JP4091312B2 - 放電灯の点灯装置の交流バラストおよび放電灯の交流点灯装置並びに該点灯装置を使用した光源装置 - Google Patents
放電灯の点灯装置の交流バラストおよび放電灯の交流点灯装置並びに該点灯装置を使用した光源装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は交流点灯において画面のちらつきの原因となるフリッカを解消することができ、しかも点灯中の明るさの低減度合いが小さい放電灯の新規な点灯方法並びにその方法を実施する交流バラスト及び交流点灯装置と該装置とを利用した光源装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図4(a)(b)は従来の放電灯の交流点灯用回路及びその定常点灯時の電流波形である。基本的には図4(a)に示すようにバラスト(101),イグナイタ(102)とで構成され、放電灯(103)を交流点灯する。定常点灯時にあっては、バラスト(101)は、電圧検出ライン(108)により放電灯(103)に供給されるプラス側出力ライン(L)の印加電圧及びセンス抵抗(107)を通る点灯電流をセンス信号電圧として検出し、これらに基づいてパルス幅制御をすることにより、パルス幅信号に応じてスイッチング動作をするスイッチング部(104)とリアクトル(116)と協働してスイッチングパルス電流を平滑するためのコンデンサ部(105)により構成され、交流点灯に必要な電力(=プラス側出力ライン(L)の印加電圧×平滑化された直流点灯電流[後述するフルブリッジ回路(109)で交流に変換される。])を放電灯(103)に供給する。
【0003】
イグナイタ(102)はその出力トランス(106)がバラスト(101)の出力回路に直列に接続され、放電灯始動時にバラスト(101)の出力に重畳して高圧パルスを放電灯(103)に供給し、放電灯(103)を始動させる。放電灯(103)の始動後は放電灯(103)の電極間の電圧が下がるため、トリガ回路(113)が停止し、イグナイタ(102)はその動作を停止する。それ以後、放電灯(103)には放電灯(103)の動作により定まる交流電圧とバラストにより制御された電流が供給され一定電力で定常点灯する。
【0004】
従来の技術ではこの状態で放電灯(103)の定常点灯を継続しているが、放電灯(103)の電極(103a)には大きい電流が継続して流れているため、初期は図5(a)のように滑らかであった電極(103a)の表面は点灯時間が長くなると図5(b)に示すように次第に荒れた状態となり電極(103a)の表面に凹凸が多く発生する。そのため放電の起点が現在放電している凸部(P1)から他の凸部(P2)へ移動する起点移動が発生し易くなる。起点移動が発生すると光源の状態が変化したことになり、この放電灯(103)を光源とする光学機器においてフリッカ(画面の揺れや変動)が発生する。
【0005】
フリッカの発生を防ぐ方法として矩形波交流電流にパルス電流を重畳する方法があり、一定の効果が認められるがプロジェクタ等の光学機器と組み合わせた場合にパルスの重畳タイミングを合わせることが難しく、画面の階調が崩れる等の問題が発生する。
【0006】
また、別の問題として放電灯(103)の電極表面へ析出物(104)(105)が堆積する事があり、これにより電極間距離が当初の状態より狭くなる。この状態で放電灯(103)の点灯を続けていると次第にランプ電圧が低下する。ランプ電圧が低下すると定電力を保つためにはバラスト(101)からより大きい電流を供給することが必要となり、バラスト(101)の発熱が増加する。一般にはバラスト(101)には保護回路として電流を制限する回路が付加されているため制限電流を越えると定電力性が維持できなくなり放電灯(103)への出力が低下し輝度(明るさ)が低下する。
【0007】
最近ではプロジェクタ等の光学機器においても感度を向上させる為の改良が目覚ましく、従来では問題とならなかった僅かなフリッカが発生しても問題となることが多くなっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は交流点灯において、起点移動を防止してフリッカを解消し、しかもプロジェクタ等の光学機器と組み合わせた場合に、従来のパルス重畳方法のように画面の階調が崩れないようにするためにパルスのタイミングを合わせなければならないというような困難さもない画期的な放電灯の点灯方法及びその交流バラストと交流点灯装置並びに該点灯装置を使用した光源装置を開発する事にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、「(a) 放電灯 (3) への電流供給量を制御するスイッチング部 (4) 、
(b) 放電灯 (3) の点灯電流をセンス信号電圧 (E) として検出するセンス抵抗 (7) 、
(c) スイッチング部 (4) を制御して一定の電力が放電灯に供給されるようにするパルス幅制御回路 (8) 、
(d) 定常点灯時、パルス幅制御回路 (8) によって供給量が制御された直流電流を交流電流に変換するフルブリッジ回路 (20) 、
(e) 前記直流電流を交流電流に変換させるためにフルブリッジ回路 (20) を開閉制御する開閉信号を出力するフルブリッジ制御回路 (10) 、
(f) フルブリッジ制御回路 (10) からの開閉信号と同期して放電灯 (3) に供給される交流電流の各半サイクルの電流値が時間と共に漸増するようにスイッチング部 (4) を動作させるパルス幅制御回路 (8) を制御する傾斜波形制御回路 (9) を有しており、
(g) 傾斜波形制御回路 (9) は、フルブリッジ制御回路 (20) からの開閉信号と同期して各半サイクル毎に漸増する鋸状の傾斜波形電圧 (E) を出力する傾斜波形発生回路 (9a) と、センス抵抗 (7) から出力されたセンス信号電圧 (S) から傾斜波形電圧( E )を減算してパルス幅制御回路 (8) に出力 [(S-E)] する演算回路 (9b) とで構成されており、
(h) 傾斜波形発生回路 (9a) は、図2(a)に示すように、ダイオード (D1)(D1') および該ダイオード (D1)(D1') のカソード側に直列接続された抵抗 (R1)(R1') で構成された直列体と、他のダイオード (D2)(D2') および抵抗 (R1)(R1') よりも大幅に大きい抵抗値を有し、該他のダイオード (D2)(D2') のアノード側に直列接続された他の抵抗 (R2)(R2') とで構成された他の直列体とが互いに並列接続されており、これら2つの直列体の抵抗側と別のダイオード (D3)(D3') のアノードとが接続されており、該直列体と別のダイオード (D3)(D3') との間には、別の抵抗 (R3)(R3') の一方端とコンデンサ (C1)(C1') の一方端とが互いに並列に接続されており、別の抵抗 (R3)(R3') の他方端とコンデンサ (C1)(C1') の他方端とがそれぞれ接地されることにより構成されている」ことを特徴とする放電灯の点灯装置の交流バラスト (1) であり、この交流バラスト (1) によれば、放電灯(3)の電極表面の先端部(3b)が変形して次第に円錐形に近似した形状(3c)になる。
【0010】
その結果、従来の矩形波交流電流(図4(b))で放電灯(103)を点灯した時に発生する起点移動の原因となる放電灯(3)の電極表面の凹凸が発生せず、円錐形に近似した形状となった電極(3a)の先端部(3c)から恒常的に放電するため起点移動がなくなり、フリッカのない安定した放電を維持することができる。
【0011】
また、この交流バラスト (1) によれば、交流電流の各半サイクルの電流値が時間と共に漸増していくので、前述のパルス重畳法のようにプロジェクタ等の光学機器と組み合わせた場合にパルスの重畳タイミングを合わせる必要がなく、組み合わせた光学機器との間で重畳タイミングミスによる障害が発生することはない。
【0012】
また、従来の矩形波交流で放電灯(103a)を点灯した場合、図5(a)に示すように初期状態が半球状である電極表面の先端部(103b)が、図5(c)に示すように放電によって変形して次第に比較的平らな状態となり、且つ前述のように電極表面に析出物(104)(105)が堆積することがあり、この場合堆積が進むにつれて電極間距離が次第に狭くなって点灯電流が流れやすくなり、そして放電灯(3)に供給される電力は一定であるため、その結果ランプ電圧が低下し、明るさが低下するという問題があったが、本発明の鋸状傾斜波形交流電流を放電灯(3)に与えると放電灯電極表面の先端部(3b)が前述のように次第に変形して円錐形に近似した形状(3c)になるため、円錐形に近似した先端部(3c)が形成される間は電極間距離の狭隘化により若干の電圧低下が見られるが、円錐形に近似した先端部(3c)の形成後は先端部(3c)が成長せず当該形状が維持され、放電灯(3)の電極間距離がそれ以上狭くなることもなく安定した点灯電圧を維持するようになる。
【0013】
図4(b)に従来の矩形波交流電流の波形、図1(b)に本発明の半サイクル毎に漸増するように傾斜させた交流電流波形を示す。当該漸増傾斜交流電流波形の傾斜角度(θ)については、異なる種類の放電灯(3)のそれぞれの電極構造に応じて最適な傾斜角度(θ)を設定することができる。従って、適切な傾斜角度(θ)を選定することにより、放電灯電極(3a)の先端部(3b)にできる円錐形に近似した形状の先端部(3c)をほぼそのまま一定に保つようにすることが出来る。
【0016】
「請求項2」は前記交流バラスト(1)を使用した交流点灯装置に関し「交流バラスト(1)に接続された放電灯始動用のイグナイタ(2)とで構成された」ことを特徴とするものであり、「請求項3」は当該交流点灯装置を使用した光源装置であり、「請求項2に記載の交流点灯装置と放電灯(3)とで構成された」ことを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例に従って詳述する。図1(a)は本実施例のフリッカを防止するための傾斜波形制御回路(9)を備えた交流用放電灯点灯回路で、同図(b)は放電灯(3)に供給される点灯電流波形である。バラスト(1)は交流用で、イグナイタ(2)が直列に接続されており、イグナイタ(2)に交流用の放電灯(3)が接続されている。
【0018】
バラスト(1)は、交流電流を全波整流(或いは半波整流)する整流器(17)、放電灯(3)への電流供給量を制御するスイッチング部(4)、放電灯(3)の点灯電流をセンス信号電圧として検出するセンス抵抗(7)、センス抵抗(7)からの信号によりスイッチング部(4)を制御して一定の電力が放電灯(3)に供給されるようにするパルス幅制御回路(8)、点灯始動時には開閉動作を行わず、パルス幅制御回路(8)によって供給量が制御されたスイッチング部(4)からの直流電流をそのまま通過させ、定常点灯時にはパルス幅制御回路(8)によって供給量が制御されたスイッチング部(4)からの直流電流を交流電流に変換するフルブリッジ回路(20)、前記フルブリッジ回路(20)を開閉制御して直流電流を交流電流に変換させるフルブリッジ制御回路(10)、フルブリッジ制御回路(10)からの開閉信号と同期して放電灯(3)に供給される交流電流の各半サイクルの電流値が時間と共に漸増するように、スイッチング部(4)が前記供給電流を制御するようにパルス幅制御回路(8)を制御する傾斜波形発生回路(9)とで構成され、定常点灯時に点灯に必要な一定の電力を放電灯(3)に供給するようになっている。
【0019】
前記スイッチング部(4)は、バラスト(1)のプラス側出力ライン(L)に設置され、パルス幅制御回路(8)からのパルス幅制御信号に応じてスイッチング動作をするスイッチング素子(4a)、スイッチング素子(4a)に直列接続されたリアクトル(16)、プラス側出力ライン(L)と0ボルトライン(m)との間にて前記スイッチング素子(4a)とリアクトル(16)との間に設けられたダイオード(14)とで構成されている。
【0020】
平滑コンデンサ(5)は、プラス側出力ライン(L)と0ボルトライン(m)との間に設けられ、スイッチング素子(4a)によるパルス幅制御された供給電流を前記リアクトル(16)と協働して平滑にする働きを有する。
【0021】
センス抵抗(7)は0ボルトライン(m)に直列に設けられ、ランプ電流を検出し、これをセンス信号電圧(S)として演算回路(9b)に出力する。
【0022】
フルブリッジ回路(20)は、その出力段にFET(21)(22)(23)(24)「トランジスタでも可」をブリッジに組んだ回路で、FET(21)(23)の接続点にプラス側出力ライン(L)が接続され、FET(22)(24)の接続点に0ボルトライン(m)が接続されている。(20a)はFET(21)(22)(23)(24)の制御部分である。また、FET(21)(24)の接続点はイグナイタ(2)の2次昇圧トランス(6)の2次側コイルを介して放電灯(3)の一方の電極に接続され、FET(22)(23)の接続点は放電灯(3)の他方の電極に接続されている。
【0023】
フルブリッジ制御回路(10)は前記フルブリッジ回路(20)のFET(21)(22)(23)(24)をオン・オフを制御させる回路で、放電灯(3)の点灯始動時は、対角に配置された一対のFET(21)(22)だけをオンにし、残る対角の一対のFET(23)(24)をオフにし、定常点灯時には一対のFET(21)(22)と残る対角の一対のFET(23)(24)のオン・オフを切り替える。これにより、始動時にあっては平滑コンデンサ(5)等にて平滑にされた直流電流の一部はイグナイタ(2)を作動させ放電灯(3)の始動が行われる。それに続く定常点灯時は、イグナイタ(2)は不作動となり、後述する鋸状傾斜波形点灯が行われる。
【0024】
パルス幅制御回路(8)はスイッチング素子(4a)を開閉制御して整流器によって整流された電流の供給量をパルス幅制御するものである。パルス幅制御回路(8)には後述する減算電圧(S-E)と電圧検出ライン(18)により放電灯(3)に供給される直流点灯電流のプラス側出力ライン(L)の印加電圧(ランプ電圧)が入力しており、前記ランプ電圧×放電灯(3)への供給電流が一定電力となるようにパルス幅制御を行う。その結果、放電灯(3)への供給電流は図1(b)に示すような半サイクルが時間と共に漸増する傾斜交流波形となる。
【0025】
傾斜波形制御回路(9)は、傾斜波形発生回路(9a)と演算回路(9b)とで構成されており、前記傾斜波形発生回路(9a)はダイオード(D1)(D2)・(D3)・(D1')(D2')・(D3')、抵抗(R1)(R2)・(R3)・(R1')(R1')・(R3')及びコンデンサ(C1)・(C1')とで構成されている。ダイオード(D1)及び(D1')のカソード側と抵抗(R1)及び(R1')、ダイオードの(D2)及び(D2')のアノード側と抵抗(R2)及び(R2')のそれぞれが直列接続されており、更に前記ダイオード(D1)と抵抗(R1)の直列体とダイオード(D2)と(R2)の直列体及びダイオード(D1')と(R1')の直列体とダイオード(D2')と抵抗R2')の直列体とがそれぞれ並列接続され、ダイオード側の接続点が入力部(A)及び(B)にそれぞれ接続されている。
【0026】
また、前記直列体の抵抗側接続点は別のダイオード(D3)・(D3')を介して出力部(E)に接続されている。更に、別の抵抗(R3)とコンデンサ(C1)とが、及び抵抗(R3')とコンデンサ(C1')とがそれぞれ並列接続され、その一方の接続点が前記直列体の抵抗側接続点に接続され、他方の接続点が接地されている。これにより後述するような図2(b)の(E)に示すような鋸状の傾斜波形電圧(E)が出力する。
【0027】
演算回路(9b)は、その(+)にセンス抵抗(7)のセンス信号電圧(S)が入力し、傾斜波形発生回路(9a)の鋸状電圧(E)がその(-)に入力をするようになっており、演算処理に必要なレベルまで前記センス信号電圧(S)と鋸状の傾斜波形電圧(E)を増幅し、センス信号電圧(S)から鋸状の傾斜波形電圧(E)を減算した後、この増幅されている減算電圧n(S-E)を元のレベルに戻した後、これをパルス幅制御回路(8)に出力するようになっている。
【0028】
イグナイタ(2)は、FET(21)(24)の接続点にその2次側コイルが接続されている2次側昇圧トランス(6)、FET(21)(23)の接続点とFET(22)(24)の接続点間にてそれぞれ直列接続された抵抗(19)とパルス生成用コンデンサ(15)、前記抵抗(19)とコンデンサ(15)の接続点に接続されたトリガ素子(13)、前記トリガ素子(13)にその1次側コイルが接続されている1次昇圧トランス(12)、前記1次昇圧トランス(12)の2次側コイルに接続されている駆動回路(11)とで構成されている。そして、前記1次昇圧トランス(12)の1次側コイルの他方はFET(22)(24)の接続点に接続されている。
【0029】
次に図1の点灯回路の作用について説明する。光学機器(図示せず)のスイッチ(図示せず)をオンにすると、光学機器が作動しランプ始動が行われる。ランプ始動時には、バラスト(1)の整流器(17)で全波整流(勿論、半波整流でも可)され、スイッチング素子(4a)にて後述するパルス幅制御が行われる。スイッチング素子(4a)の出力はリアクトル(16)と平滑コンデンサ(5)との協働によって平滑化され、フルブリッジ回路(20)に出力され始動点灯が行われる。
【0030】
始動点灯時は、対角に配置された一対のFET(21)(22)だけをオンにし、残る対角の一対のFET(23)(24)をオフにし、平滑化にされた前記直流電流の一部にてイグナイタ(2)を作動させる。即ち、FET(21)(23)の接続点から抵抗(19)を通じて電流がコンデンサ(15)に流れてこれを充電する。パルス生成用コンデンサ(15)が前記充電によってトリガ素子(13)の所定のトリガ電圧(例えば100V程度)に達した処でパルス生成用コンデンサ(15)に並列接続されたトリガ素子(13)が作動して1次昇圧トランス(12)の1次側コイルにパルス電流が流れる。そしてこの1次昇圧トランス(12)の2次側コイルに発生したパルス電流により、2次昇圧トランス(6)の2次側コイルに高圧の2次昇圧パルス電圧が発生し、これが放電灯(3)に高電圧にて印加され始動状態となる。始動電流はFET(21)→2次昇圧トランス(6)の2次側コイル→放電灯(3)→FET(22)と流れる。
【0031】
放電灯(3)の始動が終了し、グロー放電からアーク放電に移動して定常点灯に移ると、ランプ電圧の低下と共にイグナイタ(2)の作動も停止する。このランプ電圧の低下はランプ電圧検出ライン(18)を介してパルス幅制御回路(8)が検出し、これをフルブリッジ制御回路(10)に出力し、始動終了と共にフルブリッジ制御回路(10)を作動させ、フルブリッジ回路(20)のFET(21)(22)(23)(24)の対角の組、すなわちFET(21)(22)とFET(23)(24)を交互に切り替え、放電灯(3)に交流電流を供給する。
【0032】
即ち、図2(b)に示すように、フルブリッジ制御回路(10)の位相の180°異なる2つの矩形波出力信号(A)(B)はフルブリッジ回路(20)の制御部分(20a)に供給され、前述のFET(21)(22)の組とFET(23)(24)の組のオン・オフ切り替えを行わせ、交流電流を発生させる。
【0033】
更に詳述すれば、FET(21)(22)をオンに、FET(23)(24)をオフにすると、FET(21)→放電灯(3)→FET(22)と電流が流れ、逆に、FET(21)(22)をオフに、FET(23)(24)をオンにすると、FET(23)→放電灯(3)→FET(24)と電流が流れ、交流点灯となる。交流点灯の周期はフルブリッジ制御回路(10)の制御に従う。
【0034】
このようにして放電灯(3)は始動時のグロー放電を経て定常点灯のアーク放電への移行がスムーズに行われることになるが、前述のように定常点灯に移行するとランプ電圧は、グロー放電時の急落後、次第に電圧が上昇し所定の定常点灯電圧に回復し、その後、該電圧を保つことになる。放電灯(3)を通過した点灯電流は、フルブリッジ回路(20)のFET(22)または(24)を通って0ボルトライン(m)に流れ、センス抵抗(7)にセンス信号電圧を生成させる。このセンス信号電圧は前述のように演算回路(9b)の(+)に入力する。
【0035】
一方、前記矩形波出力信号(A)(B)は傾斜波形発生回路(9a)にも加えられ、傾斜波形発生回路(9a)から前記交流電流と同期した鋸状傾斜波形信号電圧(E)が演算回路(9b)の(−)に出力され、前述のように減算処理がなされる。この点を以下に詳述する。
【0036】
図2(a)に示す回路図中、抵抗(R1)〜(R3)、ダイオード(D1)〜(D3)及びコンデンサ(C1)は、同図下部の抵抗(R1')〜(R3')、ダイオード(D1')〜(D3')及びコンデンサ(C1')と全く同じ回路で、入力信号(A)(B)に応じて位相が180度異なるだけで同じ動作をしている。
【0037】
フルブリッジ制御回路(10)から傾斜波形発生回路(9a)の入力部(A)に加えられた矩形波信号(A)がLレベルからHレベルに変化するとその電圧はダイオード(D1),抵抗(R1)を経てコンデンサ(C1)を充電する。次に入力部(A)に加えられた矩形波信号がHレベルからLレベルに変化すると、コンデンサ(C1)に充電されていた電圧は抵抗(R2)、ダイオード(D2)を経て放電する。この充放電回路においては抵抗(R1)の抵抗値が抵抗(R2)の抵抗値より大幅に大(R1>>R2)となるように設定されているため、コンデンサ(C1)の両端電圧は充電時には比較的低速で上昇し、放電時は急速に放電する。その結果、図2(b)の(c)に示すような半サイクルとばしで半サイクル毎に漸増するように傾斜した波形状の電圧を得ることができるようになる。
【0038】
入力部(B)に加えられた信号に対しても下側の回路は同様の動作をし、コンデンサ(C1')の両端に180°位相がずれ、半サイクルとばしで半サイクル毎に漸増するように傾斜した波形状の電圧(D)を発生させる。
【0039】
ダイオード(D3)及び(D3')はOR接続されており、図2(b)の傾斜した波形状の電圧(C)及び(D)が合成され、結果として鋸状をし、半サイクル毎に漸増するような傾斜波形の出力電圧(E)を得ることが出来、この傾斜波形出力電圧(E)が傾斜波形発生回路(9a)から出力される。この出力電圧(E)は演算回路(9b)に加えられ、ランプ電流検出用のセンス抵抗(7)からのセンス信号電圧(S)と演算処理される。具体的にはセンス抵抗(7)よりの入力電圧(S)から前記傾斜波形出力電圧(E)を前述のように減算し、これを出力する。出力された電圧波形は逆鋸状の傾斜波形(半サイクル毎に電圧が漸減する)となる。
【0040】
傾斜波形発生回路(9a)からの傾斜波形の電圧(E)が漸次高くなると前述のようにセンス信号電圧(S)の減算電圧はこれに応じて演算回路(9b)の出力が漸減し(逆鋸状傾斜波形となる)、次段のパルス幅制御回路(8)は定電力を維持するために減った分に応じて出力電流を増やす動作をする。その結果、フルブリッジ回路(20)から出力される交流電流として、矩形電流のタイミングに傾斜波形電流が同期して重畳した図1(b)に示す、半サイクルにおいて時間とともに次第に電流量が増加していく交流電流を得ることができる。
【0041】
このようにして、定常点灯時にあっては、図1(b)に示す、半サイクルにおいて時間と共に次第に電流量が増加していく交流電流を放電灯(3)に供給するのであるが、前述のように、点灯初期にあっては図5(a)に示すような半球状の電極先端部(3c)が次第に変形して図5(d)に示すような円錐形に似た状態になり、以後、この形状をある程度保つことになる。それ故、点灯中の電圧降下を一定の範囲で止めることができると同時に円錐型に似た形状の先端部(3c)の先端が安定した起点となり、安定的にアークが生成されるようになる。その結果、交流点灯におけるフリッカが解消されることになる。
【0042】
なお、図2(a)の回路図において、充電時の時定数である、抵抗(R1)及び(R1')またはコンデンサ(C1)及び(C1')の値を変えることによりコンデンサ(C1)及び(C1')の充電時間が変化するため、これにより放電灯(3)の電極構造に最も適した交流波形の傾斜角度を得ることができる。また、図2(a)の回路に於いて抵抗(R3)及び(R3')は個々の電圧レベル設定用の分圧抵抗である。
【0043】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば放電灯点灯時のフリッカを従来の点灯方法に比べて大幅に低くすることができる。またフリッカ対策としてパルスを使用していないので組み合わせた光学機器との間でタイミングによる障害を発生することがない。更に放電灯の点灯中の電圧低下に対しても、これを少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の交流放電灯用の点灯回路とその出力波形
【図2】本発明の傾斜波形発生回路の構成とその出力波形
【図3】本発明の交流用放電灯点灯回路の構成のブロック図
【図4】従来の交流放電灯用点灯回路とその出力波形
【図5】従来の点灯回路及び本発明の点灯回路で点灯した放電灯電極形状の比較図面
【符号の説明】
(3)…放電灯
Claims (3)
- (a) 放電灯への電流供給量を制御するスイッチング部、
(b) 前記放電灯の点灯電流を検出してセンス信号電圧として出力するセンス抵抗、
(c) 前記スイッチング部を制御して一定の電力が前記放電灯に供給されるようにするパルス幅制御回路、
(d) 定常点灯時、前記パルス幅制御回路によって供給量が制御された直流電流を交流電流に変換するフルブリッジ回路、
(e) 前記直流電流を交流電流に変換させるために前記フルブリッジ回路を開閉制御する開閉信号を出力するフルブリッジ制御回路、および
(f) 前記フルブリッジ制御回路からの開閉信号と同期して前記放電灯に供給される交流電流の各半サイクルの電流値が時間と共に漸増するように前記スイッチング部を動作させる前記パルス幅制御回路を制御する傾斜波形制御回路を有しており、
(g) 前記傾斜波形制御回路は、前記フルブリッジ制御回路からの開閉信号と同期して各半サイクル毎に漸増する鋸状の傾斜波形電圧を出力する傾斜波形発生回路と、前記センス抵抗から出力された前記センス信号電圧から前記傾斜波形電圧を減算して前記パルス幅制御回路に出力する演算回路とで構成されており、
(h) 前記傾斜波形発生回路は、ダイオードおよび該ダイオードのカソード側に直列接続された抵抗で構成された直列体と、他のダイオードおよび前記抵抗よりも大幅に大きい抵抗値を有し、該他のダイオードのアノード側に直列接続された他の抵抗とで構成された他の直列体とが互いに並列接続されており、これら2つの直列体の抵抗側と別のダイオードのアノードとが接続されており、前記直列体と前記別のダイオードとの間には、別の抵抗の一方端とコンデンサの一方端とが互いに並列に接続されており、前記別の抵抗の他方端と前記コンデンサの他方端とがそれぞれ接地されることにより構成されていることを特徴とする放電灯の点灯装置の交流バラスト。 - 請求項1の交流バラストと、該交流バラストに接続された放電灯始動用のイグナイタとで構成されたことを特徴とする放電灯の交流点灯装置。
- 請求項2に記載の交流点灯装置と放電灯とで構成されたことを特徴とする光源装置。
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