JPH0611471A - ガスセンサ - Google Patents

ガスセンサ

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JPH0611471A
JPH0611471A JP4189976A JP18997692A JPH0611471A JP H0611471 A JPH0611471 A JP H0611471A JP 4189976 A JP4189976 A JP 4189976A JP 18997692 A JP18997692 A JP 18997692A JP H0611471 A JPH0611471 A JP H0611471A
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信介 寺村
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 センサの性能劣化を調べて補正を行なう手段
をセンサ自体に与えることにより簡単に感度を補正し、
補正できないほど性能が劣化した場合には、別の検出部
に切替えることによって、寿命が長く信頼性の高いセン
サを提供する。 【構成】 同一のシリコンチップ1上に複数のガス検出
部31〜34を有し、そのうちの少なくとも1つ(31
を測定用検出部、他の1つ(34)を補正用検出部とし
て使用するガスセンサ素子を有し、前記測定用検出部3
1の出力と補正用検出部34の出力とを比較し、その出力
に応じて前記測定用検出部の感度特性Rbを補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガスセンサ、より詳細
には、単一の絶縁(シリコン)チップ上に複数のガス検
出部を有するガスセンサ素子を用いたガスセンサに関す
る。
【0002】
【従来技術】半導体ガスセンサは、加熱した金属酸化物
半導体、例えば、SnO2に還元ガスを反応させると抵
抗値が減少することを利用し、さまざまなガスを検出す
るようになっている。このセンサは加熱しないと作動し
ないため、ヒータを必要とし、このヒータを加熱するの
にかなりの電力を要し、従来のセンサではAC電源が不
可欠であった。
【0003】この点を改良すべく、架橋構造や片持梁構
造等、空気中に張り出させた張り出し部を設け、この張
り出し部の上に金属酸化物半導体(半導体ガスセンサ)
を形成するようにし、もって、熱容量を可及的に小さく
して応答特性を上げ、且つ消費電力を低下させる試みが
成されている。
【0004】図6は、片持梁構造に形成されたガス検出
器の一例を説明するための構成図で、(a)図は平面
図、(b)図は(a)図のB−B線断面図で、図中、1
0は基板、11は該基板10に形成された凹部、12は
前記基板10の上に形成されたシリコンチップの薄膜絶
縁体で、該薄膜絶縁体12は前記凹部11の上に片持梁
式に張り出す張り出し部又は前記凹部の上に両持梁式に
架橋される橋架部12を有し、該張り出し部又は橋架部
12の上に、抵抗発熱体13及び該抵抗発熱体13に近
接してガス検出素子14が設けられている。なお、この
ガス検出素子14は、具体的には、前述のようにSnO
2の金属酸化物半導体である。前記凹部11、張り出し
部12、抵抗発熱体部13、ガス検出部14は、好まし
くは、同一基板10上に形成されている。
【0005】更に、本出願人は、上記のSnO2の金属
酸化物半導体を薄膜化し、もって、微小なヒータで加熱
可能とし、応答速度を0.5〜0.6msと非常に速く
し、ヒータをパルスで駆動できるようにし、その結果、
消費電力を従来のものに比べて1/30〜1/50で済
むようにした。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、ヒータ
をパルス駆動することで消費電力を大幅に押えることが
可能となったが、その反面、センサ自体の性能劣化が大
きくなり、センサの性能が劣化すると、空気中での抵抗
値と、ガス中での抵抗値の差が小さくなってくる。ガス
の濃度がある一定値を越えた時に反応するようなセンサ
においてはこのような劣化は致命的である。劣化したセ
ンサであっても与えるパラメタ(印加電圧など)を変更
することである程度補正して継続使用することが可能で
ある。しかし、補正をするためには、まず、ガス中で抵
抗値を測定し、次に、空気中で測定した後、パラメタを
変更し、更に、同様の測定をもう一度行なってパラメタ
変更が有効かどうか調べなければならず、その手間が大
変である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、(1)同一のチップ上に複数のガス検出
部を有し、そのうちの少なくとも1つを測定用検出部、
他の1つを補正用検出部とするガスセンサ素子と、前記
測定用検出部の出力と補正用検出部の出力とを比較し、
その出力に応じて前記測定用検出部の感度特性を補正す
る補正回路とを有すること、(2)前記補正回路を前記
チップ上に有すること、更には、(3)同一のチップ上
に2以上のガス測定用検出部を有し、そのうちのある1
個の検出部のみを測定に用い、当該検出部の感度特性が
劣化した時に、他の検出部を、順次、測定に用いるこ
と、(4)前記チップ上に補正用検出部及び補正回路を
有し、該補正回路により前記測定用検出部の感度劣化を
検出し、感度が劣化している時は、次の測定用検出部に
切り換えること、(5)前記チップ上の全ての測定用検
出部が劣化した時に、前記補正用検出部を測定用検出部
として使用すること、(6)前記測定用検出部を切り換
える切り換え手段を前記チップ上に有すること、更に
は、(7)ガス検出部を加熱するためのヒータと、該ヒ
ータを通電するタイマーとを有し、該タイマーが作動し
た時に前記ヒータが通電してガスのセンシングを行い、
該タイマーが所定時間計時した時に、前記ヒータの通電
を停止すること、を特徴としたものである。以下、本発
明の実施例に基いて説明する。
【0008】
【作用】センサの性能劣化を調べて補正を行なう手段を
センサ自体に与えることにより簡単に感度を補正し、補
正できないほど性能が劣化した場合には別の検出部に切
替えることによって、寿命が長く、信頼性の高いガスセ
ンサを提供する。
【0009】
【実施例】図1は、請求項1のガスセンサの一実施例を
説明するための図で、(a)図は、センサ素子の一例を
示す平面概略図、(b)図は、感度劣化補正回路の一例
を示す図で、図中、1は例えば、シリコンチップの薄膜
絶縁体で、該薄膜絶縁体1は、図6に示したように、図
示しない基板上に形成されており、該基板には、図6の
場合と同様、凹部2が設けられており、該凹部2の上に
片持梁式に張り出した張り出し部31,32,33,34
形成され、これらの張り出し部の上に、図に示したよう
に、抵抗発熱体(ヒータ)4及びガス検出素子5が設け
られている。図示例の場合、説明の便宜上、張り出し部
1を測定用検出部、34を補正用検出部とする。
【0010】補正用検出部34のヒータは補正時しか通
電しない。感度劣化の主な原因は経時変化ではなく、加
熱、冷却の繰り返しによるSnO2の酸素吸着量の減少
であるため、補正用検出部34は測定用検出部31に比
べ、性能劣化がほとんどない。図1(b)は、本センサ
を用いた感度特性補正回路で、Rsは測定用検出部、R
aは補正用検出部、Rbは可変抵抗器、Rcは固定抵抗
器である。RbおよびRcの値は、ガス中で両方の検出
部を加熱した状態でb−d間の電位差が0になるように
調整しておく。また、Vはセンサの電源、Aは電流計ま
たはLEDなど、b−d間の電位差を検出する素子であ
る。測定用の回路において、ガスの検出にはb−c間、
すなわち、Rbの両端の電圧を取り出すようにする。セ
ンサがガス中に置かれると、Rsの抵抗値が下がってV
bが大きくなる。そこでこの電圧を監視し、あるレベル
を越えたかどうかを調べることでガスを検出することが
できる。ところが、検出部Rsが劣化してくるとガス中
においてもRsの抵抗値が下がらなくなってセンサの感
度が鈍くなる。そこで感度の測定・補正を行なうときに
図の補正回路を付与し、両方の検出部を加熱して測定対
象ガスの中でb−d間の電位差がなくなるようにRbの
値を調節する。b−d間の電位差がないということはR
s/Rb=Rd/Rcが成り立つということである。V
bはRs/Rbで決まるから、この方法で初期状態と同
じ条件下でb−c間の電位差が元のVbと同じ値になる
ようにでき、Rsが劣化した分だけRbで補正したこと
になる。
【0011】次に、請求項2の発明について説明する。
図1に示した実施例において、Rb以外の素子をすべて
センサチップ上に持つことでコンパクトな補正回路つき
のセンサを実現することができる。実現方法としては、
Raとして固定抵抗器を用い、b−d間の電位差がなく
なるようにRb、Rcの値を決めることも可能である
が、同一チップ上に作り込む場合、このやり方では問題
が出てくる。これは製造上のばらつきに起因する問題
で、Rsの空気中およびガス中での抵抗値をあらかじめ
きちんと知ることができないため、Vbが既知の値にな
るようにRaとRc設定することが難しいからである。
しかし、同一チップ上のセンサであればほとんど同じよ
うな特性を持つため、上記のような補正が可能になる。
【0012】図2は、請求項3の発明の実施例を説明す
るための図で、図中、図1に示した実施例と同様の作用
をする部分には、図1の場合と同一の参照番号が付して
ある。而して、この実施例においては、全ての張り出し
部31〜34に測定用検出部を有している。前述のよう
に、本センサは感度の劣化が起こるため、長期に渡って
使用することができない。しかし、本センサは構造上の
特徴から、複数の検出部を同一チップ上に作ることがで
きる。まず、最初は測定用検出部31を使用し、感度が
劣化したら測定検出部32に切替える。測定検出部32
劣化した場合は測定検出部33に切替える。切替えは図
3に示す外付けのスイッチ6によって行なう。このよう
にしてセンサの見かけ上の寿命を大きく伸ばすことがで
きる。
【0013】図4は、請求項4の発明の実施例を説明す
るための図で、図2に示した測定用検出部31〜34のう
ちの1つ、例えば、34の検出部を補正用検出部として
使用し、この検出部に図1(b)に示した補正機能を持
たせたものである。図1(b)に示した補正回路におい
てRbを変更することでガス検出の閾値を変えることが
できるが、さらに、劣化が進むと検出部の抵抗変化がほ
とんど見られなくなり、ガス検出が不可能となる。ある
検出部がまだ使用可能かどうかを調べるには次のように
する。上述のようような補正を行なうとRbの値は大き
くなる。一方、空気中における検出部の抵抗値は変わら
ないため、空気中でのRbが高くなってくる。これを監
視し、あるレベルより高くなったときに使用不能と見な
し、次の検出部に切替えるようにすれば良い。
【0014】次に、請求項5の発明について説明する。
図4に示した実施例において、補正用検出部34には、
前記の補正回路に加え、測定も行なえるように検出部の
出力をチップ外部に取り出せるように切替えスイッチを
付与するものである。測定用検出部がすべて劣化してし
まったら、補正用検出部を測定用検出部として使用す
る。これにより、更にセンサの寿命を伸ばすことができ
る。
【0015】請求項6に記載の発明は、請求項4の発明
において、Rb以外の素子をチップ上に作り込むこと
で、コンパクトで長寿命のセンサを実現するものであ
る。また、図5に示すように、切替えを電気信号で行な
うことができるため、CPUなどで制御しやすい。図
で、A,B,Cはチップの制御入力端子、Dはセンサ出
力である。AにHigh level、BおよびCにLow levelの
電圧を印加するとDには検出部1の出力が得られる。同
様にしてA,CにLow、BにHighの電圧を印加すると検
出部2の出力が得られ、A,BにLow、CにHighの電圧
を印加すると検出部3の出力が得られるようになる。
【0016】請求項7の発明は、検出部を加熱するため
のヒータにタイマ回路を付与したもので、タイマ回路の
スイッチをいれるとヒータが通電し、ガス測定可能状態
になる。あらかじめタイマ回路に設定した時間が経過す
るとヒータが切れ、検出部が冷却される。これにより、
任意時間経過後のガスの状態を知ることができる。
【0017】
【効果】以上の説明から明らかなように、請求項1の発
明によれば、感度劣化を補正することで簡単に高感度の
センサを実現することができる。請求項2の発明によれ
ば、上記のセンサをコンパクトに実現することができ
る。また、請求項3によって長寿命のガスセンサを実現
でき、請求項4によって感度劣化を正確に知ることで信
頼性が高くなる。また、請求項5によって、更に寿命を
伸ばすことができる。請求項6によって上記センサをコ
ンパクトに実現し、更にCPUなどで容易に切替え制御
をすることができる。請求項6により、任意の時間経過
後のガスの状態を知るセンサを提供することができる。
更に請求項7によって危険な有害ガスのセンサの補正を
安全かつ簡単に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるガスセンサの一実施例を説明す
るための図で、(a)図は、ガスセンサ素子の平面概略
図、(b)図は感度劣化補正回路である。
【図2】 本発明の他の実施例を説明するための図で、
複数の検出部を有するガスセンサ素子の一例を示す平面
概略図である。
【図3】 センサ出力の切替え回路の一例を示す図であ
る。
【図4】 複数の検出部と補正用検出部を有するガスセ
ンサ素子の一例を示す平面図概略図である。
【図5】 センサチップ上の切替え回路の実施例を示す
図である。
【図6】 従来のガスセンサ素子の一例を示す図で、
(a)図は平面図、(b)図は(a)図のB−B線断面
図である。
【符号の説明】
1…薄膜絶縁体、2…凹部、31〜34…張り出し部、4
…抵抗発熱体、5…ガス検出素子、6…スイッチ。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一のチップ上に複数のガス検出部を有
    し、そのうちの少なくとも1つを測定用検出部、他の1
    つを補正用検出部とするガスセンサ素子と、前記測定用
    検出部の出力と補正用検出部の出力とを比較し、その出
    力に応じて前記測定用検出部の感度特性を補正する補正
    回路とを有することを特徴とするガスセンサ。
  2. 【請求項2】 前記補正回路を前記チップ上に有するこ
    とを特徴とする請求項1に記載のガスセンサ。
  3. 【請求項3】 同一のチップ上に2以上のガス測定用の
    検出部を有し、そのうちのある1個の検出部のみを測定
    に用い、当該検出部の感度特性が劣化した時に、他の検
    出部を、順次、測定に用いることを特徴とするガスセン
    サ。
  4. 【請求項4】 前記チップ上に補正用検出部及び補正回
    路を有し、該補正回路により前記測定用検出部の感度劣
    化を検出し、感度が劣化している時は、次の測定用検出
    部に切り換えることを特徴とする請求項3に記載のガス
    センサ。
  5. 【請求項5】 前記チップ上の全ての測定用検出部が劣
    化した時に、前記補正用検出部を測定用検出部として使
    用することを特徴とする請求項4に記載のガスセンサ。
  6. 【請求項6】 前記測定用検出部を切り換える切り換え
    手段を前記チップ上に有することを特徴とする請求項4
    に記載のガスセンサ。
  7. 【請求項7】 ガス検出部を加熱するためのヒータと、
    該ヒータを通電するタイマーとを有し、該タイマーが作
    動した時に前記ヒータが通電してガスのセンシングを行
    い、該タイマーが所定時間計時した時に、前記ヒータの
    通電を停止することを特徴とするガスセンサ。
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