JP4100951B2 - ブレーキ用マスターシリンダ装置 - Google Patents

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    • B60T11/10Transmitting braking action from initiating means to ultimate brake actuator without power assistance or drive or where such assistance or drive is irrelevant transmitting by fluid means, e.g. hydraulic
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  • Transportation (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Transmission Of Braking Force In Braking Systems (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動二輪車や自動四輪車などの車両に装備されるブレーキ用マスターシリンダ装置に関し、詳しくは、ディスクロータをブレーキパッドで挟持するキャリパの開閉操作において操作力を倍加して円滑に行えるようにするための、ブレーキ用マスターシリンダ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
たとえば自動二輪車のリヤブレーキ用マスターシリンダ装置は、一般に作動油(液)補給用リザーブタンクとマスターシリンダ本体とからそれぞれ別個に構成されており、リザーブタンクとマスターシリンダ本体とがゴム製ブレーキホースにより接続されている。この種の先行技術に特許第2545224号がある。
【0003】
とくにフロントブレーキ用マスターシリンダ装置では、たとえば実開平3−2962号公報や特開平10−236374号公報に記載のように、横長のマスターシリンダ本体の上部にサブタンクが一体に備えられ、運転者によって操作されるブレーキレバーによってマスターシリンダ本体内のピストンが水平方向に移動される。なお、マスターシリンダ本体はブレーキレバーとともに、ハンドルバーに水平に取り付けられる。
【0004】
その他の先行技術に、特開2000−255409号公報に記載のマスターシリンダ装置がある。この装置は、マスターシリンダ本体部にブレーキ用作動油補給用のリザーブタンクが一体に設けられ、またリザーブタンクは縦長形状に形成され、その長軸方向が前記マスターシリンダ本体部の長軸方向と略平行になるようにして配設されている。また、リザーブタンク内には、縦長袋状のダイアフラムと、複数の小孔通路を有するオイルセパレーターとが配設され、ダイアフラムは、その内部を大気に連通させてリザーブタンク内の加圧力に応じて膨張・収縮するように構成されている。さらに、この装置は、略円筒状のリザーバを備えているが、ダイヤフラムとオイルセパレータとが一体になった構成であるので、ダイヤフラムが軸方向に膨張しにくく、このためダイヤフラムの追従性が劣っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来のマスターシリンダ装置および上記各公報に記載のマスターシリンダ装置には、次のような点で改良すべき余地がある。
【0006】
1) マスターシリンダ本体とリザーブタンクを別個に設けて両者間をゴム製ブレーキホースを介して接続する装置は、部品点数が多いうえに、車体への取付箇所が分散されるなど、まとまりにくくて広い取付スペースを要する。
【0007】
2) 前者(公報)のフロントブレーキ用は、たとえばリヤブレーキ用に実施するために車体に対し垂直方向に取り付けようとする場合は、作動油補給口が側方に位置するので、補給口の位置を上端に変えるなど構造を変更しなければ実施できない。
【0008】
3) 後者(公報)の装置は、四方に嵩張ることがなくなり、その構造の簡単化とスリム化および省スペース化とが図られているが、縦長円筒状のリザーブ3タンク内に装填するダイヤフラムをタンク形状に合わせて縦長袋状の特殊な構造にするとともに、車両走行時の振動等によって発生する気泡がマスターシリンダ本体部内に入り込むのを防止するために、複数の小孔通路を有するオイルセパレータを配設しなければならず、内部部品の構造が複雑になる。
【0009】
本発明は上述の点に鑑みなされたもので、主に自動二輪車のリヤブレーキに好適で、従来の装置に比べて部品点数が少なく省スペース化が図れ、しかも装填用の内部部品も特殊なものが不要な、ブレーキ用マスターシリンダ装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明に係るブレーキ用マスターシリンダ装置は、a)マスターシリンダ本体に、ブレーキ用作動油補給用のリザーブタンクが一体に設けられたブレーキ用マスターシリンダ装置において、b)前記リザーブタンクを横長形状に形成するとともに、その長手方向L(図4参照)が前記マスターシリンダ本体の中心軸S(図4参照)と略直交するようにして前記リザーブタンクの底部が前記マスターシリンダ本体の上端部を構成するように形成し(いいかえれば、リザーブタンクの底部で前記マスターシリンダ本体の上端部を形成し)、c)前記リザーブタンクの底面に注出口を開口し、この注出口の下方に連通する連通路をマスターシリンダ本体とほぼ平行に、かつ前記マスターシリンダ本体および前記リザーブタンクとともに一体に設け、前記リザーブタンクと前記マスターシリンダ本体とを前記連通路を介して接続し、d)前記リザーブタンクの上端開口部に、袋体状ダイアフラムを下向きに装着した蓋体を着脱自在に取り付けて閉塞し、前記ダイヤフラムの内部を大気に連通させるとともに、e)前記注出口の周囲にリング状膨出部を突設し、この膨出部に周方向に間隔をあけて半径方向に複数の溝を形成し、f)前記注出口の開口面積は前記リザーブタンクの開口横断面積に比べて小さくし、かつその注出口の下方に連通する前記連通路の口径も前記リザーブタンクの開口横断面積に比べて小さくしてマスターシリンダ本体の上下方向の中間位置付近まで設けたことを特徴としている。
【0011】
上記の構成を有するマスターシリンダ装置によれば、上記構成a)によりマスターシリンダ本体とリザーブタンクとを一体にしたことでコンパクトになりかつ部品点数が減少し、省スペース化が図れる。また上記構成b)によりリザーブタンクの長手方向をマスターシリンダ本体の幅に合わせ車体の前後方向に向けて取り付けることができるから、取付スペースを削減でき、しかもリザーブタンクの容量を必要に応じてタンク深さを変えることで容易に変更でき、さらに上記構成c)によりリザーブタンク底面の注出口で開口断面が急激に絞られることによって、仮にリザーブタンク内で振動等により気泡が発生してもその気泡が注出口から連通路内に入り込むことがほとんどなく、したがって連通路を通ってマスターシリンダ本体内まで気泡が入り込むことがない。とくに構成f)により注出口および連通路の口径を小さく絞ることによって、気泡は連通路内に一層入り込みにくくなる。仮に連通路内に入り込んでもすぐに上昇し、リザーブタンク内に戻るので、連通路をとおってマスターシリンダ本体内に入り込むことはない。つまり、注出口および連通路が一種のオイルセパレータとして機能するから、オイルセパレータを別個に備える必要がない。
【0013】
本発明のマスターシリンダ装置の上記構成c)によれば、装置全体を鋳造等により一体に形成できるので、部品点数が大幅に削減され、取付スペースもさらに縮小される。
【0014】
【0015】
本発明のマスターシリンダ装置の上記構成d)によれば、摩擦パッドの摩耗等によってリザーバタンク内の作動油が減ってもダイヤフラムが追従し、作動油の泡立ちや作動油の量の変化によって作動油に作用する圧力の変動を抑える。これに対し、上記した特開2000−255409号公報に記載の装置におけるダイヤフラムの場合はダイヤフラムの追従性が劣るので、作動油の泡立ちや作用する圧力変動を生じ易い。また、ブレーキ操作の開始時にマスターシリンダ本体内の作動油が連通路を通してリザーブタンク内へ押し戻されるが、ダイヤフラムが収縮することによって吸収されるので、操作開始時のブレーキ初期作動が緩慢になって衝撃が抑えられる。一方、マスターシリンダ本体内の作動油がキャリパ側へ送り出され、リザーブタンク内の作動油がマスターシリンダ本体側へ補給されると、ダイヤフラムが膨張して作動油の注出による容積減少分を埋める。このように、リザーブタンク内の作動油の増減に対応してダイヤフラムが逐次膨張・収縮を繰り返すことにより衝撃が吸収され、円滑なブレーキ操作を可能にする。
【0016】
【0017】
本発明のマスターシリンダ装置の上記構成e)によれば、リザーブタンク内の作動油がマスターシリンダ本体側へ注出されてダイヤフラムが膨張したときに、ダイヤフラムによって注出口が閉塞されるのが防止される。すなわち、ダイヤフラムが膨張して注出口を閉塞しようとしてダイヤフラムがリング状膨出部に密着した場合においても、膨出部に設けられた半径方向の複数の溝を通って作動油が注出口から連通路へ注出されるから、リザーブタンク内の作動油の注出が妨げられることがない。また、リザーブタンク内のダイヤフラムが膨張した状態で、マスターシリンダ本体内から作動油が押し戻されたときにも、注出口からリザーブタンク内に確実に作動油が流入するから、ダイヤフラムが収縮される。
【0018】
請求項2に記載のように、前記リザーブタンクの側壁面に覗き窓を設けることができる。なお、覗き窓には透明な遮蔽板等が装着される。
【0019】
請求項2記載のマスターシリンダ装置によれば、リザーブタンク内の作動油やダイヤフラムの状態が覗き窓から確認できる。
また請求項3に記載のように、前記連通路の口径を、上下方向の全長にわたって前記注 出口の口径と同一にしたり、さらに請求項4に記載のように、自動二輪車に取り付けた状態で、前記リザーブタンクの上面が水平になるように前記マスターシリンダ本体に対し前記リザーブタンクを傾斜させて一体に形成したりすることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るブレーキ用マスターシリンダ装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
図1は実施例に係るマスターシリンダ装置を備えたリヤディスクブレーキを自動二輪車のリヤ側に装着した状態を示す右側面図、図2(a)・(b)はマスターシリンダ装置の実施例を示す中央縦断面図およびその一部縦断面図、図3(a)・(b)は図2のリザーブタンク3の平面図および蓋を取り外した状態の平面図、図4は図2のA方向矢視図である。
【0022】
図2〜図4に示すように、本実施例のマスターシリンダ装置1はマスターシリンダ本体2、リザーブタンク3および連通路4が一体に形成されている。マスターシリンダ本体2は下端が開放された円筒形で、この上端部に作動油の吐出口部2aが横向きに(側方に向いて)一体に形設されている。マスターシリンダ本体2内には、ピストン5が上下方向(長軸方向)に摺動自在に嵌挿され、同ピストン5の上方に装填されたコイルスプリング6により下方に付勢されている。その下端開口部2bは上方のマスターシリンダ本体2におけるシリンダ孔2Aの内径に比べて口径を拡大し、段差部2cが形成されている。
【0023】
ピストン5の下端部は半球形凹状部5aに形成され、その凹状部5aに嵌り合う半球形頭部7aを備えたロッド7がピストン5の下端に連接されている。すなわち、ロッド7の頭部7aをピストン5の下端凹状部5aに揺動自在に当接させた状態で、ロッド7にこの後退限を規制する金属製の円環状ストッパープレート8の中央穴8aを嵌め込んで頭部7aの下面を支持し、円環状ストッパープレート8を開口部2b内の段差部2cにスナップリング9にて止着している。またロッド7の周囲にはブーツ10を嵌めている。このブーツ10は略円筒体で、ブーツ10の上端開口周縁10aを開口部2b内のスナップリング9の下に、またブーツ10の下端開口周縁10bをロッド7の下部周囲に設けられた環状溝11に嵌合して固定している。さらにロッド7の下端には、二股状の支持金具12がロックナット13で取着されている。
【0024】
リザーブタンク3は図3のように四隅の角部をなくして丸みをつけた横長形状で、マスターシリンダ本体2の上端側に吐出口部2aの反対側にリザーブタンク3の一部を張り出させて一体に配設されている。この状態で、図4のようにリザーブタンク3の長手方向Lがマスターシリンダ本体2の中心軸Sに対しほぼ直交する。リザーブタンク3は上端3aを開口し、この上端開口部を作動油の補給口3aに構成している。リザーブタンク3の底面のほぼ中央部に注出口3bが開口され、この注出口3bの下方に連通路4がマスターシリンダ本体2の上下方向のほぼ中間位置付近までマスターシリンダ本体2とほぼ平行に一体に設けられている。そして、注出口3bの周囲にはリング状膨出部3dが突設されるが、この膨出部3dには周方向に90°の間隔で半径方向に溝3eが切り欠かれている。
【0025】
また、連通路4の下部においてマスターシリンダ本体2との間の隔壁に、口径の小さなリリーフポート14およびこのリリーフポート14に比べて口径を大きくしたサプライポート15が上から順にそれぞれ横向きに穿設され、マスターシリンダ本体2内と連通路4内とが二つのポート14・15を介して連通されている。これらのポート14・15の加工は、連通路4の側壁の外方から横向きにドリル等で穿設し、側壁の孔を盲蓋にて閉塞するものである。なお、リリーフポート14とサプライポート15の位置は、前記ピストン5の常態で上部シール部材5aが二つのポート14・15の間にくるように設定されている。
【0026】
リザーブタンク3内には、図2(a)のように下向きにやや尖った略四角錐形の袋体状ダイヤフラム16が、その上端の外向きの周縁部16aを上蓋17とタンク3周壁上端壁とで挟むように固定されて装填されている。また、上蓋17とダイヤフラム16の周縁部16aとの間には大気との連通部(図示せず)が設けられ、ダイヤフラム16内を大気に連通させている。なお、図2(a)中の符号18は、上蓋固定用のボルトである。
【0027】
さらに、リザーブタンク3の一側壁には、図2(b)のように覗き窓20を設けて、透明なプラスチック製の遮蔽板(図示せず)を嵌着している。このため、外部からリザーブタンク3内の作動油の量やダイヤフラム16の膨張・収縮の状態が確認できる。
【0028】
以上のようにして、本例のマスターシリンダ装置1が構成されるが、この装置1は、本例では図1に示すように自動二輪車31において、後輪(図示せず)の車軸32と一体回転するブレーキロータ(ブレーキディスク)33を両側からブレーキパッド(図示せず)にて挟持するキャリパ34に作動油を送るように、キャリパ34と組み合わせて使用される。キャリパ34はブレーキロータ33を挟むように跨って、後輪(図示せず)を回転自在に軸支するスイングアーム35の後端寄りに配設される。スイングアーム35の前端部はフレーム36にピボット軸37にて枢着され、スイングアーム35の後端側が上下に揺動可能に支持される。
【0029】
マスターシリンダ装置1は、マスターシリンダ本体2の上下方向に間隔をあけて前方へ一体に突設された一対のボルトフランジ19にて、フレーム36の後端縁に沿って溶接により一体に固定されたブラケット38に対し、ボルト39により上下方向にやや上端のリザーブタンク3側を後方へ傾斜させかつリザーブタンク3の長手方向Lを自動二輪車31の前後方向に向けて取り付けられている。この取付状態で、マスターシリンダ本体2の長軸方向(中心軸Sの方向)が後方へ傾斜しリザーブタンク3の上面が前方へやや下向きに傾斜するので、この傾斜状態でリザーブタンク3の上面が水平になるように傾斜させている。また、ピボット軸37のすぐ下方においてフレーム36の後端縁に、ブレーキペダルアーム40の後端部がブラケット41およびピボットボルト42を介して回転自在に支持されている。ブレーキペダルアーム40には操作片43が後方へ向けて一体に突設され、その操作片43に前記支持金具12の下端部が連結ピン44にて枢着されている。これにより、ブレーキペダルアーム40を運転者が踏み込むと、ロッド7が押し上げられる。
【0030】
マスターシリンダ装置1の自動二輪車31への取付状態において、マスターシリンダ本体2の吐出口2aが前方を向くので、図1に示すようにゴム製のブレーキホース45の一端がバンジョウボルト46等を介して吐出口2aに接続されたのち、ブレーキホース45は円弧状に屈曲され、スイングアーム35に沿ってガイド47により固定されて後方のキャリパ34に導かれている。こうして、ブレーキホース45の他端はキャリパ34の接続口34aに接続されている。
【0031】
以上のようにして、自動二輪車31に本例のマスターシリンダ装置1を備えたディスクブレーキ機構が構成される。このディスクブレーキ機構によれば、ブレーキペダルアーム40の前端側ペダル(図示せず)を運転者が踏み込み、ブレーキ操作を開始することによりロッド7が押し上げられると、マスターシリンダ本体2内のピストン5がコイルスプリング6のバネ力に抗して上方へ移動する。作動時に、ピストン5に設けられたカップシール5cがリリーフポート14を通過すると、ピストン5の先端とシリンダ孔2Aの底部との間に液密に画成された液圧室2Bがリリーフポート14を通じて接続されるリザーブタンク3との連通が遮断され、液圧室2Bの容積が収縮されることで、作動圧が発生する。この結果、マスターシリンダ本体2内の作動油は加圧され、吐出口2aより大部分の作動油がキャリパ34へ送り出される。これにより、サブタンク3内のダイヤフラムが収縮され、作動油の押し戻し力が吸収される。マスターシリンダ本体2とキャリパ34との間において作動油の圧力が下がった場合に、カップシール5cが拝むことで、サプライポート15からカップシール5cの背面を通過してマスターシリンダ本体2内に作動油が供給される。一方、キャリパ34へ送り出された作動油によってキャリパ34が閉じられ、ブレーキロータ33をブレーキパッド(図示せず)が両側から挟み込むので、ブレーキが働く。しかし、上記したとおり、ブレーキ操作の開始時には、マスターシリンダ本体2内の作動油の一部はリザーブタンク3側へ送り出されるので、キャリパ34の急激な作動が防止されるためにブレーキはゆっくりと働く。
【0032】
摩擦パッド(図示せず)の摩耗等によってリザーブタンク3内の作動油が減っても、ダイヤフラム16が作動油の液面に確実に追従するので、車体の振動等による作動油の泡立ちや作動油の量の変化によって作動油に作用する圧力の変化を抑えることができる。
【0033】
ところで、自動二輪車31の走行時に車体の振動等によってリザーブタンク3内の作動油が空気を吸い込んで泡立つことがあるが、リザーブタンク3内の作動油中に気泡が生じた場合にも、タンク底面中央の注出口3bの開口面積がリザーブタンク3の開口横断面積に比べて極めて小さく、しかもその注出口3bの下方に連通する連通路4の口径も小さいことから、気泡は連通路4内に入り込みにくく、仮に連通路4内に入り込んでもすぐに上昇し、リザーブタンク3内に戻るので、連通路4をとおってマスターシリンダ本体2内に入り込むことはない。つまり、注出口3bおよび連通路4が一種のオイルセパレータとして機能するから、オイルセパレータを別個に備える必要がない。
【0034】
また、気泡の連通路4内への浸入を防止するために注出口3bの口径を小さく絞っているので、通常はダイヤフラム16が膨張した際に注出口3bを塞ぐおそれがあるが、注出口3bの周囲にリング状膨出部3dを設けて周方向に間隔をあけて複数の溝3eを形成し、それらの溝3eより作動油が出入りするようにしているので、注出口3bが完全に閉塞されることがない。
【0035】
さらに、図2から明らかなように、マスターシリンダ装置1の上端にリザーブタンク3を配置しているので、キャリパ34との関係で作動油のタンク容量の増減を図る必要がある場合には、リザーブタンク3の深さを変更することで容易に対応できる。
【0036】
上記に本発明のマスターシリンダ装置の一実施例を説明したが、下記のように実施することができる。
【0038】
・ 上実施例では、リヤ側のディスクブレーキに使用したが、フロント側にも適用できる。
【0039】
・ リザーブタンク3の形状はマスターシリンダ本体2と幅をほぼ同一にした楕円形であってもよい。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように、本発明に係るブレーキ用マスターシリンダ装置には、次のような優れた効果がある。
【0041】
(1)従来の装置に比べて部品点数が少なく、コンパクトになりかつ部品点数が減少し、省スペース化が図れる。また、リザーブタンクの容量を必要に応じてタンク深さを変えることで容易に変更でき、さらにリザーブタンク底部の注出口で開口断面が急激に絞られることによって、仮にリザーブタンク内で振動等により気泡が発生してもその気泡が注出口から連通路内に入り込むことがほとんどないため、オイルセパレータを用いなくても連通路を通ってマスターシリンダ本体内まで気泡が入り込むことがない。
【0042】
(2)本発明のマスターシリンダ装置では、部品点数が大幅に削減され、取付スペースもさらに縮小される。
【0043】
(3)本発明のマスターシリンダ装置では、ブレーキ操作の開始時にマスターシリンダ本体内の作動油が連通路を通してリザーブタンク内へ押し戻されるが、ダイヤフラムが収縮することによって吸収されるので、操作開始時の初期作動が緩慢になって衝撃が抑えられる。一方、マスターシリンダ本体内の作動油がキャリパ側へ送り出され、リザーブタンク内の作動油がマスターシリンダ本体側へ移動すると、ダイヤフラムが膨張して作動油の注出による容積減少分を埋める。したがって、リザーブタンク内の作動油の増減に対応してダイヤフラムが逐次膨張・収縮を繰り返すことにより衝撃を吸収し、円滑なブレーキ操作を可能にする。
【0044】
また、摩擦パッドの摩耗等によってリザーブタンク内の作動油が減っても、ダイヤフラムが作動油の液面に確実に追従するので、車体の振動等による作動油の泡立ちや作動油の量の変化によって作動油に作用する圧力の変化を抑えることができる。
【0045】
(4)本発明のマスターシリンダ装置は、リザーブタンク内の作動油がマスターシリンダ本体側へ注出されてダイヤフラムが膨張したときに、ダイヤフラムによって注出口が閉塞されるのが防止されるから、リザーブタンク内の作動油の注出が妨げられることがない。また、リザーブタンク内のダイヤフラムが膨張した状態で、マスターシリンダ本体内から作動油が押し戻されたときにも、注出口からリザーブタンク内に作動油が流入するから、ダイヤフラムが収縮して衝撃を吸収する。
【0046】
(5)請求項2記載のマスターシリンダ装置では、リザーブタンク内の作動油やダイヤフラムの状態が覗き窓から確認できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るマスターシリンダ装置を備えたリヤディスクブレーキを自動二輪車のリヤ側に装着した状態を示す、一部を省略した右側面図である。
【図2】図2(a)は本発明のマスターシリンダ装置の実施例を示す中央縦断面図、図2(b)は蓋を取り外した状態のリザーブタンク3付近の縦断面図である。
【図3】図3(a)は図2のリザーブタンク3の平面図、図3(b)は蓋を取り外した状態の平面図である。
【図4】図2のA方向矢視図である。
【符号の説明】
1 マスターシリンダ装置
2 マスターシリンダ本体
2Aシリンダ孔
2B液圧室
2a吐出口部
2b下端開口部
3 リザーブタンク
3b注出口
3dリング状膨出部
3e溝
4 連通路
5 ピストン
5a下端凹状部
7 ロッド
7a半球形凹状部
8 円環状ストッパープレート
10 ブーツ
12 支持金具
14 リリーフポート
15 サプライポート
16 ダイヤフラム
17 上蓋
19 覗き窓
30 自動二輪車
31 後輪
33 ブレーキロータ(ブレーキディスク)
34 キャリパ
45 ブレーキホース

Claims (4)

  1. マスターシリンダ本体に、ブレーキ用作動油補給用のリザーブタンクが一体に設けられたブレーキ用マスターシリンダ装置において、
    前記リザーブタンクを横長形状に形成するとともに、その長手方向が前記マスターシリンダ本体の中心軸と略直交するようにして前記リザーブタンクの底部が前記マスターシリンダ本体の上端部を構成するように形成し
    前記リザーブタンクの底面に注出口を開口し、この注出口の下方に連通する連通路をマスターシリンダ本体とほぼ平行に、かつ前記マスターシリンダ本体および前記リザーブタンクとともに一体に設け、前記リザーブタンクと前記マスターシリンダ本体とを前記連通路を介して接続し、
    前記リザーブタンクの上端開口部に、袋体状ダイアフラムを下向きに装着した蓋体を着脱自在に取り付けて閉塞し、前記ダイヤフラムの内部を大気に連通させるとともに、前記注出口の周囲にリング状膨出部を突設し、この膨出部に周方向に間隔をあけて半径方向に複数の溝を形成し、
    前記注出口の開口面積は前記リザーブタンクの開口横断面積に比べて小さくし、かつその注出口の下方に連通する前記連通路の口径も前記リザーブタンクの開口横断面積に比べて小さくしてマスターシリンダ本体の上下方向の中間位置付近まで設けたこと
    を特徴とするブレーキ用マスターシリンダ装置。
  2. 前記リザーブタンクの側壁面に覗き窓を設けたことを特徴とする請求項1記載のブレーキ用マスターシリンダ装置。
  3. 前記連通路の口径を、上下方向の全長にわたって前記注出口の口径と同一にしたことを特徴とする請求項1記載のブレーキ用マスターシリンダ装置。
  4. 自動二輪車に取り付けた状態で、前記リザーブタンクの上面が水平になるように前記マスターシリンダ本体に対し前記リザーブタンクを傾斜させて一体に形成したことを特徴とする請求項1または3記載のブレーキ用マスターシリンダ装置。
JP2002103419A 2002-04-05 2002-04-05 ブレーキ用マスターシリンダ装置 Expired - Fee Related JP4100951B2 (ja)

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