JP4091740B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、像形成装置に関し、さらに詳しくは、感光体と現像ローラとの間の対向間隔を調整するための構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機やファクシミリあるいはプリンタさらには印刷機などの画像形成装置においては、潜像担持体である感光体上に担持されている静電潜像に対してトナーなどの現像剤を用いて可視像処理が行われる。
【0003】
可視像処理に用いられる現像装置は、感光体に対峙している現像スリーブと、現像スリーブに対して現像剤を搬送供給する搬送ローラとこれらスリーブおよびローラを収容した現像装置内に貯留されるトナーを攪拌帯電させる攪拌ローラおよび現像スリーブ状から除去された余剰トナーを回収する回収手段とを主要部として備えている。
【0004】
感光体とこれに対峙する現像スリーブとは、現像スリーブに担持されているトナーの受け渡しのための対向間隔が規定されており、感光体上の静電潜像からの静電引力をトナーに対して有効に作用させるようになっている。
【0005】
従来、上記対向間隔を規定するためには、例えば、精度よく製造された現像スリーブあるいは感光体のダミーヲ装備する調整機ヲ用いて支持部に取り付けられて対向する関係にある感光体あるいは現像スリーブの位置決めを行ったうえで、実際の画像形成装置に組み付けることが行われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
調整機により予め対向間隔を規定された現像スリーブあるいは感光体を実際の画像成装置に組み込んだ場合、規定通りの対向間隔を得ることが困難な場合があり、これよってトナーの付着量不足などを含めた画像の再現性が悪くなることがある。その理由は次の理由が考えられる。
調整機と実際の画像形成装置とに特有の加工誤差があり、この誤差が両者で一致していない。しかも、調整機と実際の画像形成装置とにそれぞれ現像スリーブおよび感光体を装着する際の操作において、例えば、取付の際の締結力の違いや治具の装備状態の違いなどにより取り付け状態での配置位置関係が一致しないことがある。このため、規定の対向間隔が得られていない場合には、再度組立ラインなどに戻して再調整が必要となり、結果として、生産に要する手間の増大によるコストの上昇を招く。
特に、近年では、高画質化が要求されてきており、対向間隔が小さくなる傾向にある。このため、上記対向間隔の公差幅もきわめて厳格に規定されるようになっており、公差幅からずれると画質への影響が大きくなることが懸念されるので、対向間隔を簡単に規定のものとすることが望まれている。
【0007】
本発明の目的は、上記従来の現像装置、特に感光体に対する現像スリーブの対向間隔の設定における問題に鑑み、簡単な構成および操作により所望の対向間隔を設定できる構成を備えた現像装置および画像形成装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、感光体と、上記感光体に所定の間隔を有して対峙して感光体上の静電潜像にトナーを供給する現像スリーブを備えた画像形成装置において、上記現像スリーブを回転可能に支持する支持部材が設けられ、前記支持部材は、装置本体側に固定される基部と、該基部に対して感光体に向かって開閉可能に設けられて上記現像スリーブの回転軸を上記基部と共に挟持可能な開閉部材とを備え、上記基部及び開閉部材には上記現像スリーブの回転軸が装着される凹部が設けられ、薄肉のシート部材からなり、上記基部の凹部内に着座させることで上記現像スリーブの軸心位置を上記感光体に対して接近させる状態として対向間隔を調整できる間隔調整部材が上記基部の凹部に装填され、上記対向間隔の調整後、上記現像スリーブが回転可能な態位を設定されることを特徴としている。
【0011】
請求項記載の発明は、上記凹部における上記間隔調整部材が装填される側の底面が平面とされていることを特徴としている。
【0012】
請求項記載の発明は、上記支持部材における基部がメインフレームとサブフレームとに分割され、サブフレームには、上記開閉部材が開閉可能に支持され、上記メインフレームとサブフレームとの間に上記間隔調整部材が配置されることを特徴としている。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図示実施例により本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明実施例による現像装置が適用される画像形成装置の要部構成を示す図であり、同図において画像形成装置はドラム状の感光体1を備えている。
感光体1の周囲には、図示しないが画像形成処理を行うための帯電装置、書き込み装置、符号2で示す現像装置、転写装置およびクリーニング装置が配置されており、転写装置に対しては転写を受ける記録紙を給送するための給紙装置および転写後の記録紙上に担持されているトナー像を定着する定着装置および排紙装置が設けられている。
【0015】
本実施例における画像形成装置は、色分解された画像に対応してその補色関係にある色のトナーを用いて可視像処理ができる多色画像形成が可能なカラー複写機であり、このため、現像装置2の構成として、複数の色毎のトナーを供給できる構成が採用されている。なお、画像形成装置としては、複写機に限らず、プリンタやファクシミリ装置も含まれる。
【0016】
図1において現像装置2は、回転可能な支持側板1Aの周方向で4等分位置にそれぞれ配置された現像ユニット2Y、2M、2C、2Bを備えている。
各現像ユニット2Y、2M、2C、2Bはいずれも同様な構成であるので、代表してイエロートナーを供給可能な現像ユニット2Yについて構成を説明すると次の通りである。
現像ユニット2Yは、感光体1に対面可能な現像スリーブ2Y1と、この現像スリーブ2Y1に対してトナーを供給する供給ローラ2Y2と、現像ユニット2Y内の収容部に収容されているトナーを攪拌帯電させる攪拌ローラ2Y3を主要部として備えている。現像ユニット2Y内には、上記部材に加えて可視像処理後に現像スリーブ2Y1上に残った残余トナーを除去して回収する回収手段を備えることもある。
【0017】
現像装置2は、支持側板1Aの回転中心軸1A1に一体化されて回転力を付与されることで色分解に対応した色のトナーを収容している現像ユニット2Y、2M、2C、2Bが選択的に感光体1に対面してトナーを供給することができる。
【0018】
現像スリーブ2Y1は、図2に示す支持部材3によって回転可能に支持されるようになっている。
図2において回転支持部材3は、基部3Aとこれに揺動支点が支持されて開閉可能な開閉部材3Bとで構成されており、両方の部材における対応位置には、現像スリーブの回転軸を挟持できる箇所として半割状の凹部3A1,3B1が形成されている。
【0019】
開閉部材3Bは、図3に示すように側部に形成された片部に支持ピン3B2が一体化されており、閉じられた際には凹部3B1が位置する揺動端を基部3Aに密着させることができる。
閉じられた開閉部材3Bは、図3に示すように、揺動端側に形成されている貫通穴3B3に対して固定ネジ4が挿通され、基部3Aに形成されているネジ穴3A2に締結されて現像スリーブの回転軸を挟持することができ、現像スリーブは、回転できる状態で指示されることになる。
【0020】
図3において凹部3A1,3B1は、現像スリーブの回転軸が装填しやすいように回転軸の曲率に合わせて曲面で構成されており、この凹部には、間隔調整部材5が配置されるようになっている。
間隔調整部材5は、図3に示すように、薄板からなるシート部材で構成されており、材質としては、SUSあるいはPETフィルムさらには粘着テープが用いられ、厚さとしては0.02mmあるいは0.05mm程度の至極薄くて撓み変形しやすい板材が用いられる。
【0021】
本実施例は以上のような構成であるから、画像形成装置の組立時に感光体1に対する現像スリーブ2Y、2M、2C、2Bの対向間隔(図1において符号GPで示す間隔)が調整される。
対向間隔の調整に際しては、予め厚さの判明している間隔調整部材5を回転支持部材3における基部3A側の凹部3A1に装填する。これにより、感光体1に対する現像スリーブの軸心位置を感光体に向けてせり出させ、いわゆる接近させることになる。
【0022】
現像スリーブの回転軸が凹部3Aに配置され、開閉部材3Bを閉じることで挟持されると、現像スリーブと感光体1との対向間隔が当初の状態から変更される。対向間隔(GP)が所定の間隔よりも狭い場合には、間隔調整部材5を他の厚さのものに交換あるいは取り外すことで所定間隔を設定することができる。
【0023】
本実施例によれば、実際の画像形成装置での組立時に感光体と現像スリーブとの対向間隔を調整できるようになっているので、調整機などを必要とすることなく所定の間隔を設定することができる。このため、調整機を不要にできることで組み立て時での設備が簡略化でき、しかも、手直しに際しても組立時に行うことができるので再調整のためのライン変更などが不要となり、画像形成装置の製作時間を短縮することができる。
【0024】
次に本発明の実施の形態に係る別実施例を説明する。
図4に示す実施例は、間隔調整部材5が装填される凹部の底面を平面としたことを特徴としている。
図4において凹部、特に間隔調整部材5が配置される側である基部3Aの凹部3A1は、底面が平面とされている。凹部3A1は、現像スリーブの回転軸(便宜上、図4において符号Sで示す)を保持するという意図を達成すればよいので、間隔調整部材5がシート部材で3あることを考慮して、間隔調整部材5の撓み変形をなくす形態である平面とされている。
【0025】
本実施例は以上のような構成であるから、間隔調整部材5は、準備された状態、つまり平板状のままで凹部3A1内に装填され、図3に示した実施例の場合と同様に、現像スリーブを感光体1に向けてせり出させて接近させる。
本実施例では、間隔調整部材5が準備されたままの状態で装填され、撓み変形を生じないようにできるので、撓み変形した場合のように間隔調整部材5に皺が発生するのを防止することができる。これにより、皺が発生した場合のように皺の部分で厚さが異なることで適正な対向間隔が異なってしまうのを確実に防止することができる。
【0026】
次の本発明の実施形態に係る他の実施例について説明する。
図5に示す実施例は、現像スリーブの支持部材(便宜上、図5において符号3’で示す)がメインフレーム3Cとサブフレーム3Dとに分割されており、サブフレーム3D側に開閉部材3Bが設けられている。このため、サブフレーム3Dには、開閉部材3Bと共に現像スリーブの回転軸を挟持するための凹部3D1が形成され、開閉部材3Bにはこの凹部3D1に対向する位置に凹部3B1が形成されている。この場合の凹部、特にサブフレーム3D側の凹部3D1は、図4に示した実施例と同じ意図により底面が平面とされている。
【0027】
サブフレーム3Dは、メインフレーム3Cに対してボルト6によって締結されることで一体化されるようになっており、メインフレーム3Cとの対向面間に間隔調整部材(便宜上、符号5’で示す)が配置されるようになっている。
【0028】
本実施例は以上のような構成であるから、メインフレーム3Cとサブフレーム3Dとの間に間隔調整部材5’が配置され、サブフレーム3Dがメインフレーム3Cに締結されると、サブフレーム3D側で支持される現像スリーブの軸心位置が感光体1に向けてせり出して接近する。
感光体1と現像スリーブとの対向間隔が所定間隔でない場合には、間隔調整部材5’の交換あるいは取り外しにより所定間隔に調整することができる。
【0029】
本実施例では、現像スリーブの回転軸を支持する箇所に間隔調整部材5’を積層しないことにより、この部分に多層の間隔調整部材を積層した場合に発生する開閉部材3Bの破損を防止することができる。つまり、凹部内に多数の間隔調整部材を積層した場合には、開閉部材3Bの揺動端側が間隔調整部材の積層厚さによるせり出し効果によって現像スリーブの回転軸から異常な反力を受けることになり、最悪の場合には曲げ剛性に限界が生じて折損する虞がある。本実施例では、現像スリーブの回転軸を支持する箇所には間隔調整部材がないので、このような不具合を全く生じないようにすることができる。なお、上記各実施例においては、開閉部材3Bの締結時に作用する間隔調整部材への負荷によって間隔調整部材の厚さ方向での収縮変形も生じ、対向間隔に影響することもあるが、本実施例では、間隔調整部材の材質を適宜設定することで実質上、厚さ方向での収縮変形をなくしたりあるいは、締結力を規定することで収縮量を予め判別できるようにして対向間隔を適正化するようにすること勿論可能である。
【0030】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、薄肉のシート部材からなり、基部の凹部内に着座させることで現像スリーブの軸心位置を上記感光体に対して接近させる状態として対向間隔を調整できる間隔調整部材が上記基部の凹部に装填されるので、間隔調整部材を現像スリーブの回転支持部側に着座させた状態で配置させるだけの簡単な操作により現像スリーブと感光体との間の対向間隔を調整することができる。特に、支持部材における基部および開閉部材にそれぞれ形成されて回転軸を装填可能な凹部の一方である基部側に間隔調整部材を装填するだけでよいので、感光体と現像スリーブとの組立時に装填しやすい側の制約がなく、対向間隔を規定する際の操作性を向上させることが可能となる。しかも、シート部材からなる間隔調整部材を回転支持部に装填するだけですむので、感光体と現像スリーブとを組み付ける際にその装填作業が行える。このため、実際の画像形成装置での対向間隔の最終調整を行う際の操作が簡単でしかも簡単な構成で調整が可能となる。
【0032】
請求項記載の発明によれば、間隔調整部材が装填される凹部の底面が平面とされているので、曲面とした場合と違って間隔調整部材に撓み変形が生じないようにできる。これにより、撓み変形した場合の鑑発生などにより調整した間隔が実際の間隔と異なるような状態をなくすことが可能となる。
【0033】
請求項記載の発明によれば、支持部材がメインフレームとサブフレームとに分割され、サブフレーム側に現像スリーブの回転支持部が設けられ、間隔調整部材が各フレーム問に配置されるようになっているので、間隔調整に必要な間隔調整部材が積層されるような場合でも現像スリーブの回転軸を挟持支持する開閉部材の撓み変形による折損などを防止することができる。これにより、現像スリーブに対する回転支持力を常に適正に保つことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る現像装置が用いられる画像形成装置の要部構成を説明するための模式図である。
【図2】図1に示した現像装置に用いられる支持部材の構成を説明するための側面図である。
【図3】図2に示した支持部材の斜視図である。
【図4】本発明の実施形態に係る別実施例を説明するための側面図である。
【図5】本発明の実施形態に係る他の実施例を説明するための側面図である。
【符号の説明】
1 感光体
2 現像装置
3 支持部材
3A 基部
3B 開閉部材
3A1,3B1,3D1 凹部
3C メインフレーム
3D サブフレーム
5,5’ 間隔調整部材

Claims (3)

  1. 感光体と、
    記感光体に所定の間隔を有して対峙して感光体上の静電潜像にトナーを供給する現像スリーブを備えた画像形成装置において、
    上記現像スリーブを回転可能に支持する支持部材が設けられ、
    前記支持部材は
    装置本体側に固定される基部と、
    該基部に対して感光体に向かって開閉可能に設けられて上記現像スリーブの回転軸を上記基部と共に挟持可能な開閉部材とを備え、
    上記基部及び開閉部材には上記現像スリーブの回転軸が装着される凹部が設けられ、
    薄肉のシート部材からなり、上記基部の凹部内に着座させることで上記現像スリーブの軸心位置を上記感光体に対して接近させる状態として対向間隔を調整できる間隔調整部材が上記基部の凹部に装填され、上記対向間隔の調整後、上記現像スリーブが回転可能な態位を設定されることを特徴とする画像形成装置
  2. 請求項1記載の画像形成装置において、
    上記凹部における上記間隔調整部材が装填される側の底面が平面とされていことを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1記載の画像形成装置において、
    上記支持部材における基部がメインフレームとサブフレームとに分割され、サブフレームには、上記開閉部材が開閉可能に支持され、上記メインフレームとサブフレームとの間に上記間隔調整部材が配置されることを特徴とする画像形成装置。
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