JP4091427B2 - プロテーゼを固定するための固定器ならびにこの固定器を送出するためのデバイス - Google Patents

プロテーゼを固定するための固定器ならびにこの固定器を送出するためのデバイス Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プロテーゼを固定するための例えば生体吸収性材料から形成されたような固定器に関するものであり、この固定器は、ヒトの体内において、解剖学的支持体に対して平面状プロテーゼ部材を固定するために使用される。本発明は、また、この固定器を送出するためのデバイスに関するものである。
【0002】
本発明においては、以下の説明および特許請求の範囲において使用される用語は、次のような意味を有している。
−『生体吸収性材料』という用語は、ヒトまたは動物の体によっておよび/または体内において、分解されるようなおよび/または吸収されるような材料として、理解されたい。
−『解剖学的支持体』という用語は、無機物化されていないような、ヒトまたは動物の支持組織として、理解されたい。
【0003】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
半月板骨折の修復を意図したプロテーゼ固定器は、欧州特許出願公開明細書第0 847 727号により公知である。この固定器は、半月板破片に対して当接させることを意図した少なくとも1つの第1不動化バーと、他の半月板破片に対して当接させることを意図した少なくとも1つの第2不動化バーと、湾曲しているとともに弾性変形可能とされた連結ロッドと、から構成されている。両不動化バーは、各不動化バーが連結ロッドの端部に対して垂直に延在するようにして、連結ロッドに対して堅固に連結されている。
【0004】
固定器が埋設されたときには、連結ロッドが、直線状形態をなすようにして変形し、これにより、連結ロッドは、不動化バーどうしを互いに近接させる傾向があり、これにより、半月板破片どうしを互いに押圧接触させるようにして保持することを保証する。
【0005】
上記文献による固定器は、半月板の修復には好適ではあるけれども、特に腹壁といったような解剖学的支持体に対して例えば頭頂補強体といったような平面状プロテーゼ部材を固定するに際しては、使用することができない。その理由は、弾性変形可能な連結ロッドとこの連結ロッドに対して堅固に連結された複数の不動化バーとを備えて構成されたこの固定器であると、組織壁の内部へと第1不動化バーを挿入することができないからであり、また、弾性が、そのような固定に適していないからである。
【0006】
国際特許公開明細書第00/40159号には、半月板の修復を意図しているとともに、解剖学的支持体に対して平面状プロテーゼ部材を固定するに際しては使用できないような、固定器が開示されている。
【0007】
米国特許明細書第5,203,864号には、解剖学的支持体に対して平面状プロテーゼ部材を固定することを意図したH字形固定器が開示されている(この文献における図17参照)。この固定器は、
−解剖学的支持体内にアンカー止めするための先端部材と;
−プロテーゼ部材に対して不動化するための基端部材と;
−一端が、先端部材の中間ポイントにおいて先端部材に対して連結されるとともに、他端が、基端部材の中間ポイントにおいて基端部材に対して連結された、連結ロッドと;
を具備している。
【0008】
この従来文献による固定器およびこの固定器を送出するためのデバイスに関する主要な欠点は、解剖学的支持体に対しての平面状プロテーゼ部材の緊密な接触を保証しないことである。このような緊密接触は、当然のことながら、平面状プロテーゼ部材に対する良好な組織一体化における基本事項である。それは、アンカー止め用先端部材が、平面状プロテーゼ部材に対しての不動化用基端部材の当接によって決定される深さに配置されるからである。しかしながら、固定器の形状が与えられると、この配置により、この深さに対してのアンカー止め用先端部材のある種の後退が起こり、これにより、上記緊密接触の欠如につながる。さらに、アンカー止め用先端部材の端部における連結ロッドの存在が、このアンカー止め用先端部材の挿入に対する障害となり、アンカー止めサイトにおけるいくらかの損傷を引き起こしてしまい、その結果、アンカー止め用先端部材の埋設深さだけでなく、得られるアンカー止め強度にも、影響を及ぼす。このことも、また、緊密接触の欠如をもたらす。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、上記根本的欠点に対する解決手段を提供することである。
【0010】
本発明に係わる固定器は、従来より公知なように、例えば生体吸収性材料といったようなプラスチック材料の成型によって得ることができるとともに、解剖学的支持体内にアンカー止めするための少なくとも1つのアンカー止め部材と、固定されるべき平面状プロテーゼ部材の不動化をもたらすための少なくとも1つの不動化部材と、アンカー止め部材に対する連結ゾーンと不動化部材に対する連結ゾーンとの間に配置された連結ロッドと、を備えてなる一体構造を具備している。
【0011】
本発明においては、連結ロッドは、直線状とされ、連結ロッドに対しての、アンカー止め部材および不動化部材の連結ゾーンは、固定器が、
−不動化部材の延在方向とアンカー止め部材の延在方向とが、連結ロッドを含む同一平面内において、少なくとも90°という内部角度を形成しているような無応力型出し状態と;
−固定器の全体をチューブ内に挿入することによって例えばチューブ状とされていて、アンカー止め部材および不動化部材が、連結ロッドに向けてかつ互いに向けて折り曲げられ、端部どうしを突き合わせたかのような配置状況とされた最大応力状態と;
−不動化部材の延在方向とアンカー止め部材の延在方向とが、同一平面内において、90°を超えないという内部角度を形成しているような最小応力状態と;
という少なくとも3つの状態をとることを可能としている。
【0012】
本発明による固定器は、従来より使用されてきた手術手法とは完全に相違するような、手術手法を可能とする。米国特許明細書第5,203,884号に開示されているような従来手法においては、解剖学的キャビティの内部から組織壁の後面に対してアクセスし、平面状プロテーゼ部材の保持または固定に必要な1つまたは複数の固定器を固定する。
【0013】
本発明においては、固定器は、不動化部材をチューブの先端側に向けかつアンカー止め部材をチューブの基端側に向けた状態で、チューブ内に挿入することができる。チューブは、解剖学的支持体の前面側から、この解剖学的支持体の後面側に配置されたプロテーゼ部材を超えて固定器を挿入することを可能とするような、中空配置ニードルを形成する。チューブから固定器を部分的に放出することにより、不動化部材を放出することができ、不動化部材をプロテーゼ部材に対して当接させることができる。その後、チューブを戻り移動させることにより、固定器の残部を放出することができ、これにより、解剖学的支持体に対してのプロテーゼ部材の緊密接触を保証し得るような深さのところに、アンカー止め部材を埋設することができる。
【0014】
したがって、本発明においては、固定器を送出するためのデバイスは、チューブと、固定器と、を具備し、固定器は、不動化部材をチューブの先端側に向けかつアンカー止め部材をチューブの基端側に向けた状態で、チューブ内に挿入され、チューブは、側方開口を有した尖鋭先端部を備え、この尖鋭先端部には、しきい値以下の力でもってアンカー止め部材を保持するための保持手段が設けられ、側方開口は、固定器がチューブ内において基端側から先端向きに押し込まれたときにはチューブから不動化部材を放出し得るような寸法とされ、保持手段は、不動化部材がそのようにしてチューブから放出されたときにアンカー止め部材を保持し得るようにして配置され、保持手段は、しきい値以下の力でもってチューブによって固定器を後退させることができるとともに、保持手段は、アンカー止め部材を放出し得るようチューブに対して大きな引っ張り力が印加されることにより不動化部材がプロテーゼ部材に対して当接しさらにプロテーゼ部材が解剖学的支持体に対して押し付けられたときには、プロテーゼ部材が解剖学的支持体に対して十分に押し付けられることを十分に保証し得るようなアンカー止め深さをアンカー止め部材が有することを、保証する。
【0015】
好ましくは、固定器の最小応力状態は、実質的に、この固定器の型出し状態に対応している。
【0016】
有利には、最大応力状態においては、アンカー止め部材と不動化部材とは、互いに連続した突き合わせ状態とされ、かつ、連結ロッドは、アンカー止め部材に対する連結ゾーンと不動化部材に対する連結ゾーンとの間においてアンカー止め部材と不動化部材との位置合わせ方向に対して平行に延在している。
【0017】
本発明においては、固定器を送出するために必要な手術手法において、単に、例えばチューブ状とされたような最大応力状態でもって組織を貫通させて固定器を前方側に移動させ、その後、その固定器を後方側に引っ張ることにより、固定器を、組織壁内にアンカー止めされた無応力状態とするだけで良い。
【0018】
本発明による固定器は、また、ある状態から他の状態への移行時に、連結ロッドと不動化部材との間の関節結合箇所においておよび連結ロッドとアンカー止め部材との間の関節結合箇所において集積される角度応力を制限することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明は、添付図面を参照しつつ、以下の説明を読むことにより、明瞭に理解されるであろう。
【0020】
図1は、型出し状態(型からの取出状態)でもって、固定器(2)を示している。この固定器(2)は、アンカー止め部材(4)と、不動化部材(6)と、これらを連結する連結ロッド(8)と、を具備している。
【0021】
連結ロッド(8)は、アンカー止め部材(4)に対する中間連結ポイント(8b)と、不動化部材(6)に対する中間連結ポイント(8a)と、の間に配置されている。
【0022】
図2においては、型出し状態において、連結ロッド(中間ロッド)(8)は、実質的に中央部において、膨出部(8c)を有している。この膨出部(8c)は、ロッド(8)の長さと比較すれば限定された長さ部分において、過剰厚さの材料から構成されており、ロッド(8)をなすコアの上面側にのみ配置されている。膨出部(8c)は、図3に示すようなチューブ状という最大応力状態においては、固定器(2)の内部に位置することとなる。図3に示すように、チューブ状態においては、膨出部(8c)は、アンカー止め部材の基端部と不動化部材の先端部との間に残されたギャップを充填して占領する。
【0023】
図1,2に示す固定器(2)は、プロテーゼ部材の保持に際して最小応力状態を有している。この最小応力状態においては、不動化部材(6)およびアンカー止め部材(4)のそれぞれの延在方向は、連結ロッド(8)を含む同一平面内に存在しており、その平面内において、それら延在方向どうしの間において、90°を超えない角度を形成している。図1,2に示す実施形態においては、成型によって得ることができる固定器は、上記最小応力状態と同じかあるいは極めて同様の、いわゆる型出し状態で示されている。
【0024】
図3は、本発明による固定器(2)を、この固定器をチューブ(図示せず)内に完全に挿入したことの結果としての、最大応力を受けたチューブ状状態で示している。この状態においては、アンカー止め部材(4)と不動化部材(6)とは、互いに端部どうしで連続したようにして、特に膨出部(8c)の両側において連続したようにして、配置されている。この状態においては、連結ロッド(8)は、アンカー止め部材(4)に対する中間連結ポイント(8b)と不動化部材(6)に対する中間連結ポイント(8a)との間において、アンカー止め部材(4)と不動化部材(6)との位置合わせ方向に対して平行に延在している。
【0025】
チューブ形状の応力状態においては互いに隣接することとなるような、アンカー止め部材(4)および不動化部材(6)の各端部は、それぞれ、先端または斜面(4a,6a)を有している。
【0026】
図4(一番下の図)において直接的に示すようにまた図3において間接的に示すように、チューブ形状をなす最大応力状態においては、先端または斜面(4a,6a)は、連結ロッド(8)から離間する向きの鋭角を形成する。
【0027】
図3に示すような、チューブ形状をなす最大応力という図示実施形態においては、アンカー止め部材(4)および不動化部材(6)の対向端部どうしは、互いに距離をおいて位置している。アンカー止め部材(4)と不動化部材(6)とは、実質的に同じ長さを有しているとともに、各中間連結ポイント(8a,8b)は、アンカー止め部材(4)および不動化部材(6)のそれぞれ実質的中央位置に位置している。
【0028】
特に図9〜図12に示すように、連結ロッド(8)に対しての、アンカー止め部材(4)および/または不動化部材(6)の連結は、アンカー止め部材および/または不動化部材の、端部において、または、幾何学的中心以外のポイントにおいて、行うことができる。
【0029】
図3に示す実施形態においては、連結ロッド(8)には、アンカー止め部材(4)に対する中間連結ポイント(8b)の外側部分と不動化部材(6)に対する中間連結ポイント(8a)の外側部分とにおいて、それぞれガセット(あるいは、まち、襠)が形成されている。
【0030】
アンカー止め部材(4)は、例えば、押込ヘッド(7)を備えており、この押込ヘッド(7)は、チューブ状をなす応力状態においては、ロッドの基端部に配置されている。
【0031】
図4に示すように、本発明による固定器(2)は、挿入デバイスにより、組織壁または筋肉壁(101)を通して挿入される。挿入デバイスは、全体的に符号(50)によって示されており、中空ニードル(51)を備えている。このニードル(51)は、Hubertニードルの形態とされており、開口しているとともに尖鋭とされた先端部(52)を有している。より詳細には、ニードル(51)の先端部は、凹状の尖鋭な端部ピース(51a)によって閉塞されているとともに、凹状端部ピース(51a)と対応した位置に、側方開口(51b)が設けられている。ニードル(51)の先端部は、組織壁を穴開けするとともにさらに組織壁内へと侵入するよう機能するものであるとともに、先端部(52)における開口(51b)以外の場所においては連続的でありかつ剛直なものであって、チューブ形状をなす最大応力状態とされた少なくとも1つの固定器(2)を収容することができる。図4に示すように、ニードル(51)は、固定器(2)を(後方引っ張りによって)保持するための保持手段(54)を備えている。この保持手段(54)は、材料の変形によって形成されるとともに保持という目的のために形成された保持ヘッドを拘束するための1つまたは複数のスタブから構成されている。この保持手段は、固定器(2)に対する後方引っ張りによってのみ相対クリアランス(保持手段と固定器(2)との間の相対クリアランス、または、保持手段と固定器のヘッド(7)との間の相対クリアランス)を可能とし得るように構成されている。
【0032】
1つまたは複数のスタブは、チューブ状状態においてステープル軸に対してステープルが角度をなして配向するように、ヘッド(7)に対して配置することができる。あるいは逆に、ヘッド(7)をスタブに対して配置することができる。
【0033】
押込マンドレル(53)が、ニードル(50)内に収容されている。押込マンドレル(53)は、チューブ形状最大応力状態とされた固定器(2)に対してその先端部を当接させつつ、より詳細には固定器(2)のヘッド(7)に対してその先端部を当接させつつ、ニードル(50)の内部においてスライド自由であるように構成されている。押込マンドレル(53)は、押込によって前方移動を直接的に制御するための基端側の外側端部を有している。
【0034】
図4は、本発明による固定器の送出の一例を示している。より詳細には、固定器(2)の放出過程と、本発明の範疇において使用される外科手術における原則的にプロテーゼ組織からなるプロテーゼ部材(100)の固定過程と、を示している。
【0035】
この固定は、組織壁または筋肉壁からなる解剖学的支持体(101)上において、行われる。
【0036】
この種の固定器は、経皮的挿入デバイス(50)を使用して、体外から患者の皮膚(102)を通してさらには組織を通して搬送される。
【0037】
よって、固定器(2)は、図4において過程(D)に示すようにして、プロテーゼ部材(100)を固定することができる。
【0038】
第1過程(A)においては、後述するように、ニードル(51)は、皮膚(102)を貫通し、その後、組織壁を貫通し、さらには、プロテーゼ部材(100)を貫通する。これにより、開口した尖鋭な先端部(52)を介して、図4Aに示すチューブ状最大応力状態から開始して、プロテーゼ部材(100)を超えてプロテーゼ部材(100)の前方へと、不動化部材(6)を解放することができる。
【0039】
本発明による固定器(2)の送出方法は、例えば図4に示されており、4つの過程(A,B,C,D)に分類することができる。
【0040】
第1過程(過程A)においては、挿入デバイスによって、ニードル(51)を、皮膚(102)と組織壁(101)とプロテーゼ部材(100)とを通して導入することができる。ニードル(51)は、過程(B)において矢印(G)向きにマンドレル(53)を使用して押し込むことによって開口尖鋭先端部(52)が不動化部材(6)を解放し得るに十分な長さの分だけ、プロテーゼ部材(100)を通過する。不動化部材(6)は、解放後には、チューブ状最大応力状態から少なくとも部分的に変形する。押込マンドレル(53)は、傾斜端(6a)がニードル(51)から露出されるまで、固定器(2)を押し出す。
【0041】
図4における過程(C)においては、外科医は、挿入デバイス(50)に対して後方引っ張り力を印加する。したがって、ニードル(51)に対して、矢印(H)向きの力を印加する。これにより、不動化部材(6)は、プロテーゼ部材(100)に向けて引っ張られ、プロテーゼ部材に対して当接する。この時点から、固定器(2)は、固定器が比較的開放されている最小応力状態に向けて、変形する。よって、不動化部材(6)は、チューブ状応力状態から実質的に変形し、連結ロッド(8)の延在方向に対して実質的に垂直をなすようにして、延在することとなる。
【0042】
図4における過程(C)に示すように、不動化部材(6)のうちの、プロテーゼ部材(100)を向いた端部の傾斜形状(6a)に基づき、固定器(2)(この固定器の一部は、ニードル(51)の内部に留まっている)の後方引っ張りによって、不動化部材(6)を、フラットな状態へとすなわちプロテーゼ部材(100)や壁(101)に対して平行な状態へと、傾斜させることができる。
【0043】
その後、ニードル(51)に対してさらなる後方引っ張り力を印加することにより、固定器(2)の押込ヘッド(7)の例えば変形や撓みといったようなものによって、押込ヘッド(7)が保持手段(54)を超えることができ、押込ヘッド(7)は、ニードル(51)から解放される。これにより、固定器(2)は、図4の過程(D)において概略的に示すように、最小応力の比較的開放された状態となる。この状態においては、基端側アンカー止め部材(4)は、固定器の型出し状態から当然のように実質的に変形し、壁(101)内にアンカー止めされる。
【0044】
不動化部材(6)の先端または斜面(6a)とアンカー止め部材(4)の先端または斜面(4a)とは、基端側アンカー止め部材(4)がアンカー止めされる解剖学的支持体内への固定器(2)の優秀な挿入性に寄与する。
【0045】
アンカー止め部材(4)は、解剖学的支持体上へのプロテーゼ組織(100)の保持または固定を保証するに際し、連結ロッド(8)の延在方向に対して垂直な延在方向をなす姿勢にまで完全に広げられる必要はない。アンカー止め部材(4)は、固定器のチューブ状応力状態における姿勢から、少し変形するだけで十分である。
【0046】
膨出部(8c)の存在により、チューブ状最大応力状態での固定器の挿入および送出のための押込時とプロテーゼ部材(100)の保持のための最小応力状態へと変形するための後方引っ張り時との双方において連結ロッド(8)が受領する長さ方向力に対して、連結ロッド(8)を脆弱化させることなく、連結ロッド(8)を長くすることができる。
【0047】
連結ロッド(8)を長くすることにより、侵入した組織壁(101)の深さ方向におけるアンカー止めの深さを増大することができ、例えば組織といったような生物学的材料からなり、このようにして送出された固定器によるプロテーゼ保持に関して寄与することとなる生物学的材料の厚さを、増大することができる。
【0048】
一方においては、斜面(4a,6a)のために使用された形状は、固定器の後方引っ張りによってもたらされた不動化部材(6)の回転に基づく、固定器(2)が既に貫通しているプロテーゼ部材(6)内における不動化部材(6)の保持を保証するとともに、他方においては、連結ロッド(8)の引っ張り時におけるプロテーゼ部材(100)に対する横方向移動のためにしたがって不動化部材(6)に対する横方向移動のために、アンカー止め部材(4)のアンカー止めを促進する。
【0049】
図4における過程(D)に示すように、ヘッド(7)は、組織壁内においてアンカー止め部材を不動化するための手段として機能する。
【0050】
図5〜図8に示す固定器は、図1を参照して説明した固定器と比較して、以下の点において相違している。
−チューブ状最大応力状態において、斜面(4a,6a)が、膨出部(8c)のそれぞれ対応する傾斜面に対して当接している点。
−ヘッド(7)が、固定器が応力状態とされてニードル(51)内に収容されているときに例えば殺菌ガスといったようなガスの流通を可能とする2つの周縁ノッチまたは周縁グルーブを有している点。
【0051】
図9および図10に示す固定器(2)は、一方においては、アンカー止め部材(4)および不動化部材(6)の各断面積が、連結ロッド(8)から離間するにつれて減少することを特徴としており、他方においては、不動化部材(6)が、非自由端において連結ロッド(8)に対して関節結合されている(揺動可能に結合されている)ことを特徴としている。
【0052】
図11および図12に示す固定器(2)は、連結ロッド(8)のそれぞれ対応する端部において、複数の不動化部材(6)と複数のアンカー止め部材(4)とが設けられているとともに、膨出部(8c)がハブの形態とされていることを特徴としている。
【0053】
図13および図14は、本発明に基づく、組織を貫通して挿入を行う挿入デバイスの例示としての2つの実施形態を示している。図13に示す経皮的挿入デバイス(50)は、開口した尖鋭な先端部(52)を有したニードル(51)と、押込マンドレル(53)が導入される導入端部と、を備えている。押込マンドレル(53)の最外基端部には、制御部材(55)が設けられている。
【0054】
ニードル(51)の先端侵入部は、端部どうしを突き合わせて収容された複数の固定器(2)を備えている。各固定器は、中空ニードル(51)の内部においては、チューブ状最大応力状態で収容されている。
【0055】
経皮的挿入デバイス(50)は、さらに、ニードル(51)の内部における押込マンドレル(53)の前進を確認するための段階付け手段(60)を備えている。段階付け手段(60)は、外科医に対して、使用された固定器(2)の数を知らせることができる。段階付け手段(60)により、この場合には組織壁(101)とされるような解剖学的支持体上にプロテーゼ部材(100)を固定する際に、解放された固定器(2)の数をカウントすることができる。
【0056】
保持手段(54)は、不動化部材(6)をプロテーゼ部材(100)に対して十分に最適に配置し得るようにして押込ヘッド(7)を保持し得るような、サイズとされている。
【0057】
挿入デバイスの図14に示す実施形態は、ニードル(51)内に、ただ1つの固定器(2)だけを収容している。図13において符号(54)によって示された保持手段とは異なり、図14において符号(154)によって示された部材は、固定器(2)を押込マンドレル(53)に対して連結するためのロッドまたはワイヤとして形成されている。
【0058】
図13および図14に示す挿入デバイス(50)は、使い捨てタイプのものとされ、図14における実施形態においては、本発明による固定器(2)をただ1つだけ収容しており、図13における実施形態においては、一群のまたは複数の固定器を収容している。
【0059】
図15〜図19は、本発明に基づく、組織を貫通して挿入を行う挿入デバイスの例示としての他の実施形態を示している。この挿入デバイスは、ハンドル(70)を備えている。このハンドル(70)の先端部(71)において、ニードル(51)が同軸的に取り付けられている。ニードル(51)は、ニードル(51)と一体とされた係合ピース(72)を利用することにより、ハンドル(70)上に取り付けられているとともに、制御ハンドル(70)内において少なくとも一部分が係合されている。係合ピース(72)は、ハンドル(70)の先端部(71)に対して、特にねじ止めや接着といったような任意の公知手段によって一体化されている。
【0060】
押込マンドレル(53)が、ニードル(51)内を同軸的に挿通しているとともにニードル(51)内において移動可能とされている。押込マンドレル(53)は、先端部においては、固定器(2)に対して当接しているとともに、基端部においては、ハンドル(70)内において並進移動可能に同軸的に設置されたスライド体(74)内において移動可能に配置されている。基端部においては、マンドレルは、ニードル(51)とマンドレル(53)との双方に対して同軸的とされたコアすなわちカウンタ当接部材(90)と一体的とされている。
【0061】
軸方向に沿って、スライド体(74)は、一連の軸方向係止体(74a,74b,74c)を備えている。これら軸方向係止体(74a,74b,74c)は、径方向に弾性的であるとともに、ニードル(51)の侵入先端部内に収容された固定器(2)の数と同数あるいはそれよりも1つだけ少ない数とされている。軸方向係止体(74a,74b,74c)は、スライド体(74)の軸に沿って離間されており、チューブ状応力状態とされた固定器(2)の長さに等しい距離だけ離間されている。そのような距離は、押込マンドレル(53)の前方移動に関する基本単位距離を決定する。
【0062】
押込部材(80)が、ハンドル(70)から部分(80b)が突出しており、ハンドル(70)内において同軸的に並進移動可能に取り付けられている。押込部材(80)の先端部は、スライド体(74)のうちの、ニードル(51)から離間している方の端部に当接している。押込部材(80)は、ハンドル(70)の内部に、先端面(80a)を備えている。この先端面(80a)は、突出部分(80b)とは反対側において、スライド体(74)に対して当接している。先端面(80a)は、挿入デバイスの最初の使用の前においては、カウンタ当接部材(90)に対して当接している。
【0063】
挿入デバイスは、スライド体(74)を、スライド体(74)の基端部(74d)と押込部材(80)の先端面(80a)とが互いに当接しているような休止位置へと戻すための復帰手段(82)を備えている。復帰手段(82)は、例えばハンドル(70)内に配置されたスプリングとされ、より詳細には、ワッシャ(91)を介した状態でもってスライド体(74)の先端部と、ハンドル(70)の先端部(71)と、の間に配置されたスプリングとされる。
【0064】
ハンドル(70)の先端部(71)と押込マンドレル(53)との間には、戻り阻止手段(84)が設けられている。戻り阻止手段(84)は、押込マンドレル(53)がハンドル(70)内において前方移動することは許容するものの、押込マンドレルがハンドルに対して後方移動することは禁止する。よって、押込マンドレル(53)は、基本単位距離だけ前進した位置ごとに並進移動が阻止され、そのたびにニードル(51)から固定器(2)が完全に引っ込められることが阻止される。基本前進位置の各々は、先端面(80a)とスライド体(74)の戻り位置における軸方向係止体(74a,74b,74c)とによって実現される。
【0065】
軸方向係止体(74a,74b,74c)の各々は、押込マンドレル(53)が戻り阻止手段(84)によって並進移動を拘束されかつスライド体(74)が復帰位置すなわち戻り位置へと戻されたときには、カウンタ当接部材(80)を逃がし得るように構成されている。この目的のために、各係止体(74a,74b,74c)は、1つまたは複数の径方向弾性歯を有して構成されている。弾性歯は、スプリング(82)の作用によってスライド体(74)が復帰する際にはカウンタ当接部材(90)を逃がし得るような形状とされかつスライド体(74)が前進移動する際にはカウンタ当接部材(90)を係止することができて各弾性歯の前方先端面がカウンタ当接部材(90)に対して当接し得るような形状とされた内向きヒール(95)を、有している。
【0066】
上記経皮的挿入デバイスを使用している外科医が、ニードル(51)から固定器(2)を放出しようと思ったときには、外科医は、図15に示す状態から操作を開始する。その後、外科医は、押込部材(80)を押し込み、復帰手段(82)を圧縮するとともに押込マンドレル(53)を並進移動させてニードル(51)から不動化部材(6)を送り出す。押込部材(80)の移動は、押込マンドレル(53)を変位させ、これにより、ニードル(51)から放出することを意図した最初の固定器(2)に関して、押込ヘッド(7)と保持手段(54)とが実質的に当接するようになる。この時点で、図16に示すような状況となる。
【0067】
その後、外科医は、ハンドル(70)によってニードル(51)に対して引っ張り力を印加することができる。これにより、固定器(2)を、不動化部材(6)によってプロテーゼ部材(100)に対して当接するようにして配置することができる。すなわち、組織壁(101)に対して当接するようにして配置することができる。後方引っ張り力を印加することにより、保持手段(54)から押込ヘッド(7)を解放することができる。
【0068】
外科医が押込部材(80)を解放したときには、押込部材(80)は、復帰手段(82)の作用によって、休止位置へと戻る。ハンドル(70)内におけるスライド体(74)の移動(戻り移動)は、押込マンドレル(53)とハンドル(70)との間の相対移動をもたらすことなく、行われる。これは、戻り阻止手段(84)のおかげである。
【0069】
その場合、カウンタ当接部材(90)は、図17および図18に順次的に示すように、スライド体(74)の内部に設けられた第1係止体(74a)の前方部分に位置することとなる。この新たな位置において、押込部材(80)がさらに移動したときには、第1係止体(74a)の前方側において第2係止体(74b)のところに位置することとなる。
【0070】
この時点で、挿入デバイスは、図18に示すような待機状態となる。
【0071】
図4に示す送出方法においては、固定器(2)を完全に放出した時点で、図15〜図18に示す挿入デバイスは、第2の固定器(2)を放出し得る状態となる。これは、押込部材(あるいは、把持部材)(80)が押し込まれたときには、スライド体(74)が、第1軸方向係止体(74a)を介しての力伝達によって押込マンドレル(53)を、スライド体(74)が休止状態にあるときに第2軸方向係止体(74b)の前方側において第2軸方向係止体(74b)を超えた第2基本位置にまで、変位しているからである。よって、第2固定器(2)の不動化部材(6)がニードル(51)から押し出され、第2固定器(2)の押込ヘッド(7)が保持手段(54)と接触したときには、外科医は、押込部材(80)を解放する(押込部材から手を離す)。これにより、押込部材(80)は、復帰手段(82)の作用によって、スライド体(74)を、再度休止状態とする。その場合、カウンタ当接部材(90)は、第2軸方向係止体(74b)よりも前方に位置することとなる。このようにして、第2固定器(2)が、完全に放出され、この場合には第3固定器(2)といったようなさらなる固定器が、ニードル(51)から放出することができる。さらに、同様の操作を繰り返すことができる。図15〜図19に示すような本発明による挿入デバイスは、4個の固定器(2)を送出し得るような例に限定されるものではない。それよりは、対応ニードル(51)は、これとは異なる数の固定器を備えることができる。挿入デバイスのサイズおよび関連ニードルの直径も、また、本発明の範囲を逸脱することなく変更することができる。例示するならば、ニードル(51)は、1.6mmという内径を有することができる。
【0072】
図20〜図23および図23bに示すデバイスは、上記デバイスと比較して、以下の点において相違している。
−スライド体(74)を個別部材から構成することに代えて、押込部材(80)を、スライド体との一体ピースとして構成すること。
−カウンタ当接部材(90)を逃がし得るように、スライド体(74)が休止位置に戻る際には、一方においては、スライド体(74)に属する各軸方向係止体(74a,74b,74c)が、中空スライド体(74)の壁内に形成された貫通穴(例えば、円形スリット)からなる係止部によって形成され、他方においては、カウンタ当接部材(90)が、径方向に弾性変形し得るとともに押込部材(80)の押込時において係止部と当接し得るフラット面と押込部材の戻り時にスライド体(74)の内面に当接しつつスライド可能とされた傾斜面とを有した1つまたは複数の歯によって形成されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 型出し状態において、本発明による固定器の一実施形態を示す図である。
【図2】 型出し状態において、本発明による固定器の他の実施形態を示す図である。
【図3】 チューブ形状という最大応力状態において、図2の実施形態による固定器を示す図である。
【図3b】 図3に示す固定器に関し、IIIb−IIIb面による断面を拡大して示す断面図である。
【図4】 解剖学的支持体内における本発明による固定器の挿入方法および送出方法を概略的に示す図である。
【図5】 本発明による固定器の他の実施形態に関する図であって、最大応力状態とされた固定器を示す正面図である。
【図6】 図5の実施形態に関する図であって、型出し状態における固定器を示す平面図である。
【図7】 図5の実施形態に関する図であって、型出し状態における固定器を示す側面図である。
【図8】 図7の一部を拡大して詳細に示す図である。
【図9】 本発明による固定器のさらに他の実施形態に関する図であって、型出し状態における固定器を示す図である。
【図10】 図9の実施形態に関する図であって、チューブ状形状という最大応力状態とされた固定器を示す図である。
【図11】 本発明による固定器のさらなる実施形態に関する図であって、型出し状態における固定器を示す図である。
【図12】 図11の実施形態に関する図であって、最大応力状態とされた固定器を示す図である。
【図13】 解剖学的支持体内へと本発明による固定器を送出するための、本発明による経皮的挿入デバイスの一例を示す図である。
【図14】 本発明による挿入デバイスの代替構成例を示す図である。
【図15】 本発明による経皮的挿入デバイスの他の例を示す図であって、各機能段階を示している。
【図16】 図15の挿入デバイスを示す図であって、各機能段階を示している。
【図17】 図15の挿入デバイスを示す図であって、各機能段階を示している。
【図18】 図15の挿入デバイスを示す図であって、各機能段階を示している。
【図19】 図15〜図18に図示された挿入デバイスの細部を示す図である。
【図20】 図15〜図19に図示された挿入デバイスの代替例を示す図であって、各機能段階を示している。
【図21】 図20の挿入デバイスを示す図であって、各機能段階を示している。
【図22】 図20の挿入デバイスを示す図であって、各機能段階を示している。
【図23】 図20の挿入デバイスを示す図であって、各機能段階を示している。
【図23b】 代替例をなす挿入デバイスに関し、A−A線による横断面を示す断面図である。
【符号の説明】
2 固定器
4 アンカー止め部材
4a 先端または斜面
6 不動化部材
6a 先端または斜面
7 押込ヘッド(保持ヘッド)
8 連結ロッド
8a 中間連結ポイント(連結ゾーン)
8b 中間連結ポイント(連結ゾーン)
8c 膨出部
51 中空ニードル(チューブ)
51b 側方開口
52 尖鋭先端部
53 押込マンドレル
54 保持手段
60 段階付け手段
70 ハンドル
74 スライド体
74a 軸方向係止体
74b 軸方向係止体
74c 軸方向係止体
80 押込部材
82 復帰手段
84 戻り阻止手段
90 カウンタ当接部材
100 平面状プロテーゼ部材
101 組織壁または筋肉壁(解剖学的支持体)

Claims (19)

  1. プロテーゼを固定するための固定器(2)であって、
    例えば生体吸収性材料といったようなプラスチック材料の成型によって得ることができるとともに、解剖学的支持体内にアンカー止めするための少なくとも1つのアンカー止め部材(4)と、固定されるべき平面状のプロテーゼ部材(100)の不動化をもたらすための少なくとも1つの不動化部材(6)と、前記アンカー止め部材(4)に対する連結ゾーン(8b)と前記不動化部材(6)に対する連結ゾーン(8a)との間に配置された連結ロッド(8)と、を備えてなる一体構造を具備し、
    前記連結ロッド(8)が、直線状とされ、
    前記固定器の型出し状態が、前記不動化部材(6)の延在方向と前記アンカー止め部材(4)の延在方向とが、前記連結ロッド(8)を含む同一平面内において、少なくとも90°という内部角度を形成しているような無応力型出し状態とされ、
    前記アンカー止め部材(4)および前記不動化部材(6)が前記連結ロッド(8)に向けてかつ互いに向けて折り曲げ可能とされ、これにより、前記固定器が、前記無応力型出し状態から、前記アンカー止め部材(4)および前記不動化部材(6)の端部どうしを突き合わせたかのような配置状況とされた最大応力状態へと、変形し得るものとされていることを特徴とする固定器。
  2. 請求項1記載の固定器において、
    前記最大応力状態においては、前記アンカー止め部材(4)と前記不動化部材(6)とが、互いに連続した突き合わせ状態とされ、かつ、前記連結ロッド(8)が、前記アンカー止め部材に対する前記連結ゾーンと前記不動化部材に対する前記連結ゾーンとの間において前記アンカー止め部材と前記不動化部材との位置合わせ方向に対して平行に延在していることを特徴とする固定器。
  3. 請求項1記載の固定器において、
    前記最大応力状態において互いに対向している、前記アンカー止め部材(4)の端部と前記不動化部材(6)の端部とが、それぞれ先端または斜面(4a,6a)を有していることを特徴とする固定器。
  4. 請求項1記載の固定器において、
    前記最大応力状態においては、前記先端または斜面(4a,6a)どうしが、内部角度を形成していることを特徴とする固定器。
  5. 請求項1記載の固定器において、
    前記連結ロッド上には、前記アンカー止め部材(4)に対する前記連結ゾーンの外側部分と前記不動化部材(6)に対する前記連結ゾーンの外側部分とにおいて、それぞれ襠が形成されていることを特徴とする固定器。
  6. 請求項1記載の固定器において、
    前記最大応力状態においては、前記アンカー止め部材(4)および前記不動化部材(6)の対向端部どうしが、互いに離間していることを特徴とする固定器。
  7. 請求項1記載の固定器において、
    前記アンカー止め部材が、前記チューブ状最大応力状態において、前記アンカー止め部材(4)の基端部に配置された保持ヘッド(7)を有していることを特徴とする固定器。
  8. 請求項1記載の固定器において、
    前記アンカー止め部材(4)および前記不動化部材(6)が、実質的に同じ長さを有し、
    前記連結ロッド(8)に対する前記各連結ゾーン(8a,8b)が、前記アンカー止め部材(4)または前記不動化部材(6)の実質的に中央に位置していることを特徴とする固定器。
  9. 請求項1記載の固定器において、
    前記連結ロッド(8)が、前記最大応力状態において、前記アンカー止め部材(4)および前記不動化部材(6)を離間させる膨出部(8c)を有していることを特徴とする固定器。
  10. 請求項1〜のいずれか1項に記載された固定器を送出するためのデバイスであって、
    チューブ(51)と、前記固定器と、を具備し、
    前記固定器(2)が、前記不動化部材(6)を前記チューブ(51)の先端側に向けかつ前記アンカー止め部材(4)を前記チューブ(51)の基端側に向けた状態で、前記チューブ(51)内に挿入され、
    前記チューブ(51)が、側方開口を有した尖鋭先端部(52)を備え、
    この尖鋭先端部には、しきい値以下の力でもって前記アンカー止め部材(4)を保持するための保持手段(54)が設けられ、
    前記側方開口が、前記固定器(2)が前記チューブ(51)内において基端側から先端向きに押し込まれたときには前記チューブから前記不動化部材(6)を放出し得るような寸法とされ、
    前記保持手段(54)が、前記不動化部材(6)がそのようにして前記チューブから放出されたときに前記アンカー止め部材(4)を保持し得るようにして配置され、
    前記保持手段(54)が、前記しきい値以下の力でもって前記チューブ(51)によって前記固定器(2)を後退させることができるとともに、前記保持手段(54)が、前記アンカー止め部材(4)を放出し得るよう前記チューブ(51)に対して大きな引っ張り力が印加されることにより前記不動化部材(6)が前記プロテーゼ部材(100)に対して当接しさらに前記プロテーゼ部材(100)が前記解剖学的支持体(101)に対して押し付けられたときには、前記プロテーゼ部材(100)が前記解剖学的支持体(101)に対して十分に押し付けられることを十分に保証し得るようなアンカー止め深さでもって 前記アンカー止め部材(4)が解放されることを、保証することを特徴とするデバイス。
  11. 請求項10記載のデバイスにおいて、
    前記チューブ(51)が、前記尖鋭先端部(52)において開口しており、
    前記チューブ(51)の先端侵入部分が、前記先端部の先端面において連続的かつ剛直であり、これにより、前記少なくとも1つの固定器(2)の全体を前記チューブ状最大応力状態で収容することを可能としていることを特徴とするデバイス。
  12. 請求項10または11記載のデバイスにおいて、
    前記チューブ(51)の前記先端侵入部分が、それぞれが前記チューブ状最大応力状態とされた複数の前記固定器(2)を、互いの端部どうしを突き合わせた状況で収容していることを特徴とするデバイス。
  13. 請求項1012のいずれか1項に記載のデバイスにおいて、 前記チューブ(51)に加えて、前記チューブの前記先端侵入部分内において前記チューブ状最大応力状態でもって収容された前記固定器の基端部を押し込むための押込マンドレル(53)を具備し、
    この押込マンドレルが、前記チューブ内へと進入可能でありかつ前記チューブ内において移動可能であるように構成され、
    前記押込マンドレルが、直接的または間接的に制御するための基端側の外側端部を有していることを特徴とするデバイス。
  14. 請求項13記載のデバイスにおいて、
    前記押込マンドレルの前記基端側外側端部が、制御部材を有していることを特徴とするデバイス。
  15. 請求項1014のいずれか1項に記載のデバイスにおいて、 前記先端侵入部分が、前記チューブ状最大応力状態でもってかつ端部突き合わせ状態で収容された複数の前記固定器を備えていることを特徴とするデバイス。
  16. 請求項1315のいずれか1項に記載のデバイスにおいて、 前記チューブ(51)の内部における前記押込マンドレル(53)の前進を確認するための段階付け手段を具備していることを特徴とするデバイス。
  17. 請求項1316のいずれか1項に記載のデバイスにおいて、 −先端部に前記チューブ(51)が同軸的に取り付けられているハンドル(70)と、
    −前記ハンドルの内部において同軸的にかつ移動可能に取り付けられたスライド体(74)であるとともに、前記チューブ(51)の前記先端侵入部分内に収容された前記固定器(2)の数と同数であるかまたは1つだけ少ない数とされた一連の軸方向係止体(74a,74b,74c)を備え、これら軸方向係止体が、前記ハンドルの軸方向において分散されかつ前記押込マンドレル(53)の前方移動基本単位距離と同じ距離だけ前記ハンドルの前記軸方向において互いに離間されているような、スライド体(74)と、
    −前記ハンドルから突出した押込部材(80)であるとともに、前記スライド体に関して前記チューブ(51)とは反対側に位置し、前記ハンドル(70)内において並進移動可能に取り付けられている押込部材(80)と、
    −前記スライド体(74)の基端部と前記押込部材(80)の先端部とが互いに当接しているような休止位置へと前記スライド体を戻すための復帰手段(82)と、
    −先端部が前記チューブの内部において同軸的に配置されるとともに、基端部がカウンタ当接部材(90)と一体化されている、押込マンドレル(53)と、
    −前記ハンドル(70)と前記押込マンドレル(53)との間に設けられ、前記ハンドル(70)の前方向き並進移動時には前記押込マンドレルの移動を許容し、かつ、前記ハンドルに対しての前記押込マンドレルの後方移動を阻止するような、戻り阻止手段(84)と、を具備し、
    前記スライド体の前記各軸方向係止体(74a,74b,74c)が、前記戻り阻止手段によって前記押込マンドレルの並進移動が阻止されつつ前記スライド体が前記休止位置へと引き戻されるときには、前記カウンタ当接部材(90)に対して係止され得ないように構成されていることを特徴とするデバイス。
  18. 請求項17記載のデバイスにおいて、
    前記押込部材(80)が、前記スライド体(74)とは別体とされている、あるいは、前記スライド体(74)と一緒に一体ピースを形成していることを特徴とするデバイス。
  19. 請求項17記載のデバイスにおいて、
    前記カウンタ当接部材(90)に対して係止され得ないよう、前記各軸方向係止体(74a,74b,74c)が、径方向外向きに弾性変形可能な1つまたは複数の歯から形成されている、あるいは、
    前記各軸方向係止体(74a,74b,74c)が係止部によって形成されかつ前記カウンタ当接部材が径方向内向きに弾性変形可能な少なくとも1つの歯によって形成されていることを特徴とするデバイス。
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