JP4099440B2 - 電子写真感光体 - Google Patents
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しかしながら、単層型感光体は、層構成が簡単で生産性に優れている、感光層の皮膜欠陥が発生するのを抑制できる、層間の界面が少ないので光学的特性を向上できる、電荷輸送剤として電子輸送剤とホール輸送剤とを併用することにより、一つの感光体を正帯電型、負帯電型の両方に使用できる、といった利点を有するため脚光を浴びつつある。
本発明の第2の電子写真感光体は、第1の電子写真感光体において、結着樹脂が、前記一般式(1)で表される繰り返し単位と、かつ一般式(2):
<導電性支持体>
前記導電性支持体は、アルミニウム素管であってその表面粗さの最大高さ(RmaxD)が7〜12μmでかつ10点平均粗さ(Rz)が4〜8μmに粗面加工したものが用いられる。また、算術平均粗さ(Ra)は、0.5〜1.4μmの範囲であり、好ましくは0.7〜1.4μmの範囲である。
<結着樹脂>
本発明において、結着樹脂はシロキサン含有ポリカーボネートであって、その主鎖は、前記一般式(1)で表される繰り返し単位構造を少なくとも有するものが用いられる。この結着樹脂は、一般式(1)に示されているように、シロキサンのSi原子から枝分かれしたシロキサンを有する構造(側鎖型)のポリカーボネートである。一般式(1)において、炭素数1〜3のアルキルとしてはメチル基、エチル基、プロピル基あるいはイソプロピル基が、また炭素数1〜3のアルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基あるいはイソプロポキシ基が挙げられる。一般式(1)中、mは0〜200の整数を示すが、より好ましくは10〜30の整数である。
本発明における結着樹脂の具体例として、次式で示されるResin−1を挙げることができる。
Resin−1:
本発明の電子写真感光体に用いる結着樹脂は、上述のとおりの側鎖型シロキサン含有ポリカーボネートを含有するものであるが、従来から感光層に使用されている種々の樹脂を併用することを妨げるものではない。上記の従来から感光層に使用されている樹脂としては、例えば、他のポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂を始め、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アクリル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、アイオノマー、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アルキド樹脂、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスルホン、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂等の熱可塑性樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、その他架橋性の熱硬化性樹脂、エポキシアクリレート、ウレタン−アクリレート等の光硬化型樹脂等の樹脂が使用可能である。
<電荷発生剤>
電荷発生剤としては、例えば、無金属フタロシアニン、オキソチタニルフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、ペリレン系顔料、ビスアゾ顔料、ジオケトピロロピロール顔料、無金属ナフタロシアニン顔料、金属ナフタロシアニン顔料、スクアライン顔料、トリスアゾ顔料、インジゴ顔料、アズレニウム顔料、シアニン顔料、ピリリウム顔料、アンサンスロン顔料、トリフェニルメタン系顔料、スレン顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料、キナクリドン系顔料といった有機光導電体や、セレン、セレン−テルル、セレン−ヒ素、硫化カドミウム、アモルファスシリコンといった無機光導電材料等の、従来公知の電荷発生剤が挙げられる。前記例示の電荷発生剤は、所望の領域に吸収波長を有するように、単独または2種以上をブレンドして使用できる。
<電荷輸送剤>
電荷輸送剤としては、従来公知の電子輸送剤、およびホール輸送剤が挙げられる。特に、単層型感光体の場合は、感度向上または帯電安定性向上のために、感光層中にホール輸送剤と電子輸送剤を混合して含有させる。
使用可能なホール輸送剤としては、例えば、N,N,N',N'−テトラフェニルベンジジン誘導体、N,N,N',N'−テトラフェニルフェニレンジアミン誘導体、N,N,N',N'−テトラフェニルナフチレンジアミン誘導体、N,N,N',N'−テトラフェニルフェナントリレンジアミン誘導体、2,5−ジ(4−メチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物、9−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセン等のスチリル系化合物、ポリビニルカルバゾール等のカルバゾール系化合物、有機ポリシラン化合物、1−フェニル−3−(p−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリン等のピラゾリン系化合物、ヒドラゾン系化合物、インドール系化合物、オキサゾール系化合物、イソオキサゾール系化合物、チアゾール系化合物、チアジアゾール系化合物、イミダゾール系化合物、ピラゾール系化合物、トリアゾール系化合物等の含窒素環式化合物や、縮合多環式化合物が挙げられる。
一般式(4);
一般式(5);
一般式(6);
一般式[7];
上記の一般式(4)、一般式(5)、一般式(6)または一般式(7)で示されるホール輸送剤は、極めて移動度が大きく効率的にホールを輸送させるため、感光体の感度向上に有効である。
[電子輸送剤]
使用可能な電子輸送剤としては、例えば、ジフェノキノン誘導体、ベンゾキノン誘導体のほか、特開2000−147806や特開2000−242009に記載のアゾキノン誘導体、特開2000−075520や特開2000−258936に記載のモノキノン誘導体、ジナフチルキノン誘導体、テトラカルボン酸ジイミド誘導体、カルボン酸イミド誘導体、スチルベンキノン誘導体、アントラキノン誘導体、マロノニトリル誘導体、チオピラン誘導体、トリニトロチオキサントン誘導体、3,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン誘導体、ジニトロアントラセン誘導体、ジニトロアクリジン誘導体、ニトロアントアラキノン誘導体、ジニトロアントラキノン誘導体、テトラシアノエチレン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、ジニトロベンゼン、ジニトロアントラセン、ジニトロアクリジン、ニトロアントラキノン、ジニトロアントラキノン、無水コハク酸、無水マレイン酸、ジブロモ無水マレイン酸等の電子受容性を有する種々の化合物が挙げられる。
特に、電子輸送剤が、一般式(8)、一般式(9)、一般式(10)、一般式(11)、一般式(12)、一般式(13)または一般式(14)で示される化合物を含有することが好ましい。
一般式(9);
一般式(10);
一般式(11);
一般式(12);
一般式(13);
一般式(14);
上記の一般式(8)、一般式(9)、一般式(10)、一般式(11)、一般式(12)、一般式(13)または一般式(14)で示される電子輸送剤は、極めて移動度が大きく効率的に電子を輸送させるため、感光体の感度向上に有効である。
感光層膜厚は5〜100μm、更には15〜50μm程度が好ましい。電荷発生剤は全結着樹脂重量に対して0.1〜50wt%、更には0.5〜30wt%含有させることが好ましい。電子輸送剤は全結着樹脂重量に対して1〜100wt%、更には5〜80wt%含有させることが好ましい。ホール輸送剤は全結着樹脂重量に対して5〜500wt%、更には25〜200wt%含有させることが好ましい。電子輸送剤とホール輸送剤との総量は、全結着樹脂に対して20〜500wt%、更には30〜200wt%含有させることが好ましい。
感光層には、前述の各成分のほかに、電子写真特性に悪影響を与えない範囲で、従来公知の種々の添加剤、例えば、酸化防止剤、ラジカル補足剤、一重項クエンチャー、紫外線吸収剤等の劣化防止剤、軟化剤、可塑剤、表面改質剤、増量剤、増粘剤、分散安定剤、ワックス、アクセプター、ドナー等を配合することができる。また、感光層の感度を向上させるために、例えば、テルフェニル、ハロナフトキノン類、アセナフチレン等の公知の増感剤を電荷発生剤と併用してもよい。
感光層を塗布の方法により形成する場合には、前記例示の電荷発生剤、電荷輸送剤、結着樹脂等を適当な溶剤とともに、公知の方法、例えば、ロールミル、ボールミル、アトライタ、ペイントシエーカー、超音波分散機等を用いて分散混合して分散液を調整し、これを公知の手段により塗布して乾燥させればよい。
〔画像形成装置〕
図1に、本発明の電子写真感光体を搭載する画像形成装置の概略を示す。この画像形成装置には、矢印22方向に回転する感光体(正帯電単層型OPC)ドラム21が備えられている。感光体ドラム21の周囲には、その回転方向22に沿って順に、メインチャージャ23、露光装置24、現像装置25、転写ローラ26、およびクリーニングブレード28が備えられたクリーニング装置27が配置されている。
具体的には、クリーニング装置27には、感光体ドラム21の軸方向に長手のクリーニングブレード28(ウレタンゴム製)が備えられており、その先端縁が感光体ドラム21表面のほぼ全幅にわたって押し当てられている。残留トナーは、このクリーニングブレード28によって感光体ドラム21の表面から掻き落とされる。クリーニングブレード28は、鉄板を断面L字形状に折り曲げて形成されたブレードホルダ29に接着されている。
〔単層型感光体の作製及び印写試験〕
比較例1
導電性支持体として、表面粗さが、RmaxD:1.17μm、Rz:0.55μmおよびRa:0.08μmであるアルミニウム素管を用いた。一方、電荷発生剤としてX型無金属フタロシアニン(PcH2)4.5重量部、ホール輸送剤(HTM−1)55重量部、電子輸送剤(ETM−1)30重量部、重量平均分子量50,000の結着樹脂(Resin−1)100重量部を、テトラヒドロフラン700重量部とともにボールミル中で24時間分散あるいは溶解させ、単層型感光層用塗布液を調合した。そして、この塗布液を、支持体としての前記アルミニウム素管上にディップコート法にて塗布し、125℃、45分間の熱風乾燥を行い、膜厚35μmの単一感光層を有する単層型感光体を作製し、図1の構成を有するFAX機(京セラミタ株式会社製Creage8331改造機)に搭載し、後述の印写試験を実施した。
参考例1および2、実施例1および2
比較例1において、アルミニウム素管として表面粗さが表1に示されるものをそれぞれ用いたこと以外は、同様に実施して、単層型電子写真感光体を作製し、図1の構成を有するFAX機(京セラミタ株式会社製Creage8331改造機)に搭載し、後述の印写試験を実施した。
実施例1において、結着樹脂として次式で表されるResin−2:
で表される直鎖型のシロキサン含有ポリカーボネートを用いたこと以外は同様に実施して単層型電子写真感光体を作製し、図1の構成を有するFAX機(京セラミタ株式会社製Creage8331改造機)に搭載し、後述の印写試験を実施した。
[耐印刷試験]
上記各参考例、実施例、比較例の単層型感光体を、図1の構成を有するFAX機(京セラミタ株式会社製Creage8331改造機)に搭載し、再生紙(用紙A4縦、タルク含量7%)の印写試験を実施し、画像カブリ出現までの印刷枚数を調べた。その結果を表1に示し、またこれらの結果からアルミニウム素管の最大表面粗さ(Rmax)と耐印刷枚数(カブリ出現までの印刷枚数)との関係をグラフ化して図2に示した。
Claims (2)
- 導電性支持体上に、結着樹脂、正孔輸送物質、電子輸送物質および電荷発生物質を同一層に含有する感光層を設けてなる電子写真感光体において、前記支持体がアルミニウム素管であってその表面粗さの最大高さ(RmaxD)が7〜12μmでかつ10点平均粗さ(Rz)が4〜8μmであり、かつ前記結着樹脂がシロキサン含有ポリカーボネートであってその主鎖として、一般式(1):
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