JP2004333691A - レンズ位置検出方法およびその装置 - Google Patents

レンズ位置検出方法およびその装置 Download PDF

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誠人 奥井
Atsushi Arai
淳 洗井
Maki Kobayashi
真樹 小林
Fumio Okano
文男 岡野
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Japan Broadcasting Corp
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Abstract

【課題】精度が高く確実性の高いレンズ位置検出方法および装置を提供する。
【解決手段】レンズ位置検出方法は、複数のレンズが配置された各レンズ群の位置検出方法であって、レンズ群20による光学像群を撮像する撮像ステップと、この撮像ステップにより撮像された光学像群の各像の位置を検出し、その位置を各レンズの位置として特定する特定ステップとを有する。又撮像手段により、レンズ群20による点像群が撮像されるとともに、レンズ位置検出手段により、点像群の各像において、輝度のピーク位置がそれぞれ検出され、各ピーク値が各レンズの位置として検出される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、いわゆる、IP(Integral Photography)方式を用いた立体映像方式に適用されるレンズ位置検出方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、立体撮像方式として、偏光眼鏡等によらない方式の開発や検討が行われている。偏光眼鏡等によらない3次元立体表示技術として、レンチキュラー板を用いた装置がすでに商品化されており、さらにレンチキュラー方式では不可能とされた、上下左右からでも認識可能な3次元立体画像を得ることのできるIP方式の実用化が進められている。このIP方式には、平面状に配列されたレンズ群あるいはピンホール群を用いた方式が知られている。
【0003】
図20および図21を参照してレンズ群を用いた場合を例にして、IP方式の構成並びに立体表示の原理について説明する。
図20は、従来のIP方式における被写体の撮像方法を説明した図、図21は、従来のIP方式における立体像の観察方法を説明した図である。
図20に示すように、レンズ群102は、被写体101の像を結像する作用を有する複数の凸レンズ(以下、各凸レンズを要素レンズという。)からなる。写真フィルム103は、撮像面として作用し、レンズ群102により結像された被写体101の複数の平面像(以下、個々の平面像を要素画像という。)が写真フィルム103上に撮像される。このレンズ群102は、通常、微小なレンズを縦横数百個以上同一平面状に並べて構成されるものであり、同図では、代表された一列分の要素レンズ102,102…102のみを図示している。
【0004】
また、写真フィルム103とレンズ群102とは、平行に配置されており、両者の間隔は、レンズの焦点距離近傍となっている。なお、被写体101は、レンズ群102に対して写真フィルム103と反対位置にレンズの焦点距離より充分大きい距離を置いて設置されているものとする。被写体101からの出射光は、レンズの作用により、被写体101の倒立像を結像し、写真フィルム103上に各要素画像103,103…103として撮像される。
各要素画像103,103…103は、各要素レンズ102,102…102の位置の違いによって、少しずつ異なる画像となっており、これによって、後記する被写体101の再生された立体画像における奥行きの情報が与えられることとなる。
【0005】
このようにして撮像された各要素画像103,103…103を有する写真フィルム103は、写真現像後に、表示面として作用し、図21に示すように、各要素画像104,104…104が、撮像時と同じ位置に配置されたレンズ群102を通じて、観察者105の目に立体再生像106として映るようになる。このことを図20を用いて説明すれば、各要素画像103,103…103から発した光は、対応する要素レンズ102,102…102の作用により、図20に示される光路の逆方向に進み、レンズ群102の正面で立体再生像106を形成する(特許文献1)。
【0006】
なお、実際には、図21の状態で観察者105が立体再生像106を見たときには、奥行きが反転して見える虚立体像となる。このため、奥行きの正しい立体像は、各要素画像104,104…104の中心を点対称の中心として、別途手段による点対称の位置変換処理等を行なうことにより得られるようになる(例えば、特開平10−150675号公報)。
【0007】
また、図20において、写真フィルム103の代わりとして、CCD(Charge Coupled Device)などの光電変換を行うことのできる撮像素子を配置して、奥行きの正しい立体像を得るようにしても良い。
このようなIP方式を用いたものにおいて、十分な立体感を得るためには、前記レンズ群102および写真フィルム103のサイズを大きくする必要がある。しかし、そうすると、各要素画像が形成される位置に配置される撮像素子を、一つの撮像素子で実現することは難しくなる。
【0008】
そこで、撮像素子を用いる代わりに、レンズ群による各要素画像をテレビジョンカメラ等により直接撮像する手法が、考えられる。
図22は、このテレビジョンカメラを用いた方法を説明するための図であり、前記フィルム103の位置に、拡散特性を有する半透明の拡散スクリーン110が配置されている。
【0009】
被写体101の各要素画像は、拡散スクリーン110上に結像され、それらは、拡散スクリーン110の後方に配置されたカメラ111のレンズ112を通じて撮像され、カメラ111の撮像板113上に結像される。これにより、要素画像群としての画像信号(例えば、テレビジョン信号)が得られる。
このテレビジョン信号は、図示しない表示装置に入力され、観察者は、その表示装置の表示面の全面に設置されたレンズ群(要素レンズ102,102…102と同様のもの)を通じて、その表示装置を見ることにより、立体映像を見ることができる。
【0010】
また、図23に示すように、前記拡散スクリーン110を排除し、レンズ群102により結像した要素画像群をカメラ111で直接撮像するようにした手法を採ることもできる。この場合には、拡散スクリーン110の特性による影響を受けることなく、要素画像群をカメラ111で撮像することができるという利点が得られる。
さらに、前記拡散スクリーン110の特性による影響を避けるその他の手法として、同等の口径を有する図示しない凸レンズをレンズ群102とカメラ111との間に配置して、各要素画像を効果的に取得する手法などが、電子情報通信学会技術報告Vol.95 No.581 IE95−146に記載されている。
【0011】
【特許文献1】
特開平8−289329号公報(段落番号[0012],図1)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
前記IP方式により生成された立体映像において、充分な視域と解像度を確保するためには、各要素画像の解像度を十分に確保することが必要になる。そのためには、要素画像数を充分な数量とするとともに、レンズを微小化することが必要になる。すなわち、立体映像の品質を向上させるためには、レンズをより微細に精度良く製作することが必要になってくる。
【0013】
仮に、レンズ群の加工精度が充分でない場合には、レンズ群における配列精度、すなわち、各レンズ間のピッチにバラツキが生じてしまう。
従来の写真技術に基づくIP方式においては、図20,図21に示すように、撮像された各要素画像は、そのまま現像され、撮像時のレンズ群102がそのまま用いられて表示が行われる。したがって、前記のようにレンズ群102の加工精度が充分ではなく、レンズの配列精度が低くても、前記レンズ群102は、撮像時と表示時が同位置で用いられ、撮像時と表示時とにおいて、レンズ群102の各レンズと各要素画像とが相互に対応したものとなっているので、レンズの配列精度の低さが生成される画像に影響を及ぼすようなことにはなりにくい。
【0014】
これに対して、IP方式を、例えば、電子的な手段で実現する場合、一般的には、撮像におけるレンズ群と、表示におけるレンズ群は別のものを用いる。このため、撮像側と表示側とでは、製造時の製作精度、経年変化、温度や機械的な変形などによって、両者間のレンズ位置に差が生じやすく、各レンズの形成位置誤差により生じる再生像の歪みや解像度の低下を来しやすかった。
【0015】
そこで、各レンズの形成位置誤差により生じる再生像の歪みや解像度の低下が生じることを防止するようにした補正手法が考えられる。
これは、立体映像撮像装置に用いられている撮像側レンズ群の各レンズの撮像側位置情報を取得保持し、立体映像表示装置に用いられている表示側レンズ群のレンズ位置との誤差を表示側位置情報により求め、誤差に応じて、各要素画像の表示位置を、各要素画像ごとに補正するものである。
【0016】
この手法によれば、各要素画像の表示位置を効果的に補正することができ、各レンズの形成位置誤差により生じる再生像の歪みや解像度の低下を防止することが可能である。
しかしながら、このような補正手法においては、レンズ群の位置情報が既知であることを前提としたものであり、レンズ群の製造時等に位置情報を事前に取得しておく必要があった。
ところで、このような補正手法を用いた立体映像システムにおいては、レンズ群の位置情報にのみ基づいて、各要素画像の位置の補正が行われるようになっており、例えば、別途撮像手段による像歪みの影響を考慮したときのような精度の高いレンズ位置検出が望まれるところである。
【0017】
本発明の課題は、以上のような問題点に鑑み、精度が高く確実性の高いレンズ位置検出を行うことができるレンズ位置検出方法および装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明にかかるレンズ位置検出方法は、複数のレンズが配置されたレンズ群の各レンズの位置検出を行うためのレンズ位置検出方法であって、前記レンズ群による光学像群を撮像する撮像ステップと、この撮像ステップにより撮像された光学像群の各像の位置を検出し、その位置を前記各レンズの位置として特定する特定ステップとを有することとした(請求項1)。
【0019】
このレンズ位置検出方法によれば、撮像ステップにより、レンズ群による光学像群が撮像され、特定ステップにより、光学像群の各像の位置が検出され、その位置が各レンズの位置として特定される。
特定ステップにより行われる各レンズの位置の検出は、撮像ステップにより撮像された光学像群に基づいて行われることとなる。したがって、各レンズの位置の特定は、撮像ステップによる像歪みが付加されたものについて行うことができる。
ここで、撮像ステップでは、光学像群の撮像手段として、カメラやビデオカメラ、CCDカメラ等が用いられる。
【0020】
また、本発明にかかるレンズ位置検出装置は、複数のレンズが配置され、平行光が入射されたレンズ群の各レンズの位置検出を行うためのレンズ位置検出装置であって、撮像手段と、レンズ位置検出手段と、を具備した構成とした(請求項2)。
【0021】
このレンズ位置検出装置によれば、撮像手段により、レンズ群による点像群が撮像されるとともに、レンズ位置検出手段により、点像群の各像において、輝度のピーク位置がれぞれ検出され、各ピーク値が各レンズの位置として検出される。これによりレンズ群の各レンズの位置検出が行われる。
【0022】
そして、レンズの位置検出は、点像群の各像において、輝度のピーク位置がそれぞれ検出されることにより行われるようになっており、したがって、各レンズの光軸の中心がレンズの位置の中心として検出されることとなる。
また、レンズ位置検出手段による各レンズの位置の検出は、撮像手段により撮像された点像群に基づいて行われることとなる。したがって、各レンズの中心位置の特定は、撮像手段による像歪みが付加されたものについて行うことができる。
【0023】
また、本発明にかかるレンズ位置検出装置は、レンズ位置検出手段が、ノイズ除去手段と、極大値検出手段と、選定手段と、対応付け手段と、を具備した構成とした(請求項3)。
【0024】
このレンズ位置検出装置によれば、レンズ位置検出手段のノイズ除去手段により、点像群の輝度画像が入力され、閾値処理により輝度検出時のノイズが除去されるとともに、極大値検出手段により、極大値を示す座標が検出され、この極大値検出手段により検出された座標における輝度値が所定以上の値の座標が選定手段により選定される。そして、対応付け手段により、選定手段により選定された各座標と位置特定の基準となる座標との対応付けが行われ、各レンズの位置が特定されることとなる。
すなわち、レンズ位置の特定に際しては、余分なノイズが除去され、輝度値が所定以上の値の座標が選定されて、位置特定の基準となる座標との対応付けが行われるようになっているので、確実性の高い対応付けを実行することができる。
【0025】
さらに、本発明にかかるレンズ位置検出装置は、複数のレンズが配置されたレンズ群の各レンズの位置検出を行うためのレンズ位置検出装置であって、参照画像生成手段と、撮像手段と、レンズ位置特定手段と、を具備した構成とした(請求項4)。
【0026】
このレンズ位置検出装置によれば、参照画像生成手段により、光学系よりレンズ群に向けて位置の特定をするための参照画像が無限遠に位置するのと同等な平行光線群が出射され、レンズ群による参照画像の光学像群が撮像手段により撮像されるとともに、レンズ位置特定手段により、光学像群の各像と、位置特定の基準となるテンプレート画像との類似度の高さで各レンズの位置が特定される。これによりレンズ群の各レンズの位置検出が行われる。
【0027】
レンズ位置の特定は、光学像群の各像と、位置特定の基準となるテンプレート画像との類似度の高さで各レンズの位置が特定されるようになっているので、その類似度を比較することにより、各レンズの位置を比較的容易に抽出することができる。
【0028】
また、レンズ位置特定手段による各レンズの位置の検出は、撮像手段により撮像された光学像群に基づいて行われることとなる。したがって、各レンズの位置の特定は、撮像手段による像歪みが付加されたものについて行うことができる。
【0029】
さらに、本発明にかかるレンズ位置検出装置は、レンズ位置特定手段が、類似度算出手段と、位置特定手段と、を具備した構成とした(請求項5)。
【0030】
このレンズ位置検出装置によれば、レンズ位置特定手段の類似度算出手段により、参照画像の輝度画像が入力され、この輝度画像に対して位置特定の基準となるテンプレート画像が移動されながら重ね合わされ、類似度が算出される。そして、位置特定手段により、類似度算出手段によって算出された類似度のうち、最も高い類似度を示したテンプレート画像の位置がレンズの位置として特定されることとなる。
【0031】
すなわち、レンズ位置の特定に際しては、輝度画像とテンプレート画像との位置関係により類似度が算出され、類似度の最も高い(輝度画像に最も近い)テンプレート画像の位置がレンズの位置であると特定されるようになっているので、確実性の高いレンズの位置の特定を実行することができる。
【0032】
また、本発明にかかるレンズ位置検出装置は、参照画像生成手段が、レンズ群の全体にわたって平行光を供給する拡散板で構成した(請求項6)。
【0033】
このレンズ位置検出装置によれば、参照画像生成手段が、レンズ群の全体にわたって平行光を供給する拡散板レンズ群より少なくとも大型とされた拡散板であるので、レンズ群が比較的大型で、レンズ群に対してレンズ位置特定の基準となる平行光を供給することが難しいような場合でも、この拡散板を用いることにより、位置特定を行うための像を得ることができるようになる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、説明において、同一要素には同一の符号を用い、重複する説明は省略する。
【0035】
(第一の実施の形態)
図1は、本発明の第一の実施の形態に係るレンズ位置検出装置を示す構成図、図2は、このレンズ位置検出装置に適用される点光源生成部の構成図、図3(a)は、レンズ群の模式図、図3(b)は、点像の模式図、図4は、レンズ位置検出部を示すブロック図、図5は、輝度に基づいてレンズ位置の中心を求める際の制御を示すフローチャートである。
【0036】
図1に示すように、レンズ位置検出装置1は、点光源生成部10(点光源生成手段)と、レンズ群20と、撮像部30(撮像手段)と、レンズ位置検出部40(レンズ位置検出手段)とを備えている。このレンズ位置検出装置1では、レンズ群20の前方(図1の紙面においてレンズ群20の左側)に配置された点光源生成部10からレンズ群20に平行光線が出射され、レンズ群20の後方(レンズ群20の右側)に配置された撮像部30により、レンズ群20による点像群Gが撮像され、レンズ位置検出部40により、点像群Gの各像において、輝度のピーク位置がそれぞれ検出されて、レンズ群20のレンズ位置が特定されるものである。すなわち、本実施形態では、被写体が配置される位置に、点光源生成部10を配置し、これにより生成された平行光線がレンズ群20に照射されるように構成し、レンズ群20の後方焦点位置(焦点距離fを置いた位置)に、図3(b)に示すような点像群Gが形成される。各点像は、レンズ群20の各レンズの光軸の中心であり、これを、各レンズの中心位置として捕らえることができる。
【0037】
また、本実施形態において、レンズ位置検出装置1は、その点光源生成部10を除いてその他の構成部分が、被写体の立体像を撮像する立体映像撮像装置Aに組み込まれている。このような立体映像撮像装置Aでは、レンズ位置検出装置1により検出されたレンズ位置をそのまま利用した立体映像の撮像を行うことが可能である。なお、このようなレンズ位置検出装置1は、放送用テレビカメラや、一般ユーザが使用するビデオカメラ、デジタルカメラを用いることができる。
【0038】
ここで、レンズ位置検出装置1の各構成要素について説明する。点光源生成部10は、図2に示すように、光源としての光源ランプ11と、第1,第2,第3の凸レンズL1,L2,L3と、第2の凸レンズL2と第3の凸レンズL3との間に配置されたピンホール板12とを備えている。光源ランプ11の位置は、凸レンズL1の前方焦点位置に一致している。第2の凸レンズL2の後方焦点位置と第3の凸レンズL3の前方焦点位置とは、一致しており、その共通の焦点位置にピンホール板12のピンホール12aが位置するようにピンホール板12が設置されている。
第3の凸レンズL3の口径は、レンズ群20の各レンズ全てに平行光線が照射されるようにレンズ群20よりも大きく形成されている。また、光源ランプ11としては、輝度の高いハロゲンランプが用いられている。
【0039】
このように構成された点光源生成部10によれば、光源ランプ11の光は、第1の凸レンズL1に集光された後、第2の凸レンズL2にほぼ平行な光線束とされて供給され、この第2の凸レンズL2で収束されてピンホール板12のピンホール12aを通過して、第3の凸レンズL3に供給され、平行光線となって出射される。
【0040】
レンズ群20は、例えば、図3(a)に示すように、要素レンズ21,21…21から構成されており、正方格子状の配列となっている。また、レンズ配列として、ラインオフセット状の配列を有するものを用いてもよい。各要素レンズ21は、公知の保持手段により保持されており、例えば、不図示のホルダに各要素レンズ21を収めることなどにより形成される。また、各要素レンズ21の隙間を埋める部材等により、要素レンズ21を一体的に形成することも可能である。なお、本実施形態において各要素レンズ21は、両凸形状のレンズを用いているが、片凸形状のレンズ、凹形状を有するレンズ、非球面レンズ等を用いることもできる。また、要素レンズ21の数や形状は、任意のものを選択することが可能であるが、本実施の形態では、高品質の立体映像が得られるように、微小の凸レンズからなるものを採用している。なお、レンズ群21を用いる代わりに、複数のピンホールからなるピンホール群を用いることもできる。
【0041】
図1に示すように、撮像部30は、カメラ31で構成され、レンズ群20の後方焦点位置(焦点距離fを置いた位置)に形成される点像群G(図3(b)参照)にフォーカスが固定されている。カメラ31のレンズ32を通じて撮像された点像群Gは、カメラ31の撮像板33上に結像されて画像信号(例えば、テレビジョン信号)として出力される。なお、レンズ群20のレンズ配列は既知であり、その配列に合致した映像が得られるように基本的な調整はなされているものとする。すなわち、カメラ31とレンズ群20との距離、正対位置調整、カメラレンズのズーム比の調整により、少なくとも画面の中央領域においては、規定の配列方法と実際に得られている映像の相互の位置関係において、1要素画像の大きさを超える大きいずれはないものとする。
【0042】
レンズ位置検出部40は、撮像部30で撮像された点像群Gの画像信号を入力し、点像群Gの各像において、輝度のピーク位置をそれぞれ検出するとともに、各ピーク値を各レンズの中心位置(光軸の中心)として特定するようになっている。
レンズ位置検出部40は、図4に示すように、ノイズ除去手段41と、極大値検出手段42と、選定手段43と、対応付け手段44とを備えている。
ノイズ除去手段41は、カメラ31から点像群Gの輝度画像P(x,y)を入力し、輝度画像P(x,y)より十分に低い輝度とされる適当な閾値により閾値処理を行い、輝度検出時のノイズとなるものを除去する。なお、閾値は、輝度により任意に設定される。
極大値検出手段42は、画面全体にわたって極大値を示す座標を順次検出し、その座標の組を選定手段43に出力する。ここで、極大値は、隣接する画素の輝度値よりも高いものを言う。
選定手段43は、極大値検出手段42により検出された座標の組において、輝度値が所定以上のもののみを選定する。これにより、検出の誤りが低減される。
対応付け手段44は、選定手段43により選定された各座標と、予め取得しておいた位置特定の基準となる座標(例えば、標準的なレンズの設計値)との対応付けを行い、各レンズの位置を特定するようになっている。
【0043】
次に、図5に示すフローチャートを参照して、レンズ位置検出部40による位置検出の特定手順を説明する。
まず、ステップST1で撮像部30(図1参照)のカメラ31からの信号(例えば、テレビジョン信号)を入力し、取得された点像群Gの輝度画像P(x,y)が入力される。次に、ステップST2で、輝度P(x,y)より十分に低い輝度とされる適当な閾値により閾値処理を行い、輝度検出時のノイズとなるものを除去する。そして、ステップST3で、画面全体にわたって極大値を示す座標(x,y)、i=0,1,2…を順次検出し、その検出された座標の組を{(x,y)}とする。
次に、ステップST4〜ステップST7で、検出の誤りを低減するために、各座標(x,y)における輝度値が所定以上のもののみを選定する。その際、レンズ群20の各レンズを番号付けし、レンズnと表す。{(x,y)}の中からレンズnの設計上の位置に最も近い座標に対して対応付けを行い、番号を付け直して、(x,y)とする。
この対応付けは、画面中央領域(ステップST4)から行い、次に、周辺領域内(ステップST6)へ進んで全てのレンズnについて行う。このとき、ステップST5で、中央領域内で周辺領域に接する小領域における誤差を、それに隣接する周辺領域における対応付けの探索範囲の初期値とすることで、設計値からのズレが大きい周辺領域の対応付けを確実なものとする。以上の手順により、レンズnに対する検出座標(x,y)の対応付けを完了した系列{(x,y)}を得ることができる(ステップST7)。
【0044】
上記手順において、レンズ位置は、カメラ31の画素単位で検出される。画素が十分微細でないような場合には、次に説明するような補間処理を行い、画素数を増やした上で、上記手順を適用することができる。
図6は、補間処理により、4倍に画素(標本化)数を増やして極大値を検出した例を示す。同図(a)に示すように、例えば、もとの画素は、s0,s1,s2…で表されている。これに、同図(b)に示すように、輝度ゼロの点qを付加し、適当なローパスフィルタを用いることで、同図(c)のように補間信号を得ることができる。この例では、ピークを与える標本点として補間により生成したq0を得ている。
【0045】
図6では、1次元信号として示したが、実際に画像に用いられ信号は、2次元信号であり、また、これに適したローパスフィルタの特性が必要となるが、詳細は例えば、「C言語で学ぶ実践ディジタル映像処理(2001、オーム社)」に記載されている。このような補間処理を併用することにより、画素以上の精度でレンズ位置を検出することができるようになる。
【0046】
次に、レンズ位置検出装置1の動作について説明する。まず、図2に示すように、点光源生成部10の光源ランプ11を点灯させ、図1に示すように、点光源生成部10からレンズ群20へ向けて平行光線を出射する。次に、撮像部30のカメラ31で、レンズ群20の後方焦点位置(焦点距離f)に形成される点像群Gを撮像し、レンズ位置検出部40へ出力する。レンズ位置検出部40は、撮像部30のカメラ31からの信号を入力し、点像群Gの各像において、輝度のピーク位置をそれぞれ検出するとともに、各ピーク値を各レンズの中心位置(光軸の中心)として特定する。
これにより、レンズ群20の各レンズ位置が特定されることとなる。
【0047】
以上説明したように、本実施形態のレンズ位置検出装置1によれば、レンズ群20の各レンズの位置検出を行うことができる。しかも、各レンズの光軸の中心位置を特定するために行われる輝度のピーク位置の検出は、撮像部30のカメラ31により撮像された点像群Gに基づいて行われることとなり、撮像部30による像歪みが付加されたものについて行うことができる。したがって、レンズ群20の使用態様に即した確実性の高い位置検出を行うことができる。
また、レンズ位置検出部40によるレンズ位置の特定に際しては、余分なノイズが除去され、輝度値が所定以上の値のものが選定されて、位置特定の基準となる座標との対応付けが行われるようになっているので、確実性の高い対応付けを実行することができ、したがって、誤差の少ない正確なレンズ位置の検出を行なうこととができる。
なお、点光源生成部10を用いる代わりに、十分に遠方と見なすことのできる点光源、例えば、減光処理された太陽光を用いるようにしても良い。
【0048】
図7は本実施形態のレンズ位置検出装置が適用される立体映像システムの説明図であり、(a)は、レンズ位置検出装置1が適用された立体映像システムのシステム構成図、(b)は、立体映像システムにおける立体映像補正装置を示すブロック図、図8は要素画像の補正手順の説明図であり、(a)は、撮像側位置情報に基づくレンズ位置を示した図、(b)は、撮像側位置情報に基づくレンズ位置と表示側位置情報に基づくレンズ位置とを示した図である。
【0049】
図7(a)に示すように、立体映像システム60は、被写体Pを撮像する撮像装置100と、被写体Pの映像を立体的に表示するための表示装置200と、撮像装置100で撮像された映像の各要素画像の形成位置を補正して表示装置200に送る立体映像補正装置300とを備えている。そして、撮像装置100(立体映像撮像装置A)には、本実施形態のレンズ位置検出装置1を構成しているレンズ群20(撮像レンズ群)と、撮像部30と、レンズ位置検出部40とを備えている。また、表示装置200は、映像を表示する表示部210および表示レンズ群220とを備えている。さらに、表示部210は、表示レンズ群220における各表示レンズの位置情報となる表示位置情報(位置情報b)を有している。なお、このような立体映像システム60は、放送用テレビカメラや、一般ユーザが使用するビデオカメラ、デジタルカメラを用いることができる。
【0050】
ここで、立体映像システム60の撮像装置100は、立体映像撮像装置A(図1参照)と同様の構成であるので、その説明は省略する。なお、立体映像撮像装置Aのレンズ位置検出装置1によるレンズ位置の検出は、点光源生成部10を用いて行われる。
図7(a)示すように、表示装置200の表示レンズ群220は、撮像レンズ群20と同様の構成を有しているが、表示部210で用いられる表示画面の大きさに合わせて、その要素レンズ220の大きさや、配列間隔が変更される。
【0051】
表示部210は、LCDやEL素子、CRT(Cathode Ray Tube)等の発光素子を備えたものを用いることができる。観察者105は、表示される複数の要素画像を、表示側レンズ群220を通して観察することで、所定の被写体Pを立体像として捉えることが可能になる。
【0052】
立体映像補正装置300は、図7(b)に示すように、撮像側位置情報取得手段310と、表示側位置情報取得手段320と、補正情報演算手段330と、要素画像補正手段340とを備えている。
撮像側位置情報取得手段310は、レンズ位置検出部40(図1参照)より特定されたレンズ群20の位置情報aを取得し、補正情報演算手段330にその位置情報aを出力する。表示側位置情報取得手段320は、表示部装置200(図7(a)参照)の表示レンズ群220の位置情報bを取得し、補正情報演算手段330にその位置情報bを出力する。位置情報bは、工場等における製造検査時にデータとして取得しても良いし、レンズ位置検出装置1と同様の構成を用いて取得するようにしても良い。
【0053】
位置情報a,bは、ともに、各レンズの中心位置データからなるものであり、例えば、図8(a)に示すように、レンズ群20を構成する面上の適当な基準点Dを定め、2次元座標(x,y)で与えることができる。
【0054】
図7(b)に示すように、補正情報演算手段330は、撮像側位置情報取得手段310により取得した位置情報aと、表示側位置情報取得手段320により取得した位置情報bとを比較し、表示側の位置情報bに基づいて、撮像部30(図7(a)参照)より送られてきた映像の各要素画像を、表示側レンズ群220の各表示レンズの位置(位置情報b)に適合させるための補正情報を演算するようになっている。ここで、この補正情報の演算を模式的に説明すると次のようになる。
図8(b)に示すように、位置情報aに基づく撮像レンズ群20の撮像レンズnの位置は、前記のように(x,y)で与えられる。ここで、撮像レンズnに対応している表示レンズ群220の表示レンズnの位置は、位置情報bにより(x’,y’)で与えられる。これらの撮像レンズnと表示レンズnとの間には、(x’−x,y’−y)で与えられるレンズ位置の誤差δが生じている。
そこで、このレンズ位置の誤差δ分(x’−x,y’−y)だけ、表示面上に表示される要素画像を表示側に合わせて位置補正することにより、立体画像としてずれの少ない位置に要素画像が補正されることとなり、したがって、違和感の少ない立体画像が表示されるようになる。
【0055】
ところで、このような立体映像システム60においては、表示装置200を通じて表示される映像は、奥行き処理を行わないと逆奥行き像となる。そこで、以下に説明するような各レンズの光軸位置を中心とした点対称の変換を各要素画像に対して行ない、奥行きの正しい映像が得られるような映像処理を用いる。
【0056】
図9(a)に示すように、レンズ群20を通じて形成された被写体Pの要素画像群G1は、カメラ31により撮像されて取得される。この場合、各要素画像は、同図に示すように、倒立像で構成される。各要素画像の正しい奥行き再現のためには、図9(b)に示すように、光軸位置を中心として点対称になる変換処理が必要となる。この変換処理は、各要素画像が円形で与えられるとして、その大きさが半径r0で与えられているときに、半径r0の円内すべての点において、各レンズの光軸位置を中心に、点対称変換を行うものである。
すなわち、光軸位置が(x,y)である場合、変換対象の点が(x,y)で与えられているとすると、その輝度値は、(x’,y’)に変換されて表示される。光軸位置と変換対象の点と輝度値との関係は、次式で表される。
x’=x+(x−x) (1)
y’=y+(y−y) (2)
ここにおいて、光軸位置(x,y)は、レンズ位置検出装置1により精度良く取得することができる。
このような映像処理を行なうこととにより、表示装置200を通じて表示される映像は、奥行きの正しい映像となる。
【0057】
(第二の実施の形態)
次に、図10を参照して、本発明における第二の実施の形態に係るレンズ位置検出装置について説明する。図10は、本発明の第二の実施の形態に係るレンズ位置検出装置を示す構成図である。なお、図1ですでに説明した構成と同じ部材は同じ符号を付して説明を省略する。
本実施形態のレンズ位置検出装置2は、複数の光ファイバーによりなるレンズ群25(ファイバーレンズ)が用いられている。また、レンズ位置検出装置2は、点光源生成部10を除き、その他の構成部分が被写体の立体像を撮像する立体映像撮像装置Bに組み込まれたものについて説明する。
【0058】
ファイバーレンズ25は、図11(a)に示すように、2次元に配列・構成し、図10に示すように、出射端面25aにおいて、結像した画像を直接観察できるようにしている。すなわち、点光源生成部10からの平行光線に対する点像群Gは、カメラ31側の端面25aに結像する。したがって、カメラ31のフォーカスは、ファイバーレンズ25の出射端面25aに合わせてあり、この出射端面25aに結像された点像群Gがカメラ31で撮像される。ここで、ファイバーレンズ25は、中心から周辺に行くにしたがって、屈折率が大きくなるように形成され、また、その長さは、図には示さないが光路の3/4で集光するように設定されている。なお、ファイバーレンズ25は、ガラスファイバでもプラスチックファイバでも良い。また、図8(b)に示すように、ファイバーレンズ25は、レンズ配列として、ラインオフセット状の配列を有するものを用いてもよい。
【0059】
次に、レンズ位置検出装置2の動作について説明する。まず、図10に示すように、点光源生成部10の光源ランプ11(図2参照)を点灯させ、点光源生成部10からレンズ群25へ向けて平行光線を出射する。次に、撮像部30のカメラ31で、レンズ群25の出射端面25aに形成される点像群Gを撮像し、レンズ位置検出部40へ出力する。レンズ位置検出部40は、撮像部30のカメラ31からの信号を入力し、点像群Gの各像において、輝度のピーク位置をそれぞれ検出するとともに、各ピーク値を各レンズの中心位置(光軸の中心)として特定する。
これにより、レンズ群25の各レンズ位置が特定されることとなる。
【0060】
以上説明したように、本実施形態のレンズ位置検出装置2によれば、レンズ群25の各レンズの位置検出を行うことができる。しかも、各レンズの光軸の中心位置を特定するために行われる輝度のピーク位置の検出は、撮像部30のカメラ31により撮像された点像群Gに基づいて行われることとなり、撮像部30による像歪みが付加されたものについて行うことができる。したがって、レンズ群25の使用態様に即した確実性の高い位置検出を行うことができる。
なお、点光源生成部10を用いる代わりに、十分に遠方と見なすことのできる点光源、例えば、減光処理された太陽光を用いるようにしても良い。
【0061】
(第三の実施の形態)
次に、図12を参照して、本発明における第三の実施の形態に係るレンズ位置検出装置について説明する。図12は、本発明の第三の実施の形態に係るレンズ位置検出装置を示す構成図である。なお、図1ですでに説明した構成と同じ部材は同じ符号を付して説明を省略する。
本実施形態のレンズ位置検出装置3は、第一,第二の実施の形態で説明した点光源生成部10の代わりに、参照画像を生成する参照画像生成部15(参照画像生成手段)が設けられており、また、後述する白色テンプレートにより画像群からレンズ位置を取得するためのレンズ位置特定部45(レンズ位置特定手段)が設けられている。本実施形態では、参照画像生成部15によりレンズ群20の各レンズと同径の像群が形成されるようにしてある。
参照画像生成部15は、図13に示すように、拡散板15aと、凸レンズ15bとを備えている。拡散板15aの径Lと、凸レンズ15の焦点距離Fとが、図12に示したレンズ群20のレンズの径p、焦点距離fに対し、L:p=F:fの関係を有するように構成されている。なお、拡散板15aの開口Lの周囲は、光吸収部材により遮光することが望ましい。
【0062】
このような参照画像生成部15により生成される光線群は、無限遠に開口Lと同形状の被写体が位置する場合と同様になる。これにより、図12に示すように、レンズ群20の後方焦点位置(焦点距離fを置いた位置)には、レンズの光軸を中心とし、レンズと同様の径pを有する参照画像群G2が形成される。
【0063】
撮像部30のカメラ31は、レンズ群20の後方焦点位置に形成される参照画像群G2にフォーカスが固定されている。参照画像群G2は、図14(b)に示すように、図14(a)に示したレンズ群20のレンズ配列と同様で、かつ、同様の径pを有するものとなる。
【0064】
図12に示すように、レンズ位置特定部45は、径pの白色テンプレートにより画像群からレンズ位置を取得するようになっており、図15に示すように、類似度算出手段46と、位置特定手段47とを備えている。
類似度算出手段46は、参照画像の輝度画像P(x,y)を入力し、輝度画像P(x,y)に対して位置特定の基準となるテンプレート画像を移動しながら重ね合わせ、類似度を算出するようになっている。ここで、本実施形態では、テンプレート画像として、レンズの径pと同一の径pを備えた白色テンプレートが用いられる。
位置特定手段47は、類似度算出手段46により算出された類似度のうち、最も類似度の高いものをレンズの位置として特定するようになっている。特定されたレンズ位置情報は、例えば、位置情報a(図7参照)として出力される。
【0065】
次に、このようなレンズ位置特定部45の具体的な位置特定手順を、図16のフローチャートを参照して説明する。
まず、ステップST10で撮像部30(図12参照)のカメラ31からの信号を入力し、取得された参照画像群G2の輝度画像P(x,y)が入力される。次に、ステップST11〜ステップST15で、レンズ群の各レンズをレンズnと表し、レンズnの設計上の位置(x,y)における画素、例えば、縦N個、横M個の領域(少なくとも径pの円形領域を含む大きさとする)と白色テンプレート画像G(x,y)とを縦横それぞれk,l画素ずつ移動しながら重ね合わせ、その類似度R(R)を求める。類似度Rは、一般的に相関値が用いられる。
【0066】
ステップST11’で、テンプレート画像G(x,y)を入力し、ステップST11で、中央領域において、レンズnに対する設計位置(x´,y´)における取得画像の輝度画像P(x,y)とテンプレート画像G(x,y)とから類似度Rを計算する。ステップST12で、最も類似度の大きいk,lについて(x´−kΔx,y´−lΔy)をレンズnに対する検出位置(x,y)とする。このとき、ステップST13で、中央領域内で周辺領域に接する小領域における誤差を、隣接する周辺領域における対応付けの探索範囲の初期値とすることで、設計値からのズレが大きい周辺領域の対応付けを確実なものとする。次に、ステップST14で、周辺領域において、レンズnに対する類似度Rと類似度最大のk,lについて、(x,y)を得る。以上の手順により、レンズnに対する対応付けを完了した系列{(x,y)}を得ることができる(ステップST15)。
ここで、テンプレート画像の大きさ=(N,M)、画素間隔=(Δx,Δy)、探索範囲=(k,l)とすると、類似度Rは、次式で求められる。
【0067】
【数1】
Figure 2004333691
【0068】
ここで、二重の積和演算は、テンプレート画像G(x,y)を含むM×N画素領域内で(x,y)に対して行われる。このときの様子を模式的に説明すると図17のようになる。図17(a)に示すように、テンプレート画像G(x,y)に対する類似度計算領域はM×Nで与えられる。図17(b)に示すように、テンプレート画像G(x,y)を入力し、中央領域において、レンズnに対する設計位置(x´,y´)における取得画像の輝度P(x,y)とテンプレート画像G(x,y)とから類似度Rを計算する。周辺領域において、レンズnに対する類似度Rと類似度最大のk,lについて、(x´−kΔx,y´−lΔy)を検出値(x,y)として採用する。
上記手順では、レンズ位置は、撮像部30の画素単位で検出される。ここで、画素が十分に微細でない場合には、第一の実施の形態で説明した補間処理と同様の処理を行い、画素数を増やした上で、前記手順を適用することができる。これにより、画素間隔をより高い精度で位置検出することができる。
【0069】
(第四の実施の形態)
次に、図18を参照して、本発明における第四の実施の形態に係るレンズ位置検出装置について説明する。図18は、本発明の第四の実施の形態に係るレンズ位置検出装置を示す構成図である。なお、図1ですでに説明した構成と同じ部材は同じ符号を付して説明を省略する。
本実施形態のレンズ位置検出装置4は、前記第一〜第三の実施の形態で説明した光源の代わりに、照明が当てられた拡散板50が設けられており、この拡散板50からの光による像をレンズ群20を通じて撮像することにより、レンズ位置の特定を行うものである。本実施形態の拡散板50は、レンズ群20の大きさが大きく、それに相当する面積に前記実施形態で説明した点光源生成部10や参照画像生成部15により光線群を照射することが難しい場合に有効である。
【0070】
拡散板50は、撮像部30のカメラ31から見たときにレンズ群20の前面にわたってこの拡散板50からの像が観察できる程度に、十分な大きさを有しており、レンズ群20の被写体側の任意の位置Dに配置されている。拡散板50に対する照明は、前面側(レンズ群20側)から行っても良いし、また、拡散板50が透過性を有するものであるときには、背面側から行っても良い。
【0071】
本実施形態においては、カメラ31のフォーカス位置を2通り設定することができる。第1の手法は、図18に示したフォーカス位置A1であり、第2の手法は、フォーカス位置B1である。第1の手法であるフォーカス位置A1は、レンズ群20の後方焦点位置(焦点距離f)にフォーカスする方法である。この場合は、使用状態、すなわち、被写体像を取得する場合とフォーカス距離とを同一にできるため、操作上簡単になるという利点が得られる。このフォーカス位置A1により得られる映像は、図14(b)と同様の映像パターンとなる。
第2の手法であるフォーカス位置B1は、フォーカスをレンズ群20そのものに合わせる手法である。この手法によれば、レンズの配列状況をそのまま反映した図14(b)と同様の映像パターンが得られるが、第1の手法と比べるとより鮮明な映像が得られるようになり、したがって、より高い位置精度が得られる。
第2の手法において、被写体の結像位置は、ほぼ後方焦点位置(焦点距離f)であるので、レンズ群20の位置にフォーカスを合わせて取得した映像パターンは、これと条件が異なる。このため、被写体を撮影した場合に適用可能なレンズ位置データを得るには、フォーカス位置に応じた拡大処理を必要とする。すなわち、カメラ31とレンズ群20との距離をL、レンズ群20の焦点距離をfとしたときに、上記方法により取得した映像をL/(L−f)倍に拡大し、これを位置データに用いるようにしている。
なお、図19に示すように、レンズ群としてファイバーレンズ25を用いたレンズ位置検出装置5においても、カメラ31によるフォーカス位置をファイバーレンズ25の出射端面25aに合わせることにより、適用することができる。
【0072】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るレンズ位置検出方法および装置では、以下に示す優れた効果を奏する。
請求項1に記載の発明によれば、特定ステップにより行われる各レンズの位置の検出は、撮像ステップにより撮像された光学像群に基づいて行われることとなる。したがって、各レンズの位置の特定は、撮像ステップによる像歪みが付加されたものについて行うことができる。これにより、精度が高く確実性の高いレンズ位置の検出を行うことができる。そのため、レンズ位置が検出されたことで、そのレンズ位置の情報を、例えば、補正装置側に提供でき、トータル的な要素画像の補正を行うシステムの実現に対応することができる。
【0073】
請求項2に記載の発明によれば、各レンズの光軸の中心がレンズの位置の中心として検出されることとなり、レンズ位置が特定されやすく、確実性の高いレンズ位置の検出を行うことができる。
【0074】
請求項3に記載の発明によれば、余分なノイズが除去され、輝度値が所定以上の値の座標が選定されて、位置特定の基準となる座標との対応付けが行われるようになっているので、確実性の高い対応付けを実行することができ、したがって、誤差の少ない正確なレンズ位置の検出を行なうこととができる。
【0075】
請求項4に記載の発明によれば、光学像群の各像と、位置特定の基準となるテンプレート画像との類似度の高さで各レンズの位置が特定されので、精度の高いレンズ位置の検出を行うこととができる。
【0076】
請求項5に記載の発明によれば、レンズ位置の特定に際して、輝度画像とテンプレート画像との位置関係により類似度が算出され、類似度の最も高いものがレンズ位置であると特定されるようになっているので、確実性の高いレンズ位置の特定を実行することができる。したがって、誤差の少ない正確なレンズ位置の特定を行なうこととができる。
【0077】
請求項6に記載の発明によれば、レンズ群が比較的大型で、レンズ群に対してレンズ位置特定の基準となる平行光を供給することが難しいような場合でも、拡散板を用いることにより、レンズ位置の検出を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態に係るレンズ位置検出装置を示す構成図である。
【図2】レンズ位置検出装置に適用される点光源生成部の構成図である。
【図3】(a)は、レンズ群の模式図、(b)は、点像の模式図である。
【図4】レンズ位置検出部を示すブロック図である。
【図5】輝度に基づいてレンズ位置の中心を求める際の制御を示すフローチャートである。
【図6】(a)〜(c)は、補間処理を説明するための模式図である。
【図7】第一の実施の形態のレンズ位置検出装置が適用される立体映像システムの説明図であり、(a)は、立体映像システムのシステム構成図、(b)は、立体映像システムにおける立体映像補正装置を示すブロック図である。
【図8】要素画像の補正手順の説明図であり、(a)は、撮像側位置情報に基づくレンズ位置を示した図、(b)は、撮像側位置情報に基づくレンズ位置と表示側位置情報に基づくレンズ位置とを示した図である。
【図9】(a)は点対称の変換手段の説明図、(b)は、変換処理を説明するための模式図である。
【図10】本発明の第二の実施の形態に係るレンズ位置検出装置を示す構成図である。
【図11】(a)(b)は、ファイバーレンズの斜視図である。
【図12】本発明の第三の実施の形態に係るレンズ位置検出装置を示す構成図である。
【図13】参照画像生成部を示す構成図である。
【図14】(a)は、ファイバーレンズ群のレンズ配列を示す模式図、(b)は、参照画像群の模式図である。
【図15】レンズ位置特定部を示すブロック図である。
【図16】レンズ位置特定部による位置検出の特定手順を説明するためのフローチャートである。
【図17】(a)(b)は、レンズ位置特定部による処理を説明するための模式図である。
【図18】本発明の第四の実施の形態に係るレンズ位置検出装置を示す構成図である。
【図19】ファイバーレンズを用いた変形例を示す構成図である。
【図20】従来のIP方式を説明する図である。
【図21】従来のIP方式による立体写真の再生法を説明する図である。
【図22】従来のIP方式において拡散スクリーンを使用した例を説明する図である。
【図23】従来のIP方式において拡散スクリーンを取り除いた例を説明する図である。
【符号の説明】
1,2,3,4,5 レンズ位置検出装置
10 点光源生成部
11 光源ランプ
12 ピンホール板
12a ピンホール
15 参照画像生成部
15a 拡散板
15b 凸レンズ
20 レンズ群
25 ファイバーレンズ
25a 出射端面
30 撮像部
31 カメラ
32 レンズ
33 撮像板
40 レンズ位置検出部
45 レンズ位置特定部
50 拡散板
100 撮像装置
200 表示装置
300 立体映像補正装置
A,B 立体映像撮像装置
G 点像群
G1 要素画像群
G2 参照画像群
L1〜L3 凸レンズ
P 被写体
a,b 位置情報
δ 誤差

Claims (6)

  1. 複数のレンズが配置されたレンズ群の各レンズの位置検出を行うためのレンズ位置検出方法であって、
    前記レンズ群による光学像群を撮像する撮像ステップと、
    この撮像ステップにより撮像された光学像群の各像の位置を検出し、その位置を前記各レンズの位置として特定する特定ステップとを有することを特徴とするレンズ位置検出方法。
  2. 複数のレンズが配置され、平行光が入射されたレンズ群の各レンズの位置検出を行うためのレンズ位置検出装置であって、
    前記レンズ群により結像される点像群を撮像する撮像手段と、
    前記点像群の各像において、輝度のピーク位置をそれぞれ検出し、各ピーク値を前記各レンズの中心位置として検出するレンズ位置検出手段と、を具備したことを特徴とするレンズ位置検出装置。
  3. 前記レンズ位置検出手段は、前記点像群の輝度画像を入力し、閾値処理により輝度検出時のノイズを除去するノイズ除去手段と、極大値を示す座標を検出する極大値検出手段と、この極大値検出手段により検出された座標における輝度値が所定以上の値の座標を選定する選定手段と、この選定手段により選定された各座標と位置特定の基準となる座標との対応付けを行い、各レンズの位置を特定する対応付け手段と、を具備したことを特徴とする請求項2に記載のレンズ位置検出装置。
  4. 複数のレンズが配置されたレンズ群の各レンズの位置検出を行うためのレンズ位置検出装置であって、
    光学系より前記レンズ群に向けて位置の特定をするための参照画像を形成する平行光線群を出射する参照画像生成手段と、
    前記レンズ群による前記参照画像の光学像群を撮像する撮像手段と、
    前記光学像群の各像と、位置特定の基準となるテンプレート画像との類似度の高さで前記各レンズの位置を特定するレンズ位置特定手段と、を具備したことを特徴とするレンズ位置検出装置。
  5. 前記レンズ位置特定手段は、前記参照画像の輝度画像を入力し、前記輝度画像に対して位置特定の基準となるテンプレート画像を移動しながら重ね合わせ、類似度を算出する類似度算出手段と、この類似度算出手段により算出された類似度のうち、最も高い類似度を示したテンプレート画像の位置をレンズの位置として特定する位置特定手段と、を具備したことを特徴とする請求項4に記載のレンズ位置検出装置。
  6. 前記参照画像生成手段は、前記レンズ群の全体にわたって平行光を供給する拡散板を備えることを特徴とする請求項4に記載のレンズ位置検出装置。
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