JP4092931B2 - 蓄圧式燃料噴射装置及びそれに用いるオリフィス形成部材の製造方法 - Google Patents

蓄圧式燃料噴射装置及びそれに用いるオリフィス形成部材の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、蓄圧式燃料噴射装置及びそれに用いるオリフィス形成部材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、流路の流体流れを制御するために、流路を絞るオリフィスが広く利用されている。
例えば図9(A)に示すように、流路1がオリフィス形成部材2で仕切られ、そのオリフィス形成部材2を流路方向に貫通する細孔3でオリフィスが形成される。このオリフィス3により、オリフィス形成部材2の上流側から下流側への流体流量を制御する。
【0003】
また蓄圧式燃料噴射装置等では、図10に示すように、仕切部5で隔てられ各流路方向軸線Z1,Z2が互いに交差する2つの流路6,7についてその一方6から他方7への流体流量を制御するオリフィス8が形成される。このオリフィス8は、オリフィス形成部材9を概ねL字型のトンネル孔状に延び、その両端部がそれぞれ2つの流路6,7に向かって開口している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記図9(A)に示す構造において、オリフィス3が形成する流路3aの流体流量を少なくするには、孔状オリフィス3の直径を小さくして流路断面積を縮小しなければならない。しかし、オリフィス3の直径が小さくなるほど孔加工が難しくなり、加工コストが増大する。さらにオリフィス形成部材2の上流側と下流側との差圧が大きくなる場合、オリフィス形成部材2をオリフィス3の流路方向に厚くして耐圧強度を確保しようとすると、オリフィス長が長くなって孔加工がより一層困難となり、またオリフィス形成部材2が大型化する。
【0005】
因みに、図9(A)の構造でオリフィス長が長くなることを回避するには、図9(B)に示すようにオリフィス形成部材2’について、オリフィス3の入口側にオリフィス3よりも大径の孔4を形成する方法が考えられる。しかしこの方法では、大径孔4とオリフィス3とを正確に心合わせすることが難しく、オリフィス3の入口側形状が安定しないため、オリフィス3の流量係数、すなわちオリフィス流路3aの流量が製品毎にばらついてしまう。
【0006】
また上記図10に示す構造では、図9(A)に示す構造と同様、孔状オリフィス8の加工に難がある。さらにオリフィス8がL字型に形成されるので、オリフィス形成部材9が大型になる。またさらにオリフィス8の上流側部8aと下流側部8bとが互いに交差しているので、矢印で示すように、上流側部8aを通過した流体が流通方向前方を遮る下流側部8bの内壁に衝突し、その衝突部分が次第に摩耗する。特にこの構造が蓄圧式燃料噴射装置に適用される場合、加圧燃料がオリフィス8を流れるため、衝突部分での摩耗量が大きくなる。
【0007】
本発明の目的は、オリフィスを容易に形成できるオリフィス形成部材を用いた蓄圧式燃料噴射装置を提供することにある。本発明の他の目的は、小型化の可能なオリフィス形成部材を用いた蓄圧式燃料噴射装置を提供することにある。本発明のさらに他の目的は、オリフィス流路の流通流体による摩耗を抑制するオリフィス形成部材を用いた蓄圧式燃料噴射装置を提供することにある。
【0008】
本発明のさらに別の目的は、蓄圧式燃料噴射装置に用いられ、オリフィスを容易に且つ精巧に形成できるオリフィス形成部材の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載の蓄圧式燃料噴射装置は、弁ボディ、オリフィス形成部材および固定部材などを備えている。オリフィス形成部材は、弁ボディの噴孔とは反対側の端部と固定部材との間に固定されている。オリフィス形成部材の弁ボディ側の端面には、オリフィス溝が形成されている。弁ボディの仕切部を挟む両側には、加圧流体が流入する上流側の燃料通路を構成する第一流路と圧力制御通路を構成する第二流路とが形成されている。オリフィス形成部材のオリフィス溝は、第一流路及び第二流路の双方に露出し仕切部の端縁部に当接するオリフィス形成部材の弁ボディ側の端面すなわち露出壁部に開口し、その開口が第一流路と第二流路とに跨って延びることで、第一流路と第二流路とを連通するオリフィス流路を仕切部の端縁部との間に形成する。このオリフィスとして機能するオリフィス溝は従来の孔状オリフィスに比べて容易に形成できるので、製造コストを低減できる。
【0010】
本発明の請求項2に記載の蓄圧式燃料噴射装置のオリフィス形成部材によると、オリフィス溝は直線状に延伸している。そのため、オリフィス形成部材におけるオリフィス溝の形成領域を小さくできるので、オリフィス形成部材を小型化できる。また、オリフィス流路において流体流れを遮らないようにオリフィス溝の内壁を形成できるので、流体衝突によりオリフィス溝内壁が摩耗することを抑制できる。
【0015】
本発明の請求項に記載のオリフィス形成部材の製造方法によると、請求項1または2に記載の蓄圧式燃料噴射装置のオリフィス形成部材を製造するために、露出壁部となるワークの加工壁部を補完する形状に形成された当接壁部と、当接壁部に開口しその開口がオリフィス溝に対応した長さで延びる流通溝とを有する加工治具を用いる。そして、ワークの加工壁部に加工治具の当接壁部を当接させて、流通溝の長手方向の一端部側から他端部側に向かって液体研磨剤を流す。それにより、ワーク加工壁部のうち流通溝の開口に向かい合う部分を流体研磨してオリフィス溝を形成する。この方法によれば、オリフィスとして機能するオリフィス溝を、流路断面積が小さい場合でも容易に且つ精巧に形成できる。
尚、請求項1または2に記載の蓄圧式燃料噴射装置のオリフィス形成部材は、ワークの加工壁部に切削加工を施してオリフィス溝を形成すること等によっても製造できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を示す複数の実施例を図面に基づいて説明する。
参考例
本発明の参考例によるオリフィス形成部材としてのオリフィスプレートを図1〜3に示す。参考例によるオリフィスプレート10は、図1に示す流路形成部材20に設けられる。
【0017】
流路形成部材20は金属材で形成されている。流路形成部材20は概ね平板状の仕切部22を有し、仕切部22を板厚(図1にtで示す)方向に挟む両側に第一流路24と第二流路26とを形成している。第一流路24と第二流路26とは、各流路方向軸線X1,X2が互いに重なるように設けられている。仕切部22の周縁部は直線状の一端縁部28を残して、各流路24,26を形成する流路形成部材20の内壁部30,32に気密に連接している。仕切部22の板厚tは、上流側の第一流路24と下流側の第二流路26との差圧に応じて設定される。流路形成部材20には、仕切部22の端縁部28に対向する部分に嵌合凹部34が形成されている。
【0018】
オリフィスプレート10は金属材で概ね矩形平板状に形成されている。オリフィスプレート10は流路形成部材20の嵌合凹部34に嵌合固定され、外壁のうち、壁面が平坦面で構成された壁部12のみが第一流路24及び第二流路26の双方に露出している。以下、壁部12を露出壁部12という。オリフィスプレート10の外壁のうち露出壁部12とは反対側の壁部は、嵌合凹部34の底壁部に当接している。オリフィスプレート10には、露出壁部12に開口するオリフィス溝14が形成されている。オリフィス溝14はU字状断面で直線状に延伸する形状を有し、開口16が第一流路24と第二流路26とに跨るように延びている。本実施例のオリフィス溝14は、第一流路24及び第二流路26の各流路方向軸線X1,X2に平行に延伸している。オリフィス溝14の両端部14a,14bには、溝底に近づくにつれ互いに向かって傾斜する斜面が形成されている。
【0019】
仕切部22の端縁部28は、図2に破線で示すようにオリフィス溝開口16の長手方向中央部を延伸軸線Pに対し直角に横切るようにして、露出壁部12に気密に当接している。それにより、オリフィス溝14が一端部14a側で第一流路24に接続され、他端部14b側で第二流路26に接続されている。またそれにより、第一流路24と第二流路26とを連通するオリフィス流路18が、オリフィス溝14と、仕切部22の端縁部28のうち露出壁部12に当接していない部分との間に形成されている。オリフィス溝14の内法寸法は、オリフィス流路18による流体の制御流量に応じて設定される。但し、オリフィス溝14の長さLは、仕切部22の板厚tよりも大きな寸法に設定される。
尚、オリフィス溝14の断面形状については、上記U字状以外にも、例えば図4に示すV字状等であってもよい。
【0020】
次に、流路形成部材20にオリフィスプレート10を組付けた流体制御構造による流体制御について説明する。上流側の第一流路24を流れる流体は、オリフィス溝14の一端部14a側からオリフィス流路18に流入した後、オリフィス溝14の他端部14b側に向かってオリフィス流路18を流動する。このとき流体は、オリフィス溝14と仕切部22の端縁部28との絞り作用により流動抵抗を受けて圧力低下し、流量が所定値に制御される。この流量制御された流体はオリフィス流路18の他端部14b側から第二流路26へ流出する。
【0021】
本実施例のオリフィスプレート10は、露出壁部12のみが第一流路24及び第二流路26に露出しているので、第一流路24の流体圧力と第二流路26の流体圧力とを同一の平坦面で受けることができる。上述の流体制御により第一流路24と第二流路26とで差圧が生じるが、オリフィスプレート10は流路形成部材20の嵌合凹部34に嵌入されているので、差圧により露出壁部12の平坦面が受ける力を嵌合凹部34の底壁部からの反力で確実に打ち消すことができる。したがって、第一流路24と第二流路26との差圧による影響を軽減できる。
【0022】
またオリフィスプレート10によると、オリフィス溝14が直線状に形成されるので、当該プレート10におけるオリフィス溝14の形成領域を小さくできる。したがって、オリフィスプレート10の小型化を図ることができる。さらにオリフィス溝14が直線状に形成されることにより、オリフィス流路18における流体流れがオリフィス溝14の内壁で遮られない。したがって、オリフィス流路18の流通流体によりオリフィス溝14の内壁が摩耗することを抑制できる。この摩耗抑制効果は、オリフィス流路18に流入する流体が加圧流体であるとき特に有効である。
【0023】
次にオリフィスプレート10の製造方法について図5に基づき説明する。本実施例では図に示す製造装置50を用い、ワーク40に流体研磨加工を施してオリフィスプレート10を製造する。
ワーク40としては、オリフィスプレート10の外形形状に対応した概ね矩形平板形状の金属プレートを用いる。ワーク40の外壁のうち、壁面が平坦面で構成される壁部42は、上記流体研磨加工によりオリフィス溝14が形成されてオリフィスプレート10の露出壁部12となる。以下、壁部42を加工壁部42という。
【0024】
製造装置50は、ポンプ52、第一治具54、加工治具としての第二治具56を備えている。
ポンプ52は液体研磨剤を吸入し、所定の圧力で液体研磨剤を吐出する。液体研磨剤とは、研磨粒を含む液剤をいう。
【0025】
第一治具54は固定凹部58を有する。固定凹部58は、その内部にワーク40を嵌合固定して加工壁部42を外部に露出できるように設けられている。
第二治具56は、当接壁部60、流通溝62、導入孔64及び排出孔66を有する。当接壁部60は、ワーク40の加工壁部42全体を補完する形状に形成されている。流通溝62は当接壁部60に開口している。流通溝62はU字状断面で直線状に延伸する形状を有し、形成するオリフィス溝14に対応した幅及び長さで開口68が延びている。導入孔64の一端部はポンプ52の吐出口側に接続され、導入孔64の他端部は流通溝62の長手方向の一端部に接続されている。排出孔66の一端部は流通溝62の長手方向の他端部に接続され、排出孔66の他端部はポンプ52の吸入口側に接続されている。
【0026】
製造装置50を用いてオリフィスプレート10を製造するには、まず、第一治具54の固定凹部58にワーク40を嵌合して加工壁部42を露出させる。次に、その露出した加工壁部42に第二治具56の当接壁部60を押し当てて密接させる。続いて、ポンプ52を作動させて液体研磨剤を導入孔64へ吐出する。吐出された液体研磨剤は導入孔64により流通溝62に導かれ、流通溝62を導入孔64側から排出孔66側に向かって流れた後、排出孔66を通じてポンプ52に戻される。このとき流通溝62を流れる液体研磨剤により、加工壁部42のうち流通溝62の開口68に向かい合う部分が研磨されて徐々に凹む。流通溝62での液体研磨剤の流速、研磨時間等を適宜設定して上記研磨による凹みの量を調整することで、所望形状のオリフィス溝14がその凹みにより形成される。
【0027】
上述したオリフィスプレート10の製造方法によると、オリフィス溝14を機械的な切削加工ではなく流体研磨加工により形成するので、例えば幅が0.2mm程度の小さなオリフィス溝14であっても容易に且つ精巧に形成することができる。したがって、このように製造されるオリフィスプレート10によると、オリフィス流路18の流路断面積を縮小し、流体流量を少量で正確に制御することが可能となる。また容易にオリフィス溝14を加工できるので、その加工コストを低減できる。
尚、オリフィス流路18の流体流量を比較的多く設定できる場合、すなわちオリフィス溝14の断面積を大きく設定できる場合には、ワーク40の加工壁部42に切削加工を施してオリフィス溝14を形成するようにしてもよい。
【0028】
第一実施例
本発明の第一実施例による蓄圧式燃料噴射装置に用いられるオリフィス形成部材としてのオリフィスプレートを図6及び図7に示す。オリフィスプレート70は、図6,7に示す流体制御構造としての蓄圧式燃料噴射装置100に設けられている。
【0029】
具体的に蓄圧式燃料噴射装置100は、図示しないエンジンに搭載され、図示しないコモンレールから供給される加圧燃料をエンジンの各気筒に噴射する。蓄圧式燃料噴射装置100は、ノズルボディ110、バルブニードル120、弁ボディ130、電磁弁装置150及びオリフィスプレート70等を備える。
【0030】
ノズルボディ110は概ね円筒状に形成され、バルブニードル120を往復移動可能に収容している。ノズルボディ110の先端部には、噴孔111が形成されている。ノズルボディ110において噴孔111のバルブニードル120側には、弁座部112が形成されている。ノズルボディ110には、バルブニードル120の周囲で径外方向に膨らむ燃料溜まり113が形成されている。バルブニードル120の噴孔側端部には当接部121が形成されている。この当接部121は、ノズルボディ110の弁座部112に着座可能である。
【0031】
弁ボディ130は金属材で概ね円筒状に形成され、リテーニングナット131によりノズルボディ110に締結されている。弁ボディ130は制御ピストン132を往復移動可能に収容している。制御ピストン132の噴孔側端部がバルブニードル120の反噴孔側端部に当接している。弁ボディ130はその筒内壁で、第二流路としての圧力制御通路133を形成している。圧力制御通路133の一端部はオリフィスプレート70の燃料通路80に連通し、圧力制御通路133の他端部は制御ピストン132の反噴孔側端部で遮られている。弁ボディ130において圧力制御通路133の反噴孔側には、第一嵌合孔134と第二嵌合孔135とが形成されている。弁ボディ130にはコイルスプリング136が配設されている。コイルスプリング136はバルブニードル120を噴孔111側に向かって付勢している。
【0032】
弁ボディ130にはさらに燃料流入通路137が形成されている。この燃料流入通路137に、コモンレールから供給された加圧燃料が流入する。燃料流入通路137は、燃料通路138と、第一流路としての燃料通路139とに分岐している。燃料通路138は弁ボディ130及びノズルボディ110を貫通し、燃料流入通路137とは反対側の端部で燃料溜まり113に連通している。燃料通路139は弁ボディ130を貫通し、燃料流入通路137とは反対側の端部でオリフィスプレート70のオリフィス流路78に連通している。弁ボディ130のうち燃料通路139と圧力制御通路133とで挟まれる部分は仕切部140を構成している。換言すれば、燃料通路139と圧力制御通路133とは仕切部140を挟む両側に形成されている。燃料通路139及び圧力制御通路133はオリフィスプレート70側に向かうにつれ互いに近づくように、各流路方向軸線Y1,Y2を互いに交差させている。
【0033】
電磁弁装置150はリテーニングナット151により弁ボディ130の反噴孔側端部に締結されている。電磁弁装置150は、ステータ152、コネクタ部153、固定部材154、アーマチュア155、弁部材156等を有する。
【0034】
ステータ152は強磁性材で形成され、巻回されたコイル157を内包している。このコイル157にコネクタ部153から電力が供給される。ステータ152の内孔にコイルスプリング158が配設されている。コイルスプリング158はアーマチュア155及び弁部材156をオリフィスプレート70側に向かって付勢している。固定部材154は弁ボディ130の第二嵌合孔135に嵌合固定されている。アーマチュア155は強磁性材で形成され、円盤部159とシャフト部160とから構成されている。円盤部159は、ステータ152との間に生じる電磁吸引力により吸引可能に設けられている。シャフト部160は、固定部材154の内孔に往復移動可能に挿入されている。シャフト部160の反ステータ側端部に、概ね球状の弁部材156が回動可能に支持されている。弁部材156は、オリフィスプレート70の弁座部84に着座可能である。固定部材154には排出通路161が貫通している。
【0035】
以下、オリフィスプレート70について詳細に説明する。オリフィスプレート70は金属材で概ね矩形平板状に形成されている。オリフィスプレート70は第一嵌合孔134に嵌合固定され、外壁のうち、壁面が平坦面で構成される壁部72のみが燃料通路139及び圧力制御通路133の双方に露出している。以下、壁部72を露出壁部72という。オリフィスプレート70の外壁のうち露出壁部72とは反対側の壁部73は、固定部材154の外壁に当接している。固定部材154の外壁と第一嵌合孔134の内壁とが共同して嵌合凹部を構成し、弁ボディ130と固定部材154とが共同して流路形成部材を構成している。
【0036】
オリフィスプレート70には、露出壁部72に開口するオリフィス溝74が形成されている。参考例のオリフィス溝14と同様、本実施例のオリフィス溝74はU字状断面で直線状に延伸する形状を有し、開口76が燃料通路139と圧力制御通路133とに跨るように延びている。尚、オリフィス溝の断面形状は例えばV字状等であってもよい。仕切部140のオリフィスプレート70側の端縁部141は、オリフィス溝開口76をその延伸軸線に対し直角に横切るようにして、露出壁部72に気密に当接している。それにより、オリフィス溝74が一端部74a側で燃料通路139に接続され、他端部74b側で圧力制御通路133に接続されている。またそれにより、燃料通路139と圧力制御通路133とを連通するオリフィス流路78が、オリフィス溝74と、仕切部140の端縁部141のうち露出壁部72に当接していない部分との間に形成されている。オリフィス溝74の内法寸法は、要求される流体の制御流量に応じて設定される。但し、オリフィス溝74の長さL'については、燃料通路139及び圧力制御通路133の各端部で挟まれる仕切部端縁部141の厚みt'よりも大きな寸法に設定される。
【0037】
オリフィスプレート70にはさらに燃料通路80が形成され、燃料通路80の固定部材側端部にオリフィス流路82が形成されている。オリフィスプレート70においてオリフィス流路82の流路壁が前記壁部73に開口する部分の周囲に、弁座部84が形成されている。弁部材156が弁座部84から離座するとき、オリフィス流路82と排出通路161とが連通する。燃料通路80の反固定部材側端部は、圧力制御通路133とオリフィス流路78とに連通している。
【0038】
次に、オリフィスプレート70による流体制御について説明するために、蓄圧式燃料噴射装置100の作動について詳述する。
コイル157の非通電時には、コイルスプリング158の付勢力により弁部材156が弁座部84に着座し、オリフィス流路82と排出通路161との連通が遮断される。この状態で、コモンレールから燃料流入通路137に流入した加圧燃料の一部は燃料通路138を経由して燃料溜まり113に蓄えられる。また、加圧燃料の残りは燃料通路139を経由してオリフィス溝74の一端部74a側からオリフィス流路78に流入し、オリフィス溝74の他端部74b側に向かってオリフィス流路78を流動する。このとき加圧燃料は、オリフィス溝74と仕切部端縁部141との絞り作用により流動抵抗を受けて圧力低下し、流量が所定値に制御される。この流量制御された加圧流体は、オリフィス流路78の他端部74b側から圧力制御通路133に流れ、蓄えられる。
【0039】
圧力制御通路133に蓄えられる燃料圧力は、上記オリフィス流路82と排出通路161との連通遮断により、コモンレール内部の燃料圧力と同一値に維持される。この圧力制御通路133の燃料圧力による力を制御ピストン132を介して受け、コイルスプリング136の付勢力を直接受けるバルブニードル120は、燃料溜まり113及び弁座部112付近の燃料圧力による力に抗して噴孔111側へ押される。これによりバルブニードル120の当接部121が弁座部112に着座し、噴孔111が閉塞されるため、燃料は噴射されない。
【0040】
コイル157への通電が開始されると、アーマチュア155がステータ152に向かって吸引され、弁部材156が弁座部84から離座する。すると、オリフィス流路82と排出通路161とが連通し、圧力制御通路133の燃料圧力が低下する。そのため、圧力制御通路133の燃料圧力による力とコイルスプリング136の付勢力との和が減少し、バルブニードル120が反噴孔側へリフトする。これにより、バルブニードル120の当接部121が弁座部112から離座し、噴孔111が開放され、噴孔111から燃料が噴射される。
【0041】
本実施例のオリフィスプレート70は、露出壁部72のみが燃料通路139及び圧力制御通路133に露出しているので、燃料通路139の燃料圧力と圧力制御通路133の燃料圧力とを同一の平坦面で受けている。燃料通路139と圧力制御通路133とでは上述した作動により差圧が生じるが、オリフィスプレート70は第一嵌合孔134に嵌合され固定部材154の外壁に当接しているので、差圧により露出壁部72の平坦面が受ける力を固定部材154からの反力で確実に打ち消すことができる。したがって、燃料通路139と圧力制御通路133との差圧による影響を軽減できる。
【0042】
さらにオリフィスプレート70では、オリフィス溝74を直線状に形成するので、その形成領域を小さくして小型化を図ることができ、またオリフィス流路78を流れる加圧燃料の衝突によりオリフィス溝74の内壁が摩耗することを防止できる。
【0043】
上述した第一実施例のオリフィスプレート70は、参考例によるオリフィスプレート10の製造方法に準じてオリフィス溝14に相当するオリフィス溝74をワーク40に形成した後、燃料通路80及びオリフィス流路82を形成する孔をワーク40に穿つことで製造できる。したがって、小さなオリフィス溝74であっても精巧に、しかも容易に形成できるので、オリフィス流路78の流体流量を少量且つ正確に制御するオリフィスプレート70を安価に製造できる。
【0044】
以上説明した上記複数の実施例では、露出壁部12,72の壁面を平坦面で構成したが、露出壁部の壁面を例えば湾曲面、断面V字状の凹面、断面山形状の凸面等で構成してもよい。
また上記複数の実施例では、オリフィスプレート10,70の外壁のうち露出壁部12,72のみを第一流路24及び第二流路26に露出させていた。これに対し、参考例による流体制御構造の変形例を図8に示すように、流路形成部材20の嵌合凹部34に嵌合固定したオリフィス形成部材(オリフィスプレート)10の外壁のうち露出壁部12以外の壁部13,15等も第一流路24又は第二流路26に露出させるようにしてもよい。その場合、オリフィス溝14の端部14aで受ける第一流路24の圧力による力は、壁部13で受ける第一流路24の圧力による力を打ち消すように働く。またオリフィス溝14の端部14bで受ける第二流路26の圧力による力は、壁部15で受ける第二流路26の圧力による力を打ち消すように働く。したがって、第一流路24と第二流路26との差圧による影響を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の参考例によるオリフィスプレートを流路形成部材に組付けた流体制御構造を示す断面図である。
【図2】 図1に示すオリフィスプレートの平面図である。
【図3】 図2のIII−III断面図である。
【図4】 図1に示すオリフィスプレートの断面形状の変形例を示す断面図であって、図2のIII−III断面図に対応する図である。
【図5】 図1に示すオリフィスプレートの製造装置を示す模式図である。
【図6】 本発明の第一実施例によるオリフィスプレートを備える蓄圧式燃料噴射装置を示す断面図である。
【図7】 図6における痾部の拡大図である。
【図8】 図1に示す流体制御構造の変形例を示す断面図である。
【図9】 従来のオリフィスの形成例を示す断面図である。
【図10】 従来のオリフィスの別の形成例を示す断面図である。
【符号の説明】
10,70 オリフィスプレート(オリフィス形成部材)
12,72 露出壁部
14,74 オリフィス溝
16,76 オリフィス溝の開口
18,78 オリフィス流路
20 流路形成部材
22,140 仕切部
24 第一流路
26 第二流路
28,141 端縁部
34 嵌合凹部
40 ワーク
42 加工壁部
50 製造装置
52 ポンプ
54 第一治具
56 第二治具(加工治具)
60 当接壁部
62 流通溝
68 流通溝の開口
100 蓄圧式燃料噴射装置
130 弁ボディ(流路形成部材)
133 圧力制御通路(第二流路)
134 第一嵌合孔(嵌合凹部)
139 燃料通路(第一流路)
154 固定部材(流路形成部材、嵌合凹部)

Claims (3)

  1. 流体を噴射する噴孔を有する弁ボディと、
    前記弁ボディに支持されて軸方向へ往復移動し、前記噴孔を開閉するニードルに接するピストンと、
    前記ピストンの前記ニードルとは反対側において、前記弁ボディとの間に設けられている圧力制御通路と、
    前記弁ボディを貫いて設けられ、流体を供給する供給源と前記圧力制御通路とを連通する燃料通路と、
    前記弁ボディの前記噴孔とは反対側の端部に設けられているオリフィス形成部材と、
    前記オリフィス形成部材を前記弁ボディに固定する固定部材とを備える蓄圧式燃料噴射装置であって、
    前記オリフィス形成部材は、
    前記弁ボディが形成する仕切部を挟む両側に加圧流体が流入する上流側の前記燃料通路を構成する第一流路と前記圧力制御通路を構成する第二流路とを連通するオリフィス流路を形成し、
    前記第一流路及び前記第二流路の双方に露出し、前記仕切部の端縁部に当接する露出壁部と、
    前記露出壁部に開口しその開口が前記第一流路と前記第二流路とに跨って延び、前記第一流路と前記第二流路とを連通する前記オリフィス流路を前記仕切部の前記端縁部との間に形成するオリフィス溝と、
    を備えることを特徴とする蓄圧式燃料噴射装置
  2. 前記オリフィス溝は直線状に延伸していることを特徴とする請求項1に記載の蓄圧式燃料噴射装置
  3. 請求項1または2に記載の蓄圧式燃料噴射装置のオリフィス形成部材を製造する方法であって、
    前記露出壁部となるワークの加工壁部を補完する形状に形成された当接壁部と、前記当接壁部に開口しその開口が前記オリフィス溝に対応した長さで延びる流通溝とを有する加工治具を用い、
    前記ワークの前記加工壁部に前記加工治具の前記当接壁部を当接させて、前記流通溝の長手方向の一端部側から他端部側に向かって液体研磨剤を流すことにより、前記加工壁部のうち前記流通溝の前記開口に向かい合う部分を流体研磨して前記オリフィス溝を形成することを特徴とするオリフィス形成部材の製造方法。
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