JP4096276B2 - 樹脂用安定剤及びこれを配合した合成樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、下記式(I)
【0002】
【化2】
[Al2(Li(1-x)・M(x+y)(ZnO)z)(OH)(6+2y)]n(An-)(1+x)・mH2O (I)
【0003】
(式中、MはZn、An-はn価のアニオンであって、Aが炭酸イオン、塩素のオキシ酸イオン及びリンのオキシ酸イオンからなる群より選ばれた1種以上、m、x、y、zは、0≦m<5、0<x≦0.5、0≦y≦0.5、0≦z≦0.5、0≦y+z<1、0<x+y+z≦1の範囲である。)で示される複合金属水酸化物塩からなる樹脂用安定剤及びこれを配合した合成樹脂組成物に関する。
【0004】
【従来の技術】
ポリエチレン、ボリプロビレン等の合成樹脂は、それ自体の物性、或いは他の添加剤の影響により、熱や光等によって劣化し、変色したり機械的強度が弱くなる等各種物性が損なわれることが良く知られている。この物性が損なわれることを防ぐ安定剤として、各種添加剤が使用されている。このような安定剤の一例として、特開平5−179052号公報では、酸補足能を有する古くから公知のリチウムアルミニウム複合金属水酸化物塩を樹脂用安定剤として用いる技術が提案されている。
しかしながら、上述したリチウムアルミニウム複合金属水酸化物塩は、樹脂に対し、ある程度の安定性を示すが、エレクトロドナー性のアルカリ金属(リチウム)を多く含むため、樹脂を強く着色させるという問題があり、実際に使用できるものではなかった。
また、その熱安定性と酸捕捉能も、酸と反応し難い水酸化アルミニウムを基本骨格としているため不充分であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記実状に鑑み、樹脂を着色させることが少なく、且つ熱安定性や透明性に優れた樹脂用安定剤を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記問題点を解決するために鋭意検討した結果、下記式(I)
【0007】
【化3】
[Al2(Li(1-x)・M(x+y)(ZnO)z)(OH)(6+2y)]n(An-)(1+x)・mH2O (I)
【0008】
(式中、MはZn、An-はn価のアニオンであって、Aが炭酸イオン、塩素のオキシ酸イオン及びリンのオキシ酸イオンからなる群より選ばれた1種以上、m、x、y、zは、0≦m<5、0<x≦0.5、0≦y≦0.5、0≦z≦0.5、0≦y+z<1、0<x+y+z≦1の範囲である。)で示される複合金属水酸化物塩が上記課題を解決することを見出し、本発明を完成した。
【0009】
すなわち、本発明は、上記式(I)で示される複合金属水酸化物〔以下、化合物(I)〕を有効成分として含有することを特徴とする樹脂用安定剤である。より詳しく述べるならば、本発明における複合金属水酸化物塩は、構成する成分の種類により以下の4つのタイプの複合金属水酸化物塩に分類することができる。
【0010】
第1は、y=0、z=0の場合である複合金属水酸化物塩であり、下記式
【化4】
(式中、MはZn、An-はn価のアニオンであって、Aが炭酸イオン、塩素のオキシ酸イオン及びリンのオキシ酸イオンからなる群より選ばれた1種以上、m、xは、0≦m<5、0<x≦1の範囲である。)で示される。
【0011】
第2は、z=0の場合である複合金属水酸化物塩であり、下記式
【化5】
(式中、MはZn、An-はn価のアニオンであって、Aが炭酸イオン、塩素のオキシ酸イオン及びリンのオキシ酸イオンからなる群より選ばれた1種以上、m、x、yは、0≦m<5、0<x≦0.5(好ましくは0.01≦x<0.5)、0≦y≦0.5(好ましくは0.01≦y<0.5)、0≦z≦0.5、0≦y+z<1、0<x+y+z≦1の範囲である。)で示される複合金属水酸化物塩である。
【0012】
第3は、0<y、0<zの場合である複合金属水酸化物であり、下記式
【化6】
(式中、MはZn、An-はn価のアニオンであって、Aが炭酸イオン、塩素のオキシ酸イオン及びリンのオキシ酸イオンからなる群より選ばれた1種以上、m、x、y、zは、0≦m<5、0<x≦0.5(好ましくは0.01≦x<0.5>、0<y+z<1(好ましくは、0.01≦y+z≦0.5)、0<x+y+z≦1の範囲で、0<y、0<zである)で示される複合金属水酸化物塩である。
【0013】
第4は、y=0の場合である複合金属水酸化物であり、下記式
【化7】
(式中、MはZn、An-はn価のアニオンであって、Aが炭酸イオン、塩素のオキシ酸イオン及びリンのオキシ酸イオンからなる群より選ばれた1種以上、m、x、y、zは、0≦m<5、0<x≦0.5(好ましくは0.01≦x<0.5)、0<z≦0.5(好ましくは0.01≦z<0.5)の範囲である。)で示される。
【0014】
本発明に係る化合物(I)は、ギブサイト構造の水酸化アルミニウム八面体層の空位(ベーカント)にリチウムイオン及び2価の金属イオン(Zn)とを入れた物を骨格とする基本層と、アニオンと結晶水からなる中間層とからなるリチウムアルミニウム系化合物に、場合によっては亜鉛の水酸化物や酸化物をほぼ無定型の形で複合化させた複合金属水酸化物である。
【0015】
ベーカントに導入されたZnは2価金属であり、必然的に1価金属であるリチウムのみが八面体空位に入ったリチウムアルミニウム複合金属酸化物塩より中間層のアニオン量を増大させ、その結果、塩素等のハロゲンイオン交換量が増大する。さらには、本発明に係る化合物(I)は、複合化されたほぼ無定型のZnの水酸化物や酸化物の有する、水酸化アルミニウムをベースとするリチウムアルミニウム複合水酸化物に比べた場合の反応性の良さのために、リチウムアルミニウム複合金属水酸化物より酸補足能等の反応性が高い。これらの結果として、例えば樹脂用安定剤として使用した場合、リチウムアルミニウム複合金属水酸化物塩に比べて顕著に安定性を改善する。
【0016】
本発明に用いる複合金属水酸化物塩のアニオンとしては、炭酸イオン、塩素のオキシ酸イオン又はリンのオキシ酸イオン等を挙げることができる。このオキシ酸としては、過塩素酸、リン酸、亜リン酸、メタリン酸等の群から選ばれた一種以上を使用できる。これらのアニオンの内でも、過塩素酸が層間に導入された複合金属水酸化物塩は特に、初期着色や加工時及び経時変化での着色防止性が向上する。又、この過塩素酸が層間に導入された複合金属水酸化物塩はウレタン等のアミノ基を含有する樹脂と塩化ビニル樹脂等の2層構造物において、ウレタンが熱分解して発生するアミンが塩化ビニルの劣化を促進することを抑制する等の優れた安定作用を有する。
【0017】
本発明に係る複合金属水酸化物塩、すなわち上記化合物(I)は、合成樹脂に配合して使用する場合には、微粒子で且つ高分散性であり、しかも比較的結晶が発達しているものが好ましい。従って、平均一次粒子は0.5μm以下で、平均2次粒子径としては、好ましくは3μm以下のものであり、より好ましくは1μm以下のものである。また、BET比表面積は、好ましくは50m2/g以下、より好ましくは30m2/g以下のものである。屈折率は、各樹脂により異なるが、樹脂の屈折率に近い1.50〜1.54程度のものが透明性を保持する観点からは望ましい。
【0018】
本発明の化合物(I)の製法をアニオンが炭酸である場合を一具体例として詳述する。
【0019】
この化合物(I)の一具体例である炭酸イオン型の複合金属水酸化物塩は、具体的には、水酸化アルミニウムを水媒体中で、亜鉛の炭酸塩と、水溶性亜鉛、水酸化亜鉛及び酸化亜鉛からなる群から選択された1種以上とを加熱処理反応させることによって製造できる。水溶性亜鉛の例としては、塩化亜鉛、硝酸亜鉛又は硫酸亜鉛の組み合わせ等を挙げることができる。炭酸リチウムと、亜鉛の炭酸塩との使用量は水酸化アルミニウムのAl21O3含量に対し、〔Li/Al2O3(モル比)〕+〔ZnO/Al2O3(モル比)〕=1となるように使用すると良いが、リチウム成分はやや過剰量に投入しても良い。
【0020】
加熱処理の温度範囲は、好ましくは常温から160℃迄の間の適宜な温度であり、より好ましくは90℃以上〜140℃、特に好ましくは110〜140℃の温度範囲である。処理温度が常温よりも低い場合は結晶化の程度が低くなり好ましくない。
【0021】
上記炭酸イオン型の複合金属水酸化物塩は、酸類、例えば硝酸、塩酸等のハロゲン酸、硫酸等の無機酸、又は有機酸例えば酢酸等のモノカルボン酸(一塩基性有機酸)で処理することにより、層間の炭酸イオンを他のアニオンに置換することができる。
【0022】
本発明の化合物(I)は、オートクレーブ等を用いた水熱処理を行うことにより、BET比表面積及び二次粒子径を適宜な範囲に調整することができる。水熱処理の温度範囲は、好ましくは100〜200℃、より好ましくは110〜140℃である。
【0023】
本発明の複合金属水酸化物塩は、コーティング剤で表面処理することによりさらに分散性に優れたものにすることができる。コーティング剤の例としては、高級脂肪酸類、高級脂肪酸塩類、高級脂肪酸系アルコールのリン酸エステル類、ワックス類、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤又はカップリング剤等を挙げることができる。
【0024】
高級脂肪酸としては、例えば、ラウリル酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸、カプリン酸、ミリスチン酸、リノ−ル酸等であり、高級脂肪酸塩類としては、例えば、上記高級脂肪酸のナトリウム塩、又はカリウム塩等を挙げることができる。高級脂肪酸系アルコールのリン酸エステル類としては、例えば、高級脂肪酸アルコールのリン酸エステル、例えば、ラウリルエーテルリン酸、ステアリルエーテルリン酸、オレイルエーテルリン酸等のアルキルエーテルリン酸、ジアルキルエーテルリン酸、アルキルフェニルエーテルリン酸類、ジアルキルフェニルエーテルリン酸類等、又はオレイルエーテルリン酸ナトリウム、ステアリルエーテルリン酸カリウム等のアルキルエーテルリン酸塩類を挙げることができる。
【0025】
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ラウリル酸ジエタノールアミド等のアルキロールアマイド類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等のポリオキシアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ジステアリン酸ポリエチレングリコール等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、モノカプリン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、ジステアリン酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル類、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、グリコールエーテル類等を挙げることができる。
【0026】
カチオン系界面活性剤としては、例えば塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム等のアルキルトリメチルアンモニウム塩類、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ラウリルジメチルベンジルアンモニウム塩等のアルキルジメチルベンジルアンモニウム塩類等を挙げることができる。
【0027】
両性活性剤としては、ヤシ油アルキルベタイン等のアルキルベタイン類、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルアミドベタイン類、Z−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリームベタイン等のイミダゾリン類、ポリオクチルポリアミノエチルグリシン等のグリシン類を挙げることができる。
【0028】
カップリング剤としては、例えばシラン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、チタン系カップリング剤、ジルコニウム系カップリング剤等を挙げることができる。
【0029】
本発明においては、上記コーティング剤から選ばれた1種以上を同時に使用することもできる。
【0030】
コ−ティング剤の添加量は0.1〜10重量%であり、好ましくは0.5〜6重量%の範囲である。0.1重量%以下では分散性が悪く、10重量%以上では効果は充分であるが、経済的には有利ではない。
【0031】
表面処理は、常法に従って湿式法でも乾式法でも容易にすることができる。
【0032】
本発明に用いる樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、塩素化ゴム、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−プロピレン共重合体、塩化ビニル−スチレン共重合体、塩化ビニル−イソブチレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−スチレン−無水マレイン酸三元共重合体、塩化ビニル−スチレン−アクリロニトリル三元共重合体、塩化ビニル−ブタジエン共重合体、塩化ビニル−塩化プロピレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン−酢酸ビニル三元共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−マレイン酸エステル共重合体、塩化ビニル−メタクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、内部可塑化ポリ塩化ビニル等の重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ−3−メチルブテン等のα−オレフィン重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン及びこれらの共重合体、AS樹脂、ABS樹脂、MBS樹脂等のスチレンと他の単量体との共重合体、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリエステル類、ポリアミド類、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、ポリウレタン、ナイロン類等の熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、及びアクリルニトリル、ブタジエン、スチレン等の共重合ゴム、エチレンとプロピレン、ブテン−1等のα−オレフィンとの共重合ゴム等のゴム類等を選択することができる。
【0033】
本発明に係る複合金属水酸化物塩を樹脂用安定剤として使用する場合、その使用量は上記樹脂100重量部に対し、0.01〜50重量部が好適であり、より望ましくは、0.1〜10重量部が望ましい。
【0034】
本発明の複合金属水酸化物塩からなる樹脂用安定剤は、必要に応じてプラスチックに使用される各種の添加剤を併用することができる。この添加剤としては、金属の有機酸塩、塩基性有機酸塩及び過塩基性有機酸塩、β−ジケトン類、金属酸化物、金属水酸化物、エポキシ化合物、多価アルコール、過ハロゲン酸素酸塩、ホスファイト系、硫黄系及びフェノール系等の酸化防止剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系等の光安定剤、可塑剤、造核剤、充填剤、難燃剤等がある。
【0035】
上記金属の有機酸塩、塩基性有機酸塩及び過塩基性有機酸塩の金属種としては、Li、Na、K、Ba、Mg、Sr、Zn、Cd、Sn、Cs、Al、有機錫等を選択することができる。又、有機酸としては、例えば、カルボン酸類、有機リン酸類、フェノール類を選択することができる。
【0036】
上記カルボン酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ネオデカン酸、2−エチルヘキシル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、イソステアリン酸、ステアリン酸、1,2−ヒドロキシステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸、エライジン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、チオグリコール酸、メルカプトプロピオン酸、オクチルメルカプトポロピオン酸、安息香酸、モノクロル安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、ジメチルヒドロキシ安息香酸、3,5−ジ−ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸、トルイル酸、ジメチル安息香酸、エチル安息香酸、クミン酸、n−プロピル安息香酸、アセトキシ安息香酸、サリチル酸、p−tert−オクチルサリチル酸等の一価カルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セパチン酸、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、メタコン酸、イタコン酸、アコニット酸、チオジプロピオン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、オキシフタル酸、クロルフタル酸等の二価のカルボン酸あるいはこれらのモノエステル又はモノアマイド化合物、ブタントリカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、ヘミメリト酸、トリメリト酸、メロファン酸、ピロメリット酸等の三価又は四価カルボン酸或いはこれらのジ又はトリエステル化合物等を選択できる。
【0037】
有機リン酸類としては、モノ又はジオクチルリン酸、モノ又はジドデシルリン酸、モノ又はジオクタデシルリン酸、モノ又はジ−(ノニルフェニル)リン酸、ホスホン酸ノニルフェニルエステル、ホスホン酸ステアリルエステル等を選択できる。
【0038】
フェノール類としては、フェノール、クレゾール、キシレノール、メチルプロピルフェノール、メチル−tert−オクチルフェノール、エチルフェノール、イソプロピルフェノール、tert−ブチルフェノール、n−ブチルフェノール、ジイソブチルフェノール、イソアミルフェノール、ジアミルフェノール、イソヘキシルフェノール、オクチルフェノール、イソオクチルフェノール、2−エチルヘキシルフェノール、tert−オクチルフェノール、ノニルフェノール、ジノニルフェノール、tert−ノニルフェノール、デシルフェノール、ドデシルフェノール、オクタデシルフェノール、シクロヘキシルフェノール、フェニルフェノール、チオフェノール等を選択できる。
【0039】
上記有機錫は安定剤として配合されるものである。この有機錫系安定剤としては、モノ(又はジ)メチル錫トリ(又はジ)ラウレート、モノ(又はジ)ブチル錫トリ(又はジ)ラウレート、モノ(又はジ)オクチル錫トリ(又はジ)ラウレート等のモノ(又はジ)アルキル錫ラウレート系、例えばモノ(又はジ)メチル錫マレエートポリマー、モノ(又はジ)ブチル錫マレエートポリマーモノ(又は時ジ)メチル錫トリス(又はビス)イソオクチルマレエート、モノ(又はジ)ブチル錫トリス(又はビス)イソオクチルマレエート、モノ(又はジ)オクチル錫トリス(又はビス)イソオクチルマレエート等のモノ(又はジ)アルキル錫マレエート系、例えばモノ(又はジ)メチル錫トリス(又はビス)イソオクチルチオグリコレート、モノ(又はジ)オクチル錫トリス(又はビス)イソオクチルチオグリコレート、モノ(又はジ)ブチル錫トリス(又はビス)チオグリコレート、モノ(又はジ)メチル錫チオグリコレート(又は2−メルカプトプロビオネート)、モノ(又はジ)ブチル錫チオグリコレート(又は2−メルカプトプロピオネート)、モノ(又はジ)オクチル錫チオグリコレート(2−メルカプトプロピオネート)、モノ(又はジ)メチル錫トリ(又はジ)ドデシルメルカプタイド、モノ(又はジ)ブチル錫トリ(又はジ)ドデシルメルカプタイド、モノ(又はジ)オクチル錫トリ(又はジ)ドデシルメルカプタイド、モノ(又はジ)メチル錫サルファイド、ジオクチル錫サルファイド、ジドデシル錫サルファイド、モノ(又はジ)メチルもしくはブチルもしくはオクチル錫トリス(又はビス)2−メルカプトエチルオレエート、チオビス〔モノメチル錫ビス(2−メルカプトエチルオレエート)〕、チオビス〔ジメチル若しくはジブチル若しくはジオクチル錫モノ(2−メルカプトエチルオレエート)〕、モノ(又はジ)オクチル錫−S,S´ビス(イソオクチルメルカプトアセテート)等のモノ(又はジ)アルキル錫メルカプタイド系等を選択できる。
【0040】
β−ジケトンとしては、デヒドロ酢酸、デヒドロプロピオニル酢酸、デヒドロベンゾイル酢酸、シクロヘキサン−1,3−ジオン、ジメドン、2,2−メチレンビスシクロヘキサン−1,3−ジオン、2−ベンジルシクロヘキサート−1,3−ジオン、アセチルテトラロン、パルミトイルテトラロン、ステアロイルテトラロン、ベンゾイルテトラロン、2−アセチルシクロヘキサノン、2−ベンゾイルシクロヘキサノン、2−アセチル−シクロヘキサノン−1,3−ジオン、ベンゾイル−p−クロルベンゾイルメタン、ビス(4−メチルベンゾイル)メタン、ビス(2−ヒドロキシベンゾイル)メタン、ベンゾイルアセチルメタン、トリベンゾイルメタン、ジアセチルベンゾイルメタン、ステアロイルベンゾイルメタン、パルミトイルベンゾイルメタン、ジベンゾイルメタン、4−メトキシベンゾイルメタン、ビス(4−クロルベンゾイル)メタン、ビス(3,4−メチレンジオキシベンゾイル)メタン、ベンゾイルアセチルオクチルメタン、ベンゾイルアセチルフェニルメタン、ステアロイル−4−メトキシベンゾイルメタン、ビス(4−tert−ブチルベンゾイル)メタン、ベンゾイルアセチルエチルメタン、ベンゾイルトリフルオルアセチルメタン、ジアセチルメタン、ブタノイルアセチルメタン、ヘプタノイルアセチルメタン、トリアセチルメタン、ジステアロイルメタン、ステアロイルアセチルメタン、パルミトイルアセチルメタン、ラウロイルアセチルメタン、ベンゾイルホルミルメタン、アセチルホルミルメチルメタン、ベンゾイルフェニルアセチルメタン、ビス(シクロヘキサノイル)メタン等を選択することができる。又、これらβ−ジケトン化合物の金属塩例えばリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、ジルコニウム、錫、アルミニウム等の金属の塩を用いることができる。これらのβ−ジケトンの中で特に好ましいのはステアロイルベンゾイルメタン、ジベンゾイルメタンである。
【0041】
エポキシ化合物としては、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化魚油、エポキシ化トール油脂肪酸エステル、エポキシ化牛脂油、エポキシ化ひまし油、エポキシ化サフラワー油、エポキシ化アマニ油脂肪酸のブチルエステル、メチルエポキシステアレート、2−エチルヘキシルステアレート又はステアリルエポキシステアレート、トリス(エポキシプロピル)イソシアヌレート、3−(2−キセノキシ)−1,2−エポキシプロパン、エポキシ化ポリブタジエン
、ビスフェノール−Aジグリシジルエーテル、ビニルシクロヘキセンジエポキシサイド、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、3,4−エポキシシクロヘキシル−6−メチルエポキシシクロヘキサンカルボキシレート等を選択できる。
【0042】
多価アルコールとしては、例えば、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール又はジペンタエリスリトールのステアリン酸部分エステル、ビス(ジペンタエリスリトール)アジペート、グリセリン、ジグリセリン、トリス(2−ヒドロキシエステル)イソシアヌレート等を選択できる。
【0043】
可塑剤としては、リン酸トリブチル、トリフェニルホスフェート、リン酸トリ−2−エチルヘキシル等のリン酸エステル系可塑剤、ジメチルフタレート、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジイソデシルフタレート等のフタル酸エステル系可塑剤、ブチルオレエート、グリセリモノオレイン酸エステル、ブチルステアレート、ブチルエポキシステアレート等の脂肪族一塩基酸エステル系可塑剤
、ジイソデシルアジペート、ジブチルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルアジペート等の脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤、ジエチレングリコールジベンゾエート等の二価アルコールエステル系可塑剤、メチルアセチルリシノレート等のオキシ酸エステル系可塑剤、塩素化パラフィン系可塑剤、オレイン酸、パルミチン酸等の脂肪酸類及びこれらの金属塩、脂肪酸由来の脂肪酸アミド、ポリエチレンワックス等のワックス類、流動パラフィン、グリセリン脂肪酸エステル等のエステル類、高級アルコール等を挙げることができる。
【0044】
光安定剤としては、ヒンダードアミン系化合物、クレゾール類、メラミン類、安息香酸等を挙げることができる。
【0045】
ヒンダーズアミン系光安定剤としては、例えば、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6−ぺンタメチル−4−ピペリジルステアレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、N−(2,2,6,6−テトラメチルー4−ピペリジル)ドデシルコハク酸イミド、1−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシルフェニル)プロピオネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン、テトラ(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ブタンテトラカルボキシレート、テトラ(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ジ(トリデシル)ブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ジ(トリデシル)ブタンテトラカルボキシレート、3,9−ビス{1,1−ジメチル−2−〔トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキシ〕エチル}−2,4,8,10−テトロオキサスピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス{1,1−ジメチル−2−〔トリス(1,2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキシ〕エチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,5,8,12−テトラキス{4,6,−ビス〔N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミノ〕−1,3,5−トリアジン−2−イル}−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール/コハク酸ジメチル縮合物、2−tert−オクチルアミノ−4,6−ジクロロ−s−トリアジン/N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン縮合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン/ジブロモエタン縮合物等を挙げることができる。光安定剤の配合量は、樹脂100重量部に対して0.02〜5重量部が好適であり、少なければ効果が見いだせず、多ければフィルムの透明性を損なう。特にヒンダードアミン系化合物は、酸によってその性能が損なわれ易く、本発明の樹脂用安定剤を併用することにより、そのようなことを抑制できる。
【0046】
酸化防止剤としては、フェノール系、リン系、硫黄系等の酸化防止剤を挙げることができる。
【0047】
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、2,6−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノール、ステアリル(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、ジステアリル(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネート、チオジエチレングリコールビス〔(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサメチレンビス〔(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサメチレンビス〔(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アミド〕、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール、ビス〔3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−tert−ブチルフェニル)酪酸〕グリコールエステル、4,4’−ブチリデンビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4−sec−ブチル−6−tert−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、ビス〔2−tert−ブチル−4−メチル−6−(2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5−メチルベンジル)フェニル〕テレフタレート、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−tert−ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリス〔(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル〕イソシアヌレート、テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、2−tert−ブチル−4−メチル−6−(2−アクリロイルオキシ−3−tert−ブチル−5−メチルベンジル)フェノール、3,9−ビス{1,1−ジメチル−2−〔(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、トリエチレングリコールビス〔(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート〕等を挙げることができる。
【0048】
リン系酸化防止剤としては、例えば、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス〔2−tert−ブチル−4−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニルチオ)5−メチルフェニル〕ホスファイト、トリデシルホスファイト、オクチルジフェニルホスファイト、ジ(デシル)モノフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、モノ(ジノニルフェニル)ビス(ノニルフェニル)ホスファイト、ジ(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(トリデシル)イソプロピリデンジフェノールジホスファイト、テトラ(トリデシル)イソプロピリデンジフェノールジホスファイト、テトラ(C12-16混合アルキル)−4,4’−n−ブチリデンビス(2−tert−ブチル−5−メチルフェノール)ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)−1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタントリホスファイト、テトラキス(2,4−ジーtert−ブチルフェニル)ビフェニレンジホスホナイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)(オクチル)ホスファイト等を挙げることができる。
【0049】
硫黄系酸化防止剤としては、例えば、チオジプロピオン酸のジラウリル、ジミリスチル、ジステアリル等のジアルキルジチオプロピオネート類及びペンタエリスリトールテトラ(β−ドデシルメルカプトプロピオネート)等のポリオールのβ−アルキルメルカプトプロピオン酸エステル類を挙げることができる。上記酸化防止剤の配合量は0.01〜3%程度が好適である。
【0050】
帯電防止剤としては、ポリオキシエチレン・アルキルアミン、ポリグリコールエーテル、ノニオン系活性剤、カチオン系活性剤等を挙げることができる。
【0051】
顔料としては、通常使用される有機系顔料、無機系顔料全て好適に使用でき、特に制限はない。
【0052】
紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サルチル酸エステル系、置換オキザリニド類及びシアノアクリレート類等を挙げることができる。
【0053】
ベンゾフェノン系としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、5,5’−メチレンビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)等の2−ヒドロキシベンゾフェノン類等を挙げることができる。
【0054】
ベンゾトリアゾール系としては、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス(4−tert−オクチル−6−ベンゾトリアゾール)フェノール等の2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類を挙げることができる。
【0055】
サルチル酸エステル系としては、例えば、フェニルサリチレート、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート類を挙げることができる。
【0056】
置換オキザリニド類としては、例えば、2−エチル−2’−エトキシオキザリニド、2−エトキシ−4’−ドデシルオキザニリド等の置換オキザリニド類を挙げることができる。
【0057】
シアノアクリレート類としては、例えば、エチル−α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート等のシアノアクリレート類を挙げることができる。
【0058】
また、充填剤或いは他の熱安定剤としては、通常使用される、炭酸マグネシウム、マグネシウムケイ酸塩、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、リン酸塩、ケイ酸塩、ハイドロタルサイト類等の無機化合物が使用できる。
【0059】
難燃剤としては、トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、トリイソプロピルフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート等の非ハロゲンタイプ、トリスクロロエチルホスフェート、トリスクロロプロピルホスフェート、トリスジブロモプロピルホスフェート等の含ハロゲンタイプ等のリン系難燃剤を挙げることができる。又、塩素化パラフィン、パークロロシクロデカン、無水クロレイド酸、及びクロレイド酸等の塩素系難燃剤、 臭素化ポリフェニル、テトラブロモエタン、テトラブロモブタン、ヘキサブロモベンゼン、臭素化スチレン、ブロモフェニルアリルエーテル、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールAカーボネートオリゴマー、デカブロモジフェニルオキサイド、オクタブロモジフェニルオキサイド、トリス(2、3−ジブロモプロピル)イソシアムレート、ビス(トリプロモフェノキシ)エタン、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂オリゴマー等を挙げることができる。
水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン等の無機系難燃剤も使用できる。
【0060】
特に、ブロム系やハロゲン系の難燃剤は、樹脂に配合すれば熱安定性や光安定性が損なわれることが多く、本発明の樹脂用安定剤を添加すれば、このような欠点が改善される。
【0061】
造核剤としては、ジベンジリデンソルビトール(DBS)、ジトリリデンソルビトール(PDTS)、及び複合型非対象ジアルキルベンジリデンソルビトール、アルミニウム−4−第三ブチルベンゾエート、ビス(4−メチルベンジリデン)ソルビトール、ビス(4−第三ブチルフェニル)ホスフェート塩、2、2’−メチレンビス(4、6−第三ブチルフェニル)ホスフェート塩、安息香酸ナトリウム、ブロム化ビフェニルエーテル、環状トリエチレングリコールテレフタレート、リン酸ナトリウム、シリカ、タルク、カオリン、酸化チタン、アルミナ等が挙げられる。本発明の樹脂用安定剤は、上記造核剤と併用又は単独で使用できる。また、本発明の樹脂用安定剤は、PET、POM、ポリカーボネート等の結晶化剤としても使用でき、既存のシリカ等の結晶化剤と併用して使用することもできる。
【0062】
上記各種添加剤は1種又は2種以上を適宜選択して配合することができる。その配合量はフィルムの性質を劣化させない範囲が良好であり、この範囲であれば特に制限はない。
【0063】
本発明をより明確にするために以下の実施例を示す。
【実施例】
【0064】
実施例1
下記配合からなる樹脂をヘンシェルミキサーで1500×5分間ブレンドした後、250℃で押し出し化工を行いペレットを作成し、プレス成形を行い厚さ2mmの試験片を作成した。得られた試験片を用いて120℃のギャーオープンにて経時での熱着色性をハンター比色計で黄色度を測定することによって確認した。
【0066】
配合
直鎖低密度ポリエチレン 100重量部
ビスフェノールAP 0.1重量部
試験化合物 0.1重量部
試験化合物として、[Al2(Li0.80・Zn0.20) (OH)6.0]2(CO3)1.20・2.0H2Oの組成である本発明の樹脂用安定剤を使用した。
【0068】
実施例2
試験化合物として[Al2(Li1.0・(ZnO)0.2) (OH)6.0]2(CO3)1.0・2.0H2Oを使用した以外は実施例1と同様にしてテストした。
【0070】
比較例1
試験化合物として、[Al2Li(OH)6]2(CO3)・2.0H2Oを使用した以外は実施例1と同様にしてテストした。
【0071】
比較例2
試験化合物を無添加とした以外は実施例1と同様にしてテストした。
【0072】
上記実施例1、2、比較例1、2でのテスト結果を表1にまとめて記す。
【0073】
【表1】
【0074】
実施例3
下記配合からなる樹脂をヘンシェルミキサーで1500×5分間ブレンドした後、250℃で押し出し化工を行いペレットを作成し、プレス成形を行い厚さ2mmの試験片を作成した。得られた試験片を用いて200℃のギャーオープンにて経時での熱着色性をハンター比色計で黄色度を測定することによって確認した。
【0076】
配合
ABS 100重量部
ビスフェノールAP 0.1重量部
テトラブロモビスフェノール 20重量部
三酸化アンチモン 5重量部
試験化合物 0.5重量部
試験化合物として、[Al2(Li0.80・Zn0.20)(OH)6.0]2(CO3)1.20・の組成である本発明の樹脂用安定剤を使用した。
【0078】
実施例4
試験化合物として[Al2Li1.0(ZnO)0.2(OH)6.0]2(CO3)1.0・2.0H2Oを使用した以外は実施例3と同様にしてテストした。
【0080】
比較例3
試験化合物として、[Al2Li(OH)6]2(CO3)・2.0H2Oを使用した以外は実施例3と同様にしてテストした。
【0081】
比較例4
試験化合物を無添加とした以外は実施例3と同様にしてテストした。
【0082】
上記実施例3、4、比較例3、4でのテスト結果を表2にまとめて記す。
【0083】
【表2】
【0086】
実施例5
下記配合からなる樹脂をヘンシェルミキサーで1500×5分間ブレンドした後、250℃で押し出し化工を行いペレットを作成し、プレス成形を行い厚さ1mmの試験片を作成した。得られた試験片のヘイズを測定することによって透明性を確認した。
配合
ポリプロピレン 100重量部
ビスフェノールAP 0.1重量部
2、2’−メチレンビス(4、6−第三ブチルフェニル)ホスフェート
0.1重量部
試験化合物 0.1重量部
試験化合物として[Al2Li1.0(ZnO)0.2(OH)6.2]2(CO3)1.0・2.0H2Oの組成である本発明の樹脂用安定剤を使用した。得られたヘイズ値は、99.2%であった。
【0088】
比較例5
試験化合物を添加しない以外は、実施例5と同様にしてヘイズを測定した。
得られたヘイズの値は、93.6%であった。
【0089】
【発明の効果】
本発明に係る複合金属水酸化物塩は、これを樹脂用安定剤として使用すれば、着色が少なく、且つ熱安定性や透明性の良い樹脂組成物を提供することができる。
Claims (6)
- 更に、高級脂肪酸、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸アルコールのリン酸のエステル、ワックス、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤及びカップリング剤からなる群より選ばれたコーティング剤のうちの1種以上により表面処理された請求項1記載の樹脂用安定剤。
- 合成樹脂100重量部に請求項1又は2記載の樹脂用安定剤0.01〜50重量部を配合することを特徴とする合成樹脂組成物。
- 合成樹脂100重量部に請求項1又は2記載の樹脂用安定剤0.01〜50重量部、ハロゲン系難燃剤0.1〜80重量部を配合したことを特徴とする合成樹脂組成物。
- 合成樹脂100重量部に請求項項1又は2記載の樹脂用安定剤0.01〜50重量部、造核剤0.01〜10重量部を配合したことを特徴とする合成樹脂組成物。
- 合成樹脂100重量部に請求項1又は2記載の樹脂用安定剤0.01〜50重量部、ヒンダードアミン系光安定剤0.01〜10重量部を配合したことを特徴とする合成樹脂組成物。
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