JP4092266B2 - 警報器点検回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、センサにより火災やガス漏れを検知して警報する警報器の点検を行う警報器点検回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガスセンサには、都市ガス検知用、CO(一酸化炭素)検知用があり、検知原理としては半導体式、接触燃焼式が用いられている。また、火災検知センサには、NTCサーミスタを用いるものが普及している。そして、これらを一体化した火災・ガス漏れ複合型警報器も普及している。
【0003】
当該複合型警報器は、一般的に図11のブロック図に示すように、電源回路100、各種センサ210〜230、各種センサ検出回路310〜330、温度補償回路600、表示回路710、音声警報回路720、火災警報回路730、外部出力回路740、マイコン回路400、および点検スイッチ800を備えて構成されている。図12〜15は、各種センサ210〜230および各種センサ検出回路310〜330の回路構成を示す図である。
【0004】
このように、各種警報器や複合型警報器の点検を行う場合、都市ガス用のガスセンサに関しては、ライター生ガスや各家庭のガスコンロ等より採取したガスを利用して点検している。COガス用のセンサに関しては、一般的にはブタンガスが充填された簡易ライターの内炎部分よりセラミック製のノズルのついたスポイトで採取したCOガスを利用して点検している。火災センサに関しては、ドライヤー等の熱源を用いて、点検している。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−16068号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記手法により点検を行うことは、点検作業に習熟度が必要であること、点検用具が必要であること、および非常に時間がかかるといった問題点がある。また、点検スイッチ800付きの警報器も、図11に示すブロック図のa部のみを点検するものであった。当該警報器の一例は、特許文献1に開示されている。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、センサおよび検出回路も含めた警報器の点検を容易に行うことができ、点検精度にも優れた警報器点検回路を提供することを目的とする。
【0008】
また本発明は、警報すべき状態で警報器が正常に機能することに加えて、警報する必要のない状態で警報器が作動してしまう誤警報の恐れがあるか否かも検出することができる警報器点検回路を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、請求項1記載の発明は、図1に示すように、電源回路100から給電されており、ガス濃度または雰囲気温度の変化に対応して内部抵抗値が変化するガス漏れまたは火災検知用のセンサ200と、前記センサ200に対して並列に接続される、第1の抵抗および通常時オフの第1のスイッチ手段からなる第1の直列回路と前記センサ200に対して並列に接続される、第2の抵抗および通常時オフの第2のスイッチ手段からなる第2の直列回路と、前記ガス濃度又は雰囲気温度が予め定められた警報レベル以上である警報状態にあるか否かを判定するための参照値に対応する信号と、前記センサ200の内部抵抗値に対応する信号とを比較して前記ガス濃度または前記雰囲気温度が前記警報状態にあるか否かを検出する検出手段と、を有し、前記第1の抵抗R1の抵抗値を、前記ガス濃度または雰囲気温度の標準状態において前記第1のスイッチ手段SW1がオンしたときに生じる前記センサ200の内部抵抗と前記第1の抵抗R1との第 1 の合成抵抗値に対応する信号として、前記ガス濃度又は雰囲気温度が前記警報レベル以上の際の前記センサ200の内部抵抗値に対応する信号の値と同一の値の信号が発生する抵抗値に定め、前記第2の抵抗R2の抵抗値を、前記ガス濃度または雰囲気温度の標準状態において前記第2のスイッチ手段SW2がオンしたときに生じる前記センサ200の内部抵抗と前記第2の抵抗との第2の合成抵抗値に対応する信号として、前記ガス濃度又は雰囲気温度が前記警報レベル未満の際の前記センサ200の内部抵抗値に対応する信号の値と同一の値の信号が発生する抵抗値に定め、前記検出手段は、前記第1のスイッチ手段SW1のオン中は、前記第 1 の合成抵抗値に対応する信号と前記参照値に対応する信号とを比較して前記警報状態にあるか否かの検出を行い、前記第2のスイッチ手段SW2のオン中には、前記第2の合成抵抗値に対応する信号と前記参照値に対応する信号とを比較して、前記警報状態にあるか否かの検出を行うことを特徴としている。
【0010】
したがって、請求項1記載の発明によれば、ガス漏れまたは火災検知用のセンサ200に対して、第1の抵抗R1および第1のスイッチ手段SW1からなる第1の直列回路を並列に接続し、ガス濃度または雰囲気温度の標準状態(点検時)において第1のスイッチ手段SW1をオンしてセンサ200の内部抵抗と第1の抵抗R1との合成抵抗により、ガス濃度又は雰囲気温度が警報レベル以上の状態にあるときの、センサ200の内部抵抗と同じ抵抗値の擬似状態を作り出すことにより、センサ200および検出回路も含んだ警報器の点検を容易に行うことができる。
さらに、ガス漏れまたは火災検知用のセンサ200に対して、第2の抵抗R2および第2のスイッチ手段SW2からなる第2の直列回路を並列に接続し、ガス濃度または雰囲気温度の標準状態(点検時)において第2のスイッチ手段SW2をオンして、センサ200の内部抵抗と第2の抵抗R2との合成抵抗により、ガス濃度又は雰囲気温度が警報レベル未満の状態にあるときの、センサ200の内部抵抗と同じ抵抗値の擬似状態を作り出し、標準状態(点検時)において第2のスイッチ手段SW2をオンしたときに検出手段が警報状態にあると誤判定するか否かによって、経時劣化による抵抗値変化がセンサ200に発生しているかどうかについても点検することができる。
【0017】
請求項2記載の発明は、ガス濃度の変化に対応して内部抵抗値が変化する検知素子221およびガス濃度の変化に対応して内部抵抗値が変化しない比較素子222を含むブリッジ回路で構成される接触燃焼式センサと、前記比較素子に対して並列に接続される、第1の抵抗R1および通常時オフの第1のスイッチ手段SW1からなる第1の直列回路と、前記比較素子に対して並列に接続される、第2の抵抗R2および通常時オフの第2のスイッチ手段SW2からなる第2の直列回路と、前記ガス濃度が予め定められた警報レベル以上である警報状態にあるか否かを判定するための参照値に対応する信号と前記検知素子と前記比較素子との接続点にあらわれる信号とを比較して前記ガス濃度または前記雰囲気温度が前記警報状態にあるか否かを検出する検出手段と、を有し、前記第1の抵抗の抵抗値を、前記ガス濃度の標準状態において前記第1のスイッチ手段がオンしたときに生じる前記比較素子の内部抵抗と前記第1の抵抗との第1の合成抵抗値に対応する前記接続点にあらわれる信号として、前記ガス濃度が前記警報レベル以上の際に前記接続点にあらわれるべき信号の値の信号が発生する抵抗値に定め、前記第2の抵抗の抵抗値を、前記ガス濃度の標準状態において前記第2のスイッチ手段がオンしたときに生じる、前記比較素子の内部抵抗と前記第2の抵抗との第2の合成抵抗値に対応する前記接続点にあらわれる信号として、前記ガス濃度が前記警報レベル未満の際に前記接続点にあらわれるべき信号の値の信号が発生する抵抗値に定め、前記検出手段は、前記第1のスイッチ手段のオン中は、前記第 1 の合成抵抗値に対応する信号と前記参照値に対応する信号とを比較して前記警報状態にあるか否かの検出を行い、前記第2のスイッチ手段のオン中には、前記第2の合成抵抗値と前記参照値に対応する信号とを比較して前記警報状態にあるか否かの検出を行うことを特徴としている。
【0018】
したがって、請求項2記載の発明によれば、接触燃焼式センサ220の比較素子222に対して、第1の抵抗R1および第1のスイッチ手段SW1からなる第1の直列回路を並列に接続し、ガス濃度または雰囲気温度の標準状態(点検時)に第1のスイッチ手段SW1をオンして比較素子222の内部抵抗と第1の抵抗R1との合成抵抗により、ガス濃度が警報レベル以上の状態にあるときの、検知素子221と比較素子222との接続点にあらわれる信号と同じ信号レベルの擬似状態を作り出すことにより、センサおよび検出回路も含んだ警報器の点検を容易に行うことができる。
さらに、接触燃焼式センサ220の比較素子222に対して、第2の抵抗R2および第2のスイッチ手段SW2からなる第2の直列回路を並列に接続し、ガス濃度の標準状態(点検時)において第2のスイッチ手段SW2をオンして、比較素子222の内部抵抗と第2の抵抗R2との合成抵抗により、ガス濃度が警報レベル未満の状態にあるときの、検知素子221と比較素子222との接続点にあらわれる信号と同じ信号レベルの擬似状態を作り出し、標準状態(点検時)において第2のスイッチ手段SW2をオンしたときに検出手段が警報状態にあると誤判定するか否かによって、経時劣化による抵抗値変化が検知素子221に発生しているかどうかについても点検することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0022】
図1は、本発明の第1の実施形態における警報器点検回路の基本構成を示す回路図である。当該警報器点検回路は、電源回路100、抵抗R3、センサ200、抵抗R1、スイッチ手段SW1、検出回路300、およびマイコン回路400を備える。
【0023】
センサ200は、大気中のガス濃度の変化や雰囲気温度の変化により内部抵抗値が変化するセンサである。センサ200の具体例については後述する。電源回路100からの入力電圧は、抵抗R3とセンサ200の内部抵抗とにより分圧され、検出回路300に入力される。
【0024】
検出回路300は、ガス濃度や雰囲気温度が警報レベル以上である警報状態であるか否かを判定するための参照値(以下の説明では電圧)と、抵抗R3とセンサ200の内部抵抗とにより分圧された電圧とを比較し、当該電圧が上記参照値と同一または上記参照値をガス濃度または温度が上がる方に超えたときは、例えばHiレベルの信号をマイコン回路400に出力する。ここで、参照値は、上記警報レベルを所定のマージン分上回った際のガス濃度等に対応した値に設定してもよい。
【0025】
マイコン回路400は、CPU、ROM、RAM等をIC化した回路である。当該CPUは、当該ROMに内蔵されたプログラムや基礎データおよび外部から入力されるデータに従い、上記RAMをワークエリアとして利用して警報器全体を制御する。マイコン回路400は、検出回路300から上記Hiレベルの信号を入力されると、図示しない警報回路に警告音や音声ガイダンスを発するように指示する。また、マイコン回路400は、検出回路300の点検を行う際、スイッチ手段SW1をオンするための制御信号を出力する。
【0026】
抵抗R1は、検出回路300に入力される電圧が上記参照値となるセンサ200の内部抵抗値を擬似的に生成するために、センサ200と並列に設けられる。即ち、標準状態におけるセンサ200の内部抵抗と抵抗R1との合成抵抗値が、スイッチ手段SW1がオフのときに上記参照値を発生させるセンサ200の内部抵抗値と同一になるように、抵抗R1の抵抗値が設定される。スイッチ手段SW1は、常時オフ状態であり、マイコン回路400から信号を入力されたときオンする。スイッチ手段SW1は、通常のスイッチ、トランジスタ、リレー等を用いることができる。
【0027】
なお、図1において独立の検出回路300を設けずに、検出回路300の機能をマイコン回路400内で行ってもよい。その場合、抵抗R1とセンサ200の内部抵抗とにより分圧された電圧は、マイコン回路400のA/D入力ポートに入力される。また、センサ200の内部抵抗値を検出する手法としては、抵抗R3とセンサ200の内部抵抗との分圧電圧を検出する手法に限るものではなく、例えばセンサ200の後段に電流検出用の抵抗を設けて、それにあらわれる電圧を検出するといった手法でもよい。
【0028】
次に、センサ200に接触燃焼式センサ220を用いてCOガスを検出する警報器点検回路について説明する。図2は、当該接触燃焼式センサを用いた警報器点検回路の構成を示す回路図である。接触燃焼式センサ220は、ブリッジ回路を形成しており、当該ブリッジ回路は、検知素子221、比較素子222、抵抗R4、抵抗R5、および抵抗R6から構成される。抵抗R6を可変することにより、当該ブリッジ回路の抵抗バランスが調整される。
【0029】
検知素子221は、抵抗線として機能する白金線の中央部にコイル部分形状を、白金、パラジウム等の触媒を含有させたセラミック材料で覆ってボール状に形成される。比較素子222は、白金線の中央部に形成したコイル形状部分を触媒を含有しないセラミック材料で覆ってボール状に形成したものである。検知素子221は、COガスが接触すると接触燃焼反応を生じ、その反応により温度が上昇して電気抵抗が大きくなる。比較素子222は、接触燃焼反応を起こさない。
【0030】
上記ブリッジ回路は、COガスを検知すると、検知素子221と比較素子222との抵抗バランスが崩れる。検知素子221の抵抗が大きくなると当該ブリッジ回路の出力電圧が低下する。検出回路320は、当該ブリッジ回路の抵抗バランスの崩れに対応した電圧変化を検出し、COガスの濃度が警報状態であるか否かを検出する。
【0031】
抵抗R1は、当該ブリッジ回路の出力電圧が、検出回路320におけるCOガスの濃度が警報状態であるか否かを判断するための予め設定された上記参照値を発生させるための検知素子221の内部抵抗値を擬似的に生成するために、比較素子222と並列に設けられる。即ち、検知素子221が標準状態において、比較素子222の内部抵抗を並列に設けた抵抗R1により擬似的に可変し、上記出力電圧を作り出すことができるように、抵抗R1の抵抗値を設定する。スイッチSW1は、常時オフ状態であり、点検を指示する制御信号aを入力されたときオンする。
【0032】
次に、センサ200に半導体式センサ210aを用いてメタン等の可燃性ガスを検出する警報器点検回路について説明する。図3は、当該半導体式センサを用いた警報器点検回路の構成を示す回路図である。半導体式センサ210aは、可燃性ガスに対する反応を向上させるために、加熱用の電圧が印加されており、350℃程度に加熱されている。半導体式センサ210aは、通常大気中においては内部抵抗Rsが高い状態であり、可燃性ガスが吸着すると内部抵抗Rsが低くなる。検出回路310は、半導体式センサ210aの抵抗変化により抵抗R7を流れる電流変化を検出し、可燃性ガスの濃度が警報状態であるか否かを検出する。
【0033】
抵抗R1は、抵抗R7にあらわれる電圧が、検出回路310における可燃性ガスの濃度が警報レベルか否かを判断するための予め設定された上記参照値を発生させるための半導体式センサ210aの内部抵抗値Rsを擬似的に生成するために、半導体式センサ210aと並列に設けられる。即ち、標準状態における半導体式センサ210aの内部抵抗Rsおよび抵抗R1の合成抵抗値と、スイッチSW1がオフのときに上記参照値を発生させる半導体式センサ210aの内部抵抗値とが同一になるように、抵抗R1の抵抗値が設定される。スイッチSW1は、常時オフ状態であり、点検を指示する制御信号bを入力されたときオンする。
【0034】
図3において、例えば、半導体式ガスセンサ210aのエアーベース時の内部抵抗が100[kΩ]で、メタン3000[ppm]のガス中内部抵抗が3[kΩ]の場合、抵抗R1を3.1[Ω]に設定することで、エアーベースが正常範囲内にあるか否かまたは警報機能が正常か否かを確認することができる。
【0035】
次に、半導体式ガスセンサのバリエーションとして、センサ200に半導体式センサ210bを用いてメタン等の可燃性ガスを検出する警報器点検回路について説明する。図4は、当該半導体式センサを用いた警報器点検回路の構成を示す回路図である。半導体式センサ210bは、可燃性ガスに対する反応を向上させるために、加熱用の電圧が印加されており、350℃程度に加熱されている。半導体式センサ210aは、通常大気中においては内部抵抗Rhおよび内部抵抗Rsが高い状態であり、可燃性ガスが吸着すると内部抵抗Rhおよび内部抵抗Rsが低下する。検出回路310は、抵抗R8と、内部抵抗Rhおよび内部抵抗Rsとにより分圧された電圧を検出し、可燃性ガスが警報状態であるか否かを検出する。
【0036】
抵抗R1は、検出回路310に入力される電圧が、検出回路310における可燃性ガスの濃度が警報状態であるか否かを判断するための予め設定された上記参照値を発生させるための半導体式センサ210bの内部抵抗Rhおよび内部抵抗値Rsを擬似的に生成するために、半導体式センサ210bと並列に設けられる。即ち、所定の待機状態における半導体式センサ210bの内部抵抗Rh、内部抵抗Rsおよび抵抗R1の合成抵抗値と、スイッチSW1がオフのときに上記参照値を発生させる半導体式センサ210bの内部抵抗Rhおよび内部抵抗Rsとが同一になるように、抵抗R1の抵抗値が設定される。スイッチSW1は、常時オフ状態であり、点検を指示する制御信号b´を入力されたときオンする。
【0037】
次に、センサ200にサーミスタ230を用いて火災を検知する警報器点検回路について説明する。図5は、当該サーミスタ230を用いた警報器点検回路の構成を示す回路図である。サーミスタ230は、雰囲気温度により抵抗値が変化する素子である。負の温度係数を持つNTC型を用いると、温度上昇に対して抵抗値が低下する。検出回路330は、抵抗R9と、サーミスタ230とにより分圧された電圧を検出し、雰囲気温度が警報状態であるか否かを検出する。
【0038】
抵抗R1は、検出回路330に入力される電圧が、検出回路330における雰囲気温度が警報状態であるか否かを判断するための予め設定された上記参照値を発生させるためのサーミスタ230の抵抗値を擬似的に生成するために、サーミスタ230と並列に設けられる。即ち、標準状態におけるサーミスタ230および抵抗R1の合成抵抗値と、スイッチSW1がオフのときに上記参照値を発生させるサーミスタ230の抵抗値とが同一になるように、抵抗R1の抵抗値が設定される。スイッチSW1は、常時オフ状態であり、点検を指示する制御信号cを入力されたときオンする。
【0039】
次に、図2〜図5で説明した火災およびガス漏れを検出するセンサ210〜230を内蔵する複合型の警報器における点検方法について説明する。図6に示すように、警報器のケースの突出している点検スイッチ800を、点検作業者が押下することにより、配線基板に実装されたマイコン回路400に点検開始の指示を与えることができる。マイコン回路400は、点検スイッチ800が押下されると、図7に示すように、図2〜図4に示した警報器点検回路のスイッチSW1に制御信号a〜cを出力して、スイッチSW1をオンする。
【0040】
このとき、マイコン回路400は、図示しない内蔵するタイマ回路による時間制御に従い、制御信号a〜cを所定の順番で各警報器点検回路に出力する。なお、最初にすべてのスイッチSWに制御信号a〜cを出力してもよい。
【0041】
また、図8に示すように、点検スイッチ800を各点検回路ごとに設けてもよい。この場合、マイコン回路400を介さずに、手動で各点検回路ごとに点検することができる。
【0042】
次に、第2の実施形態について説明する。図9は、本発明の第1の実施形態における警報器点検回路の基本構成を示す回路図である。当該警報器点検回路は、電源回路100、抵抗R3、センサ200、抵抗R1、スイッチ手段SW1、抵抗R2、スイッチ手段SW2、およびマイコン回路400を備える。
【0043】
第2の実施形態は、図1に示した回路構成に抵抗R2、スイッチ手段SW2を付加した構成である。センサ200についての説明は第1の実施形態と同様である。また、図1の検出回路300の機能は、マイコン回路400が担う。
【0044】
マイコン回路400は、スイッチSW1オン時には、A/Dポートに入力される抵抗R1およびセンサ200の内部抵抗による合成抵抗により分圧された電圧と、上記参照値とを比較する。当該比較の結果、上記電圧が上記参照値と同一または上記参照値をガス濃度または温度が上がる方に超えたときは、図示しない警報回路に警告音や音声ガイダンスを発するように指示する。
【0045】
また、マイコン回路400は、スイッチSW2オン時には、A/Dポートに入力される抵抗R2およびセンサ200の内部抵抗による合成抵抗により分圧された電圧と、上記参照値とを比較する。当該比較の結果、上記電圧が上記参照値と同一または上記参照値をガス濃度または温度が上がる方に超えたときは、図示しない警報回路に警告音や音声ガイダンスを発するように指示する。
【0046】
抵抗R1の抵抗値は、スイッチ手段SW1がオン時の上記A/D入力ポートに入力される電圧が、ガス濃度または雰囲気温度が上記警報レベル(図10におけるスレッシュホルド)を所定のマージン分(α)上回った値(スレッシュホルド+α)になるように設定される。即ち、標準状態におけるセンサ200の内部抵抗と抵抗R1との合成抵抗値が、上記スレッシュホルド+αの値を発生させるためのセンサ200の内部抵抗値と同一になるように、抵抗R1の抵抗値が設定される。
【0047】
抵抗R2の抵抗値は、スイッチ手段SW2がオン時の上記A/D入力ポートに入力される電圧が、上記警報レベル(図10におけるスレッシュホルド)を所定のマージン分(β)下回った値(スレッシュホルド−β)になるように設定される。即ち、標準状態におけるセンサ200の内部抵抗と抵抗R2との合成抵抗値が、上記スレッシュホルド−βの値を発生させるためのセンサ200の内部抵抗値と同一になるように、抵抗R2の抵抗値が設定される。
【0048】
次に、図9に示す点検回路の動作を図10を参照して説明すると、スイッチ手段SW1がオンしたとき、当該警報器が警報すれば正常であり、警報しなければ異常である。スイッチ手段SW2がオンしたとき、警報すれば異常であり、警報しなければ正常である。即ち、当初はスイッチ手段SW2のオン時に警報が行われることはないが、センサ200の内部抵抗値が経時変化により変化した場合、スイッチSW2のオン時に警報が行われるようになる場合もある。したがって、スイッチ手段SW2のオン時に警報が行われるようになったら、センサ200の内部抵抗値が経時変化により変化したと認識することができ、そのような状態についても点検することができる。
【0049】
なお、図2〜5に示したセンサ210〜230に第2の実施形態を適用した説明は省略する。第2の実施形態は、センサの状態を示す電圧と比較する電圧が複数存在するため、マイコン回路400で比較処理をしたほうが回路を簡素化することができる。
【0050】
以上説明したように、第1および第2の実施形態によれば、図11のブロック図のa部だけでなくb部も含めた警報器の動作確認が可能となる。
【0051】
なお、上述した実施形態は、本発明の好適な実施形態の一例を示したものであり、本発明はそれに限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施が可能である。
【0052】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、請求項1記載の発明によれば、ガス漏れまたは火災検知用のセンサに対して、第1の抵抗および第1のスイッチ手段からなる第1の直列回路を並列に接続し、ガス濃度または雰囲気温度の標準状態(点検時)において第1のスイッチ手段をオンしてセンサの内部抵抗と第1の抵抗との合成抵抗により、ガス濃度又は雰囲気温度が警報レベルまたはそれ以上の状態にあるときの、センサの内部抵抗と同じ抵抗値の擬似状態を作り出すことにより、センサおよび検出回路も含んだ警報器の点検を容易に行うことができる。
さらに、ガス漏れまたは火災検知用のセンサに対して、第2の抵抗および第2のスイッチ手段からなる第2の直列回路を並列に接続し、ガス濃度または雰囲気温度の標準状態(点検時)において第2のスイッチ手段をオンして、センサの内部抵抗と第2の抵抗との合成抵抗により、ガス濃度又は雰囲気温度が警報レベル未満の状態にあるときの、センサの内部抵抗と同じ抵抗値の擬似状態を作り出し、標準状態(点検時)において第2のスイッチ手段をオンしたときに検出手段が警報状態にあると誤判定するか否かによって、経時劣化による抵抗値変化がセンサに発生しているかどうかについても点検することができる。
【0056】
請求項2記載の発明によれば、接触燃焼式センサの比較素子に対して、第1の抵抗および第1のスイッチ手段からなる第1の直列回路を並列に接続し、ガス濃度の標準状態(点検時)に第1のスイッチ手段をオンして比較素子の内部抵抗と第1の抵抗との合成抵抗により、ガス濃度が警報レベルまたはそれ以上の状態にあるときの、検知素子と比較素子との接続点にあらわれる信号と同じ信号レベルの擬似状態を作り出すことにより、センサおよび検出回路も含んだ警報器の点検を容易に行うことができる。
さらに、接触燃焼式センサの比較素子に対して、第2の抵抗および第2のスイッチ手段からなる第2の直列回路を並列に接続し、ガス濃度の標準状態(点検時)において第2のスイッチ手段をオンして、比較素子の内部抵抗と第2の抵抗との合成抵抗により、ガス濃度が警報レベル未満の状態にあるときの、検知素子と比較素子との接続点にあらわれる信号と同じ信号レベルの擬似状態を作り出し、標準状態(点検時)において第2のスイッチ手段をオンしたときに検出手段が警報状態にあると誤判定するか否かによって、経時劣化による抵抗値変化が検知素子に発生しているかどうかについても点検することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における警報器点検回路の基本構成を示す回路図である。
【図2】本発明の接触燃焼式センサを用いた警報器点検回路の構成を示す回路図である。
【図3】本発明の半導体式センサを用いた警報器点検回路の構成を示す回路図である。
【図4】本発明の半導体式センサを用いた警報器点検回路の構成を示す回路図(バリエーション)である。
【図5】本発明のサーミスタ230を用いた警報器点検回路の構成を示す回路図である。
【図6】警報器ケース内における点検スイッチとマイコン回路を示す概略図である。
【図7】図2〜図4に示す点検回路にに出力する制御信号a〜cの生成方法を示す図である。
【図8】図2〜図4に示す点検回路にに出力する制御信号a〜cの生成方法を示す図(バリエーション)である。
【図9】本発明の第2の実施形態における警報器点検回路の基本構成を示す回路図である。
【図10】本発明の第2の実施形態における警報器点検回路の動作を説明するための図である。
【図11】一般的な火災・ガス漏れ複合型警報器の構成を示すブロック図である。
【図12】従来技術における接触燃焼式センサを用いた警報器点検回路の構成を示す回路図である。
【図13】従来技術における半導体式センサを用いた警報器点検回路の構成を示す回路図である。
【図14】従来技術における半導体式センサを用いた警報器点検回路の構成を示す回路図(バリエーション)である。
【図15】従来技術におけるサーミスタ230を用いた警報器点検回路の構成を示す回路図である。
【符号の説明】
100 電源回路
200 センサ
210a、210b 半導体式センサ
221 検出素子
222 比較素子
230 サーミスタ
300 検出回路
400 マイコン回路
Claims (2)
- 電源回路から給電されており、ガス濃度または雰囲気温度の変化に対応して内部抵抗値が変化するガス漏れまたは火災検知用のセンサと、
前記センサに対して並列に接続される、第1の抵抗および通常時オフの第1のスイッチ手段からなる第1の直列回路と、
前記センサに対して並列に接続される、第2の抵抗および通常時オフの第2のスイッチ手段からなる第2の直列回路と、
前記ガス濃度又は雰囲気温度が予め定められた警報レベル以上である警報状態にあるか否かを判定するための参照値に対応する信号と前記センサの内部抵抗値に対応する信号とを比較して前記ガス濃度または前記雰囲気温度が前記警報状態にあるか否かを検出する検出手段と、を有し、
前記第1の抵抗の抵抗値を、前記ガス濃度または雰囲気温度の標準状態において前記第1のスイッチ手段がオンしたときに生じる前記センサの内部抵抗と前記第1の抵抗との第 1 の合成抵抗値に対応する信号として、前記ガス濃度又は雰囲気温度が前記警報レベル以上の際の前記センサの内部抵抗値に対応する信号の値と同一の値の信号が発生する抵抗値に定め、
前記第2の抵抗の抵抗値を、前記ガス濃度または雰囲気温度の標準状態において前記第2のスイッチ手段がオンしたときに生じる前記センサの内部抵抗と前記第2の抵抗との第2の合成抵抗値に対応する信号として、前記ガス濃度又は雰囲気温度が前記警報レベル未満の際の前記センサの内部抵抗値に対応する信号の値と同一の値の信号が発生する抵抗値に定め、
前記検出手段は、前記第1のスイッチ手段のオン中は、前記第 1 の合成抵抗値に対応する信号と前記参照値に対応する信号とを比較して前記警報状態にあるか否かの検出を行い、
前記第2のスイッチ手段のオン中には、前記第2の合成抵抗値に対応する信号と前記参照値に対応する信号とを比較して、前記警報状態にあるか否かの検出を行うことを特徴とする警報器点検回路。 - ガス濃度の変化に対応して内部抵抗値が変化する検知素子およびガス濃度の変化に対応して内部抵抗値が変化しない比較素子を含むブリッジ回路で構成される接触燃焼式センサと、
前記比較素子に対して並列に接続される、第1の抵抗および通常時オフの第1のスイッチ手段からなる第1の直列回路と、
前記比較素子に対して並列に接続される、第2の抵抗および通常時オフの第2のスイッチ手段からなる第2の直列回路と、
前記ガス濃度が予め定められた警報レベル以上である警報状態にあるか否かを判定するための参照値に対応する信号と前記検知素子と前記比較素子との接続点にあらわれる信号とを比較して前記ガス濃度が前記警報状態にあるか否かを検出する検出手段と、を有し、
前記第1の抵抗の抵抗値を、前記ガス濃度の標準状態において前記第1のスイッチ手段がオンしたときに生じる、前記比較素子の内部抵抗と前記第1の抵抗との第1の合成抵抗値に対応する前記接続点にあらわれる信号として、前記ガス濃度又は雰囲気温度が前記警報レベル以上の際に前記接続点にあらわれるべき信号の値の信号が発生する抵抗値に定め、
前記第2の抵抗の抵抗値を、前記ガス濃度の標準状態において前記第2のスイッチ手段がオンしたときに生じる、前記比較素子の内部抵抗と前記第2の抵抗との第2の合成抵抗値に対応する前記接続点にあらわれる信号として、前記ガス濃度が前記警報レベル未満の際に前記接続点にあらわれるべき信号の値の信号が発生する抵抗値に定め
前記検出手段は、前記第1のスイッチ手段のオン中は、前記第 1 の合成抵抗値に対応する信号と前記参照値に対応する信号とを比較して前記警報状態にあるか否かの検出を行い、
前記第2のスイッチ手段のオン中には、前記第2の合成抵抗値と前記参照値に対応する 信号とを比較して前記警報状態にあるか否かの検出を行うことを特徴とする警報器点検回路。
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