まれるのみであるので、チップC3が、ピックアップされるべきチップとして選択される。チップC3の重心位置G3が、ピックアップ位置P1に位置するようにテーブル11が移動される。図19は、チップC3がピックアップ位置P1に移動後の状態を示す図である。チップC3の重心位置G3がピックアップ位置P1に位置された状態で、チップC3がピックアップ手段15によってピックアップされる。
【0097】
このようにしてテーブル11のステージ17上に整列配置されていたチップC1〜C8が、チップピックアップ装置10によって順次ピックアップされる。
【0098】
図20は、チップピックアップ装置10によってチップピックアップ動作を行った際のテーブル移動の軌跡を示す。図20中のチップC1〜C8は、チップピックアップ動作開始時におけるステージ17上の配置を示し、図20中の矢印が、テーブル11の移動した軌跡を示す。図20中の矢印によって示されるように、チップピックアップ装置10によるチップピックアップ動作では、テーブル11がチップ12の存在しない位置へ移動することがない。すなわち、チップピックアップ装置10では、撮像画面23内に複数のチップ12もしくはチップ12が配置されるべき位置を含み、撮像画面23内に含まれるチップ12のうちから基準位置P0に最も近接しているチップ12を順次選択しピックアップするので、チップ探索動作が不要になる。したがって、チップピックアップ作業におけるチップ探索時間が削減され、半導体デバイス等の製造における生産効率の向上が実現される。
【0099】
以下に前述の図1に示すチップピックアップ装置10によるもう1つのチップピックアップ動作について説明する。チップピックアップ装置10では、チップ12のピックアップ動作が実行されている際、撮像画面23内にチップの存在しない状態の生じることがある。
【0100】
図21〜図23は、撮像画面23内にチップ12が存在しない場合におけるチップ画像取込み動作を示す図である。図21に示すように、撮像画面23内にピックアップされるべきチップ12が存在しないとき、図22に示すように、2次元座標系を構成するX軸またはY軸のうち、直前にテーブル11が移動された軸方向、ここではたとえばX軸方向における撮像画面距離L1から、テーブル11に載置されるチップ12同志のX軸方向における重心位置間隔に等しい距離L2を減じた距離L3(=L1−L2)を求める。次に図23に示すように、X軸方向に距離L3だけテーブル11を移動させて撮像画面23内にチップ12の画像を取込み、前述と同様に撮像画面23内において基準位置P0に最も近い位置に存在するチップ12を選択しピックアップ動作を継続する。
【0101】
図24は、撮像画面23の境界にチップ12が存在する場合を示す図である。撮像画面23内にチップ12の存在しない場合、前述のように撮像画面23内にチップ12の画像が取込まれるように、テーブル11の移動距離を前記距離L3とする理由は、以下のようである。図24に示すように、チップ12の画像がたとえば撮像画面23のY軸方向に平行な境界上に存在する場合(ここでは、境界上に存在する場合も撮像画面23内に存在しない場合として取扱う)、撮像画面23のX軸方向距離L1だけテーブル11を移動すると、撮像画面23の境界上のチップ12画像は、テーブル11の移動後も撮像画面23の境界上に位置することになる。したがって、前記距離L1からチップ12同志の重心位置間隔に等しい距離L2を減じた距離L3だけ移動することによって、チップ12が境界上に位置することなく撮像画面23内に取込まれるようにする。
【0102】
以下に前述の図1に示すチップピックアップ装置10によるさらにもう1つのチップピックアップ動作について説明する。さらにもう1つのチップピックアップ動作において注目すべきは、各チップ12の重心位置、基準位置P0およびピックアップ位置P1の座標データを、テーブル基準位置T0を2次元座標系の原点とするテーブル座標データに変換することである。
【0103】
図25は、チップピックアップ装置10よるさらにもう1つのチップピックアップ動作を説明するフローチャートである。図25に示すフローチャートは、前述の図4に示すフローチャートに一部類似するので、対応する部分については説明を省略することがある。図25を参照してさらにもう1つのチップピックアップ動作を説明する。
【0104】
ステップc1およびステップc2は、前述の図4におけるステップb1およびステップb2と同一である。ステップc3では、撮像画面23内にチップ12が存在するか否かが判断される。判断結果が肯定であるとき、ステップc4に進む。ステップc4およびステップc5は、前述の図4におけるステップb3およびステップb4と同一である。
【0105】
ステップc6では、まず予め定められる2次元座標系におけるピックアップ位置P1を基準として、各チップ12の重心座標位置および基準位置P0の座標データを演算する。ステップc7では、各チップ12の重心位置、基準位置P0およびピックアップ位置P1の座標データを、テーブル基準位置T0を基準位置とする2次元座標系であるテーブル座標データに変換する。このテーブル基準位置T0を基準位置とする2次元座標系に変換されたテーブル座標データを、取残しチップ座標データと呼ぶ。
【0106】
図26は、テーブル基準位置T0を原点とする2次元座標系を示す図であり、図27は、予め定められる2次元座標系からテーブル基準位置T0を基準位置とする2次元座標系への変換を説明する概略図である。図26および図27を参照し、座標データの変換について説明する。予め定められる2次元座標系において、ピックアップ位置P1の座標位置を原点(x=0,y=0)とし、各チップ12(ここでは、チップC1,チップC2,チップC3の3つ)の重心位置の座標位置が、チップC1(x=C1x,y=C1y)、チップC2(x=C2x,y=C2y)およびチップC3(x=C3x,y=C3y)であるとき、テーブル基準位置T0を原点とする2次元座標系に変換後の取残しチップ座標データ(X,Y)は、それぞれ次の式(4)〜式(9)によって得ることができる。
ここで、P1xn:ピックアップ位置P1のテーブル基準位置T0に対するX座標位置
P1yn:ピックアップ位置P1のテーブル基準位置T0に対するY座標位置
【0107】
再び図25に戻り、ステップc8では、現サイクルで求めた取残しチップ座標データを、前サイクルにおいて求めた取残しチップ座標データに追加するように、画像処理手段14に備えられるメモリにストアする。
【0108】
ステップc9では、メモリから取残しチップ座標データを読出し、テーブル基準位置T0を基準位置とする2次元座標系において、各チップC1,C2,C3の重心位置と、基準位置P0との距離LG1を演算する。ステップc10では、距離LG1の小さい順番に各チップC1,C2,C3の順番を並べ替えて配列したデータである取残しチップ座標配列データを作成する。
【0109】
ステップc11では、取残しチップ座標配列データから同一チップに関するデータを削除する。同一チップであるか否かの判別は以下のようにして行われる。チップ12のX軸方向に平行な方向の寸法をCSX、Y軸方向に平行な方向の寸法をCSYとするとき、チップC1とチップC2とが同一であるか否かは、次の式(10)および式(11)の両方が満足されるとき、同一チップであると判別され、式(10)または式(11)の少なくともいずれか一方が満足されないとき、チップC1とC2とは同一でないと判別される。
(C1X−C2X)<CSX×チップサイズX補正率 …(10)
(C1Y−C2Y)<CSY×チップサイズY補正率 …(11)
【0110】
ここで、チップサイズXおよびY補正率とは、テーブル11の移動に伴うウェハシートの変形、チップの傾き等を考慮して定められる補正係数のことである。また同一チップであるか否かの判別においては、X座標値の差およびY座標値の差は、いずれも絶対値を意味する。
【0111】
前述と同様にチップC2とチップC3とが同一であるか否かは、式(12)および式(13)の両方を満足するか否かによって判別され、またチップC3とチップC1とが同一であるか否かは、式(14)および式(15)の両方を満足するか否かによって判別される。このようなチップが同一であるか否かの判別は、画像処理手段14によって行われる。
(C2X−C3X)<CSX×チップサイズX補正率 …(12)
(C2Y−C3Y)<CSY×チップサイズY補正率 …(13)
(C3X−C1X)<CSX×チップサイズX補正率 …(14)
(C3Y−C1Y)<CSY×チップサイズY補正率 …(15)
【0112】
チップが同一であると判別されたとき、一方のチップに関するデータが取残しチップ座標配列データから削除される。同一と判別されたチップのいずれのデータを削除するかに関しては、たとえば順番が後ろに位置するチップのデータを削除するなどのロジックを予め与えておくことによって実現できる。このように同一チップの有無を判別し、同一チップが存在する場合重複データの削除処理を行った後、取残しチップ座標配列データがメモリにストアされる。
【0113】
ステップc12では、取残しチップ座標配列データにおいて、順位が1位に配列されているチップC1を選択する。ステップc13では、選択されたチップC1の重心位置がピックアップ位置P1に位置するようにテーブル11を移動する。図28は、チップC1がピックアップ位置P1に移動後の状態を示す図である。
【0114】
ステップc14では、ピックアップ手段15によって、チップC1をピックアップする。ステップc15では、ピックアップしたチップC1のデータを、取残しチップ座標配列データから削除し、ステップc2に戻り以降のステップが繰返される。図29は、チップC1をピックアップした後の状態を示す図である。
【0115】
ステップc2以降が繰返し実行されると、チップC2が、取残しチップ座標配列データにおいて新たに順位が1位のチップとして選択される。したがって、チップC2が、ピックアップ位置P1に位置するようにテーブル11が移動され、ピックアップ手段15によってピックアップされる。図30はチップC2がピックアップ位置P1に移動後の状態を示す図であり、図31はチップC2をピックアップした後の状態を示す図である。
【0116】
チップC2がピックアップされた後の図31に示す状態であると、先のステップc3における判断が否定、すなわち撮像画面23内にチップの無い状態であるとき、ステップc16に進む。ステップc16では、チップ探索動作回数が、予め設定される回数以上であるか否かが判断される。判断結果が否定であるとき、ステップc19へ進む。ステップc19では、テーブル11を予め設定される方向に移動してチップ探索動作を実行し、ステップc2へ戻り以降のステップが繰返される。
【0117】
ステップc16における判断結果が肯定であるとき、ステップc17に進み、メモリの取残しチップ座標配列データが読出され、前記距離LG1の小さい順番に並べ替えられる。ステップc18では、新たに並べ替えられた取残しチップ座標配列データにおいて、順位が1位であるチップの重心位置が、ピックアップ位置P1に位置するようにテーブル11が移動される。すなわち前述の図31に示す撮像画面23の外に位置するチップC3が、撮像画面23内に位置するようにテーブル11が移動されて、ステップc2へ戻り以降のステップが繰返される。
【0118】
このように、テーブル11上に載置されるチップ12の重心位置をテーブル座標データに変換し、その座標データに基づいてチップの探索および位置決めと、ピックアップとをすることによって、チップ取残しの無いチップピックアップ作業を実現することができる。またテーブル座標データに基づいて繰返して取残しチップ座標配列データを更新作成することができるので、効率の良いテーブル移動が実現され、チップ探索所要時間の短縮およびチップピックアップ作業の効率向上が可能になる。
【0119】
図32は、本発明の実施の態様であるチップピックアップ方法に好適に用いられるチップピックアップ装置70の構成を簡略化して示す系統図である。チップピックアップ装置70は、実施の第1形態のチップピックアップ装置10に類似するので、対応する部分については同一の参照符号を付して説明を省略する。以下チップピックアップ装置70の構成において、実施の第1形態のチップピックアップ装置10と相違する部分について説明する。
【0120】
テーブル11は、ステージ17と、ステージ17を少なくとも2軸方向に駆動させるテーブル駆動部18とを含む。しかしながら、チップピックアップ装置70に備わるステージ17には、中央部分に開口部71が形成され、その開口部71を覆うようにシート72がステージ17に装着される。ピックアップ対象となるチップ73は、ステージ17そのものではなくステージ17に装着されるシート72上に行列状に配置される。
【0121】
ウェハシートとも呼ばれることのあるシート72は、たとえば弾性を有する樹脂製のシートであり、チップ73の配置される側の表面には、チップ73を安定して載置するために弱い接着成分からなる粘着材が設けられる。このシート72上にチップ73が配置される行方向および列方向は、テーブル駆動部18によってステージ17すなわちシート73が駆動される2軸方向にそれぞれ対応するように配置される。なおチップ73を総称するときには、参照符号73のみにて表し、複数あるチップのうち個々のチップを称するときには参照符号73の末尾にアルファベットの添字を付して表す。
【0122】
撮像手段13では、光学カメラ19に画像取込部が一体化されている。図33は、光学カメラ19による撮像画面74を例示する図である。光学カメラ19による撮像画面74内には、撮像画面74内において予め定められるピックアップ位置P1に位置するチップ73aを基準として、シート72が移動される前記2軸方向のうちチップ73を順次ピックアップする方向に延びる軸である優先認識軸75方向の両側に少なくとも3個、すなわち優先認識軸75方向に少なくとも7個のチップ画像を取込むことのできるような画面寸法が設定される。なお優先認識軸75に直交する方向に延びる軸を非優先認識軸76と呼ぶ。
【0123】
再び図32に戻って、画像処理手段である画像処理部14aは、実施の第1形態のチップピックアップ装置10に備わる画像処理手段14の機能に加えてさらに以下の機能を有する。画像処理部14aに備わる演算手段は、前記2軸方向に対応して予め定められる2次元座標系に従って、今回ピックアップ対象に選択されてピックアップ位置P1に位置するチップ73aを基準位置とし、このチップ73aに隣接する配置位置を第1番目の順位位置とし、チップ73が行列状に密に配置されると想定した場合におけるチップ73の重心位置間隔である1ピッチ毎に順位が増加するように配置位置の順位が定められる。この順位位置は、撮像画面が更新される都度演算処理によって求めてもよいけれども、ピックアップするべきチップの種類が同一の間は、その寸法も同一であるので、たとえば画像処理部14aに記憶手段を設け、得られた順位位置をストアしておき、後述の判別手段によって各順位位置にチップ73が存在するか否かを識別する際に読出して繰返し使用できるように構成されてもよい。
【0124】
また画像処理部14aに備わる判別手段は、各チップ73の重心位置に基づいて、優先認識軸75上で、チップ73を順次ピックアップする進行方向および反対方向に位置する少なくとも第3番目の順位位置までチップ73の存在の有無を識別し、優先認識軸75上における反対方向で第1番目の順位位置以外の順位位置にチップ73の存在が認識されるとき、存在の認識されるチップ73のうちから最先の順位位置に存在するチップ73を次回にピックアップする対象チップとして選択し、優先認識軸75上における反対方向で第1番目の順位位置にあるチップ73以外のチップの存在が認識されないとき、優先認識軸75のチップ73を順次ピックアップする進行方向で第1番目の順位位置にあるチップ以外のチップ73であって、存在が認識されるチップ73のうちから最先の順位位置に存在するチップ73を次回にピックアップする対象チップとして選択する。画像処理部14aは、ピックアップ位置P1およびピックアップ対象として選択されたチップ73の重心位置を、制御手段16に対して出力する。
【0125】
ピックアップ手段15の真空ポンプ77は、実施の第1形態のチップピックアップ装置10の構成を示す図1では省略していたものを、ここでは図示している。
【0126】
チップピックアップ装置70には、シート72上のピックアップ位置P1に位置するチップ73を突上げる突上手段78が設けられる。突上手段78は、枠体79と枠体79の内部に進退自在に収容されるニードル80と、ニードル80を進退させるべく駆動するニードル駆動部81とを含む。ニードル駆動部81は、制御手段16と電気的に接続され、制御手段16から出力される制御信号に応答してニードル80を進退させる。ニードル駆動部81によって上方に進んだニードル80、すなわち突上げるように駆動されたニードル80は、シート72を介してシート72上に配置されるチップ73を突上げる。このことによって、シート72上に粘着保持されているチップ73がシート72から剥がれやすくなり、ピックアップが容易になる。
【0127】
制御手段16である制御部は、画像処理部14aからの出力に応答し、テーブル11の動作を制御して選択されたチップ73がピックアップ位置P1に位置するようにステージ17に装着されるシート72を移動させ、突上手段78の動作を制御してピックアップ位置P1に位置するチップ73を突上げるとともに、ピックアップ手段15の動作を制御してピックアップ位置P1に位置するチップ73をピックアップする。
【0128】
以下チップピックアップ装置70によるチップピックアップ動作について説明する。本実施の態様では、画像処理部14aは、前述の図33に示す光学カメラ19による撮像画面74のうちから、予め定める領域に限定して画像処理を実行するように設定される。画像処理とは、前述のようにチップの重心位置演算と、各順位位置の設定と、ピックアップ位置P1および各順位位置におけるチップの存在有無の識別とを意味する。ここで、予め定める領域とは、優先認識軸75方向における撮像画面74の長さL1と、非優先認識軸76方向におけるチップの寸法TLに一定量のマージンM1,M2を加えた長さL2(=TL+M1+M2)との積(L1×L2)で与えられる領域82であり、この領域を指定エリア82と呼ぶことがある。図34は、撮像画面74内に指定エリア82の設定された状態を示す図である。指定エリア82の設定は、たとえば画像処理部14aに設けられる2次元座標系において、指定された座標値以内の位置にある画像情報のみを前述のように処理するように設定にすることによって実現される。なお指定エリア82の設定は、本実施の態様の手法に限定されるものではなく、必要に応じて任意の手法で設定されてもよく、また任意の面積に設定されてよい。
【0129】
本実施の態様のように、撮像画面74に指定エリア82を設定し、優先認識軸75上に配行されるチップ73のみを画像処理することによって、各チップ73の重心位置と、各順位位置の設定と、各順位位置にチップ73が存在するか否かの識別とを、優先認識軸75の方向に1次元的に行うだけでよくなるので、撮像画面74の全領域を画像処理する場合に比べて、処理速度が速くなり、ピックアップの効率化が実現される。
【0130】
まず図34を参照して順位位置について詳細に説明する。指定エリア82には、優先認識軸75方向の中央部にチップのピックアップ位置P1が予め設定される。このピックアップ位置P1に位置するチップ73aを基準にして順位位置が定められる。本実施の態様では、チップ73を順次ピックアップする動作方向である進行方向として、図34の紙面に向って右方向すなわち矢符83方向を選択する。進行方向83の反対方向である矢符84方向は、前記進行方向83にチップ73を順次ピックアップ動作する過程においてシート72の変形に起因してピックアップすることなく通過したチップ73をピックアップするべく後戻りする方向である。なお、ピックアップするチップ73を主体として定義する方向に対して、実際に移動するシート72の移動方向は逆になるけれども、方向に関する混乱を避けるため、以後、方向に関する表記には、すべて前述のチップ73のピックアップ動作を主体とする進行方向83および反対方向84を用いる。したがって、たとえば進行方向83へ移動と称する場合、シート72はその反対の方向に移動していることを意味する。
【0131】
順位位置は、前述のようにピックアップ位置P1に位置するチップ73aに隣接する配置位置を第1番目の順位位置とし、チップ73が図34に示すように行列状に密に配置されると想定した場合におけるチップ73の重心位置間隔である1ピッチ毎に順位が増加するように配置位置の順位を定める。図34では、ピックアップ位置P1に存在するチップ73aに隣接するチップ73bの存在する位置が、進行方向83の第1番目の順位位置であり、チップ73cの存在する位置が、第2番目の順位位置であり、チップ73dの存在する位置が、第3番目の順位位置である。同様に、反対方向84において、チップ73xの存在する位置が第1番目、チップ73yの存在する位置が第2番目、チップ73zの存在する位置が第3番目の順位位置である。図34では、指定エリア82内のすべての順位位置にチップが存在する場合を例示するけれども、順位位置はチップの存在の有無に関らず画像処理部14aによって定められる。この順位位置は、ピックアップ工程に投入されるチップ寸法およびシート72上の行列配置間隔が定まれば、画像処理部14aの演算手段によって定めることができる。
【0132】
次に図35〜図42は、ピックアップ工程におけるチップ73の優先認識軸75方向の動作を示す図である。図35〜図42を参照してピックアップ工程におけるチップ73の優先認識軸75方向の動作を説明する。
【0133】
図35では、優先認識軸75である行方向において向って左端に配置されるチップ73aが、ピックアップ対象に選択され、反対方向84の第1〜第3番目までの順位位置には、チップ73が存在しない場合について例示する。図35では、チップ73aがニードル57で突上げられ、コレット58に吸着されてピックアップされる。このとき、ニードル57で突上げられるシート72が変形し、進行方向83および反対方向84の第1番目の順位位置は、シート72の変形領域に含まれる。チップ73aをピックアップ後、指定エリア82内の反対方向84にチップ73の存在が認識されないので、進行方向83に1ピッチ移動する。進行方向83に1ピッチ移動した状態において、ピックアップ位置P1に位置することになるチップ73bは、シート72の変形領域に含まれ、シート72の変形領域に含まれる状態ではチップからの反射光量が変化して不良品チップと判断されるので、さらに進行方向83に1ピッチ、すなわち合計2ピッチ分移動して第2番目の順位位置に存在したチップ73cがピックアップ位置P1に位置する。また本実施の態様では、チップの存在の有無を識別するべき順位位置にチップが存在せず、チップ無しと判断された場合にも、さらに1ピッチ分移動するように設定される。
【0134】
図36では、進行方向83に2ピッチ分移動して、チップ73cがピックアップ位置P1に位置する状態である。図37では、チップ73cがニードル57で突上げられ、コレット58に吸着されてピックアップされる。このとき、ニードル57で突上げられるシート72が変形し、進行方向83および反対方向84の第1番目の順位位置が、シート72の変形領域に含まれるのは、前述と同様である。チップ73aをピックアップ後、指定エリア82内の反対方向84の第1番目の順位位置にのみチップ73bの存在が認識されるけれども、チップ73bの存在位置がシート72の変形領域に含まれるので、これを無視して進行方向83に移動する。前述の設定に従い、シート72の変形領域に含まれる第1番目の順位位置を通過して2ピッチ分移動し、第2番目の順位位置に存在したチップ73eがピックアップ位置P1に位置する。
【0135】
図38では、進行方向83に2ピッチ分移動して、チップ73eがピックアップ位置P1に位置する状態である。図39では、チップ73eがニードル57で突上げられ、コレット58に吸着されてピックアップされる。チップ73eをピックアップ後、指定エリア82内の反対方向84の第1番目の順位位置と第3番目の順位位置とにチップ73dおよびチップ73bの存在が認識される。シート72変形領域に含まれる第1番目の順位位置以外の順位位置である第3番目にチップ73bが存在するので、反対方向84に移動する。このときもシート72の変形領域に含まれる第1番目の順位位置を通過して2ピッチ分移動することによって、第2番目の順位位置がピックアップ位置P1になる。しかしながら、第2番目の順位位置に存在するべきチップ73cが、先にピックアップされてしまっているので、第2番目の順位位置からピックアップ位置P1に移動した部位は空所のチップ無しと判断される。したがって、反対方向84さらに1ピッチ分移動し、チップ73bがピックアップ位置P1に位置する。
【0136】
図40では、反対方向84にさらに1ピッチ分移動して、チップ73bがピックアップ位置P1に位置する状態である。図41では、チップ73bがニードル57で突上げられ、コレット58に吸着されてピックアップされる。チップ73bをピックアップ後、指定エリア82内の反対方向84にチップ73の存在が認識されず、進行方向83の第1番目の順位位置はチップ無しと判断されるので、進行方向83に2ピッチ分移動し、第2番目の順位位置に存在するチップ73dがピックアップ位置P1に位置する。図42では、進行方向83に2ピッチ分移動して、チップ73dがピックアップ位置P1に位置する状態である。以降も前述のピックアップ動作を繰返し実行し、優先認識軸75上に存在するチップ73をピックアップする。
【0137】
優先認識軸75上に存在するチップ73のピックアップを完了すると、非優先認識軸76の方向に1ピッチ分だけ移動する。非優先認識軸76への移動には、たとえば図34の紙面上では上方向または下方向の2方向があるけれども、いずれの方向へ移動するかについては、予め定めて制御手段16に設定しておくことによって選択実行することができる。非優先認識軸76方向へ1ピッチ分移動した後は、優先認識軸75方向の移動方向である進行方向と反対方向とを反転させる。すなわち元の進行方向を反対方向に、元の反対方向を進行方向に転換させて、チップ73のピックアップ動作を継続する。このように動作させることによって、チップの存在しない順位位置を際限無く繰返し探索するようなエラーを発生することなく、またシート上に行列状に配置されるチップを取残すことなくピックアップすることができる。
【0138】
図43は、チップピックアップ装置70によるチップ73のピックアップ動作を説明するフローチャートである。前述したチップ73の優先認識軸75方向の動作を踏まえ、図43では、チップピックアップ装置70による一連のチップピックアップ動作をフローチャートに整理する。
【0139】
図43を参照してチップピックアップ装置70によるチップ73のピックアップ動作を説明する。ステップd1では、シート72上にピックアップされるべきチップ73が行列状に配置されてステージ17に装着され、また順位位置を定めるために用いられるチップ寸法および行列の配置間隔等のデータが、画像処理部14aに与えられている状態である。
【0140】
ステップd2では、シート72上に配置されるチップ73が撮像手段13の光学カメラ19で撮像され、撮像画面74に定められる指定エリア82内の画像情報が画像処理部14aに取込まれる。ステップd3では、画像処理部14aの演算手段が、画像情報に基づき、優先認識軸75と非優先認識軸76とに対応する2次元座標系におけるピックアップ位置P1および優先認識軸75方向の各順位位置を演算によって定め、画像処理部14aの判別手段が、ピックアップ位置P1および各順位位置におけるチップ73存在の有無を識別し、チップ73が存在する場合その73の重心位置を演算する。
【0141】
ステップd4では、画像処理部14aの判別手段が、ピックアップ位置P1にチップ73が存在するか否かを判断する。判断結果が肯定でピックアップ位置P1にチップ73が存在するとき、ステップd5に進み、判断結果が否定でピックアップ位置P1にチップ73が存在しないとき、ステップd9に進む。ステップd5では、画像処理部14aからの出力に応答し、制御手段16が、ピックアップ位置P1と、ピックアップ位置P1に存在するチップ73の重心位置とを一致させるように、テーブル駆動部18の動作を制御してステージ17すなわちシート72を移動する。
【0142】
ステップd6では、画像処理部14aからの出力に応答し、制御手段16が、コレット駆動部22の動作を制御してコレット21をピックアップ位置P1まで移動する。ステップd7では、制御手段16が、コレット駆動部22の動作を制御してコレット21をチップ73の表面付近まで降下させてチップ73をピックアップする。ステップd8では、制御手段16が、コレット駆動部22の動作を制御してコレット21にピックアップされたチップ73を所定の位置まで搬送移動し、その後はステップd2へ戻り以降のステップへ進む。
【0143】
ステップd4における判断結果が否定のときに進むステップd9では、チップ73が存在しないと連続して判断された回数が、予め定める設定回数以上であるか否かが判断される。判断結果が否定であるときステップd12へ進む。ステップd12では、優先認識軸75の反対方向84にチップ73が存在するか否かが判断される。判断結果が肯定で、反対方向84にチップ73が存在するとき、ステップd13へ進む。ステップd13では、ピックアップ位置P1に位置するシート72に変形が生じていない状態にあるので、1ピッチ分だけ反対方向84へ移動する。ステップd12の判断結果が否定で、反対方向84にはチップ73が存在しないとき、ステップd14へ進む。ステップd14では、ステップd13と同様の理由により1ピッチ分だけ進行方向83へ移動する。ステップd13およびステップd14において、移動動作が実行された後は、ステップd2へ戻り以降のステップへ進む。
【0144】
先のステップd9における判断結果が肯定で、チップ73が存在しないと連続して判断された回数が、予め定める設定回数以上であるとき、ステップd10へ進む。ステップd10では、非優先認識軸76の予め定められる方向へ1ピッチ分移動する。ステップd11では、優先認識軸75の進行方向と反対方向とを反転させて、ステップd2へ戻り以降のステップへ進む。
【0145】
このように、チップピックアップ装置70を用いるチップピックアップ方法では、シート72の変形の影響を受けなくなった状態のチップ73を選択してピックアップすることができ、優先認識軸75の反対方向84に存在するチップ73もシートの変形の影響を受けなくなった時点においてその存在を認識してピックアップするので、ピックアップの失敗や取残しを発生することなく効率的なピックアップが可能である。また反対方向84の第1番目の順位位置以外に、チップ73の存在を認識できないときは、即座に進行方向83に存在するチップ73のピックアップ動作に戻ることができるので、効率的にチップをピックアップすることが可能であり、チップの高速ピックアップが実現される。
【0146】
【発明の効果】
本発明によれば、撮像画面全体を画像認識エリアとして利用し、撮像画面内には複数のチップが配置され、配置される複数のチップのうち基準位置P0から最短距離に重心が位置するチップを選択し、選択されたチップがピックアップ位置P1に位置されるようにチップの載置されるテーブルを移動し、前記選択されたチップをピックアップする。このように撮像画面内に複数のチップを含み、撮像画面内で基準位置P0に最も近接しているチップを順次選択しピックアップすることによって、チップ探索動作を不要にしチップのピックアップ作業におけるチップ探索時間を削減することができるので、半導体デバイス等の製造における生産効率の向上を実現できる。
【0147】
また本発明によれば、撮像画面内には、複数のチップの配置されるべき位置が少なくとも3行3列含まれる。このことによって、画像認識エリアである撮像画面内に最大9つのチップを行列状に整列配置することができるので、撮像画面からチップを見失うことが少なくなり、チップのピックアップ作業効率を高めることができる。
【0148】
また本発明によれば、基準位置P0は、撮像画面に備わる4つの隅部のうち、撮像画面に含まれる複数のチップのうちから第1番目の順位でピックアップされるチップの位置に最も近い隅部に設定される。このことによって、基準位置P0と、ピックアップされるべく選択されるチップとによって形成される矩形領域内に他のチップが含まれることを抑止することができる。したがって、テーブル上に整列配置されるチップ群を、前記矩形領域によって矩形領域の内外に分割することを防止できるので、ピックアップされるべきチップを選択する都度、テーブルを不所望に前記矩形領域の内外に往復移動させることを抑止できるので、チップ選択のために要するテーブルの移動時間を短縮することができる。
【0149】
また本発明によれば、撮像画面内にピックアップされるべきチップが存在しないとき、X軸またはY軸のうち直前にテーブルが移動された軸方向における撮像画面距離L1からテーブルに載置されるチップ同志の重心位置間隔に等しい距離L2を減じた距離L3だけ、テーブルは、直前にテーブルが移動された軸方向に移動する。このことによって、テーブルは、1度の機会において重心位置間隔L2を超える距離の移動が可能になる。したがって、チップ探索動作回数を軽減して探索の所要時間を短縮することができ、チップピックアップ作業の効率を向上することができる。
【0150】
また本発明によれば、各チップの重心位置、基準位置P0およびピックアップ位置P1の座標位置をテーブル座標データに変換し、テーブル座標データに基づいて各チップの重心位置と基準位置P0との距離を求め、その距離の短い方から順番に各チップの配列されるチップ座標配列データがメモリにストアされ、チップ座標配列データにおける先頭のチップの重心位置がピックアップ位置P1に位置されるようにテーブルを移動し、ピックアップ位置P1に位置するチップがピックアップされる。
【0151】
チップがピックアップされたとき、そのチップのメモリ内におけるチップ座標配列データを削除し、さらにテーブル座標データに基づいて残りの各チップの重心位置と基準位置P0との距離を求め、その距離の短い方から順番に各チップの配列されるチップ座標配列データを新たにメモリにストアし、新たなチップ座標配列データにおける先頭チップの重心位置が、ピックアップ位置P1に位置するようにテーブルを移動してチップをピックアップするという動作を繰返すことによって、チップ取残しの無いチップピックアップ作業を実現することができる。
【0152】
またテーブル座標データに基づいて繰返しチップ座標配列データを更新作成することができるので、手作業による画像処理開始位置再設定回数を軽減し、効率の良いテーブル移動が可能になる。このことによって、チップ探索の所要時間を短縮することができ、チップピックアップ作業の効率を向上することができる。
【0153】
また本発明によれば、テーブル上に載置される複数のチップの位置を画像情報として取込み、画像情報に基づいて撮像画面内に含まれる各チップの重心位置を求め、複数のチップのうち基準位置P0から最短距離に重心が位置するチップを選択し、選択されたチップがピックアップ位置P1に位置されるようにチップの載置されるテーブルを移動し、前記選択されたチップをピックアップすることができる。このように撮像画面内に含まれる複数のチップのうちから基準位置P0に最も近接しているチップを順次選択しピックアップすることによって、チップのピックアップ作業におけるチップ探索時間を削減することができ、ピックアップ作業効率の良いチップピックアップ装置が提供される。
【0154】
また本発明によれば、シートの移動可能な2軸方向をなす軸のうちチップを順次ピックアップする方向に延びる軸である優先認識軸上で、今回ピックアップされるべく選択されて予め定めるピックアップ位置に位置するチップを基準とし、基準とするチップに隣接するチップの配置位置を第1番目の順位位置とするようにチップの配置されるべき位置に順位を予め定めておき、優先認識軸上でチップを順次ピックアップする進行方向の反対方向に位置する少なくとも第3番目の順位位置までチップの存在の有無を識別し、優先認識軸上における前記反対方向で第1番目の順位位置以外の順位位置にチップの存在が認識されるとき、存在の認識されるチップのうちから最先の順位位置に存在するチップを次回にピックアップする対象チップとして選択する。
【0155】
このように第1番目の順位位置に存在するチップをピックアップ対象として選択せず、それ以外のシートの変形の影響を受けなくなった状態のチップを選択してピックアップすることができるので、チップを不良品と誤認したり、チップの重心位置を誤って演算することが防止される。また前記進行方向に順次ピックアップ動作が行われているときには、シートの変形を受ける配置位置に存在してピックアップされることなくピックアップ位置を通過して前記反対方向に位置する配置位置へ移動したチップであっても、シートの変形の影響を受けなくなった時点においてその存在が認識され、ピックアップ対象として選択されるので、選択結果に応じてシートを前記反対方向に移動させてそのチップをピックアップすることが可能になり、ピックアップの取残しが防止される。
【0156】
また、シートの変形の影響を受けるチップをピックアップ対象から外してピックアップ動作をする場合、優先認識軸方向で一方の方向にピックアップ動作を完了した後、先にシートの変形の影響に起因して取残したチップをピックアップするべく優先認識軸方向で他方の方向にチップの探索およびピックアップ動作を行う。このときシートの変形に起因して取残すチップがさらに発生すると、優先認識軸上に存在するすべてのチップをピックアップするまでに、優先認識軸方向に複数回往復動作をしなければならない。しかしながら、本発明の方法によれば、反対方向においてシートの変形の影響を受けなくなったチップの存在の有無を識別し、その存在を認識する都度ピックアップすることができるので、優先認識軸上に存在するすべてのチップをピックアップするための動作距離が短くなり効率的にチップをピックアップすることが可能になる。
【0157】
また本発明によれば、優先認識軸上で、チップを順次ピックアップする進行方向に位置する少なくとも第3番目の順位位置までチップの存在の有無を識別し、優先認識軸上における前記反対方向で第1番目の順位位置にあるチップ以外のチップの存在が認識されないとき、前記進行方向で第1番目の順位位置にあるチップ以外のチップであって、存在が認識されるチップのうちから最先の順位位置に存在するチップを次回にピックアップする対象チップとして選択する。
【0158】
このことによって、前記反対方向にシートの変形の影響を受けなくなったチップの存在を認識して、そのチップのピックアップ動作を行った後、続けてシートの変形の影響を受けなくなったチップの存在を認識できないとき、即座に前記進行方向に向ってシートの変形の影響を受けていないチップの探索および認識とピックアップ動作とに戻ることができるので、効率的にチップをピックアップすることが可能になる。また、前記進行方向および前記反対方向のいずれの方向についても各順位位置におけるチップ存在の有無を識別し、存在を認識したチップをピックアップ対象として選択するので、チップの存在しない順位位置を通過するように移動してピックアップ動作を実行することができる。したがって、チップの高速ピックアップが実現される。
【0159】
また本発明によれば、撮像画面内に含まれる複数のチップのうち、優先認識軸上に配行または配列されるチップのみが、存在の有無の識別対象とされる。このことによって、各順位位置にチップが存在するか否かの識別を、優先認識軸の方向に1次元的に行うだけでよくなるので、撮像画面内において画像処理する領域を、優先認識軸方向における撮像画面の長さと、非優先認識軸方向におけるチップの寸法に一定量のマージンを加えた長さとの積で与えられる領域に限定することができる。したがって、撮像画面の全領域を画像処理する場合に比べて、処理速度が速くなり、ピックアップの効率化が実現される。
【0160】
また本発明によれば、優先認識軸上で、良品チップの存在を予め定める回数連続して認識できないときには、シートを、2軸のうち優先認識軸に直交する軸である非優先認識軸の延びる方向に1ピッチ移動させ、シートを移動させた後、優先認識軸上でチップを順次ピックアップする進行方向を、移動前の進行方向と反対の方向に転換させる。このことによって、チップの存在しない順位位置を際限無く繰返し探索するようなエラーを発生することなく、シート上に行列状に配置されるチップを取残すことなくピックアップすることができる。
【0161】
また本発明によれば、画像情報として得られる各チップの重心位置は、2次元座標系によって与えられる座標値を用いて演算処理することによって求められる。このようにチップの位置は、撮像画面内に位置し画像情報として取込まれる都度、演算処理によって求められるので、経時変化等によってピックアップ作業開始時に対するチップの位置変化が生じているような場合であっても、正確なチップ位置を求めてピックアップすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態であるチップピックアップ装置10の構成を簡略化して示す系統図である。
【図2】撮像手段13による撮像画面23を示す図である。
【図3】チップ12の重心位置演算の概略を示す図である。
【図4】チップピックアップ装置10によるチップのピックアップ動作を説明するフローチャートである。
【図5】チップピックアップ動作開始時における画像取込みの状態を示す図である。
【図6】チップC1をピックアップした後の状態を示す図である。
【図7】チップC6がピックアップ位置P1に移動後の状態を示す図である。
【図8】チップC6をピックアップした後の状態を示す図である。
【図9】チップC5がピックアップ位置P1に移動後の状態を示す図である。
【図10】チップC5をピックアップした後の状態を示す図である。
【図11】チップC2がピックアップ位置P1に移動後の状態を示す図である。
【図12】チップC2をピックアップした後の状態を示す図である。
【図13】チップC4がピックアップ位置P1に移動後の状態を示す図である。
【図14】チップC4をピックアップした後の状態を示す図である。
【図15】チップC7がピックアップ位置P1に移動後の状態を示す図である。
【図16】チップC7をピックアップした後の状態を示す図である。
【図17】チップC8がピックアップ位置P1に移動後の状態を示す図である。
【図18】チップC8をピックアップした後の状態を示す図である。
【図19】チップC3がピックアップ位置P1に移動後の状態を示す図である。
【図20】チップピックアップ装置10によってチップピックアップ動作を行った際のテーブル移動の軌跡を示す。
【図21】撮像画面23内にチップ12が存在しない場合におけるチップ画像取込み動作を示す図である。
【図22】撮像画面23内にチップ12が存在しない場合におけるチップ画像取込み動作を示す図である。
【図23】撮像画面23内にチップ12が存在しない場合におけるチップ画像取込み動作を示す図である。
【図24】撮像画面23の境界にチップ12が存在する場合を示す図である。
【図25】チップピックアップ装置10よるさらにもう1つのチップピックアップ動作を説明するフローチャートである。
【図26】テーブル基準位置T0を原点とする2次元座標系を示す図である。
【図27】予め定められる2次元座標系からテーブル基準位置T0を基準位置とする2次元座標系への変換を説明する概略図である。
【図28】チップC1がピックアップ位置P1に移動後の状態を示す図である。
【図29】チップC1をピックアップした後の状態を示す図である。
【図30】チップC2がピックアップ位置P1に移動後の状態を示す図である。
【図31】チップC2をピックアップした後の状態を示す図である。
【図32】本発明の実施の態様であるチップピックアップ方法に好適に用いられるチップピックアップ装置70の構成を簡略化して示す系統図である。
【図33】光学カメラ19による撮像画面74を例示する図である。
【図34】撮像画面74内に指定エリア82の設定された状態を示す図である。
【図35】ピックアップ工程におけるチップ73の優先認識軸75方向の動作を示す図である。
【図36】ピックアップ工程におけるチップ73の優先認識軸75方向の動作を示す図である。
【図37】ピックアップ工程におけるチップ73の優先認識軸75方向の動作を示す図である。
【図38】ピックアップ工程におけるチップ73の優先認識軸75方向の動作を示す図である。
【図39】ピックアップ工程におけるチップ73の優先認識軸75方向の動作を示す図である。
【図40】ピックアップ工程におけるチップ73の優先認識軸75方向の動作を示す図である。
【図41】ピックアップ工程におけるチップ73の優先認識軸75方向の動作を示す図である。
【図42】ピックアップ工程におけるチップ73の優先認識軸75方向の動作を示す図である。
【図43】チップピックアップ装置70によるチップ73のピックアップ動作を説明するフローチャートである。
【図44】チップ1が半導体ウェハ2から分割されて整列配置される状態の一例を示す図である。
【図45】図44に示す配置のチップ1をピックアップする従来技術の動作を説明するフローチャートである。
【図46】チップC1の画像取込みの状態を示す図である。
【図47】チップC1をピックアップした後の状態を示す図である。
【図48】チップC2の画像取込みの状態を示す図である。
【図49】チップC2をピックアップした後の状態を示す図である。
【図50】画像認識エリア3内に取込むべきチップ画像の無い状態を示す図である。
【図51】画像認識エリア3内に取込むべきチップ画像の無い状態を示す図である。
【図52】画像認識エリア3内に取込むべきチップ画像の無い状態を示す図である。
【図53】チップC3の画像取込みの状態を示す図である。
【図54】チップC3をピックアップした後の状態を示す図である。
【図55】チップC4の画像取込みの状態を示す図である。
【図56】チップC4をピックアップした後の状態を示す図である。
【図57】チップC5の画像取込みの状態を示す図である。
【図58】チップC5をピックアップした後の状態を示す図である。
【図59】チップC6の画像取込みの状態を示す図である。
【図60】チップC6をピックアップした後の状態を示す図である。
【図61】画像認識エリア3内に取込むべきチップ画像の無い状態を示す図である。
【図62】画像認識エリア3内に取込むべきチップ画像の無い状態を示す図である。
【図63】画像認識エリア3内に取込むべきチップ画像の無い状態を示す図である。
【図64】画像認識エリア3内に取込むべきチップ画像の無い状態を示す図である。
【図65】画像認識エリア3内に取込むべきチップ画像の無い状態を示す図である。
【図66】チップC7の画像取込みの状態を示す図である。
【図67】チップC7をピックアップした後の状態を示す図である。
【図68】チップC8の画像取込みの状態を示す図である。
【図69】従来技術のチップピックアップ動作を行った際のテーブル移動の軌跡を示す。
【図70】もう一つの従来技術に用いられるチップピックアップ装置51の構成を簡略化して示す部分配置図である。
【図71】カメラ54によるチップ52の撮像画面55を例示する図である。
【図72】ピックアップ位置P1に位置するチップ52aがコレット58によってピックアップされる状態を示す図である。
【図73】ピックアップ位置P1に位置するチップ52aのコレット58によるピックアップが完了した状態を示す図である。
【図74】シート53上にチップ52が行列状に配置される例を示す図である。
【符号の説明】
10,70 チップピックアップ装置
11 テーブル
12,73 チップ
13 撮像手段
14 画像処理手段
15 ピックアップ手段
16 制御手段
72 シート
75 優先認識軸
76 非優先認識軸
82 指定エリア
83 進行方向
84 反対方向
Claims (11)
- 少なくとも2軸方向に移動可能なテーブル上に載置される複数のチップを順次ピックアップするチップピックアップ方法において、
前記複数のチップを撮像し、
撮像画面内に含まれる複数のチップの配置を画像情報とし、
画像情報として得られる各チップの重心位置を、撮像画面において予め定められる2次元座標系によって求め、
各チップの重心位置と、撮像画面内において予め定められる基準位置P0との距離を求め、
前記基準位置P0から最短距離に重心が位置するチップを選択し、
選択されたチップが撮像画面内において予め定められるピックアップ位置P1に位置されるようにテーブルを移動し、
前記ピックアップ位置P1に位置するチップをピックアップすることを特徴とするチップピックアップ方法。 - 前記テーブル上に載置される複数のチップは、行列状に配置され、
撮像画面内には、複数のチップの配置されるべき位置が少なくとも3行3列含まれることを特徴とする請求項1記載のチップピックアップ方法。 - 前記基準位置P0は、
撮像画面に備わる4つの隅部のうち、前記テーブル上に行列状に配置され撮像画面に含まれる複数のチップのうちから第1番目の順位でピックアップされるチップの位置に最も近接する隅部に設定されることを特徴とする請求項2記載のチップピックアップ方法。 - 前記撮像画面内にピックアップされるべきチップが存在しないとき、
前記2次元座標系を構成するX軸またはY軸のうち、直前にテーブルが移動された軸方向における前記撮像画面距離L1から、前記テーブルに載置されるチップ同志の前記軸方向における重心位置間隔に等しい距離L2を減じた距離L3(=L1−L2)を求め、
前記テーブルを、直前にテーブルが移動された軸方向に前記距離L3移動することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のチップピックアップ方法。 - 前記2次元座標系における各チップの重心位置、前記基準位置P0および前記ピックアップ位置P1の座標位置を、前記テーブルの平面において予め定められる基準位置T0を原点とする2次元座標系における座標位置であるテーブル座標データに変換し、
テーブル座標データに基づいて各チップの重心位置と前記基準位置P0との距離を求め、
チップの重心位置と前記基準位置P0との距離が短い方から順番に各チップの配列されるチップ座標配列データをメモリにストアし、
チップ座標配列データにおける先頭のチップの重心位置が前記ピックアップ位置P1に位置されるようにテーブルを移動し、
前記ピックアップ位置P1に位置するチップをピックアップすることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のチップピックアップ方法。 - 少なくとも2軸方向に移動可能なテーブル上に載置される複数のチップを順次ピックアップするチップピックアップ装置であって、
前記テーブル上に載置される複数のチップを撮像し画像情報として出力する撮像手段と、
前記撮像手段による撮像画面内に含まれる各チップの重心位置を、撮像画面において予め定められる2次元座標系によって求め、各チップの重心位置と撮像画面内において予め定められる基準位置P0との距離を求め、さらに基準位置P0から最短距離に重心が位置するチップを選択する画像処理手段と、
撮像画面内において予め定められるピックアップ位置P1に位置されるチップをピックアップするピックアップ手段と
前記画像処理手段によるチップ選択結果に応答し、選択されたチップが撮像画面内において前記ピックアップ位置P1に位置されるようにテーブルの移動を制御するとともに前記ピックアップ位置P1に位置されるチップをピックアップするようにピックアップ手段の動作を制御する制御手段とを含むことを特徴とするチップピックアップ装置。 - 少なくとも2軸方向に移動可能に設けられるシート上に前記2軸方向に対応するように行列状に配置される複数のチップを順次ピックアップするチップピックアップ方法において、
前記複数のチップを撮像し、
撮像画面内に含まれる複数のチップの配置を画像情報とし、
画像情報として得られる各チップの重心位置を、前記2軸方向に対応するように撮像画面において予め定められる2次元座標系によって求め、
前記2次元座標系には、今回ピックアップ対象として選択され予め定められるピックアップ位置に位置するチップに隣接する配置位置を第1番目の順位位置とし、チップが行列状に密に配置されると想定した場合におけるチップの重心位置間隔である1ピッチ毎に順位が増加するように配置位置の順位が定められ、
各チップの重心位置に基づいて、前記2軸のうちチップを順次ピックアップする方向に延びる軸である優先認識軸上で、チップを順次ピックアップする進行方向の反対方向に位置する少なくとも第3番目の順位位置までチップの存在の有無を識別し、
前記優先認識軸上における前記反対方向で第1番目の順位位置以外の順位位置にチップの存在が認識されるとき、存在の認識されるチップのうちから最先の順位位置に存在するチップを次回にピックアップする対象チップとして選択することを特徴とするチップピックアップ方法。 - 前記優先認識軸上で、チップを順次ピックアップする進行方向に位置する少なくとも第3番目の順位位置までチップの存在の有無を識別し、
前記優先認識軸上における前記反対方向で第1番目の順位位置にあるチップ以外のチップの存在が認識されないとき、前記優先認識軸のチップを順次ピックアップする進行方向で第1番目の順位位置にあるチップ以外のチップであって、存在が認識されるチップのうちから最先の順位位置に存在するチップを次回にピックアップする対象チップとして選択することを特徴とする請求項7記載のチップピックアップ方法。 - 前記撮像画面内に含まれる複数のチップのうち、前記優先認識軸上に配行または配列されるチップのみを、その存在の有無を識別する対象にすることを特徴とする請求項7または8記載のチップピックアップ方法。
- 前記優先認識軸上で、良品チップの存在を予め定める回数連続して認識できないとき、
前記シートを、前記2軸のうち前記優先認識軸に直交する軸である非優先認識軸の延びる方向に前記1ピッチ移動させ、
移動後、前記優先認識軸上でチップを順次ピックアップする進行方向を、移動前の進行方向と反対の方向に転換させることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載のチップピックアップ方法。 - 前記画像情報として得られる各チップの重心位置は、
前記2次元座標系によって与えられる座標値を用いて演算処理することによって求められることを特徴とする請求項1〜5または請求項7〜10のいずれかに記載のチップピックアップ方法。
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