JP4098190B2 - 自動調圧弁 - Google Patents
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Description
最初に、図1、図6及び図7を用いて自動調圧弁の構成を説明する。その後、図1から図5及び図9を用いて自動調圧弁の動作を説明する。
まず、自動弁200の説明をする。自動弁200には、一次側配管2と二次側配管3が接続されており、主弁41の開度を変化させて、一次側配管2から二次側配管3に流れる消火水の量を調節する。
自動弁200は、図1における上部に、主弁箱41Aが設けられ、さらにこの主弁箱41Aの上部に弁箱47が設けられている。主弁箱41Aは、内部がシリンダとなっており、主弁41に連結するピストンPが装着されており、このピストンPの下にピストン室42、上にばね室48Aが形成されている。バネ室48AにはピストンPを主弁41側に付勢するピストンばね48が装着されている。また、自動弁200は、過流防止開度維持手段である貫入弁10を有している。この貫入弁10は、弁箱47と、弁箱47内を2つの弁室に仕切る仕切板44と、弁箱47内に先端部43aを配置させ後端が主弁41に固着されたロッド43とを有している。
調圧パイロット弁100は、圧力設定弾性体である圧力設定ばね11と、この圧力設定ばね11の縮設長さを例えば二段階に変化させてパイロット弁の設定圧力を変える設定圧変更手段90とを有している。なお、設定圧変更手段90は二段階だけでなく、三段階以上の複数段階に設定圧力を変えるようにしてもよい。圧力設定ばね11は、調圧パイロット弁100のケーシング21内に縮設されて収納されている。設定圧変更手段90は、調圧パイロット弁100内に縮設されている圧力設定ばね11を、所定の長さである第1縮設長さとこの第1縮設長さからさらに縮めた第2縮設長さとの間で変化させ、これにより、二次側配管3の圧力、すなわち二次圧(以降、単に「二次圧」と呼ぶ)を監視ながら、自動弁200の主弁41の開度を二段階に変化させ、二次側配管3に流れ出す消火水の量を変化させて、二次圧を例えば二段階の制御圧力に調圧する。
調圧部50は、一般の常時開の調圧パイロット弁のものと概略同様な構造をなしている。調圧部50は、ケーシング21内に形成され自動弁200の二次圧を導入するフラム室55、主面に加わる圧力によって容易に撓むように薄板金属やゴムシートなどで作製され当該フラム室55の一面を構成するフラム51、一次側配管2の圧力、すなわち一次圧の消火水が流通する一次室56と二次室57の間の流通開口部に設けられた弁座54及び当該弁座54を開閉する調圧弁体53、調圧弁体53とフラム51とを接続する軸棒52から構成されている。
移動速度抑制手段70は、粘性流体であるオイルが充填されるオイル室22(粘性流体室)と、シャフト15の移動に伴いオイル室22内を移動する抵抗体である制動用間仕切14とを有している。オイル室22は、シリンダ18に隣接して設けられた有底円筒状の筒体36の内部に形成された密閉空間であり、内部には粘性の高いオイルが充填されている。シャフト15は、このオイル室22を貫通するように配置されており、制動用間仕切14は、このシャフト15に遊貫された円板状の部材であって、外周縁部を筒体36の内周面に摺動可能に且つ水密に接触させている。
なお、オイル室22に充填される粘性液体は、オイルの他、温度変化に対して粘度変化の少ない例えば水および他の液体を選んでもよい。
図1に示される通常時:
まず、通常時においては、起動弁81が閉止されており、自動弁200も閉じている。二次側配管3は空の状態である。
次に、火災が発生し起動弁81が開かれると一次側配管2の消火水は、配管4a、起動弁81、配管4b、調圧パイロット弁100の一次室56及び二次室57、制御配管5a、自動弁200の弁室10B、弁室10A、制御配管6aを通って、自動弁200のピストン室42に充填される。ピストン室42の圧力はピストンばね48の付勢力に打ち勝ってロッド43が徐々に上昇させる。これにより、主弁41が開き、一次側配管2の消火水が徐々に二次側配管3に流れ始める。
ロッド43が徐々に上昇し、ロッド43が開口44aを閉止すると、一次側配管2からピストン室42への圧力水の供給が止まり、ロッド43の上昇が停止する。このときの主弁41の開度は、ロッド43のリフト量によって決まるが、仕切板44の位置は上述のようにロッド43の移動方向に位置調整可能とされており、自動調圧弁500が使用される環境(配管の状態)に合わせて、水撃防止および、水噴霧ノズル78における放水開始時に突然瞬間的な過剰な水噴霧、すなわち過流を防止することで通行車両の運転者を惑わすことを回避するための適切な開度となるように設定されている。
二次側配管3内への消火水の充水が完了し、充水感知圧PAに達すると、充水圧感知開閉弁300が作動し(図9の点C)。充水圧感知開閉弁300の調圧弁体63が開くので圧力水は、配管4a、起動弁81、配管4b、調圧パイロット弁100の一次室及び二次室56,57、制御配管5a、制御配管5b、充水圧感知開閉弁300の一次室及び二次室67,66、制御配管6b、制御配管6aを介して、自動弁200のピストン室42に充填される。ピストン室42の圧力はロッド43を押し上げ、これにより、主弁41がさらに開く。このときの開度は、圧力設定ばね11の第1縮設長さにて設定された開度となる。そして、水噴霧ノズル78からの予告放水(低圧放水)が開始される。
約30秒間の予告放水(低圧放水)の後、シャフト15がばね押さえ板25に達する。その後、シャフト15は第2連通路32の効果により速度を上げて、瞬時に圧力設定ばね11を第1縮設長さから第2縮設長さへ変化させる。この力はフラム51を伝わって調圧弁体53に伝達され、調圧弁体53は非常に絞り込まれた状態から大きく開かれた開放状態となる。すなわち、調圧パイロット弁100は第2設定圧力に速やかに切り替わる。これより、自動弁200のピストン室42に再び一次側配管2の圧力が導入され、ロッド43は再び上昇する。そして、主弁41は、第2設定圧力の開度まで速やかに開く(図9の点E〜点F(エ)の区間)。これ以降、本格放水(高圧放水)が行われる(図9の点F以降(オ)の区間)。
本格放水が終わり、自動調圧弁500を復旧する際には、起動弁81を閉じると、主弁41のピストン室42に加圧水が供給されなくなるので、主弁41に接続するロッド43を閉止方向に付勢するピストンばね48の力で、ロッド43が閉止方向へ動き始めるが、この時点では主弁41の開度はまだ予告放水開度と本格放水開度の間の開度となっているので、充水圧感知開閉弁300は開弁状態であり、主弁41のピストン室42内の圧力水が押し出されると、充水圧感知開閉弁300を経由して調圧パイロット弁100の調圧部50の二次室57に入り軸棒52が貫通する孔の逃がし用の隙間を通りフラム室55から二次側配管3に配管7c、7aを介して排水される。
以上の記載では、ラッチなどの位置を放水圧力が視界の確保できる範囲の位置より長くしたが、その位置より短い位置にラッチなどを設けてもかまわない。
Claims (7)
- 圧力設定弾性体により設定圧力が設定される調圧パイロット弁と、該調圧パイロット弁により二次圧が所定の制御圧力に調圧される自動弁と、を有する自動調圧弁において、
前記調圧パイロット弁は、
前記圧力設定弾性体の縮設長さを変化させて設定圧力を変え、前記自動弁の主弁の開度を変化させる設定圧変更手段を備えるものであって、
前記設定圧変更手段は、前記圧力設定弾性体に対して伸縮方向に進退動可能に且つ接触可能に設けられた移動体と、前記移動体に連結され該移動体を移動させて前記圧力設定弾性体の縮設長さを第1縮設長さと第2縮設長さとの間で変化させる駆動部と、を有し、
前記駆動部は、有底筒状のシリンダと、該シリンダ内に配置され該シリンダと協働して圧力室を形成するとともに前記移動体に接続されたピストンと、該ピストンの前記圧力室と反対側に縮設された戻し弾性体と、を有し、前記圧力室に、前記自動弁の二次圧を導入してこの圧力により前記移動体を移動させることを特徴とする自動調圧弁。 - 前記移動体は、後退位置と前進位置との間を往復動可能に設けられており、該後退位置において前記圧力設定弾性体と前記移動体とは、所定の空走間隔離されて設けられ、前記移動体は、前記空走間隔を移動する間、前記圧力設定弾性体を伸縮させないことを特徴とする請求項1に記載の自動調圧弁。
- 前記移動体の前記圧力設定弾性体方向への移動速度を抑制する移動速度抑制手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1あるいは2に記載の自動調圧弁。
- 前記移動速度抑制手段は、粘性流体等が充填される粘性流体室と、前記移動体に連結され、該移動体の移動に伴い前記粘性流体室を移動する抵抗体と、を有することを特徴とする請求項3記載の自動調圧弁。
- 前記抵抗体は、前記粘性流体室を、第1粘性流体室と第2粘性流体室とに分ける制動用間仕切であり、前記第1粘性流体室と第2粘性流体室との間には、前記移動体が前記空走間隔を移動する間の移動速度を第1速度とする第1連通路と、前記移動体が前記圧力設定弾性体を縮めながら移動する間の移動速度を第1速度より速い第2速度とする第2連通路が形成されていることを特徴とする請求項4記載の自動調圧弁。
- 前記第1粘性流体室と前記第2粘性流体室との間に、前記移動体が前記後退位置側に後退する時のみ前記粘性流体を流通させる逆止弁を有することを特徴とする請求項5記載の自動調圧弁。
- 二次側配管の充水圧を感知して作動する充水圧感知開閉弁をさらに備え、
前記自動弁は、前記充水圧感知開閉弁が作動するまでの間、前記主弁の開度を過流防止開度に維持する過流防止開度維持手段を有し、前記主弁の開度は、前記過流防止開度、前記予告放水開度、前記本格放水開度の順で大きくなるように設定されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項記載の自動調圧弁。
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