JP4097911B2 - 色素溶液の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、食品工業等において着色剤として使用れる天然物由来の色素、とりわけ赤ダイコン色素、赤キャベツ色素等のアントシアニン系色素を含有する色素溶液の製造方法に関する。詳しくは、色素溶液の保存中に於いて、再度の臭気発生、即ち戻り臭が抑制された天然物由来の色素を含有する色素溶液の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】
食品工業では数多くの色素が使用されているが、消費者の安全性志向が強くなるにつれ天然物由来の色素により関心が高まっている。食品用に供される色素に要求される条件は、安全であることは勿論、酸・アルカリに安定であること、耐熱性に優れていること、耐光性に優れていること、酸化に対して安定であること、色相、発色が良いこと、無味無臭であることなどが挙げられる。近年、赤ダイコンや赤カブ等のアブラナ科植物由来の色素は、赤色〜赤紫色系のアントシアニン系色素であり、耐熱性、耐光性に優れ色調、発色が良いものとして知られ、注目を集めている。
しかし、天然物由来の色素は安全性が高いものが多く、食品、化粧品等の着色に有用であるが、その原料由来の臭気を有するため、使用範囲が限定されることが多い。とりわけ赤ダイコン色素等のアブラナ科植物由来のアントシアニン系色素を含有する色素溶液に於いては、硫黄化合物等による原料由来の臭気が付帯しており、これを人間が感知できない程度に除去しないと、食品等での広い応用が困難とされ、この臭気の低減化が求められてきた。
【0003】
これを解決するために様々な精製技術が開発されている。例えば、特開昭59−223756号公報に記載されているような色素液をカチオン性あるいは吸着性樹脂を用いて精製し、その後さらに限外ろ過膜処理して精製するアントシアニン系色素の製造方法や、特開平4−154871号公報、特開平7−157679号公報等に記載されているような色素液を陰イオン交換樹脂で処理するアントシアニン系色素の精製方法等が一般的に知られている。
しかしこれらの方法で得られた色素溶液は、製造直後は極めて臭気が少ないものの、この脱臭処理後の色素溶液を長期間保存すると、保存中に発生する戻り臭を完全に抑制することは困難であった。
【0004】
【本発明が解決しようとする課題】
本発明は、天然物由来の色素溶液に付随する臭気を低減させ、特に精製処理後の色素溶液を長期間保存した場合に再発生する臭気、つまり戻り臭気の発生を効果的に抑制した天然物由来の色素溶液の製造方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは天然物由来の色素、とりわけ赤色〜赤紫色を示す赤色系色素であるアントシアニン系色素を含有する赤ダイコン、赤カブ、赤キャベツ等の天然物から抽出された色素溶液の精製後に於いて問題となっている戻り臭について、これを抑制する色素溶液の製造方法について鋭意検討を行った。その結果、色素溶液の戻り臭は、溶液中の不純物の経時酸化によって発生し、その酸化には酸素が大きく関わっていることを見出し、さらに、該不純物を酸素、オゾン等の酸化力を有するガスを含むガスで積極的に酸化処理することで、戻り臭の原因を効率的に排除できることを見出した。つまり、天然物からの色素抽出溶液を精製処理に先だって、オゾン及び/又は酸素含有ガスにより加熱条件下酸化処理し、その後に脱臭処理を施すことによって、長期間保存してもほとんど戻り臭の発生しない色素溶液が製造可能であることを見出し、本発明を完成させた。これは、一般にアントシアニン系色素の抽出・精製工程において、過度の加熱は色素の収率低下や色素溶液の色調劣化を招くため、極力避けるべきと考えられてきた従来の認識と比べて全く意外なことである。
【0006】
即ち、本発明の要旨は、天然物から色素を抽出した抽出溶液を、酸化力を有するガスとの接触下で加熱した後、脱臭処理する色素溶液の製造方法において、酸化力を有するガスを色素の抽出溶液に通気し、且つ該ガスの供給量が、色素抽出溶液に対し0.1〜10[ガス容量/色素抽出溶液容量・分]であることを特徴とする戻り臭が抑制された色素溶液の製造方法に存する。
【0007】
本発明の好適な態様として、酸化力を有するガスが、オゾン及び/又は酸素含有ガスであること;抽出溶液の抽出温度が10〜40℃であること;加熱温度が50℃以上であること;加熱時間が2時間以上であること;加熱処理時の色素抽出溶液のpHが3以下であること;天然物由来の色素が、アブラナ科植物由来の色素であり、アントシアニン系色素であること;脱臭処理は、加熱後の色素抽出溶液を吸着剤により接触処理するものであること;吸着剤が合成樹脂吸着剤であることを挙げることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いることができる天然物由来の色素を抽出して得られる抽出溶液は任意であり、例えばカロチノイド系イエローや、アントシアニン系色素溶液などが挙げられる。本発明方法は、特に、主な臭気成分としてスルフィド類を含むアントシアニン系色素溶液に対して効果が著しい。アントシアニン系色素溶液を得る天然色素原料として、具体的には、例えばアブラナ科に属する赤ダイコン、赤カブ、赤キャベツ等が挙げられる。
赤ダイコンとしては、アブラナ科ダイコン属(Raphanus sativus L.)に属する中国産赤大根(紅心赤大根など)や岩国赤等が、また赤カブとしてはアブラナ科アブラナ属(Brassica Rapa L.)に属する伊代緋カブ等を挙げることができる。またアブラナ科に属するものとしては、紫甘らんともいわれる赤キャベツも挙げられるほか、紫サツマイモも等挙げられる。
【0009】
天然色素原料から色素の抽出は、公知の方法により行うことができる。アントシアニン系色素溶液は、例えば上記植物を色素が抽出可能な大きさに裁断し、適量の水及びpH調整剤を加え、室温にて浸漬し、所望により攪拌して該植物に含まれる色素成分を抽出し、抽出液を濾別することにより得られる。この場合、水溶液のpHを酸性側に保持して抽出することが望ましい。抽出に用いる液のpHは通常4以下が好ましく、中でも約1〜4の範囲がより好ましい。pHの調整に用いられる酸としては、例えば、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、酢酸などの有機酸あるいは塩酸、硫酸、リン酸などの無機酸を挙げることができる。
抽出温度は、抽出時間にもよるが高温に過ぎると天然色素に劣化を生ずるおそれがあるので、通常、10℃〜40℃、好ましくは15〜30℃で行われる。
抽出に用いる水の使用量は任意であるが、例えば赤ダイコンや赤カブからの抽出の際には、これらの重量の約1〜約10重量倍程度が取り扱い易く好ましい。また抽出の際に、水にアルコールを添加して用いてもよく、この際のアルコール濃度は任意であるが、約1〜50重量%程度が好ましい。かくして得られる色素抽出溶液は、原料由来の独特の臭気を有する。
【0010】
次に、該抽出溶液をオゾン又は酸素含有ガスの様な酸化力を有するガスと接触させつつ加熱処理する。該加熱処理の温度は色素抽出における抽出温度以上であればよく、通常は50℃以上である。また、加熱時間は任意であるが、2時間以上であることが好ましい。該処理中には不純物の酸化のみでなく、色素自体の劣化も同時に起こることがあるので、色素が極端に劣化しない範囲の条件を設定する必要があり、65〜95℃の温度範囲で2〜20時間程度の加熱処理を行うことが好ましい。
また、該処理時の色素抽出溶液のpHを3以下とすることによって、より効率的に臭気の原因を除去することができ、且つ色素の安定性も高められるため、該処理中の色価の損失、すなわち色素抽出溶液の極大吸収波長における吸光度の減少の度合を減らすことができるので好ましい。色素抽出溶液のpHを3以下に調整する時期としては、抽出処理開始時でも、抽出処理後、加熱処理直前でも良いが、水溶液を酸性に維持して抽出した抽出液を使用するのが効率的である。pHの調整方法としては、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、酢酸などの有機酸、あるいは塩酸、硫酸、リン酸などの無機酸を適量添加する方法が挙げられる。
【0011】
加熱処理中の抽出溶液とオゾン又は酸素含有ガスとの接触については、溶液中にガスを通気させても良いし、攪拌により気相部のガスを液中に抱き込ませても良いが、通気と攪拌とを組み合わせるとより効果的である。ガスの供給については、予め処理槽に一定量のガスを仕込んでおくバッチ方式も考えられるが、連続的に供給する方が効率的である。その場合ガスの供給速度は加熱処理の条件下における色素抽出溶液に対し、0.01[ガス容量/色素抽出溶液容量・分](以下vvmと記載する。)以上であれば良く、中でも0.1〜10vvmの供給速度が好ましい。供給ガスの圧力については特に制限はないが、0.001〜0.5MPa(ゲージ圧)が操作上好ましい。供給する酸化力を有するガスの組成については任意であるが、オゾン及び/又は酸素を含有していれば特に制限はく、現実の製造においては空気または酸素富化空気、またはオゾン富化空気を使用するのが最も簡便である。
【0012】
次に、加熱処理をした色素溶液を脱臭処理に供する。脱臭処理に関しては、水蒸気蒸留法、分子蒸留法、有機溶剤や超臨界流体による抽出法、膜ろ過法、吸着法など一般に知られる脱臭処理方法であれば何れでも適用可能である。中でも色素成分等を含む溶液を合成樹脂吸着剤を充填したカラムに通液する方法が好ましい。この方法の場合、特に合成樹脂吸着剤カラムに色素成分と臭気成分を含む色素抽出液を通液し、先ず該樹脂に臭気成分と色素成分の両方を吸着させ、先に破過して出て来る色素成分を含む通過液から回収を開始し、後から破過して出てくる臭気成分を含む通過液までの間の色素液を回収する方法が好ましい。
【0013】
用いる合成樹脂吸着剤としては、無極性の多孔質吸着樹脂であり、例えば、スチレン−ジビニルベンゼン架橋共重合体系樹脂や(メタ)アクリル酸エステル架橋共重合体系樹脂等の網目状分子構造を持つ樹脂が好ましい。スチレン−ジビニルベンゼン架橋共重合体系樹脂においては、例えば、比表面積約300〜約700m2/g程度の樹脂が好ましく、これに該当する多孔質合成樹脂としてはダイヤイオンHP−20、ダイヤイオンHP−50等のHP樹脂(「ダイヤイオン」:登録商標、三菱化学社製)、ダイヤイオンSP−206、ダイヤイオンSP−825等のSP樹脂(三菱化学社製)、XAD−4(ローム アンド ハース社製)などが挙げられる。またメタクリル酸系エステル樹脂としては、例えばXAD−7およびXAD−8(ローム アンド ハース社製)などが挙げられる。
【0014】
臭気成分と色素成分を含む色素水溶液のカラムへの通液に引き続いて、これらの成分を含まない水溶媒(脱着水)の通液を行っても良い。通液に用いる水溶媒のpHは7以下が好ましく、約1〜4の範囲がより好ましい。pHの調整に用いられる酸は前記した色素溶液のpH調整に用いられたものが用いられる。
液の通過速度は特に限定されないが、単位容積当たりの流量が多いと装置当たりの処理量が確保できても、脱臭が不十分になる場合があるので限界があり、他方速度を落とすほど臭気成分の吸着は良くなるが、逆に単位時間当たりの処理量が低下する。従って、通液速度は通常SV=0.1〜10、中でも0.5〜5が好ましい。
【0015】
色素成分の破過が始まるまでの通液量はベッドボリューム(BV)の4倍(4BV)程度であり、色素回収の開始は、通常1〜10BV、好ましくは2〜6BVの通液後から行なえばよい。
また、色素成分が樹脂に吸着している間は、通過液は透明であり、色素成分が破過し始めると赤色に変化するので、通過液の吸光度をチェックして回収開始点を決めるのが好ましい。回収の終点は、上記のとおり臭気成分の破過点をベッドボリュームで予め確認しておいて判断してもよいし、人間が臭いを嗅いでも十分に判断が可能であり、ヘッドスペースGC法を用いる気相部サンプルのスルフィド類の分析によっても判断できる。本樹脂による脱臭処理により、ほとんど臭いがなく、かつ戻り臭の極めて少ない色素溶液が得られる。
【0016】
本発明により得られる色素溶液はこのまま各種の用途に供試しうるが、通常は濃縮して流通、保存、使用される。濃縮は通常の方法で行われるが、例えば20〜90℃程度の温度で使用した溶媒を大気ないし減圧条件下に留去することにより、200〜2000の色価を有する該色素の濃縮液を得ることができる。
このようにして得られた色素溶液は、色調に優れ、また長期間にわたって臭気の再発生が無く、長期保存されたものでも食品、飲料や化粧品等の着色剤として広く利用できる。
利用に際しては用途に応じこのまま、または乳化、粉末化した形態で使用可能である。乳化は通常、アラビアガム、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルなどの乳化剤、多価アルコール等を添加して、ホモミキサー、コロイドミル、高圧ホモジナイザーなどを用いて乳化する方法により行うことができる。さらに、粉末化は通常、乳糖、デキストリン、アラビアガムなどの賦形剤を添加し、真空乾燥、噴霧乾燥などの乾燥手段を用いて行うことができる。
【0017】
また、上記の如き形態で使用する場合、必要に応じ、色素の安定性を向上させる目的で乳酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸などの有機酸あるいはクロロゲン酸、ルチン、茶フラボノイド、タンニン類などの抗酸化剤等を添加することもできる。このようにして得られた種々の形態の色素は、飲食物、嗜好品類、餌飼料類、保健・医薬品類、香粧品などの各種分野において広く利用可能である。例えば、飲食品分野では、ドロップ、キャンディー、チョコレート、アイスクリーム、シャーベット、ゼリー、清涼飲料、乳飲料、飴、畜肉加工食品、焼き肉のたれ、漬物などの天然着色料;嗜好品類への天然着色料;錠剤、液状経口薬、湿布薬などのごとき保健・医薬品類への天然着色料;あるいは、石鹸、洗剤、シャンプーの着色のごとき香粧品類への天然着色料などとして有用である。
上記した如き飲食品等に添加する場合の添加量は、得られる製品の種類、要求される消費者の嗜好等によって左右されるが、通常は製品に対して約0.005〜約10重量%の範囲、好ましくは約0.01〜約0.1重量%の範囲を例示することができる。
【0018】
【実施例】
以下に本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。以下において、「%」は「重量%」を表す。
又、アントシアニン色素の極大吸収波長512nmにおける吸光度の測定により、色素溶液の 色価を示す。
【0019】
実施例1
赤ダイコン1Kgを適当な大きさに裁断し、抽出器にて、クエン酸1%の水溶液5リットルを仕込み、常温下8時間程で抽出し、3回繰り返した。該抽出液を分離回収して集液したものを加熱減圧濃縮器を用いて、水分を蒸発除去濃縮した。得られた濃縮液の一部分を平均孔径1.6μmのグラスフィルターでろ過した後、赤ダイコン色素原液として以下に述べるテストに供した。また、該色素原液のpHは2.6であった。
なお、該赤ダイコン色素原液の波長512nmの光に対する吸光度(以下、A512値と略記する)は610であった。
上記赤ダイコン色素原液600mLを、1Lのセパラブルフラスコに入れ、空気を1vvmの通気速度で通気し、ディスクタービン翼を用いて1000rpmで攪拌しながら、ウォーターバスを用いて80℃に加温する処理を8時間行った。その後、液を室温程度まで冷却し、色素の加熱処理液580mLを得た。該処理液のA512値は550であった。
【0020】
該加熱処理液400mLを、合成吸着樹脂ダイヤイオンHP20(三菱化学社製)20cm3を充填したガラス製カラム(径12.5mmφ)に、SV=3の流速で通過させ、赤ダイコン色素の脱臭処理液390mLを得た。該脱臭処理液のA512値は450であった。又、この脱臭処理液をヘッドスペースGCにてスルフィド類を分析すると同時に、官能試験により臭気の評価を行った。その結果を表1に示す。さらに、この脱臭処理液を密閉容器に入れ、冷蔵庫(約4℃)で2ヶ月間保存し、その後ヘッドスペースGCにてスルフィド類を分析すると同時に、官能試験により臭気の評価を行った。その結果を表−1に示す。
【0021】
実施例2
実施例1で得た赤ダイコン色素原液600mLを、1Lのセパラブルフラスコに入れ、100ppmのオゾンを混合した空気を0.5vvmの通気速度で通気し、ディスクタービン翼を用いて1000rpmで攪拌しながら、ウォーターバスを用いて80℃に加温する処理を4時間行った。その後、液を室温程度まで冷却し、色素の加熱処理液580mLを得た。該処理液のA512値は530であった。該加熱処理液400mLを、合成吸着樹脂ダイヤイオンHP20(三菱化学社製)20cm3を充填したガラス製カラム(径12.5mmφ)にSV=3の流速で通過させ、赤ダイコン色素の脱臭処理液390mLを得た。該処理液のA512値は420であった。該色素処理液をヘッドスペースGCにてスルフィド類を分析すると同時に、官能試験により臭気の評価を行った。その結果を表1に示す。さらに、該処理液を密閉容器に入れ、冷蔵庫(約4℃)で2ヶ月間保存し、その後ヘッドスペースGCにてスルフィド類を分析すると同時に、官能試験により臭気の評価を行った。その結果を表−1に示す。
【0022】
実施例3
実施例1で得た赤ダイコン色素原液に1%になるようリン酸を加えたところpHは1.8となった。該原液600mLを、1Lのセパラブルフラスコに入れ、空気を1vvmの通気速度で通気し、ディスクタービン翼を用いて1000rpmで撹拌しながら、ウオーターバスを用いて80℃に加温する処理を8時間行った。その後、液を室温程度まで冷却し、色素の加熱処理液580mLを得た。該処理液のA512値は570であった。
該加熱処理液400mLを、合成吸着樹脂ダイヤイオンHP20(三菱化学社製)20cm3を充填したガラス製カラム(径12.5mmφ)にSV=3の流速で通過させ、赤ダイコン色素の脱臭処理液390mLを得た。該脱臭処理液のA512値は465であった。該脱臭処理液をヘッドスペースGCにてスルフィド類を分析すると同時に、官能試験により臭気の評価を行った。その結果を表−1に示す。さらに、該処理液を密閉容器に入れ、冷蔵庫(約4℃)で2ヶ月間保存し、その後ヘッドスペースGCにてスルフィド類を分析すると同時に、官能試験により臭気の評価を行った。その結果を表−1に示す。
【0023】
比較例1
実施例1で得た赤ダイコン色素原液400mLを、合成吸着樹脂ダイヤイオンHP20(三菱化学社製)20cm3を充填したガラス製カラム(径12.5mmφ)にSV=3の流速で通過させ、赤ダイコン色素の脱臭処理液390mLを得た。該処理液のA512値は490であった。該色素処理液をヘッドスペースGCにてスルフィド類を分析すると同時に、官能試験により臭気の評価を行った。その結果を表1に示す。さらに、該処理液を密閉容器に入れ、冷蔵庫(約4℃)で2ヶ月間保存し、その後ヘッドスペースGCにてスルフィド類を分析すると同時に、官能試験により臭気の評価を行った。その結果を表−1に示す。
【0024】
【表1】
Figure 0004097911
【0025】
官能評価の説明
++++:異臭が極めて強い。
+++ :異臭がかなり強い。
++ :異臭がやや強い。
+ :異臭がわずかに感じられる。
− :異臭なし。
表−1の結果から明らかな様に、本発明の処理を施した色素溶液ではでは2ヶ月経過しても臭気を示す数値が殆ど上昇せず、戻り臭が生成しなかったのに対して、原液では臭気を同じレベルで帯びたままであり、また比較例では数値が上昇し戻り臭が発生していることが判る。
【0026】
【発明の効果】
以上の通り、本発明方法によれば、戻り臭の極めて少ない天然系色素液を製造することが可能となり、本発明方法は工業的に極めて有用な方法である。

Claims (10)

  1. 天然物から色素を抽出した抽出溶液を、酸化力を有するガスとの接触下で加熱した後、脱臭処理する色素溶液の製造方法において、酸化力を有するガスを色素の抽出溶液に通気し、且つ該ガスの供給量が、色素抽出溶液に対し0.1〜10[ガス容量/色素抽出溶液容量・分]であることを特徴とする戻り臭が抑制された色素溶液の製造方法。
  2. 酸化力を有するガスが、オゾン及び/又は酸素含有ガスであることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  3. 抽出溶液の抽出温度が10〜40℃であることを特徴とする請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 加熱温度が50℃以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. 加熱時間が2時間以上であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の製造方法。
  6. 加熱処理時の色素抽出溶液のpHが3以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の製造方法。
  7. 天然物由来の色素が、アブラナ科植物由来の色素であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の製造方法。
  8. 天然物由来の色素がアントシアニン系色素であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の製造方法。
  9. 脱臭処理は、加熱後の色素抽出溶液を吸着剤により接触処理するものであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の製造方法。
  10. 吸着剤が合成樹脂吸着剤であることを特徴とする請求項9に記載の製造方法。
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