JP4098595B2 - テーブルにおける天板の補強構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、テーブルにおける天板の補強構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種のものとしては、天板の各辺と平行に配設した支持枠体の端末にコーナージョイントを連結し、各コーナージョイントの端末に設けた輪状体を、天板のコーナー部の下方において上下に重ね、脚の上部に挿着したジョイント軸を、下方の輪状体を挿通させて、上方の輪状体に螺締するようにしたものがある(例えば特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特公平7−111205号(第1〜3頁、図1)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような従来のものにおいては、支持枠体が天板の全周にわたって配設され、天板の下面より垂下しているので、天板の下方に、キャスタ付のワゴンや袖箱等の一部または全部を挿入して使用する場合、ワゴン等の高さを、天板の下面の高さより、さらに支持枠体の上下方向の寸法分だけ低くしなければならず、ワゴン等の収容スペースが制限される。
【0005】
上述の従来のものから、天板の前縁の下面における支持枠体は取り除いて使用すると、天板の下面の高さに近い高さのワゴン等を天板の下方に進入させることができるが、そのようにすると、左右1対の前脚の天板への取付強度、特に左右方向への倒れに対する取付強度が低下するという問題がある。
【0006】
本発明は、従来の技術が有する上記のような問題点に鑑み、天板の前縁下面に補強枠を設けないことにより、天板の下方への高寸のワゴン等の進入を可能とするとともに、前脚の左右方向への倒れに対する天板への取付強度が低下しないようにした、構造が簡単で組付けが容易なテーブルにおける天板の補強構造を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によると、上記課題は次のようにして解決される。
(1) 天板の前辺と両側辺とにより形成される左右のコーナー部の下面に、前記各側辺と平行をなす補強杆と、前記前辺とほぼ平行をなす、前記補強杆より短寸の補強部材とを、前記コーナー部において交差するようにして、それらのコーナー部側の端部に設けた連結部を互いに上下に重ね、かつそれらの中央を貫通するボルトをもって、その下方に設けた脚とともに締着して、固着し、また、天板における前辺の両側部のコーナー部を除く他のコーナー部の下面に、各コーナー部を挟む天板の2辺と平行をなす1対の補強杆を固着するとともに、両補強杆における各コーナー部の端部に、上下に重なる連結部を設け、両連結部と、その下方に設けた脚の上端部とを、前記両連結部の中央を貫通するボルトをもって互いに締着し、さらに天板の前辺を除く他の辺と平行とした複数の連結杆をもって、互いに隣接するコーナー部の対向する補強杆同士を互いに連結する。
【0008】
(2) 上記(1)項において、補強部材における連結部と反対側の端面に、緩衝材を設ける。
【0009】
(3) 上記(1)または(2)項において、補強部材における連結部と反対側の端面を、上向き傾斜面とする。
【0010】
(4) 上記(1)〜(3)項のいずれかにおいて、天板における後辺の中間部にもコーナー部を設け、このコーナー部の下面に、このコーナー部を挟む天板の左右の後辺と平行をなす1対の補強杆を固着するとともに、両補強杆における前記コーナー部の端部に、上下に重なる連結部を設け、両連結部と、その下方に設けた脚の上端部とを、前記両連結部の中央を貫通するボルトをもって互いに締着し、さらに前記両補強杆と、その左右に隣接する後辺の両側部のコーナー部における対向する補強杆同士を互いに連結する。
【0011】
(5) 上記(1)〜(4)項のいずれかにおいて、上下に対向する連結部の対向面のいずれか一方に円形の突部を、また、他方に、前記突部が回転自在に嵌合される円形の凹部を設け、さらに、両連結部間に、補強杆と補強部材、または1対の補強杆同士が予め定めた複数の交差角度をなすとき、前記突部と凹部との嵌合を可能とし、それ以外は嵌合不能とする交差角度規制手段を設ける。
【0012】
(6) 上記(5)項において、交差角度規制手段が、両連結部の対向面のいずれか一方に設けた少なくとも1個の突起と、補強杆と補強部材、または1対の補強杆同士が予め定めた複数の交差角度をなすとき、前記突起が嵌合しうるように他方に設けられた複数の凹部とからなるものとする。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1〜図6は、本発明の一実施形態を備えるテーブルを示す。
このテーブルは、前縁が波形をなすほぼ方形の天板(1)を備えている。
天板(1)の後両側部のコーナー部(A)(B)の下面には、天板(1)の後辺(1a)と平行をなす補強杆(2)と、天板(1)の各側辺(1b)と平行をなす補強杆(3)とが、この例では90°の交差角度をもって交差するようにして固着されている。
【0014】
各補強杆(2)(3)は、角柱または角管状の本体部(4)の両側方に翼状をなして張り出す取付片(5)(5)が連設され、この取付片(5)を天板(1)の下面に当接して、ねじ(6)止めすることにより、天板(1)に固着されている。
【0015】
各補強杆(2)(3)の本体部(4)(4)における各コーナー部(A)(B)側の端部には、互いに上下に重なる筒状の連結部(7)(8)が設けられ、両連結部(7)(8)の対向面のいずれか一方(この例では上方の連結部(7)の下面)には円形の突部(9)が、また他方の対向面(この例では下方の連結部(8)の上面)には、上記突部(9)が回転自在に嵌合される円形の凹部(10)が設けられている。
【0016】
突部(9)の下端面と、それに対向する凹部(10)の底面とのいずれか一方(この例では凹部(10)の底面)の偏心部には、ピン状の突起(11)が、また他方(この例では突部(9)の下端面)には、両補強杆(2)(3)が予め定めた複数の交差角度(この例では、90°、120°、及び130°)をなすときのみに、上記突起(11)が嵌合しうるようにした複数の凹部(12)が設けられている。
突起(11)の数は、複数とすることもある。
【0017】
下側の連結部(8)の下方には、脚(13)が配設されており、この脚(13)の上端と連結部(8)の下端との対向面のいずれか一方(この例では連結部(8)の下面)には、円形の突部(14)が、また他方(この例では脚(13)の上端面)には、突部(14)が嵌合する凹部(15)が設けられている。
【0018】
脚(13)の凹部(15)の底面中央には、ねじ孔(16)が設けられており、このねじ孔(16)に、両連結部(7)(8)の中央に設けられた通孔(17)を貫通する有頭ボルト(締付手段)(18)の下端部を螺締することにより、両連結部(7)(8)と脚(13)の上端部とが共締めされている。
【0019】
脚(13)の凹部(15)の深さは、下方の連結部(8)の下向きの突部(14)の長さより深く形成してあり、これによって、有頭ボルト(18)により、脚(13)と下方の連結部(8)とを強く締着することができるようにしている。
【0020】
また、下方の連結部(8)の凹部(10)と上方の連結部(7)の突部(9)との関係も、上記と同様とするのが好ましい。
【0021】
天板(1)の前両側部のコーナー部(C)(D)の下面には、天板(1)の両側辺(1b)と平行をなすようにした、上記と同一の補強杆(2)と、天板(1)の前辺(1c)、すなわち前縁とほぼ平行をなすようにした、上記補強杆(2)(3)より短寸の補強部材(19)とが、この例では90°の交差角度をもって交差するようにして固着されている。
【0022】
補強部材(19)は、上記補強杆(2)(3)における本体部(4)に相当する本体部(20)を著しく短くしてあり、その両側方に翼状をなす短寸の取付片(21)(21)が連設されている。この取付片(5)(5)を天板(1)の下面に当接して、ねじ(6)止めすることにより、補強部材(19)は天板(1)に固着されている。
【0023】
本体部(20)の各コーナー部(C)(D)側の端部には、上記補強杆(2)の連結部(7)の下方に重合する筒状の連結部(22)が設けられ、この連結部(22)には、補強杆(3)の連結部(8)における凹部(10)、突起(11)、突部(14)、及び通孔(17)と同一の凹部(図示略)、突起(図示略)、突部(23)、及び通孔(24)が設けられている。
【0024】
補強部材(19)は、後方のコーナー部(A)(B)における補強杆(3)と同様にして、補強杆(2)及び上記と同一の脚(13)に、有頭ボルト(締付手段)(18)をもって共締めされている。
【0025】
補強部材(19)の本体部(20)における連結部(22)が設けられていない方の端部には、上向き傾斜面(25)が形成されており、ここには、ゴム等の緩衝材(26)が固着されている。
【0026】
各補強杆(2)(3)の本体部(4)における連結部(7)(8)が設けられていない方の端部には、本体部(4)より若干小寸とした角管状の差し込み部(27)が設けられ、これらに、天板(1)の後辺(1a)と平行とした角管状の連結杆(28)、及び側辺(1b)と平行とした角管状の連結杆(29)の各端部を外嵌することにより、コーナー部(A)(B)間、(A)(C)間、及び(B)(D)間の補強杆(2)(2)同士、及び補強杆(3)(2)同士が互いに連結され、全体として前方が開口する平面視前向きコ字状の補強枠(30)が形成されている。
【0027】
組立てにあたっては、天板(1)を上下反転させて作業台等に載置しておき、天板(1)の各コーナー部(A)〜(D)用に、2個の補強杆(2)(3)と脚(13)、または補強杆(2)と補強部材(19)と脚(13)を、所望の交差角度をなすようにして、有頭ボルト(18)により締着したものを上下反転させて、上記天板(1)のコーナー部(A)〜(D)上に載置し、その状態で、対向する補強杆(2)(2)の差し込み部(27)(27)及び補強杆(2)(3)の差し込み部(27)(27)に、連結杆(28)(29)(29)の各端部を外嵌し、その後、最終的な位置決めをした上で、各補強杆(2)(3)及び補強部材(19)を、ねじ(6)により天板(1)に固着すればよい。
【0028】
図1〜図6に示す例は、平面視ほぼ直方形の天板(1)に本発明を適用した場合のものであるが、各コーナー部における2個の補強杆(2)(3)の交差角度を、上述した120°または135°に変更することにより、例えば図7に示すように、後部中央に120°の角度のコーナー部(E)を備える平面視ほぼ五角形の天板(31)や、図8に示すように、後部中央に135°の角度のコーナー部(F)を備える平面視ほぼ五角形の天板(32)等に本発明を適用することもできる。
【0029】
また、上述の例では、突起(11)と複数の凹部(12)とにより、1対の補強杆(2)(3)の交差角度規制手段を形成しているが、凹部(10)の内側面と突部(9)の外周面とのいずれか一方に突起またはピンを設け、また他方に、上記突起等が嵌合する複数の凹溝を設け、これらによって交差角度規制手段を形成することもできる。
【0030】
さらに、上述の例では、左右の補強部材(19)(19)を、互いに内方を向くようにして、補強杆(2)の前端の連結部(7)に連結しているが、連結部(7)から天板(1)の外側方を向くようにしてもよい。
【0031】
補強部材(19)と補強杆(2)とのなす交差角度も、上述の例では90°としてあるが、天板(1)のコーナー部(C)(D)の角度に合わせて、120°、135°またはその他の角度とすることができる。
【0032】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によると、天板の前縁下面に補強枠を設けていないので、天板の下方に、高寸の、すなわち天板の下面の高さまでのワゴンや袖箱等を挿入することができる。
しかも前脚の前後方向の倒れは、天板の側縁と平行をなす補強枠によって、また前脚の左右方向の倒れは、天板の前縁と平行をなす補強部材によって、強力に阻止することができる。
さらに、天板の前縁を除くすべての周縁が補強枠により補強され、天板の前縁の両側部が補強部材により補強された強固なテーブルを提供することができる。
また、各コーナー部の補強杆及び補強部材を、長さを異ならせるだけで、すべて同一構造のものとすることができるとともに、組立て要領も同一とすることができるので、製造及び組立てが容易である。
【0033】
請求項2記載の発明によると、天板の下方に挿入したワゴン等の上端側部が補強部材に直接当接または衝突するのを防止し、それらの衝撃を緩和することができる。
【0034】
請求項3記載の発明によると、補強部材の端面の下端角部が、ワゴン等に当接してそれを損傷するのを防止することができる。
【0035】
請求項4記載の発明によると、平面視ほぼ五角形の天板等に本発明を適用することができる。
【0036】
請求項5記載の発明によると、各コーナー部における補強杆と補強部材、及び1対の補強杆同士を、天板の各コーナー部の角度に合わせて、所望の交差角度に簡単に組付けることができるとともに、それらの締着時や天板への固着時等に、上記交差角度が狂うことがない。
【0037】
請求項6記載の発明によると、交差角度規制手段の構造を簡素化し、容易かつ安価に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態を備えるテーブルの底面図である。
【図2】 同じく、天板の後部のコーナー部を内下方より見た斜視図である。
【図3】 同じく、外下方より見た分解斜視図である。
【図4】 同じく、図1のIV−IV線に沿う拡大縦断側面図である。
【図5】 同じく、天板の前部のコーナー部を内下方から見た斜視図である。
【図6】 同じく、分解斜視図である。
【図7】 本発明を、形状の異なる天板に適用したときのテーブルの底面図である。
【図8】 本発明を、さらに別の形状の天板に適用したときのテーブルの底面図である。
【符号の説明】
(1)天板
(1a)後辺
(1b)側辺
(1c)前辺
(2)(3)補強杆
(4)本体部
(5)取付片
(6)ねじ
(7)(8)連結部
(9)突部
(10)凹部
(11)突起
(12)凹部
(13)脚
(14)突部
(15)凹部
(16)ねじ孔
(17)通孔
(18)有頭ボルト(締付手段)
(19)補強部材
(20)本体部
(21)取付片
(22)連結部
(23)突部
(24)通孔
(25)上向き傾斜面
(26)緩衝材
(27)差し込み部
(28)(29)連結杆
(30)補強枠
(31)(32)天板
(A)(B)(C)(D)(E)(F)コーナー部
Claims (6)
- 天板の前辺と両側辺とにより形成される左右のコーナー部の下面に、前記各側辺と平行をなす補強杆と、前記前辺とほぼ平行をなす、前記補強杆より短寸の補強部材とを、前記コーナー部において交差するようにして、それらのコーナー部側の端部に設けた連結部を互いに上下に重ね、かつそれらの中央を貫通するボルトをもって、その下方に設けた脚とともに締着して、固着し、また、天板における前辺の両側部のコーナー部を除く他のコーナー部の下面に、各コーナー部を挟む天板の2辺と平行をなす1対の補強杆を固着するとともに、両補強杆における各コーナー部の端部に、上下に重なる連結部を設け、両連結部と、その下方に設けた脚の上端部とを、前記両連結部の中央を貫通するボルトをもって互いに締着し、さらに天板の前辺を除く他の辺と平行とした複数の連結杆をもって、互いに隣接するコーナー部の対向する補強杆同士を互いに連結したことを特徴とするテーブルにおける天板の補強構造。
- 補強部材における連結部と反対側の端面に、緩衝材を設けた請求項1記載のテーブルにおける天板の補強構造。
- 補強部材における連結部と反対側の端面を、上向き傾斜面とした請求項1または2記載のテーブルにおける天板の補強構造。
- 天板における後辺の中間部にもコーナー部を設け、このコーナー部の下面に、このコーナー部を挟む天板の左右の後辺と平行をなす1対の補強杆を固着するとともに、両補強杆における前記コーナー部の端部に、上下に重なる連結部を設け、両連結部と、その下方に設けた脚の上端部とを、前記両連結部の中央を貫通するボルトをもって互いに締着し、さらに前記両補強杆と、その左右に隣接する後辺の両側部のコーナー部における対向する補強杆同士を互いに連結した請求項1〜3のいずれかに記載のテーブルにおける天板の補強構造。
- 上下に対向する連結部の対向面のいずれか一方に円形の突部を、また、他方に、前記突部が回転自在に嵌合される円形の凹部を設け、さらに、両連結部間に、補強杆と補強部材、または1対の補強杆同士が予め定めた複数の交差角度をなすとき、前記突部と凹部との嵌合を可能とし、それ以外は嵌合不能とする交差角度規制手段を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のテーブルにおける天板の補強構造。
- 交差角度規制手段が、両連結部の対向面のいずれか一方に設けた少なくとも1個の突起と、補強杆と補強部材、または1対の補強杆同士が予め定めた複数の交差角度をなすとき、前記突起が嵌合しうるように他方に設けられた複数の凹部とからなる請求項5記載のテーブルにおける天板の補強構造。
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