JP4091444B2 - ナビゲーション装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、出発地から目的地までの推奨経路を演算して、演算された推奨経路に基づいて経路誘導を行うナビゲーション装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、出発地から目的地までの推奨経路を演算して、演算された推奨経路に基づいて経路誘導を行う、いわゆるカーナビゲーション装置が知られている。この従来のカーナビゲーション装置では、推奨経路演算のための目的地は、交差点や各種施設など、ドライバーの指定するある特定の地点であった(非特許文献1参照)。
【0003】
【非特許文献1】
特許庁 標準技術集 「カーナビゲーション装置のユーザーインターフェイス」主分類1−A
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のカーナビゲーション装置では、たとえばドライバーが箱根方面に行きたいと思っていても、箱根という地域の任意の一点を決めて目的地と決めなくてはならない。このため、行きたいと考えている地域の地理にドライバーが疎い場合、目的地として設定する任意の地点が適切に選択されないおそれもある。
【0005】
本発明は、ある広がりを持った地域の名称で目的地を指定することができるナビゲーション装置を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
(1) 請求項1の発明によるナビゲーション装置は、現在位置を検出する検出手段と、検出された現在位置を地図上に表示する表示モニタと、目的地を入力する入力手段と、入力手段により入力された目的地が地域名称のとき、当該地域名称で特定される地理的領域内に含まれる複数の地点を仮の目的地として前記現在位置から推奨経路を演算する演算手段と、前記演算手段により演算された前記推奨経路のうち、予め設定されている経路探索条件に最も合致する経路を通って到着できる地点を目的地として選択する地点選択手段と、前記地点選択手段により選択された目的地および該目的地に至る経路を前記表示モニタ上に表示する表示制御手段と、を備えることを特徴とする。
(2) 請求項2の発明は、請求項1に記載のナビゲーション装置において、前記地点選択手段は、前記経路探索条件として、最も走行距離が短くなる経路、または、もっとも走行時間が短くなる経路という条件を用いることを特徴とする。
(3) 請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載のナビゲーション装置において、複数の地点の各々は、地理的領域に進入する複数の道路各々を定義するノードのうち、各道路で最も地理的領域の境界に近いノードであることを特徴とする。
(4) 請求項4の発明は、請求項3に記載のナビゲーション装置において、複数の地点は、地理的領域内の景勝地、施設を含むことを特徴とする。
(5) 請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載のナビゲーション装置において、地域名称は、地理的領域を表示するためのポリゴンデータのポリゴン名称であり、ポリゴンデータは、ポリゴン内に複数の地点を表す位置データを有することを特徴とする。
(6) 請求項6の発明は、請求項5に記載のナビゲーション装置において、ポリゴンデータは、地理的領域を定義する位置データと、地域名称データと、地理的領域内で複数の小領域を表示するための小領域用ポリゴンデータとを有し、小領域用ポリゴンデータは、各小領域を定義する位置データと、各小領域用ポリゴンの名称データと、小領域内の特定の地点の位置データと含み、複数の地点は各小領域内の特定の地点であることを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
―――第1の実施の形態―――
図1〜9により、本発明によるナビゲーション装置を車載用途に適用した第1の実施の形態を説明する。図1は、第1の実施の形態のカーナビゲーション装置(以下、車載機100と呼ぶ)の構成を表すシステムブロック図である。車載機100は、車両の走行に関する情報を提示する機能、具体的には、車両位置周辺の道路地図を表示する機能、出発地から目的地までの推奨経路を演算する機能、演算された推奨経路に基づいて経路誘導を行う機能などを兼ね備えている。いわゆるナビゲーションあるいは道路案内などを行う装置である。
【0008】
図1において、111は車両の現在地を検出する現在地検出装置であり、例えば車両の進行方位を検出する方位センサ111a、車速を検出する車速センサ111b、GPS衛星からのGPS信号を検出するGPSセンサ111c、車両の進行方向の変化を検出するジャイロセンサ111d等からなる。112は地図データやルート探索用データ、エリアデータなど、後述する各種データを格納する地図記憶メモリであり、これら各種データが格納された記録媒体であるDVD−ROM113およびその読み出し装置からなる。記録媒体はDVD−ROMに限定されず、磁気テープやCD−ROM、ハードディスクその他のあらゆる記録媒体であってもよい。114は装置全体を制御する制御回路であり、マイクロプロセッサおよびその周辺回路からなる。制御回路114は、RAM115を作業エリアとしてROM116に格納された制御プログラムを実行して後述する各種の制御を行う。
【0009】
117は、車両の目的地等を入力し、あるいは各種操作を入力するためのスイッチ類を有する入力装置である。入力装置117にはマイクも含まれ、各種操作や目的地を音声で入力可能である。118は表示モニタ119に表示するための画像データを格納する画像メモリであり、この画像データは道路地図描画用データや各種の図形データなどから作成される。画像メモリ118に格納された画像データは適宜読み出されて表示モニタ119に表示される。表示モニタ119には、経路情報および誘導情報が道路地図とともに表示される。
【0010】
このように構成されるカーナビゲーション装置(車載機)100は、現在地検出装置111により取得した自車位置情報および地図記憶部112に格納されている地図情報に基づき各種のナビゲーションを行う。例えば、自車位置近辺の道路地図および自車位置を表示モニタ119に表示し、経路探索によって得られた経路に沿ってドライバーを誘導する。後述するように、本発明の車載機100は、目的地をピンポイントで指定せず、たとえば箱根や御殿場というように、ある広がりをもった地域の名称(エリア名)として指定することができる。
【0011】
車載機100が地図記憶メモリ112のDVD−ROM113に格納しているデータは、表示用地図データ、ルート探索用データ、エリアデータから構成されている。
【0012】
図2(a),(b)は、表示用地図データの構成を示した図である。地図データは、リンク列データがメッシュコードとともにメッシュ領域単位で分類して格納されている。なお、リンク列データとは、一本の道路を、交差点などのノードと、ノード間のリンクとして定義したデータ構造である。メッシュ領域とは、道路地図を所定範囲毎に区分けしたときの区分けされた各領域をいう。メッシュコードの記憶領域401には、メッシュ領域を識別する番号が格納される。リンク列データの記憶領域402には、図2(b)に示すように、ノードの位置座標X,Yと、ノード間のリンク番号と、リンクをさらに短く分割する補間点の位置座標X,Yとがそれぞれの領域に格納される。これらの位置座標が地図表示やロケータ処理の形状データとして用いられる。
【0013】
図3は、上記ルート探索用データのデータ構成を示す図である。このルート探索用データは、地図データとは異なり、道路形状とは直接関係しない分岐点情報や交差点情報などから成る。図3に示すように、道路を表現する最小単位であるリンクの接続点(ノード)ごとに、他のノードとの接続関係を示すノード情報が格納されている。各ノード情報はそれぞれ、自ノード情報と隣接ノード情報とからなり、自ノード情報の中にはノードの位置座標が格納されている。一方、隣接ノード情報には、図示のように、隣接ノード番号と、自ノードから隣接ノードに至るまでのリンク番号と、そのリンクのリンクコストと、そのリンクの交通規制情報とが格納されている。また、各ノード情報は、リンクの接続順に格納されており、格納される順番によって自ノードのノード番号を把握できるようにしている。
【0014】
図4は、上記エリアデータを説明する図である。図4に示すように、エリアデータは、箱根や御殿場といった地理的領域(エリア)毎に、地理的領域内(エリア内)の複数の地点の位置座標がそれぞれ格納されている。エリア内の複数の地点とは、たとえば地域名称(エリア名)が箱根10であれば、宮ノ下11、湖尻三叉路12、仙石原13といった重要な交差点や箱根湯本駅前などの鉄道の駅前などの地点である。後述するように、経路探索を行う際、目的地が箱根10というエリア名で設定された場合、箱根10に含まれる宮ノ下11、湖尻三叉路12、仙石原13・・・といった地点の位置座標が図4のデータから抽出され、これら複数の地点11〜14が目的地の位置座標に設定される。そして、出発地(車両の現在地)から、これら複数の地点11〜14までの経路探索をそれぞれ実施し、出発地に最も近い地点を目的地とした経路探索演算の結果を表示モニタ119に表示する。
【0015】
経路探索演算は、上述したルート探索用データを使用して行われる。経路探索結果である経路誘導データは、ルート探索用データから周知の手法により、出発地から目的地までの推奨経路上のノードを抽出して作成される。この経路誘導データには誘導ポイントデータが含まれる。誘導ポイントデータは、交差点拡大地図や音声データのオフセットデータである。車両を経路誘導する際、誘導ポイントの手前数100mに達すると、これらのオフセットデータを参照して、交差点拡大地図を表示モニタ上に表示し、音声データをスピーカから出力して乗員に経路誘導を行う。すなわち、上記経路情報が複数のノードで推奨経路を表した推奨経路データであり、上記誘導情報が誘導ポイントデータ、すなわちオフセットデータを参照した拡大地図データや音声データである。
【0016】
図5は、第1の実施の形態の車載機100の動作を示したフローチャートである。イグニッションキーによりアクセサリーON(ACC ON)になると、車載機100の電源が入り、図5に示すナビゲーション処理を行うプログラムが起動される。ステップS11において、車両の現在位置を検出して、車両位置周囲の地図とともに車両位置マーク(自車位置マーク)を表示モニタ119に表示する。ステップS13においてスイッチ類の操作やマイクによる音声指示によって入力装置117から目的地や経由地、経路探索条件の入力があるまで待機する。ステップS13が肯定判断されるとステップS15へ進み、ステップS13で入力された目的地がエリア名であるか否かを判断する。
【0017】
ステップS15が肯定判断されるとステップS17へ進み、ステップS13で入力された目的地に該当するエリア名が図4に示したエリアデータに格納されているか否かを判断する。ステップS17が否定判断されるとステップS19へ進み、表示モニタ119に該当するエリア名のデータがないことを表示してステップS13へ戻る。ステップS17が肯定判断されるとステップS21へ進み、ステップS13で入力された目的地エリアとして、図4のエリアデータに格納されているデータから当該エリアの複数の地点と、それら複数地点の位置座標を抽出する。そして、これら複数の地点を目的地とし、ステップS13において入力された経路探索条件に基づいて、出発地(現在地)からの経路探索演算を行い、経路探索条件に最も合致する1つの経路探索演算結果を記憶してステップS25へ進む。ここで、経路探索条件に最も合致する1つの経路探索演算結果とは、たとえば次の条件によって行った経路探索演算の結果である。
(1) 経路探索条件が距離優先の場合には、図4に示したエリアデータに格納されている当該エリアの複数の地点のうち、現在地から最も走行距離が短くなる地点までの経路。
(2) 経路探索条件が高速道路優先の場合には、図4に示したエリアデータに格納されている当該エリアの複数の地点のうち、高速道路を利用して、現在地から最も走行時間が短くなる地点までの経路。
(3) 経路探索条件が一般道路優先の場合には、図4に示したエリアデータに格納されている当該エリアの複数の地点のうち、高速道路を極力利用せず、現在地から最も走行時間が短くなる地点までの経路。
(4) 経路探索条件が時間優先の場合には、図4に示したエリアデータに格納されている当該エリアの複数の地点のうち、現在地から最も走行時間が短くなる地点までの経路。
【0018】
ステップS15が否定判断されるとステップS23へ進み、ステップS13で入力された目的地と経路探索条件に基づいて、出発地(現在地)からの経路探索演算を行い、ステップS25へ進む。
【0019】
ステップS25において、ステップS21またはステップS23で演算された経路探索演算結果を基に経路誘導を行う。ステップS27において経路誘導が終了したか否かを判断する。ステップS27が否定判断されるとステップS25へ戻り、ステップS27が肯定判断されると一連の動作を終了する。
【0020】
上述の第1の実施の形態の車載機100は、たとえば現在地が特許庁前であり、経路探索の目的地が箱根方面であった場合、次のように経路誘導できる。図5のステップS13における目的地設定状態で、ドライバーによって「箱根」と音声入力されるか、入力装置117の各操作スイッチ操作により「箱根」と入力されると、その他の経路探索条件(たとえば高速道路優先など)とともに経路探索を行う。そして、図6に示すように、特許庁前から箱根方面(たとえば箱根湯本駅前)への推奨経路を表示モニタに表示して、経路誘導を開始する。また、目的地がエリア名ではなくピンポイントで指定された場合には、従来のカーナビゲーション装置と同様に経路誘導できる。これにより、行き先がピンポイントで決定していない場合でも、ドライバーの指定するエリアを目的地として、適切な経路誘導ができる。
【0021】
―――第2の実施の形態―――
図7を参照して、本発明によるナビゲーション装置の第2の実施の形態を説明する。第2の実施の形態の車載機100では、第1の実施の形態の車載機100と比較してそのデータ構造が異なる他は、第1の実施の形態と同一である。以下詳述する。
【0022】
第2の実施の形態の車載機100が地図記憶メモリ112のDVD−ROM113に格納しているデータは、表示用地図データ、ルート探索用データ、エリアデータから構成されている。このうち、地図データ、およびルート探索用データは、第1の実施の形態のものと同一である。
【0023】
図7は、第2の実施の形態の上記エリアデータについて記載した図である。図7に示すように、第2の実施の形態のエリアデータは、箱根や御殿場といった地理的領域(エリア)毎に、これらエリアを上位のポリゴンとして、このポリゴンの地理的領域を定義する複数の頂点の位置座標を含む。図7に示すように、たとえばポリゴン名称として箱根210という地域名称データが与えられているポリゴンは、頂点211〜214の位置座標でその形状、位置が定義されている。この上位のポリゴンには、上位のポリゴンで表された地理的領域より狭い範囲を示す仙石原310や箱根湯本330といった小領域が下位のポリゴンとして含まれている。これら下位のポリゴンデータは、小領域を定義するポリゴンの頂点位置座標を各小領域毎に有している。また、これら下位のポリゴンデータは、小領域の中心に最も近いノード(中心ノード)の位置座標をその小領域の特定の地点の位置データとして有している。図7に示すように、たとえば小領域の名称として仙石原310という名称データが与えられている下位のポリゴンデータは、頂点321〜323、および中心ノード320の位置座標を含む。
【0024】
後述するように、経路探索を行う際、目的地が箱根というエリア名で設定された場合、図7に示したデータから箱根210という上位のポリゴンに属する下位のポリゴンデータから各ポリゴンの中心ノードを選択する。そしてその中心ノードの位置座標を目的地として、出発地(車両の現在地)からの経路探索をそれぞれ実施する。複数の経路探索演算の結果の中から、出発地に最も近い下位のポリゴンの中心ノードの位置座標を目的地とした経路探索演算の結果を表示モニタ119に表示する。
【0025】
図8は、第2の実施の形態の車載機100の動作を示したフローチャートである。イグニッションキーによりアクセサリーON(ACC ON)になると、車載機100の電源が入り、図8に示すナビゲーション処理を行うプログラムが起動される。ステップS111において、車両の現在位置を検出して、車両位置周囲の地図とともに車両位置マークを表示モニタ119に表示する。ステップS113において目的地や経路探索条件の入力があるまで待機する。ステップS113が肯定判断されるとステップS115へ進み、ステップS113で入力された目的地がエリア名であるか否かを判断する。
【0026】
ステップS115が肯定判断されるとステップS117へ進み、ステップS113で入力された目的地に該当するエリア名が図7に示したエリアデータに格納されているか否かを判断する。ステップS117が否定判断されるとステップS119へ進み、表示モニタ119に該当するエリア名のデータがないことを表示してステップS113へ戻る。ステップS117が肯定判断されるとステップS121へ進み、ステップS113で入力された目的地エリアとして、図7のエリアデータに格納されているポリゴンを特定する。特定されたポリゴンが上位のポリゴンであれば、この上位のポリゴンデータに属する下位の複数のポリゴンデータの中心ノードの位置座標を抽出する。特定されたポリゴンが下位のポリゴンであれば、この中心ノードの座標を抽出する。そして、抽出した中心ノードの位置座標を目的地とし、ステップS113において入力された経路探索条件に基づいて、出発地(現在地)からの経路探索演算を行う。特定されたポリゴンが上位のポリゴンであれば、経路探索条件に最も合致する1つの経路探索演算結果を記憶してステップS125へ進む。経路探索条件に最も合致する1つの経路探索演算結果とは、第1の実施の形態と同一である。特定されたポリゴンが下位のポリゴンであれば、このポリゴンを目的地として行った経路探索演算結果を記憶してステップS125へ進む。
【0027】
ステップS115が否定判断されるとステップS123へ進み、ステップS113で入力された目的地と経路探索条件に基づいて、出発地(現在地)からの経路探索演算を行い、ステップS125へ進む。
【0028】
ステップS125以降は、第1の実施の形態のステップS25以降と同一であるので説明を省略する。
【0029】
上述の第2の実施の形態の車載機100では、エリアデータに階層が設けられており、箱根という地域を目的地として経路探索できるとともに、箱根という地域の中の仙石原や箱根湯本といった、箱根という地域よりも狭い地域を目的地として経路探索できる。これにより、ある地域を目的地として経路探索を行う際に、車載機100に入力するキーワード(エリア名)が一般的に指し示す地域の広さに応じて目的地を決定することができ、ドライバーの所望する経路探索ができる。
【0030】
―――第3の実施の形態―――
図9を参照して、本発明によるナビゲーション装置の第3の実施の形態を説明する。第3の実施の形態の車載機100では、第1および第2の実施の形態の車載機100と比較してそのデータ構造が異なる他は、第1および第2の実施の形態と同一である。以下詳述する。
【0031】
第3の実施の形態の車載機100が地図記憶メモリ112のDVD−ROM113に格納しているデータは、表示用地図データ、ルート探索用データ、エリアデータから構成されている。このうち、地図データ、およびルート探索用データは、第1および第2の実施の形態のものと同一である。
【0032】
図9は、上記エリアデータについて記載した図である。図9に示すように、第3の実施の形態のエリアデータは、箱根や御殿場といった地理的領域毎に、複数のノードの位置座標が格納されている。これら格納されているノードは、箱根や御殿場といった地理的領域に進入する複数の道路各々を定義するノードのうち、各道路で最も地理的領域の境界に近いノードである。
【0033】
経路探索を行う際、目的地が箱根というエリア名で設定された場合、図9に示したデータから箱根510に格納されている複数のノードを抽出する。そして、これら複数のノードを目的地として、出発地からの経路探索をそれぞれ実施する。複数の経路探索演算の結果の中から、出発地に最も近いノードを目的地とした経路探索演算の結果を表示モニタ119に表示する。第3の実施の形態の車載機100の動作は、第1の実施の形態の動作を示した図5のフローチャートと同一であるので、説明を省略する。
【0034】
上述のように、第3の実施の形態の車載機100が持つエリアデータは、地域(エリア)毎に、あらかじめ決めた当該エリアの境界線と交差する道路毎の境界線に最も近いエリア内のノードの位置座標である。目的地をエリア名で指定した場合、これらのノードを目的地の候補として、経路探索条件に合致し、かつ出発地に最も近いノードを目的地とした経路探索演算の結果を表示モニタ119に表示する。これにより、ドライバーの希望するエリアまで、ドライバーの希望する経路探索条件、すなわちドライバーの希望する走行条件にて経路誘導できる。
【0035】
―――変形例―――
(1) 上述した第1の実施の形態では、車載機100が持つエリアデータは、当該エリア内の重要な交差点や鉄道の駅前などの地点であったが、景勝地や施設、都道府県庁や市役所等の公的機関所在地などでもよい。あるいは、各施設などに設けられた駐車場入口の位置座標を各地点の位置座標としてもよい。
(2) 第2の実施の形態では、車載機100が持つエリアデータは、ポリゴンのデータ階層が上位と下位の2つの階層を持つものであったが、階層は1つ、あるいは3以上でも良い。
(3) 第3の実施の形態の車載機100が持つエリアデータは、エリア名とともに、そのエリアに交差する道路毎の、あらかじめ決めたエリアの境界線内部であり、かつその境界線に最も近いノードの位置座標であったが、本発明はこれに限定されない。エリア毎に格納されるノードは、境界線外部に位置して境界線に最も近いノードの位置座標でもよく、エリア内の道路の代表する複数のノードとしてもよい。また、第3の実施の形態の車載機100が持つエリアデータは、エリアをポリゴンで表現したものとして、エリアの境界線をポリゴンの境界線としてもよい。
(4) 経路探索演算の結果の表示は、経路探索条件に合致した1つのみであったが、本発明はこれに限らない。複数の経路探索演算結果を表示モニタ119に表示して、ドライバーに選択させるようにしてもよい。
【0036】
なお、上述した各実施の形態および変形例は、それぞれ組み合わせてもよい。たとえば第1および第3の実施の形態のエリアデータを併せ持つエリアデータとしてもよい。そして、出発地が目的地エリアに近い場合、複数の地点の位置座標をエリアデータから抽出し、これを目的地にして演算するようにすればよい。また、出発地が目的地エリアから遠い場合、複数のノードの位置座標をエリアデータから抽出し、これを目的地にして演算するようにすればよい。さらに、本発明の特徴的な機能を損なわない限り、本発明は、上述した実施の形態における機器構成に何ら限定されない。
【0037】
以上の実施の形態およびその変形例において、請求項に記載の検出手段は現在地検出装置111に、表示モニタは表示モニタ119に、入力手段は入力装置117にそれぞれ対応する。演算手段、地点選択手段および表示制御手段は、制御回路114で実行されるプログラムによって実現されている。
【0038】
【発明の効果】
入力手段により入力された目的地が地域名称のとき、当該地域の複数の地点を目的地として現在位置から推奨経路を演算することができるので、ある広がりを持った地域の名称で目的地を指定することができる。これにより、ドライバーの指定するエリア(地理的領域)を目的地として、適切な経路誘導ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施の形態のカーナビゲーション装置の構成を表すシステムブロック図である。
【図2】 図1のカーナビゲーション装置の表示用地図データの構成を示した図である。
【図3】 図1のカーナビゲーション装置のルート探索用データのデータ構成を示す図である。
【図4】 図1のカーナビゲーション装置のエリアデータを説明する図である。
【図5】 図1のカーナビゲーション装置の動作を示したフローチャートである。
【図6】 図1のカーナビゲーション装置の表示モニタ119の表示例を示した図である。
【図7】 第2の実施の形態のカーナビゲーション装置のエリアデータを説明する図である。
【図8】 第2の実施の形態のカーナビゲーション装置の動作を示したフローチャートである。
【図9】 第3の実施の形態のカーナビゲーション装置のエリアデータを説明する図である。
【符号の説明】
100 車載機 111 現在地検出装置
111a 方位センサ 111b 車速センサ
111c GPSセンサ 111d ジャイロセンサ
112 地図記憶部 113 DVD−ROM
114 制御回路 115 RAM
116 ROM 117 入力装置
118 画像メモリ 119 表示モニタ
Claims (6)
- 現在位置を検出する検出手段と、
検出された現在位置を地図上に表示する表示モニタと、
目的地を入力する入力手段と、
前記入力手段により入力された目的地が地域名称のとき、当該地域名称で特定される地理的領域内に含まれる複数の地点を仮の目的地として前記現在位置から推奨経路を演算する演算手段と、
前記演算手段により演算された前記推奨経路のうち、予め設定されている経路探索条件に最も合致する経路を通って到着できる地点を目的地として選択する地点選択手段と、
前記地点選択手段により選択された目的地および該目的地に至る経路を前記表示モニタ上に表示する表示制御手段と、
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。 - 請求項1に記載のナビゲーション装置において、
前記地点選択手段は、前記経路探索条件として、最も走行距離が短くなる経路、または、もっとも走行時間が短くなる経路という条件を用いることを特徴とするナビゲーション装置。 - 請求項1または請求項2に記載のナビゲーション装置において、
前記複数の地点の各々は、前記地理的領域に進入する複数の道路各々を定義するノードのうち、各道路で最も地理的領域の境界に近いノードであることを特徴とするナビゲーション装置。 - 請求項3に記載のナビゲーション装置において、
前記複数の地点は、前記地理的領域内の景勝地、施設を含むことを特徴とするナビゲーション装置。 - 請求項1〜4のいずれかに記載のナビゲーション装置において、
前記地域名称は、前記地理的領域を表示するためのポリゴンデータのポリゴン名称であり、
前記ポリゴンデータは、ポリゴン内に前記複数の地点を表す位置データを有することを特徴とするナビゲーション装置。 - 請求項5に記載のナビゲーション装置において、
前記ポリゴンデータは、前記地理的領域を定義する位置データと、前記地域名称データと、前記地理的領域内で複数の小領域を表示するための小領域用ポリゴンデータとを有し、
前記小領域用ポリゴンデータは、前記各小領域を定義する位置データと、各小領域用ポリゴンの名称データと、前記小領域内の特定の地点の位置データと含み、
前記複数の地点は前記各小領域内の特定の地点であることを特徴とするナビゲーション装置。
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