JP4095438B2 - 硬化性組成物及びフォトクロミック性硬化体 - Google Patents

硬化性組成物及びフォトクロミック性硬化体 Download PDF

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    • G02B5/22Absorbing filters
    • G02B5/23Photochromic filters

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、優れたフォトクロミック特性と基材特性を有する新規なフォトクロミック性硬化体、及び該硬化体を与える硬化性組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
フォトクロミズムとは、ここ数年来注目されてきた現象であって、ある化合物に太陽光あるいは水銀灯の光のような紫外線を含む光を照射すると速やかに色が変わり、光の照射をやめて暗所におくと元の色に戻る可逆作用のことである。このような性質を有する化合物はフォトクロミック化合物と呼ばれ、従来から色々な化合物が合成されてきたが、その構造には特別な共通性は認められない。
【0003】
本発明者らは、一連のフォトクロミック化合物について研究を続け、新規なフォトクロミック化合物、例えばフルギミド化合物、スピロオキサジン化合物及びクロメン化合物の合成に成功し、これら化合物が優れたフォトクロミック特性を有することを見いだし、すでに提案している。
【0004】
本発明者等のこれまでの検討等により、これらフォトクロミック化合物の発色濃度や退色速度といったフォトクロミック特性は、溶液中に比べて高分子中ではかなり遅くなるという知見が得られている。特にフォトクロミック分子のサイズが大きい化合物において、この現象は顕著である。このような現象が発現するのは溶液中に比べて高分子などのマトリックス中ではフォトクロミック化合物分子が自由に運動できる自由空間が圧倒的に小さいためと考えられる。
【0005】
上記のような問題を解決するためには、マトリックスとなる高分子のガラス転移温度を下げて基材を柔らかくするか、或いはマトリックス中の自由空間を広げることが考えられる。
しかし、単純に低いガラス転移温度の基材を使用した場合には、硬度が損なわれてしまい、レンズなどの硬度が要求される用途に使用する場合には問題となる。また、マトリックスとして自由空間の大きい高分子を用いた場合には、一般にこのような高分子の硬度の温度依存性は大きく、室温付近では比較的高い硬度を示すものでも高温下での硬度は急激に低下してしまう(以下、耐熱性が低いともいう。)という問題があり、さらに耐衝撃性も低下する。
【0006】
例えば、特許文献1には、特定の長鎖のアルキレングリコールジメタクリレートと3個以上のラジカル重合性基を有する多官能メタクリレートとを組み合わせた系について説明されている。該組合せによれば発色濃度や退色速度はかなり向上したものになるが、今一歩充分ではなく、さらに向上させることが望まれる。また、該技術は柔軟性に優れる基材を得ることを目的とするものであるため、その実施例等で具体的に示されるものは基材の硬度が低く、耐熱性の低下がおこり、光学歪みが多く存在するなどといった問題が生じる。
また、特許文献2には、長鎖のアルキレングリコールジメタクリレートとジメタクリレート、及び3個以上のラジカル重合性基を有する多官能メタクリレートとを組み合わせた系が開示されているが、該組み合わせでも、発色速度や退色速度は今一歩改良の余地があり、さらに上記と同様に、基材の硬度の低下、耐熱性の低下、さらには光学歪みが多く存在するといった欠点がある。
さらに、特許文献3には、ビスフェノールAを骨格とするジメタクリレートと単官能アルキレングリコールメタクリレートとの組み合わせが開示されている。しかしながら、この組合せにおいても、フォトクロミック特性における発色感度及び退色速度は、かなり良好であるものの、さらに改良の余地がある。
以上のように、フォトクロミック特性及び基材特性のすべてを満足した例はこれまでにない。
【特許文献1】
米国特許第5739243号明細書
【特許文献2】
米国特許第5811503号明細書
【特許文献3】
米国特許第5708064号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明の目的は、発色濃度が高く、退色速度が速いといった優れたフォトクロミック特性を示し、しかも基材については硬度や耐熱性が高いといった優れた基材特性を有するフォトクロミック性硬化体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前記目的を達成するために提案されたもので、特定のアリルエーテル又はアリルチオエーテル化合物と他のラジカル重合性単量体とを組み合わせてフォトクロミック化合物と混合し、得られた硬化性組成物を硬化させて得た硬化体は、発色濃度が高く、退色速度が速いといった優れたフォトクロミック特性を示し、しかも硬度、耐熱性の点で優れた基材特性を示すという知見に基づいて完成されたものである。
【0009】
即ち、本発明によれば、
(A)下記一般式(1)
【化14】
Figure 0004095438
・・(1)
式中、及びRは、それぞれ独立に、水素原子又はアルキル基であり、
はアルキル基、アシル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、
ビニル基又はスチリル基であり、
Zは酸素原子又は硫黄原子であり、
a及びbの平均はそれぞれ独立に0〜20であり、
a+bは3〜20である、
で示されるアリルエーテル又はアリルチオエーテル化合物
(B)上記(A)以外のラジカル重合性単量体
(C)フォトクロミック化合物
を含んでなり、
上記(A)成分及び(B)成分の合計量を基準として、(A)成分の含有量が0.001〜30質量%であり、(B)成分の含有量が99.999〜70質量%であり、
上記(A)成分及び(B)成分の合計量100重量部当り、(C)成分を0.0001〜10重量部含有していることを特徴とする硬化性組成物が提供される。
【0010】
また、本発明によれば、上記硬化性組成物を硬化させてなるフォトクロミック性硬化体が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
<成分(A)>
本発明の硬化性組成物で使用するアリルエーテル又はアリルチオエーテル化合物(A)は、下記一般式(1)
【化15】
Figure 0004095438
・・(1)
式中、及びRは、それぞれ独立に、水素原子又はアルキル基であり、
はアルキル基、アシル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、
ビニル基又はスチリル基であり、
Zは酸素原子又は硫黄原子であり、
a及びbの平均はそれぞれ独立に0〜20であり、
a+bは3〜20である、
で示されるものである。
【0012】
上記アリルエーテル又はアリルチオエーテル化合物を使用することにより、本発明の硬化性組成物を硬化して得られるフォトクロミック性硬化体は、発色濃度が極めて高く、退色速度が著しく速いものになる。
【0013】
また、こうしたフォトクロミック特性について比較的優れることが知られている公知の硬化性組成物は、多くの場合、硬化体の硬度や耐熱性が低いものになるのが一般的であるが、上記特定の単量体を使用した本発明の硬化性組成物では、該硬化体の硬度や耐熱性が大きく低下することがない。従って、共重合させる他のラジカル重合性単量体として特に高硬度の硬化体になり得るものを用いた場合には、前記発色濃度や退色速度のフォトクロミック特性に関して優れる一方で、硬度や耐熱性についても高い値に保持されたフォトクロミック性硬化体が得られる。
【0014】
ここで、R及びRおいてアルキル基は、炭素数1〜5のもの、特にメチル基、エチル基等の炭素数1〜2のものが好ましい。
また、Rにおいてアルキル基は、上記R及びRで示したものと同様のものが好ましい。アシル基は、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ベンゾイル基、ナフトイル基等の炭素数2〜15のものが好ましい。
【0015】
なお、上記一般式(1)で示されるモノマーは通常分子量の異なる分子の混合物の形で得られる。このため、前記式(1)中、アルキレンオキサイドユニットの数を表すa及びbは混合物全体の平均のユニット数で表し、この様な表し方をした場合、該a及びbの平均はそれぞれ独立に0〜20であり、a+bは3〜20である。a及びbの一方が0のときはアルキレンオキサイドユニットは単独種を表し、a及びbが共に0以外の時は、異種のアルキレンオキサイドユニットがブロック単位で繰り返すアルキレンオキサイドユニットを表す。
【0016】
本発明において、発色濃度及び退色速度に関し優れたフォトクロミック特性を得る観点からは、R及びRは、水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基が特に好ましく、Rは、炭素数1〜2のアルキル基または炭素数2〜10のアシル基が特に好ましく、a及びbの平均はそれぞれ独立に0〜10であり、a+bは4〜12であるのが特に好ましい。
【0017】
本発明で好適に使用されるアリルエーテル又はアリルチオエーテル化合物を具体的に例示すると、下記の化合物を挙げることができる。
平均分子量550のメトキシポリエチレングリコールアリルエーテル
平均分子量350のメトキシポリエチレングリコールアリルエーテル
平均分子量1500のメトキシポリエチレングリコールアリルエーテル
平均分子量450のポリエチレングリコールアリルエーテル
平均分子量750のメトキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールアリルエーテル
平均分子量1600のブトキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールアリルエーテル
平均分子量560のメタクリロキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールアリルエーテル
平均分子量600のフェノキシポリエチレングリコールアリルエーテル
平均分子量430のメタクリロキシポリエチレングリコールアリルエーテル
平均分子量420のアクリロキシポリエチレングリコールアリルエーテル
平均分子量560のビニロキシポリエチレングリコールアリルエーテル
平均分子量650のスチリロキシポリエチレングリコールアリルエーテル
平均分子量730のメトキシポリエチレンチオグリコールアリルチオエーテル
これらのアリルエーテル又はアリルチオエーテル化合物は単独又は数種組み合わせて使用してもよい。
【0018】
<成分(B)>
本発明において、上記アリルエーテル又はアリルチオエーテル化合物以外のラジカル重合性単量体(B)(以下、単に「他のラジカル重合性単量体」ともいう)は、上記の成分(A)として使用されるアリルエーテル又はアリルチオエーテル化合物と共重合可能なものであれば公知のものが制限無く使用できる。ラジカル重合性基としてはメタクリロイル基、アクリロイル基、ビニル基、アリル基等を挙げることができる。
【0019】
これらの他のラジカル重合性単量体としては、単独重合したときに得られる重合体のLスケールロックウェル硬度が60以上、より好適には65〜130、特に80〜130である2官能又は多官能重合性単量体(以下、これらを併せて単に「高硬度モノマー」ともいう)と重合させるのが好ましい。これらの高硬度モノマーを用いることにより、硬化して得られる本発明のフォトクロミック性硬化体は、硬度や耐熱性等の基本特性にも特に優れたものになる。
【0020】
なお、ここでLスケールロックウエル硬度とは、JIS−B7726に従って測定される硬度を意味し、各モノマーの単独重合体について該測定を行うことにより上記硬度の条件を満足するかどうかを簡単に判断することができる。具体的には、後述する実施例に示すように、モノマーを重合させて厚さ2mmの重合体を得、これを25℃の室内で1日保持した後にロックウェル硬度計を用いて、Lスケールロックウェル硬度を測定することにより容易に確認することが出来る。
【0021】
また、上記Lスケールロックウェル硬度を測定するに供する重合体は、対象とするラジカル重合性単量体の種類に応じて適当な重合開始剤や重合温度等を選定し、仕込んだ単量体の90モル%以上、好適には95モル%以上が重合する条件で注型重合させることにより得る。このような重合割合で単独重合させた際に、得られる重合体のLスケールロックウェル硬度が上記値を満足し得るラジカル重合性単量体を用いることにより、本発明では、前記硬度や耐熱性等の基本特性に関する効果も極めて良好になる。
【0022】
高硬度モノマーのうち、単独重合したときに得られる重合体のLスケールロックウエル硬度が60以上である多官能重合性単量体(以下、単に「高硬度モノマー1」ともいう)としては、単独重合して得られるホモポリマーのLスケールロックウエル硬度が該値を満足する、分子内にラジカル重合性基を3個以上有するラジカル重合性単量体であれば特に限定されず公知のものが何ら制限なく使用できる。工業的な入手のしやすさから分子中にラジカル重合性基を3〜6個有するものが好ましい。
【0023】
好適に使用できる高硬度モノマー1としては、トリメタクリレート誘導体、トリアクリレート誘導体、テトラメタクリレート誘導体、テトラアクリレート誘導体、トリイソシアネート誘導体、テトライソシアネート誘導体、トリオール誘導体、トリチオール誘導体、テトラチオール誘導体、トリエポキシ誘導体、トリウレタンメタアクリレート誘導体、テトラウレタンメタアクリレート誘導体、ヘキサウレタンメタアクリレート誘導体、トリビニル誘導体、テトラビニル誘導体、トリアリル誘導体等を挙げることができ、中でもメタクリロイル基又はアクリロイル基を有するものとしてトリメタクリレート誘導体、トリアクリレート誘導体、テトラメタクリレート誘導体、テトラアクリレート誘導体、トリウレタンメタアクリレート誘導体、テトラウレタンメタアクリレート誘導体、ヘキサウレタンメタアクリレート誘導体等が好ましい。
【0024】
さらにこれらの中でも、原料入手のしやすさ及び硬化体硬度の調整のしやすさの観点から、下記一般式(2)
【化16】
Figure 0004095438
‥(2)
式中、及びRは、それぞれ独立に、水素原子、メチル基又はエチル基
であり
は3〜6価の有機残基であり、
cは平均が0〜3であり、
dは3〜6の整数である、
で示される多官能重合性単量体を使用するのが特に好ましい。
【0025】
上記一般式中のRは3〜6価の有機残基であり、具体的には、ポリオールから誘導される基、又は3〜6価の炭化水素基、エステル結合或いはウレタン結合を含む有機基が挙げられる。
【0026】
好適に使用できる前記一般式(2)で示される多官能重合性単量体を具体的に例示すると、
トリメチロールプロパントリメタクリレート、
トリメチロールプロパントリアクリレート、
テトラメチロールメタントリメタクリレート、
テトラメチロールメタントリアクリレート、
トリメチロールプロパントリメタクリレート、
テトラメチロールメタンテトラメタアクリレート、
テトラメチロールメタンテトラアクリレート、
トリメチロールプロパントリエチレングリコールトリメタクリレート、
トリメチロールプロパントリエチレングリコールトリアクリレート、
エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、
エトキシ化ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、
ペンタエリスリトールトリメタクリレート、
ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、
ポリエステルオリゴマーヘキサアクリレート、
カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、
トリウレタンオリゴマーテトラアクリレート、
ウレタンオリゴマーヘキサメタクリレート、
等を挙げることができる。これら多官能重合性単量体は2種以上混合して使用してもよい。
【0027】
高硬度モノマーのうち、単独重合したときに得られる重合体のLスケールロックウエル硬度が60以上である2官能性重合性単量体(以下、単に「高硬度モノマー2」ともいう)としては、単独重合して得られるホモポリマーのLスケールロックウエル硬度が該値を満足する、分子内にラジカル重合性基を2個有するラジカル重合性単量体であれば特に限定されず公知のものが何ら制限なく使用できる。
【0028】
好適に使用できる2官能重合性単量体としては、ジメタクリレート誘導体、ジアクリレート誘導体、ジビニル誘導体、ジアリル誘導体、ジシアノ誘導体、ジオール誘導体、ジチオール誘導体、ウレタンジメタクリレート誘導体、ウレタンジアクリレート誘導体、ジエポキシ誘導体等を挙げることができ、中でもメタクリロイル基を有するものとしてジメタクリレート誘導体、ウレタンジメタクリレート誘導体、ウレタンジアクリレート誘導体等が好ましい。
【0029】
さらにこれらの中でも原料入手及び硬度調節の容易さの観点から下記一般式(3)又は下記一般式(4)で示される2官能重合性単量体が特に好適である。
即ち、高硬度モノマー2としては、下記一般式(3)
【化17】
Figure 0004095438
・・(3)
式中、R及びRは、メチル基であり、
及びR10は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜2のアル
キル基であり、
Aは直鎖状或いは分岐状のアルキレン基、置換もしくは非置換のフェ
ニレン基、下記式(I)
【化18】
Figure 0004095438
・・(I)
で示される基、又は下記式(II)
【化19】
Figure 0004095438
・・(II)
(式中、R11及びR12は、それぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキル
基、塩素原子、又は臭素原子であり、p及びqは、それぞれ独立に、
0〜4の整数であり、式中の環Bは、ベンゼン環またはシクロヘキサ
ン環であり、環Bがベンゼン環であるときには、Xは、−O−、−S−、
−S(O)−、−CH−、−CH=CH−、−C(CH−、
−C(CH )(C )−、又は下記式(V)
【化20】
Figure 0004095438
・・(V)
で示される基であり、環Bがシクロヘキサン環であるときには、Xは、
−O−、−S−、−CH−、−C(CHの何れかの基でる)
で示される基であり、
m及びnはそれぞれ1以上であり、m+nの平均は2〜6である;
で示される2官能重合性単量体が好適である。
【0030】
ここで、上記一般式(3)において、Aで示される直鎖状或いは分岐状のアルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ネオペンチレン基、ヘキシレン基、ノニリレン基等の炭素数2〜9のものが好ましい。また、Aで示されるフェニレン基の置換基としては、炭素数1〜4のアルキル基(即ち、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等)、塩素原子、又は臭素原子等が好ましい。
なお、前記一般式(3)で示される2官能重合性単量体は、通常、m及びnが異なる分子の混合物の形で得られるため、前記式においてm及びnは平均値で記載した。
【0031】
また、高硬度モノマー2としては、下記一般式(4)
【化21】
Figure 0004095438
・・(4)
式中、13及びR14は、メチル基であり、
15は水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基であり、
rの平均は1〜6である;
で示される2官能重合性単量体が好ましい。
上記一般式(4)で示される2官能重合性単量体においても、rは平均値で示した。
【0032】
上記式(3)又は式(4)で示される2官能重合性単量体を具体的に例示すれば、
ジエチレングリコールジメタクリレート、
トリエチレングリコールジメタクリレート、
テトラエチレングリコールジメタクリレート、
トリプロピレングリコールジメタクリレート、
テトラプロピレングリコールジメタクリレート、
ノナエチレングリコールジメタクリレート、
ノナプロピレングリコールジメタクリレート、
エチレングリコールビスグリシジルメタクリレート、
ビスフェノールAジメタクリレート、
2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシエトキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3,5−ジブロモー4ーメタクリロイルオキシエトキシフェニル)プロパン、
1,4−ブチレングリコールジメタクリレート、
1,9−ノニレングリコールジメタクリレート、
ネオペンチレングリコールジメタクリレート、
ビス(2−メタクリロイルオキシエチルチオエチル)スルフィド
等を挙げることができる。これら2官能重合性単量体は2種以上混合して使用してもよい。
【0033】
また、高硬度モノマー2(2官能重合性単量体)の他の例として下記一般式(5)のものが挙げられる。
【化22】
Figure 0004095438
・・(5)
式中、70、R71、R72、及びR73はそれぞれ同一または異なっていて
もよく、水素原子またはメチル基であり、
hは1〜10の整数である。
【0034】
上記式(5)の2官能重合性単量体を具体的に示すと、
ビス(メタクリロイルオキシエチル)スルフィド、
1,2−ビス(メタクリロイルオキシエチルチオ)メタン、
ビス(2−メタクリロイルオキシエチルチオエチル)スルフィド、
1,2−ビス(メタクリロイルオキシエチルチオエチルチオ)エタン、
1,2−ビス(メタクリロイルオキシイソプロピルチオイソプロピルエチル)スルフィド
等を挙げることができる。
【0035】
更に、高硬度モノマー2(2官能重合性単量体)の更に他の例として下記一般式(6)のものが挙げられる。
【化23】
Figure 0004095438
・・(6)
式中、74及びR75はそれぞれ同一または異なっていてもよく、水素原子
またはメチル基であり、
iは1〜10の整数である。
【0036】
上記式(6)の2官能重合性単量体を具体的に示すと、
1,2−ビス(メタクリロイルチオ)エタン、
ビス(2−メタクリロイルチオエチル)スルフィド、
ビス(2−メタクリロイルチオエチルチオエチル)スルフィド
等を挙げることができる。
【0037】
上記一般式(5)及び(6)で示される化合物は、得られ硬化体の高屈折率、具体的には屈折率が1.56以上で、アッベ数の高いものとすることができるため、フォトクロミックレンズ等を得る場合には好適である。
【0038】
本発明において、上記高硬度モノマーは、硬化体の硬度及び耐熱性、更には成形性をより良好にする観点からは、高硬度モノマー1と高硬度モノマー2を併用するのが好ましい。その時、両者の割合は、高硬度モノマー全体の重量を基準として高硬度モノマー1が2〜50質量%、特に3〜40質量%、高硬度モノマー2が50〜98質量%、特に60〜97質量%であるのが好適である。
【0039】
さらに、本発明において、他のラジカル重合性単量体(B)としては、フォトクロミック特性において、優れた発色感度及び退色速度を有し且つ優れた耐久性を有するものにする観点から、分子中に1個のラジカル重合性基と少なくとも1個のエポキシ基を有する化合物(以下、単に「エポキシ系モノマー」ともいう)を用いるのが好ましい。これらのエポキシ系モノマーは、前記した高硬度モノマーと併用するのが特に好ましい。
【0040】
上記エポキシ系モノマーとしては、好適には下記一般式(7)
【化24】
Figure 0004095438
・・(7)
式中、16及びR17は、それぞれ水素原子又はメチル基であり、
18及びR19は、それぞれ独立に、ヒドロキシ基で置換されていて
も良い炭素数1〜4のアルキレン基、又は式(VII)
【化25】
Figure 0004095438
・・(VII)
の基であり、
s及びtの平均は、それぞれ0〜20である、
で表されるものを挙げることができる。
【0041】
ここで、R18及びR19で示されるアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基等が挙げられる。また、s及びtは平均値で示した。
【0042】
上記式(7)で示される化合物のうち好適なものを例示すれば、
グリシジルアクリレート、
グリシジルメタクリレート、
β−メチルグリシジルメタクリレート、
ビスフェノールA−モノグリシジルエーテル−メタクリレート、
4−グリシジルオキシメタクリレート、
3−(グリシジル−2−オキシエトキシ)−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、
3−(グリシジルオキシ−1−イソプロピルオキシ)−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、
3−グリシジルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、
平均分子量540のグリシジルオキシポリエチレングリコールメタアクリレート
等が挙げられる。これらの中でもグリシジルアクリレート及びグリシジルメタクリレートが特に好ましい。
【0043】
これらエポキシ系モノマーを、前記高硬度モノマー等のラジカル重合性単量体と併用する場合、該エポキシ系モノマーの配合割合は、他のラジカル重合性単量体全体の重量を基準として0.01〜30質量%、特に0.1〜20質量%であるのが好適である。
【0044】
さらに、本発明において、他のラジカル重合単量体(B)としては、レンズの強度及びフォトクロミック性の退色速度をさらに向上させる観点から、単独重合したときに得られる重合体のLスケールロックウエル硬度が40以下である重合性単量体(以下、単に「低硬度モノマー」ともいう)を用いるのが好ましい。これらの低硬度モノマーとしては、前記した高硬度モノマーと併用するのが特に好ましい。
【0045】
上記低硬度モノマーとしては、該単独重合体の硬度に関する要件を満足する公知の重合性単量体が何ら制限なく使用できる。特に、下記一般式(8)又は下記一般式(9)で示されるものが、好適である。
【0046】
一般式(8)で表される重合性単量体:
【化26】
Figure 0004095438
・・(8)
式中、20、R21及びR22は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1
〜2のアルキル基であり、
23は、水素原子、炭素数1〜25のアルキル基、アルコキシアル
キル基、アリール基、アシル基、末端にエポキシ基を有するアルキルオ
キシ基、メタクリロイル基、アクリロイル基、ハロアルキル基、又はオ
レイル基であり、
Zは酸素原子又は硫黄原子であり、
v及びv'の平均はそれぞれ独立に0〜70であり、R20がアルキル
基で且つR23がメタクリロイル基である場合は、v+v'は7〜70で
あり、R20がアルキル基で且つR23がメタクリロイル基及びアクリロ
イル基以外の基である場合は、v+v'は4〜70であり、R20が水素
原子である場合は、v+v'は1〜70である。
【0047】
ここで、フォトクロミック性の退色速度をさらに向上させ且つレンズの成形性に特に良好な結果を与える観点からは、R20がアルキル基で且つR23がメタクリロイル基である場合は、v+v'の平均は7〜12、特に8〜10であるのが好ましく、R20がアルキル基で且つR23がメタクリロイル基及びアクリロイル基以外の基である場合は、v+v'の平均は4〜40、特に6〜23であるのが好ましく、R20が水素原子である場合は、v+v'の平均は1〜25、特に1〜10であるのが好ましい。
これらの中でも特に、一般式(8)におけるR20が水素原子である場合(アクリロイル基である場合)が、硬度を下げる効果が高いことから好ましい。さらに、一般式(8)におけるR20が水素原子であり、R23がアクリロイル基であるのが、硬度を下げながら硬化体の強度も維持しやすいことから、より好ましい。
一方、一般式(8)におけるR20がアルキル基である場合は、R23が炭素数1〜25のアルキル基、アルコキシアルキル基、アシル基、アリール基、末端にエポキシ基を有するアルキル基、ハロアルキル基、オレイル基であるのが好ましい。
また、R21及びR22は水素原子であるのが好ましい。
【0048】
上記式(8)で示される化合物の具体例としては、以下のものを例示することができる
平均分子量526のポリエチレングリコールメタクリレート、
平均分子量360のポリエチレングリコールメタクリレート、
平均分子量496のメチルエーテルポリエチレングリコールメタクリレート、
平均分子量1000のメチルエーテルポリエチレングリコールメタクリレート、
平均分子量375のポリプロピレングリコールメタクリレート、
平均分子量430のポリプロピレングリコールメタクリレート、
平均分子量622のポリプロピレングリコールメタクリレート、
平均分子量620のメチルエーテルポリプロピレングリコールメタクリレート、
平均分子量596のメチルエーテルポリエチレングリコールポリプロピレングリコールメタクリレート、
平均分子量566のポリテトラメチレングリコールメタクリレート、
平均分子量2034のオクチルフェニルエーテルポリエチレングリコールメタクリレート、
平均分子量610のノニルエーテルポリエチレングリコールメタクリレート、
メトキシエチルアクリレート、
平均分子量262のメチルエーテルポリエチレングリコールアクリレート、
平均分子量482のメチルエーテルポリエチレングリコールアクリレート、
平均分子量582のメチルエーテルポリエチレングリコールポリプロピレングリコールアクリレート、
平均分子量640のメチルチオエーテルポリエチレンチオグリコールメタクリレート、
平均分子量630のパーフルオロヘプチルエチレングリコールメタクリレート、
平均分子量538のグリシジルポリエチレングリコールメタクリレート、
グリシジルアクリレート、
アセチルオキシエチルアクリレート、
フェノキシエチルアクリレート、
ベンジルオキシエチルアクリレート、
平均分子量524のアセチルポリエチレングリコールメタクリレート、
平均分子量566のブチリルポリエチレングリコールメタクリレート、
平均分子量586のベンゾイルポリエチレングリコールメタクリレート、
平均分子量689のノニルベンゾイルポリエチレングリコールメタクリレート、
平均分子量568のブトキシメチルエーテルポリエチレングリコールメタクリレート、
平均分子量875のポリエチレングリコールジメタクリレート、
平均分子量650のポリテトラメチレングリコールジメタクリレート、
平均分子量1400のポリテトラメチレングリコールジメタクリレート、
平均分子量560のポリプロピレングリコールジメタクリレート、
平均分子量214のポリエチレングリコールジアクリレート、
平均分子量258のポリエチレングリコールジアクリレート、
平均分子量302のポリエチレングリコールジアクリレート、
平均分子量522のポリエチレングリコールジアクリレート、
平均分子量272のポリエチレングリコールメタクリレートアクリレート、
平均分子量536のポリエチレングリコールメタクリレートアクリレート等。
【0049】
一般式(9)で表される重合性単量体:
【化27】
Figure 0004095438
・・(9)
式中、R24は水素原子又はメチル基であり、
25は、R24が水素原子であるときは、炭素数1〜40のアルキル
基であり、R24がメチル基であるときは、炭素数8〜40のアルキル
基である。
【0050】
これらの中でも原料入手の容易さ及びフォトクロミック特性の観点からは、上記式においてR24がメチル基である場合、R25が炭素数8〜25のアルキル基であるものが好適であり、R24が水素原子である場合、R25は炭素数1〜20のアルキル基であるものが好適である。
【0051】
上記式(9)で示される化合物のうち好適なものを例示すれば、ステアリルメタクリレート、ラウリルメタアクリレート、エチルヘキシルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、ラウリルアクリレート等を挙げることができる。これらの中でも、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、ラウリルアクリレートが特に好ましい。
【0052】
これらの低硬度モノマーを、前記高硬度モノマー等のラジカル重合性単量体と併用する場合、該低硬度モノマーの配合割合は、他のラジカル重合性単量体全体の重量を基準として0.1〜20質量%、特に0.5〜10質量%であるのが好適である。
【0053】
この他、他のラジカル重合性単量体としては、例えばジアリルフタレート、ジアリルイソフタレート、酒石酸ジアリル、エポキシこはく酸ジアリル、ジアリルフマレート、クロレンド酸ジアリル、ヘキサフタル酸ジアリル、アリルジグリコールカーボネート等の多価アリル化合物;1,2−ビス(メタクリロイルチオ)エタン、ビス(2−アクリロイルチオエチル)エーテル、1,4−ビス(メタクリロイルチオメチル)ベンゼン等の多価チオアクリル酸及び多価チオメタクリル酸エステル化合物;アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸;メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸フェニル、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、メタクリル酸ビフェニル等のアクリル酸及びメタクリル酸エステル化合物;フマル酸ジエチル、フマル酸ジフェニル等のフマル酸エステル化合物;メチルチオアクリレート、ベンジルチオアクリレート、ベンジルチオメタクリレート等のチオアクリル酸及びチオメタクリル酸エステル化合物;スチレン、クロロスチレン、メチルスチレン、ビニルナフタレン、α−メチルスチレンダイマー、ブロモスチレン、ジビニルベンゼン等のビニル化合物;オレイルメタクリレート、ネロールメタクリレート、ゲラニオールメタクリレート、リナロールメタクリレート、ファルネソールメタクリレート等の分子中に不飽和結合を有する炭化水素鎖の炭素数が6〜25の(メタ)アクリレートなどの重合性単官能単量体等が、その1種又2種以上のみを用いたり、前記高硬度モノマー及びエポキシ系モノマーと併用したりして、制限無く使用することができる。
【0054】
本発明において、成分(A)のアリルエーテル又はアリルチオエーテル化合物と成分(B)の他のラジカル重合性単量体との配合量としては、両者の合計量100質量%において、アリルエーテル又はアリルチオエーテル化合物(A)が0.001〜30質量%、他のラジカル重合性単量体(B)が99.999〜70質量%である。より好適にはアリルエーテル又はアリルチオエーテル化合物(A)が0.01〜25質量%、他のラジカル重合性単量体(B)が99.99〜75質量%、特にアリルエーテル又はアリルチオエーテル化合物(A)が0.1〜20質量%、他のラジカル重合性単量体(B)が99.9〜80質量%であるのが好ましい。アリルエーテル又はアリルチオエーテル化合物(A)の配合量が、0.001質量%を下回るときには、レンズの耐熱性が低下する傾向があり、また、配合量が30質量%を越えるときは、フォトクロミック特性の発色感度と退色速度が遅くなる傾向がある。
【0055】
<成分(C)>
本発明の硬化性組成物で使用されるフォトクロミック化合物(C)は、公知のフォトクロミック化合物を何ら制限なく使用することができる。例えば、フルギミド化合物、スピロオキサジン化合物、クロメン化合物等のフォトクロミック化合物がよく知られており、本発明においては、これらのフォトクロミック化合物を使用することができる。
上記のフルギミド化合物、スピロオキサジン化合物及びクロメン化合物としては、例えば特開平2−28154号公報、特開昭62−288830公報、PCT国際特許出願94/22850号明細書、PCT国際特許出願96/14596号明細書など記載されている化合物が好適に使用できる。
また、優れたフォトクロミック性を有する化合物として本発明者等が新たに見出し、特許出願中の化合物(特願平9−207871号、特願平11−23110号、特願平11−27959号、特願平11−27961号、特願平11−27960号、特願平11−140836号、特願平11−144072号、特願平11−150690号、特願平11−144074号、特願平11−156270号、特願平11−154272号、特願平11−188146号、特願平11−188902号等)も好適に使用することができる。
【0056】
これらフォトクロミック化合物の中でも、クロメン化合物は、フォトクロミック特性の耐久性が他のフォトクロミック化合物に比べ高く、さらに本発明によるフォトクロミック特性の発色濃度及び退色速度の向上が他のフォトクロミック化合物に比べて特に大きいため特に好適に使用することができる。さらにこれらクロメン化合物中でもその分子量が540以上の化合物は、本発明によるフォトクロミック特性の発色濃度及び退色速度の向上が他のクロメン化合物に比べて特に大きいため好適に使用することができる。
【0057】
本発明において好適に使用できるクロメン化合物としては、下記一般式(10):
【化28】
Figure 0004095438
で示される化合物が挙げられる。
【0058】
前記一般式(10)において、下記式(VIII)
【化29】
Figure 0004095438
で示される基は、置換もしくは非置換の芳香族炭化水素環基、又は置換もしくは非置換の不飽和複素環基である。
また、R28、R29及びR30は、アルキル基、アルコキシ基、アラルコキシ基、アミノ基、置換アミノ基、シアノ基、置換もしくは非置換のアリール基、ハロゲン原子、アラルキル基、ヒドロキシ基、置換もしくは非置換のアルキニル基、窒素原子をヘテロ原子として有し該窒素原子とピラン環もしくは前記式( VIII で示される基の環とが結合する置換もしくは非置換の複素環基、又は該複素環基に芳香族炭化水素環もしくは芳香族複素環が縮合した縮合複素環基である。
さらに、uは0〜6の整数である。
26及びR27は、それぞれ独立に、下記式(IX)または下記式(X)
【化30】
Figure 0004095438
・・(IX)
【化31】
Figure 0004095438
上記式 ( IX ) 及び(X)において、
31は、置換もしくは非置換のアリール基、又は置換もしくは非置換の
ヘテロアリール基であり、
32は、水素原子、アルキル基、又はハロゲン原子であり、
wは1〜3の整数であり、
33は、置換もしくは非置換のアリール基、又は置換もしくは非置換の
ヘテロアリール基であり、
w'は1〜3の整数である、
で示される基、或いは、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のヘテロアリール基、又はアルキル基であるか、又はR26とR27とが一緒になって、脂肪族炭化水素環もしくは芳香族炭化水素環を構成していてもよい。
【0059】
なお、上記式(IX)、式(X)又は上述のR26、及びR27にて説明した置換アリール基又は置換ヘテロアリール基における置換基はR28〜R30と同義の置換基が適用される。
さらに好適なクロメン化合物は、次の一般式(XI)〜(XIX)で示される化合物である。
【0060】
一般式 (XI) のクロメン化合物:
【化32】
Figure 0004095438
‥(XI)
上記式において、34、R35はそれぞれ前記一般式(10)で述べたR26及びR27と同義であり、R36、R37は前記式(10)で述べたR28、R29及びR30と同義であり、x及びx'はいずれも0〜4の整数である。
【0061】
一般式 (XII) のクロメン化合物:
【化33】
Figure 0004095438
‥(XII)
上記式において、
38、R39は前記式(10)で述べたR26及びR27と同義であり、
40、R41は前記式(10)で述べたR28、R29及びR30と同義であり、
y及びy'はいずれも0〜4の整数であり、
Gは、下記式(XIII)
【化34】
Figure 0004095438
‥(XIII)
(式中Jは、酸素原子又は硫黄原子であり、R42は、炭素数1〜6のア
キレン基であり、e、f、g及びhは、いずれも1〜4の整数である、
で示されるいずれかの基である。
【0062】
一般式 (XIV) のクロメン化合物:
【化35】
Figure 0004095438
‥(XIV)
上記式において、
43、R44は前記式(10)で述べたR26及びR27と同義であり、
45、R46、R47及びR48は前記式(10)の28、R29及びR30と同義であり、
zは0〜6の整数であり、
z'、z''及びz'''はいずれも0〜4の整数であり、
該式中の下記式(XV)
【化36】
Figure 0004095438
‥(XV)
で表される基は、置換もしくは非置換の芳香族炭化水素環基、又は置換もしくは非置換の不飽和複素環基である。
【0063】
一般式 (XVI) のクロメン化合物:
【化37】
Figure 0004095438
‥(XVI)
上記式において、
49、R50は前記式(10)で述べたR26及びR27と同義であり、
51、R52及びR53は前記式(10)で述べたR28、R29及びR30と同義であり、
j、j'は0又は1であり、
j''は0〜4の整数である。
【0064】
一般式 (XVII) のクロメン化合物:
【化38】
Figure 0004095438
‥(XVII)
上記式において、
54、R55は前記式(10)で述べたR26及びR27と同義であり、
56及びR57は前記式(10)で述べたR28、R29及びR30と同義であり、
kは0〜2の整数であり、
k'は0〜4の整数である。
【0065】
一般式 (XVIII) のクロメン化合物:
【化39】
Figure 0004095438
‥(XVIII)
上記式において、
58、R59は前記式(10)で述べたR26及びR27と同義であり、
60、R61、R62及びR63は、前記式(10)で述べたR28、R29及びR30と同義であり、
l及びl'はいずれも0〜4の整数である。
【0066】
一般式 (XVIII) のクロメン化合物:
【化40】
Figure 0004095438
‥(XIX)
上記式において、
64、R65は前記式(10)で述べたR26及びR27と同義であり、
66、R67及びR68は、前記式(10)で述べたR28、R29及びR30と同義であり、
o及びo'はいずれも0〜4の整数であり、
o'''は0〜6の整数であり、
該式中の環Qは、6個までの置換基を有してもよい脂肪族炭化水素環である。
【0067】
さらに好ましい本発明のクロメン化合物を具体的に例示すると、下記式 (XXI) (XXX) で表される構造のクロメン化合物を挙げることができる。
【化41】
Figure 0004095438
【化42】
Figure 0004095438
【化43】
Figure 0004095438
【化44】
Figure 0004095438
【化45】
Figure 0004095438
【化46】
Figure 0004095438
【化47】
Figure 0004095438
【化48】
Figure 0004095438
【化49】
Figure 0004095438
【化50】
Figure 0004095438
【0068】
本発明の硬化性組成物において、フォトクロミック化合物(C)の配合量は、アリルエーテル又はアリルチオエーテル化合物と他のラジカル重合性単量体との合計量(全ラジカル重合性単量体量)100部に対して、0.0001〜10重量部、好ましくは0.001〜5重量部、さらに好ましくは0.001〜1重量部の範囲である。フォトクロミック化合物の配合量が0.0001重量部以下では発色濃度が低くなることがあり、10重量部以上では重合性単量体に十分に溶解しないため不均一となり、発色濃度のむらが生じることがある。
【0069】
<他の配合剤>
本発明の硬化性組成物には、フォトクロミック化合物の耐久性の向上、発色速度の向上、退色速度の向上や成形性の向上のために、さらに界面活性剤、酸化防止剤、ラジカル補足剤、紫外線安定剤、紫外線吸収剤、離型剤、着色防止剤、帯電防止剤、蛍光染料、染料、顔料、香料、可塑剤等の添加剤を添加しても良い。添加するこれら添加剤としては、公知の化合物が何ら制限なく使用される。
【0070】
例えば、界面活性剤としては、ノニオン系、アニオン系、カチオン系の何れも使用できるが、重合性単量体への溶解性からノニオン系界面活性剤を用いるのが好ましい。好適に使用できるノニオン正解面活性剤を具体的に挙げると、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、デカグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール・ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロール・フィトスタノール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油・硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンラノリン・ラノリンアルコール・ミツロウ誘導体、ポリオキシエチレンアルキルアミン・脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルフェニルホルムアルデヒド縮合物、単一鎖ポリオキシエチレンアルキルエーテル等を挙げることができる。界面活性剤の使用に当たっては、2種以上を混合して使用しても良い。界面活性剤の添加量は、全ラジカル重合性単量体100重量部に対し、0.1〜20重量部の範囲が好ましい。
【0071】
また、酸化防止剤、ラジカル補足剤、紫外線安定剤、紫外線吸収剤としては、ヒンダードアミン光安定剤、ヒンダードフェーノール酸化防止剤、フェノール系ラジカル補足剤、イオウ系酸化防止剤、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物等を好適に使用できる。これら酸化防止剤、ラジカル補足剤、紫外線安定剤、紫外線吸収剤は、2種以上を混合して使用しても良い。さらにこれらの非重合性化合物の使用に当たっては、界面活性剤と酸化防止剤、ラジカル補足剤、紫外線安定剤、紫外線吸収剤を併用して使用しても良い。これら酸化防止剤、ラジカル補足剤、紫外線安定剤、紫外線吸収剤の添加量は、全ラジカル重合性単量体100重量部に対し、0.001〜1重量部の範囲が好ましい。
【0072】
<硬化性組成物及び硬化体の調製>
本発明の硬化性組成物の調製方法は特に限定されず、所定量の各成分を秤取り混合することにより行うことができる。なお、各成分の添加順序は特に限定されず全ての成分を同時に添加しても良いし、モノマー成分のみを予め混合し、後で、例えば後述の如く重合させる直前にフォトクロミック化合物や他の添加剤を添加混合しても良い。なお、後述するように重合に際しては、必要に応じて重合開始剤をさらに添加することもある。
本発明の硬化性組成物を硬化させて本発明のフォトクロミック性硬化体を得る方法は特に限定的でなく、用いるモノマーの種類に応じた公知の重合方法を採用することができる。重合開始手段は、種々の過酸化物やアゾ化合物などのラジカル重合開始剤の使用、又は紫外線、α線、β線、γ線等の照射あるいは両者の併用によって行うことができる。
【0073】
重合方法も特に限定されないが、フォトクロミックレンズ等の光学材料としての用途を考える場合には、注型重合を行うのが好適である。以下、代表的な注型重合方法について更に詳しく説明する。
【0074】
該方法では、エラストマーガスケット又はスペーサーで保持されているモールド間に、ラジカル重合開始剤を添加した本発明の硬化性組成物を注入し、空気炉中で加熱して重合硬化させた後、取り出すことによって行われる。
ラジカル重合開始剤としては、特に限定されず、公知のものが使用できるが、代表的なものを例示すると、
ベンゾイルパーオキサイド、p−クロロベンゾイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド;
t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシジカーボネート、クミルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシベンゾエート等のパーオキシエステル;
ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルオキシカーボネート等のパーカーボネート類;
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カーボニトリル)等のアゾ化合物
などが挙げられる。
該ラジカル重合開始剤の使用量は、重合条件や開始剤の種類、前記本発明の硬化性組成物の種類や組成によって異なり、一概に限定できないが、一般には、全ラジカル重合性単量体100重量部に対して0.01〜10重量部の範囲で用いるのが好適である。
【0075】
重合条件のうち、特に温度は得られる樹脂の性状に影響を与える。この温度条件は、開始剤の種類と量や単量体の種類に影響を受けるので、一概には限定できないが、一般的に比較的低温で重合を開始し、ゆっくりと温度を上げていき、重合終了時に高温下に硬化させるいわゆるテーパ型の2段重合を行うのが好適である。
重合時間も温度と同様に各種の要因によって異なるので、予めこれらの条件に応じた最適の時間を決定するのが好適であるが、一般に2〜40時間で重合が完了するように条件を選ぶのが好ましい。
【0076】
また紫外線を用いた公知の光重合によっても同様に注型重合が実施できる。この際には、光重合開始剤としてベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ベンゾフェノール、アエトフェノン4,4’−ジクロロベンゾフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−イソプロピルチオオキサントン等が挙げられる。これら光重合開始剤は、全ラジカル重合性単量体100重量部に対して0.001〜5重量部の範囲で用いるのが一般的である。
【0077】
上記のような方法で得られた本発明の硬化体は、その用途に応じて以下のような処理を施すこともできる。即ち、分散染料などの染料を用いる染色、シランカップリング剤やケイ素、ジルコニウム、アンチモン、アルミニウム等の酸化物のゾルを主成分とするハードコート剤や、有機高分子体を主成分とするハードコート剤によるハードコーティング処理や、SiO、TiO、ZrO等の金属酸化物の薄膜の蒸着や有機高分子体の薄膜の塗布等による反射防止処理、帯電防止処理等の加工及び2次処理を施すことも可能である。
【実施例】
【0078】
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下の例で使用した化合物は下記の通りである。
【0079】
(1)アリルエーテル又はアリルチオエーテル化合物
ALMePEG(550):
平均分子量550のメトキシポリエチレングリコールアリルエーテル
ALBuPEPPG(1600):
平均分子量1600のブトキシポリエチレングリコールポリプロピレングリ
コールアリルエーテル
ALMAPEG(430):
平均分子量430のメタクリロキシポリエチレングリコールアリルエーテル
ALAPEG(420):
平均分子量430のアクリロキシポリエチレングリコールアリルエーテル
ALMAPEPPG(560):
平均分子量560のメタクリロキシポリエチレングリコール−ポリプロピレ
ングリコールアリルエーテル
ALSMePEG(730):
平均分子量730のメトキシポリエチレンチオグリコールアリルチオエール
【0080】
(2)他のラジカル重合性単量体
なお、仕込んだ単量体の実質的全量を注型重合により単独重合して得られる重合体の、Lスケールでのロックウエル硬度を示した(以下、単に「ホモ−HL」と略す(測定方法は、後述のフォトクロ特性(d)に記載))
TMPT:
トリメチロールプロパントリメタクリレート(ホモ−HL=122)
DPEHA:
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(ホモ−Hl=100)
EB6A:
ポリエステルオリゴマーヘキサアクリレート(ホモ−HL=100)
CDPEHA:
カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(ホモ−
HL=100)
4G:
テトラエチレングリコールジメタクリレート(ホモ−HL=90)
9GDA:
平均分子量532のポリエチレングリコールジアクリレート(ホモ−HL
<40)
3GDA:
トリエチレングリコールジアクリレート(ホモ−HL<40)
MePEG(1000):
平均分子量1000のメチルエーテルポリエチレングリコールメタクリレ
ート(ホモ−HL<20)
SR9036:
平均エチレンオキサイド付加数30のエチレンオキシド−イソプロピリデ
ンジフェノールビスメタクリレート(ホモ−HL<40)
BPE:
2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシエトキシフェニル)プロパン
(ホモ−HL=110)
GMA:
グリシジルメタアクリレート
αMS:
α−メチルスチレン
MSD:
α−メチルスチレンダイマー
3S4G:
ビス(2−メタクリロイルオキシエチルチオエチル)スルフィド(ホモ−
HL=100)
2S2G:
1,2−ビス(メタクリロイルチオ)エタン(ホモ=100)
【0081】
(3)フォトクロミック化合物
クロメン1
【化51】
Figure 0004095438
クロメン2
【化52】
Figure 0004095438
クロメン3
【化53】
Figure 0004095438
クロメン4
【化54】
Figure 0004095438
クロメン5
【化55】
Figure 0004095438
クロメン6
【化56】
Figure 0004095438
クロメン7
【化57】
Figure 0004095438
【0082】
(5)重合開始剤
ND:
t−ブチルパーオキシネオデカネート
(商品名:パーブチルND、日本油脂(株)社製)
オクタO:
1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート
(商品名:パーオクタO、日本油脂(株)社製)
【0083】
<実施例1>
2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシエトキシフェニル)プロパン40重量部、テトラエチレングリコールジメタクリレート59.9重量部及びALMePEG(550)を0.1重量部からなる重合性単量体100部に、クロメン1を0.03部、重合開始剤としてパーブチルNDを1部添加し十分に混合した。この混合液をガラス板とエチレン−酢酸ビニル共重合体からなるガスケットで構成された鋳型の中に注入し、注型重合を行った。重合は空気炉を用い、30℃〜90℃まで18時間かけ徐々に温度を上げていき、90℃で2時間保持した。重合終了後、重合体を鋳型のガラス型から取り外した。
得られた重合体(厚み2mm)を試料とし、これに、浜松ホトニクス製のキセノンランプL−2480(300W)SHL−100をエアロマスフィルター(コーニング社製)を介して20℃±1℃、重合体表面でのビーム強度365nm=2.4mW/cm,245nm=24μW/cmで120秒間照射して発色させ、前記試料のフォトクロミック特性を測定した。各フォトクロミック特性は次の方法で評価した。
【0084】
(a) 最大吸収波長(λmax):
(株)大塚電子工業製の分光光度計(瞬間マルチチャンネルフォトディテクターMCPD1000)により求めた発色後の最大吸収波長である。該最大吸収波長は、発色時の色調に関係する。
(b) 発色濃度{ε(120)−ε(0)}:
前記最大吸収波長における、120秒間光照射した後の吸光度{ε(120)}と上記ε(0)との差。この値が高いほどフォトクロミック性が優れているといえる。
(c) 退色速度〔t1/2(min.)〕:
120秒間光照射後、光の照射を止めたときに、試料の前記最大波長における吸光度が{ε(120)−ε(0)}の1/2まで低下するのに要する時間。この時間が短いほどフォトクロミック性が優れているといえる。
(d) 耐久性(%)={(A200/A)×100}:
光照射による発色の耐久性を評価するために次の劣化促進試験を行った。すなわち、得られた重合体(試料)をスガ試験器(株)製キセノンウェザーメーターX25により200時間促進劣化させた。その後、前記発色濃度の評価を試験の前後で行い、試験前の発色濃度(A)及び試験後の発色濃度(A200)を測定し、{(A200/A)×100}の値を残存率(%)とし、発色の耐久性の指標とした。残存率が高いほど発色の耐久性が高い。
【0085】
さらに、以下の項目で基材の特性を評価した。
(e) Lスケールロックウエル硬度(HL):
上記硬化体を25℃の室内で1日保持した後、明石ロックウエル硬度計(形式:AR−10)を用いて、硬化体のLスケールロックウエル硬度を測定した。
(f) 耐衝撃性:
厚さ2mm、直径65mmの試験板に127cmの高さから鋼球を自然落下させ、該試料板が破損したときの鋼球の重さで評価した。評価基準は、このときの鋼球の重さがが20g以下の場合を「1」とし、20〜40gの場合を「2」、40〜60gの場合を「3」、60〜80gの場合を「4」、80g以上の場合を「5」とした。
(g) 耐熱性:
成形した硬化体をフレームにはめ込み、120℃に加熱した後、枠ずれのないものを○で、枠ずれあるものをXで評価した。
以上の結果を表1、2に示した。
【0086】
<実施例2〜27>
表1、2に示したような重合性単量体組成、クロメン化合物、その他添加剤を使用した以外は、実施例1と同様にしてフォトクロミック硬化体を得、その特性を評価した。その結果をまとめて表1、2に示す。
【0087】
【表1】
Figure 0004095438
【0088】
【表2】
Figure 0004095438
【0089】
<比較例1〜12>
さらに、比較のために、表3、表4に示したような重合性単量体組成、クロメン化合物を使用した以外は、実施例1と同様にしてフォトクロミック性硬化体を得、その特性を評価した。結果を表3、表4に示した。
【0090】
【表3】
Figure 0004095438
【0091】
【表4】
Figure 0004095438
【0092】
以上説明してきたように、アリルエーテル又はアリルチオエーテル化合物を含まない重合性単量体からなる基材では、実用的な耐熱性を示すものの、フォトクロミック特性の退色速度が遅く実用的ではない。このようにフォトクロ特性及び基材特性の両物性を満足するためには、アリルエーテル又はアリルチオエーテル化合物をラジカル重合性単量体と組み合わせることにより達成される。本発明のフォトクロミック性硬化体である実施例1〜27は、比較例1〜12に比べて、フォトクロミック特性の発色濃度、退色速度及び基材特性の硬度、耐衝撃性、耐熱性の点でそのバランスが優れている。
【0093】
<産業上の利用可能性>
本発明の硬化性組成物を硬化して得られるフォトクロミック性硬化体は、発色濃度が高く、退色速度が速いといったフォトクロミック特性に極めて優れ、しかも基材の硬度、耐熱性、耐衝撃性といった基材特性も優れる。
従って本発明の硬化性組成物から得られる硬化体は、例えばフォトクロミックレンズ材料等の光学材料として極めて有用である。

Claims (12)

  1. (A)下記一般式(1)
    Figure 0004095438
    ‥(1)
    式中、及びRは、それぞれ独立に、水素原子又はアルキル基であり、
    はアルキル基、アシル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、
    ビニル基又はスチリル基であり、
    Zは酸素原子又は硫黄原子であり、
    a及びbの平均はそれぞれ独立に0〜20であり、
    a+bは3〜20である、
    で示されるアリルエーテル又はアリルチオエーテル化合物
    (B)上記(A)以外のラジカル重合性単量体
    (C)フォトクロミック化合物
    を含んでなり、
    上記(A)成分及び(B)成分の合計量を基準として、(A)成分の含有量が0.001〜30質量%であり、(B)成分の含有量が99.999〜70質量%であり、
    上記(A)成分及び(B)成分の合計量100重量部当り、(C)成分を0.0001〜10重量部含有していることを特徴とする硬化性組成物。
  2. 一般式(1)で示されるアリルエーテルまたはアリルチオエーテル化合物において、R及びRが水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基であり、Rが炭素数1〜2のアルキル基または炭素数2〜10のアシル基であり、a及びbの平均がそれぞれ独立に0〜10であり、a+bが4〜12である請求項1記載の硬化性組成物。
  3. 前記フォトクロミック化合物(C)の分子量が540以上であることを特徴とする請求項1または2記載の硬化性組成物。
  4. 前記フォトクロミック化合物(C)が下記一般式(10)
    Figure 0004095438
    式中、下記式(VIII)
    Figure 0004095438
    で示される基は、置換もしくは非置換の芳香族炭化水素環基、又は置換もし
    くは非置換の不飽和複素環基であり、
    28、R29及びR30は、アルキル基、アルコキシ基、アラルコキシ基、
    アミノ基、置換アミノ基、シアノ基、置換もしくは非置換のアリール基、ハ
    ロゲン原子、アラルキル基、ヒドロキシ基、置換もしくは非置換のアルキニ
    ル基、窒素原子をヘテロ原子として有し該窒素原子とピラン環もしくは前記
    式( VIII で示される基の環とが結合する置換もしくは非置換の複素環基、
    又は該複素環基に芳香族炭化水素環もしくは芳香族複素環が縮合した縮合複
    素環基であり、
    uは0〜6の整数であり、
    26及びR27は、それぞれ独立に、下記式(IX)または下記式(X)
    Figure 0004095438
    ・・(IX)
    Figure 0004095438
    [ ( IX ) 及び(X)において、31は、置換もしくは非置換のアリ
    ール基、又は置換もしくは非置換のヘテロアリール基であり、R32
    は、水素原子、アルキル基、又はハロゲン原子であり、wは1〜3の
    整数であり、33は、置換もしくは非置換のアリール基、又は置換
    もしくは非置換のヘテロアリール基であり、w'は1〜3の整数であ
    る、]
    で示される基、或いは、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非
    置換のヘテロアリール基、又はアルキル基であるか、又はR26とR27とが
    一緒になって、脂肪族炭化水素環もしくは芳香族炭化水素環を構成していて
    よい、
    の化合物であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の硬化性組成物。
  5. 前記(B)成分の少なくとも一部が、単独重合したときに得られる重合体のLスケールロックウェル硬度が60以上である2官能又は多官能重合性単量体である請求項1乃至4の何れかに記載の硬化性組成物。
  6. 前記(B)成分の少なくとも一部が、単独重合したときに得られる重合体のLスケールロックウェル硬度が60以上である多官能重合性単量体であって、下記一般式(2)
    Figure 0004095438
    ‥(2)
    式中、及びRは、それぞれ独立に、水素原子、メチル基又はエチル基
    であり
    は3〜6価の有機残基であり、
    cは平均が0〜3であり、
    dは3〜6の整数である、
    で示される化合物であることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の硬化性組成物。
  7. 前記(B)成分が、単独重合したときに得られる重合体のLスケールロックウエル硬度が60以上である2官能性重合性単量体であって、下記一般式(3)、(4)、(5)及び(6)の何れかで示される化合物である請求項1乃至4の何れかに記載の硬化性組成物;
    一般式(3):
    Figure 0004095438
    ‥(3)
    式中、R及びRは、メチル基であり、
    及びR10は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜2のアル
    キル基であり、
    Aは直鎖状或いは分岐状のアルキレン基、置換もしくは非置換のフェ
    ニレン基、下記式(I)
    Figure 0004095438
    ・・(I)
    で示される基、又は下記式(II)
    Figure 0004095438
    ・・(II)
    (式中、R11及びR12は、それぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキル
    基、塩素原子、又は臭素原子であり、p及びqは、それぞれ独立に、0
    〜4の整数であり、式中の環Bは、ベンゼン環またはシクロヘキサン環
    であり、環Bがベンゼン環であるときには、Xは、−O−、
    −S−、−S(O)−、−CH−、−CH=CH−、
    −C(CH−、−C(CH )(C )−、
    又は下記式(V)
    Figure 0004095438
    ・・(V)
    で示される基であり、環Bがシクロヘキサン環であるときには、Xは、
    −O−、−S−、−CH−、−C(CHの何れかの基る)
    で示される基であり、
    m及びnはそれぞれ1以上であり、m+nの平均は2〜6である;
    一般式(4):
    Figure 0004095438
    ・・(4)
    式中、13及びR14は、メチル基であり、
    15は水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基であり、
    rの平均は1〜6である;
    一般式(5):
    Figure 0004095438
    ・・(5)
    式中、70、R71、R72、及びR73はそれぞれ同一または異なっていて
    もよく、水素原子またはメチル基であり、
    hは1〜10の整数である;
    一般式(6):
    Figure 0004095438
    ・・(6)
    式中、74及びR75はそれぞれ同一または異なっていてもよく、水素原子
    またはメチル基であり、
    iは1〜10の整数である。
  8. 前記(B)成分として、単独重合したときに得られる重合体のLスケールロックウェル硬度が60以上である2官能重合性単量体と単独重合したときに得られる重合体のLスケールロックウェル硬度が60以上である多官能重合性単量体とを含む請求項1乃至4の何れかに記載の硬化性組成物。
  9. 前記2官能性単量体と多官能重合性単量体との合計量を基準として、該2官能性単量体を50〜98質量%及び該多官能性重合性単量体を50〜2質量%含有している請求項8に記載の硬化性組成物。
  10. 請求項1乃至9の何れかに記載の硬化性組成物を硬化させてなるフォトクロミック性硬化体。
  11. レンズである請求項10記載のフォトクロミック性硬化体。
  12. レンズのコーティング層である請求項10記載のフォトクロミック性硬化体。
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