JP4098937B2 - 二次元バーコードのレーザマーキング方法及び装置 - Google Patents

二次元バーコードのレーザマーキング方法及び装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マトリックス式の二次元バーコードを作成するためのレーザマーキング方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、二次元方向に情報を持つ二次元バーコードが普及の兆を見せている。二次元バーコードには、大別して、一次元バーコードを縦に積み重ねて縦横で情報を表示するスタック式のバーコードと、黒白の升目(セル)を縦横モザイク状(マトリックス状)に配列して情報を表示するマトリックス式のバーコードとがある。
【0003】
本願の発明者は以前にマトリックス式の二次元バーコードを高品質にかつ効率よくマーキングできるようにしたレーザマーキング方法を発明しており、この発明は本願の出願人による特願平9−348624号(特開平11−167602号)で公開されている。
【0004】
この先願発明は、被加工物の表面にレーザ光をスキャニングしながら照射して、単位照射領域としての第1のセル(黒セル)と単位非照射領域としての第2のセル(白セル)とを所望の配列パターンでマトリックス状に配置してなる二次元バーコードをマーキングする二次元バーコードのレーザマーキング方法において、各々の第1のセル内でレーザ光のビームスポットを渦巻き状にスキャニングして単位照射領域を形成し、所定の順番で1セルずつ第1のセルに対する渦巻き状のスキャニングを行うものである。
【0005】
この先願発明によれば、単位非照射領域としての第2のセル(白セル)をビームスポットが飛び越す回数を可及的に少なくしつつ当該二次元バーコードの黒白配列パターンに応じた最適なルートで各第1のセル(黒セル)内に単位照射領域を安定確実に形成することが可能であり、効率のよいレーザマーキング動作で高品質の二次元バーコードを作成することができる。
【0006】
ところで、一般にマトリックス式の二次元バーコードは、当該バーコードを認識(読取)するための画像認識処理の中で位置検出の指標または基準となる特殊なパターンを所定の部位に有している。
【0007】
たとえば、図21に示すように、代表的なマトリックス式二次元バーコードの1つであるQRコードは、3つの角隅部に“切出しシンボル”と称される位置検出用の特殊パターン10を有している。バーコード全体の中で切出しシンボル10以外の領域12は、当該二次元バーコードのバーコード情報を表すデータ領域であり、情報内容によって領域12内のパターン(黒白セルの配列パターン)は変化する。一方、切出しシンボル10は、QRコードに属する全てのバーコードが具有する共通かつ一定の位置検出用パターンであり、情報内容によって変わることはない。
【0008】
このQRコードのバーコードを読み取るには、CCDカメラによってバーコード全体を画像として取り込み、画像認識技術により、最初に3つの切出しシンボル10を切り出して識別し、これらシンボル10のパターン情報から当該バーコードの位置および回転方向を360゜全方向で読み取り、その読み取った位置情報に基づいてデータ領域12内の各セルを識別し、白黒セルの配列パターンを元のコードに組み立て直す。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記QRコードの二次元バーコードを作成する場合、上記先願発明によるレーザマーキング方法においては、図22に示すように、切出しシンボル10とデータ領域12とを区別せずに一律に個々の黒セルCEB(第1のセル)毎にレーザ光のビームスポットを渦巻き状にスキャニングさせて単位黒領域(単位照射領域)を形成する。
【0010】
この点に関し、本願の発明者は上記先願発明の中に改善の余地があることを見い出した。すなわち、各切出しシンボル10においてレーザ光を照射される部分は、外側の正方形枠部(□)10aと内側の正方形塗り潰し部(■)10bの2つの一定連続セル領域である。より詳細には、正方形枠部(□)10aは、24個の黒セルCEBを7×7のサイズで正方形の辺または枠に沿って一列に配列してなるものである。一方、正方形塗り潰し部(■)10bは、9個の黒セルCEBを3×3のサイズで正方形の内側にマトリクス状に配列してなるものである。
【0011】
このように一定の配列関係で複数個の黒セルCEBが連続している切出しシンボル10(10a,10b)は、広がり(面積)が大きいうえパターンが一定している点で、データ内容に応じてランダムに分布するデータ領域12内の個々の黒セルCEBとは明らかに異質なマーキング領域といえる。したがって、レーザマーキングに際して、切出しシンボル10(10a,10b)内の黒セルCEBをデータ領域12内の黒セルCEBと同様(一律)に扱うのではなくて、上記のような切出しシンボル10に対しては上記のような特性に適ったマーキング方法が案出されるべきである。
【0012】
実際、個々の黒セルCEB毎に渦巻き状のスキャニングを行う上記先願発明において、切出しシンボル10の一定連続セル領域(10a,10b)は、スキャニングの繰り返し回数が多くて効率的でないばかりか、隣接する黒セルCEBの間に隙間状の非照射部分をつくりやすく、高品質のマーキング結果を得るうえでの難所になっている。一方で、位置検出用の切出しシンボル10は、画像認識処理においてバーコード解読の判断基準となる最重要のパターンであるから、データ領域12内のシンボルよりも格段に厳しいマーキング品質を求められている。
【0013】
なお、従来一般のレーザマーキング方法は、被加工物の表面でレーザ光のビームスポットを水平方向に振って1回分のスキャニングラインとし、この水平スキャニングラインを垂直方向に所定のピッチだけずらして所定回数繰り返すというものである。このようなラスタ方式のレーザマーキング方法においても、やはり切出しシンボル10(10a,10b)内の黒セルCEBがデータ領域12内の黒セルCEBと同様(一律)に扱われるため、切出しシンボル10に関して上記と同様の効率性および品質の問題がある。
【0014】
また、QRコード以外のマトリックス式二次元バーコードでも、切出しシンボル(10)に相当する位置検出用の一定パターンが有り、そのような位置検出用パターンに関して上記と同様の問題が見られる。
【0015】
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたもので、マトリックス式二次元バーコードに係るレーザマーキングの効率および品質を改善するレーザマーキング方法および装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の第1のレーザマーキング方法は、被加工物の表面にレーザ光をスキャニングしながら照射して、単位照射領域としての第1のセルと単位非照射領域としての第2のセルとを所望の配列パターンでマトリックス状に配置してなる二次元バーコードをマーキングする二次元バーコードのレーザマーキング方法において、前記二次元バーコードの中で位置検出用の一定のパターンを形成するための平面的に連続する複数個の前記第1のセルからなる一定連続セル領域内で、前記レーザ光のビームスポットを少なくとも2個以上のセルにわたり1つまたは複数のルートでループ状または渦巻き状にスキャニングして、前記一定連続セル領域のほぼ全域に照射領域を形成する工程と、前記二次元バーコードの中の前記一定連続セル領域以外の各々の前記第1のセル内で前記レーザ光のビームスポットを渦巻き状にスキャニングして照射領域を形成する工程とを有することを特徴とする。
【0017】
また、本発明の第2のレーザマーキング方法は、被加工物の表面にレーザ光をスキャニングしながら照射して、単位照射領域としての第1のセルと単位非照射領域としての第2のセルとを所望の配列パターンでマトリックス状に配置してなる二次元バーコードをマーキングする二次元バーコードのレーザマーキング方法において、前記二次元バーコードの中で位置検出用の所定のパターンを形成するための平面的に連続する複数個の前記第1のセルからなる一定連続セル領域内で前記レーザ光のビームスポットを少なくとも2個以上のセルにわたり1つまたは複数のルートでループ状または渦巻き状にスキャニングして前記一定連続セル領域のほぼ全域に照射領域を形成する工程と、前記二次元バーコードの中の前記一定連続セル領域以外の各々の前記第1のセル内で前記レーザ光のビームスポットを所定のピッチで1回または複数回一定方向に直線的にスキャニングして照射領域を形成する工程とを有することを特徴とする。
【0018】
本発明のレーザマーキング装置は、被加工物にスキャニング方式でレーザ光を照射して、単位照射領域としての第1のセルと単位非照射領域としての第2のセルとを所望の配列パターンでマトリックス状に配置してなる二次元バーコードをマーキングするレーザマーキング装置であって、所望の二次元バーコードについてそのパターンを規定する描画データを所望のデータ管理コードに対応させて設定するパターン設定手段と、前記所望の二次元バーコードの中で位置検出用の所定のパターンを形成するための平面的に連続する複数個の前記第1のセルからなる一定連続セル領域に対するマーキング特性を規定する条件データを所望の第1の条件コードに対応させて設定する第1の条件設定手段と、前記所望の二次元バーコードの中で前記一定連続セル領域以外の各々の前記第1のセルに対するマーキング特性を規定する条件データを所望の第2の条件コードに対応させて設定する第2の条件設定手段と、選択された前記データ管理コードに対応する前記描画データと前記第1の条件コードに対応する前記条件データとにしたがって前記一定連続セル領域に対するマーキングを実行する第1のマーキング実行手段と、選択された前記データ管理コードに対応する前記描画データと前記第2の条件コードに対応する前記条件データとにしたがって前記一定連続セル領域以外の各々の前記第1のセルに対するマーキングを実行する第2のマーキング実行手段とを具備する。
【0019】
本発明において、渦巻き状とは、中心部から外周に向かって、またはその反対に外周から中心部に向かって、任意の形状で回りながら連続的または断続的に進行することを意味する。したがって、円形の渦巻き形状だけでなく、四角形等のような多角形状の渦巻き形状をも含み、さらには円形の渦巻き形状と多角形の渦巻き形状を合成した渦巻き形状をも含む。
【0020】
また、本発明において、ループ状とは、所定の1つの点を始点かつ終点として該始点から任意のルートで連続的または断続的に進行して該終点に達することを意味する。したがって、円形のループ形状だけでなく、四角形等のような多角形状のループ形状をも含み、さらには円形のループ形状と多角形のループ形状を合成したループ形状をも含む。
【0021】
また、本発明において、単位照射領域および単位非照射領域はレーザ光の照射の有無によって光学的に読み取り可能とされる2種類の単位領域(セル)を意味し、必ずしも黒色および白色である必要はない。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図20を参照して本発明の一実施形態を説明する。
【0023】
図1に、本発明の一実施形態によるスキャニング式YAGレーザマーキング装置の外観を示す。このYAGレーザマーキング装置は、制御電源ユニット11とレーザ発振ユニット17とスキャニング・ヘッド20とを有する。
【0024】
制御電源ユニット11において、上部室には表示部のディスプレイ13や各種手動式ボタン(特にスタートボタン15)が設けられ、中間室(前扉14の奥)にはキーボードや制御基板が設けられ、下部室(前扉16の奥)にはレーザ電源回路やレーザ冷却装置等が配置されている。中間室内の制御部より発生されたスキャニング制御信号は所定の信号線(図示せず)を介してスキャニング・ヘッド20へ伝送される。スキャニング・ヘッド20はレーザ発振ユニット17のレーザ出射口に取り付けられ、ヘッド20の真下に作業台18が配置されている。この作業台18の上で、被加工物Wにレーザマーキングが施される。
【0025】
図2に、制御電源ユニット11およびレーザ発振ユニット17内の要部の構成を示す。
【0026】
レーザ発振ユニット17内には、マーキング用のYAGレーザ光LM を発振出力するためのYAGレーザ発振器22が設けられるとともに、可視性たとえば赤色のガイド光LG を発生するための半導体レーザ24も設けられている。
【0027】
YAGレーザ発振器22より発振出力されたYAGレーザ光LM は、先ずミラー26で光路が直角に曲げられ、次にミラー28で光路が直角に曲げられてから直進してスキャニング・ヘッド20へ送られる。半導体レーザ24より発生されたガイド光LG は、先ずミラー30で光路が直角に曲げられ、次にミラー32で光路が直角に曲げられてからミラー28を裏側から透過し、そのまま直進してスキャニング・ヘッド20へ送られる。
【0028】
制御電源ユニット11内には、YAGレーザ電源部34、半導体レーザ電源部36、制御部38、入力部40、表示部42、記憶部44、インタフェース回路46等が設けられている。
【0029】
YAGレーザ電源部34は、制御部38の制御の下でYAGレーザ発振器22内のレーザ励起手段たとえば励起ランプに励起電流Iを供給する。半導体レーザ電源部36は、制御部38の制御の下で半導体レーザ24に励起用電力を供給する。
【0030】
入力部40は、手動式ボタン類、キーボード、マウス、イメージスキャナ等の入力装置を含んでいる。表示部42は、制御部38からの画像または文字データおよび表示制御にしたがってディスプレイ13に画面を映し出す。記憶部44は、所要の各種プログラムおよび各種設定・測定・演算データを格納する。インタフェース回路46は、外部装置(図示せず)とデータや制御信号等をやりとりするために用いられる。
【0031】
制御部38は、マイクロコンピュータからなり、記憶部44に蓄積されている所定のソフトウェアにしたがって所要のデータ処理を行い、装置内の各部を制御する。また、制御部38は、後述するようなスキャニング・ヘッド20におけるスキャニング動作を制御するためのスキャニング制御信号を信号線48を介してヘッド20内のスキャニング駆動回路に供給する。また、YAGレーザ発振器22には大きなピークパワーを有する繰り返しパルスレーザ光を得るためのQスイッチ(図示せず)が内蔵されており、制御部38は制御線50を介してこのQスイッチの制御を行う。
【0032】
図3に、スキャニング・ヘッド20内のスキャニング機構の構成例を示す。このスキャニング機構は、互いに直交する回転軸52a,54aに取り付けられたX軸スキャン・ミラー52およびY軸スキャン・ミラー54と、両ミラー52,54をそれぞれ回転振動(首振り)させるX軸ガルバノメータ56およびY軸ガルバノメータ58を有している。
【0033】
スキャニング・ヘッド20内に入って来たレーザ発振ユニット17からのレーザ光LM およびガイド光LG は、先ずX軸スキャン・ミラー52に入射して、そこで全反射してからY軸スキャン・ミラー54に入射し、このミラー54で全反射してのちfθレンズ60を通って被加工物Wのマーキング加工面に集光照射する。マーキング面上のビームスポットBSの位置は、X方向においてはX軸スキャン・ミラー52の振れ角によって決まり、Y方向においてはY軸スキャン・ミラー54の振れ角によって決まる。
【0034】
X軸スキャン・ミラー52は、X軸ガルバノメータ56の駆動で矢印A,A’方向に回転振動(首振り)する。一方、Y軸スキャン・ミラー54は、Y軸ガルバノメータ58の駆動で矢印B,B’方向に回転振動(首振り)する。
【0035】
X軸ガルバノメータ56には、X軸スキャン・ミラー52に結合された可動鉄片(回転子)と、この可動鉄片に接続された制御バネと、固定子に取り付けられた駆動コイルとが内蔵されている。X軸ガルバノメータ駆動回路(図示せず)よりX方向スキャニング制御信号に応じた駆動電流が電気ケーブル62を介してX軸ガルバノメータ56内の該駆動コイルに供給されることで、該可動鉄片(回転子)が該制御バネに抗してX軸スキャン・ミラー52と一体にX方向スキャニング制御信号の指定する角度に振れるようになっている。
【0036】
Y軸ガルバノメータ58も同様の構成を有しており、Y軸ガルバノメータ駆動回路(図示せず)よりY方向スキャニング制御信号に応じた駆動電流が電気ケーブル64を介してY軸ガルバノメータ58内の駆動コイルに供給されることで、Y軸ガルバノメータ58内の可動鉄片(回転子)がY軸スキャン・ミラー54と一体にY方向スキャニング制御信号の指定する角度に振れるようになっている。
【0037】
したがって、レーザ発振ユニット17からのレーザ光LM およびガイド光LG がスキャニング・ヘッド20内に所定のタイミングで入ってくる度に、それと同期して両ガルバノメータ56,58がX方向およびY方向スキャニング制御信号に応じてX軸スキャン・ミラー52およびY軸スキャン・ミラー54をそれぞれ所定の角度で振ることにより、被加工物Wのマーキング面上でレーザ光LM およびガイド光LG のビームスポットBSがスキャニングされ、所望のパターンがマーキングされる。
【0038】
次に、本実施態様における二次元バーコードの作成のための設定入力について説明する。なお、以下の説明では、マトリックス式の二次元バーコードとしてQRコードを例にとる。
【0039】
図4に、設定入力モードにおける制御部38の処理をフローチャートで示す。この設定入力モードでは、表示部40のディスプレイ13に図5に示すような『編集画面』を映し出し、入力部42のマウスやキーボード等より入力される二次元バーコードの要素の設定値を取り込む(ステップA1 )。入力された各種設定値は、画面上のデータ設定部70の各欄に表示される。QRコードの場合、二次元バーコードの要素には、本来または正味のデータ(バーコード情報)のほかに、モデルの種類や誤り訂正のレベル等が含まれる。
【0040】
図5の『編集画面』において、データ設定部70の下部にはパターンデータ入力部72が設けられている。ユーザがこのパターンデータ入力部78のデータ記入欄の中に所望のバーコード情報たとえば“012345678”をキーボード等から画面入力すると、制御部38は、入力されたバーコード情報“012345678”をQRコードの二次元コードにエンコードして、図6に示すようなビットマップ形式(BMP)のデータファイルを作成する(ステップA2 )。このビットマップ形式の二次元コードにおいて、「1」、「0」は目的とする二次元バーコードにおける照射セルたとえば黒セル(第1のセル)、非照射セルまたは白セル(第2のセル)にそれぞれ対応している。
【0041】
次に、制御部38は、上記ビットマップ形式の二次元コードをレーザスキャニング用のマーキングデータに変換する(ステップA3 )。このマーキングデータは、目的とするQRコードの二次元バーコードにおいて、各セルの位置、特に黒セルCEBの位置を表すセル位置データと、各切出しシンボルの位置を表す切出しシンボル位置データと、各黒セルCEB 内でレーザビームスポットBSを所定の描画パターンで渦巻き状にスキャニングさせるための単位セル内描画データと、各切出しシンボルの一定連続セル領域内でレーザビームスポットを少なくとも2個以上のセルにわたり1つまたは複数のルートでループ状または渦巻き状にスキャニングさせるための一定連続セル内描画データとを含む。制御部38は、このマーキングデータを記憶部42の所定の記憶エリアに格納しておく(ステップA4)。
【0042】
図7に、一定連続セル領域内描画データによって規定される一定連続セル領域内描画パターンの例を示す。図示のように、各切出しシンボル10において、外側の正方形枠部(□)10aに対しては複数本たとえば4本の同心四角枠状またはループ状の描画パターンPA(1)〜PA(4)と相似な基本パターンが予め登録されている。内側の正方形塗り潰し部(■)10bに対しても四角形の渦巻き状のパターンPBと相似な基本パターンが予め登録されていてよい。当該二次元バーコードのサイズ(設定値)に対応した切出しシンボル10のサイズに適合するように各基本パターンを座標変換することで、切出しシンボル10に対する一定連続セル領域内描画パターンPA(1)〜PA(4)、PBをそれぞれ表す一定連続セル領域内描画データが得られる。
【0043】
図7の例の場合、外側の正方形枠部(□)10aに設定される描画パターンPA(1)〜PA(4)のうち、最外周のパターンPA(1)は、正方形枠部(□)10aの外側端部を一周するようにしてこの領域10a内の全ての黒セルCEBを縦断または横断する正方形枠状のパターンであり、各角部の屈曲点Ea1,Ea2,Ea3,Ea4の座標またはそれらの点を結ぶベクトルによって定義される。また、最内周のパターンPA(4)は、正方形枠部(□)10aの内側端部を一周するようにしてこの領域10a内の全ての黒セルCEBを縦断または横断する正方形枠状のパターンであり、各角部の屈曲点Ed1,Ed2,Ed3,Ed4の座標またはそれらの点を結ぶベクトルによって定義される。中間のパターンPA(2),PA(3)は両端部のパターンPA(1),PA(4)の間に一定の間隔を置いて設定される相似な正方形枠状のパターンであり、上記と同様にして定義される。これら正方形枠状のパターンPAは任意の個数に設定できる。
【0044】
図7の例において、内側の正方形塗り潰し部(■)10bに設定される四角形の渦巻き状のパターンPBは、領域10bの中心付近から所定の塗り潰しピッチPで外側へ渦巻き状に広がって領域10b内の全ての黒セルCEBを通過し、領域の外に出る(抜ける)直前で終端する四角形の渦巻き状パターンであり、当該塗り潰し部(■)10bのサイズ(幅W、高さH)と塗り潰しピッチPとによって定義される。
【0045】
図8に、単位描画データによって規定される単位描画パターンの例を示す。単位描画パターンは、上記した正方形塗り潰し部(■)10bに対するパターンPBと同様の四角形の渦巻き状パターンであり、セルのサイズ(幅w、高さh)と塗り潰しピッチpとによって定義される。
【0046】
設定入力モードでは、上記したような二次元バーコード要素の設定入力のほかに、図9に示すような『メイン画面』でマーキング動作の条件(パラメータ)たとえばQスイッチ周波数、スキャニング速度、電流等の各種条件データが設定入力される。
【0047】
図9において、『メイン画面』は、画面左端部から中央部にわたって広がるパターン表示部74と、このパターン表示部74の右側に表示されるデータ設定部76と、画面下部一列に表示される機能ボタン群78とから構成される。データ設定部76には、「起動番号」、「条件番号」、「スピード」、「Qスイッチ周波数」、「電流」の各項目が縦一列に配置されている。ユーザは、各項目について、カーソルで指示してキーボードからキー入力するか、あるいは右端のアップ/ダウンボタン(▲/▼)にマウスポインタを当ててマウスをクリック操作することで、所望の数字データを入力または選択することができる。入力された数値データは、当該項目の表示欄に表示される。
【0048】
最上部の「起動番号」項目には、1つの単位パターンに関する全てのデータ(特に描画データと条件データ)を一括管理するための起動番号(データ管理コード)が設定入力される。本実施例では、複数個たとえば256個の起動番号[000]〜[255]が予め用意されている。ユーザがこの「起動番号」項目で所望の番号たとえば“005”を入力または選択すると、本装置(特に制御部38)はこの選択された起動番号[005]で管理(ポイント)している全ての設定データをメモリ(記憶部44)から検索し、検索したデータの中の主要なデータ(条件データ、描画データ等)を画面上に表示する。また、本実施例では、各起動番号に固有のファイル名(たとえば起動番号[005]にはファイル名“QR.MKG”)が割り付けられており、この対応するファイル名も「起動番号」項目に隣接して表示される。
【0049】
上記「起動番号」項目の下に「条件番号」項目が設けられている。条件番号は、マーキング特性または動作を規定するパラメータ的な条件データを管理するためのコードである。本実施例では、複数個たとえば256個の条件番号[001]〜[256]が予め用意されており、ユーザは所望の条件番号の下で「スピード」(スキャニング速度)、「Qスイッチ周波数」および「電流」(励起電流)の各マーキング条件項目について所望の設定値を入力または選択できるようになっている。図9の例では、起動番号[005]の下で条件番号[001]を選択し、この条件番号[001]の下で「スピード」を“100”mm/s、「Qスイッチ周波数」を“4.0”kHz、「電流」を“12.0”Aにそれぞれ設定している。
【0050】
記憶部44には、所定のデータ管理プログラムの下で図10に示すように各条件番号[001]〜[256]と各種マーキング条件の設定データとを対応づけるテーブルが構築されている。ユーザが『メイン画面』(図9)の「条件番号」項目で所望の番号たとえば“001”を入力または選択すると、制御部38はこの条件テーブルを基に条件番号[001]に対応する「スピード」、「Qスイッチ周波数」および「電流」のそれぞれの条件データを検索し、検索したデータ(データが設定されていない場合は所定のデフォルト値)を該当条件項目の表示欄に表示する。また、『メイン画面』上で「スピード」、「Qスイッチ周波数」、「電流」のいずれかの条件項目でデータが変更されると、その度毎にテーブル(図10)内の設定データも更新される。
【0051】
『メイン画面』(図9)のパターン表示部74には、「起動番号」項目で選択されている起動番号(“005”)の下で設定されている二次元バーコード(QRコード)のパターンが表示される。このバーコードパターンの描画データは、上記したように図5の『編集画面』上で設定入力されている。『メイン画面』(図9)で「編集」ボタンをクリックすると『編集画面』(図5)に切り換わり、『編集画面』(図5)で「戻り」ボタンをクリックすると『メイン画面』(図9)に切り換わるようになっている。
【0052】
ところで、このレーザマーキング装置では、QRコードにおいて、切出しシンボル10の一定連続セル領域(10a,10b)に対するマーキング条件(「スピード」、「Qスイッチ周波数」、「電流」)とデータ領域12内の各黒セルCEBに対するマーキング条件とをそれぞれ個別に設定できるようになっている。
【0053】
この実施態様では、『メイン画面』(図9)で選択された条件番号(“001”)が当該起動番号(“005”)における第1条件番号として設定され、この第1条件番号(“001”)の条件データが切出しシンボル10の一定連続セル領域(10a,10b)に対するマーキング条件の設定値に選ばれる。一方、『編集画面』(図5)において、データ設定部70の最下欄の項目である「マーキング条件」のボタン(▼)をクリックすると、図12に示すように、上記条件テーブル(図10)の設定内容が副画面の『マーキング条件画面』として表示される。この副画面の中で所望の条件番号(たとえば“002”)を選択して「設定」ボタンをクリックすると、その選択された条件番号(“002”)が当該起動番号(“005”)における第2条件番号として設定され、この第2条件番号(“002”)の条件データがデータ領域12内の各黒セルCEBに対するマーキング条件の設定値に選ばれる。
【0054】
記憶部44には、所定のデータ管理プログラムの下で図11に示すように各起動番号[000]〜[255]に現在割り当てられている第1および第2条件番号を参照するための対照テーブルが構築されている。いずれか1つの起動番号が選択されると、制御部38はこの対照テーブルに基づいて当該起動番号に対応する第1および第2条件番号を検索し、検索した第1および第2条件番号にそれぞれ対応する各種条件データを上記条件テーブル(図10)から検索するようになっている。
【0055】
次に、本実施例においてQRコードの二次元バーコードを作成するためのマーキング動作について説明する。
【0056】
ディスプレイ13の画面が『メイン』になっている状態の下でユーザが操作パネル上の手動式スタートボタン15を押すと、あるいは外部装置より起動番号を指定する所定のスタート信号を本装置に(インタフェース回路46を介して制御部38)に与えると、マーキング動作が実行される。
【0057】
図13に、本実施例のマーキング実行モードにおける制御部38の処理手順を示す。マーキング実行モードに入ると、制御部38は、先ず所要の初期化を行い(ステップB1)、それから切出しシンボル10に対するマーキングを実行し(ステップB2)、次いでデータ領域12内の各黒セルCEBに対するマーキングを実行する(ステップB3)。なお、これら2段階のマーキング動作(ステップB2,B3)の実行順序を逆にすることも可能である。
【0058】
初期化処理(ステップB1)で、制御部38は、指定された起動番号を識別し、その起動番号に対応する第1および第2条件番号をメモリ(対照テーブル)から検索する。また、両マーキング動作に共通の各種設定値をメモリから検索するとともに、装置内の各部を必要に応じてリセット状態または起動状態にする。特に、YAGレーザ電源部34およびガイド光レーザ電源部36を通じてそれぞれYAGレーザ発振器22およびガイド光レーザ24を作動させ、YAGレーザ光LM およびガイド光LG をそれぞれ点灯させる。
【0059】
図14に、切出しシンボル10に対するマーキング動作を実行するための制御部38の処理手順を示す。
【0060】
先ず、所要の描画データ(一定連続セル内描画データ)および条件データ(今回指定された起動番号における第1条件番号の条件データ)を所定の記憶領域またはレジスタにセットする(ステップC1)。
【0061】
次に、上記セットされた描画データおよび条件データに応じたスキャニング制御信号をスキャニング・ヘッド20に送り、被加工物W表面の二次元バーコード・マーキング領域中の所定部位たとえば右上の角隅の切出しシンボル10において(ステップC2)、先ず外側の正方形枠部(□)10a内でYAGレーザ光LMおよびガイド光LG のビームスポットBSを4つのルートPA(1)〜PA(4)でループ状にスキャニングさせる(ステップC2,C3)。
【0062】
この場合、たとえば、最初に最外周のルートPA(1)に沿って正方形枠部10a内を一周スキャニングし、次に1つ隣(内側)のルートPA(2)に沿って正方形枠部(□)10a内を一周スキャニングし、最後に最内周のルートPA(4) に沿って正方形枠部(□)10a内を一周スキャニングするようにしてよい。各ルートPA(i)におけるスキャニングの進行方向は時計回りまたは反時計回りのいずれでもよい。
【0063】
上記のようなスキャニング動作により、被加工物W表面上では、当該切出しシンボル10の正方形枠部(□)10aの領域において、YAGレーザ光LM のビームスポットBSの当たった被加工物表面の微小部分がレーザエネルギーで瞬間的に蒸発または変色し、ビームスポットBSの通った跡に描画パターンPA(1)〜PA(4)と同様のループ状パターンがマーキング(刻印)される。この結果、この領域10aの全域にわたり連続した黒(照射)領域が得られる。
【0064】
次に、同じ切出しシンボル10の正方形塗り潰し部(■)10b内で、レーザビームスポットBSをルートPBに沿って渦巻き状にスキャニングさせる(ステップC4)。この場合、渦巻きスキャニングの進行方向は内側(中心部)から外側へ向う方向にすると、中心位置がしっかりするため、より良質なマーキング結果が得られる。もっとも、その逆の向きに(外側から内側へ)スキャニングすることも可能である。
【0065】
上記のようなスキャニング動作により、被加工物W表面上では、当該切出しシンボル10の正方形塗り潰し部(■)10bの領域において、YAGレーザ光LM のビームスポットBSの当たった被加工物表面の微小部分がレーザエネルギーで瞬間的に蒸発または変色し、ビームスポットBSの通った跡に描画パターンPBと同様のループ状パターンがマーキング(刻印)される。この結果、この領域10bの全域にわたり連続した黒(照射)領域が得られる。
【0066】
上記のようにして1個の切出しシンボル10に対するレーザマーキング動作が終了する。他の部位の切出しシンボル10に対しても上記と同様の手順でマーキング動作が行われる(ステップC5→C6→C7→C2〜C5‥)。
【0067】
図15に、データ領域12内の黒セルCEBに対するマーキング動作を実行するための制御部38の処理手順を示す。
【0068】
先ず、所要の描画データ(単位黒セル内描画データ)および条件データ(今回指定された起動番号における第2条件番号の条件データ)を所定の記憶領域またはレジスタにセットする(ステップD1)。
【0069】
そして、上記セットされた描画データおよび条件データに応じたスキャニング制御信号をスキャニング・ヘッド20に送り、被加工物W表面に設定されているデータ領域12中の所定の1番目の黒セルCEB 内で、YAGレーザ光LMおよびガイド光LG のビームスポットBSを単位描画パターンPCで渦巻き状にスキャニングさせる(ステップD2,D3)。
【0070】
このスキャニング動作により、被加工物Wの表面上では、データ領域12中の当該黒セルCEBにて、YAGレーザ光LM のビームスポットBSの当たった被加工物表面の微小部分がレーザエネルギーで瞬間的に蒸発または変色し、ビームスポットBSの通った跡に単位描画パターンPCと同様の渦巻き状のパターンがマーキング(刻印)され、単位照射領域が形成される。
【0071】
上記のようにして1番目の黒セルCEB 内での渦巻きスキャニングが終了したなら、そのスキャニング終点(セル端部)からそれに近接した2番目の黒セルCEB のスキャニング開始点(セル中心点 )までレーザビームスポットBSを飛び越しさせる(ステップD4→D5→D6→D2)。そして、この2番目の黒セルCEB 内でも、上記と同様の単位描画パターンPCで渦巻き状にビームスポットBSをスキャニングさせる。
【0072】
以下、3番目以降の各黒セルCEB についても上記と同様の渦巻きスキャニングを繰り返し、最後の黒セルCEB 内での渦巻きスキャニングが終了した時点でデータ領域12内の全マーキング動作を終える(D2→D3→D4→D5→D7)。
【0073】
図16に、本実施例における上記マーキング動作で得られるQRコードの二次元バーコードの全体パターンの一例を示す。図示のように、被加工物W表面のバーコードマーキング位置にて、各切出しシンボル10の正方形枠部(□)10aの領域には描画パターンPA(1)〜PA(4)でループ状のマーキングが形成され、各切出しシンボル10の正方形塗り潰し部(■)10bの領域には描画パターンPBで渦巻き状のマーキングが形成され、データ領域12内の全ての黒セルCEB内には同一の描画パターンPCで渦巻き状のマーキングが形成される。切出しシンボル10およびデータ領域12のいずれにおいても、白セルCEW 内は何のマーキングも形成されず、被加工物Wの表面が元のままの状態で露出している。
【0074】
上記したように、本実施例では、QRコードの二次元バーコードにおいて、各切出しシンボル10の一定連続セル領域(10a,10b)についてはレーザビームスポットBSを複数個のセルにわたり1つまたは複数のルートでループ状または渦巻き状にスキャニングし、データ領域12内の各黒セルCEBについては各セルCEB内でレーザビームスポットBSを渦巻き状にスキャニングする。
【0075】
このようなレーザマーキング方式によれば、各切出しシンボル10の一定連続セル領域(10a,10b)内の全域または全セルを短時間で効率よく、しかも殆ど隙間(非照射部分)なく一定パターンの連続黒(照射)領域とすることができるとともに、データ領域12内の各黒セルCEBを効率よくほぼ正方形の単位黒(照射)領域とすることができる。
【0076】
さらに、本実施例のマーキング動作では、切出しシンボル10の一定連続セル領域(10a,10b)とデータ領域12内の各黒セルCEBとでスキャニング方式が異なるだけでなく、それぞれ第1条件番号および第2条件番号で条件データを設定可能としており、各スキャニング方式ないし領域毎に最適な条件でマーキングを行えるようになっており、この面でもマーキング品質の更なる改善をはかっている。なお、切出しシンボル10の正方形枠部(□)10aと正方形塗り潰し部(■)10bとで条件データをそれぞれ別個に設定する装置構成とすることも可能である。
【0077】
上記した実施例におけるスキャニング方式は一例であり、種々の変形が可能である。たとえば、図17に示すように、各切出しシンボル10において、正方形枠部(□)10aの領域内ではレーザビームスポットBSを1つのルートPDで渦巻き状にスキャニングし、正方形塗り潰し部(■)10bの領域内でレーザビームスポットBSを複数たとえば5つのルートPE(1)〜PE(5)でループ状にスキャニングすることによっても、各一定連続セル領域(10a,10b)を上記と同様の効率および精度で一定パターンの連続黒(照射)領域とすることができる。
【0078】
また、正方形枠部(□)および正方形塗り潰し部(■)10bの双方において、渦巻き状にスキャニングしてもよく、あるいはループ状にスキャニングしてもよい。渦巻き状のスキャニングでも、各一定連続セル領域内で複数のルートを設定することが可能である。また、渦巻きまたはループの各ルート上でスキャニングを断続させることも可能である。
【0079】
データ領域12内の各黒セルCEBにおいても、上記した実施例における四角形の渦巻き状の単位描画パターンPCは一例であり、外にも種々の渦巻き状描画パターンが可能であり、たとえば円形の渦巻き状パターンや他の多角形渦巻き状パターンも可能である。
【0080】
本発明の方法および装置は、QRコード以外にも一定連続セル領域からなる位置検出用のパターンを有する任意の二次元バーコードに適用可能である。たとえば、図18に示すようなデータコードにおいては、左辺および下辺に延在するL型ガイドセルが位置検出用の特殊パターンであり、1つの一定連続セル領域を形成している。このようなデータコードにおいて、本発明にしたがい、たとえば図19に示すようなスキャニング方式により所望の二次元バーコードを作成することができる。
【0081】
図19の例では、L型ガイドセルの領域内でレーザビームスポットをL状のルートでループ状にスキャニングして、この領域のほぼ全域を連続黒領域としている。L型ガイドセルの対辺(上辺および右辺)に黒セルCEBと白セルCEWとを交互に配列してなるタイミングセルにおいては、各黒セルCEBが離散的または非連続で分布しているので、データ領域と同様に各黒セルCEB毎に渦巻き状にスキャニングしている。
【0082】
なお、データ領域やタイミングセル内のランダムまたは離散的な黒セルに対しては、図20に示すように一定間隔で複数本の直線的スキャニングSGを繰り返すようなラスタ方式のレーザマーキング法を使用することも可能である。
【0083】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、マトリクス式二次元バーコードに係るレーザマーキングの効率および品質を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるスキャニング式YAGレーザマーキング装置の外観を示す斜視図である。
【図2】実施例装置における制御電源ユニットおよびレーザ発振ユニット内の要部の構成を示すブロック図である。
【図3】実施例装置におけるスキャニング・ヘッド内のスキャニング機構の構成例を示す斜視図である。
【図4】実施例における設定入力のための制御部の処理を示すフローチャートである。
【図5】実施例における設定入力画面(『編集画面』)を示す略正面図である。
【図6】実施例におけるビットマップ形式の二次元コードを示す図である。
【図7】実施例における描画データによってQRコードの切出しシンボルについて規定される描画パターンの例を示す図である。
【図8】実施例における描画データによってQRコードのデータ領域内の各黒セルについて規定される描画パターンの例を示す図である。
【図9】実施例における設定入力画面(『メイン画面』)を示す略正面図である。
【図10】実施例において各条件番号と各種マーキング条件の設定データとを対応付けるテーブルを示す図である。
【図11】実施例において起動番号と条件番号を対応付けるテーブルを示す図である。
【図12】実施例において第2条件番号の条件データを設定する機能を説明するための設定入力画面(『編集画面』)を示す略正面図である。
【図13】実施例におけるマーキング動作のための制御部の大まかな処理手順を示すフローチャートである。
【図14】実施例においてQRコードの切出しシンボルに対するマーキング動作のための制御部の処理手順を示すフローチャートである。
【図15】実施例においてデータ領域内の各黒セルに対するマーキング動作のための制御部の処理手順を示すフローチャートである。
【図16】実施例におけるマーキング動作で得られるQRコードの二次元バーコードのマーキングパターンの一例を示す図である。
【図17】実施例において切出しシンボルに対するスキャニング方式の一変形例を示す図である。
【図18】データコードによる二次元バーコードの表示パターンを示す図である。
【図19】実施例におけるマーキング動作で得られるデータコードの二次元バーコードのマーキングパターンの一例を示す図である。
【図20】実施例においてデータ領域内の各黒セルに使用可能なラスタ方式のレーザマーキング方法を示す図である。
【図21】QRコードによる二次元バーコードの表示パターンを示す図である。
【図22】QRコードに対する先願発明のレーザマーキング方法を示す図である。
【符号の説明】
13 ディスプレイ
20 スキャニング・ヘッド
22 YAGレーザ発振器
38 制御部
40 入力部
42 表示部
44 記憶部
W 被加工物
70,76 データ設定部
74 パターン表示部

Claims (3)

  1. 被加工物の表面にレーザ光をスキャニングしながら照射して、単位照射領域としての第1のセルと単位非照射領域としての第2のセルとを所望の配列パターンでマトリックス状に配置してなる二次元バーコードをマーキングする二次元バーコードのレーザマーキング方法であって、
    前記二次元バーコードの中で位置検出用の一定のパターンを形成するための平面的に連続する複数個の前記第1のセルからなる一定連続セル領域内で、前記レーザ光のビームスポットを少なくとも2個以上のセルにわたり1つまたは複数のルートでループ状または渦巻き状にスキャニングして、前記一定連続セル領域のほぼ全域に照射領域を形成する工程と、
    前記二次元バーコードの中の前記一定連続セル領域以外の各々の前記第1のセル内で前記レーザ光のビームスポットを渦巻き状にスキャニングして照射領域を形成する工程と
    を有することを特徴とするレーザマーキング方法。
  2. 被加工物の表面にレーザ光をスキャニングしながら照射して、単位照射領域としての第1のセルと単位非照射領域としての第2のセルとを所望の配列パターンでマトリックス状に配置してなる二次元バーコードをマーキングする二次元バーコードのレーザマーキング方法であって、
    前記二次元バーコードの中で位置検出用の所定のパターンを形成するための平面的に連続する複数個の前記第1のセルからなる一定連続セル領域内で、前記レーザ光のビームスポットを少なくとも2個以上のセルにわたり1つまたは複数のルートでループ状または渦巻き状にスキャニングして、前記一定連続セル領域のほぼ全域に照射領域を形成する工程と、
    前記二次元バーコードの中の前記一定連続セル領域以外の各々の前記第1のセル内で前記レーザ光のビームスポットを所定のピッチで1回または複数回一定方向に直線的にスキャニングして照射領域を形成する工程と
    を有することを特徴とするレーザマーキング方法。
  3. 被加工物にスキャニング方式でレーザ光を照射して、単位照射領域としての第1のセルと単位非照射領域としての第2のセルとを所望の配列パターンでマトリックス状に配置してなる二次元バーコードをマーキングするレーザマーキング装置であって、
    所望の二次元バーコードについてそのパターンを規定する描画データを所望のデータ管理コードに対応させて設定するパターン設定手段と、
    前記所望の二次元バーコードの中で位置検出用の所定のパターンを形成するための平面的に連続する複数個の前記第1のセルからなる一定連続セル領域に対するマーキング特性を規定する条件データを所望の第1の条件コードに対応させて設定する第1の条件設定手段と、
    前記所望の二次元バーコードの中で前記一定連続セル領域以外の各々の前記第1のセルに対するマーキング特性を規定する条件データを所望の第2の条件コードに対応させて設定する第2の条件設定手段と、
    選択された前記データ管理コードに対応する前記描画データと前記第1の条件コードに対応する前記条件データとにしたがって前記一定連続セル領域に対するマーキングを実行する第1のマーキング実行手段と、
    選択された前記データ管理コードに対応する前記描画データと前記第2の条件コードに対応する前記条件データとにしたがって前記一定連続セル領域以外の各々の前記第1のセルに対するマーキングを実行する第2のマーキング実行手段とを具備することを特徴とするレーザマーキング装置。
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