JP4095241B2 - 立体画像撮影装置と立体画像表示装置 - Google Patents

立体画像撮影装置と立体画像表示装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、立体画像を撮影しあるいは表示する立体画像撮影装置及び立体画像表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
任意の視点から観察することができる立体テレビジョン方式の一つとして、平面状あるいは球面状に配列されたレンズ群を用いたいわゆるインテグラルフォトグラフィ(IP)方式が知られている。ここで、この方式を用いた高解像度の動画を撮影する手法について説明する。
【0003】
まず、図1を参照しつつIP方式の原理を説明する。同一平面上に配置された複数の凸レンズ11lからなるレンズ群11Lの後ろに写真フィルム11fを配置し、レンズ群11Lの前に置いた被写体Oを撮影する。これにより、写真フィルム11fには各凸レンズ11lにより被写体Oの像11iが結像し、撮影される。ここで、像11iを「要素画像」と呼ぶ。
【0004】
次に、撮影後に現像することにより得られた画像を、レンズ群11Lに対して撮影時と同じ位置に置き、この状態でレンズ群11Lの前方から上記画像を見ると立体再生画像を観察できることになる。
【0005】
ここで、図2及び図3を参照しつつ、上記IP方式の原理を発展させることにより、解像度の高い立体画像の動画を撮影し表示する装置及び方法について説明する。まず、撮像面積が大きく画素数も極めて多い撮像手段として、一つのウェーハ12w上に写真フィルム11fの代わりに撮像素子12eを設ける。そして、この撮像素子群の前面にレンズ群を配設する。従って、例えば要素レンズ12lは撮像素子12eに対向するよう設けられる。
【0006】
なお、図2には要素撮像素子12e及び要素レンズ12lが縦に4個で横に5個配列され、各要素撮像素子12eに光学像D11〜D45が形成される例が示されるが、実際には要素撮像素子12e及び要素レンズ12lは千個から二千個以上配列される。
【0007】
また、上記要素撮像素子12eの周囲には、該素子を駆動するための駆動信号を供給する駆動信号線や、該素子で得られた信号を出力するための出力信号線を配置する必要があるため、各要素撮像素子を隙間無く密着して配列させることはできない。
【0008】
従って、隣接する要素レンズ12l間に隙間があり、隣り合う要素レンズからの光が要素撮像素子に漏れ込む恐れがあるため、光学遮蔽板13bが要素レンズ間に設けられる。以上のような構成において、要素撮像素子12eが十分高精細な画素数で構成されていれば、解像度の高い立体画像の動画を撮影することができる。そして、該撮影により得られた画像を、要素レンズからなるレンズ群に対して撮影時と同じ位置に配置し、その状態において該レンズ群の前方から該画像を見ると、立体再生像を観察することができる。
【0009】
しかしながら、図2及び図3に示された立体画像撮影装置においては、もともと要素撮像素子12e同士の隙間部分に対応した該被写体の光学像は得られないため、該隙間部分に対応する立体像を表示させることができないという問題がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述の問題を解消するためになされたもので、連続的な立体画像の撮影と表示を確実に行うための立体画像撮影装置と立体画像表示装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、供給された光学像を撮像する複数の撮像手段を含む立体画像撮影装置であって、複数の撮像手段の各々に対応し、かつ受光面が相互に密接するとともに、前記撮像手段に対向する出射面は相互に密接しないテーパ状のレンズであって、前記光が前記受光面へ入射する位置に応じて異なる屈折率を有し、被写体から受光面へ入射された光を集光することにより光学像を形成し対応する撮像手段へ前記出射面を通じて前記光学像を供給する複数のレンズを備えたことを特徴とする立体画像撮影装置を提供することによって達成される。
【0012】
このような手段によれば、相互に密接する受光面に入射された光により被写体の連続的な光学像を複数の撮像手段へ供給することができる。
【0013】
また、上記の目的は、撮像手段により撮像された光学像を表示する複数の表示手段を含む立体画像表示装置であって、前記複数の表示手段の各々に対応する画像変倍手段であって、
出射面が相互に密接するよう設けられる凸レンズと、前記凸レンズの光軸を対称軸として、一方の端面の中心と他方の端面の中心を結ぶ軸を中心軸として、前記一方の端面と前記他方の端面が180度反転する(ねじれる)ように光ファイバが束ねられて形成され、前記表示手段に表示される光学像を前記一方の面に形成するとともに当該光学像前記凸レンズにを投影するファイバ光学素子と、を含み、対応する前記表示手段から供給された前記光学像を変倍して前記出射面から出力する複数の画像変倍手段を備えたことを特徴とする立体画像表示装置を提供することによって達成される。
【0014】
さらに、複数の集光手段にそれぞれ入射された光が相互に干渉しないよう遮蔽する遮蔽手段を備えることにより、複数の撮像手段により撮像される画像の質を高めることができる。
【0015】
また、本発明の目的は、撮像手段により撮像された光学像を表示する複数の表示手段を含む立体画像表示装置であって、複数の表示手段の各々に対応し、かつ出射面が相互に密接するよう設けられ、対応する表示手段から供給された光学像を変倍して出射面から出力する複数の画像変倍手段を備えたことを特徴とする立体画像表示装置を提供することにより達成される。
【0016】
このような手段によれば、相互に密接する出射面から連続的な光学像を出力することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下において、本発明の実施の形態を図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0018】
本発明の実施の形態に係る立体画像撮影装置及び立体画像表示装置は、複数の光学素子からなるレンズ群によりそれぞれ結像された光学像を撮影及び表示することにより立体画像を撮影又は表示する装置であって、テーパー状(先細状)の光学素子あるいは凸レンズと光学遮蔽板との組み合わせ等を使用することによって、解像度の高い立体画像の動画を撮影し表示することを可能とするものである。
【0019】
以下において、本発明の実施の形態をより詳しく説明する。
[実施の形態1]
図4は、本発明の実施の形態1に係る立体画像撮影装置の構成を示す図である。図4に示されるように、本実施の形態1に係る立体画像撮影装置は要素撮像系1Eを有するものである。すなわち、ウェーハ1wには所定の間隔で撮像素子1eが設けられ、各撮像素子1eの上にはそれぞれテーパー状の屈折率分布レンズ1gが具設される。ここで、屈折率分布レンズ1gはそれぞれ被写体Oに対向する端面1pfと撮像素子1eに対向する端面1pbとを有するが、各屈折率分布レンズ1gはその端面1pfが隣接する屈折率分布レンズ1gの端面1pfと密接するよう配設される。また、図4に示されるように、端面1pbの直径1wbは端面1pfの直径1wfより小さい値とされる。
【0020】
上記のような要素撮像系1Eを有する本実施の形態に係る立体画像撮影装置では、屈折率分布レンズ1gにより結像された被写体Oの光学像が、撮像素子1eにより撮像される。なお、上記ウェーハ1w上には、撮像素子1eを駆動するための駆動信号を生成する回路と該駆動信号を撮像素子1eへ供給する信号線、及び撮像素子1eにより得られた信号を出力するための信号線が形成される。
【0021】
図4においては、便宜上撮像素子1e及び屈折率分布レンズ1gが、ウェーハ1w上に5個並設されている場合が示されるが、実際には一つのウェーハ1w上において平面状あるいは球面状に千から2千個以上の数だけ撮像素子1e及び屈折率分布レンズ1gが配設される。
【0022】
また、テーパー状の屈折率分布レンズ1gと撮像素子1eとの間の距離は、被写体Oの位置によって任意に設定される。
【0023】
また、屈折率分布レンズ1gにおける屈折率の分布の例としては、屈折率が光軸1oa上で最も高く、周辺部ほど小さな値となるものを使用することができる。具体的には、被写体Oからの光が入射する端面1pf上での屈折率分布を、以下の式(1)により表すことができるものとすることができる。
【0024】
【数1】
Figure 0004095241
なお上記において、nは光軸1oaから屈折率分布レンズ1gの半径方向にrだけ離れた位置での屈折率を表し、Aは定数を表し、nは光軸1oa上の屈折率を表す。また、端面1pfから光軸1oa方向にzの距離だけ離れた位置における面1pzにおける屈折率の分布は、以下の式(2)により示される。
【0025】
【数2】
Figure 0004095241
なお上記において、1wzは面1pzの直径を表す。
【0026】
また、屈折率分布レンズ1gの高さZ0は、撮像素子1eに被写体Oの正立像あるいは倒立像が結像されるような値とされる。
【0027】
以上より、本発明の実施の形態1に係る立体画像撮影装置によれば、隣り合う撮像素子1e間に隙間が生じている場合であっても、屈折率分布レンズ1gは被写体Oからの光を入射する端面1pf同士が隙間を生じないよう配設されるため、撮像素子1eにおいて被写体Oの要素画像を隙間無く撮像することができる。
【0028】
従って、本発明の実施の形態1に係る立体画像撮影装置によれば、高解像度で連続的な立体動画像を確実に撮影することができる。
[実施の形態2]
図5は、本発明の実施の形態2に係る立体画像撮影装置の構成を示す図である。図5に示されるように、本実施の形態2に係る立体画像撮影装置は、上記実施の形態1に係る立体画像撮影装置と同様な構成を有するが、屈折率分布レンズ1gの代わりに凸レンズ2lとテーパー状のファイバ光学素子2foを備えた要素撮像系2Eを備えたものである。
【0029】
ここで、凸レンズ2lは被写体Oから供給された光を結像して光学像を生成し、ファイバ光学素子2foは凸レンズ2lにより生成された光学像を撮像素子2eに縮小投影する。また、図5に示されるように、本実施の形態2に係る立体画像撮影装置は、隣接する凸レンズ2lから出射された光が漏れ込むことを防ぐために光学遮蔽板2bを備える。
【0030】
そして、上記のような立体画像撮影装置では、ファイバ光学素子2foにより形成された像が撮像素子2eによって撮影される。なお、図5に示されたウェーハ2w上には、撮像素子2eを駆動するための駆動信号を生成する回路と該駆動信号を撮像素子2eへ供給する信号線、及び撮像素子2eにより得られた信号を出力するための信号線が形成される。
【0031】
また、図5においては、便宜上撮像素子2eとファイバ光学素子2fo及び凸レンズ2lが、ウェーハ2w上に5個並設されている場合が示されるが、実際には一つのウェーハ2w上において平面状あるいは球面状に千から2千個以上配設される。また、凸レンズ2lとファイバ光学素子2foとの間の距離L0は、被写体Oの位置によって任意に設定される。
【0032】
上記において、ファイバ光学素子2foは細い光ファイバを多数組み合わせて構成したもので、端面2pf上に形成された画像を他方の端面2pbに縮小投影する作用を有する。また、このようにして縮小画像が投影される端面2pbの直径2wbは、凸レンズ2lにより結像される光学像が入射する端面2pfの直径2wfより小さな値とされる。
【0033】
さらに、ファイバ光学素子2foは、端面2pf上に形成された被写体Oの画像に対し、端面2pb上に正立像あるいは倒立像が得られるように構成される。そして、例えば端面2pf上に形成された画像を端面2pb上で倒立させる場合には、端面2pfの中心と端面2pbの中心を結ぶ軸2oaを中心軸として、端面2pfと端面2pbが180度反転する(ねじれる)ように光ファイバが束ねられ、ファイバ光学素子2foが形成される。
【0034】
以上より、本発明の実施の形態2に係る立体画像撮影装置は、隣り合う撮像素子2e間に隙間が生じている場合であっても、テーパー状のファイバ光学素子2foは隣接する端面2pf間に隙間を生じないように配設されるため、撮像素子2eにおいて被写体Oの要素画像を隙間無く撮像することができる。
【0035】
これより、本発明の実施の形態2に係る立体画像撮影装置によっても、高解像度で連続的な立体動画像を確実に撮影することができる。
[実施の形態3]
図6は、本発明の実施の形態3に係る立体画像撮影装置の構成を示す図である。図6に示されるように、本実施の形態3に係る立体画像撮影装置は、図4に示された実施の形態1に係る立体画像撮影装置と同様な構成を有するが、屈折率分布レンズ1gの代わりに凸レンズ6lと光学遮蔽板6bを含む要素撮像系6Eを備えることを特徴とする。
【0036】
ここで、光学遮蔽板6bは、隣接する凸レンズ6lから光が漏れ込むことを防ぐためのものである。また、凸レンズ6lと撮像素子6eとの間の距離L06は、被写体Oの位置によって任意に設定される。
【0037】
以上より、本発明の実施の形態3に係る立体画像撮影装置によれば、ウェーハ6w上に形成された撮像素子6eの幅より大きな直径を有する凸レンズ6lが隙間無く配設されるため、撮像素子6eにおいて被写体Oの要素画像を隙間無く撮像することができる。
【0038】
これより、本発明の実施の形態3に係る立体画像撮影装置によっても、高解像度で連続的な立体動画像を確実に撮影することができる。
[実施の形態4]
図7は、本発明の実施の形態4に係る立体画像表示装置の構成を示す図である。図7に示されるように、本実施の形態4に係る立体画像表示装置は、図4に示された実施の形態1に係る立体画像撮影装置と同様な構成を有し、要素表示系3Eを備えるものである。すなわち、ウェーハ3wには所定の間隔で表示素子3eが設けられ、各表示素子3eの上にはそれぞれテーパー状の屈折率分布レンズ3gが具設される。ここで、屈折率分布レンズ3gはそれぞれ端面3pbと、表示素子3eに対向する端面3pfとを有するが、各屈折率分布レンズ3gはその端面3pbが隣接する屈折率分布レンズ3gの端面3pbと密接するよう配設される。また、図7に示されるように、端面3pfの直径3wfは端面3pbの直径3wbより小さい値とされる。
【0039】
なお、図7においては、便宜上表示素子3eと屈折率分布レンズ3gが、ウェーハ3w上に5個並設されている場合が示されるが、実際には一つのウェーハ3w上において平面状あるいは球面状に千から2千個以上配設される。
【0040】
また、屈折率分布レンズ3gの高さZ03は、表示素子3eに表示された画像の正立像あるいは倒立像が端面3pbに結像されるような値とされる。すなわち、上記実施の形態1に係る立体画像撮影装置において、撮像素子1eに被写体Oの倒立像が結像するよう屈折率分布レンズ1gの高さZ0が決められた場合、及び実施の形態2に係る立体画像撮影装置において、端面2pfに形成された画像に対して端面2pbにおける画像が倒立するようファイバ光学素子2foが構成された場合には、表示素子3eに表示される画像の正立像が端面3pbに結像するよう屈折率分布レンズ3gの高さZ03が決定される。
【0041】
そして、このように屈折率分布レンズ3gを設計することにより、被写体Oと同じ奥行きを持った立体画像を再生することができる。なお、屈折率分布レンズ3gにおける屈折率分布、すなわち端面3pfから光軸3oa方向にzの距離だけ離れた位置における面3pzにおける屈折率の分布は、上記実施の形態1に係る屈折率分布レンズ1gと同様に式(2)によって示されるもの等とすることができる。
【0042】
上記のような構成を有する立体画像表示装置では、各表示素子3eの領域3ewにおいて上記実施の形態1から3のいずれかに係る立体画像撮影装置により撮影された要素画像が表示され、該要素画像が観察者により方向3Vから観察される。
【0043】
以上より、本発明の実施の形態4に係る立体画像表示装置によれば、隣り合う表示素子3eの間に隙間があるため、表示素子3eに表示される要素画像が離散的となる場合であっても、互いに端面3pbが密接した複数の屈折率分布レンズ3gにより、連続的な立体動画像を確実に表示することができる。
[実施の形態5]
図8は、本発明の実施の形態5に係る立体画像表示装置の構成を示す図である。図8に示されるように、本実施の形態5に係る立体画像表示装置は、上記実施の形態5に係る立体画像表示装置と同様な構成を有するが、屈折率分布レンズ3gの代わりに凸レンズ4lとテーパー状のファイバ光学素子4foを備えた要素表示系4Eを備えたものである。
【0044】
ここで、ウェーハ4w上に形成された表示素子4eの領域4ewには、上記実施の形態1または2に係る立体画像撮影装置により撮影された要素画像が表示され、観察者によりファイバ光学素子4fo及び凸レンズ4lを介して方向4Vから該要素画像が観察される。また、図8に示されるように、本実施の形態5に係る立体画像表示装置は、隣接する表示素子4eから出射された光が漏れ込むことを防ぐために光学遮蔽板4bを備える。
【0045】
また、図8においては、便宜上表示素子4eとファイバ光学素子4fo及び凸レンズ4lが、ウェーハ4w上に5個並設されている場合が示されるが、実際には一つのウェーハ4w上において平面状あるいは球面状に千から2千個以上配設される。また、凸レンズ4lとファイバ光学素子4foとの間の距離L04は、立体画像を表示する位置によって任意に設定される。
【0046】
上記において、ファイバ光学素子4foは細い光ファイバを多数組み合わせて構成したもので、端面4pf上に形成された画像を他方の端面4pbに拡大投影する作用を有する。また、このようにして拡大画像が投影される端面4pbの直径4wbは、表示素子4eに対向する端面4pfの直径4wfより大きな値とされる。
【0047】
さらに、ファイバ光学素子4foは、表示素子4eにより表示され端面4pf上に形成された画像の正立像あるいは倒立像が凸レンズ4lに投影されるよう構成される。そして、例えば上記実施の形態1に係る立体画像撮影装置において、撮像素子1eに被写体Oの正立像が結像するよう屈折率分布レンズ1gの高さZ0が決められた場合、及び実施の形態2に係る立体画像撮影装置において、端面2pfに形成された画像に対して端面2pbにおける画像が正立するようファイバ光学素子2foが構成された場合には、表示素子4eに表示される画像の倒立像が凸レンズ4lに投影されるようファイバ光学素子4foが構成される。
【0048】
また、同様に上記実施の形態1に係る立体画像撮影装置において、撮像素子1eに被写体Oの倒立像が結像するよう屈折率分布レンズ1gの高さZ0が決められた場合、及び実施の形態2に係る立体画像撮影装置において、端面2pfに形成された画像に対して端面2pbにおける画像が倒立するようファイバ光学素子2foが構成された場合には、表示素子4eに表示される画像の正立像が凸レンズ4lに投影されるようファイバ光学素子4foが構成される。
【0049】
そして、上記のようにファイバ光学素子4foを構成することにより、被写体Oと同じ奥行きを持った立体画像を再生することができる。
【0050】
以上より、本発明の実施の形態5に係る立体画像表示装置によれば、隣り合う表示素子4eの間に隙間があるため、表示素子4eに表示される要素画像が離散的となる場合であっても、互いに密接した複数の凸レンズ4lにより高解像度で連続的な立体動画像を確実に表示することができる。
[実施の形態6]
図9は、本発明の実施の形態6に係る立体画像表示装置の構成を示す図である。図9に示されるように、本実施の形態6に係る立体画像表示装置は、凸レンズ5lと表示素子5dd2を含む要素表示系5Eを備える点で特徴を有するものである。
【0051】
そして、表示素子5dd2の領域5ew2には、上記実施の形態1又は2に記載の立体画像撮影装置により撮影され表示素子5dd1の領域5ew1に表示された各要素画像が所望の倍率に拡大され表示される。
【0052】
ここで、上記倍率は、実施の形態1に係る立体画像撮影装置を構成する屈折率分布レンズ1gの端面1pf,1pbにおける直径の比1wf/1wb、または実施の形態2に係る立体画像撮影装置を構成するファイバ光学素子2foの端面2pf,2pbにおける直径の比2wf/2wbとされる。
【0053】
また、例えば上記実施の形態1に係る立体画像撮影装置において、撮像素子1eに被写体Oの正立像が結像するよう屈折率分布レンズ1gの高さZ0が決められた場合、及び実施の形態2に係る立体画像撮影装置において、端面2pfに形成された画像に対して端面2pbにおける画像が正立するようファイバ光学素子2foが構成された場合には、撮影された各要素画像を上記倍率に拡大した画像を表示素子5dd2へ表示する。
【0054】
また、同様に上記実施の形態1に係る立体画像撮影装置において、撮像素子1eに被写体Oの倒立像が結像するよう屈折率分布レンズ1gの高さZ0が決められた場合、及び実施の形態2に係る立体画像撮影装置において、端面2pfに形成された画像に対して端面2pbにおける画像が倒立するようファイバ光学素子2foが構成された場合には、撮影された各要素画像を上記倍率に拡大すると共に、拡大された該各要素画像に対して全画像の中心点を対称点として点対称となるような画像を生成して表示素子5dd2へ表示する。
【0055】
そして、上記のような表示素子5dd2と凸レンズ5lとを組み合わせた要素表示系5Eによれば、方向5Vから観察する観察者に対して被写体Oと同じ奥行きを持った立体画像を表示することができる。
【0056】
なお、本実施の形態6に係る立体画像表示装置においては、上記凸レンズ5lの代わりに上記の屈折率分布レンズを用いても、同様な方法により立体画像を表示することができる。
【0057】
以上より、本発明の実施の形態に係る立体画像撮影装置によれば、隣り合う撮像素子間に隙間が生じている場合であっても、連続した立体画像情報を確実に得ることができ、本発明の実施の形態に係る立体画像表示装置によれば、隣り合う表示素子間に隙間が生じている場合であっても、連続的な立体画像を確実に再生することができる。
【0058】
【発明の効果】
上述の如く、本発明に係る立体画像撮影装置によれば、相互に密接する受光面に入射された光により被写体の連続的な光学像を複数の撮像手段へ供給することができるため、連続的な立体画像を確実に撮影することができる。
【0059】
また、本発明に係る立体画像表示装置によれば、相互に密接する出射面から連続的な光学像を出力することができるため、連続的な立体画像を確実に表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来において立体画像を撮影し表示するための装置の構成を示す図である。
【図2】従来の立体画像撮影装置における撮像素子とレンズの関係を示す第一の図である。
【図3】従来の立体画像撮影装置における撮像素子とレンズの関係を示す第二の図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る立体画像撮影装置の構成を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態2に係る立体画像撮影装置の構成を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態3に係る立体画像撮影装置の構成を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態4に係る立体画像表示装置の構成を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態5に係る立体画像表示装置の構成を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態6に係る立体画像表示装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
1E,2E,6E 要素撮像系
1e,2e,6e,12e 撮像素子
1g,3g 屈折率分布レンズ
1pb,1pf,2pb,2pf,3pb,3pf,4pb,4pf 端面
1pz,3pz 面
1w,2w,3w,4w,6w,12w ウェーハ
2b,4b,6b,13b 光学遮蔽板
2fo,4fo ファイバ光学素子
2l,4l,5l,6l,11l 凸レンズ
3E,4E,5E 要素表示系
3e,4e,5dd1,5dd2 表示素子
11f 写真フィルム
11L レンズ群
12l 要素レンズ
O 被写体

Claims (5)

  1. 供給された光学像を撮像する複数の撮像手段を含む立体画像撮影装置であって、
    前記複数の撮像手段の各々に対応し、かつ受光面が相互に密接するとともに、前記撮像手段に対向する出射面は相互に密接しないテーパ状のレンズであって、前記光が前記受光面へ入射する位置に応じて異なる屈折率を有し、被写体から前記受光面へ入射された光を集光することにより前記光学像を形成し対応する前記撮像手段へ前記出射面を通じて前記光学像を供給する複数のレンズを備えたことを特徴とする立体画像撮影装置。
  2. 供給された光学像を撮像する複数の撮像手段を含む立体画像撮影装置であって、
    前記複数の撮像手段の各々に対応し、かつ受光面が相互に密接するよう設けられ、光を受光する凸レンズと、
    前記凸レンズの各々に対応し、前記凸レンズの光軸を対称軸として、前記凸レンズを通過した光を集光するとともに、一方の端面の中心と他方の端面の中心を結ぶ軸を中心軸として、前記一方の端面と前記他方の端面が180度反転する(ねじれる)ように光ファイバが束ねられて形成されるファイバ光学素子と
    を含む集光手段であって、
    被写体から前記受光面へ入射された光を集光することにより前記光学像を形成して対応する前記撮像手段へ供給する複数の集光手段を備えたことを特徴とする立体画像撮影装置。
  3. 前記複数の集光手段にそれぞれ入射された前記光が相互に干渉しないよう遮蔽する遮蔽手段をさらに備えた請求項2に記載の立体画像撮影装置。
  4. 撮像手段により撮像された光学像を表示する複数の表示手段を含む立体画像表示装置であって、
    前記複数の表示手段の各々に対応し、かつ出射面が相互に密接するとともに、前記表示手段に対向する受光面は相互に密接しないテーパ状のレンズであって、対応する前記表示手段から供給された前記光学像を変倍して前記出射面から出力する複数のレンズを備えたことを特徴とする立体画像表示装置。
  5. 撮像手段により撮像された光学像を表示する複数の表示手段を含む立体画像表示装置であって、
    前記複数の表示手段の各々に対応する画像変倍手段であって、
    出射面が相互に密接するよう設けられる凸レンズと、
    前記凸レンズの光軸を対称軸として、一方の端面の中心と他方の端面の中心を結ぶ軸を中心軸として、前記一方の端面と前記他方の端面が180度反転する(ねじれる)ように光ファイバが束ねられて形成され、前記表示手段に表示される光学像を前記一方の面に形成するとともに当該光学像前記凸レンズに投影するファイバ光学素子と、
    を含み対応する前記表示手段から供給された前記光学像を変倍して前記出射面から出力する複数の画像変倍手段を備えたことを特徴とする立体画像表示装置。
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