JP4098126B2 - 液体洗浄剤の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は液体洗浄剤の製造方法に関する。特には、原料として過酸化水素が混入している界面活性剤とハロゲンイオンを生成する化合物とを用いて液体洗浄剤を製造する際に、製造設備の腐食を抑制することができる製造方法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
液体洗浄剤には界面活性剤を必須成分とするものが多い。また、界面活性剤の品質が液体洗浄剤の色や臭い等の品質に大きく影響することは論を待たない。このため、一般には界面活性剤合成後、過酸化水素処理を行い色相や匂いを改善することが行われている。例えば特許文献1〜3には、硫酸エステル型界面活性剤の淡色化に過酸化水素を用いる技術が記載されている。これらの活性剤は、食器洗い洗浄剤、シャンプー等の色相や臭いを重視する洗浄剤に特に有用である。また、アミンオキシド型界面活性剤は3級アミン化合物と過酸化水素の反応で製造される。例えば特許文献4にはアミン化合物と過酸化水素との反応でアミンオキシド化合物を得る製造方法が記載されている。また、該公報にはpHを9〜13に調製することでアミンオキシドの分解が抑制され貯蔵安定性が優れることが記載されている。これら界面活性剤は過酸化水素処理後に残存する過酸化水素を除去することが行われているが、完全に除去することができず、界面活性剤に対して通常50〜3000ppmの過酸化水素が残存する。このような界面活性剤を液体洗浄剤に配合した場合、界面活性剤の配合量が多くなると、例えば液体洗浄剤中の過酸化水素濃度が30〜500ppmに達することがある。
【0003】
一方、水溶液中でハロゲンイオンを発生する化合物も液体洗浄剤に用いられる。例えば界面活性剤である4級アンモニウムクロリド化合物は抗菌成分や衣料等の柔軟成分として有用であることは公知である。両性界面活性剤は通常モノクロロ酢酸ナトリウムや3−クロロ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸ナトリウムなどを原料として用いられるため、不純物として塩化ナトリウムが多く含まれる。また、陰イオン界面活性剤の乳化力を向上させる目的や、洗浄剤の安定性を改善する目的から塩化マグネシウムや塩化カルシウムなどの無機化合物を用いることも通常行われている。
【0004】
ところが、上記過酸化水素を含有する界面活性剤と水溶液中でハロゲンイオンを発生する化合物を液体洗浄剤に併用した場合、該洗浄剤製造時に金属腐食を引き起こし、ステンレス製の耐腐食性金属からなる製造設備を用いても金属腐食を抑制することができないという非常に重大な問題がある。また、この現象はpHが5〜8の中性洗浄剤の製造時において顕著にみられる。これを解決する方法としては特許文献5、6に亜硫酸塩類などの還元剤を用いて過酸化水素を除去する技術が提案されている。しかしながら、これら還元剤を用いて製造された液体洗浄剤は貯蔵中に臭いの劣化を引き起こすという問題があり、色相や臭いなどの品質を重視する液体洗浄剤には使いにくいという課題がある。
【0005】
本発明の課題は、過酸化水素が混入した界面活性剤を用いる場合でも、亜硫酸塩類などの還元剤を用いなくても製造設備の腐食を引き起こさない液体洗浄剤の製造方法を提供することにある。
【0006】
【特許文献1】
特開昭56−036600号公報
【特許文献2】
特開平10−168053号公報
【特許文献3】
特開平11−172280号公報
【特許文献4】
特開平11−5775号公報
【特許文献5】
特開昭56−87000号公報
【特許文献6】
特開2002−322500号公報
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(a)過酸化水素が混入している界面活性剤〔以下、原料(a)ということもある〕、(b)水溶液中でハロゲンイオンを発生する化合物〔(a)を除く〕〔以下、原料(b)ということもある〕、(c)(a)及び(b)以外の成分〔以下、原料(c)ということもある〕、並びに(d)水〔以下、原料(d)ということもある〕を原料として製造される20℃のpHが5〜8の液体洗浄剤の製造方法であって、原料である(a)の全部と(d)の一部又は全部、更には所望により(c)との混合物を調製し、且つ該混合物のpHを12.5〜14とする工程を有する、液体洗浄剤の製造方法に関する。
【0008】
なお、本発明において原料とは、実際に製造に用いられる基材を指し、物質によっては、製造上混入する異性体や不純物を含むような、一般的に工業的に用いられるグレードの物質を指す。但し、具体的な濃度などは、当該原料の化合物100%純分として考えるものとする。また、特に(c)では、原料として純度の高い、例えば試薬グレードの物質を使用することを排除するものではない。
【0009】
【発明の実施の形態】
<原料(a)>
本発明の液体洗浄剤の製造に用いる原料(a)は、過酸化水素が混入している界面活性剤であり、具体的には過酸化水素処理を行った界面活性剤、又は過酸化水素との反応で得られた界面活性剤である。
【0010】
過酸化水素処理は界面活性剤の色相や臭いを改善するために行われる処理であり、(a1)炭素数8〜18の脂肪族アルコール、(a2)炭素数8〜18の脂肪族アルコールにアルキレンオキシド、好ましくはエチレンオキシドを1〜6モル付加させたポリオキシアルキレン(好ましくはポリオキシエチレン)アルキルエーテル及び(a3)炭素数8〜16の脂肪酸メチルエステルから選ばれる化合物と、3酸化イオウあるいはクロルスルホン酸とのスルホン化反応又は硫酸化反応で得られる陰イオン界面活性剤において有用である。これら陰イオン界面活性剤の製造においては、スルホン化反応又は硫酸化反応終了後、界面活性剤濃度が10〜70質量%になるように水に溶解し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどで中和する。中和後の20℃におけるpHは10〜13程度が一般的である。中和後、過酸化水素による漂白処理が効果的に行えるようにpHを5〜9に調整し、過酸化水素を界面活性剤に対して0.0001〜1質量%、好ましくは0.001〜0.5質量%添加し、30℃〜90℃の温度で0.1〜2時間処理する。処理後残存する過酸化水素を亜硫酸塩などの還元剤などで分解除去する場合もあるが、この場合液体洗浄剤の臭いなどの安定性が懸念されるため、通常はそのまま液体洗浄剤の配合原料として用いられている。
【0011】
また、炭素数8〜16のアルキル基と平均縮合度1〜5の縮合糖を有するアルキルグリコシドに対しても過酸化水素による処理は有用である。炭素数8〜16の脂肪族アルコールとグルコースの反応終了後、界面活性剤濃度が10〜70質量%になるように水に溶解し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどで中和する。中和後の20℃におけるpHは10〜13程度が一般的である。中和後、過酸化水素による漂白処理が効果的に行えるようにpHを5〜9に調整し、過酸化水素を界面活性剤に対して0.0001〜1質量%、好ましくは0.001〜0.5質量%添加し、30℃〜90℃の温度で0.1〜2時間処理する。処理後残存する過酸化水素を亜硫酸塩などの還元剤などで分解除去する場合もあるが、この場合液体洗浄剤の臭いなどの安定性が懸念されるため、通常はそのまま液体洗浄剤の配合原料として用いられている。
【0012】
これら過酸化水素処理を経た界面活性剤には、通常、過酸化水素が界面活性剤に対して50〜200ppm残存する。
【0013】
一方、過酸化水素との反応で得られる界面活性剤としては、アミンオキシド型界面活性剤を挙げることができ、本発明では、エステル基、アミド基、エーテル基で分断されていてもよい炭素数8〜18の炭化水素基の1つと炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基の2つとを有するアミンオキシド型界面活性剤が好適である。このような化合物は対応する3級アミンと過酸化水素を、水などを溶媒として、3級アミン/過酸化水素のモル比を1/1〜1/1.2の比率として40〜90℃の温度で反応が行われる。この場合においても、残存する過酸化水素を亜硫酸塩などの還元剤などで分解除去する場合もあるが、液体洗浄剤の臭いなどの安定性が懸念されるため、通常はそのまま液体洗浄剤の配合原料として用いられている。このような過酸化水素処理したアミンオキシド型界面活性剤には、過酸化水素が界面活性剤に対して1000〜3000ppm残存する。
【0014】
本発明の製造方法は、特に原料(a)として過酸化水素を含有するアミンオキシド型界面活性剤を用いる場合に有効である。
【0015】
本発明の製造方法は、界面活性剤により洗浄剤中に混入してくる過酸化水素の液体洗浄剤中の濃度が、60〜300ppm、更には70〜250ppm、特には70〜200ppmの範囲において、より効果的である。洗浄剤中に導入される過酸化水素濃度が低い場合は、製造設備への影響は少ないことはいうまでもなく、一方多すぎる場合は、本発明の方法を用いても設備の腐食を抑制することが十分ではない場合がある。
【0016】
従って、本発明の効果を十分享受できる液体洗浄剤の界面活性剤濃度は、原料(a)からの界面活性剤濃度として、25〜45質量%、更には27〜42質量%、特には27〜40質量%である。
【0017】
<原料(b)>
本発明の原料(b)は水溶液中でハロゲンイオンを発生する化合物であり、このような化合物は一般に液体洗浄剤に用いられている。ただし、原料(b)からは、原料(a)として用いられる界面活性剤、すなわち製造過程で過酸化水素処理を経た界面活性剤は除かれる。具体的には▲1▼4級アンモニウムクロリド型界面活性剤、▲2▼両性界面活性剤、▲3▼アルカリ金属あるいはアルカリ土類金属のハロゲン酸塩を挙げることができる。
【0018】
▲1▼4級アンモニウムクロリド型界面活性剤は、衣料などの柔軟化剤や抗菌剤として有用な化合物であり、具体的にはエステル基、アミド基、エーテル基で分断されていてもよい炭素数8〜20の炭化水素基を1個又は2個と、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基、及びベンジル基から選ばれる基を2個または3個有し、対イオンがクロルイオンである4級アンモニウム化合物である。このような化合物は、通常対応する3級アミン化合物とアルキルクロリド、ベンジルクロリドなどのアルキル化剤を用いて4級化反応を行い製造される。
【0019】
▲2▼両性界面活性剤は液体洗浄剤の起泡力を向上させる目的などでよく使用される界面活性剤であり、本発明が対象とする両性界面活性剤としてはエステル基、アミド基、エーテル基で分断されていてもよい炭素数8〜18の炭化水素基を1つ、炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基を2つ、及びカルボキシメチル基を1つ有するカルボベタイン型界面活性剤、エステル基、アミド基、エーテル基で分断されていてもよい炭素数8〜18の炭化水素基を1つと炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基を2つ、及び1−スルホ−2−ヒドロキシプロピル基を1つ有するスルホベタイン型界面活性剤を挙げることができる。カルボベタイン型界面活性剤は対応する3級アミンとモノハロゲノ酢酸(塩)との4級化反応で製造され、スルホベタイン型界面活性剤は対応する3級アミンと3−ハロゲノ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸塩との4級化反応で製造することができ、いずれの場合にも界面活性剤と当モルのハロゲン塩が生成する。このようなハロゲン塩は電気透析などの特別な操作で除去される場合もあるが、経済性などの理由から通常ハロゲン塩を含有したまま用いられる。
【0020】
▲3▼アルカリ金属あるいはアルカリ土類金属のハロゲン酸塩は、液体洗浄剤の安定化、あるいは陰イオン界面活性剤の乳化力の向上を目的に用いられる。具体的には塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウムを挙げることができる。
【0021】
本発明に係る液体洗浄剤にはハロゲンイオンの含有量が好ましくは0.1〜0.6質量%、より好ましくは0.15〜0.5質量%、特に好ましくは0.2〜0.5質量%になるように原料(b)の含有量を調整することが好適であり、このような範囲において、本発明の効果は十分発揮される。
【0022】
<原料(c)>
本発明の原料(c)は、原料(a)及び原料(b)以外の成分であり、洗浄剤成分や洗浄助剤成分として用いられるものである。洗浄剤成分としては、過酸化水素及びハロゲンイオンを含有しない界面活性剤を挙げることができ、洗浄助剤成分としては有機溶剤、ハイドロトロープ剤、金属封鎖剤、pH調整剤などを挙げることができる。
【0023】
本発明の原料(c)に該当する界面活性剤(以下原料(c−1)という)としては、非イオン界面活性剤を挙げることができる。具体的には炭素数8〜16の炭化水素基(好ましくはアルキル基)と平均付加モル数2〜60のオキシアルキレン基、好ましくはオキシエチレン基を有する非イオン界面活性剤を挙げることができる。これら界面活性剤は洗浄力増強及び液体洗浄剤の安定性向上を目的に用いられ、本発明に係る液体洗浄剤は、原料(c−1)を、純度換算した上で、好ましくは0〜7.5質量%、より好ましくは0〜6.5質量%、特に好ましくは0〜5.5質量%含有する。
【0024】
本発明の原料(c)に該当する有機溶剤(以下原料(c−2)という)としては、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、イソプレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ペンチルグリセリルエーテル、オクチルグリセリルエーテルから選ばれる化合物が好ましく、特に好ましくはエタノール及びプロピレングリコールである。本発明に係る液体洗浄剤は、原料(c−2)を純分換算した上で、好ましくは2〜10質量%、より好ましくは2.5〜9質量%、特に好ましくは2.5〜8質量%含有する。
【0025】
本発明の原料(c)に該当する金属封鎖剤(以下原料(c−3)という)としては、オルソリン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸、メタリン酸、ヘキサメタリン酸、フィチン酸から選ばれるリン酸又はその塩、エタン−1,1−ジホスホン酸塩、エタン−1,1,2−トリホスホン酸塩、エタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸塩及びその誘導体、エタンヒドロキシ−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1,2−ジカルボキシ−1,2−ジホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸から選ばれるホスホン酸又はその塩、ニトリロ三酢酸塩、イミノ二酢酸塩、エチレンジアミン四酢酸塩、ジエチレントリアミン五酢酸塩、グリコールエーテルジアミン四酢酸塩、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸塩、トリエチレンテトラミン六酢酸塩、ジエンコル酸塩、N−メチルグリシンジ酢酸塩から選ばれるアミノポリ酢酸塩、重量平均分子量1000〜100000(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定、ポリエチレングリコールを標準物質として使用)のポリアクリル酸、アクリル酸/マレイン酸共重合物、ポリフマル酸、ポリマレイン酸、ポリ−α−ヒドロキシアクリル酸、ポリアセタールカルボン酸またはこれらの塩から選ばれる高分子電解質、ジグリコール酸、オキシジコハク酸、カルボキシメチルオキシコハク酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸、リンゴ酸、グルコン酸、カルボキシメチルコハク酸、カルボキシメチル酒石酸などの有機酸又はその塩を挙げることができ、特にクエン酸が好ましい。本発明に係る液体洗浄剤は、(c−3)成分を純分換算した上で、好ましくは0.1〜5質量%、より好ましくは0.1〜3.5質量%、特に好ましくは0.1〜2.5質量%含有する。
【0026】
本発明の原料(c)に該当するハイドロトロープ剤(以下原料(c−4)という)としては炭素数1〜3のアルキル基が1〜3個置換したベンゼンスルホン酸又はその塩が好ましく、より具体的に好ましい化合物としてはトルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、クメンスルホン酸及びこれらのナトリウム、カリウムあるいはマグネシウム塩が良好であり、特にp−トルエンスルホン酸が良好である。本発明に係る液体洗浄剤は、原料(c−4)を純分換算した上で、好ましくは0.5〜10質量%、より好ましくは0.5〜8質量%、特に好ましくは0.8〜7質量%含有する。
【0027】
本発明の原料(c)に該当するpH調整剤としては塩酸や硫酸など無機酸や、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、フマル酸、酒石酸、マロン酸、マレイン酸などの有機酸などの酸剤(これら有機酸は上記金属封鎖剤としても用いることができる)や、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム、アンモニアやその誘導体、モノエタノールアミンやジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアミン塩など、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ剤を、単独もしくは複合して用いることが好ましく、特に塩酸、硫酸、クエン酸から選ばれる酸と水酸化ナトリウムや水酸化カリウムから選ばれるアルカリ剤を用いることが好ましい。
【0028】
その他の原料(c)としては通常液体洗浄剤に用いられる香料、防腐剤、抗菌剤、染料、顔料などがある。
【0029】
<原料(d)>
本発明に係る液体洗浄剤は、上記原料(a)〜原料(c)を原料(d)である水に溶解させた水溶液の形態であり、原料(d)としてイオン交換水や蒸留水などの精製した水を用いることができ、また、塩素などで滅菌した滅菌水や水道水でも金属腐食を全く引き起こさずに用いることができる。本発明に係る液体洗浄剤において、水の含有量は、好ましくは20〜80質量%、より好ましくは30〜70質量%、特に好ましくは40〜60質量%である。
【0030】
<液体洗浄剤の製造方法>
本発明に係る液体洗浄剤の製造方法は、原料(a)の全部と原料(d)の一部又は全部、更には所望により原料(c)との混合物を調製し、且つ該混合物のpHが12.5〜14、好ましくは13〜14になるように調整する工程(以下(工程A)という)を経る。該混合物のpHは、20℃におけるpHが上記範囲となることがより好ましい。工程Aにおける混合物において、原料(a)に由来する過酸化水素の濃度が、原料(a)、(d)及び所望により配合する原料(c)とからなる混合物中に、好ましくは90〜900ppm、より好ましくは105〜600ppm、特に好ましくは105〜450ppmになるように原料(d)、及び所望により原料(c)の量を調整する。工程Aにおいて目的とするpHに調整する目的でアルカリ剤として炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムを用いることが好適であり、少量で目的のpHに調整できることから水酸化ナトリウム、水酸化カリウムを用いることが好ましい。pH調整中ないしpH調整後は、混合物の温度を好ましくは7〜40℃、より好ましくは12〜40℃、特に好ましくは12〜35℃に調節し、pH調整後は配合物質の分解等を抑制するために、好ましくは15〜360分、より好ましくは20〜240分、特に好ましくは30〜120分攪拌混合する(以下得られた混合物を(混合物A)という)。温度と撹拌時間において、下限を下回る場合充分な効果が得られず、また上限を越える場合アミン臭等の異臭が発生してくる。
【0031】
工程A終了後は、混合物Aに原料(b)、必要あれば原料(c)及び必要あれば原料(d)の残部を随時添加し攪拌混合し、液体洗浄剤の20℃におけるpHが5〜9、好ましくは6〜8となるように調整する。この場合原料(b)、原料(c)、及び原料(d)の混合順序は適宜決定される。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、過酸化水素を含有する界面活性剤を用いて液体洗浄剤を製造する際に、亜硫酸塩類などの還元剤を用いなくても製造設備の腐食を引き起こさない液体洗浄剤の製造方法が提供される。
【0033】
【実施例】
以下に示す手順により液体洗浄剤を製造した。これらの腐食性を後述する腐食性試験により評価した。なお各成分濃度は、特に記載のない場合は純分換算したものとする。
【0034】
用いた原料の有効分濃度(%)およびヨウ化カリウム法で測定した原料中の過酸化水素濃度(ppm、質量比、以下同様)を表1に示す。
【0035】
【表1】
Figure 0004098126
【0036】
実施例1
ポリオキシエチレン(エチレンオキシド平均付加モル数2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム300g、ラウリルジメチルアミンオキシド150g、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(平均付加モル数7モル)35g、ラウリルグリコシド(平均縮合度1.3)130g、及び水道水180gを混合し、48%水酸化ナトリウム水溶液により20℃におけるpHを13.2に調整し、30℃の温度で30分間攪拌混合した(工程A)。その後エタノールを30g、ラウリルジメチルスルホベタイン(水溶液の形態であり、ハロゲン含有量は該水溶液中7質量%である)130g、p−トルエンスルホン酸ナトリウム30g、クエン酸5gを添加し、1/10規定の硫酸水溶液で20におけるpHを6.8に調整し、液体洗浄剤を得た。
【0037】
この液体洗浄剤を用いて下記の腐食性試験を行ったところ、5個すべてのテストピースで全く腐食が見られず、合格であった。
【0038】
比較例1
ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム300g、ラウリルジメチルアミンオキシド150g、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(平均付加モル数7モル)35g、ラウリルグリコシド(平均縮合度1.3)130g、エタノールを30g、ラウリルジメチルスルホベタイン(ハロゲン含有量は活性剤溶液中に対して7質量%である)130g、p−トルエンスルホン酸ナトリウム30g、クエン酸5g、及び水道水180gを混合したのち、最後に1/10規定の水酸化ナトリウム水溶液で20℃におけるpHを6.8に調整し、液体洗浄剤を得た。
【0039】
この液体洗浄剤を用いて下記の腐食性試験を行ったところ、5個すべてのテストピースで腐食がみられ、不合格であった。
【0040】
実施例2
ラウリルジメチルアミンオキシド150g、ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミンオキサイド10g、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(平均付加モル数7モル)35g、ラウリルグリコシド(平均縮合度1.3)130g、及び水道水180gを混合し、48%水酸化ナトリウム水溶液により20℃におけるpHを13.2に調整し、30℃の温度で30分間攪拌混合した(工程A)。その後、1/10規定の硫酸水溶液で20℃におけるpHを6.2に調整し、ラウリルジメチルスルホベタイン(ハロゲン含有量は活性剤溶液中に対して7質量%である)130g、エタノールを30g、p−トルエンスルホン酸ナトリウム30g、クエン酸10gを添加し、攪拌混合した。その後、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム285gを加え撹拌した後、1/10規定の水酸化ナトリウム水溶液で20℃におけるpHを6.8に調整し、液体洗浄剤を得た。
【0041】
この液体洗浄剤を用いて下記の腐食性試験を行ったところ、5個すべてのテストピースで全く腐食が見られず、合格であった。
【0042】
比較例2
ラウリルジメチルアミンオキシド150g、ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミンオキサイド10g、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(平均付加モル数7モル)35g、ラウリルグリコシド(平均縮合度1.3)130g、エタノールを30g、ラウリルジメチルスルホベタイン(ハロゲン含有量は活性剤溶液中に対して7質量%である)130g、p−トルエンスルホン酸ナトリウム30g、クエン酸10g、及び水道水を180g添加し攪拌混合した後、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム285gを加え撹拌した後、1/10規定の水酸化ナトリウム水溶液で20℃におけるpHを6.8に調整し、液体洗浄剤を得た。
【0043】
この液体洗浄剤を用いて下記の腐食性試験を行ったところ、5個すべてのテストピースで腐食がみられ、不合格であった。
【0044】
実施例3、4及び比較例3、4
実施例2において工程AにおけるpHを11.5、12.0、12.5、13.0に変化させた以外は実施例2と同一の製造法で液体洗浄剤を調製した。該液体洗浄剤を用いて下記の腐食性試験を行った結果を表2に示す。
【0045】
【表2】
Figure 0004098126
【0046】
<腐食性試験>
広口規格ビン(PS No.13K(S))に液体洗浄剤を50g入れる。縦50mm、横25mm、厚さ3mmのステンレス製テストピース(SUS304)を規格ビンに入れて、キャップにより密封する。これを5個用意し、これらを40℃の恒温室に10日間放置する。放置後テストピースを取り出し、水道水で洗浄後テストピースの外観を下記の判断基準で目視で判定する。平均点を求め平均点が1未満を合格、1以上1.5未満を使用可能、1.5以上を不良として判定した。
【0047】
0:全く腐食が見られない
1:やや腐食が見られる
2:腐食が見られる
3:かなり腐食が見られる

Claims (2)

  1. (a)過酸化水素が混入している界面活性剤、(b)水溶液中でハロゲンイオンを発生する化合物〔(a)を除く〕、(c)(a)及び(b)以外の成分、並びに(d)水を原料として製造される20℃のpHが5〜8の液体洗浄剤の製造方法であって、原料である(a)の全部と(d)の一部又は全部、更には所望により(c)との混合物を調製し、且つ該混合物のpHを12.5〜14とする工程を有する、液体洗浄剤の製造方法。
  2. (a)が、過酸化水素処理を行った界面活性剤又は過酸化水素との反応で得られた界面活性剤である請求項1記載の液体洗浄剤の製造方法。
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