JP4093131B2 - 石油燃焼器の消火装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、液体燃料を燃焼させて暖房に利用する温風暖房機のポット式燃焼装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
石油燃焼器で燃焼する燃料は、燃料タンクから燃料ポンプにより吸い上げられ、燃料ポンプに接続した燃料パイプから、燃料パイプの先端で構成する送油ノズルを経て、気化部を成すポット内の底面に供給されている。
【0003】
このポット内に供給された燃料は、燃焼熱で高温となっているポット底面で気化ガス化しており、このガス化した燃料は燃焼用送風機で送られる空気と混合ガスを作って燃焼を開始し、発生した燃焼ガスと残りの混合ガスは、ポット上方の燃焼室で完全燃焼するものであり、燃料ポンプにより新しい燃料が供給されることで燃焼が継続される。
【0004】
このように気化部を成すポットに燃料を供給している燃料パイプには、燃焼を停止しても燃料が残るから、この燃料パイプ内の燃料を吸引して燃料タンクに戻すために、内装するプランジャーがあらかじめ定めた周波数の駆動電流によって上下動する吸引ポンプを燃料パイプに取付ける場合がある。
【0005】
そして、石油燃焼器の燃焼停止操作は、燃料ポンプの駆動を停止し、気化部内への燃料供給を断つことで燃焼が終了するが、この燃料ポンプヘの通電を停止する燃焼停止操作後において、前記吸引ポンプを所定時間通電させることで、燃料パイプ及び燃料パイプの先端部で構成する送油ノズル内の残留燃料を吸引して燃料タンクに戻すことができ、燃焼停止後の気化部への燃料の後ダレを抑制している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
燃焼停止操作によってポット内への燃料供給を断った直後は気化部に残留する燃料があるために気化が継続し、6〜7秒有しながら炎が沈下してやがて消炎する。このように燃料ポンプの駆動を停止し、ポット内への燃料供給を断つ事で消火することができるが、燃料パイプ及び送油ノズル内に燃料が残った状態となり、この燃料が消火後の気化部に後ダレする。この気化部への後ダレを防ぐために、上記で説明したように燃焼停止操作後に燃料パイプに取付けた吸引ポンプを駆動させて、燃料パイプ及び送油ノズル内の残留燃料を吸引して油タンクへ戻すことが行なわれる。
【0007】
ところで、吸引ポンプの構造として、内装するプランジャーの往復運動によって残留燃料を吸引する吸引ポンプでは、吸引ポンプ駆動時に吸引ポンプ内のプランジャー移動により燃料パイプ及び送油ノズル内の残留燃料を一旦押し出す場合があり、吸引する前に少量の残留燃料がポット底面に落ち、ポットに残留する燃料が増えて消火時間の延長につながることがあり、消火時間のばらつきを発生させていた。
【0008】
また、燃料パイプ及び送油ノズル内の残留燃料を吸引しても、燃料パイプ及び送油ノズルの内壁面に薄膜状に燃料が残り、まだ高温のポットから受熱された送油ノズル先端部も高温になるため、送油ノズル先端部内にある薄膜状の燃料は徐々に加熱され、温度上昇に伴い粘度が低下して流動性が増してくる。そして、流動性の増した薄膜状の燃料は送油ノズル先端内部に溜まるようになり、量が多いときには消火後のポット底面に垂れる。
【0009】
消火直後のポット内部は冷却に時間を要す為に高温を維持し続けており、ポット底面に垂れた燃料が気化ガス化しても、既に消炎している為に燃焼せずに、未燃ガスとして燃焼室から燃焼器の枠体外に排気され、消火時には未燃ガスの悪臭による不快感を与えていた。
【0010】
また、消火後において送油ノズル先端に燃料が溜まった状態のままで石油燃焼器を移動する時などで、強い振動が加わると送油ノズルの先端に溜まった燃料が気化部に滴下することがあり、次回の運転操作を行なうと、予熱時において気化部が高温化する時に気化部に滴下した燃料から未燃ガスが発生し、また、送油ノズルの先端に燃料が溜まっているときにはこの燃料が気化して、点火時に悪臭による不快感を与えてしまうことがあった。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記課題を解決するもので、燃料パイプ1の先端で構成する送油ノズル2が気化部を成すポット3内に伸ばされ、燃料ポンプ4によって前記送油ノズル2から供給される燃料がポット3で気化して、このポットに続く燃焼室5内で燃焼すると共に、前記燃料パイプ1には燃料パイプ1内の燃料を吸引してこの燃料を燃料タンク6に戻す吸引ポンプ7を設け、吸引ポンプ7には通電時にあらかじめ定めた周波数の駆動電流によってこの吸引ポンプ7内を上下するプランジャー7aを有し、燃焼停止操作時に燃料ポンプ4ヘの通電を停止するとともに吸引ポンプ7を所定時間通電して燃料パイプ1内に残留する燃料を燃料タンク9に戻す石油燃焼器において、燃焼停止操作時からカウントするタイマー8を設け、前記吸引ポンプ7はこのタイマー8のカウントが設定時間になった時から所定時間通電することを特徴とする。
【0012】
また、前記タイマー8は複数の設定時間をセットすることができる機能を有しており、前記吸引ポンプ7は複数回通電されることから、流動性の増した薄膜状の燃料が送油ノズル2内を通って送油ノズル2先端内部に溜まった後にも、再度吸引ポンプ7による吸引が行なわれ、ポット3内への後ダレを抑制できた。
【0013】
また、前記燃料パイプ1は前記燃料ポンプ4と前記送油ノズル2との間に、凹部Aを設けた形状とし、該凹部Aと送油ノズル2との間に高所Bを形成し、前記タイマー8により通電される前記吸引ポンプ7は、燃料パイプ1内の残留液体燃料が燃料パイプ1の高所Bを越えて凹部Aまで吸引する様に吸引ポンプ7を制御したから、石油燃焼器の移動時などで激しい振動が加わった場合でも、燃料パイプ1の凹部から送油ノズル2までの間に高所があるから気化部に燃料が垂れるようなことはなくなった。
【0014】
【作用】
燃焼停止操作を行なうと、気化部を構成するポット3に燃料が残っているから消火操作後も燃料の気化が続き、この気化燃料が燃え尽きるまで普通は6〜7秒必要である。そして、ポット3内に伸ばした燃料パイプ1の先端は燃料が送られない状態で高温の気化部に位置しているから、この燃料パイプ1の先端部の送油ノズル2内でも気化が行なわれ、送油ノズル2の先端部には空間ができる。タイマー8は送油ノズル2先端の空間部が大きくなった頃に初めて吸引ポンプ7を作動させるから、吸引ポンプ7の起動時に燃料が押出された時に、送油ノズル2の先端の空間部を燃料が満たすだけで、押し出された燃料が気化部に垂れることなく、直ちに燃料の吸引が行なわれることで、消火時間を延長することなく消火できるようになった。
【0015】
また、前記タイマー8により吸引ポンプ7を複数回通電する事で、初回吸引した後で、燃料パイプ1及び送油ノズル2の管壁に付着した燃料が集まった残留燃料を再度吸引することが可能になり、送油ノズル2先端の燃料が残らなくなった。
【0016】
更に、前記燃料パイプ1は燃料ポンプ4と送油ノズル2との間に、凹部Aを設けた形状とし、該凹部Aと送油ノズル2との間に高所Bを形成しており、前記タイマー8による複数回通電される吸引ポンプ7は、燃料パイプ1内の残留燃料を凹部Aまで吸引しており、石油燃焼器の移動時などで激しい振動が加わった場合でも、燃料パイプ1内の残留燃料が送油ノズル2からポット3内へ垂れることがなくなった。
【0017】
【実施例】
実施例を示す図によってこの構成を説明すると、9は石油燃焼器の枠体、6は枠体9内に装着した燃料タンク、3は燃料タンク6から燃料が供給されてこの燃料の気化部を構成するポット、10はポット3内に燃焼空気を供給する燃焼用送風機、5はポット3上方に配置して気化した燃料が完全燃焼できる燃焼室、11は枠体9の背面に設けた室内対流ファンであり、前記燃焼室5から排出される高温の燃焼ガスはこの室内対流ファン11の空気流によって、温風となって枠体9の前面の温風吹出口から吹出して、温風暖房機を構成している。
【0018】
実施例の図に示す石油燃焼器の気化部を構成するポット3は、燃料の気化だけを行なうものではなく、気化と気化した燃料の一部が燃焼できるポット式石油燃焼器の気化部を構成しており、12は燃焼用送風機10によって燃焼用空気が送られる風胴、13は燃焼空気が送られる風胴12内に設置したポット3の側壁に多数配置した小径空気孔であり、前記燃焼用送風機10によって圧送された燃焼用空気は、小径空気孔13の位置と大きさにより適切に制御されてポット3内に供給される。
【0019】
4は燃料タンク6の上面に取付けた電磁ポンプで構成する燃料ポンプ、1はポット3と燃料ポンプ4との間に設けた燃料パイプ、2は燃料パイプ1の先端で構成する送油ノズルであり、前記風胴12内を燃料パイプ1の送油ノズル2部分が貫通するようにして燃料をポット3底面に供給している。なお、燃料パイプ1の径が細いときには燃料パイプ1をそのままポット3内に伸ばして先端を送油ノズル2とし、また、燃料パイプ1の径が太いときには先端部分の内径を細くした送油ノズル2がポット3内に伸ばされている。
【0020】
14はポット3の側壁からポット3の底面と間隔を介して取付けた気化部の予熱と気化した燃料に着火を行なう点火ヒータ、15はポット3内に設置された助燃部材であり、ポット3内に供給された燃料は、点火ヒータ14や燃焼熱で高温となっているポット3底面で気化し、初期燃焼を開始しながら小径空気孔13から供給される燃焼用空気と助燃部材15の働きで混合し、ポット3の上方の燃焼室5内で完全燃焼するものである。
【0021】
16は燃料ポンプ4とポット3とを接続する燃料パイプ1の途中に設けた吸引結合部、7は吸引結合部16と燃料タンク6内とを連通する吸引ポンプであり、石油燃焼器の運転停止操作時に燃料ポンプ4への通電を停止して燃料の供給をやめ、代わって前記吸引ポンプ7をあらかじめ設定した周波数の駆動電流で所定時間運転しており、燃料パイプ1に残留する燃料を燃料タンク6に戻すことにより、消火時間を短縮して消火時の悪臭の防止を狙っている。
【0022】
この燃料を吸引する吸引ポンプ7の構造について図4を用いて説明する。17は吸引ポンプ7内に燃料流通経路を形成しているシリンダー、7aはシリンダー17内に摺動自在に設けたプランジャー、18はプランジャー7aを初期位置に押し戻す戻しバネ、19はシリンダー17の周囲に配置したソレノイドであり、ソレノイド19にあらかじめ定めた周波数の駆動電流を供給すると、プランジャー7aは戻しバネ18を圧縮するように移動し、次に戻しバネ18の力で初期位置に復帰するから、プランジャー7aは駆動周波数に同期して往復運動を行なう。7bはプランジャー7aを貫通するように形成した流路、20はプランジャー7a内の流路7bに設けた開閉弁、18aは開閉弁20を閉止方向に付勢する押しバネであり、開閉弁20と押しバネ18aはプランジャー7aと一体となって往復運動を行なっている。
【0023】
21は前記吸引結合部16とシリンダー17との間に設けた吸引オリフィス、21aは吸引ポンプ7の吐出側とシリンダー17との間に設けた吐出オリフィスであり、ソレノイド19に通電するとプランジャー7aは吐出オリフィス21aに向かって駆動し、シリンダー17内の燃料は開閉弁20が押しバネ18aによって閉止状態を維持しているから、吐出オリフィス21aから油タンク6に送られる。一方、燃料パイプ1内の燃料は吸引結合部16から吸引オリフィス21を経てシリンダー17内に吸引される。
【0024】
そして、ソレノイド19の通電が止まりもしくは通電電流を減少すると、前記プランジャー7aは戻しバネ18によって初期位置に戻り、シリンダー17内に吸引した燃料は、押しバネ18aを圧縮して開閉弁20を押し開いてプランジャー7a内に流入するから、あらかじめ定めた周波数の駆動電流で吸引ポンプ7のプランジャー7aが往復運動を継続すると、燃料パイプ1から燃料タンク6に燃料を戻すことができる。
【0025】
実施例のような往復動ポンプでは運転開始直後の1〜2往復の間は各部の圧力分布が安定せずに、また、ポンプ内部に空気が侵入している事が多く、吐出オリフィス21aがエア噛みしておればこの吐出オリフィス21aから空気を多量に吸い込み、吸引オリフィス21がエア噛みしておればこの吸引オリフィス21からシリンダー17内の空気が吸引結合部16に逆流しやすくなり、また、シリンダー17に空気が混じると開閉弁20を押し開く圧力が弱くシリンダー17から燃料が吸引オリフィス21を経て吸引結合部16に押し出すことがある。また、吸引オリフィス21を使う図4の実施例の代わりに、シリンダー17から燃料パイプ1への流入を防ぐために、圧力差で開閉する閉止弁を設けるものもあるが、往復動ポンプでは運転開始直後にはこの閉止弁が中間位置にあって完全閉止できず、シリンダー17内の空気や燃料が吸引結合部16に逆流しやすくなる。このため、吸引ポンプ7の駆動開始直後でプランジャー7aの1〜2往復の間は、燃料の吸引量と押出し量の差は押出し量が勝って吸引されず、逆に燃料パイプ1に残留する燃料をポット3内に滴下させてしまい、消火時間を長引かせることもある。
【0026】
このように吸引ポンプ7の起動直後にポット3内に燃料が滴下しても、吸引ポンプ7を使えば、送油ノズル2から滴下する燃料流量が吸引ポンプ7を用いないときよりも全体として減少させることができるが、この発明は燃料の滴下が起きないようにするもので、8は燃焼停止操作時からカウントするタイマーであり、このタイマー8がカウント中は前記吸引ポンプ7が作動しないようにし、タイマー8がカウントアップしてから吸引ポンプ7はあらかじめ定めた周波数の駆動電流によって、所定時間通電するものである。
【0027】
すなわち、図3に示すように22は石油燃焼器の運転スイッチ、23は石油燃焼器の制御部、24は吸引ポンプ7のための吸引ポンプ制御部であり、タイマー8は運転スイッチ22がOFFされた時からカウントを開始し、あらかじめ設定された時間(T1)がカウントアップすると制御部23から吸引ポンプ7の駆動を制御する吸引ポンプ制御部24に信号が送られる。この吸引ポンプ制御部24によりあらかじめ設定された所定時間(Tx)だけポンプ駆動電流を出力して吸引ポンプ7を駆動させる。
【0028】
上記のように燃焼停止操作を行なった直後に吸引ポンプ7を作動させるのではなく、タイマー8の設定時間が経過してから吸引ポンプ7を作動させたから、プランジャー7aの往復動による吸引ポンプ7の運転開始直後の吸引状態が不安定な状態となっても、吸引ポンプ7が運転開始するときには燃料パイプ1の先端に残っていた燃料の一部は気化して空間を形成しており、もし、吸引ポンプ7から空気や燃料が逆流して押し出されるようなことがあっても、燃料パイプ1の送油ノズル2部分に残っている燃料は気化部に滴下しなくなり、吸引ポンプ7の働きが確実となって消火時間を延長することなく消火が可能となると共に、消火時の悪臭の発生を非常に少なくすることができた。
【0029】
また、前記タイマー8は運転停止操作から所定時間後だけ吸引ポンプ7に通電するのではなく、この所定時間は複数設定することができる。このようにすることにより、タイマー8は石油燃焼器の運転スイッチ22がOFFされた時からカウントを始め、あらかじめ設定された時間(T1)がカウントアップすると、制御部23から吸引ポンプ制御部24に吸引ポンプ7の起動信号が送られ、吸引ポンプ7はあらかじめ設定された所定時間(Tx)だけ駆動して停止する。その後、カウントを続けるタイマー8のあらかじめ設定された時間(T2)がカウントアップすると、再び制御部23から吸引ポンプ制御部24に吸引ポンプ7の起動信号が送られる。
【0030】
このように吸引ポンプ7には複数回起動信号が送られ、これにより吸引ポンプ制御部24は、設定時間がくるたびに吸引ポンプ7をあらかじめ設定された所定時間(Tx)だけパルス状のポンプ駆動電流を出力して駆動させ、結局吸引ポンプ7は複数回駆動されることになるので、初回吸引した後で燃料パイプ1及び送油ノズル2の管壁に付着した燃料が集まって管路をふさぐ残留燃料となっても、この残留燃料を複数回吸引することによって、燃料タンク6に戻すことができ、消火時間の延長の防止と、消火時の悪臭の発生防止を更に確実にすることができた。
【0031】
更に他の実施例として、燃料パイプ1の燃料ポンプ4と送油ノズル2との間の形状を特定しても良く、Aは燃料パイプ1の途中に設けた凹部、Bはこの凹部Aと送油ノズル2との間の燃料パイプ1に形成した高所であり、このような燃料パイプ1形状とすることで、あらかじめ設定された吸引ポンプ7の駆動によって、燃料パイプ1内の残留燃料は高所Bを越えて凹部Aまで吸引できるようになっている。
【0032】
このため、石油燃焼器に激しい振動が加わった場合において、燃料パイプ1内に残留燃料があっても、この残留燃料が送油ノズル2からポット3内へ垂れることがなく、次回の石油燃焼器の運転開始時に周囲に悪臭を撒き散らすようなことは起きなくなった。
【0033】
また、燃料パイプ1内に燃料を残すことができるようになったから、吸引ポンプ7との接続部である吸引結合部16は常に燃料が満たされており、吸引ポンプ7のエア噛み現象の発生を少なくできるから、プランジャー7aを有する吸引ポンプ7の運転開始直後の不安定な動作時間を短くすることができ、吸引ポンプ7の働きが確実となって消火時間を延長することなく消火が可能となると共に、消火時の悪臭の発生も少なくなる。
【0034】
【発明の効果】
プランジャー7aを備えた吸引ポンプ7では、吸引開始時の吸引能力にばらつきが生じやすく、吸引ポンプ7に通電した直後に逆に燃料を気化部に押出して消火時間を長くするときがあるが、この発明では運転停止操作と吸引ポンプ7の起動を同時に行なわずに、タイマー8によって起動を遅らせ、吸引ポンプ7はこの設定時間後から所定時間だけ運転するようにしたものである。このため気化部に残った燃料が燃焼継続している間の燃焼熱によって、送油ノズル2先端部に溜まった燃料も気化して空間部を作っており、もし、吸引ポンプ7の起動時に燃料が押出されるようなことがあっても、送油ノズル2の先端の空間部を燃料が満たすだけでポット3内に燃料が垂れることなく、燃料パイプ1内の残留燃料は燃料タンク6に吸引され、消火時間を延長することなく消火が可能となった。
【0035】
また、前記タイマー8は吸引ポンプ7を起動して、吸引ポンプ7のプランジャー7aをあらかじめ定めた周波数の駆動電流によって所定時間運転するだけではなく、タイマー8は複数の設定時間を備えて吸引ポンプ7を再度起動し、吸引ポンプ7が初回吸引した後で、燃料パイプ1及び送油ノズル2の管壁に付着した燃料が集まった頃に残留燃料を吸引することが可能になり、送油ノズル2先端には燃料が残らなくなり、ポット3内へ垂れることがなくなったことで消火時間の短縮と消火時に発生する臭気を減少させることが可能になった。
【0036】
更に、前記燃料パイプ1は燃料ポンプ4と送油ノズル2との間に、凹部Aを設けた形状とし、該凹部Aと送油ノズル2との間に高所Bを形成したから、前記タイマー8によって通電される吸引ポンプ7は、燃料パイプ1内の残留燃料を凹部Aまで吸引すれば、石油燃焼器を移動させる際などに起きる激しい振動が加わった場合でも、燃料パイプ1内の残留燃料が送油ノズル2からポット3内へ垂れることがなくなり、次回の運転操作を行なう時の悪臭による不快感をおさえることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示す石油燃焼器の断面図である。
【図2】この発明の実施例を示す石油燃焼器の要部断面図である。
【図3】この発明の実施例を示す石油燃焼器の制御部の構成と作動状態を示す説明図である。
【図4】この発明の部品の実施例を示す要部断面図である。
【符号の説明】
A 凹部
B 高所
1 燃料パイプ
2 送油ノズル
3 ポット
4 燃料ポンプ
5 燃焼室
6 燃料タンク
7 吸引ポンプ
7a プランジャー
8 タイマー
Claims (3)
- 燃料パイプ1の先端で構成する送油ノズル2が気化部を成すポット3内に伸ばされ、燃料ポンプ4によって前記送油ノズル2から供給される燃料がポット3で気化して、このポット3に続く燃焼室5内で燃焼すると共に、前記燃料パイプ1には燃料パイプ1内の燃料を吸引してこの燃料を燃料タンク6に戻す吸引ポンプ7を設け、吸引ポンプ7には通電時にあらかじめ定めた周波数の駆動電流によってこの吸引ポンプ7内を上下するプランジャー7aを有し、
燃焼停止操作時に燃料ポンプ4ヘの通電を停止するとともに吸引ポンプ7を所定時間通電して燃料パイプ1内に残留する燃料を燃料タンク6に戻す石油燃焼器において、
燃焼停止操作時からカウントするタイマー8を設け、前記吸引ポンプ7はこのタイマー8のカウントが設定時間になった時から所定時間通電することを特徴とする石油燃焼器の消火装置。 - 前記タイマー8は複数の設定時間をセットすることができる機能を有しており、前記吸引ポンプ7は複数回通電されることを特徴とする請求項1に記載の石油燃焼器の消火装置。
- 前記燃料パイプ1は前記燃料ポンプ4と前記送油ノズル2との間に、凹部Aを設けた形状とし、該凹部Aと送油ノズル2との間に高所Bを形成し、前記タイマー8により通電される前記吸引ポンプ7は、燃料パイプ1内の残留液体燃料が燃料パイプ1の高所Bを越えて凹部Aまで吸引する様に吸引ポンプ7を制御した請求項1及び2に記載の石油燃焼器の消火装置。
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