JP4093780B2 - ステイオンタブ式缶蓋用開口補助部材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ステイオンタブ式缶蓋のタブに取り付けて該タブによる開口操作を補助するステイオンタブ式缶蓋用開口補助部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のステイオンタブ式缶蓋は、缶蓋のパネルにリベットを介して取り付けられたタブを揺動させることによって、缶蓋パネルに刻設された不連続環状のスコアにより形成された破断開口部を開口する。即ち、該タブは、その先端部が破断開口部に臨み、開口操作時には、タブの後端縁に指先を掛けて引き上げることで、タブの先端部が破断開口部を押圧するようになっている。
【0003】
しかし、この種のタブは缶蓋のパネル上面にリベットによって密着固定されているため強く引き起こさなければ開口できないだけでなく、該タブは厚み寸法が比較的薄く、タブの後端縁に指先を掛けることが困難であるため指の爪のみで引き起こさなければならず、指先に苦痛を伴う不都合がある。また、近年では、材料コストの削減により缶蓋の外径を小とすることが行なわれており、それに伴って、タブが比較的小さく形成されるため、タブの後端縁に指先を掛けることが一層困難となっている。このため、この種のステイオンタブ式缶蓋における開口作業では、指先にかかる負担が大きく、円滑な開口操作が行なえない不都合がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
かかる不都合を解消して、本発明は、ステイオンタブ式缶蓋の開口時のタブ操作にかかる指先の負担を軽減し、円滑に開口操作を行なうことができるステイオンタブ式缶蓋用開口補助部材を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、本発明は、ステイオンタブ式缶蓋に備えられたタブに取り付けて、該タブによる缶蓋の開口操作を補助するステイオンタブ式缶蓋用開口補助部材であって、前記タブの後端部に形成された指掛けリング部上に重合する所定の厚み寸法を有する板状部と、該板状部に一体に設けられ、前記タブの指掛けリング部に係止する係止部と、前記板状部の後端縁に沿って指掛け可能な長さに延設され、該板状部をタブの指掛けリング部上に重合したとき前記缶蓋のパネル外周に起立する巻締ウォールとの間に指掛け可能な隙間を存してタブの指掛けリング部の後端縁よりも後方に突出する突出部とを備えることを特徴とする。
【0006】
本発明の開口補助部材は、ステイオンタブ式缶蓋を開口操作するときにタブの揺動を補助して缶蓋の開口を容易に行なえるようにしたものである。即ち、前記開口補助部材は、前記タブの指掛けリング部上に前記板状部を重合させ、該タブの指掛けリング部に前記係止部を係止させることによって、タブに取り付けられる。
【0007】
タブに取り付けられた開口補助部材は、前記板状部が指掛けリング部上に重合されることにより、該板状部の後端縁に沿って延設された前記突出部が指掛けリング部の後端縁よりも後方に突出し、更に、前記板状部が所定の厚み寸法を有していることにより、タブの後端縁よりも高い位置(缶蓋のパネル上面からタブの厚み分を介した位置)に前記突出部が位置される。これによって、タブの後端縁に指先を掛けるときには、指の爪よりも高い位置で前記突出部が指先に当接されるので、指の爪のみでの引き起こし操作が回避され、指先の苦痛もなく円滑に指を掛けることができる。しかも、突出部と巻締ウォールとの間に指掛け可能な隙間が形成されているので、指掛け操作が巻締ウォールによって阻害されることが防止される。
【0008】
そして、前記板状部は前記係止部によって指掛けリング部に係止されているので、前記突出部に指を掛けた状態でタブの後端部側を引き起こすことができ、比較的小さな力を付与するだけで、缶蓋を開口することができる。
【0009】
また、本発明において、前記突出部の突出方向先端面には、指掛け時に滑り止めとなる凹凸が形成されていることを特徴とする。これによれば、前記突出部が指先に当接されたとき、指先と突出部との当接状態を滑り無く維持することができ、円滑に缶蓋の開口操作を行なうことができる。
【0010】
また、本発明の前記係止部の好ましい態様は、前記タブの指掛けリング部の内周縁における少なくともタブ先端側に係止する第1爪片と、該指掛けリング部の外周の後端縁に係止する第2爪片とを備え、該第1爪片及び第2爪片を該指掛けリング部にその上方から嵌め込んで前記板状部を指掛けリング部上に固定する。
【0011】
これにより、開口補助部材をタブに取り付ける際には、第1爪片及び第2爪片を指掛けリング部の上方から嵌め込んで容易に取り付けることができる。また、タブに取り付けた開口補助部材の前記突出部に指先を掛けて缶蓋の開口操作を行なうときには、指先による前記突出部への圧接方向が、指掛けリング部の内周縁への第1爪片の係止方向及び指掛けリング部の後端縁への第2爪片の係止方向と略同じ方向となるので、タブからの開口補助部材の離脱を防止することができる。
【0012】
また、本発明においては、前記板状部が指掛けリング部上に重合されたとき、該板状部は、前記巻締ウォールの上縁よりも低い位置のパネル上にタブと共に収納されることが好ましい。これによって、開口補助部材がタブに取り付けられているときに、巻締ウォールの上方への板状部の突出が防止されるので、外部への接触による不用意な缶蓋の開口や開口補助部材の外れを防止することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本実施形態のステイオンタブ式缶蓋用開口補助部材を示す説明的平面図、図2は図1のII−II線断面説明図、図3は缶蓋の開口操作を示す説明図である。
【0014】
本実施形態の開口補助部材1は、ポリプロピレン等の合成樹脂によって形成されており、図1及び図2に示すように、ステイオンタブ式缶蓋2のパネル3上に設けられているタブ4に取り付けられる。
【0015】
タブ4は、図1に示すように、リベット5を介してパネル3上に揺動自在に連結され、その先端が缶蓋2のパネル3に刻設された開口スコア6による破断開口部7に臨み、後端部には指掛けリング部8が形成されている。また、缶蓋2には、図2に示すように、パネル3の周縁に沿って起立するシーミングウォール9が形成されている。
【0016】
開口補助部材1は、図1及び図2に示すように、タブ4の指掛けリング部8に水平に重合される板状部10と、該板状部10の下面後端部に一体に形成され、指掛けリング部8に係止する係止部11とを備えている。
【0017】
前記板状部10は、図1に示すように、平面視においてタブ4の指掛けリング部8の外周形状と略同一形状に形成されており、図2に示すように、所定の厚み寸法(本実施形態においては約1mm)を有している。更に、板状部10には、その後端縁に沿って指掛けリング部8の後端縁より後方に突出する突出部12が一体に形成されている。また、該突出部12とシーミングウォール9との間には指掛け可能な隙間が形成されている。また、図2に示すように、突出部12の突出方向の先端面には、断面視鋸刃状の凹凸13が形成されている。
【0018】
該板状部10は、前記係止部11をタブ4の指掛けリング部8に係止することによってタブ4上に固定される。該係止部11は、指掛けリング部8の内周に前後方向に対向して係止する一対の第1爪片14と、指掛けリング部8の後端縁に係止する第2爪片15とによって構成されている。そして、タブ4上に固定された板状部10は、シーミングウォール9よりも低い位置に収納され、外部との接触が防止されている。
【0019】
以上のように構成された開口補助部材1を缶蓋2のタブ4に取り付けたとき、次に示すようにして、缶蓋2の開口操作を行なうことができる。
【0020】
先ず、図3(a)に示すように、タブ4の後端とシーミングウォール9との間に指先を入れる。前記開口補助部材1は所定の厚み寸法を有しているため、突出部12がタブ4よりも高い位置(パネル3から離間した位置)にあり、指先を該突出部12に容易に当接することができる。更に、該突出部12がタブ4の指掛けリング部8の後端縁よりも後方であって上方に突出することによって、指先が該突出部12の下側に比較的深く入り、指先の当接面積を十分に確保することができる。
【0021】
そして、図3(b)に示すように、指先を該突出部12に当接した状態で引き上げると、開口補助部材1と共にタブ4の指掛けリング部8が引き上げられ、タブ4が容易に揺動される。これにより、缶蓋2の破断開口部7がタブ4の先端に押圧されて、缶蓋2が開口される。このとき、前記板状部10に突出部12が形成されていることによって、板状部10への指掛かりが良好であり、従来のように指の爪をタブ4の指掛けリング部8の後端縁に引っ掛けることなく、タブ4の引き上げ操作を行なうことができ、指先の苦痛を回避することができる。更に、突出部12に凹凸13が形成されていることにより、指先が滑ることもなく確実に引き上げ力をタブ4に伝達することができる。
【0022】
また、板状部10は、図2に示すように、前記係止部11の第1爪片14及び第2爪片15によりタブ4の指掛けリング部8に係止されているので、タブ4の引き上げ操作時に指先による前記突出部12への圧接方向が、指掛けリング部8の先端側内周縁に係止された第1爪片14の係止方向及び指掛けリング部8の後端縁に係止された第2爪片15の係止方向と略同じ方向となり、開口補助部材がタブから離脱することなく開口操作を行なうことができる。
【0023】
このように、本実施形態の開口補助部材1を缶蓋2のタブ4に取り付けることにより、タブ操作にかかる指先の負担を軽減し、円滑な開口操作を行なうことができる。
【0024】
なお、本実施形態においては、図2に示すように、前記突出部12の先端面に凹凸13を備えるものを示したが、前記突出部12の突出量が比較的大である場合には、凹凸13を形成しなくても十分に前記と同様の効果を得ることができる。
【0025】
また、本実施形態の係止部11を、少なくとも開口操作時に解除不能な強度で指掛けリング部8に脱離自在に係止させることにより、例えば、ゴミ処理等に際して缶蓋から開口補助部材1を取り外すことができ、材質による分別を容易に行なうことができる。
【0026】
また、本実施形態の開口補助部材1はポリプロピレン等の合成樹脂によって形成されるが、これに限るものではなく、例えばタブ4と同じ金属材料によって形成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のステイオンタブ式缶蓋用開口補助部材を示す説明的平面図。
【図2】図1のII−II線断面説明図。
【図3】缶蓋の開口操作を示す説明図。
【符号の説明】
1…開口補助部材、2…缶蓋、3…パネル、4…タブ、8…指掛けリング部、9…シーミングウォール(巻締ウォール)、10…板状部、11…係止部、12…突出部、13…凹凸。

Claims (4)

  1. ステイオンタブ式缶蓋に備えられたタブに取り付けて、該タブによる缶蓋の開口操作を補助するステイオンタブ式缶蓋用開口補助部材であって、
    前記タブの後端部に形成された指掛けリング部上に重合する所定の厚み寸法を有する板状部と、
    該板状部に一体に設けられ、前記タブの指掛けリング部に係止する係止部と、前記板状部の後端縁に沿って指掛け可能な長さに延設され、該板状部をタブの指掛けリング部上に重合したとき前記缶蓋のパネル外周に起立する巻締ウォールとの間に指掛け可能な隙間を存してタブの指掛けリング部の後端縁よりも後方に突出する突出部とを備えることを特徴とするステイオンタブ式缶蓋用開口補助部材。
  2. 前記突出部の突出方向先端面には、指掛け時に滑り止めとなる凹凸が形成されていることを特徴とする請求項1記載のステイオンタブ式缶蓋用開口補助部材。
  3. 前記係止部は、前記タブの指掛けリング部の内周縁における少なくともタブ先端側に係止する第1爪片と、該指掛けリング部の外周の後端縁に係止する第2爪片とを備え、
    該第1爪片及び第2爪片を該指掛けリング部にその上方から嵌め込んで前記板状部を指掛けリング部上に固定することを特徴とする請求項1又は2記載のステイオンタブ式缶蓋用開口補助部材。
  4. 前記板状部が指掛けリング部上に重合されたとき、該板状部は、前記巻締ウォールの上縁よりも低い位置のパネル上にタブと共に収納されることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載のステイオンタブ式缶蓋用開口補助部材。
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