JP4101004B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、画像形成装置に係り、特にメモリ領域の管理を行う画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、プリンタ、コピー、ファクシミリ、スキャナなどの各装置の機能を1つの筐体内に収納した画像形成装置(以下、「複合機」という。)が一般的に知られている。この複合機は、1つの筐体内に表示部、印刷部および撮像部などを設けるとともに、プリンタ、コピーおよびファクシミリ装置にそれぞれ対応する3種類のソフトウェアを設け、ソフトウェアの切り替えによって、当該装置をプリンタ、コピー、スキャナまたはファクシミリ装置として動作させるものである。
【0003】
このような従来の複合機では、プリンタ、コピーおよびファクシミリ装置にそれぞれ対応する別個のソフトウェアを備えている。各ソフトウェアを実行して生成されるプロセスが必要とするメモリは、それぞれ別個に確保されるため、各プロセスで確保される領域サイズが、各ソフトウェアのサイズに応じて大きいものとなっていた。
【0004】
例えば特開平11−129558号公報には、ROM(Read Only Memory)に収納されたプログラムをROM或いはRAMで選択的に実行することで、メモリの使用量を調整することが記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
一方、複合機のコピー、スキャナ、プリンタなどのソフトウェアはOS(オペレーティング・システム)上で動作する場合、かかるOSによってメモリ管理がなされる。通常、OSによるメモリ管理は一定サイズのページ単位で行うアーキテクチャをとっていることが多い。
【0006】
このため、複合機のソフトウェアが使用するメモリのサイズとOSにおけるメモリ管理の単位のサイズとに大きな差があり、かかる差に起因するメモリアクセスの際のオーバヘッドによって処理速度が遅くなったり、メモリの使用効率が悪化するという問題があった。
【0007】
ところで、従来の複合機では、内部にプリンタ、コピー、スキャナおよびファクシミリ装置に対応するソフトウェア(汎用OSを含む)をそれぞれ別個に設ける構成となっており、各ソフトウェアの開発に多大の時間を要する。
【0008】
このため、出願人は、表示部、印刷部および撮像部などの画像形成処理で使用されるハードウェア資源を有し、プリンタ、コピーまたはファクシミリなどの各ユーザサービスにそれぞれ固有の処理を行うアプリケーションを複数搭載し、これらのアプリケーションとハードウェア資源との間に介在して、ユーザサービスを提供する際に、アプリケーションの少なくとも2つが共通的に必要とするハードウェア資源の管理、実行制御並びに画像形成処理を行う各種コントロールサービスからなるプラットホームを備えた画像形成装置(特開2002−82806号公報)を発明した。
【0009】
この画像形成装置によれば、アプリケーションの少なくとも2つが共通的に必要とするハードウェア資源の管理、実行制御並びに画像形成処理を行うプラットホームを備えた構成とすることによって、ソフトウェア開発の効率化を図るとともに、装置全体としての生産性を向上させることが可能となる。
【0010】
このような複合機で動作するソフトウェアは、複数のアプリケーションおよび複数のコントロールサービスから構成されるため、かかる特徴的な構成をメモリ管理に利用できることが好ましい。
【0011】
この発明は上記に鑑みてなされたもので、オペレーティングシステムのアーキテクチャに適合したメモリ管理を行いつつ、処理効率およびメモリの使用効率の向上を図ることができる画像形成装置を得ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明は、プリンタ部またはスキャナ部の少なくとも一方を含む画像処理ハードウェアと、前記画像処理ハードウェアを利用して画像処理を行う1つ以上の画像処理アプリケーションと、オペレーティングシステムと、前記オペレーティングシステム上で動作し、前記1つ以上の画像処理アプリケーションからアクセスされて共通に利用されるプログラムとを有する画像形成装置であって、書き換え可能メモリ上に、前記オペレーティングシステムがプロセスを実行するカーネル用領域として使用される予定の物理領域と、前記画像処理アプリケーション及びプログラムがプロセスを実行する仮想メモリ領域として使用される予定の物理領域と、前記画像処理で生成される画像データを一時的に格納するための画像メモリ領域として使用される予定の物理領域とを確保するメモリ確保手段を備えたことを特徴とする。
【0013】
この請求項1の発明によれば、書き換え可能メモリ上に仮想メモリ領域と画像メモリ領域とを確保するメモリ確保手段を備えたことで、OSのアーキテクチャに適合したメモリ管理を行いつつ、処理効率およびメモリの使用効率の向上を図ることができる。
また、この請求項1の発明によれば、ユーザサービスおよびコントロールサービスの各プロセスを単位として仮想メモリ領域を管理することができ、比較的小さなサイズの領域を単位としてメモリ管理を行う汎用OSのアーキテクチャに適合したメモリ管理を行うことができる。
【0014】
また、請求項2にかかる発明は、前記メモリ確保手段は、前記仮想メモリ領域および前記画像メモリ領域として使用される予定の物理領域を前記画像形成装置の起動時に確保することを特徴とする。
【0015】
この請求項2の発明によれば、画像形成装置の起動時に、画像形成装置の書き換え可能メモリ上に仮想メモリ領域と画像メモリ領域とを確保できる。
【0018】
また、請求項3にかかる発明は、前記メモリ確保手段は、前記書き換え可能メモリ上に、前記プログラムの各プロセスごとに割り当て可能な前記仮想メモリ領域として使用される予定の物理領域を確保することを特徴とする。
【0019】
この請求項3の発明によれば、ユーザサービスおよびコントロールサービスの単位で仮想メモリ領域を管理することができ、比較的小さなサイズの領域を単位としてメモリ管理を行う汎用OSのアーキテクチャに適合したメモリ管理を行うことができる。
【0020】
また、請求項4にかかる発明は、前記仮想メモリ領域として使用される予定の物理領域が、一定サイズのページ単位に管理されることを特徴とする。
【0021】
この請求項4の発明によれば、メモリ管理をページ単位で行うOSのアーキテクチャに適合したメモリ管理を行え、さらなる処理速度の向上とメモリ使用効率の向上を図ることができる。
【0022】
また、請求項5にかかる発明は、前記プログラムの各プロセスごとに、前記書き換え可能メモリ上の物理アドレスと前記仮想メモリ領域上の論理アドレスとを対応づけた変換手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0023】
この請求項5の発明によれば、各プロセスごとに同一の物理アドレスに異なる論理アドレスを割り当てていた場合でも、各プロセスか同一の物理アドレスに対してアクセスしてしまうことを回避することができる。
【0024】
また、請求項6にかかる発明は、前記画像メモリ領域の物理アドレスは、前記プログラムの各プロセスに共通の論理アドレスに対応付けされていることを特徴とする。
【0025】
この請求項6の発明によれば、各プロセスが画像メモリ領域に対して同一の論理アドレスで直接アクセスすることができ、論理アドレスを物理アドレスに変換する処理をプロセスごとに行う必要がなくなり、処理速度の向上が図られる。
【0026】
また、請求項7にかかる発明は、前記変換手段は、前記プログラムのすべてのプロセスに共通の前記画像メモリ領域上の論理アドレスと前記書き換え可能メモリ上の物理アドレスとを対応づけたものであることを特徴とする。
【0027】
この請求項7の発明によれば、アクセスした論理アドレスの領域が物理アドレスとして存在しないなどのエラーが生じることを防止することができる。
【0028】
また、請求項8にかかる発明は、前記メモリ確保手段は、前記書き換え可能メモリの容量に基づいて前記仮想メモリ領域と前記画像メモリ領域の容量を決定し、決定された容量で前記仮想メモリ領域として使用される予定の物理領域と前記画像メモリ領域として使用される予定の物理領域とを確保することを特徴とする。
【0029】
この請求項8の発明によれば、搭載されたメモリの容量によって実行するユーザサービスまたはコントロールサービスが異なる場合に、実行環境に応じて適切なメモリ配分を実現することができる。
【0030】
また、請求項9にかかる発明は、前記メモリ確保手段は、前記プログラムのプロセスが使用する又は使用した容量に基づいて前記仮想メモリ領域と前記画像メモリ領域の容量を決定し、決定された容量で前記仮想メモリ領域として使用される予定の物理領域と前記画像メモリ領域として使用される予定の物理領域とを確保することを特徴とする。
【0031】
この請求項9の発明によれば、プログラムのプロセスが使用する又は使用したメモリの容量に応じて適切なメモリ配分を実現することができる。
【0032】
また、請求項10にかかる発明は、プリンタ部またはスキャナ部の少なくとも一方を含む画像処理ハードウェアと、前記画像処理ハードウェアを利用して画像処理を行う1つ以上の画像処理アプリケーションと、オペレーティングシステムと、前記オペレーティングシステム上で動作し、前記1つ以上の画像処理アプリケーションからアクセスされて共通に利用されるプログラムとを有する画像形成装置であって、書き換え可能メモリ上に、前記オペレーティングシステムがプロセスを実行するカーネル用領域として使用される予定の物理領域と、前記画像処理アプリケーション及びプログラムがプロセスを実行する仮想メモリ領域として使用される予定の物理領域と、前記画像処理で生成される画像データを一時的に格納するための画像メモリ領域として使用される予定の物理領域とを確保するメモリ確保手段と、読み出し専用メモリ上に組み込まれたプログラムを、前記書き換え可能メモリに転送する転送手段とを備えたことを特徴とする。
【0033】
この請求項10の発明によれば、書き換え可能メモリ上に仮想メモリ領域と画像メモリ領域とを確保するメモリ確保手段と、読み出し専用メモリ上に組み込まれたプログラムを書き換え可能メモリに転送する転送手段とを備えたことで、アクセス速度の速い書き換え可能メモリを読み出し専用メモリとみなして、書き換え可能メモリからユーザサービスおよびコントロールサービスを起動することができ、処理速度の高速化を図ることができる。
また、この請求項10の発明によれば、ユーザサービスおよびコントロールサービスの各プロセスを単位として仮想メモリ領域を管理することができ、比較的小さなサイズの領域を単位としてメモリ管理を行う汎用OSのアーキテクチャに適合したメモリ管理を行うことができる。
【0034】
また、請求項11にかかる発明は、前記メモリ確保手段は、前記仮想メモリ領域および前記画像メモリ領域として使用される物理領域を前記画像形成装置の起動時に確保することを特徴とする。
【0035】
この請求項11の発明によれば、画像形成装置の起動時に、画像形成装置の書き換え可能メモリ上に仮想メモリ領域と画像メモリ領域とを確保できる。
【0038】
また、請求項12にかかる発明は、前記メモリ確保手段は、前記書き換え可能メモリ上に、前記プログラムの各プロセスごとに割り当て可能な前記仮想メモリ領域として使用される予定の物理領域を確保することを特徴とする。
【0039】
この請求項12の発明によれば、ユーザサービスおよびコントロールサービスの単位で仮想メモリ領域を管理することができ、比較的小さなサイズの領域を単位としてメモリ管理を行う汎用OSのアーキテクチャに適合したメモリ管理を行うことができる。
【0040】
また、請求項13にかかる発明は、前記転送手段は、前記プログラムが前記読み出し専用メモリ上に圧縮形式で格納されているときに、圧縮された前記プログラムを伸張して前記書き換え可能メモリ上に転送することを特徴とする。
【0041】
この請求項13にかかる発明によれば、読み出し専用メモリの容量制限のためにプログラムを圧縮形式で組み込んでいた場合でも、書き換え可能メモリにプログラムを伸張して実行可能となり、プロセスの実行処理速度の高速化を図ることができる。
【0042】
また、読み出し専用メモリの容量制限のためにプログラムを通常の形式で組み込めない場合でも、読み出し専用メモリに圧縮形式のプログラムを組み込めば転送時に伸張するので、読み出し専用メモリの容量に制限がある場合でも、多数のプログラムにより多機能のユーザサービスおよびコントロールサービスを提供することができる。
【0043】
また、請求項14にかかる発明は、前記転送手段は、前記プログラムを、前記仮想メモリ領域または画像メモリ領域として使用される予定の物理領域に転送することを特徴とする。
【0044】
この請求項14の発明によれば、仮想メモリ領域または画像メモリ領域が不足している場合でも、プログラムの実行が可能となりメモリ使用効率を向上させることができる。
【0045】
また、請求項15にかかる発明は、前記プログラムの転送条件として前記書き換え可能メモリの容量に応じた前記転送先を予め設定した設定情報をさらに備え、前記転送手段は、前記設定情報に基づいて、前記プログラムの転送先を、前記仮想メモリ領域して使用される予定の物理領域か前記画像メモリ領域して使用される予定の物理領域のいずれかに決定することを特徴とする。
【0046】
この請求項15にかかる発明によれば、転送条件を予め与えることで、プログラムの転送先を仮想メモリ領域にするか画像メモリ領域にするかを自在に選択することができ、メモリの利用効率を向上させることができる。
また、この請求項15にかかる発明によれば、メモリ容量に応じてプログラムの転送先を仮想メモリ領域にするか画像メモリ領域にするかを選択することができ、メモリの利用効率を向上させることができる。
【0049】
また、請求項16にかかる発明は、前記設定情報は、前記プログラムのプロセスが使用する又は使用した容量に応じて前記転送先をあらかじめ設定したものであることを特徴とする。
【0050】
この請求項16にかかる発明によれば、プログラムのプロセスが使用する又は使用した容量に応じてプログラムの転送先を仮想メモリ領域にするか画像メモリ領域にするかを選択することができ、メモリの利用効率を向上させることができる。
【0051】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる画像形成装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1である画像形成装置(以下、「複合機」という)の構成を示すブロック図である。図1に示すように、複合機100は、白黒ラインプリンタ(B&W LP)101と、カラーラインプリンタ(Color LP)102と、スキャナ、ファクシミリなどのハードウェアリソース103などを有するとともに、プラットホーム120とアプリケーション130とから構成されるソフトウェア群110と、複合機起動部140とを備えている。
【0052】
プラットホーム120は、アプリケーションからの処理要求を解釈してハードウェア資源の獲得要求を発生させるコントロールサービスと、一または複数のハードウェア資源の管理を行い、コントロールサービスからの獲得要求を調停するSRM(システムリソースマネージャ)123と、汎用OS121とを有する。
【0053】
コントロールサービスは、複数のサービスモジュールから形成され、SCS(システムコントロールサービス)122と、ECS(エンジンコントロールサービス)124と、MCS(メモリコントロールサービス)125と、OCS(オペレーションパネルコントロールサービス)126と、FCS(ファックスコントロールサービス)127と、NCS(ネットワークコントロールサービス)128とから構成される。
【0054】
なお、このプラットホーム120は、あらかじめ定義された関数により前記アプリケーション130から処理要求を受信可能とするAPI(アプリケーションプログラムインタフェース)を有する。
【0055】
汎用OS121は、UNIX(登録商標)などの汎用オペレーティングシステムであり、プラットホーム120並びにアプリケーション130の各ソフトウェアをそれぞれプロセスとして並列実行する。
【0056】
SRM123のプロセスは、SCS122とともにシステムの制御およびリソースの管理を行うものである。SRM123のプロセスは、スキャナ部やプリンタ部などのエンジン、メモリ、HDDファイル、ホストI/O(セントロI/F、ネットワークI/F、IEEE1394 I/F、RS232C I/Fなど)のハードウェア資源を利用する上位層からの要求にしたがって調停を行い、実行制御する。
【0057】
具体的には、このSRM123は、要求されたハードウェア資源が利用可能であるか(他の要求により利用されていないかどうか)を判断し、利用可能であれば要求されたハードウェア資源が利用可能である旨を上位層に伝える。また、SRM123は、上位層からの要求に対してハードウェア資源の利用スケジューリングを行い、要求内容(例えば、プリンタエンジンにより紙搬送と作像動作、メモリ確保、ファイル生成など)を直接実施している。
【0058】
SCS122のプロセスは、アプリ管理、操作部制御、システム画面表示、LED表示、リソース管理、割り込みアプリ制御を行う。
【0059】
ECS124のプロセスは、白黒ラインプリンタ(B&W LP)101、カラーラインプリンタ(Color LP)102、スキャナ、ファクシミリなどからなるハードウェアリソース103のエンジン部の制御を行う。
【0060】
MCS125のプロセスは、画像メモリの取得および解放、ハードディスク装置(HDD)の利用、画像データの圧縮および伸張などを行う。
【0061】
OCS126のプロセスは、オペレータと本体制御間の情報伝達手段となる操作パネル(オペレーションパネル)の制御を行う。
【0062】
FCS127のプロセスは、システムコントローラの各アプリ層からPSTN/ISDN網を利用したファクシミリ送受信、BKM(バックアップSRAM)で管理されている各種ファクシミリデータの登録/引用、ファクシミリ読みとり、ファクシミリ受信印刷、融合送受信を行うためのAPIを提供する。
【0063】
NCS128は、ネットワークI/Oを必要とするアプリケーションに対して共通に利用できるサービスを提供するためのプロセスであり、ネットワーク側から各プロトコルによって受信したデータを各アプリケーションに振り分けたり、アプリケーションからデータをネットワーク側に送信する際の仲介を行う。
【0064】
アプリケーション130は、プリンタ、コピー、スキャナまたはファクシミリなどの画像形成処理にかかるユーザサービスにそれぞれ固有の処理を行うものである。
【0065】
アプリケーション130は、ページ記述言語(PDL)、PCLおよびポストスクリプト(PS)を有するプリンタ用のアプリケーションであるプリンタアプリ111と、コピー用アプリケーションであるコピーアプリ112と、ファクシミリ用アプリケーションであるファックスアプリ113と、スキャナ用アプリケーションであるスキャナアプリ114と、ネットワークファイル用アプリケーションであるネットファイルアプリ115と、工程検査用アプリケーションである工程検査アプリ116とを有している。
【0066】
図2は、図1に示した実施の形態1の複合機のハードウェア構成図である。図2に示すように、この複合機は、CPU202、SDRAM203、SRAM208、フラッシュメモリ204,HDD205およびネットワークインターフェースコントローラ209などをASIC201に接続したコントローラボード200と、オペレーションパネル210と、ファックスコントロールユニット(FCU)220と、USBデバイス230と、IEEE1394デバイス240と、エンジン部250とから構成されている。
【0067】
オペレーションパネル210は、ASIC201に直接接続されている。FCU220、USBデバイス230、IEEE1394デバイス240およびエンジン部250は、PCIバスを介してASIC201に接続されている。例えばFCU220は、電話網に接続されている。また、USBデバイス230およびIEEE1394デバイス240は、他の端末に接続されている。
【0068】
フラッシュメモリ(以下、「フラッシュROM」という。)204は、本発明における読み出し専用メモリを構成するものであり、上述のプラットホーム120およびアプリケーション130を構成する各コントロールサービス,SRM123,各アプリのプログラムが格納されている。なお、コントロールサービスまたはアプリの一部又は全部は、圧縮形式で格納されている。また、フラッシュROM204には、後述する設定ファイルも格納されている。
【0069】
SRAM208は、バッテリを用いた不揮発性メモリである。ネットワークインターフェースコントローラ209は、ネットワークに接続されている他の機器とMACアドレスなどを用いて通信する。
【0070】
図3は、実施の形態1にかかる複合機100の複合機起動部140の構成を示すブロック図である。複合機起動部140は、複合機100の電源投入時にまずはじめに実行され、プラットホーム120やアプリケーション130を起動するものである。
【0071】
複合機起動部140は、図3に示すとおり、ROMモニタ310と、プログラム起動部320とから構成される。ROMモニタ310、プログラム起動部320のプログラムもフラッシュROM204に記憶されている。
【0072】
ROMモニタ310は、電源投入時に実行され、ハードウェアの初期化、コントローラボードの診断、ソフトウェアの初期化、汎用OS121の起動などを行う。
【0073】
プログラム起動部320は、汎用OS121から呼び出されるものであり、SDRAM203上にメモリ領域を確保して、コントロールサービスやアプリケーションのプログラムをフラッシュROM204から呼び出し、確保された領域に転送して各プログラムを起動するものである。従って、このプログラム起動部320は本発明におけるメモリ確保手段および転送手段を構成する。また、SDRAM203は、本発明における書き換え可能メモリを構成する。
【0074】
つぎに、以上のように構成された実施の形態1の複合機100におけるメモリ管理について説明する。図4(a)は、SDRAM203(以下、「RAM」という)のメモリマップを示す説明図である。図4に示すように、RAM203には、汎用OS121などが使用するカーネル用領域と、各種アプリや各種コントロールサービスが使用する仮想メモリ領域と、MCS125の管理に基づき画像データを格納する画像メモリ領域とが確保される。
【0075】
また、複合機100に搭載されているRAM203の容量によって仮想メモリ領域と画像メモリ領域のサイズの割合又は容量をあらかじめ定めた領域設定ファイルをフラッシュROM204に格納している。
【0076】
図6は、この領域設定ファイルの設定内容の一例を示す説明図である。プログラム起動部320は、仮想メモリ領域と画像メモリ領域を確保する際に、この領域設定ファイルをフラッシュROM204から読み込んで、設定されたサイズで各領域を確保する。
【0077】
図6の領域設定ファイルの内容は、必ずしもフラッシュROM204に格納されている必要はない。例えば図2に示した複合機のハードウェア構成にNVRAMを追加し、そのNVRAMに領域設定ファイルの内容を格納する方式や、HDD205に格納する方式も考えられる。なお、領域設定ファイルのデータ形式は必ずしもファイルである必要はない。
【0078】
領域設定ファイルをNVRAM(図示せず)やHDD205などの書き換え可能な媒体に格納する場合、領域設定ファイルの内容を必要に応じて変更することができる。領域設定ファイルの内容を変更する方法としては、オペレータが何らかの操作を自ら行って変更する方法,複合機100が自動的に変更する方法などがある。
【0079】
例えばオペレータの操作によって領域設定ファイルの内容を変更する方法としては、オペレーションパネル210から変更する方法,ネットワーク経由で変更情報などを送信して変更する方法などがある。
【0080】
また、複合機100が自動的に領域設定ファイルの内容を変更する方法としては、電源オンからの画像メモリ領域の最大使用量を記録しておき、最大使用量が画像メモリ領域の全ての領域を使用すると共に、仮想メモリ領域に余裕があった場合、画像メモリ領域を増やす方法や、電源オンからの画像メモリ領域の最大使用量を記録しておき、電源オンの度に前回の電源オンから電源オフまでの画像メモリ領域の最大使用量に応じて画像メモリ領域を選択する方法などがある。
【0081】
図7は、領域設定ファイルを設定するオペレーションパネルの一例の画面イメージ図である。図7の画面710は、複合機100の現在のRAM203の容量と、その容量に対する画像メモリ領域の容量とが表示されている。オペレータはオペレーションパネル210上の数字キー720で画像メモリ領域の容量を入力した後、設定キー730を押下することで、数字キー720を操作して入力した数値が画像メモリ領域の容量として領域設定ファイルに格納される。
【0082】
なお、領域設定ファイルは、基本となる領域設定ファイルと、必要に応じて内容を変更可能な領域設定ファイルとに分割し、基本となる領域設定ファイルに変更を加えず、変更可能な領域設定ファイルを変更する方法も考えられる。
【0083】
図8は、基本となる領域設定ファイルと、変更可能な領域設定ファイルとに分割された領域設定ファイルの一例の構成図である。図8では、例えばフラッシュROM204に格納されている基本となる領域設定ファイルの内容と、例えばNVRAMやHDD205などに格納されている変更可能な領域設定ファイルの内容とに基づき仮想メモリ領域と画像メモリ領域の容量を決定する。
【0084】
具体的には、基本となる領域設定ファイルに含まれる画像メモリ領域と、変更可能な領域設定ファイルに含まれるオフセット量情報としての画像メモリ増減値とを加算することで、仮想メモリ領域と画像メモリ領域の容量を決定する。
【0085】
図8の領域設定ファイルでは、画像メモリ領域および画像メモリ増減値をRAM203の容量に応じて設定しているが、画像メモリ領域および画像メモリ増減値を一律に設定するようにしてもよい。
【0086】
再び、図4(b)に戻り説明を続ける。図4(b)は、この中の仮想メモリ領域のメモリマップを示す説明図である。図4(b)に示すように、仮想メモリ領域は、プリンタアプリ111,コピーアプリ110などのアプリケーションのプロセスごと、およびECS124、MCS125などのコントロールサービスのプロセスごとに割り当てられる。
【0087】
また、この仮想メモリ領域は、汎用OS121によって所定サイズのページ単位で管理される。従って、この所定サイズのページ単位は本発明における一定サイズのページ単位を構成する。
【0088】
すなわち、あるコントロールサービスまたはアプリケーションのプロセスで新たな領域が必要となったときはページ単位でそのプロセスに対し新たな領域を確保し、そのプロセスで一定サイズの領域が不要になった場合には、ページ単位で領域がプロセスから破棄されるようになっている。
【0089】
仮想メモリ領域を割り当てられた各プロセスでは、他のプロセスと別個に論理アドレスを管理しており、物理アドレスと論理アドレスを対応付けた変換テーブルを仮想メモリ領域内に保持している。
【0090】
また、CPU202のキャッシュメモリ(図示せず)には、CPUによって管理されるTLB(Translation Look−aside Buffer)が設けられている。このTLBは、本発明における変換手段を構成するものであり、プロセスごとにアクセスした論理アドレスと物理アドレスを対応付けて保持しておき、プロセスが論理アドレスを指定してメモリにアクセスしようとしたときに、指定された論理アドレスを物理アドレスに変換するものである。このTLBは、論理アドレスと物理アドレスの対を一定数(例えば、48個、64個など)保持している。
【0091】
図5は、TLBと各プロセスの変換テーブルとの関係を示した説明図である。図5に示すように、各プロセスの変換テーブルには、各プロセス独自の論理アドレスと、この論理アドレスを示す物理アドレスとが対応している。一方、TLBでは、各プロセスがアクセスした論理アドレスと、その論理アドレスに対応する物理アドレスとをプロセスID(PID)ごとに保持している。このため、例えば、プリンタアプリ111のプロセスとMCS125のプロセスが同一の論理アドレスである1100番地にアクセスした場合でも、TLBによる変換によって異なる物理アドレスである130番地又は500番地にアクセスするようになっている。
【0092】
ここで、例えば、プリンタアプリ111のプロセスが論理アドレス1000番地に対してアクセスすると、TLBはプリンタアプリ111のPIDの中から論理アドレス1000番地を検索するが、図5に示すTLBにはプリンタアプリ111に対する論理アドレス1000番地は登録されていない。このため、TLB例外エラーが発生し、CPU202は、プリンタアプリ111の変換テーブルを参照する。そして、プリンタアプリ111における論理アドレス1000番地に対する物理アドレス30番地を取得して、TLBに「プリンタアプリ、物理アドレス:30番地、論理アドレス:1000番地」のエントリを追加するようになっている。
【0093】
一方、画像メモリ領域は、すべてのプロセスに対して、論理アドレスが固定されている。図5に示すTLBにおいて、PIDが「Global」として登録されているエントリが画像メモリ領域の物理アドレスと論理アドレスとを対応付けたものである。
【0094】
図5のTLBの例では、画像メモリ領域の先頭の物理アドレス600番地が論理アドレス2000番地に対応し、画像メモリ領域のサイズ分(32MB)連続して対応していることを示している。かかるTLBの画像メモリ領域用のエントリは、仮想メモリ領域用のエントリのように更新されることはない。画像メモリ領域では、すべてのプロセスにおいて物理アドレスに対する論理アドレスは固定されて、TLB例外エラーも発生しないようになっている。
【0095】
このように、実施の形態1の複合機100では、RAM203上にコントロールサービスやアプリの各プロセスごとに仮想メモリ領域を確保すると共に、画像データ格納用の画像メモリ領域を確保しているので、コントロールサービスおよびアプリの単位で仮想メモリ領域を管理することができる。このため、比較的小さなサイズを単位としてメモリ管理を行う汎用OS121のアーキテクチャに適合したメモリ管理を実現することができ、メモリアクセス時の処理速度の向上を図れるとともに、メモリの使用効率も向上することができる。
(実施の形態2)
実施の形態1にかかる複合機100は、RAM203上に仮想メモリ領域と画像メモリ領域とを確保して、コントロールサービスやアプリのプログラムを仮想メモリ領域に転送して起動させる際に、その転送条件について特に定めてはいなかった。この実施の形態2にかかる複合機は、RAM230の容量や転送先の領域などの転送条件を定めたものである。実施の形態2にかかる複合機100の構成、ハードウェア構成および複合機起動部140の構成は、実施の形態1の複合機と同様であるので説明を省略する。
【0096】
実施の形態2の複合機100では、フラッシュROM204上のプログラムをRAM203に転送する際の転送条件および実行条件を定義した設定ファイルをフラッシュROM204に格納している。この設定ファイルには、転送命令であるexpandコマンドと実行命令であるexecuteコマンドが記述され、転送条件をexpandコマンドの引数で指定し、実行条件をexecuteコマンドの引数に指定するようになっている。
【0097】
図9は、設定ファイルに記述されるexpandコマンドとexecuteコマンドの引数について示す説明図である。expandコマンドには、搭載メモリオプション(−mオプション)と、転送先、転送元ファイル名が引数として指定される。搭載メモリオプション(−m)は、搭載メモリ指定されたサイズより大きいときにファイル名で指定されたファイルをRAM203に転送するか、搭載メモリ指定されたサイズ以下のときにファイル名で指定されたファイルをRAM203に転送するかを指定するものである。転送先オプションには、仮想メモリ領域に転送するときに「VM」を、画像メモリ領域に転送するときに「IM」を指定する。
【0098】
ここで、expandコマンドは、ファイルを転送する際に、フラッシュROM204上のファイル形式を調べ、圧縮形式である場合にはファイルを伸張してRAM203に格納し、圧縮形式でない場合にはファイルをそのままRAM203にコピーする。
【0099】
executeコマンドには、ファイルオプション(−fオプション)と実行対象のファイル名が引数として指定される。ファイルオプション(−fオプション)は、オプション中に指定されたファイルがRAM203上に存在する場合には実行対象のファイルを実行するという指定である。
【0100】
図10は、設定ファイルの一例を示す説明図である。図10の例では、1行目でプリンタアプリ111のプログラムであるprint_appを仮想メモリ領域へコピーまたは伸張してコピーすることを示している。設定ファイルの2行目では、搭載されているRAM203の容量が64MBより大きい場合に、ファックスアプリ113であるfax_appを画像メモリ領域にコピーすることを示している。設定ファイルの3行目では、ファイルオプションにより指定されたfile1がRAM203に存在するときに実行対象ファイルfile2を実行することが示されている。
【0101】
図11は、フラッシュROM上のプリンタアプリ111のプログラムprint_appとファックスアプリ113のプログラムfax_appの配置を一例として示した説明図である。図11に示すように、print_appは圧縮形式となっており、print_appの中にfile1のファイルが含まれている。また、fax_appは圧縮形式ではなく、fax_appの中にfile2が含まれている。
【0102】
次に、プログラム起動部320によるプログラムの転送処理および実行処理について説明する。図12は、実施の形態2にかかる複合機のプログラム起動部320によるプログラムの転送処理および実行処理の手順を示すフローチャートである。
【0103】
プログラム起動部320は、まず設定ファイルから1行分を読み出す(ステップS1001)。そして、読み込んだ命令がexpandコマンドか否かを調べ(ステップS1002)、expandコマンドである場合には以下の処理を行う。
【0104】
expandコマンドに搭載メモリオプション(−m)が指定されているか否かを判断し(ステップS1003)、指定されている場合には、RAM203の容量が指定されたメモリ条件を充足しているか否かを判断する(ステップS1004)。そして、充足していない場合には転送処理を行わず次の行を読み込む。メモリ条件を充足している場合には、転送先指定を判断する(ステップS1005)。転送先としてVMが指定されている場合には転送元のファイルを仮想メモリ領域にコピーまたは伸張する(ステップS1006)。これにより仮想メモリ領域の残容量は減少する。
【0105】
一方、転送先としてIMが指定されている場合には転送元のファイルを画像メモリ領域にコピーまたは伸張する(ステップS1007)。これにより画像メモリ領域の残り容量は減少する。そして、設定ファイルから次の行を読み込む。
【0106】
そして、読み込んだ命令がexpandコマンドでない場合には、executeコマンドであるか否かを判断する(ステップS1008)。そして、executeコマンドである場合には以下の処理を行う。
【0107】
executeコマンドにファイルオプション(−f)が指定されているか否かを判断し(ステップS1009)、指定されている場合には、指定されているファイルがRAM203にすでにコピーされて存在しているか否かを調べる(ステップS1010)。そして、存在している場合には、実行対象ファイルを実行する(ステップS1011)。一方、指定されてたファイルがRAM203に存在しない場合には、実行対象ファイルの実行は行わず、設定ファイルの次の行を読み込む。
【0108】
このようなステップS1001からS1011までの処理を、設定ファイルに記述されている最後の行まで繰り返し行う。これにより、設定ファイルで指定された転送条件でフラッシュROM204上のプログラムがRAM203上に転送され、設定ファイルで指定された実行条件でプログラムの実行が行われる。
【0109】
図13(a)および(b)は、RAM203の容量が64MBであるときに、図11に示したフラッシュROM204上のプログラムを、図10に示した設定ファイルに基づいてRAM203に転送した場合のRAM上での状態を示す説明図である。
【0110】
図13(a)は、転送処理実行前の状態である。また、図13(b)は転送処理実行後の状態である。図13(b)に示すように、print_appは設定ファイルの内容に基づいて仮想メモリ領域にコピーされる。このとき、print_appは、圧縮形式でフラッシュROM204に格納されているため、RAM203にコピーされる際に伸張される。また、fax_appは、搭載されているRAMの容量が64MBより大きいときに画像メモリ領域にコピーされる旨が設定ファイルに記述されているため、図13(a)(b)の例ではコピーされない。
【0111】
図14(a)および(b)は、RAM203の容量が96MBであるときに、図11に示したフラッシュROM204上のプログラムを、図10に示した設定ファイルに基づいてRAM203に転送した場合のRAM上での状態を示す説明図である。
【0112】
図14(a)は転送処理実行前の状態である。また、図14(b)は転送処理実行後の状態である。図14(b)に示すように、print_appは設定ファイルの内容に基づいて仮想メモリ領域に伸張されてコピーされる。また、この場合、RAM203の容量は96MBであり64MBより大きいため、fax_appが画像メモリ領域にコピーされる。
【0113】
このように実施の形態2にかかる複合機100では、フラッシュROM204に組み込まれたコントロールサービスとアプリのプログラムをRAM203に転送しているので、アクセス速度の速いRAM203をROMとみなして、RAM203からコントロールサービスとアプリを起動することができ、処理速度の高速化を図ることができる。
【0114】
また、実施の形態2にかかる複合機100では、プログラムの転送条件を定義した設定ファイルに従って、コントロールサービスやアプリのプログラムの転送先を仮想メモリ領域か画像メモリ領域のいずれかに決定して転送しているので、RAM203の容量などに応じてプログラムを画像メモリ領域にも転送することができ、メモリの利用効率を向上させることができる。
【0115】
なお、実施の形態2において示した設定ファイルの内容、コマンドなどは一例を示すものであり、かかる設定内容およびコマンドなどに限定されるものではなく、複合機の機種などにより任意に設定可能である。
【0116】
本発明は、上記の実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変形や変更が可能である。
【0117】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、オペレーティングシステムのアーキテクチャに適合したメモリ管理を行いつつ、処理効率およびメモリの使用効率の向上を図ることが可能な画像形成装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1にかかる複合機の構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態1の複合機のハードウェア構成図である。
【図3】実施の形態1にかかる複合機の複合機起動部の構成を示すブロック図である。
【図4】SDRAMのメモリマップを示す説明図である。
【図5】TLBと各プロセスの変換テーブルとの関係を示した説明図である。
【図6】領域設定ファイルの設定内容の一例を示す説明図である。
【図7】領域設定ファイルを設定するオペレーションパネルの一例の画面イメージ図である。
【図8】基本となる領域設定ファイルと、変更可能な領域設定ファイルとに分割された領域設定ファイルの一例の構成図である。
【図9】設定ファイルに記述されるexpandコマンドとexecuteコマンドの引数について示す説明図である。
【図10】設定ファイルの一例を示す説明図である。
【図11】フラッシュROM上のプリンタアプリのプログラムとファックスアプリのプログラムの配置を一例として示した説明図である。
【図12】実施の形態2にかかる複合機のプログラム起動部によるプログラムの転送処理および実行処理の手順を示すフローチャートである。
【図13】複合機のRAMの容量が64MBであるときに、フラッシュROM上のプログラムのSDRAMへの転送処理実行前及び転送処理実行後のSDRAMの状態を示す説明図である。
【図14】複合機のRAMの容量が96MBであるときに、フラッシュROM上のプログラムのSDRAMへの転送処理実行前及び転送処理実行後のSDRAMの状態を示す説明図である。
【符号の説明】
100 複合機
101 白黒ラインプリンタ
102 カラーラインプリンタ
103 ハードウェアリソース
110 ソフトウェア群
111 プリンタアプリ
112 コピーアプリ
113 ファックスアプリ
114 スキャナアプリ
115 ネットファイルアプリ
116 工程検査アプリ
120 プラットホーム
121 汎用OS
122 SCS
123 SRM
124 ECS
125 MCS
126 OCS
127 FCS
128 NCS
130 アプリケーション
140 複合機起動部
200 コントローラボード
201 ASIC
202 CPU
203 SDRAM(RAM)
204 フラッシュメモリ(フラッシュROM)
205 HDD(ハードディスク装置)
208 SRAM
209 ネットワークインターフェースコントローラ
210 オペレーションパネル
230 USBデバイス
240 IEEE1394デバイス
250 エンジン部
310 ROMモニタ
320 プログラム起動部
710 画面
720 数字キー
730 設定キー
Claims (16)
- プリンタ部またはスキャナ部の少なくとも一方を含む画像処理ハードウェアと、前記画像処理ハードウェアを利用して画像処理を行う1つ以上の画像処理アプリケーションと、オペレーティングシステムと、前記オペレーティングシステム上で動作し、前記1つ以上の画像処理アプリケーションからアクセスされて共通に利用されるプログラムとを有する画像形成装置であって、
書き換え可能メモリ上に、前記オペレーティングシステムがプロセスを実行するカーネル用領域として使用される予定の物理領域と、前記画像処理アプリケーション及びプログラムがプロセスを実行する仮想メモリ領域として使用される予定の物理領域と、前記画像処理で生成される画像データを一時的に格納するための画像メモリ領域として使用される予定の物理領域とを確保するメモリ確保手段
を備えたことを特徴とする画像形成装置。 - 前記メモリ確保手段は、前記仮想メモリ領域および前記画像メモリ領域として使用される予定の物理領域を前記画像形成装置の起動時に確保することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 前記メモリ確保手段は、前記書き換え可能メモリ上に、前記プログラムの各プロセスごとに割り当て可能な前記仮想メモリ領域として使用される予定の物理領域を確保することを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
- 前記仮想メモリ領域として使用される予定の物理領域が、一定サイズのページ単位に管理されることを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
- 前記プログラムの各プロセスごとに、前記書き換え可能メモリ上の物理アドレスと前記仮想メモリ領域上の論理アドレスとを対応づけた変換手段をさらに備えたことを特徴とする請求項3又は4記載の画像形成装置。
- 前記画像メモリ領域の物理アドレスは、前記プログラムの各プロセスに共通の論理アドレスに対応付けされていることを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
- 前記変換手段は、前記プログラムのすべてのプロセスに共通の前記画像メモリ領域上の論理アドレスと前記書き換え可能メモリ上の物理アドレスとを対応づけたものであることを特徴とする請求項5又は6記載の画像形成装置。
- 前記メモリ確保手段は、前記書き換え可能メモリの容量に基づいて前記仮想メモリ領域と前記画像メモリ領域の容量を決定し、決定された容量で前記仮想メモリ領域として使用される予定の物理領域と前記画像メモリ領域として使用される予定の物理領域とを確保することを特徴とする請求項1乃至7何れか一項記載の画像形成装置。
- 前記メモリ確保手段は、前記プログラムのプロセスが使用する又は使用した容量に基づいて前記仮想メモリ領域と前記画像メモリ領域の容量を決定し、決定された容量で前記仮想メモリ領域として使用される予定の物理領域と前記画像メモリ領域として使用される予定の物理領域とを確保することを特徴とする請求項1乃至7何れか一項記載の画像形成装置。
- プリンタ部またはスキャナ部の少なくとも一方を含む画像処理ハードウェアと、前記画像処理ハードウェアを利用して画像処理を行う1つ以上の画像処理アプリケーションと、オペレーティングシステムと、前記オペレーティングシステム上で動作し、前記1つ以上の画像処理アプリケーションからアクセスされて共通に利用されるプログラムとを有する画像形成装置であって、
書き換え可能メモリ上に、前記オペレーティングシステムがプロセスを実行するカーネル用領域として使用される予定の物理領域と、前記画像処理アプリケーション及びプログラムがプロセスを実行する仮想メモリ領域として使用される予定の物理領域と、前記画像処理で生成される画像データを一時的に格納するための画像メモリ領域として使用される予定の物理領域とを確保するメモリ確保手段と、
読み出し専用メモリ上に組み込まれたプログラムを、前記書き換え可能メモリに転送する転送手段と
を備えたことを特徴とする画像形成装置。 - 前記メモリ確保手段は、前記仮想メモリ領域および前記画像メモリ領域として使用される物理領域を前記画像形成装置の起動時に確保することを特徴とする請求項10記載の画像形成装置。
- 前記メモリ確保手段は、前記書き換え可能メモリ上に、前記プログラムの各プロセスごとに割り当て可能な前記仮想メモリ領域として使用される予定の物理領域を確保することを特徴とする請求項11記載の画像形成装置。
- 前記転送手段は、前記プログラムが前記読み出し専用メモリ上に圧縮形式で格納されているときに、圧縮された前記プログラムを伸張して前記書き換え可能メモリ上に転送することを特徴とする請求項11又は12に記載の画像形成装置。
- 前記転送手段は、前記プログラムを、前記仮想メモリ領域または画像メモリ領域として使用される予定の物理領域に転送することを特徴とする請求項11乃至13何れか一項記載の画像形成装置。
- 前記プログラムの転送条件として前記書き換え可能メモリの容量に応じた前記転送先を予め設定した設定情報をさらに備え、
前記転送手段は、前記設定情報に基づいて、前記プログラムの転送先を、前記仮想メモリ領域して使用される予定の物理領域か前記画像メモリ領域して使用される予定の物理領域のいずれかに決定することを特徴とする請求項11乃至14何れか一項記載の画像形成装置。 - 前記設定情報は、前記プログラムのプロセスが使用する又は使用した容量に応じて前記転送先をあらかじめ設定したものであることを特徴とする請求項15記載の画像形成装置。
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