JP4093281B2 - フォトニック結晶結合欠陥導波路 - Google Patents

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Description

本発明は、フォトニック結晶結合欠陥導波路及びフォトニック結晶デバイスに係り、特に、二次元もしくは三次元フォトニック結晶中で複数の欠陥中を伝搬する電磁波の結合を空間的に小さな範囲で実現して結合長を短くするためのフォトニック結晶結合欠陥導波路、及び、それを用いた、方向性結合器(分岐器、結合器)、多重化合波器、多重分離器、共振器、変調器、フィルタ、スイッチ等の光・電磁波伝送のためのフォトニック結晶デバイスに関する。
背景技術について、以下に文献を挙げて説明する。
下記非特許文献1には、国内外のフォトニック結晶研究の動向をまとめたもので、様々な研究機関(企業,大学,国研等)の成果を、理論的背景に始まって設計技術,具体的な製造法と材料からデバイス等の応用に至るまで比較的詳細に紹介されている。
また、従来、複数の導波路のモード結合を用いたスイッチ、共振器、フィルタについて設計・製作がなされたものを以下に例示する。
下記非特許文献2は、フォトニック結晶構造を利用した代表的な分岐型干渉計構成(マッハツェンダー型)光スイッチ・デバイスについて述べている。これは他の文献に試作例も多いが、このデバイスの動作原理は本発明が利用している方向性結合器型ではない。
下記非特許文献3には、六方格子フォトニック結晶中に構成された二つの線欠陥導波路間のモード結合を用いた方向性結合器型であり、外部電界印加によって動作する光スイッチについてのシミュレーションが記載されている。しかし、フォトニック結晶以外の構造を用いた従来の光スイッチとの比較のみであり、フォトニック結晶構造を利用した光スイッチの結合長短小化についての具体的な改善案や設計指針等は見られない。また、量子ドットやイオンドープによる非線形性の利用には言及しておらず、他の文献にも試作例は見当たらない。
下記非特許文献4は、方向性結合器型動作原理に基づく光共振器が実現可能であることを示しているが、その構造にはフォトニック結晶を利用していない。非特許文献5は、六方格子フォトニック結晶中に構成された二つの線欠陥導波路間のモード結合を用いた方向性結合器型フィルタや多重分離器についてのシミュレーションが記載されている。しかし、結合長短小化のための対策には触れられていない。
さらに、下記特許文献1〜4には、フォトニック結晶を用いた光デバイスが記載されている。例えば、特許文献1には、非特許文献2で述べたようなフォトニック結晶構造を有する分岐型干渉計構成の光スイッチ・デバイスが記載されている。 また、特許文献2には、簡明な構造により、電気信号の波形に忠実な光信号を出力することができる光変調器デバイスが記載されている。特許文献3には、3つのフォトニック結晶はそれぞれ平行光線束、分岐、屈曲を得るように結晶方位を選んで配置され、自己導波的に平行度の高い平行光線束を得る光回路が記載されている。特許文献4には、非特許文献3で述べたようなフォトニック結晶光導波路と方向性結合器デバイスが記載されている。
また、フォトニック結晶中に二次元又は三次元の欠陥構造を作成する方法について、下記特許文献5には、半導体だけでなく、加工の比較的容易なポリマーを材料にしたフォトニック結晶が記載されている。また、下記特許文献6には、セラミックで作成したフォトニック結晶が記載されており、下記特許文献7には、孔の中に増幅効果などを持たせた別の機能性材料を詰める方法が記載されている。さらに、3次元のフォトニック結晶の作成方法として、自己クローニング法、パイル積み上げ(角材積層)法等の各種作成方法が知られている。この点、例えば下記特許文献8、9等を参照。
特開2002−303836号公報 特開2002−196296号公報 特開2002−169048号公報 特開2001−281480号公報 特開2003−43273号公報 特開2001−72414号公報 特開2002−277659号公報 特開2001−249235号公報 特表2001−518707号公報 「フォトニック結晶研究の現状と将来展望 ―改訂版― ―テクノロジーロードマップを目指して―」、(財)光産業技術振興協会(フォトニック結晶ブレークスルー技術フォーラム)、2002(平成14)年3月、14−013−1. Kazuhito Tajima, "All−optical switch with switch−off time unrestricted by carrier lifetime", Japanese Journal of Applied Physics, Vol.32, Part2, No.12, 1993, pp.L1746−1749. 山田博仁、「フォトニック結晶方向性結合器型光スイッチの理論解析」、2002年電子情報通信学会エレクトロニクスソサイエティ大会、C−4−7. 岸岡清、「非線形方向性結合器で構成された光共振器の特性」、電気学会論文誌A、123巻12号、2003年、p.1166−1173. J. Zimmermann, M. Kamp, A. Forchel, R. Marz, "Photonic crystal waveguide directional couplers as wavelength selective optical filters", Optics communications 230, 2004, pp.387−392.
しかしながら、従来の光誘電体導波路では、導波路とその近傍構造に大きな変化を加えられないため、モード結合する例えば二つで一組の導波路の間の距離が決まれば、一方の導波路から他方の導波路への電磁界のエネルギーが移行するのに要する空間的な距離である結合長も同時に決まり、伝搬途中でその結合長をより短く変更出来ない。従って、その導波路間の距離によって結合の度合いを調整する以外に無いが、誘電体導波路で急激な曲がりを行うと伝搬電磁波が外部に漏洩してしまうため、一組の導波路の間を次第に近付ける又は遠ざける為には、伝搬方向に長い距離を必要とする。
導波管で構成された方向性結合器でも、その構造に柔軟な変更を加える事は困難なため、伝搬途中での結合長の変更は困難である。同軸ケーブルでは、そもそも方向性結合器を構成する事自体が困難である。その結果として、光スイッチその他有用な素子(デバイス)に応用し得る方向性結合器を従来の導波路で実現すれば、比較的長い距離が必要となり、出来るだけ小さい事が望まれるデバイス設計及び製作における障害となる。
従来より、群速度異常(バンド構造図におけるプロットの傾き)を生じせしめる性質こそがフォトニック結晶の持つ最も大きな利点であると言われている。しかし、大抵は導波路が一つの場合であり、まして、群速度異常ではなく、複数導波路の場合のモード結合時に干渉する各モードの伝搬定数の差(結合長)に着目してその改善策を講じたものではない。また、スラブ厚自体を異ならせた2次元フォトニック結晶導波路を用いる案も、具体的に言及したものは存在しない。
本発明は、以上の点に鑑み、複数の導波路がモード結合する場合の結合長を、従来の導波路を用いた結合又は単なるフォトニック結晶欠陥導波路を用いたのみの結合に比べて、より短小化することを目的とする。本発明は、特に、フォトニック結晶結合欠陥導波路と上述のフォトニック結晶要素その他に関する変更を利用することにより、結合長をより短小化することを目的とする。
本発明は、フォトニック結晶上における、方向性結合器(分岐器、結合器)とそれに基づく、多重化合波器、多重分離器、共振器、変調器、フィルタ、スイッチ等のフォトニック結晶結合欠陥デバイスを短小化・小型化することを目的とする。また、本発明は、複数の欠陥構造を一つのフォトニック結晶構造中に形成することにより、フォトニック結晶結合欠陥デバイスを、それらを部品として必要とする上位のデバイス構造中にモノリシックに実現可能とすることを目的とする。
フォトニック結晶結合導波路及びフォトニック結晶デバイスの結合長短小化のために、フォトニック結晶構造を改変する。
フォトニック結晶欠陥導波路を用いた結合器又は分岐器では、線欠陥の急激曲がりが可能であるので、誘電体導波路における上述の様な課題の解決が期待されている。また、フォトニック結晶欠陥導波路は、周期構造要素が一様に分布する範囲内に存在し、その要素の一定の分布間隔(格子定数)、大きさ,形状をそれぞれ独立に又は同じ割合で全体的又は局所的に変化させることで、欠陥導波路内を伝搬する電磁波の性質を変化させることが比較的容易に行える。従って、結合する一組の導波路を出来る限り近づけた後も、導波路の伝搬方向に沿ってその様なフォトニック結晶要素に対する変化を実現すれば、更に結合長を短くする事が可能である。同様な効果が、導波路の伝搬方向に沿って、フォトニック結晶の材質を変更、又は、フォトニック結晶要素の位置を局所的に変更、又は、2次元フォトニック結晶スラブの場合ならスラブの厚さを変更する事でも得られる。
本発明の解決手段によると、
周期構造を構成するフォトニック結晶要素を含み、特定の波長又は周波数範囲の光又は電波を含む電磁界の伝搬を抑制するためのフォトニック結晶と、
前記フォトニック結晶の周期構造を構成するフォトニック結晶要素を局所的に除去した部分である欠陥を、前記フォトニック結晶中に線として複数連結して導波路を形成した線欠陥と、電磁界を入力及び/又は出力するための入力端又は出力端とをそれぞれ有し、モード結合して、ひとつの導波路に入力された電磁界により他の導波路に電磁界が伝搬される、少なくとも2本の導波路で構成された結合導波路と
を含み、
(1)前記フォトニック結晶の誘電率、屈折率、導電率及び透磁率のいずれか若しくは複数を含む媒質定数を実質的に変化させること、(2)フォトニック結晶要素の大きさ若しくは形状を実質的に変化させること、(3)フォトニック結晶要素の周期的間隔を示す格子定数を変化させることのいずれか又は複数により、
(a)前記結合導波路の偶モードと奇モードのバンド構造を規格化周波数に対しシフトさせ、又は、(b)前記結合導波路の偶モードと奇モードのバンド構造をそれぞれ異なった度合いで変化させ、
これによりある規格化周波数における偶モードと奇モードとの伝搬定数の差を大きくして、前記結合導波路中を伝搬するモード結合した伝搬電磁波の結合長を短くし、さらに、
前記結合導波路の一部又は全部を含む前記フォトニック結晶の一部は、他の部分に対してフォトニック結晶要素の形状は変化させず、かつ、格子定数及びフォトニック結晶要素の大きさを他の部分に比べて相似的に同じ割合で変化させた前記フォトニック結晶結合欠陥導波路が提供される。
本発明は、複数の導波路がモード結合する場合の結合長を、従来の導波路を用いた結合又は単なるフォトニック結晶欠陥導波路を用いたのみの結合に比べて、より短小化することができる。本発明は、特に、フォトニック結晶結合欠陥導波路と上述のフォトニック結晶要素その他に関する変更を利用することにより、結合長をより短小化できる。
また、本発明は、フォトニック結晶上における、方向性結合器(分岐器、結合器)とそれに基づく、多重化合波器、多重分離器、共振器、変調器、フィルタ、スイッチ等のフォトニック結晶結合欠陥デバイスを短小化・小型化することができる。また、本発明は、複数の欠陥構造を一つのフォトニック結晶構造中に形成することにより、フォトニック結晶結合欠陥デバイスを、それらを部品として必要とする上位のデバイス構造中にモノリシックに実現可能とすることができる。
フォトニック結晶結合欠陥導波路の模式図とそのバンド構造図を示す。 結合長の変化の様子を表す模式図を示す。 結合長短縮化のために領域的に媒質を改変されたフォトニック結晶結合欠陥導波路を示す模式図である。 結合長短縮化のために領域的に格子定数、フォトニック結晶要素の大きさ、形状を改変されたフォトニック結晶結合欠陥導波路を示す模式図である。 結合長短縮化のために領域的にスラブ厚さを改変された2次元フォトニック結晶スラブ上フォトニック結晶結合欠陥導波路を示す模式図である。 結合導波路を伝搬する各モードの性質を異なる割合で変化させるために、結合導波路近傍のフォトニック結晶構造に、領域的に改変を施されたフォトニック結晶結合欠陥導波路を示す模式図である。 結合導波路近傍のフォトニック結晶構造に、領域的に改変を施されたフォトニック結晶結合欠陥導波路の他の例を示す模式図である。 結合長短縮化のためにフォトニック結晶構造が互いに異なる様に改変された領域同士の境界で、結合導波路の幅が同じくなる様に更に改変を加える様子を示した模式図である。 点欠陥及び線欠陥の説明図を示す。 点欠陥と線欠陥のほかの説明図を示す。 二次元フォトニック結晶結合欠陥導波路の模式図を示す。 三次元フォトニック結晶結合欠陥導波路の模式図を示す。 2次元フォトニック結晶上に構成された結合欠陥導波路を示す模式図である。 フォトニック結晶上に構成された結合欠陥導波路を用いた方向性結合器を示す模式図である。 フォトニック結晶結合欠陥導波路による方向性結合器を用いたスイッチ・デバイスの動作原理及び結合長の短小化によりスイッチ・デバイスを小さくした様子を示した模式図である。 主として遅延線効果を得るために用いられる、不連続な欠陥列の例を示す模式図を示す。 2次元フォトニック結晶スラブ上に構成された結合導波路に入出力ポートの一例である高屈折率差導波路を設けた例を示す図である。 空気クラッド六方格子2次元フォトニック結晶スラブ構造中に形成した、二つの単一線欠陥導波路で構成されるフォトニック結晶結合欠陥導波路の構造例である。 結合導波路を伝搬する各モードの導波路方向に垂直な方向での電磁界分布の模式図である。 媒質の実質的な屈折率変化に伴うバンド構造の周波数方向へのシフトの説明図である。 導波路近傍のフォトニック結晶構造改変に伴うバンド構造の変化の説明図である。 フォトニック結晶構造を改変する領域の例(1)を示す図。 フォトニック結晶構造を改変する領域の例(2)を示す図。
1.フォトニック結晶に関する用語説明
「フォトニック結晶」とは、ある媒質中に、その媒質とは誘電率や導電率の異なる媒質を周期的に並べた人工材料のことであり、フォトニックバンドギャップと呼ばれる特定の周波数範囲において電磁界の伝搬を抑制するという性質を持つ。例えば、半導体の板(スラブ)に、周期構造の「要素」(フォトニック結晶要素)として例えば決まった大きさの空気孔を、決まった間隔でその板全体に設けるなら、それはその板の面方向についてフォトニックバンドギャップを実現するフォトニック結晶となる(「2次元フォトニック結晶スラブ」)。フォトニック結晶は、その中に電磁波を浸透させないように設計された周期的構造物とみなせる。その周期的な間隔は「格子定数」と呼ばれる。上述の周期構造の方向が一つの方向のみに実現されているなら「1次元フォトニック結晶」、面方向のみなら「2次元フォトニック結晶」である。立体的な周期構造ならならば「3次元フォトニック結晶」と呼ばれる。この内一次元フォトニック結晶は、多層膜とも呼ばれる。また、一般に誘電率の平方根は屈折率を表す。
フォトニック結晶を実現する形態には、周期構造要素の形状、または、配置の仕方により様々なものが存在し得る。配置については、2次元フォトニック結晶では、例えば、2次元六方格子結晶、2次元三角格子結晶、又は、二次元正方格子結晶がよく用いられる。3次元フォトニック結晶では、例えば、三次元面心立方格子結晶、三次元体心立方格子結晶、又は、角材積層構造がよく用いられる。また、これらフォトニック結晶を製作するための材料としては、例えば、金属導体,半導体,合成樹脂,ポリマー、ガラスがよく用いられるが、これには限定されない。
フォトニック結晶中の周期構造を一部除去する(「欠陥」)ことにより、フォトニック結晶中のフォトニックバンドギャップの範囲内の周波数で振動する電磁界はその欠陥部分に局在し、その周囲のフォトニック結晶には伝搬できなくなる。
更に、欠陥を連続して形成すると、その欠陥の範囲に沿ってのみ電磁波が伝搬し、その周囲には電磁界が漏れなくなり、「欠陥導波路」として機能する。フォトニック結晶の欠陥導波路は、「導波管」、「同軸ケーブル」、「高屈折率差導波路」や「光ファイバ」等の導波路と同じく、電磁波の伝搬方向を制御するためのデバイスといえる。これらの導波路は、その内部にのみ電磁界を局在させ、その外部に電磁波を漏らさない、もしくは、ほとんど漏らさない。ここで「高屈折率差導波路」とは、ある媒質中に、その媒質とは屈折率が比較的大きく異なる媒質による領域を設け、そこに電磁波を閉じ込めることで導波路として機能させるもので、光に対しては、シリコン細線導波路が実現されている。
格子定数の、欠陥導波路を伝搬する電磁波の真空中の波長に対する比を、「規格化周波数」と呼ぶ。規格化周波数Nfは、次式で表すことができる。
Nf= a/λ (1)
ここで、a:格子定数[m],λ:入力信号の自由空間中の波長[m]
「点欠陥」とは、フォトニック結晶において、そのフォトニック結晶を構成する周期構造の要素が、他の欠陥と連続せずに一つだけ欠けている場合、その欠けている部分を指す語句である。また、「線欠陥」とは、複数の点欠陥が連続もしくは断続する部分を指す語句である。一般には、フォトニック結晶中の欠陥導波路は、この線欠陥によって実現される(「線欠陥導波路」)。なお、これらの用語はフォトニック結晶の分野では一般に用いられる。
図9に、点欠陥及び線欠陥の説明図を示す。この例は、Siスラブ(□)等のフォトニック結晶6に空気円孔(○、周期構造を実現する要素)が周期的(二次元正方格子)に設けられている場合を示す。図9(A)は、欠陥の無い周期構造を示し、図9(B)は、右下に「点欠陥」を一つ有するものを示す。また、図9(C)、(D)は、線欠陥の例を示す。
図10は、点欠陥と線欠陥のほかの説明図を示す。図10(A)は、曲がりを含む線欠陥と点欠陥を示し、図10(B)は、連続する二つの点欠陥、又は、要素二つ分の長さの短い線欠陥を示す。
「電磁波」とは、現象としては電磁界の空間的、時間的な振動(特に周期的な振動を指す事が多い)である。一般に電磁波といえば、その伝搬と共にエネルギーを空間的に移動させる。ある場所において電磁界(電界と磁界)の値の変化が生じると、その変化が、時間と共に必然的にその周辺の電磁界に伝わっていく。
これが電磁波(いわゆる電波)の伝搬であり、最初の電磁界の変化が周期的なもの(例えば一秒間に50回の正弦振動)であるなら、その際その周辺に生じるのはその周波数(例えば、50Hz)の電磁波である。尚、光は電磁波の一種である。ちなみに、電波法では”「電波」とは300万メガヘルツ以下の周波数の電磁波をいう”ので、3000000MHz(3THz)を超える周波数の電磁波が光(赤外線等)や放射線(X線等)ということになる。電磁波は、伝送線路又は伝搬路に依存して様々な伝搬モードを持つ。これは、電磁界の特定の形状によって特徴付けられる導波の伝搬の形態である。
ある伝搬路から他の伝搬路内の特定のモードへの電力移動を「結合」と呼ぶ。また、「結合長」とは、一方の導波路から他方の導波路への電磁界のエネルギーが移行するのに要する空間的な距離である。なお、一方から他方の導波路へ100%エネルギーが乗り移るのに要する距離を表すこともある。また、ある周波数で振動する電磁波の伝搬方向に沿った単位長あたりの位相の変化は「位相定数」又は「波数」と呼ばれ、伝搬路に損失が無い場合、これらは「伝搬定数」と等しい。
2.フォトニック結晶内の結合欠陥導波路
図11に、二次元周期構造によるフォトニック結晶結合欠陥導波路の模式図を示す。また、図12に、三次元周期構造によるフォトニック結晶結合欠陥導波路の模式図を示す。これらの図は、フォトニック結晶6内にそれぞれ2次元又は3次元の複数の点欠陥1又は線欠陥2又は曲がりを含む線欠陥3を有する結合導波路の模式図である。これは、それらの内に電磁波を局在させるための点欠陥1や、電磁波を導くための導波路としての線欠陥2、3が、様々な組み合わせで近くに配置され、結合している一つのフォトニック結晶結合欠陥導波路として用いられる。ここで、結合する一組の欠陥は3つ以上であっても良い。また、線欠陥の太さは様々であって良い。
図13に、円を要素とする二次元六方格子結晶構造上の二つの単一線欠陥からなるフォトニック結晶結合欠陥導波路の模式図を示す。この例では、単一線欠陥同士は、フォトニック結晶要素一列分を隔てて配置され、結合欠陥導波路が掲載されているが、これに限らず複数列分隔てて配置されてもよい。また、線欠陥は、まがりを含む線欠陥でもよく、階段状になっていてもよい。
本実施の形態におけるフォトニック結晶結合導波路は、フォトニック結晶要素7を有するフォトニック結晶6と、導波路を形成する線欠陥2、及び、入力端又は出力端8を有する結合欠陥導波路4とを含む。また、結合欠陥導波路4は、少なくとも2本の導波路で構成される。
フォトニック結晶6は、周期構造を構成するフォトニック結晶要素7を含み、特定の波長又は周波数範囲の光又は電波を含む電磁界の伝搬を抑制する。線欠陥2は、フォトニック結晶6の周期構造を構成するフォトニック結晶要素7を局所的に除去した部分である欠陥を、フォトニック結晶中に線として複数連結して導波路を形成したものである。入力端又は出力端8は、電磁界を入力及び/又は出力するためのものである。
3.フォトニック結晶内の結合欠陥導波路によるフォトニック結晶デバイス
フォトニック結晶では、複数の連続的又は断続的もしくは単一の欠陥構造を一つの範囲内に作成できることから、例えば、二つの欠陥導波路を適当な距離だけ離して配置し、片方の導波路に光を含む電磁界を入射すれば、それら導波路において結合が生じ、もう片方の導波路にも電磁界が誘起される。
図14に、分岐器、結合器、方向性結合器の一般的な例の構成図を示す。このデバイスは、二次元周期構造によるフォトニック結晶上に構成された二つの線欠陥による結合欠陥導波路を用いる。この現象を利用して、一つ箇所からの電磁界の入力から二つ箇所以上の出力を得ようとするものが分岐器(図14上段)、二つ箇所以上のどれから入力してもある一つ箇所から出力が得られるようにしたものが結合器(図14中段)、それら二つの構造を併せ持つものが方向性結合器(図14下段)である。なお、結合器又は分岐器のみの機能しか持たなくても方向性結合器と呼ぶこともある。その他にも、フォトニック結晶欠陥導波路を用いて、多重化器、多重分離器等の各種フォトニック結晶欠陥デバイスを形成することができる。
図15は、フォトニック結晶結合欠陥導波路による方向性結合器を用いたスイッチ・デバイスの動作原理を示した模式図である。
図15(A)は、フォトニック結晶結合欠陥導波路による方向性結合器を用いたスイッチ・デバイスの動作原理を示した模式図である。また、図15(B)は、本実施の形態に基づいて結合長を短小化することにより、同様のスイッチ・デバイスの大きさを小さくした様子を示す。なお、本実施の形態における結合長の短小化については後述する。
フォトニック結晶の媒質定数を変化させれば、結合長が時間的に変化するので、出力位置も同時に変化する。一般に光伝搬路に用いられる媒質の媒質定数(屈折率)に変化を起こすために利用される物理現象としては、ポッケルス効果(一次電気光学効果)やカー効果(二次電気光学効果)が有名である。また、外部からの直流電気又は電磁波・光信号による媒質定数制御の具体的な実施の形態について以下に述べる。
先ず、外部電界又は磁界を印加する方法が挙げられる。フォトニック結晶に付加された電極による電圧印加や、電流注入がこれに相当する。結合導波路を構成する媒質が例えばGaAs等の場合に有効である。
次に、一つの例として、欠陥の周辺及び内部の一部もしくは全部に、量子ドットの埋め込みやある種のイオンのドープ等により非線形媒質領域を実現する。これは、外部からの制御信号等により非線形媒質の実効的な誘電率、導電率(その領域中で増幅効果が見られる場合、実効的な導電率が負であるのと等価である。)を可変とする領域を介在させることで、光・電磁波の伝搬や結合の程度を制御する。つまり、先刻までフォトニック結晶要素(例:空気と同じ誘電率を持つ媒質)だった部分が、外部制御によって、いきなり欠陥(例:半導体と同じ誘電率を持つ媒質)に変化するなら、先刻まで光・電磁波にとって入り込めない壁だった部分にいきなり通路が開かれることになり、電磁波の伝搬方向を所定のように制御することができる(例えば、特開2001−91912号公報参照)。
外部からの制御信号を所望の非線形領域に到達させる方法については、例えば、次のようなものが考えられる。
(1)同じフォトニック結晶中に、既に作成された処理対象光・電磁波が伝搬する欠陥導波路とは別に、制御信号としての光・電磁波が伝搬し当該媒質に至るための欠陥導波路を設ける方法
(2)既にフォトニック結晶中に作成された処理対象光・電磁波が伝搬する欠陥導波路中をその光・電磁波とは異なる周波数の光・電磁波信号として伝搬させて、当該媒質に到達させる方法
(3)制御信号用欠陥導波路を別の二次元フォトニック結晶で実現したものを、処理対象電磁波が伝搬する導波路が設けられている二次元フォトニック結晶に、ある媒質を挟んで積層し、当該媒質の位置でのみ挟まれている媒質を除く等して両者を電磁気学的に結合し得るようにする方法(特開2001−242329号公報参照)
尚、同じ非線型媒質でも、イオンのドープについては、エルビウム・イオン・ドープ等の光ファイバ増幅器と同様に、フォトニック結晶の欠陥部分及び/又は要素部分にエルビウム・イオン等の所望のイオンをドープするようにしてもよい。
4.結合長を短小化するためのフォトニック結晶結合導波路
一般に、モード結合している複数の導波路を伝搬する電磁波の結合長は、モード結合を構成する各モードの導波路方向に沿った伝搬定数(又は波数)の大きさに依存する。二つの導波路で構成される結合導波路を考えた場合、その内を伝搬する電磁波の偶モードと奇モードが干渉する方向性結合器とみなされ、その時の結合長は偶モードと奇モードの伝搬定数の差に反比例する(例えば、文献「岡本勝就:光導波路の基礎,コロナ社」の第四章(モード結合理論)を参照)。
この様な場合、導波路中の電界又は磁界は、偶モードと奇モードの和として表される。電界E(z)を例にとれば、
E(z)=Ee・exp(−jβe・z)+Eo・exp(−jβo・z) (2)
ここで、βe、βo:偶(even)、奇(odd)モードの伝搬定数、z:伝搬方向の距離、Ee、Eo:偶モード、奇モードの電界振幅である。
図19は、結合導波路を伝搬する各モードの導波路方向に垂直な方向での電磁界分布の模式図である。導波路Iの左端(入力端)から入力された電磁界は、導波路IIの右端(出力端)にて偶モードと奇モードの和が出力される。この図では、導波路Iの右端及び導波路IIの左端は、偶モードと奇モードの電界又は磁界の和が相殺されており、電磁界は出力されない。
また、この時、結合長Lcは、次式で表される。
Lc=π/(βe−βo) (3)
上式の通り、結合長は、モード結合を構成する各モード(偶,奇)の導波路方向に沿った伝搬定数(又は波数)の関数であり(依存しており)、具体的には、偶モードと奇モードの伝搬定数の差に反比例している。
なお、結合長Lcの式(3)は、導波路間の距離にも関係する。一般には、導波路間の距離が大きい程、結合長は長い距離を要する。従って、両導波路は出来るだけ近付けた方が良いことになる。導波路間の距離が変われば結合導波路の構造も変わったという事になり、その結合導波路を構成する二つの導波路を跨いで伝搬する、偶又は奇モードの伝搬定数もそれぞれ変化する。従って、式(3)が示すようにそれらの関数である結合長も変化する。
なお、結合長Lcは、二つの導波路の結合の度合いを示すモード結合定数の関数として、以下のように表すこともできる。
Lc=π/2√(χ+δ) (4)
ここで、χはモード結合定数,δは結合導波路を構成する二つの導波路がそれぞれ単独で存在した場合に、各々の導波路を伝搬するモードの伝搬定数の差を取ったものである。これは上述のような、モード結合現象を、結合導波路を伝搬する偶・奇モードの干渉として解釈するものとは異なる考え方に依るものである。また、ここでのモードは、上述の偶,奇モードの事ではなく、結合導波路を構成する二つの導波路がそれぞれ単独で存在した場合の各々の導波路における伝搬モードを指す。モード結合定数(結合の度合い)は、導波路間の距離が大きい程小さいと考えるのが妥当であるため、上式(4)より、導波路間の距離が大きいほど結合長が長くなるといえる。結合導波路を構成する導波路が、二本ではなく三本以上の場合も、基本的には、二本毎に上記と同様であり、それら導波路が互いに遠くに配置されるより、近くに配置された方が、二本毎の結合長は短くなる傾向を示す。
従って、この様な各モードの伝搬定数の差が大きくなるような変化を結合導波路の構造に局所的又は全体的に加えてやれば、結合長を短く出来、結果として、その様な方向性結合器を利用する各種のデバイスの大きさも小さく出来る。
なお、結合導波路を構成する導波路が二本だけではなく、三本以上の場合は、偶,奇モードの二つだけではなく、より高次のモードも生じる可能性が高くなるが、その場合のモード結合現象も、それらのモードの干渉とみなせ、それらのモードの伝搬定数の差から結合長を考慮できるので、基本的には、上記と同様である。
図1は、フォトニック結晶結合欠陥導波路の模式図とそのバンド構造図である。図1には、例として、2次元フォトニック結晶スラブ上に構成された二つの同じフォトニック結晶単一線欠陥導波路で構成されるフォトニック結晶結合欠陥導波路(図1上段)について、バンド構造図即ち伝搬定数(波数)と規格化周波数の関係を示す。図1上段に示すフォトニック結晶結合欠陥導波路は、結合する二つの欠陥導波路の間に、フォトニック結晶要素が二列並んだ例である。方向性結合器としての結合欠陥導波路の図は正確なものではなく模式図である。なお、フォトニック結晶構造の設計パラメータは、一例として、文献「A.Chutinan,et al.:Appl.Phys.Letters,Vol.80,2002,pp.1698−1700」等に従う。
グラフ中央のライト・ラインより左側では、スラブの上下より電磁界が漏洩する。また、フォトニックバンドギャップ中に存在し、導波モードとして有効に機能すると思われるモードのみ太線で示してあるが、図中白丸を結んだ線が上述の偶モードに相当し、図中黒丸を結んだ線が奇モードに相当する。なお、この様なバンド構造図中の各モードに関するプロットの傾き(微係数)は、そのモードの群速度(エネルギー伝搬速度)を表す。傾きが横軸に平行に近くなる程光の伝搬速度は遅くなり、プロットが完全に寝てしまえば、光の伝搬はそこで停止する。
ある規格化周波数における偶モードと奇モードの伝搬定数の差が結合長に影響する。図1より、モードの導波路方向の伝搬定数の大きさの差は、規格化周波数を小さくする程大きくなることが分かる。また、伝搬定数の差が大きくなれば、式(3)が示すように結合長は小さくなる。例えば、規格化周波数が約0.274のときの両モードの伝搬定数の差が図示されているが、規格化周波数が約0.268に近付くほど両モードの伝搬定数の差は大きくなり、結合長は小さくなる(太矢印参照)。
規格化周波数を小さくするには、例えば、以下の方法などが考えられる。
a)入力信号の励振周波数自体を低くする(波長を長くする)。
b)フォトニック結晶要素の周期的間隔(格子定数)を小さくする。なお、この場合、厳密には、格子定数だけでなくフォトニック結晶要素の大きさも同じ割合で、フォトニック結晶構造を相似的に小さくしなくてはならない。格子定数だけ小さくして、要素の大きさを変えないと、改変前より要素が密に存在することによる実質的な媒質定数の変化の効果(後述する)の方が支配的となり、所望の結果が得られない可能性がある。
c)実質的な媒質定数(実効屈折率)の変化(減少)を利用する。
図2に、結合長の変化の様子の模式図を示す。
図2上段は、規格化周波数が0.274[c/a]の時の結合長を模式的に示す。この例では、完全結合長は64a(aは格子定数)である。また、図2下段に、規格化周波数が0.270[c/a]の時の結合長を模式的に示す。この例では、完全結合長は19a(aは格子定数)であり、図2上段の規格化周波数の時よりも結合長が短くなる。
図3は、結合長短縮化のために領域的に媒質を改変されたフォトニック結晶結合欠陥導波路の模式図である。
本実施の形態に係る、フォトニック結晶結合欠陥導波路のひとつは、結合導波路中を伝搬する各モードの伝搬定数の差を大きくするため、実質的に規格化周波数を変化させるものとして、フォトニック結晶を構成する材料の誘電率又は屈折率、導電率、透磁率等の媒質定数を、フォトニック結晶の欠陥導波路を含む所定範囲又は近傍の一部又は全部にわたり異なるものとしたものである。例えば、材料Aと異なる材料Bを一部に用いることができる。
媒質定数、特に誘電率を変化させると、そのフォトニック結晶のバンド構造が規格化周波数に対して変化し、媒質定数が領域的に異なることは、領域が異なれば規格化周波数も異なる事とほぼ等価である(例えば、文献「J.D.Joannopoulos,R.D.Meade,J.N.Winn著,藤井,井上訳:フォトニック結晶−光の流れを型にはめ込む−,コロナ社」の5.6節参照)。
図4は、結合長短縮化のために領域的に格子定数、フォトニック結晶要素の大きさ、形状を改変されたフォトニック結晶結合欠陥導波路の模式図である。
本実施の形態に係るフォトニック結晶結合欠陥導波路のひとつは、結合導波路中を伝搬する各モードの伝搬定数の差を大きくするために、実質的に規格化周波数を変化させるものとして、フォトニック結晶要素の周期的分布間隔即ち格子定数、フォトニック結晶要素(欠陥)の大きさ及び形状のいずれか又は複数を、領域的に異なるようにしたものである。
入力される電磁界の周波数が同じならば、規格化周波数は格子定数に比例する。上述の式(3)において、入力信号の励振周波数が変わらないなら波長も不変であるから、規格化周波数Nfは、格子定数aのみに依存することになる。したがって、格子定数のみを小さくすれば、規格化周波数Nfが小さくなる。換言して説明すると、入力信号の波長が変わらずに、フォトニック結晶構造全体が相似的に小さくなると、これは、フォトニック結晶構造自体は変えずに入力信号の波長を大きくした(周波数を小さくした)のと等価になる。これにより、偶モードと奇モードの伝搬定数の差が大きくなるので結合長は短くなる。
厳密には、要素の形状は変化させず、かつ、フォトニック結晶要素の格子定数の変化(例えば、図中aからa’)と同じ割合でフォトニック結晶要素の大きさも変化(例えば、図中円孔半径rからr’)させれば、格子定数の変化と規格化周波数の変化が等価となる(図4中段左)。しかし、実際には、格子定数のみを変化させ、フォトニック結晶要素は同じ大きさのままであっても(図4下段右)、同様の効果が得られる。
フォトニック結晶要素が例えば空気円孔などであり、半導体などのフォトニック結晶の材料より小さい誘電率(屈折率)を持つ場合、格子定数のみ小さくして円孔半径は変えない改変を行うと、改変を行う前に比べてフォトニック結晶構造に閉める円孔の割合(充填率)が増えるので、フォトニック結晶全体の平均的屈折率は小さくなる。即ち、円孔は小さくなっていないので不完全ながらも上記の「格子定数の縮小」,「平均的つまり実質的な媒質定数の低下」の二つが同時に起こっている事になる。この場合、どちらの効果もバンド構造を上にシフトする方向に働く。
また、例えばフォトニック結晶要素の形状のみを領域的に変化させても良い(図4下段左)。例えば、フォトニック結晶要素の形状を円状から楕円状へ変化させることができる。なお、変化させる形状は、適宜の形状とすることができる。
また、フォトニック結晶要素の大きさのみを変化させ、格子定数は同じままとしてもよい(図4中段右)。これは、フォトニック結晶全体の媒質定数を実質的に変化させることにもなる。なお、フォトニック結晶要素の大きさは適宜のものとすることができる。媒質定数の実質的変化の効果については、次に示す例でも利用される。
図20は、媒質の実質的な屈折率変化に伴うバンド構造の規格化周波数に対する変化の説明図である。例えば、フォトニック結晶を、ある材料中に周期的に空気孔を並べた構造として実現すると、空気孔の半径を大きくする等してその材料の内の一部を更に取り除いた時、構造全体の(平均的な)屈折率は減少する。その結果、バンド構造は、図示のように周波数について正の方向にシフトする。これは実質的に規格化周波数が低くなった事と等価である。
これは、屈折率の小さな部分(空孔)を増やすのでは無く、空孔の形状を変化させる場合、又は、構造は変えずに材料の屈折率自体を小さい物に変える場合も同様である。媒質定数又は格子定数を小さくすると、バンド構造は規格化周波数に対し上にシフトし、入力信号の周波数(波長)は変えずに、実質的に規格化周波数を小さくする効果が得られる。一方、媒質定数又は格子定数を大きくすると、バンド構造は下にシフトする。
これにより、規格化周波数での、偶モードと奇モードの伝搬定数の差が大きくなり、結合長が小さくなる。
図5は、結合長短縮化のために領域的にスラブ厚さを改変された2次元フォトニック結晶スラブ状のフォトニック結晶結合欠陥導波路を示す模式図である。
本実施の形態のフォトニック結晶結合欠陥導波路のひとつは、結合導波路中を伝搬する各モードの伝搬定数の差を大きくするため、実質的に規格化周波数を変化させるものとして、等価屈折率を領域的に異なるものとしたものである。例えば、スラブの厚さを異なるものとすることで、等価屈折率を変化させる。
スラブ導波路を伝搬する電磁波にとっての導波路媒質の実質的な媒質定数、特に屈折率は、スラブの形状や厚さに依存して変化し、これを考慮して導き出された等価屈折率は、一般にスラブ厚が薄いほど小さい(例えば、文献「河野,鬼頭:光導波路解析の基礎,現代工学者」を参照)。従って、スラブ厚を領域的に異なるものとしたフォトニック結晶では、領域によって媒質定数(特に屈折率)が異なる事と等価である。
材料の内の一部を更に取り除いてフォトニック結晶構造全体の平均的な屈折率を下げる手段として、空孔をより大きく穿つ(孔をあける)のではなく、スラブを薄くしたものである。フォトニック結晶線欠陥導波路中を伝搬する電磁波の、電磁界分布は、その殆どが欠陥部分に集中するが、多少は導波路脇のフォトニック結晶要素が並ぶ部分にも染み出している。これにより、要素の大きさや形状を変えることで状態が変化する。導波路中を伝搬している電磁波にとって、構造の実質的(平均的)屈折率が変化したように感じられる訳である(実効屈折率の変化)。2次元フォトニック結晶スラブの場合は、上記の事情が上下方向にも適用でき、スラブ厚が薄くなれば、やはり実効屈折率が小さくなる。
スラブ厚と実効屈折率の関係式については省略する(例えば「光導波路の基礎」現代工学社参照)。媒質定数が異なることは規格化周波数が異なる事とほぼ等価であるのは、上述(例えば図20及びその説明)の通りである。
図6は、結合導波路近傍のフォトニック結晶構造に、領域的に改変を施されたフォトニック結晶結合欠陥導波路を示す模式図である。結合長短縮化のために、結合導波路を伝搬する各モードの性質(バンド構造)を異なる割合で変化させる。
本実施の形態に係るフォトニック結晶結合欠陥導波路のひとつは、結合導波路中を伝搬する各モードの伝搬定数の差を大きくするため、結合導波路中を伝搬する電磁波の各モードの伝搬定数を、互いに異なって変化させるためのものとして、フォトニック結晶の周期構造を結合欠陥導波路近傍で領域的に変化させたものである。結合欠陥導波路近傍のフォトニック結晶構造が変化すれば、その結合導波路を伝搬する電磁波の各モードの伝搬定数も変化するが、各モードの電磁界分布は同じでは無いので、変化による影響もモード毎に異なる事が予想され、各モードのそれぞれ変化の割合は互いに同じではなく、それら伝搬定数の差がより大きくなるように変化させ得る。従って、結合欠陥導波路近傍でのフォトニック結晶構造が異なる領域を設ければ、その領域内では他の領域より結合長が小さくなる。
例えば、結合欠陥導波路間の要素のみ大きさを変化させたり(図6中段左)、結合欠陥導波路間の外側に隣接する又は外側所定範囲の要素の大きさを変化させたり(図6中段右)、これらを組み合わせたもの(図6下段左)とすることができる。図6では、要素の大きさが大きくされているが、これに限らず、小さくしても良い。なお、要素の大きさに限らず、上述のように格子定数、要素の形状等を変化させてもよい。また、異なる大きさ又は形状のフォトニック結晶要素が付加したものである(図6下段右)。上記の要素の変化及び/又は異なる要素が加わることで、その構造の実質的な媒質定数が異なったものとなる効果もある。
図7に、結合導波路近傍のフォトニック結晶構造に、領域的に改変を施されたフォトニック結晶結合欠陥導波路の他の例を示す。図7は、結合導波路間にフォトニック結晶要素が3つ以上ある場合の例である。
例えば、図7の第2段左上の図は、結合導波路間の近傍(この例では中央付近)の要素の大きさを変化させたものである。図7の第2段中央の図は、結合導波路間の要素のうち、導波路に隣接する要素の大きさを変化させたものである。なお、隣接する要素以外に、所定範囲の要素の大きさを変化させてもよい。図7の第2段右の図は、結合導波路間の要素の大きさを全て変化させたものである。
また、図7の第3段左の図は、結合導波路を構成する各導波路の外側の要素のうち、導波路に隣接する要素の大きさを変化させたものである。図7の第3段中央の図は、結合導波路を構成する各導波路の外側の要素のうち、導波路に隣接する要素の大きさを変化させ、及び、結合導波路間の要素のうち、導波路に隣接する要素の大きさを変化させたものである。図7の第3段右の図は、結合導波路を構成する各導波路の外側の要素のうち、導波路に隣接する要素の大きさを変化させ、及び、結合導波路間の要素の大きさを変化させたものである。
なお、導波路に隣接する要素以外に、所定範囲の要素の大きさを変化させてもよい。図7では、要素の大きさが大きくされているが、これに限らず、小さくしても良い。また、要素の大きさに限らず、上述のように格子定数、要素の形状等を変化させてもよい。図7下段左は、異なる大きさ又は形状のフォトニック結晶要素を付加したものである。
図21は、導波路近傍のフォトニック結晶構造改変に伴うバンド構造の変化の説明図である。図21に示す例は、バンド構造自体の改変を意図したものである。導波路近傍(例えば導波路間)のフォトニック結晶要素の大きさを変化させることによりバンド構造が変化し、規格化周波数での、偶モードと奇モードの伝搬定数の差が大きくなる。これにより、結合長が小さくなる。なお、導波路間の要素の大きさ以外にも、例えば上述の図6、7のような範囲で要素の大きさ及び/又は形状、格子定数を変化させた場合も同様である。
図8は、結合長短縮化のためにフォトニック結晶構造が互いに異なる様に改変された領域同士の境界で、結合導波路の幅が同じくなる様に更に改変を加える様子を示した模式図である。図8の破線内が図6及び図7に示したフォトニック結晶結合欠陥導波路に相当する。上述のフォトニック結晶結合欠陥導波路のいずれかにおいて、領域の境界で、線欠陥導波路の幅が互いに異なる又は著しく異なる場合、これをほぼ同じくするために、フォトニック結晶要素の位置(例えば中心位置)や形状を更に変化させたフォトニック結晶欠陥結合導波路である。フォトニック結晶構造が互いに異なる領域同士の境界では、欠陥導波路の幅が異なるため、それが伝搬電磁波の反射が生じる原因となる。この更なる改変は、これを防ぐ効果がある。
フォトニック結晶線欠陥導波路中を伝搬する電磁波の、電磁界分布は、その殆どが欠陥部分に集中するが、多少は導波路脇のフォトニック結晶要素が並ぶ部分にも染み出している。この染み出しの程度は、一般にモードの伝搬定数の大きさによって異なるので、フォトニック結晶構造が互いに異なる様に改変された領域同士の境界の向こう側とこちら側でこの染み出しの程度も異なる。この染み出しの範囲がほぼ同じくなるように、フォトニック結晶要素の位置(例えば中心位置)や形状を更に変化させて、導波路幅を調整しても良い。この場合、前記境界で導波路幅が一定になるとは限らない。
伝搬定数の大きさは偶モードと奇モードでも異なるので、前記境界において、結合欠陥導波路を構成する複数の導波路のそれぞれが、互いに異なる電磁界分布の染み出しの程度を持つ場合が有り得る。この場合を考慮して、前記複数の導波路のそれぞれが、互いに異なる導波路幅に調整されてもよい。
例えば図8のように、線欠陥導波路の幅W、フォトニック結晶要素の円孔直径dのフォトニック結晶結合欠陥導波路において、要素の中心位置を変えずに、導波路に隣接する要素の大きさをα倍にした場合、要素の大きさを変化させた後の線欠陥導波路の幅はαd−dだけ小さくなる。よって、幅が小さくなる分だけ導波路に隣接する要素の中心位置を、導波路から離れる方向に移動させることで、線欠陥導波路の幅をWのまま一定にすることができる。この図では、円孔が大きくなる場合(α>1)を示したが、円孔が小さくなる場合(α<1)も、要素の中心位置を移動させる方向を変えることで、線欠陥導波路幅をそのまま一定にすることができる。図8は、前記領域同士の境界で線欠陥導波路の幅を一定にしているが、前記染み出しの範囲を考慮して、一定に限らず、異なる導波路幅となるように、導波路に隣接する要素の中心位置を移動させても良い。
図16に、不連続な欠陥列についての説明図を示す。上述のフォトニック結晶結合欠陥導波路において、フォトニック結晶の分野で伝搬電磁波の群速度の遅延を生じさせるために用いられる断続的な点欠陥又は線欠陥導波路を線欠陥導波路の一部又は全部として採用した、不連続な欠陥列を含むフォトニック結晶結合欠陥導波路としてもよい。
図示のように、線欠陥は、幾つかの欠陥をある程度距離を離して離散的に配置することにより形成されても良い。このような不連続な欠陥列からなる導波路は、非常に群速度を遅く出来、遅延線効果があるため、単なる線欠陥構造と比較してより小さな構造の実現が期待できる。図16には、二次元六方格子における、不連続な欠陥列からなる導波路の例の幾つかが示されるがこれに限られない。この例は、欠陥範囲(ここでは、単一線欠陥の場合)の領域にフォトニック結晶の要素等を配置し、欠陥列若しくは点欠陥が周期的に存在するようにしたものである。
また、上述のフォトニック結晶結合欠陥導波路において、外部から主として直流の電気的制御信号によってフォトニック結晶媒質の媒質定数を変化させ、制御信号の強度に依存して結合長を時間的に変化させるフォトニック結晶結合欠陥導波路としてもよい。結合長が変わる事は結合導波路中での強い電磁界の所在が変わる事なので、結合導波路長の調整により、結合長の変化以前と以後とで異なる導波路からの電磁波出力を得る事も可能である。これは方向性結合器型スイッチ・デバイスの動作原理である。本実施の形態は、フォトニック結晶デバイスに応用しうる。
上述のフォトニック結晶結合欠陥導波路において、光又は電磁波制御信号によってフォトニック結晶媒質の媒質定数を変化させ、制御信号の強度,位相に依存して結合長を時間的に変化させるフォトニック結晶結合欠陥導波路としてもよい。これも方向性結合器型スイッチ・デバイスに応用し得る。
また、上述のフォトニック結晶結合欠陥導波路が、2次元フォトニック結晶スラブ中の、導波路方向が平行又はほぼ平行となる様に互いに近い又は隣接する位置に配置された二本の単一線欠陥導波路で構成されているような、基本的なフォトニック結晶結合欠陥導波路としてもよい。
図17に、2次元フォトニック結晶を例に取り、方向性結合器としてのフォトニック結晶結合欠陥導波路に、高屈折率差導波路による入出力ポート9を設けた例を示す。なお、入出力ポート9は、高屈折率差導波路以外にも、導波管、同軸ケーブル、光ファイバ、フォトニック結晶欠陥導波路等、適宜の導波路又はケーブル等により構成されてもよい。入出力ポート9は、例えば入力端又は出力端8に設けることができる。
図17に示すフォトニック結晶結合欠陥導波路は、通信、計測、演算等へ利用する装置、及び、電磁界の伝送線路として応用されるための入出力を行うために、入力信号を生じせしめる励振源やフォトニック結晶結合欠陥導波路を経た出力信号の受信器等で構成される外部系との結合部分を備えたフォトニック結晶結合欠陥導波路である。結合部分の例としては、同じフォトニック結晶欠陥導波路や高屈折率差導波路との直接接続、端面結合法による光ファイバとの接続がある。また、テーパー(先細)型ファイバとの結合やスポットサイズ変換機能を備えたポリマー導波路(例えば、文献「納富:「SOIフォトニック結晶スラブ」応用物理、第72号、第7号、2003、pp.914−918.」参照)との接続も可能と考えられる。
図22は、フォトニック結晶構造を改変する領域の例(1)を示す図である。図中a〜hは、上述のように例えば材料、格子定数、要素の大きさ又は形状、スラブの厚さ等を改変する範囲を示す例である。
図中a〜hは、それぞれ、(a)フォトニック結晶欠陥導波路を含む全部、b)フォトニック結晶欠陥導波路を含む一部、(c)フォトニック結晶欠陥導波路を含まない、導波路間の近傍の全部、(d)フォトニック結晶欠陥導波路を含まない、導波路間の近傍の一部、(e)フォトニック結晶欠陥導波路を含む、導波路近傍の全部、(f)フォトニック結晶欠陥導波路を含む、導波路近傍の一部、(g)フォトニック結晶欠陥導波路を含まない、結合導波路脇(外側)の近傍の全部、(h)フォトニック結晶欠陥導波路を含まない、結合導波路脇(外側)の近傍の一部を示す。
図3〜5に示すようなフォトニック結晶結合欠陥導波路は、例えばそのバンド構造を規格化周波数に対しシフトさせる事を意図しており、これは、フォトニック結晶の全体又は導波路を含む一部の構造を変化させなければ有効にならない。従って、図22のa又はbの範囲で材料、格子定数、要素の大きさ又は形状、スラブの厚さ等を変化させてフォトニック結晶構造を改変するものである。なお、図22のc〜hの範囲でもよい。
図6及び7に示すようなフォトニック結晶結合欠陥導波路は、例えば伝搬電磁波の電磁界分布が集中する導波路近傍の構造を改変させることにより、偶モードと奇モードのバンド構造をそれぞれ異なった度合いで変化させ、結果として改変前に比べて両モードの導波路方向の伝搬定数の差を大きくすることを意図したものである。従って、図22のc〜hの範囲でフォトニック結晶構造を改変するものである。なお、図22のa又はbの範囲でもよい。
なお、実際には、同図のe、fの範囲で改変してもバンド構造をシフトさせることを意図した効果が生じるのに充分広い領域であるとみなせる場合もあり得る。逆に、c〜hの範囲で改変すれば必ずしも偶モードと奇モードのバンド構造を異なった度合いで変化させることを意図した効果が生じるとは限らず、バンド構造をシフトさせることを意図した効果が生じる場合もあり得る。
図23は、フォトニック結晶構造を改変する領域の例(2)を示す図である。
階段状の結合導波路の場合には、結合導波路を構成する導波路が互いに平行となっている一部については、図22で示した様な領域の選択が可能である(例えば図23aの範囲)。また、図3〜5に示すようなフォトニック結晶結合欠陥導波路は、フォトニック結晶構造全域に渡ってスラブ厚を薄くしたり格子定数を一様に短くしたりする場合であり、特に欠陥の種類に依らず実施できる(例えば、図23bの範囲)。また、図6、7に示すような、局所的にフォトニック結晶構造を改変する場合は、例えば導波路(又は欠陥)近傍の範囲で実施できる(例えば、図23cの範囲)。
また、上述のフォトニック結晶結合欠陥導波路が内部に含まれるような各種デバイスを構成することができる。上述のフォトニック結晶結合欠陥導波路は、いずれも方向性結合器として動作し得る。方向性結合器は、多重化合波器、多重分離器、共振器、フィルタ、スイッチの各種デバイスを実現する際の基本素子として利用される。多重化合波器は、一つの導波路に複数の異なる周波数信号を伝搬させる伝送方式である波長多重において、その複数の信号を合波する結合器であり、多重分離器は、同分岐器であり、フィルタでもある。
5.フォトニック結晶欠陥導波路の作製
図18に、実際のフォトニック結晶の例として、空気クラッド2次元フォトニック結晶スラブ構造中に形成した、二つの単一線欠陥導波路によりなるフォトニック結晶結合欠陥導波路の構造例を示す。ここでは、一例として、結晶構造の例として六方格子結晶を挙げてある。
まずは基盤となる媒質上に、選択エッチング用の層とコアとなる層を形成する。コア部は対応する波長の電磁界がその内を伝搬し得る材料でなければならないので、たとえば光通信の1.55μm帯ではGaAsなどを用いる。選択エッチング用の層はコアと選択比の高い材料(GaAsに対してはAlGaAsなど)を用いる。コア部に周期的な空孔を設けてフォトニック結晶を形成するが、その一部を空孔とせずに配列して欠陥を形成する。空孔や欠陥の形状、大きさ、配置については、EB(電子ビーム露光)技術やドライエッチング等を用いる一般的な半導体プロセスにおける微細加工の手法により、比較的自由な設計が可能である。その後、空孔を通して選択エッチングを行うことにより、コアの下部に空気クラッド領域を設ける。また、クラッド部を空気とせずにコアよりも低い屈折率の媒質とすることにより、空気クラッドの場合よりもより強固なデバイスが実現できる。もし二つの線欠陥の間等に部分的に非線形媒質部を用いようとするなら、選択成長により局所的にInAs量子ドットなどを形成することにより実現する。ここでは、単一線欠陥導波路(A−A’)と、これと同様の導波路(B−B’)を、結合を実現するように互いに近く平行に配置している。
二次元又は三次元のフォトニック結晶の欠陥の作成方法は、非特許文献1に記載されているように、適宜の方法を採用することができる。フォトニック結晶中に二次元又は三次元の欠陥構造を作成する方法については、適宜の方法を採用することができる(例えば、特許文献5〜9参照)。
6.フォトニック結晶結合欠陥導波路の変形例
なお、上述のフォトニック結晶結合欠陥導波路において、スラブ面内の一部の材料が局所的に異なること、スラブの厚み方向の材料が一部異なること、又は、これらの双方の構成有してもよい。例えば、二次元Ph−C(フォトニック結晶)スラブにおいて、「面内」の一部の材料が局所的に異なる場合のみならず、スラブの「厚み方向」についても材料が一部異なる(一例として、違う材料による板の貼り合わせをイメージ)ようにしてもよい。
また、上述のフォトニック結晶結合欠陥導波路において、互いに異なる材料又は媒質定数である部分同士が、材料又は媒質定数が漸次変化する又は連続的に変化する部分によって繋がっていてもよい。
なお、上述のスラブの厚さを他の部分と異なるものにしたフォトニック結晶結合欠陥導波路において、スラブ厚を変えた部分は、その媒質定数が「実質的に」変化するのと等価である。スラブが薄くなるという事は、例えば削ぎ落とされた部分が空気で置き換わるという事であり、その分だけ全体の媒質定数は薄められる(小さくなる)。また、特に、異なるスラブ厚を有する部分同士が、スラブ厚が漸次変化する又は連続的に変化する部分によって繋がっていてもよい。
また、フォトニック結晶の欠陥の周辺又は内部の一部又は全部に、量子ドットの形成又はイオンのドープにより実現された非線形媒質領域をさらに含み、非線形媒質領域に光又は電波を含む電磁界及び/又は電界及び/又は磁界を印加する事で媒質の実効的な誘電率、導電率及び透磁率のいずれか又は複数を可変とし得るようにしてもよい。このように、媒質定数変化の手段のひとつとして、例えば量子ドットを添加することができる。また、外部からの制御信号は、例えば、定常(時間変化しない、直流な)電界若しくは磁界、又は、時間変化する電磁界(いわゆる電磁波。光は電磁波の一種)とすることができる。外部からの制御信号は熱であっても良い。例えば、外部から印加される熱により、フォトニック結晶の実効的な誘電率、導電率及び透磁率のいずれか又は複数を可変とするための領域をさらに含み、電磁波の伝搬定数及び/又は結合の程度を制御し得るようにしてもよい。以下に、例をあげる。
例1:ポリマー媒質に、ヒータやレーザ照射によって熱を加えると、温度変化により媒質定数が変化する。石英系やポリマー系の材料は熱光学効果を有するものの例である。
例2:LiNbO媒質に直流電界を印加すると、媒質定数が変化する。LiNbOは、電気光学効果を有する代表的な媒質の一つである。
例3:組成を変えた複数の化合物半導体から成る構造に直流電界を印加して電流を注入すると、媒質定数が変化する。例えば、GaAsやInPなどの化合物半導体を少しずつ組成を変えて積層構造にし、その構造に、積層面に垂直に直流電界を印加すると、構造の媒質定数が変化する。これは、例えばキャリア効果によるものである。
例4:GaAs媒質に励起光を当てると、媒質定数が変化する。
例5:量子ドットを含むGaAs媒質に光パルスを流すと、平均的な媒質定数が変化する。
また、上述のフォトニック結晶結合欠陥導波路において、フォトニック結晶要素の大きさと格子定数とを同じ割合で変化させることができる。
上述のフォトニック結晶結合欠陥導波路において、結合導波路の一部又は全部を含むフォトニック結晶の一部に、そのフォトニック結晶要素とは異なる大きさ及び/又は形状の要素を付加して他の部分と異なるものとしてもよい。
上述のフォトニック結晶結合欠陥導波路において、結合導波路の線欠陥又は導波路に隣接する又は近傍若しくは導波路間のフォトニック結晶において、格子定数、フォトニック結晶要素の大きさ、及び、フォトニック結晶要素の形状のいずれか又は複数を他の部分と異なるものとし、線欠陥又は導波路の幅を局所的に変化させてもよい。
上述のフォトニック結晶結合欠陥導波路において、結合導波路の線欠陥又は導波路に隣接する又は近傍若しくは導波路間のフォトニック結晶において、格子定数、フォトニック結晶要素の大きさ、及び、フォトニック結晶要素の形状のいずれか又は複数を他の部分と異なるものとし、かつ、線欠陥又は導波路の幅が変化しない又は殆ど変化しない様にフォトニック結晶要素の位置を局所的にずらすことができる。
また、上述のフォトニック結晶結合欠陥導波路において、スラブの厚さを、ステップ状又は階段状に変えることができる。
本発明は、例えば、光を含む電磁界を通信、計測、演算等へ利用する装置、及び、電磁界の伝送線路を用いて実現される回路全般に適用することができる。

Claims (1)

  1. 周期構造を構成するフォトニック結晶要素を含み、特定の波長又は周波数範囲の光又は電波を含む電磁界の伝搬を抑制するためのフォトニック結晶と、
    前記フォトニック結晶の周期構造を構成するフォトニック結晶要素を局所的に除去した部分である欠陥を、前記フォトニック結晶中に線として複数連結して導波路を形成した線欠陥と、電磁界を入力及び/又は出力するための入力端又は出力端とをそれぞれ有し、モード結合して、ひとつの導波路に入力された電磁界により他の導波路に電磁界が伝搬される、少なくとも2本の導波路で構成された結合導波路と
    を含み、
    (1)前記フォトニック結晶の誘電率、屈折率、導電率及び透磁率のいずれか若しくは複数を含む媒質定数を実質的に変化させること、(2)フォトニック結晶要素の大きさ若しくは形状を実質的に変化させること、(3)フォトニック結晶要素の周期的間隔を示す格子定数を変化させることのいずれか又は複数により、
    (a)前記結合導波路の偶モードと奇モードのバンド構造を規格化周波数に対しシフトさせ、又は、(b)前記結合導波路の偶モードと奇モードのバンド構造をそれぞれ異なった度合いで変化させ、
    これによりある規格化周波数における偶モードと奇モードとの伝搬定数の差を大きくして、前記結合導波路中を伝搬するモード結合した伝搬電磁波の結合長を短くし、さらに、
    前記結合導波路の一部又は全部を含む前記フォトニック結晶の一部は、他の部分に対してフォトニック結晶要素の形状は変化させず、かつ、格子定数及びフォトニック結晶要素の大きさを他の部分に比べて相似的に同じ割合で変化させた前記フォトニック結晶結合欠陥導波路。
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