JP4099615B2 - 研磨用組成物 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルミニウムディスクの最終仕上げ研磨に用いられる研磨用組成物に関する。及び、多層配線基板上のタングステン、銅、アルミニウム、パーマロイ等の金属層の精密研磨に用いられる研磨用組成物に関する。本発明におけるアルミニウムディスクの研磨とは、アルミニウムあるいはその合金からなる磁気記録媒体ディスクの基材の上に設けられたNi−P、Ni−B等のメッキ層の表面、特にNi90〜92%とP8〜10%の組成の硬質Ni−Pメッキ層及び酸化アルミ層の表面あるいはアルミニウム、その合金、アルマイトを研磨することをいう。
【0002】
【従来の技術】
遊離砥粒として酸化鉄を用いた研磨の例としては、硫酸鉄(II)を650〜700℃で焼成後粉砕したべんがら(酸化鉄(III) )が古くから光学ガラスの研磨に使われてきた。また特開昭55−83561号公報には、Mn−Zn多結晶フェライトの研磨剤として酸化鉄(III) (Fe2O3)と塩酸からなる研磨剤が開示されている。特開平7−228863号公報には、シリコンウェハー上の多層配線基板の絶縁膜の研磨用組成物として、平均粒子径0.1μmの酸化鉄粉末に水及びヒドラジン化合物からなる研磨促進剤を添加した研磨組成物が開示されている。
【0003】
特開昭57−158280号公報には、磁気研磨法の研磨用加工液として粒子径150Å以下のコロイドサイズのマグネタイト(Fe3O4)を水に分散させた磁性流体にアルミナ粉末を混合したものが開示されている。
【0004】
アルミニウムディスクの研磨では、水とアルミナ研磨材及び研磨促進剤を、場合によっては更に表面改質剤も混合してスラリー化した研磨用組成物が用いられている。この研磨促進剤の例として、特開昭62−25187号公報には、硝酸アルミニウム、硝酸ニッケル、硫酸ニッケル等が、また特開平2−158682号公報には、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、バリウム、亜鉛、アルミニウム等の亜硝酸塩が開示されている。更に、特開平1−205973号公報には、ベーマイトと水溶性の金属塩の混合物が、特開平2−158683号公報には、ベーマイトと無機酸又は有機酸のアンモニウム塩との混合物が開示されている。また、研磨促進剤と表面改質剤の例として特開平2−84485号公報には、グルコン酸又は乳酸の研磨促進剤及びコロイダルアルミナの表面改質剤が開示されている。
【0005】
また半導体多層配線基板のタングステン、銅、アルミニウム配線の研磨用組成物として特開平10−44047号公報には、グルコン酸等のカルボン酸と過酸化水素及び水にアンモニアでpHが5〜9に調整され、砥粒がアルミナ、チタニア、ジルコニア、シリカ及びそれらの混合物からなるものが開示されている。更に特開平10−67986号公報には、硝酸鉄(III) と、フッ化アンモニウム等のフッ化物含有物と、アルミナ、チタニア、ジルコニア、ゲルマニア、シリカ、セリア等の砥粒とからなる研磨用組成物が開示されている。
【0006】
なお、アルミニウムディスクのNi−P、Ni−B等のメッキ層及び多層配線基板のタングステン、銅、アルミニウム、パーマロイ等の金属層の研磨に酸化水酸化鉄(III) 粉末を砥粒に用いて、高速研磨性及び高品質の研磨面が得られた報告例は見当たらない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
近年、アルミニウムディスクの性能は、ますます高密度化、高速化していく傾向にある。そのためにオレンジピール、スクラッチ、ピット、突起等の表面欠陥がないということや最大表面荒さが小さいことだけにとどまらず、平均表面粗さにおいても小さな研磨面が求められている。
【0008】
同様に集積回路の高密度化に伴い、多層配線基板上のタングステン、銅、アルミニウム、パーマロイ等の金属層は、スクラッチがなく平坦性が優れた研磨面が求められている。
【0009】
本発明は、これらの要望に応えるものであって、高品質の研磨面を保ちながらしかも高速研磨性により研磨工程の生産性の向上及び低コスト化が可能な安価な酸化水酸化鉄(III) 粉末を砥粒とする研磨用組成物を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、α、β、γ及びδ型FeO(OH)結晶構造からなる群から選ばれた単一または複数の結晶構造と、5〜500nmの一次粒子径とを有する酸化水酸化鉄(III) 粉末を砥粒とした研磨用組成物が、高速研磨性でしかも高品質の研磨面が得られることを見い出し、本発明に至ったものである。
【0011】
即ち、アルミニウムディスク用研磨剤としては水、酸化水酸化鉄(III) 粉末及び三価又は四価の金属と無機酸又は有機酸から形成される塩の研磨促進剤からなる研磨組成物を用いると、高品質の研磨面が得られ、しかも高速研磨性であることを見い出した。更にアルミニウムディスク用研磨剤として、酸化水酸化鉄(III) 粉末及び研磨促進剤を含む研磨組成物に例えばアルミナ砥粒を加えた研磨用組成物が、従来のアルミニウムディスク用研磨剤と比較して表面粗さに対する研磨速度の比率が高い、即ち高速研磨性でしかも高品質の研磨面が得られることを見い出した。
【0012】
同様に多層配線基板上のタングステン、銅、アルミニウム、パーマロイ等の金属層の研磨でも、高速研磨性でスクラッチがなく平坦性が優れた研磨面が得られることが充分期待される。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明のα、β、γ及びδ型FeO(OH)結晶構造からなる群から選ばれた単一または複数の結晶構造のうち、α型FeO(OH)構造を有する酸化水酸化鉄(III) 粉末は、特開昭61−174119号公報に記載のように、硫酸鉄(II)又は塩化鉄(III) と水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、アンモニア、炭酸アンモニウム等のアルカリを中和して得られた水酸化鉄(II)に加熱下で空気酸化することにより得ることができる。また、市販の酸化水酸化鉄(III) 粉末も使用することもできる。
【0014】
本発明の研磨用組成物に調製する際、砥粒の酸化水酸化鉄(III) 粉末は、酸化水酸化鉄(III) 微粒子の懸濁液、又は酸化水酸化鉄(III) 粉末を硝酸等の酸にて解膠した微粒子の懸濁液にて取り扱うことが、作業上簡便で好ましい。
【0015】
本発明の粉末中の各々微粒子の一次粒子径の求め方については、電子顕微鏡観察により粒子の長軸径(L)と短軸径(B)とを求めて、その長短平均径((L+B)/2)を一次粒子径(D)とする。
【0016】
本発明の研磨用組成物中の好ましい酸化水酸化鉄(III) 粉末の濃度は、1〜20重量%である。但し、酸化水酸化鉄(III) 粉末の濃度は、酸化物Fe2O3で換算した重量%で示す。研磨用組成物中の酸化水酸化鉄(III) 粉末の濃度が1重量%より小さいと研磨速度は遅く、20重量%より多くしても研磨速度は、速くならないため、酸化水酸化鉄(III) 粉末の濃度は1〜20重量%が好ましい。
【0017】
本発明の研磨促進剤は、三価又は四価の金属と無機酸又は有機酸から形成される塩であり、その塩は正塩と塩基性塩とからなる。
【0018】
塩基性塩は、例えば三価の金属としては、アルミニウム、インジウム、鉄等が、また四価の金属としてはジルコニウム、セリウム、錫、チタン等が挙げられる。無機酸としては、硝酸、塩酸、硫酸等が、また有機酸としては酢酸、ギ酸、スルファミン酸、酒石酸、シュウ酸、グルコン酸等が挙げられる。三価及び四価の金属の中でアルミニウム及び鉄が、また無機酸及び有機酸の中で硝酸が研磨特性が最も優れて、より好ましく、塩基性硝酸アルミニウム、塩基性硝酸鉄が挙げられる。
【0019】
正塩は、例えば三価の金属としては、アルミニウム、インジウム、鉄等が、また四価の金属としてはジルコニウム、セリウム、錫、チタン等が挙げられる。無機酸としては、硝酸、塩酸、硫酸等が、また有機酸としては酢酸、ギ酸、スルファミン酸、酒石酸、シュウ酸、グルコン酸等が挙げられる。三価及び四価の金属の中でアルミニウム及び鉄が、また無機酸及び有機酸の中で硝酸、塩酸、スルファミン酸が研磨特性が最も優れて、より好ましく、硝酸アルミニウム、スルファミン酸アルミニウム、硝酸鉄が挙げられる。
【0020】
本発明の好ましい研磨促進剤の含有量は、0.02〜10重量%、より好ましくは0.05〜6重量%である。但し、研磨促進剤の含有量は、三価の金属と無機酸又は有機酸から形成される塩基性塩及び正塩では酸化物M2O3(Mは三価の金属)、また四価の金属と無機酸又は有機酸から形成される塩基性塩及び正塩では酸化物MO2(Mは四価の金属)で換算した重量%で示す。
【0021】
研磨促進剤の含有量において、0.02重量%より少ないと研磨促進剤としての効果が認められず、また10重量%より多くしても研磨促進剤としての効果の更なる向上は認められないため、0.02〜10重量%が好ましい。そして、研磨促進剤の含有量が0.2〜6重量%では、研磨促進剤としての効果が安定すると共に、表面粗さに対する研磨速度の比率も高く維持されてより好ましい。
【0022】
本発明の酸化水酸化鉄(III) 粉末を砥粒とした研磨用組成物に混合するアルミナ、シリカ、ジルコニア、セリアは、市販されている研磨材用の粉末をそのままか、場合によっては乾式及び湿式粉砕して微粒子化したものを用いることができる。またアルミナ粉に関しては、特開平10−87324号公報(対応特許:EP 0820961 A1)記載の酸性水性アルミナゾルを500〜1100℃で焼成することにより得られたγ、δ、κ、θ及びη型アルミナを湿式粉砕することにより得られる10〜50nmの一次粒子径、100〜500nmの二次粒子径及び粒状の一次粒子径を有するアルミナ粉末及び1100〜1200℃で焼成することにより得られたα型アルミナを湿式粉砕することにより得られる60〜150nmの一次粒子径、200〜500nmの二次粒子径及び粒状の一次粒子径を有するアルミナ粉末も用いることができる。シリカ、ジルコニア、セリアなどの粉末に関しては、市販のシリカゾル、特開平10−36819号公報記載のジルコニアゾル、特開平8−155997号公報記載のセリアゾルなどの金属酸化物微粒子(粉末)の懸濁液(ゾル)が用いることができる。
【0023】
アルミナ、シリカ、ジルコニア、セリアなどの微粒子からなる粉末は、酸化水酸化鉄(III) 粉末に対して任意の割合で混合できるが、高速研磨性及び高品質の研磨面を得るためには、酸化鉄100重量部に対して10〜900重量部を混合するのが好ましい。
【0024】
本発明における研磨組成物には、珪酸ジルコニウム、ムライト、酸化クロム、酸化チタン等も加えることができる。そして水酸化アルミニウム等の水酸化物、ベーマイト等の水和酸化物及びダイヤモンド、窒化硼素、窒化珪素、炭化珪素、炭化硼素等の非酸化物の砥粒も加えることができる。
【0025】
また、本発明における研磨用組成物に一般的に加えられているエタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等の水溶性アルコール、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、リン酸等の酸、アルキルベンザンスルホン酸ナトリウム、ホルマリン縮合物等の界面活性剤、ポリアクリル酸塩等の有機ポリアニオン系物質、セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース類を加えることができる。
【0026】
本発明の研磨用組成物のpHとしては、1〜7、好ましくは2〜6の弱酸性である。研磨用組成物をアルカリ性にすると多孔質網状組織からなる研磨布の目詰まり劣化や被研磨物へのスクラッチ発生等が起きるため好ましくない。
【0027】
【実施例】
下記の実施例により、本発明を更に説明する。
[研磨用組成物の調整]
実施例1
9.8重量%の炭酸アンモニウム水溶液50kgを攪拌機付きの100L反応槽に仕込み、30℃の液温で窒素ガスを2Nm3/時で吹き込みながら、硫酸鉄(II)・7水和物を5.7kgを純水45kgに溶解させた硫酸鉄(II)水溶液を添加した。添加終了後30℃で空気を3Nm3/時で吹き込み酸化反応を開始し、3時間で酸化反応が終了した。反応液は茶色の微粒子を有するpH=9.0で、反応液より微粒子を濾別、洗浄した後、透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ長軸が30〜70nm、短軸が20〜30nmの紡錘状の粒子で、粉末X線回折でゲータイト(α型FeO(OH))と同定された。洗浄したゲータイトを0.4重量%の硝酸を含有する純水で分散させ、Fe2O3換算で20重量%のα型FeO(OH)構造を有する酸化水酸化鉄(III) 微粒子の懸濁液(ゾル)を作成した。
【0028】
次に、硝酸アルミニウム・九水塩380gを純水1kgに溶解した後、この水溶液を沸騰させ、1320gの35%過酸化水素水溶液と110gのアルミニウム金属粉末を徐々に添加し溶解・反応させた。該反応液を濾過して塩基性硝酸アルミニウム水溶液(BANa)を得た。この塩基性硝酸アルミニウム水溶液(BANa)は、Al2O3換算濃度9.9重量%、硝酸イオン7.2重量%を含み、塩基度として80.0%で、Al(OH)2.4(NO3)0.6 の化学組成で表示される塩基性硝酸アルミニウム水溶液であった。
【0029】
更に、塩基性硝酸アルミニウム(BANa)水溶液に60重量%硝酸を添加して、塩基性硝酸アルミニウム水溶液(BANb)を調製した。この塩基性硝酸アルミニウム(BANb)水溶液は、Al2O3換算濃度7.1重量%、硝酸イオン17.3重量%を含み、塩基度として33.3%で、Al(OH)(NO3)2の化学組成で表示される塩基性硝酸アルミニウム水溶液であった。
【0030】
そして、酸化水酸化鉄(III) 微粒子の懸濁液に純水及び研磨促進剤として塩基性硝酸アルミニウム水溶液(BANb)を加えて、Fe2O3換算濃度で6.7重量%のゲータイトと、Al2O3換算濃度で0.62重量%及び硝酸濃度1.4重量%のAl(OH)(NO3)2の化学組成で表示される塩基性硝酸アルミニウム濃度を有する研磨用組成物Aを調整した。
【0031】
実施例2
研磨促進剤として、塩基性硝酸アルミニウム水溶液(BANb)の代わりに、硝酸鉄(III) をFe2O3換算濃度で0.61重量%にした以外は、実施例1と同様にして研磨用組成物Bを調製した。
【0032】
実施例3
硝酸鉄(III) ・九水塩404gを純水1kgに溶解した後、この水溶液を沸騰させ、1320gの35%過酸化水素水溶液と112gの鉄粉末を徐々に添加し溶解・反応させた。該反応液を濾過して塩基性硝酸鉄(III) 水溶液(BFNa)を得た。この塩基性硝酸鉄水溶液(BFNa)は、Fe2O3換算濃度9.9重量%、硝酸イオン11.0重量%を含み、塩基度として66.7%で、Fe(OH)2(NO3)1 の化学組成で表示される塩基性硝酸鉄(III) 水溶液であった。
【0033】
そして、実施例1記載の酸化水酸化鉄(III) 微粒子の懸濁液に純水及び研磨促進剤として塩基性硝酸鉄(III) 水溶液(BFNa)を加えて、Fe2O3換算濃度で6.7重量%のゲータイトと、Fe2O3換算濃度で0.62重量%及び硝酸濃度0.70重量%のFe(OH)2(NO3)の化学組成で表示される塩基性硝酸鉄(III) 濃度を有する研磨用組成物Cを調整した。
【0034】
実施例4
研磨促進剤として、塩基性硝酸アルミニウム水溶液(BANb)の代わりに、スルファミン酸アルミニウムをAl2O3換算濃度で0.80重量%にした以外は、実施例1と同様にして研磨用組成物Dを調製した。
【0035】
実施例5
市販のバイヤー法仮焼アルミナ粉(平均粒子径1.00μm、α相含有率98%)750g、1mmφのジルコニアビーズ12.6kg及び純水1600gを3Lのアトライター容器(三井鉱山(株)製)に仕込み、200rpmで8時間30分粉砕して、平均粒子径が0.35μmでα相含有率が98%のアルミナ結晶構造を有するアルミナを固形分として31重量%を含有する水性アルミナスラリーを得た。
【0036】
実施例1に記載の酸化水酸化鉄(III) 微粒子の懸濁液及び塩基性硝酸アルミニウム水溶液(BANb)を研磨促進剤とした研磨用組成物に純水及び該水性アルミナスラリー(Sc)を加えて、Fe2O3換算濃度で3.3重量%及び3.3重量%のアルミナ固形分と、Al2O3換算濃度で0.62重量%及び硝酸濃度1.4重量%のAl(OH)(NO3)2の化学組成で表示される塩基性硝酸アルミニウム濃度を有する研磨用組成物Eを調整した。
【0037】
実施例6
実施例1に記載の記載の酸化水酸化鉄(III) 微粒子の懸濁液及び塩基性硝酸アルミニウム水溶液(BANb)を研磨促進剤とした研磨用組成物に純水及び実施例5の水性アルミナスラリー(Sc)を加えて、Fe2O3換算濃度で5.9重量%及び0.7重量%のアルミナ固形分と、Al2O3換算濃度で0.62重量%及び硝酸濃度1.4重量%のAl(OH)(NO3)2の化学組成で表示される塩基性硝酸アルミニウム濃度を有する研磨用組成物Fを調整した。
【0038】
比較例1
3.9重量%の炭酸アンモニウム水溶液50kgを攪拌機付きの100L反応槽に仕込み、30℃の液温で窒素ガスを2Nm3/時で吹き込みながら、硫酸鉄(II)・7水和物を5.7kgを純水45kgに溶解させた硫酸鉄(II)水溶液を添加した。添加終了後80℃まで昇温し、80℃に到達後、空気を2Nm3/時で吹き込み酸化反応を開始し、3時間で酸化反応が終了した。反応液は黒色の微粒子を有するpH=5.5で、反応液より微粒子を濾別、洗浄した後、透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ20〜50nmの立方体粒子で、粉末X線回折でマグネタイト(Fe3O4)と同定された。洗浄したマグネタイトを0.4重量%の硝酸を含有する純水で分散させ、Fe2O3換算で20重量%のマグネタイト微粒子の懸濁液(ゾル)を作成した。
【0039】
そして、マグネタイト微粒子の懸濁液に純水及び研磨促進剤として塩基性硝酸アルミニウム水溶液(BANb)を加えて、Fe2O3換算濃度で6.7重量%のマグネタイトと、Al2O3換算濃度で0.62重量%及び硝酸濃度1.4重量%のAl(OH)(NO3)2の化学組成で表示される塩基性硝酸アルミニウム濃度を有する研磨用組成物aを調整した。
【0040】
比較例2
比較例1マグネタイト微粒子を大気中で400℃で5時間加熱することにより赤色の粉末が得られた。この粉末を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ20〜50nmの立方体粒子で、粉末X線回折でヘマタイト(α型Fe2O3)と同定された。このヘマタイト粒子を0.4重量%の硝酸を含有する純水で分散させ、Fe2O3換算で20重量%のヘマタイト微粒子の懸濁液(ゾル)を作成した。
【0041】
そして、ヘマタイト微粒子の懸濁液に純水及び研磨促進剤として塩基性硝酸アルミニウム水溶液(BANb)を加えて、Fe2O3換算濃度で6.7重量%のヘマタイトと、Al2O3換算濃度で0.62重量%及び硝酸濃度1.4重量%のAl(OH)(NO3)2の化学組成で表示される塩基性硝酸アルミニウム濃度を有する研磨用組成物bを調整した。
【0042】
比較例3
実施例5の水性アルミナスラリーを純水で希釈する際に、研磨促進剤として実施例1と同様にして得た塩基性硝酸アルミニウム水溶液(BANb)を加えて、6.7重量%のアルミナ固形分と、Al2O3換算濃度で0.62重量%及び硝酸濃度1.4重量%のAl(OH)(NO3)2の化学組成で表示される塩基性硝酸アルミニウム濃度を有する研磨用組成物cを調整した。
【0043】
参考例1
市販のシリカゾル(スノーテックス−ZL(商標)、日産化学工業(株)製、SiO2濃度40重量%、一次粒子径70〜100nm)を純水で希釈して、6.7重量%のシリカ固形分の研磨用組成物Xを調製した。
【0044】
参考例2
市販のシリカゾル(スノーテックス−ZL(商標)、日産化学工業(株)製、SiO2濃度40重量%、一次粒子径70〜100nm)を純水で希釈する際に、研磨促進剤として実施例1と同様にして得た塩基性硝酸アルミニウム水溶液(BANb)を加えて、6.7重量%のシリカ固形分と、Al2O3換算濃度で0.62重量%及び硝酸濃度1.4重量%のAl(OH)(NO3)2の化学組成で表示される塩基性硝酸アルミニウム濃度を有する研磨用組成物Yを調整した。
【0045】
[研磨試験]
研磨試験は、下記のように行った。
【0046】
被加工物は、アルミニウム基板にNi−Pを10μmの厚さに無電解メッキ(Ni90〜92%とP8〜10%の組成の硬質Ni−Pメッキ層)をした3.5インチメモリーハードディスク基板を使用した。尚、この基板は1次研磨してあり平均表面粗さは、1.2nmである。
【0047】
ラップマスターLM−15研磨機(ラップマスター製)の定盤に人工皮革タイプのポリウレタン製研磨布(POLITEX DG(商標)、380mmφ、ロデール・ニッタ(株)製)を貼り付け、これに基板の研磨面を対向させ11kPaの荷重をかけて研磨した。
【0048】
定盤回転数は、毎分45回転であり、研磨組成物(スラリー)供給量は10ml/分である。
【0049】
研磨の後、被加工物を取り出し超音波洗浄を繰り返して洗浄した。
【0050】
洗浄後アルミディスクを乾燥し、重量減少から研磨速度を求めた。表面欠陥については、微分干渉顕微鏡により観察し、突起、ピット、スクラッチ等の度合を判定した。平均表面粗さは、市販品の装置、例えば米国のZygo社製の「New View 100」という名称の装置を使用することによる、FDAを用いた走査型白色干渉法あるいは位相測定法により測定した。
【0051】
研磨試験における研磨速度(Vp)、平均表面粗さ(Ra)並びにピット及びスクラッチの発生についての結果は第1表に示す。平均表面粗さに対する研磨速度の比率(Vp/Ra)については第2表に示す。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
第1表と第2表より、研磨剤組成物X及びYに挙げた高品質の研磨面が得られる研磨剤として知られているシリカゾルと比較した場合、研磨剤組成物AないしDはいずれも表面粗さが同等以上で、しかも研磨速度が2倍以上速く優れていることがわかる。
【0055】
研磨剤組成物AないしDと研磨剤組成物a及びbを比較した場合、研磨剤組成物a及びbは研磨速度が半分近く遅くなっていることがわかる。また平均粗さに対する研磨速度の比率が小さいことがわかる。
【0056】
研磨剤組成物E及びFと研磨剤組成物cを比較した場合、研磨剤組成物E及びFの方が高速研磨性で、平均粗さに対する研磨速度の比率が大きく、しかも研磨面の平均表面粗さが良好でしかもピットが発生しないなど高品質の研磨面が得られていることがわかる。
【0057】
【発明の効果】
本発明の砥粒は、α、β、γ及びδ型FeO(OH)結晶構造からなる群から選ばれた単一または複数の結晶構造と、5〜500nmの一次粒子径とを有する酸化水酸化鉄(III) 微粒子からなる粉末である。本発明の酸化水酸化鉄(III) 粉末は、湿式合成法で製造するため高温焼成工程が入らない。このため酸化水酸化鉄(III) 微粒子の表面がより活性であるため、研磨促進剤として三価又は四価の金属と無機酸又は有機酸から形成される正塩を使用した場合でも、一部酸化水酸化鉄(III) 粒子が溶解して塩基性塩になると推定される。このため研磨促進剤として三価又は四価の金属と無機酸又は有機酸から形成される塩基性塩を使用した場合と同じ効果が期待できる。
【0058】
即ち、塩基性硝酸アルミニウム及び塩基性硝酸鉄等の塩基性塩は、硝酸アルミニウム及び硝酸鉄等の正塩と同じようにアルミニウムディスクに対して化学的研磨効果を促進させる効果を示すと共に、正塩より研磨組成物のpHを中性側に保つ緩衝効果があるため、研磨時の過剰なエッチングが抑制され表面粗さを小さく、表面欠陥が少なくし、高品質の研磨面が得られるものと考えられる。
【0059】
本発明の酸化水酸化鉄(III) 粉末を砥粒とした研磨用組成物は、高速研磨性を有し、しかも高品質の研磨面が得られる研磨用組成物であるため、研磨工程の生産性の向上及び低コスト化が可能である。しかも本発明の酸化水酸化鉄(III) 粉末は安価である。
【0060】
また、本発明の研磨用組成物は、工業製品として供給され得るアルミニウムあるいはその合金からなる磁気記録媒体ディスクの基材の上に設けられたNi−P、Ni−B等のメッキ層の表面、特にNi90〜92%とP8〜10%の組成の硬質Ni−Pメッキ層及び酸化アルミ層の表面あるいはアルミニウム、その合金、アルマイトを研磨するのに有用である。
【0061】
更に本発明の酸化水酸化鉄(III) 粉末を砥粒とした研磨用組成物は多層配線基板上のタングステン、銅、アルミニウム、パーマロイ等の金属層の精密研磨にも有用である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルミニウムディスクの最終仕上げ研磨に用いられる研磨用組成物に関する。及び、多層配線基板上のタングステン、銅、アルミニウム、パーマロイ等の金属層の精密研磨に用いられる研磨用組成物に関する。本発明におけるアルミニウムディスクの研磨とは、アルミニウムあるいはその合金からなる磁気記録媒体ディスクの基材の上に設けられたNi−P、Ni−B等のメッキ層の表面、特にNi90〜92%とP8〜10%の組成の硬質Ni−Pメッキ層及び酸化アルミ層の表面あるいはアルミニウム、その合金、アルマイトを研磨することをいう。
【0002】
【従来の技術】
遊離砥粒として酸化鉄を用いた研磨の例としては、硫酸鉄(II)を650〜700℃で焼成後粉砕したべんがら(酸化鉄(III) )が古くから光学ガラスの研磨に使われてきた。また特開昭55−83561号公報には、Mn−Zn多結晶フェライトの研磨剤として酸化鉄(III) (Fe2O3)と塩酸からなる研磨剤が開示されている。特開平7−228863号公報には、シリコンウェハー上の多層配線基板の絶縁膜の研磨用組成物として、平均粒子径0.1μmの酸化鉄粉末に水及びヒドラジン化合物からなる研磨促進剤を添加した研磨組成物が開示されている。
【0003】
特開昭57−158280号公報には、磁気研磨法の研磨用加工液として粒子径150Å以下のコロイドサイズのマグネタイト(Fe3O4)を水に分散させた磁性流体にアルミナ粉末を混合したものが開示されている。
【0004】
アルミニウムディスクの研磨では、水とアルミナ研磨材及び研磨促進剤を、場合によっては更に表面改質剤も混合してスラリー化した研磨用組成物が用いられている。この研磨促進剤の例として、特開昭62−25187号公報には、硝酸アルミニウム、硝酸ニッケル、硫酸ニッケル等が、また特開平2−158682号公報には、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、バリウム、亜鉛、アルミニウム等の亜硝酸塩が開示されている。更に、特開平1−205973号公報には、ベーマイトと水溶性の金属塩の混合物が、特開平2−158683号公報には、ベーマイトと無機酸又は有機酸のアンモニウム塩との混合物が開示されている。また、研磨促進剤と表面改質剤の例として特開平2−84485号公報には、グルコン酸又は乳酸の研磨促進剤及びコロイダルアルミナの表面改質剤が開示されている。
【0005】
また半導体多層配線基板のタングステン、銅、アルミニウム配線の研磨用組成物として特開平10−44047号公報には、グルコン酸等のカルボン酸と過酸化水素及び水にアンモニアでpHが5〜9に調整され、砥粒がアルミナ、チタニア、ジルコニア、シリカ及びそれらの混合物からなるものが開示されている。更に特開平10−67986号公報には、硝酸鉄(III) と、フッ化アンモニウム等のフッ化物含有物と、アルミナ、チタニア、ジルコニア、ゲルマニア、シリカ、セリア等の砥粒とからなる研磨用組成物が開示されている。
【0006】
なお、アルミニウムディスクのNi−P、Ni−B等のメッキ層及び多層配線基板のタングステン、銅、アルミニウム、パーマロイ等の金属層の研磨に酸化水酸化鉄(III) 粉末を砥粒に用いて、高速研磨性及び高品質の研磨面が得られた報告例は見当たらない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
近年、アルミニウムディスクの性能は、ますます高密度化、高速化していく傾向にある。そのためにオレンジピール、スクラッチ、ピット、突起等の表面欠陥がないということや最大表面荒さが小さいことだけにとどまらず、平均表面粗さにおいても小さな研磨面が求められている。
【0008】
同様に集積回路の高密度化に伴い、多層配線基板上のタングステン、銅、アルミニウム、パーマロイ等の金属層は、スクラッチがなく平坦性が優れた研磨面が求められている。
【0009】
本発明は、これらの要望に応えるものであって、高品質の研磨面を保ちながらしかも高速研磨性により研磨工程の生産性の向上及び低コスト化が可能な安価な酸化水酸化鉄(III) 粉末を砥粒とする研磨用組成物を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、α、β、γ及びδ型FeO(OH)結晶構造からなる群から選ばれた単一または複数の結晶構造と、5〜500nmの一次粒子径とを有する酸化水酸化鉄(III) 粉末を砥粒とした研磨用組成物が、高速研磨性でしかも高品質の研磨面が得られることを見い出し、本発明に至ったものである。
【0011】
即ち、アルミニウムディスク用研磨剤としては水、酸化水酸化鉄(III) 粉末及び三価又は四価の金属と無機酸又は有機酸から形成される塩の研磨促進剤からなる研磨組成物を用いると、高品質の研磨面が得られ、しかも高速研磨性であることを見い出した。更にアルミニウムディスク用研磨剤として、酸化水酸化鉄(III) 粉末及び研磨促進剤を含む研磨組成物に例えばアルミナ砥粒を加えた研磨用組成物が、従来のアルミニウムディスク用研磨剤と比較して表面粗さに対する研磨速度の比率が高い、即ち高速研磨性でしかも高品質の研磨面が得られることを見い出した。
【0012】
同様に多層配線基板上のタングステン、銅、アルミニウム、パーマロイ等の金属層の研磨でも、高速研磨性でスクラッチがなく平坦性が優れた研磨面が得られることが充分期待される。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明のα、β、γ及びδ型FeO(OH)結晶構造からなる群から選ばれた単一または複数の結晶構造のうち、α型FeO(OH)構造を有する酸化水酸化鉄(III) 粉末は、特開昭61−174119号公報に記載のように、硫酸鉄(II)又は塩化鉄(III) と水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、アンモニア、炭酸アンモニウム等のアルカリを中和して得られた水酸化鉄(II)に加熱下で空気酸化することにより得ることができる。また、市販の酸化水酸化鉄(III) 粉末も使用することもできる。
【0014】
本発明の研磨用組成物に調製する際、砥粒の酸化水酸化鉄(III) 粉末は、酸化水酸化鉄(III) 微粒子の懸濁液、又は酸化水酸化鉄(III) 粉末を硝酸等の酸にて解膠した微粒子の懸濁液にて取り扱うことが、作業上簡便で好ましい。
【0015】
本発明の粉末中の各々微粒子の一次粒子径の求め方については、電子顕微鏡観察により粒子の長軸径(L)と短軸径(B)とを求めて、その長短平均径((L+B)/2)を一次粒子径(D)とする。
【0016】
本発明の研磨用組成物中の好ましい酸化水酸化鉄(III) 粉末の濃度は、1〜20重量%である。但し、酸化水酸化鉄(III) 粉末の濃度は、酸化物Fe2O3で換算した重量%で示す。研磨用組成物中の酸化水酸化鉄(III) 粉末の濃度が1重量%より小さいと研磨速度は遅く、20重量%より多くしても研磨速度は、速くならないため、酸化水酸化鉄(III) 粉末の濃度は1〜20重量%が好ましい。
【0017】
本発明の研磨促進剤は、三価又は四価の金属と無機酸又は有機酸から形成される塩であり、その塩は正塩と塩基性塩とからなる。
【0018】
塩基性塩は、例えば三価の金属としては、アルミニウム、インジウム、鉄等が、また四価の金属としてはジルコニウム、セリウム、錫、チタン等が挙げられる。無機酸としては、硝酸、塩酸、硫酸等が、また有機酸としては酢酸、ギ酸、スルファミン酸、酒石酸、シュウ酸、グルコン酸等が挙げられる。三価及び四価の金属の中でアルミニウム及び鉄が、また無機酸及び有機酸の中で硝酸が研磨特性が最も優れて、より好ましく、塩基性硝酸アルミニウム、塩基性硝酸鉄が挙げられる。
【0019】
正塩は、例えば三価の金属としては、アルミニウム、インジウム、鉄等が、また四価の金属としてはジルコニウム、セリウム、錫、チタン等が挙げられる。無機酸としては、硝酸、塩酸、硫酸等が、また有機酸としては酢酸、ギ酸、スルファミン酸、酒石酸、シュウ酸、グルコン酸等が挙げられる。三価及び四価の金属の中でアルミニウム及び鉄が、また無機酸及び有機酸の中で硝酸、塩酸、スルファミン酸が研磨特性が最も優れて、より好ましく、硝酸アルミニウム、スルファミン酸アルミニウム、硝酸鉄が挙げられる。
【0020】
本発明の好ましい研磨促進剤の含有量は、0.02〜10重量%、より好ましくは0.05〜6重量%である。但し、研磨促進剤の含有量は、三価の金属と無機酸又は有機酸から形成される塩基性塩及び正塩では酸化物M2O3(Mは三価の金属)、また四価の金属と無機酸又は有機酸から形成される塩基性塩及び正塩では酸化物MO2(Mは四価の金属)で換算した重量%で示す。
【0021】
研磨促進剤の含有量において、0.02重量%より少ないと研磨促進剤としての効果が認められず、また10重量%より多くしても研磨促進剤としての効果の更なる向上は認められないため、0.02〜10重量%が好ましい。そして、研磨促進剤の含有量が0.2〜6重量%では、研磨促進剤としての効果が安定すると共に、表面粗さに対する研磨速度の比率も高く維持されてより好ましい。
【0022】
本発明の酸化水酸化鉄(III) 粉末を砥粒とした研磨用組成物に混合するアルミナ、シリカ、ジルコニア、セリアは、市販されている研磨材用の粉末をそのままか、場合によっては乾式及び湿式粉砕して微粒子化したものを用いることができる。またアルミナ粉に関しては、特開平10−87324号公報(対応特許:EP 0820961 A1)記載の酸性水性アルミナゾルを500〜1100℃で焼成することにより得られたγ、δ、κ、θ及びη型アルミナを湿式粉砕することにより得られる10〜50nmの一次粒子径、100〜500nmの二次粒子径及び粒状の一次粒子径を有するアルミナ粉末及び1100〜1200℃で焼成することにより得られたα型アルミナを湿式粉砕することにより得られる60〜150nmの一次粒子径、200〜500nmの二次粒子径及び粒状の一次粒子径を有するアルミナ粉末も用いることができる。シリカ、ジルコニア、セリアなどの粉末に関しては、市販のシリカゾル、特開平10−36819号公報記載のジルコニアゾル、特開平8−155997号公報記載のセリアゾルなどの金属酸化物微粒子(粉末)の懸濁液(ゾル)が用いることができる。
【0023】
アルミナ、シリカ、ジルコニア、セリアなどの微粒子からなる粉末は、酸化水酸化鉄(III) 粉末に対して任意の割合で混合できるが、高速研磨性及び高品質の研磨面を得るためには、酸化鉄100重量部に対して10〜900重量部を混合するのが好ましい。
【0024】
本発明における研磨組成物には、珪酸ジルコニウム、ムライト、酸化クロム、酸化チタン等も加えることができる。そして水酸化アルミニウム等の水酸化物、ベーマイト等の水和酸化物及びダイヤモンド、窒化硼素、窒化珪素、炭化珪素、炭化硼素等の非酸化物の砥粒も加えることができる。
【0025】
また、本発明における研磨用組成物に一般的に加えられているエタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等の水溶性アルコール、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、リン酸等の酸、アルキルベンザンスルホン酸ナトリウム、ホルマリン縮合物等の界面活性剤、ポリアクリル酸塩等の有機ポリアニオン系物質、セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース類を加えることができる。
【0026】
本発明の研磨用組成物のpHとしては、1〜7、好ましくは2〜6の弱酸性である。研磨用組成物をアルカリ性にすると多孔質網状組織からなる研磨布の目詰まり劣化や被研磨物へのスクラッチ発生等が起きるため好ましくない。
【0027】
【実施例】
下記の実施例により、本発明を更に説明する。
[研磨用組成物の調整]
実施例1
9.8重量%の炭酸アンモニウム水溶液50kgを攪拌機付きの100L反応槽に仕込み、30℃の液温で窒素ガスを2Nm3/時で吹き込みながら、硫酸鉄(II)・7水和物を5.7kgを純水45kgに溶解させた硫酸鉄(II)水溶液を添加した。添加終了後30℃で空気を3Nm3/時で吹き込み酸化反応を開始し、3時間で酸化反応が終了した。反応液は茶色の微粒子を有するpH=9.0で、反応液より微粒子を濾別、洗浄した後、透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ長軸が30〜70nm、短軸が20〜30nmの紡錘状の粒子で、粉末X線回折でゲータイト(α型FeO(OH))と同定された。洗浄したゲータイトを0.4重量%の硝酸を含有する純水で分散させ、Fe2O3換算で20重量%のα型FeO(OH)構造を有する酸化水酸化鉄(III) 微粒子の懸濁液(ゾル)を作成した。
【0028】
次に、硝酸アルミニウム・九水塩380gを純水1kgに溶解した後、この水溶液を沸騰させ、1320gの35%過酸化水素水溶液と110gのアルミニウム金属粉末を徐々に添加し溶解・反応させた。該反応液を濾過して塩基性硝酸アルミニウム水溶液(BANa)を得た。この塩基性硝酸アルミニウム水溶液(BANa)は、Al2O3換算濃度9.9重量%、硝酸イオン7.2重量%を含み、塩基度として80.0%で、Al(OH)2.4(NO3)0.6 の化学組成で表示される塩基性硝酸アルミニウム水溶液であった。
【0029】
更に、塩基性硝酸アルミニウム(BANa)水溶液に60重量%硝酸を添加して、塩基性硝酸アルミニウム水溶液(BANb)を調製した。この塩基性硝酸アルミニウム(BANb)水溶液は、Al2O3換算濃度7.1重量%、硝酸イオン17.3重量%を含み、塩基度として33.3%で、Al(OH)(NO3)2の化学組成で表示される塩基性硝酸アルミニウム水溶液であった。
【0030】
そして、酸化水酸化鉄(III) 微粒子の懸濁液に純水及び研磨促進剤として塩基性硝酸アルミニウム水溶液(BANb)を加えて、Fe2O3換算濃度で6.7重量%のゲータイトと、Al2O3換算濃度で0.62重量%及び硝酸濃度1.4重量%のAl(OH)(NO3)2の化学組成で表示される塩基性硝酸アルミニウム濃度を有する研磨用組成物Aを調整した。
【0031】
実施例2
研磨促進剤として、塩基性硝酸アルミニウム水溶液(BANb)の代わりに、硝酸鉄(III) をFe2O3換算濃度で0.61重量%にした以外は、実施例1と同様にして研磨用組成物Bを調製した。
【0032】
実施例3
硝酸鉄(III) ・九水塩404gを純水1kgに溶解した後、この水溶液を沸騰させ、1320gの35%過酸化水素水溶液と112gの鉄粉末を徐々に添加し溶解・反応させた。該反応液を濾過して塩基性硝酸鉄(III) 水溶液(BFNa)を得た。この塩基性硝酸鉄水溶液(BFNa)は、Fe2O3換算濃度9.9重量%、硝酸イオン11.0重量%を含み、塩基度として66.7%で、Fe(OH)2(NO3)1 の化学組成で表示される塩基性硝酸鉄(III) 水溶液であった。
【0033】
そして、実施例1記載の酸化水酸化鉄(III) 微粒子の懸濁液に純水及び研磨促進剤として塩基性硝酸鉄(III) 水溶液(BFNa)を加えて、Fe2O3換算濃度で6.7重量%のゲータイトと、Fe2O3換算濃度で0.62重量%及び硝酸濃度0.70重量%のFe(OH)2(NO3)の化学組成で表示される塩基性硝酸鉄(III) 濃度を有する研磨用組成物Cを調整した。
【0034】
実施例4
研磨促進剤として、塩基性硝酸アルミニウム水溶液(BANb)の代わりに、スルファミン酸アルミニウムをAl2O3換算濃度で0.80重量%にした以外は、実施例1と同様にして研磨用組成物Dを調製した。
【0035】
実施例5
市販のバイヤー法仮焼アルミナ粉(平均粒子径1.00μm、α相含有率98%)750g、1mmφのジルコニアビーズ12.6kg及び純水1600gを3Lのアトライター容器(三井鉱山(株)製)に仕込み、200rpmで8時間30分粉砕して、平均粒子径が0.35μmでα相含有率が98%のアルミナ結晶構造を有するアルミナを固形分として31重量%を含有する水性アルミナスラリーを得た。
【0036】
実施例1に記載の酸化水酸化鉄(III) 微粒子の懸濁液及び塩基性硝酸アルミニウム水溶液(BANb)を研磨促進剤とした研磨用組成物に純水及び該水性アルミナスラリー(Sc)を加えて、Fe2O3換算濃度で3.3重量%及び3.3重量%のアルミナ固形分と、Al2O3換算濃度で0.62重量%及び硝酸濃度1.4重量%のAl(OH)(NO3)2の化学組成で表示される塩基性硝酸アルミニウム濃度を有する研磨用組成物Eを調整した。
【0037】
実施例6
実施例1に記載の記載の酸化水酸化鉄(III) 微粒子の懸濁液及び塩基性硝酸アルミニウム水溶液(BANb)を研磨促進剤とした研磨用組成物に純水及び実施例5の水性アルミナスラリー(Sc)を加えて、Fe2O3換算濃度で5.9重量%及び0.7重量%のアルミナ固形分と、Al2O3換算濃度で0.62重量%及び硝酸濃度1.4重量%のAl(OH)(NO3)2の化学組成で表示される塩基性硝酸アルミニウム濃度を有する研磨用組成物Fを調整した。
【0038】
比較例1
3.9重量%の炭酸アンモニウム水溶液50kgを攪拌機付きの100L反応槽に仕込み、30℃の液温で窒素ガスを2Nm3/時で吹き込みながら、硫酸鉄(II)・7水和物を5.7kgを純水45kgに溶解させた硫酸鉄(II)水溶液を添加した。添加終了後80℃まで昇温し、80℃に到達後、空気を2Nm3/時で吹き込み酸化反応を開始し、3時間で酸化反応が終了した。反応液は黒色の微粒子を有するpH=5.5で、反応液より微粒子を濾別、洗浄した後、透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ20〜50nmの立方体粒子で、粉末X線回折でマグネタイト(Fe3O4)と同定された。洗浄したマグネタイトを0.4重量%の硝酸を含有する純水で分散させ、Fe2O3換算で20重量%のマグネタイト微粒子の懸濁液(ゾル)を作成した。
【0039】
そして、マグネタイト微粒子の懸濁液に純水及び研磨促進剤として塩基性硝酸アルミニウム水溶液(BANb)を加えて、Fe2O3換算濃度で6.7重量%のマグネタイトと、Al2O3換算濃度で0.62重量%及び硝酸濃度1.4重量%のAl(OH)(NO3)2の化学組成で表示される塩基性硝酸アルミニウム濃度を有する研磨用組成物aを調整した。
【0040】
比較例2
比較例1マグネタイト微粒子を大気中で400℃で5時間加熱することにより赤色の粉末が得られた。この粉末を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ20〜50nmの立方体粒子で、粉末X線回折でヘマタイト(α型Fe2O3)と同定された。このヘマタイト粒子を0.4重量%の硝酸を含有する純水で分散させ、Fe2O3換算で20重量%のヘマタイト微粒子の懸濁液(ゾル)を作成した。
【0041】
そして、ヘマタイト微粒子の懸濁液に純水及び研磨促進剤として塩基性硝酸アルミニウム水溶液(BANb)を加えて、Fe2O3換算濃度で6.7重量%のヘマタイトと、Al2O3換算濃度で0.62重量%及び硝酸濃度1.4重量%のAl(OH)(NO3)2の化学組成で表示される塩基性硝酸アルミニウム濃度を有する研磨用組成物bを調整した。
【0042】
比較例3
実施例5の水性アルミナスラリーを純水で希釈する際に、研磨促進剤として実施例1と同様にして得た塩基性硝酸アルミニウム水溶液(BANb)を加えて、6.7重量%のアルミナ固形分と、Al2O3換算濃度で0.62重量%及び硝酸濃度1.4重量%のAl(OH)(NO3)2の化学組成で表示される塩基性硝酸アルミニウム濃度を有する研磨用組成物cを調整した。
【0043】
参考例1
市販のシリカゾル(スノーテックス−ZL(商標)、日産化学工業(株)製、SiO2濃度40重量%、一次粒子径70〜100nm)を純水で希釈して、6.7重量%のシリカ固形分の研磨用組成物Xを調製した。
【0044】
参考例2
市販のシリカゾル(スノーテックス−ZL(商標)、日産化学工業(株)製、SiO2濃度40重量%、一次粒子径70〜100nm)を純水で希釈する際に、研磨促進剤として実施例1と同様にして得た塩基性硝酸アルミニウム水溶液(BANb)を加えて、6.7重量%のシリカ固形分と、Al2O3換算濃度で0.62重量%及び硝酸濃度1.4重量%のAl(OH)(NO3)2の化学組成で表示される塩基性硝酸アルミニウム濃度を有する研磨用組成物Yを調整した。
【0045】
[研磨試験]
研磨試験は、下記のように行った。
【0046】
被加工物は、アルミニウム基板にNi−Pを10μmの厚さに無電解メッキ(Ni90〜92%とP8〜10%の組成の硬質Ni−Pメッキ層)をした3.5インチメモリーハードディスク基板を使用した。尚、この基板は1次研磨してあり平均表面粗さは、1.2nmである。
【0047】
ラップマスターLM−15研磨機(ラップマスター製)の定盤に人工皮革タイプのポリウレタン製研磨布(POLITEX DG(商標)、380mmφ、ロデール・ニッタ(株)製)を貼り付け、これに基板の研磨面を対向させ11kPaの荷重をかけて研磨した。
【0048】
定盤回転数は、毎分45回転であり、研磨組成物(スラリー)供給量は10ml/分である。
【0049】
研磨の後、被加工物を取り出し超音波洗浄を繰り返して洗浄した。
【0050】
洗浄後アルミディスクを乾燥し、重量減少から研磨速度を求めた。表面欠陥については、微分干渉顕微鏡により観察し、突起、ピット、スクラッチ等の度合を判定した。平均表面粗さは、市販品の装置、例えば米国のZygo社製の「New View 100」という名称の装置を使用することによる、FDAを用いた走査型白色干渉法あるいは位相測定法により測定した。
【0051】
研磨試験における研磨速度(Vp)、平均表面粗さ(Ra)並びにピット及びスクラッチの発生についての結果は第1表に示す。平均表面粗さに対する研磨速度の比率(Vp/Ra)については第2表に示す。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
第1表と第2表より、研磨剤組成物X及びYに挙げた高品質の研磨面が得られる研磨剤として知られているシリカゾルと比較した場合、研磨剤組成物AないしDはいずれも表面粗さが同等以上で、しかも研磨速度が2倍以上速く優れていることがわかる。
【0055】
研磨剤組成物AないしDと研磨剤組成物a及びbを比較した場合、研磨剤組成物a及びbは研磨速度が半分近く遅くなっていることがわかる。また平均粗さに対する研磨速度の比率が小さいことがわかる。
【0056】
研磨剤組成物E及びFと研磨剤組成物cを比較した場合、研磨剤組成物E及びFの方が高速研磨性で、平均粗さに対する研磨速度の比率が大きく、しかも研磨面の平均表面粗さが良好でしかもピットが発生しないなど高品質の研磨面が得られていることがわかる。
【0057】
【発明の効果】
本発明の砥粒は、α、β、γ及びδ型FeO(OH)結晶構造からなる群から選ばれた単一または複数の結晶構造と、5〜500nmの一次粒子径とを有する酸化水酸化鉄(III) 微粒子からなる粉末である。本発明の酸化水酸化鉄(III) 粉末は、湿式合成法で製造するため高温焼成工程が入らない。このため酸化水酸化鉄(III) 微粒子の表面がより活性であるため、研磨促進剤として三価又は四価の金属と無機酸又は有機酸から形成される正塩を使用した場合でも、一部酸化水酸化鉄(III) 粒子が溶解して塩基性塩になると推定される。このため研磨促進剤として三価又は四価の金属と無機酸又は有機酸から形成される塩基性塩を使用した場合と同じ効果が期待できる。
【0058】
即ち、塩基性硝酸アルミニウム及び塩基性硝酸鉄等の塩基性塩は、硝酸アルミニウム及び硝酸鉄等の正塩と同じようにアルミニウムディスクに対して化学的研磨効果を促進させる効果を示すと共に、正塩より研磨組成物のpHを中性側に保つ緩衝効果があるため、研磨時の過剰なエッチングが抑制され表面粗さを小さく、表面欠陥が少なくし、高品質の研磨面が得られるものと考えられる。
【0059】
本発明の酸化水酸化鉄(III) 粉末を砥粒とした研磨用組成物は、高速研磨性を有し、しかも高品質の研磨面が得られる研磨用組成物であるため、研磨工程の生産性の向上及び低コスト化が可能である。しかも本発明の酸化水酸化鉄(III) 粉末は安価である。
【0060】
また、本発明の研磨用組成物は、工業製品として供給され得るアルミニウムあるいはその合金からなる磁気記録媒体ディスクの基材の上に設けられたNi−P、Ni−B等のメッキ層の表面、特にNi90〜92%とP8〜10%の組成の硬質Ni−Pメッキ層及び酸化アルミ層の表面あるいはアルミニウム、その合金、アルマイトを研磨するのに有用である。
【0061】
更に本発明の酸化水酸化鉄(III) 粉末を砥粒とした研磨用組成物は多層配線基板上のタングステン、銅、アルミニウム、パーマロイ等の金属層の精密研磨にも有用である。
Claims (6)
- 水、砥粒及び研磨促進剤からなるアルミニウムディスクの研磨組成物において、
砥粒がα、β、γ及びδ型FeO(OH)結晶構造からなる群から選ばれた単一または複数の結晶構造と、5〜500nmの一次粒子径とを有する酸化水酸化鉄(III) 粉末であること、
及び研磨促進剤が三価又は四価の金属と無機酸又は有機酸から形成される塩であることを特徴とするアルミニウムディスクの研磨用組成物。 - 水、砥粒及び研磨促進剤からなるアルミニウムディスクの研磨組成物において、
砥粒がα、β、γ及びδ型FeO(OH)結晶構造からなる群から選ばれた単一または複数の結晶構造と、5〜500nmの一次粒子径とを有する酸化水酸化鉄(III) 粉末と、アルミナ、シリカ、ジルコニア及びセリアよりなる群から選ばれる少なくとも1種の粉末との混合物であること、及び研磨促進剤が三価又は四価の金属と無機酸又は有機酸から形成される塩であることを特徴とするアルミニウムディスクの研磨用組成物。 - 水、砥粒及び研磨促進剤からなる多層配線基板の金属層の研磨組成物において、
砥粒がα、β、γ及びδ型FeO(OH)結晶構造からなる群から選ばれた単一または複数の結晶構造と、5〜500nmの一次粒子径とを有する酸化水酸化鉄(III) 粉末であること、
及び研磨促進剤が三価又は四価の金属と無機酸又は有機酸から形成される塩であることを特徴とする多層配線基板の金属層の研磨用組成物。 - 水、砥粒及び研磨促進剤からなる多層配線基板の金属層の研磨組成物において、
砥粒がα、β、γ及びδ型FeO(OH)結晶構造からなる群から選ばれた単一または複数の結晶構造と、5〜500nmの一次粒子径とを有する酸化鉄粉末と、アルミナ、シリカ、ジルコニア及びセリアよりなる群から選ばれる少なくとも1種の粉末との混合物であること、及び研磨促進剤が三価又は四価の金属と無機酸又は有機酸から形成される塩であることを特徴とする多層配線基板の金属層の研磨用組成物。 - 研磨促進剤が三価又は四価の金属と無機酸又は有機酸から形成される塩基性塩であることを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載の研磨用組成物。
- 研磨促進剤が三価又は四価の金属と無機酸又は有機酸から形成される正塩であることを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載の研磨用組成物。
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