JP4224650B2 - アルミニウムディスクの研磨用組成物及びその研磨方法 - Google Patents

アルミニウムディスクの研磨用組成物及びその研磨方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、アルミニウムディスクの精密研磨に用いられる研磨用組成物に関する。特に、本願発明の研磨用組成物は、アルミニウムディスクの研磨において高精度に平滑な研磨表面を効率的に得ることができるため、最終仕上げ研磨用組成物として有用である。本願発明におけるアルミニウムディスクの研磨とは、アルミニウムあるいはその合金からなる磁気記録媒体ディスクの基材そのものの表面、または基材の上に設けられたNi−P、Ni−Bなどのメッキ層の表面、特にNi90〜92%とP8〜10%の組成の硬質Ni−Pメッキ層の表面、及び酸化アルミ層の表面を研磨することをいう。
【0002】
そして、本願発明の研磨用組成物を用いることにより、高精度に平滑な研磨表面を有するアルミニウムディスクが得られて有用である。
【0003】
【従来の技術】
アルミニウムディスクの研磨に使用されている研磨用組成物としては、水とアルミナ研磨材及び研磨促進剤を、場合によっては更に表面改質剤を混合してスラリー化したものが用いられている。この研磨促進剤の例として、特公平2−23589号公報には、硝酸アルミニウム、硝酸ニッケル、硫酸ニッケルが、また特開平2−158682号公報には、亜硝酸アルミニウム、亜硝酸亜鉛、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カルシウムなどが、特開平1−97560号公報にはスルファミン酸ニッケルが、特開平1−257563号公報にはスルファミン酸ニッケル又は硫酸マグネシウムが開示されている。そして、特開昭61−291674号公報には、pH調製剤としてスルファミン酸、燐酸を使用することが開示されている。更に、特開平3−76782号公報には、カチオン成分が元素周期表のIIA族、IIIA族、IVA族及びIVB族から選択されるイオン化元素及び亜鉛、セリウム、スズ及び鉄イオンで、アニオン成分が塩化物イオン、臭化物イオン、燐酸イオン、沃化物イオン、硝酸イオン、硫酸イオン及び過塩素イオンからなる群から選択される塩が開示されている。特開平10−195421号公報には、塩基性硝酸アルミニウムが開示されている。
【0004】
また、特開平1−205973号公報には、ベーマイトと水溶性の金属塩の混合物が、特開平2−158683号公報には、ベーマイトと無機酸又は有機酸の混合物が開示されている。そして、研磨促進剤と表面改質剤の例として特公平4−38788号公報には、グルコン酸又は乳酸の研磨促進剤及びコロイダルアルミナの表面改質剤が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
近年、磁気記録媒体ディスクの性能は、ますます高密度化、高速化していく傾向にある。そのためにアルミニウムディスクにはオレンジピール、スクラッチ、ピット、突起などの表面欠陥がないということや表面粗さにおいても小さな研磨面が求められている。
【0006】
本願発明は、これらの要望に応えるものであって、高品質の研磨面を保ちながらしかも研磨速度を速くすることにより研磨工程の生産性の向上および低コスト化が可能な研磨用組成物とその研磨用組成物を用いる研磨方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本願発明者は、水、アルミナ研磨材及び研磨促進剤を含む研磨用組成物において、研磨促進剤として、塩基性スルファミン酸アルミニウムが優れた研磨促進剤であることを見出し、本願発明に至ったものである。
【0008】
研磨用組成物における好ましい研磨促進剤である塩基性スルファミン酸アルミニウムの含有量は、Al23換算濃度で0.1〜10重量%、より好ましくは0.3〜6重量%である。
【0009】
本願発明のアルミナ研磨材は、安価で大量に製造されているバイヤー法により製造された水酸化アルミニウムを1100〜1300℃で仮焼後、振動ミル、ボールミル、アトライターなどで乾式粉砕した0.5〜50μmの平均二次粒子径であり、α相を含有するアルミナ粉末が好ましい。実際、このアルミナ粉をボールミル、アトライター、サンドグラインダーなどで湿式粉砕した50nm〜2μmの一次粒子径、及び200nm〜3μmの平均二次粒子径を有するアルミナ粉末が挙げられる。
【0010】
また、γ、δ、θ型からなる群から選ばれた単一又は複数の結晶構造、10nm〜50nmの一次粒子径、及び100nm〜500nmの平均二次粒子径及び粒状の一次粒子形状を有するアルミナ粉末、及び/又はα型の結晶構造、60nm〜150nmの一次粒子径、及び200nm〜500nmの平均二次粒子径及び粒状の一次粒子形状を有するアルミナ粉末も好ましい。
【0011】
ここで、アルミナ粉末の一次粒子径とは、透過型電子顕微鏡にて、一次粒子を観察して、計測した個々の一次粒子径である。平均粒子径ではない。
【0012】
アルミナ粉末の平均二次粒子径(平均凝集粒子径)は、メジアン粒子径(50%体積粒子径)である。その測定には、市販の遠心粒度分布測定装置、例えば堀場製作所(株)のCAPA−700等が用いられる。アルミナの結晶型は、X線回折パターンより同定される。
【0013】
研磨用組成物における好ましいアルミナ研磨材の含有量(固形分)は、重量割合が1〜20重量%である。
【0014】
本願発明の研磨用組成物には、アルミナとともに酸化物であるジルコニア、酸化チタン、ムライト、珪酸ジルコニウム、シリカ、酸化セリウム、酸化鉄、酸化クロムなどを加える使ことができる、そして水酸化アルミニウムなどの水酸化物及びダイヤモンド、窒化硼素、炭化珪素、炭化硼素などの非酸化物も加えることができる。
【0015】
また、本願発明における研磨用組成物に一般的に加えられているエタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコールなどの水溶性アルコール、塩酸、硝酸、硫酸、酢酸、燐酸などの酸、アルキルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、ホルマリン縮合物などの界面活性剤、ポリアクリル酸塩などの有機ポリアニオン系物質、セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース類を加えることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
塩基性スルファミン酸アルミニウム(別名 塩基性アミド硫酸アルミニウム)は、Al(OH)(NHSO3−X(但し、Xは3.0未満の実数を示す。)の化学組成で表示される。塩基性スルファミン酸アルミニウムの水溶液は一部ポリマーとなっているが、便宜上、上記の化学組成で表示される。そして、塩基性スルファミン酸アルミニウムの塩基度とはアルミニウムイオンと結合した水酸基の割合で、Al(OH)(NHSO3−Xにおいて、(X/3)×100%を意味する。 本願発明の塩基性スルファミン酸アルミニウムとして、塩基度が低すぎるとケミカルエッチング力が強すぎ、研磨促進剤として好ましくない。また塩基度が高ぎるとスルファミン酸アルミニウムが化学的に不安定になり、研磨用組成物の貯蔵安定性が悪くなる。よって、好ましい塩基度は、18.0〜66.7%であり、Al(OH)(NHSO3−X(但し、Xは . 54〜2.0の実数を示す。)の化学組成で表示されることとなる。
【0017】
よって、本願発明の研磨促進剤は、Al(OH)(NHSO3−X(但し、Xは . 54〜2.0の実数を示す。)の化学組成で表示される塩基性スルファミン酸アルミニウムである。
【0018】
研磨用組成物におけるスルファミン酸アルミニウムの含有量は、Al23換算濃度で表すと、0.1重量%より少ないと研磨促進剤としての効果が認められず、10重量%より多くしても更なる向上は認められないため、0.1〜10重量%が好ましい。更に、0.3〜6重量%では研磨促進剤としての効果が安定し、高性能な研磨特性がえられより好ましい。
【0019】
研磨用組成物におけるアルミナ研磨材の含有量は、1重量%より少ないと研磨効果が小さく、20重量%より多くしても研磨効果の更なる向上は認められないため、重量割合で1〜20%が好ましい。アルミナ研磨材に陽(プラス)に帯電した平均二次粒子径が0.01〜2μmのシリカ粒子又はシリカゾルを添加することにより粒子を最密充填することで、更に研磨面を平坦化することが可能である。
【0020】
【実施例】
下記の実施例により、本願発明を更に説明する。
〔研磨用組成物の調製〕
実施例1
純水320kgに市販のバイヤー法仮焼アルミナ粉(α型アルミナ、平均二次粒子径1.0μm)160kgを加えたスラリーを、0.5mmφのジルコニアビーズ80kgを充填したシステムゼータLMZ−25粉砕装置(アシザワ(株)製)でスラリーを循環させながら5時間粉砕し、100nm〜1μmの一次粒子径、及び平均二次粒子径640nmを有するα型アルミナ粉末を固形分として30.2重量%有する水性アルミナスラリー(A)を得た。
【0021】
次に8mの反応槽に純水3100Lを仕込み、スルファミン酸(日産化学工業(株)製)200kgを投入し溶解させた。そして攪拌及び窒素ガスを導入し、60〜65℃で金属アルミニウムを400kg反応させた。この反応液を濾過し塩基性スルファミンアルミニウム水溶液を得た。この塩基性スルファミン酸アルミニウム水溶液は、Al換算濃度10.4重量%、スルファミン酸イオン濃度31.6重量%を含み、塩基度としては46.7%で、Al(OH)1.4(NHSO1.6の組成で表示される塩基性スルファミン酸アルミニウム水溶液(a)であった。
【0022】
そして、水性アルミナスラリー(A)を純水で希釈する際に、研磨促進剤として塩基性スルファミン酸アルミニウム水溶液(a)を加えて、2.7重量%のアルミナ固形分と、Al23換算濃度で0.62重量%及びスルファミン酸イオン濃度1.9重量%のAl(OH)1.4(NH2SO31.6の組成で表示される塩基性スルファミン酸アルミニウム濃度を有する研磨用組成物を調製した。この研磨用組成物は、pH3.9であった。
【0023】
実施例2
実施例1で得た水性アルミナスラリー(A)を純水で希釈する際に、研磨促進剤として塩基性スルファミン酸アルミニウム水溶液(a)を加えて、2.7重量%のアルミナ固形分と、Al23換算濃度で1.5重量%及びスルファミン酸イオン濃度4.6重量%のAl(OH)1.4(NH2SO31.6の組成で表示される塩基性スルファミン酸アルミニウム濃度を有する研磨用組成物を調製した。この研磨用組成物は、pH3.8であった。
【0024】
実施例3
実施例1で得た水性アルミナスラリー(A)を純水で希釈する際に、研磨促進剤として塩基性スルファミン酸アルミニウム水溶液(a)を加えて、5.4重量%のアルミナ固形分と、Al23換算濃度で1.9重量%及びスルファミン酸イオン濃度5.7重量%のAl(OH)1.4(NH2SO31.6の組成で表示される塩基性スルファミン酸アルミニウム濃度を有する研磨用組成物を調製した。この研磨用組成物は、pH3.7であった。
【0025】
実施例4
市販の無定形アルミナ水和物の繊維状コロイド粒子を含有する水性アルミナゾル1000kg(アルミナゾル−200(商標)、日産化学工業(株)製、Al23濃度10.3重量%、酢酸イオン濃度3.2重量%)に純水3689kgを加え、強く攪拌した中に5重量%のNaOH濃度を有する水酸化ナトリウム水溶液441kgを添加し、更に3時間攪拌を続け反応混合液(pH10.16、Al23濃度2.1重量%)を得た。
【0026】
この反応物を5m3ステンレス製オートクレーブ容器に仕込み、135℃で15時間水熱処理した。得られた水性懸濁液はpH9.05、電気伝導度7790μS/cmを示し、Al23濃度2.1重量%であった。この水性懸濁液を取り出した後、その水性懸濁液全量に酢酸279kgを加えて攪拌し、pH4.11に調製した後、限外濾過膜(分画分子量5万)を取り付けた攪拌機付き自動連続加圧濾過装置にて、脱塩、濃縮してpH4.42、電気伝導度199μS/cm、Al23濃度10.8重量%の酸性水性アルミナゾル364gを得た。得られた酸性水性アルミナゾルを300℃で乾燥した粉体のBET法による比表面積は149m2 /gで、このゾルに含有するアルミナ水和物のコロイド粒子はベーマイト構造を有する一辺が10〜20nmの矩形板状一次粒子よりなる50〜300nmの細長い形状の二次粒子を形成していた。
【0027】
この酸性水性アルミナゾルを110℃でスプレードライヤーで乾燥して得られた乾燥物をアルミナ匣鉢に仕込みガス焼成炉で950℃で10時間焼成した。ここで得られたアルミナ粉体は、X線回折装置で測定したところδ型結晶構造を含有し、BET法による比表面積は100m2 /gであった。
純水40kgにこのδ型アルミナ粉体10kgを加えたスラリーを、1.0mmφのジルコニアビーズ80kgを充填したパールミル粉砕装置(アシザワ(株)製)でスラリーを循環させながら3時間粉砕し、10nm〜40nmの一次粒子径、及び平均二次粒子径380nmを有するδ型アルミナ粉末を固形分として19.7重量%含有する水性アルミナスラリー(B)を得た。
【0028】
そして水性アルミナスラリー(B)を純水で希釈する際に、研磨促進剤として実施例1で得た塩基性スルファミン酸アルミニウム水溶液(a)を加えて、2.7重量%のアルミナ固形分と、Al23換算濃度で0.62重量%及びスルファミン酸イオン濃度1.9重量%のAl(OH)1.4(NH2SO31.6の組成で表示される塩基性スルファミン酸アルミニウム濃度を有する研磨用組成物を調製した。この研磨用組成物は、pH3.8であった。
【0029】
比較例1
実施例1で得た塩基性スルファミン酸アルミニウム水溶液(a)にスルファミン酸を加えて、Al換算濃度9.8重量%、スルファミン酸イオン濃度46.4重量%を含み、塩基度として16.7%で、Al(OH) 0.50 (NHSO2.5の組成で表示される塩基性スルファミン酸アルミニウム水溶液(b)を調製した。
【0030】
そして、実施例1で得た水性アルミナスラリー(A)を純水で希釈する際に、研磨促進剤として塩基性スルファミン酸アルミニウム水溶液(b)を加えて、5.4重量%のアルミナ固形分と、Al換算濃度で1.9重量%及びスルファミン酸イオン濃度8.8重量%のAl(OH) 0.50 (NHSO2.5の組成で表示される塩基性スルファミン酸アルミニウム濃度を有する研磨用組成物を調製した。この研磨用組成物は、pH3.4であった。
【0031】
比較例2
100Lの反応槽に純水46.0kgを仕込み、硝酸アルミニウム九水塩18.0kg溶解させた後攪拌及び窒素ガスを導入し、35%の過酸化水素5.25kgを徐々に添加しながら、80〜85℃で金属アルミニウムを650g反応させた。この反応液を濾過し塩基性硝酸アルミニウムを得た。この塩基性硝酸アルミニウムはAl23換算濃度で5.2重量%、硝酸イオン濃度13.2重量%を含み、塩基度として28.8%で、Al(OH)1.0(NO32.0の組成で表示される塩基性硝酸酸アルミニウム水溶液(c)であった。
【0032】
そして水性アルミナスラリー(A)を純水で希釈する際に、研磨促進剤として塩基性硝酸アルミニウム水溶液(c)を加えて、5.4重量%のアルミナ固形分と、Al23換算濃度で0.62重量%及び硝酸イオン濃度1.6重量%のAl(OH)1.0(NO32.0の組成で表示される塩基性硝酸アルミニウム濃度を有する研磨用組成物を調製した。この研磨用組成物は、pH3.6であった。
【0033】
参考例1
市販のシリカゾル(スノーテックス−ZL(商標)、日産化学工業(株)製SiO2 濃度40重量%、一次粒子径70〜100nm、平均二次粒子径110nm)を純水で希する際に、研磨促進剤として比較例2で得た塩基性硝酸アルミニウム水溶液(c)を加えて、6.7重量%のシリカ固形分と、Al23換算濃度で0.62重量%及び硝酸イオン濃度1.6重量%のAl(OH)1.0(NO32.0の組成で表示される塩基性硝酸アルミニウム濃度を有する研磨用組成物を調製した。この研磨用組成物は、pH3.8であった。
〔研磨試験〕
被加工物は、アルミニウム基板にNi−Pを10μmの厚さに無電解メッキした3.5インチメモリーハードディスク基板を使用した。尚、この基板は1次研磨してあり平均表面粗さは、1.0nmである。
【0034】
ラップマスターLM−15研磨機(ラップマスター製)の定盤に人工皮革タイプのポリウレタン製研磨布(POLITEX DG(商標)、380mmφ、ロデール・ニッタ(株)製)を貼り付け、これに基板の研磨面を対向させ11kPaの荷重をかけて研磨した。
【0035】
定盤回転数は、毎分45回転であり、スラリー供給量は10ml/分である。
【0036】
研磨の後、被加工物を取り出し超音波洗浄を繰り返して洗浄した。
【0037】
洗浄後アルミディスクを乾燥し、重量減少から研磨速度を求めた。表面欠陥については、微分干渉顕微鏡により観察し、マイクロピット、スクラッチなどの表面欠陥を観察した。平均表面粗さは、市販品の装置、例えば米国のZygo社製の「New View 100」という名称の装置を使用することによる、FDAを用いた走査型白色干渉法あるいは位相測定法により測定した。
【0038】
研磨試験による研磨速度と平均表面粗さの結果は表1に示す。
【0039】
【表1】
Figure 0004224650
【0040】
表1に示すように、実施例1〜3の研磨用組成物は、塩基性スルファミン酸アルミニウムの塩基度が低い比較例1より、研磨速度が劣るものの、平均表面粗さが良くマイクロピットがない良好な研磨面が得られていることがわかる。また、比較例2の塩基性硝酸アルミニウムと比較すると研磨特性が優れていることが明らかである。
【0041】
また参考例1に挙げた高品質の研磨面が得られる研磨材として知られるシリカゾルと実施例4と比較した場合、表面粗さは同等で実施例4の方が研磨速度が1.5倍以上速くなっているのが明らかである。
【0042】
【発明の効果】
本願発明の研磨促進剤は、塩基性スルファミン酸アルミニウムである。この塩基性スルファミン酸アルミニウムは、塩基性硝酸アルミニウムと同じようにアルミニウムディスクに対して化学的研磨効果を促進させる効果を示すとともに、塩基度を高くして研磨用組成物のpHを中性側にシフトさせることにより研磨時の過剰なエッチングを抑制できるため、表面粗さを小さく、表面欠陥を少なくし、高品質の研磨面が得られるものと考えられる。本願発明の研磨用組成物は、高速研磨性を有し、しかも高品質の研磨面が得られる研磨用組成物であるため、研磨工程の生産性の向上および低コスト化が可能である。
【0043】
また、本願発明の研磨用組成物は、工業製品として供給され得るアルミニウムディスクの上に設けられたNi−P等のメッキ層の表面、特にNi90〜92%とP8〜10%の組成の硬質Ni−Pメッキ層の表面、酸化アルミ層の表面あるいはアルミニウム、その合金、アルマイトの表面を研磨するのに有用であることが明瞭である。
【0044】
更に本願発明の研磨用組成物は、磁気ヘッド、半導体多層配線基板の配線金属、半導体多層配線基板の絶縁層などの精密研磨にも使用することができる。

Claims (4)

  1. 水、アルミナ研磨材及び研磨促進剤を含むアルミニウムディスクの研磨用組成物において、
    研磨促進剤が、Al(OH)(NHSO3−X(但し、Xは1.4〜2.0の実数を示す。)の化学組成で表示される塩基性スルファミン酸アルミニウムであることを特徴とするアルミニウムディスクの研磨用組成物。
  2. 塩基性スルファミン酸アルミニウムの研磨用組成物に占める割合がAl換算濃度で0.1〜10重量%である請求項1記載のアルミニウムディスクの研磨用組成物。
  3. アルミナ研磨材の研磨用組成物に占める割合が、1〜25重量%であり、かつ該アルミナ研磨材が、10nm〜2μmの一次粒子径及び100nm〜3μmの平均二次粒子径を有するアルミナ粉末である請求項1記載のアルミニウムディスクの研磨用組成物。
  4. アルミニウムディスクの表面と該アルミニウムディスクの表面を滑り得る研磨布の表面との間に、供給されるアルミニウムディスクの研磨用組成物にて、アルミニウムディスクを研磨する研磨方法において、
    アルミニウムディスクの表面が、アルミニウム、アルミニウム合金、Ni−Pメッキ層又はNi−Bメッキ層又は酸化アルミニウム層であること、
    及びアルミニウムディスクの研磨用組成物剤が、水、アルミナ研磨材及びAl(OH)(NHSO3−X(但し、Xは1.4〜2.0の実数を示す。)の化学組成で表示される塩基性スルファミン酸アルミニウムであることを特徴とするアルミニウムディスクの研磨方法。
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