JP4097296B2 - 組織内に外科用ファスナーを配備するためのアプリケーター - Google Patents

Description

発明の分野
本発明は、一般に外科用器械及び手法、特に外科用ファスナーを組織内に配備するためのアプリケーター及び方法に関する。
発明の背景
多くの状況下で、ある組織を別の組織に付けなければならない。
例えば、開いた傷又は外科的な切開部を閉じることが要求される。或いは、損傷が、ある組織（例えば、腱）を別の組織（例えば、骨）から剥離させることがある。また、ある組織（例えば、半月）がその中央部で断裂することがある。
ある軟組織を別の軟組織に付けるための伝統的な手法は、縫合糸を使用して両方の組織を一緒に縫合することを含んでいる。しかし、多くの状況下で、かかる縫合は、縫合を行うに要する時間、又は身体の特定部位における縫合の困難などのため、問題となる可能性がある。
より近年に、２個の組織を一緒に保持するための別形式の外科用ファスナーが開発された。今日までに開発されたファスナーの中に、いわゆるＴ型ファスナーがあり、これにおいてはロッド状の頭部がある長さの可撓性フィラメントに直角に取り付けられる。別のファスナーは、いわゆるＨ型ファスナーであり、これにおいては、ロッド状の頭部は、中間の連結用可撓性フィラメントの両端に直角に取り付けられる。
かかるファスナーを組織内に配備すために適切なアプリケーター工具が開発されている。
かかるＴ型及びＨ型のファスナーの例及びその組み合わせられたアプリケーターが米国特許４００６７４７号（クロネンタール他）、４２３５２３８号（オギウ他）、４６６９４７４号（リチャード他）、及び４７０５０４０号（ミューラー他）に明らかにされる。
不都合にも、かかるＴ型及びＨ型のファスナーを組織内に配備するためのアプリケーターは、種々の理由で、今日まで完全に満足ではなかった。
発明の目的
結果として、本発明の一目的は、Ｔ型及びＨ型のファスナーを組織内に配備するための改良されたアプリケーターを提供することである。
本発明の別の目的は、Ｔ型及びＨ型のファスナーを組織内に配備するための改良された方法を提供することである。
発明の概要
これら及びその他の目的は、Ｔ型及びＨ型のファスナーを組織内に配備するための改良されたアプリケーター及び方法を含んだ本発明により処理される。
本発明の好ましい形式においては、Ｔ型及びＨ型のファスナーを組織内に配備するためのアプリケーターは、尖った末端側の端部、形成されたファスナーの頭部を解放可能に保持するためのスロット部分、及び第１の連結部分を有する長い中空の針部材、並びに針部材とチャックとを互いに連結するために第１の連結部分と係合し得る第２の連結部分、針部材内で長手方向に動くようにされた末端側の端部部分を有するプッシュロッド、及び針部材のスロット部分からファスナーの頭部部分を射出するように針部材内でプッシュロッドを動かすためのアクチュエーターを備える前記チャックを具備する。
本発明の好ましい形式においては、Ｔ型及びＨ型のファスナーを組織内に配置するための方法は、ファスナーの頭部部分を中空の針部材のスロット部分内に置き、針部材を器具から伸びているチャックに取り付け、針部材をチャック内に固定するために、針部材とチャックとの取付け連結部上でスリーブを滑らせるように器具を操作し、ファスナーを設置したい領域に針部材のスロット部分が隣接する点まで針部材を本体部内で前進させ、そしてファスナーと係合するようにプッシュロッドを前記チャックの中心で動かして前記針部材のスロット部分からファスナーの頭部部分を射出するように器具を操作する諸段階を包含する。
【図面の簡単な説明】
本発明のこれら及びその他の目標は、本発明の好ましい実施例の以下の詳細な説明から、より完全に明らかにされ又は明白にされるであろう。この好ましい実施例は、付属図面と共に考えられ、これら図面においては、同様な部分は同様な番号が付けられる。図面において、
図１は、本発明により形成されたアプリケーターの側面図であり、アプリケーターは第１の作動位置において示される。
図２は、図１に示されたアプリケーターの末端側の端部の拡大側面図である。
図３は、図１のアプリケーターの側面図であり、アプリケーターは第２の作動位置において示される。
図４は、図３に示されたアプリケーターの末端側の端部の拡大側面図である。
図５は、図１のアプリケーターの側面図であり、アプリケーターは第３の作動位置において示される。
図６は、図５に示されたアプリケーターの末端側の端部の拡大側面図である。
図７は、図１のアプリケーターの側面図であり、アプリケーターは第４の作動位置において示される。
図８は、図７に示されたアプリケーターの末端側の端部の拡大側面図である。
図９は、図１のアプリケーターの側面図であり、アプリケーターは第５の作動位置において示される。
図１０は、図９に示されたアプリケーターの末端側の端部の拡大側面図である。
図１１−１４は、アプリケーターのプッシュロッド組立体の選定された部分の構造の詳細を示している図面である。
図１５−１９は、アプリケーターのチャック組立体の選定された部分の構造の詳細を示している図面である。
図２０−２３は、アプリケーターのスリーブ組立体の選定された部分の構造の詳細を示している図面である。
図２４−２７は、アプリケーターの針組立体の選定された部分の構造の詳細を示している図面である。
図２８は、本発明に関連して使用し得る一形式のファスナーを示す斜視図である。
図２９は、針組立体とアプリケーターのその他の部分との接合より前のアプリケーターの針組立体の保持用のトレイを示す斜視図である。
図３０−４０は、組織修復への応用例におけるアプリケーターの使用の種々の段階を示している図式的な諸図面である。
図４１は、本発明に従って使用し得る別の針組立体を示す。
図４２は、図４１に示された別の針組立体と関連して使用し得る別のトレイを示す。
図４３は、本発明に従って使用し得る別形式のファスナーを示す。
図４４−４６は、アプリケーターの針組立体及びチャック組立体のための可能な別の構造を数種示している図式的な図面である。
好ましい実施例の詳細な説明
まず、図１及び２を見れば、本発明により形成されたアプリケーター５が示される。アプリケーター５は、一般に、ハウジング１００、プッシュロッド組立体２００、チャック組立体３００、スリーブ組立体４００、及び針組立体５００を備える。
ハウジング１００は、使用者の手になじみ易いようにピストルの握りの形に形成されることが好ましい。ハウジング１００は、以下更に詳細に説明されるように、アプリケーターのその他の要素のための支持構造を提供するように作用する。ハウジング１００は、好ましくは、アプリケーターの製造を簡単化するために２個の鏡像的な半分体（図１にはその方のみが示される）として形成され、２個の半分体は完全なハウジング構造を形成するように組立中に接合される。
次に、図１、２及び１１−１４を見れば、プッシュロッド組立体２００は、一般に、プッシュロッド２０５、滑りブロック（又はスレッド）２１０、旋回レバー２１５、引き金２２０、及びバネ２２５を備える。プッシュロッド２０５の手元側の端部は、好ましくは中実体であり、そして、これは、プッシュロッド２０５が滑りブロック２１０と同調して動くように滑りブロック２１０に固定される。プッシュロッド２０５の末端側の端部は、好ましくは、可撓性ではあるが比較的非圧縮性のバネ２０５Ａを備え、これにより、プッシュロッドの末端側の端部は、以下詳細に説明されるように、針組立体５００の曲りに追随することができる。旋回レバー２１５及び引き金２２０はハウジング１００に旋回可能に取り付けられ、これにより、（ｉ）引き金２２０がその前方位置にあるときは（図１）、滑りブロック２１０及びプッシュロッド２０５はその後方位置にあり（図１及び２）、そして（ｉｉ）引き金２２０がその後方位置にあるときは（図９）、滑りブロック２１０及びプッシュロッド２０５はその前方位置にある（図９及び１０）。バネ２２５は、引き金２２０をその前方位置に、従って滑りブロック２１０とプッシュロッド２０５とをその後方位置（図１）に弾性的に強制する。希望するならば、ハウジング１００に形成された側方レール１０５（図９）上に乗るための側方の溝２３０（図１１及び１３）を、滑りブロック２１０に形成することができ、これにより滑りブロック２１０がハウジング内で動くときにこれを更に安定化させることができる。
次に、図１、２及び１５−１９を見れば、チャック組立体３００は、筒状のチャック３０５及びブロック３１０を備える。チャック３０５の手元側の端部はブロック３１０に固定され、一方、ブロック３１０はハウジング１００に固定され、これにより、チャック３００はハウジング１００に固定される。ブロック３１０の開口３１５が、ブロック３１０の手元側の端部の面３１７とチャック３０５の中空内部との間を連絡する。チャック３０５の末端側の端部は、１対のアーム３２５を一緒に定める直径方向両側のスロット３２０の対を備える（図２及び１９）。アーム３２５は、以下詳細に説明されるように、適切に押されると僅に外向きに撓み得るように構成される。各スロット３２０は、その長さの中間に拡大開口３３０を有するようにキー溝の形を持つ。アーム３２５の末端側の端部の面３３５は、以下説明される理由で斜面にされる。チャック組立体３００は、プッシュロッド２０５を摺動可能に受け入れるような寸法及び形状にされる。チャック組立体３００は、プッシュロッドがその後退位置（図１及び２）にあるかその突出位置（図９及び１０）にあるかに拘わりなく、プッシュロッド２０５がチャック３０５の末端側の端部から突き出るように寸法が決められる。
次に、図１、２及び２０−２３を見れば、スリーブ組立体４００は、一般に、スリーブ４０５、滑りブロック（又はスレッド）４１０、旋回アーム４１５、ロックレバー４２０、及びバネ４２５を備える。スリーブ４０５の手元側の端部は滑りブロック４１０に固定され、これによりスリーブ４０５は滑りブロック４１０と同調して動くであろう。滑りブロック４１０の開口４３０が、ブロック４１０の手元側の端部の面４３２とスリーブ４０５の中空の内部とを連絡する。スリーブ４０５及び滑りブロック４１０は、これらがチャック３０５上に摺動可能に乗るように寸法及び形状が定められる。旋回アーム４１５が滑りブロック４１０とロックレバー４２０との間で伸び、かつこれらに連結される。一方、ロックレバー４２０はハウジング１００に旋回可能に連結され、これにより（ｉ）ロックレバー４２０がその下方位置にあるときは（図１）、滑りブロック４１０とスリーブ４０５とはそれらの前方位置にあり（図１及び２）、このときスリーブ４０５はチャック３０５の末端側の端部を囲み、そして（ｉｉ）ロックレバー４２０がその上方位置にあるときは（図３）、滑りブロック４１０とスリーブ４０５とはそれらの後方位置にあり（図３及び４）、このときチャック３０５の末端側の端部はスリーブ４０５の末端側の端部から突き出るであろう。滑りブロック４１０及びスリーブ４０５がそれらのの前方位置（図１）からそれらの後方位置（図３）への運動を開始すると、バネ４２５がそれらの後方位置への運動を支援する。希望するならば、滑りブロック４１０がハウジング１００に形成された対応の側方レール（図示せず）上に乗るための側方の溝４３５を形成し（図２０及び２２）、これにより滑りブロック２１０がハウジング内で動くときにこれを更に安定化させることができる。
図１、２及び２４−２８を見れば、針組立体５００は、中空の針５０５、カラー５１０、及びファスナー５１５を備える。
針５０５は、一般にその長さに沿って湾曲する（図２）。曲りの特有角度（specific angle）は、実行すべき医療処置に依存するであろう。そこで、その処置の開始より前に使用者の入手可能な異なった針組立体の組からある特別の針組立体５００が使用者により選定されることが意図される。針５０５の末端側の端部は鋭い尖端５２０で終わる。針５０５の手元側の端部は、チャック３０５の直径と実質的に同じ直径を持つ。針５０５の手元側の端部は直径方向で向かい合いの１対のタブ５２５で終わる。タブ５２５は、以下更に詳細に説明される理由で、チャックのスロット３２０の形状と相補的な形状を持つ。スロット５３０が針５０５の長さに沿って伸び、そして中空針の内部と連絡する。スロット５３０は、好ましくは、針５０５の実質的に全長に沿って伸びる。しかし、希望するならば、スロット５３０を針５０５の末端側部分にのみ設けることができ、そして針の手元側の部分からスロット５３０を無くすことができる。
カラー５１０が針５０５に取り付けられる。カラー５１０にはスロット５３５が形成される（図２４及び２７）。スロット５３５は、カラー５１０の末端側の端部において開口し、そしてカラーの長さの中間において面５４０で終わる。好ましくは、面５４０は、ある種の傾斜タブ５４１を形成するようにカラー５１０の頂面の一部分を下方に曲げることにより形成される（図２７）。１対のフィンガー５４５が、手元側の面５４０の末端側において、カラーのスロット５３５内に伸びる。フィンガー５４５の末端側の端部５５０は斜面にされた形状を持つ。
針５０５は、ファスナー５１５の頭部５５５を摺動可能に受け入れ、同時にファスナーのフィラメント５６０が針のスロット５３０とカラーのスロット５３５とを通って摺動可能に伸び、フィラメントが傾斜タブ５４１上に留まることを許すような寸法にされる（図２７及び２８）。カラーのフィンガー５４５はフィラメント５６０を、従ってファスナー５１５を針の定位置に解放可能に支持する。
より特別には、ファスナー５１５は、好ましくは、第１の頭部５１５、第２の頭部５６５、及び連結用の可撓性フィラメント５６０を備えた種類のＨ型ファスナーである（図２８）。ファスナー５１５の構成は達成すべき医学的処置に依存し、例えばある用途に対してはファスナー５１５は吸収可能であるようにポリジオキサノンで形成され、或いはある用途においてはポリプロピレンのような非吸収材料で形成することができる。更に、フィラメント５５０の長さも行われる特別な処置に依存するであろう。適正なファスナーの構成及び長さは、処置の開始以前に使用者の入手可能な異なった事前装填された針組立体５００の組から使用者により選定されるであろう。ファスナー５１５は、頭部５５５が針５０５の中空内部に沿って滑ることができ、同時にファスナーの可撓性フィラメント５６０が針のスロット５３０を通って外に伸びるような寸法にされる。カラー５１０は、ファスナーのフィラメント５６０がカラーの斜面５５０を滑って通過でき、その後カラーのフィンガー５４５とカラーの手元側の面５４０との間でカラーの溝内に解放可能に捕捉されるような寸法にされる。かかる解放可能な捕捉は、以下更に詳細に説明されるように、適切な強制力によりファスナーが針から分離することを許し、かつ外科部位への輸送中のファスナー５１５の針５０５上の定位置における保持を支援する。
カラー５１０は、ファスナーの配備中における針５０５の組織内への侵入を限定するための適切な停止具としても作用することも認められるべきである。更に、カラー５１０は、組織の縁の良好な接近を保証するために、ファスナー配備中に、組織に圧迫を与えるようにも作用する。
次に、図２９を見れば、針組立体５０５は、好ましくはトレイ６００内に予め格納される。トレイ６００は、針組立体を入れるためのスロット６０５を備える。スロット６０５の末端側の端部は、好ましくは閉鎖され、又は針５０５の鋭い尖端５０２が使用者との不慮の接触に対して遮蔽されるようにその他の方法で配列される。スロット６０５の手元側の端部は、好ましくは開口され、又は以下更に詳細に説明されるように、針の２個のタブ５２５がチャック３０５の末端側の端部と係合するように露出されるようにその他の方法で配列される。好ましくは、トレイ６００は、チャック３０５と針５０５との適合を容易にするために、スロット６０５の手元側の端部に漏斗状の形を与えるように形成される。針組立体５００及びトレイ６００は、使用時に開き得る滅菌済みブリスター包装に事前包装されることが好ましい。
さて、アプリケーター５の作動が説明されるであろう。アプリケーター５の作動は、これに限定するものでない例示の方法により、半月組織における断裂を閉じるためのファスナー５１５の使用の状況で説明されるであろう。ただし、本技術の熟練者には、本発明のその他の多くの応用が容易に明らかであろう。
次に、図３０を見れば、使用すべきファスナーの適正長さを決定するために、まず、半月７０５の断裂７００が検査される。より特別には、半月を横切って探針７１０が延ばされ、そのマーキング７１５を使用し（図３１）、断裂の位置と大きさとが決定される。次いで、この情報が、希望の修復を行うために使用されるファスナーの適正な長さを決定するために使用される。
使用者は、使用すべきファスナーの形式（例えば、ポリジオキサノン又はポリプロピレン組成）、及び好ましい針の形状（例えば、曲りの角度）も決定する。次いで、これらの決定事項に適合した事前包装式の針組立体５００が、使用者により、種々の事前包装式針組立体の組から選定される。
希望の針包装体が選定されると、使用者は、組み合わせられたトレイ６００内に配置された希望の針組立体５００を露出させるように通常の無菌手法を使って針包装体を開く（図２９）。
次に、使用者は、針組立体５００を取り上げるためにアプリケーター５を準備する。より特別には、使用者は、通常は図１及び２に示された状態（即ち、引き金２２０が出ていてロックレバー４２０が下がった状態）のアプリケーター５を取り上げる。次いで、使用者は、ロックレバー４２０を挙げて針組立体５００を受け入れるようにアプリケーター５を準備する（図３及び４）。これにより、スリーブ４０５が後退させられ、チャック３０５の末端側の先端が露出する。
次に、アプリケーター５の末端側の端部をトレイ６００の漏斗状の端部内に通過させ、アプリケーターの末端側の端部と針組立体５００の手元側の端部とを係合せしめる（図５、６、３２及び３３）。これが生ずると、プッシュロッド２０５の末端側の端部が、まず針の中空内部内で滑り、次いでチャック３０５の末端側の端部が針の２個のタブ５２５と係合する。図３４及び３５に示されるように、チャックの傾斜面３３５と針のタブ５２５との最初の組合いにより、トレイの２個のアーム３２５が外向きに僅かに曲げられ、タブ３２５はチャックのキー溝スロット３２０内に滑り込み、そしてここに座ることができる。次いで、ロックレバー４２０が再び下げられ、スリーブ４０５の末端側の端部を針５０５及びチャック３０５と同調して前方に動かす（図７、８及び３６）。この作動が針組立体５００をアプリケーター５に定着させ、針組立体５００を解放するようにチャックのアーム３２５が再び曲がって開くことのないことを保証する。これに関連してつぎの点が認められるであろう。即ち、（ｉ）スリーブ４０５は、チャック３０５及び針５０５の外径より僅かに大きい内径を持つように構成されること、並びに、（ｉｉ）チャック３０５とスリーブ４０５との間の隙間は、針を解放するためにチャックが開かねばならない距離よりも小さく、かつこの隙間は針をチャックから分離させるために横方向に動く距離より小さいこと。
このとき、針組立体５００は、アプリケーター５を使ってトレイ６００から引き出される。
次に、膝の中に挿入された関節鏡カニューレを通してアプリケーター５の末端側の端部を前進させる。これが行われるとき、カラー５１０が、ファスナー５１５のアプリケーター上の定位置の維持を支援する。針５０５の末端の先端部は半月の予め計測された場所に揃えられ、次いで、図３７に示される方法で、針が断裂を横切って半月７０５内に押し込まれる。カラー５１０は停止具として作用し、組織内への針５０５の進入を限定し、同時に断裂７００を閉じるように半月７０５に圧迫を与える。次いで、使用者は、アプリケーター５のハンドル上の圧力を保ちつつ引き金２２０を引いてプッシュロッド２０５を前進させる（図９及び１０）。プッシュロッド２０５の末端側の端部がファスナー５１５の頭部５５５と係合し、これを針５０５の末端側の端部から押し出す。これに関連して、プッシュロッド２０５の末端側の端部２０５Ａの可撓性構造が、ファスナーが針から射出されるときの針５０５の曲りへの追随を許すことを認めるべきである。ファスナーの先頭の頭部５５５が半月７０５の向う側から出ると、ファスナーの最後尾の頭部５６５が半月の手前側と組合って断裂７００を引く（図３８）。次に、アプリケーターが引かれて（図３９）、針５０５の末端側の端部を半月７０５から引き、これにより断裂７００を閉じて保持するようにファスナー５１５を定位置に残す（図４０）。
その後、（ファスナー５１５なしの）針５０５は、その組み合わせられたトレイ６００内に戻して挿入され、ロックレバー４２０が、スリーブ４０５の末端側の端部を後退させ針５０５を解放するように持ち上げられ、次いで針がチャック３０５から外される。このとき、トレイ６００及び針５０５は伝統的な方法でいわゆる「鋭利物品（sharp）」容器内に廃棄することができる。
好ましい実施例の変更例
本発明の範囲から離れることなく以上説明された好ましい実施例を変更することが可能であることは言うまでもない。
例えば、上述された処置以外の処置に本発明を使用することは可能であり、例えば、胸部又は腹部の組織の２片を付けるために本発明を使用できる。
或いは、上述の曲がり針５０５ではなくて真っすぐな針５０５Ａを組み込むように針組立体５００を形成することができる。（図４１）このような場合は、トレイ６００の形状も図４２に示されたように変更されることは勿論である。更に、かかる状況下では、プッシュロッド２０５の末端側の端部２０５Ａは、曲がり針が使用される場合のように曲がった円弧を移動する必要がないため、比較的強固であるように形成することができる。
或いは、上述されたＨ型ファスナー５１５とは異なって図４３に示される種類のＴ型ファスナー５１５Ａで本発明を使用することが可能である。
或いは、プッシュロッド２０５の末端側の端部２０５Ａを、可撓性バネではなくて、可撓性プラスチックで形成することができる。
更に、チャックのスロット３２０及び針のタブ５２５の形状を変えることができ、例えば、図４４に示されたスロット３２０Ａと５２５Ａ、又は図４５に示されたスロット３２０Ｂとタブ５２５Ｂ、又は図４６に示されたスロット３２０Ｃとタブ５２５Ｂの方法で形成することができる。更に別のスロットとタブの形状も、本発明の教示を考えれば本技術熟練者に明らかであろう。本質的に、スロット３２０とタブ５２５とは、（ｉ）スロット３２０とタブ５２５とが相補的形状であり、かつ（ｉｉ）タブ５２５がその端末側の端部向きの拡大部を有し、これがチャック３０５の末端側の端部から離れた対応拡大部内に受け入れられる限り、多くの異なった形状を持つことができる。
更に、以上の説明においては、スロット３２０はチャック３０５に形成されると説明され図示され、またタブ５２５は針５０５に形成されると説明され図示されたが、これらの配置を逆にすること、即ちスロット３２０を針５０５に形成しかつタブ５２５をチャック３０５に形成することができる。
また、希望するならば、カラー５１０を針組立体５００から無くすことができる。
この種の更なる変更は本発明の範囲内にあると考えられることが本技術の熟練者には明らかであろう。

Claims (12)

1. 頭部部分及び頭部部分から伸びているフィラメント部分を有するファスナーを組織内に配備するためのアプリケーターであって、
   アクチュエーター；
   チャック；
   長い中空の針部材；
   プッシュロッド；
   前記針部材と前記チャックとを互いに連結するための連結手段であって、拡大する内部部分を有する軸方向に開いた空洞を形成する弾性壁を含む第１パートと、第１パートの拡大する内部部分の中に解放可能に鎖錠係合するように適合された、内部ネック部分及び拡大する外部部分を含む第２パートとを包含する連結手段、
   ここで、前記長い中空の針部材は、尖った末端側の端部、前記ファスナーの頭部を解放可能に保持するためのスロット部分、及び前記連結手段の第２パートを形成する手元部分を有し； 及び
   前記アクチュエーターと係合するスリーブ部材であって、前記連結手段の第１パート及び第２パートを取り巻き、これにより前記連結手段の第１パート及び第２パートを一緒に鎖錠してその不慮の分離を防ぐように、前記チャックの末端側部分及び前記針部材の手元側の端部のまわりで軸方向に動き得るスリーブ部材
   を具備し、
   ここで、上記チャックは上記アクチュエーターに固定された手元部分と前記連結手段の第１パートを包含する末端側部分を有し、前記プッシュロッドは前記針部材内で相互に長手方向に動くように適合された末端側の端部部分を有し、前記アクチュエーターは前記針部材の前記スロット部分からファスナーの頭部部分を射出するように前記針部材の中で前記プッシュロッドを動かす手段を含む、
   前記アプリケーター。
2. 連結手段の第１パートと第２パートが互いに分離することを許すように、前記スリーブ部材が前記連結手段から後退し得る請求項１によるアプリケーター。
3. 前記アクチュエーターは、前記スリーブに連結されたレバーが設けられ、前記レバーは、前記スリーブが前記連結手段の第１及び第２パートを囲んでいる１番目の部分と前記第１及び第２パートを囲んでいない２番目の部分の間で選択的に動くように、前記スリーブ部材に対して操作し得る請求項２によるアプリケーター。
4. 前記アクチュエーターが前記プッシュロッドに連結されたバネで押された引き金を備え、かつ前記引き金は、前記プッシュロッドを動かすようにバネ力に対抗してこれを操作し得る請求項１によるアプリケーター。
5. 前記プッシュロッドの前記末端側の端部部分が、実質的に非圧縮性である可撓性バネを備える請求項１によるアプリケーター。
6. 前記連結手段の第１パートは前記チャックの前記末端側部分に形成された一対の向かい合った脚部分を備え、ここで、前記脚部分は向い合った一対の凹所を形成し、且つ、前記連結手段の第２パートは前記ネック部分の前記針に取り付けられた、その自由端に、前記凹所と相補的な形状の拡大部分を有する少なくとも１つのタブを備え、前記脚部分は、その間に前記タブが入ることを許しかつ前記拡大部分が前記凹所の間に入るに十分に弾性的である請求項１によるアプリケーター。
7. 前記ファスナー頭部部分の前記針部材からの射出を行うために、前記プッシュロッドが前記チャック及び前記針部材内に配置されかつ前記チャック及び針部材の軸方向で動き得る請求項１によるアプリケーター。
8. 前記連結手段の第２パートが、前記中空針部材の直径方向両側それぞれから手元側に伸びる２個のタブであって、前記チャックにより形成される前記連結手段の第１パートにより受け入れられるタブを備える請求項１によるアプリケーター。
9. 前記スリーブが前記２番目の部分に向かってバネで押される請求項３によるアプリケーター。
10. 前記プッシュロッドの前記末端側の端部が、金属、プラスチック、及びそれらの混成物で形成される請求項１によるアプリケーター。
11. 前記アプリケーターが、前記針部材に取り付けられたカラーであって、ファスナーのフィラメント部分を前記針部材に解放可能に保持するための前記カラーを備える請求項１によるアプリケーター。
12. 前記カラーは、前記針部材が組織に挿入されたとき、組織表面と係合しかつ組織表面を押し付けるように配列される請求項１１によるアプリケーター。

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