JP4090850B2 - 回路遮断器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ユニット化された自動引きはずし装置を有する回路遮断器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の回路遮断器においては、自動引きはずし装置を電子式、熱動電磁式などのように方式毎にユニットとして構成すると共にこの各ユニットを同一形状とし、遮断器ケースに上記各ユニットの収納できるユニット収納部を設けた構成にしている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特許2583491号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の回路遮断器は、自動引きはずしユニットが電子式および熱動電磁式のみでこれらの方式に対しては取替え可能だったが、漏電検出式のものはなく、このため漏電引きはずし装置を備えた回路遮断器を別に製作しなければならなかった。また、従来の自動引きはずしユニットでは同一外形のユニットに、漏電引きはずし機構の構成要素である過電流引きはずし要素、漏電検出用ZCT、増幅回路、漏電引きはずし電磁石部を全て収納するスペースがないという問題があった。
【0005】
この発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、漏電検出式の自動引きはずしユニットに対しても取替え可能とする回路遮断器を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る回路遮断器は、遮断器のケースをベースとカバーで構成し、上記遮断器の自動引きはずし装置をユニット化して上記ベースの凹部に収納することにより形成するものにおいて、上記自動引きはずしユニットは、電子式、熱動電磁式、漏電検出式の各方式ともトリップ部と端子導体と可動接触子側導体を露出する同一形状の外郭を有し、上記ユニットの外郭を、外郭下部をなすユニットベースと外郭上部をなすユニットカバーとで構成し、上記ユニットカバーを上記ユニットベースから露出する遮断器の端子導体を覆うようにユニットベースから張り出して形成し、漏電検出式の自動引きはずしユニットの上記外郭内には、過電流引きはずし要素、漏電検出用ZCT、該漏電検出用ZCTの出力を増幅する増幅回路、及び該増幅回路の出力に基づき動作する漏電引きはずし電磁石部を収納したものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下この発明の実施の形態1について説明する。図1は、この発明を実施するための実施の形態1を示す回路遮断器の正面図であり、引きはずしユニットを取り去った状態を示している。そして、引きはずしユニットを装着した場合に、引きはずしユニットから突出する導体の位置を破線で示している。図2は図1のII−II線に沿う断面をやや拡大した断面図、図3は漏電引きはずしユニットの側面図である。図4及び図5は図3の漏電引きはずしユニットの上面図及び斜視図である。図6は漏電引きはずしユニットの内部機構を説明する図である。図7は、漏電引きはずしユニットの漏電検出用ZCT(ZCT=零相変流器)と一次導体の配置を説明する図である。図8は漏電引きはずしユニットの電磁式引きはずし部を一部断面により示す説明図である。図10は電子式引きはずしユニットの要部を、また、図9は熱動電磁式引きはずしユニットの要部を示す図であり、説明の便宜上、上記各ユニットの外郭を一点鎖線で示している。
【0008】
図1、図2において、合成樹脂で構成された遮断器ケース1は、ベース1aとカバー1bとで構成される。ベース1aに固定した電源側の固定導体2に固定接点3が固着されている。可動子7には、固定接点3に対向して接離する可動接点6が固着されている。可動子7は可とう導体(シャント)8を介して自動引きはずしユニット32A,32B,32Cのいずれかに接続するための接続導体9に接続されている。コンタクトアーム10は可動子7を保持する一方、後記する開閉機構が連繋される第一のコンタクトアーム10aと可動子7が第一のピン11により回転可能に支持される第二のコンタクトアーム10bとに分割形成されている。
【0009】
コンタクトアーム10の支軸12には、第一のコンタクトアーム10aと第二のコンタクトアーム10bとがそれぞれ回転可能に支持されている。クロスバー13は各極の第一のコンタクトアーム10aを連結する。第一のコンタクトアーム10aには、開閉方向に伸びるガイド孔14が、第二のコンタクトアーム10bにはガイド孔14と交差する方向に延びる長孔15が設けられている。引きバネ17は、第一のピン11と第二のピン16との間に設けられ、ガイド孔14と長孔15とに跨って係合する第二のピン16を付勢する。可動子7と第二のコンタクトアーム10bとの間には接圧バネ18が設けられている。
【0010】
遮断器の操作ハンドル19は開閉機構20を介して可動子7を開閉させる。遮断器の開閉機構20は、クレドル20a、上部リンク20b、下部リンク20cなどにより構成される。クレドル20aは回転軸21を中心に回動する。下部リンク20cの第一のコンタクトアーム10aに連繋するための連結ピン22が設けられている。遮断器ケース1にはアークを消弧する消孤室23が設けられている。
【0011】
ベース1aには引きはずしユニット32A,32B,32Cのいずれかを収容する凹部からなるユニット収納部28が設けられている。各ユニット32A,32B,32Cの表示面29が露出する。開閉機構20のクレドル20aと係合するラッチ部30は、各ユニット32A,32B,32Cのトリップ部32cの突き押しにより操作される。図3、図9、図10に示すように、図3に示す漏電検出式引きはずしユニット32Aと、図9に示す熱動電磁式ユニット32Bと、図10に示す電子式引きはずしユニット32Cとの外郭を同一形状にしておくことにより取り替え可能となる。
【0012】
各ユニット32A,32B,32Cを図2に示すように遮断器ケース1aのユニット収納部28に嵌め込んで設置し、図2に示すように導体9に接続した状態(通常の使用状態)で、過電流が流れるとユニット32A、32Bあるいは32Cが動作してトリップ部32cが突きだされ、ラッチ部30が操作されるようになっている。また、トリップ部32cは、軸41を中心に、ひねりバネ41aにより常時反時計方向(図3、図6)に付勢されている。
【0013】
図3、図9、図10において、図3に示す漏電引きはずしユニット32Aは、固定側導体を構成する端子導体32aとシャント接続導体32bとトリップ部32cとがユニット外郭から突出した形状をしており、その詳細は後述する。図9に示す熱動電磁式引きはずしユニット32Bは、固定側導体を形成する端子導体32aとシャント接続導体32bとトリップ部32cとがユニット外郭から突出した形状をしている。図10に示す電子式引きはずしユニット32Cは、端子導体32aとシャント接続導体32bとトリップ部32cとがユニット外郭から突出した形状をしている。漏電引きはずしユニット32A、熱動電磁式引きはずしユニット32B、電子式引きはずしユニット32Cの外郭は図3、図9、図10に示すように側面から見てかぎ型をなす同一形状をしている。
【0014】
[漏電引きはずしユニット]
以下、図3、図4、図5を参照し、漏電引きはずしユニット32Aを例に、引きはずしユニットの外郭を説明する。漏電引きはずしユニット32Aは、ユニット収納部28に入り込むユニットベース32fとこのユニットベース32fの上部(図3)に配置されたユニットカバー32dにより構成されている。ユニットカバー32dは、ユニットベース32fと遮断器の長手方向がほぼ同幅に形成された同幅部32d1と、遮断部から遠ざかる側に張り出した突出部32d2により構成されており(図5参照)、側面から見てかぎ型をしている。従って、ユニット32Aをユニット収納部28に挿入して組み合わせたとき、突出部32d2は端子導体32a上を覆うようになる。
【0015】
漏電引きはずしユニット32Aは過電流発生時におけるバイメタル引きはずし動作と、過電流発生時における電磁引きはずし動作と、漏電検出用ZCTによる引きはずし動作を行うために、これらの三つの動作を行う要素を備える必要がある。
【0016】
図3、図7に示すように、漏電引きはずしユニット32Aのユニットベース32fとユニットカバー32dからなる外郭の内部の内、主としてユニットベース32f部分には漏電検出用ZCT34が収納されている。この漏電検出用ZCT34の中空孔を端子導体32aとシャント接続導体32b間の3相分の一次導体37が貫通し、かつ漏電検出用ZCT34の主面(中空円柱の端面)は回路遮断器の長手方向に直交するように配置されている。漏電検出用ZCT34の側方には、増幅回路35の基板に接続される漏電検出用ZCT34の出力線34aが引き出されている。
【0017】
なお、一次導体37は端子導体32aと中間導体37aとシャント接続導体32bが一枚の板状導体の折り曲げ成形品から構成されていてもよいし、複数の板状導体の溶接、ネジ止め等による接合により構成されていてもよい。シャント接続導体という呼称は、回路遮断器としてシャント8を用いるものを例に説明したため、一次導体37の開閉機構20側の導体をシャント導体32bと称しているが、一般的には可動接触子側導体と呼ぶ。
【0018】
図3、図7に示すように、漏電引きはずしユニット32Aのユニットベース32fとユニットカバー32dからなる外郭の内部の内、主としてユニットカバー32d部分にはバイメタル33の上部の突起部39とリレートリップバー38の他に電磁石部36が高密度で収容されている。電磁石部36はバイメタルの配列方向の一方の側に配置され、電磁石とプランジャと制御回路及びこれらを取り付ける固定板から構成されている。電磁石部36は、プランジャのストローク等の関係から通常細長い形状となり、しかもリレートリップバー38を押すのに大きな力が必要なため大きなコイルを収容しなければならず形状が大きくなる。このため電磁石部36の一部を張り出し形状となっているユニットカバー32dに収容するのが適切である。
【0019】
図3を参照して、漏電検出用ZCT34から出力された電気信号を増幅する増幅回路35の回路基板は漏電検出用ZCT34の側方に配置されユニットベース32fの内壁に設けられたリブに圧入して固定されており、その内周は漏電検出用ZCT34の外周に沿って設けられている。増幅回路35からの出力信号により作動する電磁石部36は上述のようにユニットカバー32d内に設けられ、電磁石部36の制御回路および固定板の一部は空間32eに位置するように配置されている。
【0020】
図3、図6、図8を参照し、過電流引きはずし素子、より具体的にはバイメタル33は漏電検出用ZCT34の端面すなわち主面とほぼ並行になるように一次導体37にかしめにより固定されている。バイメタル33の先端には微調整用ネジ部が設けられ、リレートリップバー38に当接する突起部39が上記ネジ部に螺挿して設けられている。また、一次導体37とユニットベース32fと非磁性の金属(ステンレスやアルミそれらの合金など)で形成された固定プレート46とコ字状のヨーク42が固定ネジ46bにより締め付け固定される。電磁引きはずし部は、ヨーク42とアマチュア43とバネ45と固定プレート46により構成されている。
【0021】
アマチュア43は複数の磁性板(鉄板)を積層して構成されており、アマチュア43自体およびその移動面は漏電検出用ZCT34の主面にほぼ並行に配置されている。アマチュア43は回転軸43a(軸受は固定プレート46に設けられている)を中心に回動でき、常時はアマチュア43の掛け止め部43cと固定プレート46の掛け止め部46a間に張架されたバネ45により回転軸43aを中心に図8で反時計回りに付勢されており、固定プレート46に設けられたストッパ46cに当接して回動が規制されている。
【0022】
アマチュア43の先端部43bは引きはずし棒44に連接し、引きはずし棒44を介してリレートリップバー38に固定ネジ38a(図6)により固定されている。アマチュア43を複数の磁性板により構成したので、個々の磁性板を薄くでき、孔加工、プレス打抜き加工が行いやすく、回転軸43aの固定孔、端部43b、係止部43cなどの形成が容易となる。
【0023】
バイメタル33、引きはずし棒44、電磁石部36のプランジャがリレートリップバー38に力を加えると、リレートリップバー38は図6で時計方向に回動し、トリップ部32cとの係合が外れ、トリップ部32cは図6で反時計方向に回動する。リレートリップバー38はピン40によりユニットベース32fに軸支されている(なお、図3においては、ピン40がユニットカバー32dに軸支されているように見えるが、ユニットカバー32dとユニットベース32fが突起部39の下の部分まで重なりあっているためである)。また、リレートリップバー38は図示しないひねりバネによりピン40を中心に常時反時計方向(図3、図6)に付勢されているが、その一部がユニットベース32fに設けてある図示しないストッパと当接し、図の位置に保持されている。
【0024】
次に、図3、図6、図8を参照し、漏電引きはずしユニットによる引きはずし動作について説明する。まず、過電流検出による引きはずしとして、バイメタルによる引きはずし動作と電磁引きはずし動作、ついで、漏電検出による引きはずし動作について説明する。
【0025】
(過電流発生時におけるバイメタルによる引きはずし)
一次導体37に過電流が発生すると、バイメタル33(図6)が右方向に湾曲し、バイメタル33の先端に設けた突起部39がリレートリップバー38を押し、リレートリップバー38がピン40を中心に時計方向(図6)に回転することにより、リレートリップバー38とトリップ部32cとの係合が外れ、トリップ部32cの回動支点となる軸41を中心にトリップ部32cが反時計方向(図6)に回転してラッチ部30(図2)を突き押すことにより遮断器本体をトリップさせる。
【0026】
(過電流発生時における電磁引きはずし)
過電流がある限度(バイメタル33によるトリップ動作よりも大きな電流)を超えると、一次導体37を包囲しているヨーク42が磁気を帯びてアマチュア43を回転軸43aを中心に時計方向(図8)に回動させ吸引することにより、アマチュア43と連結している引きはずし棒44が下方(図8)に移動し、リレートリップバー38がピン40を支点として時計方向(図6)に回転することで、バイメタル33による引きはずしと同様に遮断器本体をトリップさせる。
【0027】
(漏電検出用ZCTによる引きはずし)
漏電検出用ZCT34より負荷側で、一次導体37に漏電が生じて零相電流が流れると、この零相電流は漏電検出用ZCT34によってピックアップされ、増幅回路35で増幅され、漏電引きはずし電磁石部36のプランジャが過電流引きはずし動作と同様に、リレートリップバー38を押すことりより、遮断器本体をトリップさせる。
【0028】
[熱動電磁引きはずしユニット]
ついで、熱動電磁引きはずしユニット32Bについて説明する。図9を参照して、ユニットベース32f内に配置された、端子導体32aとシャント導体32b間に設けられた中間導体37bに、バイメタル50とヨーク51がリベット52により一体にかしめられている。ヨーク51は、断面コ字状に形成され、コ字状の開口部が開閉機構20とは反対側(アマチュア53の側)に開口するように配置されている。また、中間導体37bは、漏電検出用ZCTに貫通させる必要がないため、回路遮断器上面(図1)から見ると直線状となっている(電子式引きはずしユニット32Cの場合も同様)。
【0029】
リレートリップバー38にはピン40より下方への延出部38bが設けられている。アマチュア53による電磁引きはずし動作をするとき、アマチュア53のヨーク対向部53aがヨーク51に吸引され、アマチュア51が回転軸54を中心に反時計方向に回動し、リレートリップバー先端部53bがリレートリップバー38の延出部38bに当接し、リレートリップバー38をピン40を支点として時計方向に回動させる。以後、上述の説明と同様にして回路遮断器をトリップさせる。なお、アマチュア53は、図示しないバネにより、常時回転軸54を中心に時計方向に付勢されている。バイメタル50による引きはずし動作は、漏電引きはずしユニット32Aにおけるバイメタル33による引きはずし動作と同様である。
【0030】
[電子式引きはずしユニット]
ついで、電子式引きはずしユニット32Cについて説明する。図10を参照して、ユニットベース32f内に配置された、端子導体32aとシャント導体32b間に設けられた中間導体37cに、電流検出用のCT56が設けられ、CT56の出力線57は増幅回路58に接続され、増幅回路58の出力に基づいて電磁石部59を動作させる。過電流が発生すると、電磁石部59が動作し、一端にトリップ部32cが設けられた電磁石部59のプランジャ59aが図10で左方向に移動し、ラッチ部30(図2)に当接し、回路遮断器をトリップさせる。
【0031】
以上のように、図3、図9、図10に示すように、漏電引きはずしユニット32Aと電子式引きはずしユニット32Cと熱動電磁式引きはずしユニット32Bとを同一形状にしておくと、各ユニット32A、32B、32Cを図1及び図2に示すように遮断器ケース1のユニット収容部28に取替え可能に収容できる。
【0032】
また、負荷側の端子導体32aの上方(図2、図3)に延出したユニットカバー32d2の延出空間32eを設けることによって、図3に示すように、空間32eを利用して漏電引きはずし電磁石部36を収納できるようになる。
【0033】
また、従来はラッチ30よりも開閉機構20側に配置されていた漏電検出用の電磁石部36を、ラッチ30に対し開閉機構20とは反対側で、引きはずしユニット32A,32B,32Cの外郭内に収納したので、電磁石部36が遮断時に発生する接点3、6間に発生したアークガスに曝されなくなり、アーク消弧後に電磁石部36が不動作となることが少なくなる。
【0034】
また、漏電検出用ZCT34の主面を回路遮断器の長手方向に直交するように配置し、かつ、バイメタル33と電磁引きはずし部(ヨーク42、アマチュア43)を漏電検出用ZCT34よりも端子導体32a側に配置したので、ユニットベース32fの開閉機構20側が開口している場合において、電磁引きはずし部にアークが直接曝射されることを防止できる。
【0035】
また、一次導体37を分割型とし或いは断面積が狭くなる箇所を設け、バイメタル33を効率的に加熱するためのヒータ部をユニットケース32A、32B内の外部に対向する側の端部バイメタル33の近傍に設ける場合、発熱が回路遮断器外に放熱しやすくなり好ましい。この場合、アマチュア43を支持する金属性の固定プレート46がバイメタル33の近くに配置されるので、固定プレート46が樹脂製の場合に比較し、更に放熱しやすくなるとともに、狭い空間占有でアマチュア43を確実に固定できる。
【0036】
また、漏電検出用ZCT34の主面を回路遮断器の長手方向に直交するように配置し、かつ、バイメタル33の主面とヨーク42のコ字状を形成する面と、板状のアマチュア43の主面およびその移動面を夫々漏電検出用ZCT34の主面にほぼ並行に配置したので、漏電引きはずしユニット32Aの回路遮断器長手方向を短くできる。
【0037】
実施の形態2.
以下この発明の実施の形態2について説明する。
図11はこの発明の実施の形態2に係る回路遮断器の漏電引きはずしユニットを示す側面図、図12は図11の漏電引きはずしユニットの外郭を示す図、図13は図11の漏電引きはずしユニット内の漏電用ZCTと増幅回路との関係を説明する図であり、説明を分かりやすくするためバイメタルおよび電磁引きはずし部の図示は省略している。その他の構成は実施の形態1と同様であるのでその説明を省略する。
【0038】
図11、図12に示すように、ユニットベース32fは回路遮断器の長手方向に2分割の開閉機構側ベース32f1と端子側ベース32f2により構成されている。漏電引きはずしユニットケース32Aを組み立てる際には、端子側ベース32f2に一次導体37、バイメタル33、電磁引きはずし部(ヨーク42、アマチュア43など)、漏電検出用ZCT34、増幅回路35、電磁石部36、リレートリップバー38などを組み込む。その後、開閉機構20側の開閉側ベース32f1を端子側ベース32f2に図示しないネジにより固定し、さらにユニットカバー32dをユニットベース32fに固定する。
【0039】
実施の形態2における増幅回路35は漏電検出用ZCT34の側方にその内周が漏電検出用ZCT34の外周に沿って配置されている。一次導体37が一体型の場合には漏電検出用ZCT34とともに上方から下方に(図13)負荷側ベース32f2に組み込む。一次導体37が分割型の場合には、漏電検出用ZCT34を負荷側ベース32f2に組み込んだ後、紙面手前から奥に(図13)増幅回路35を組み込む。
【0040】
以上のように、漏電引きはずしユニット32Aの外郭を3部材としたので、増幅回路35の内周を漏電検出用ZCT34の外周に沿って収納させることができ、実装を密にできるとともに、外郭の密閉度を高くできる。
【0041】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、自動引きはずし装置を方式ごとにユニットとして構成するとともにこの各ユニットを同一形状とすることによって、自動引きはずし装置の方式ごとの取替えが可能となるので、従来のように漏電引きはずしの方式に対して別の遮断器を製作しなくてもよく、一機種の遮断器を製作すればよいという効果がある。
【0042】
また、この発明によれば、遮断器カバーの一部を自動引きはずしユニットに設けることによって、自動引きはずしユニットの中に新たな空間を設け、狭い空間の中で、過電流引きはずし素子、漏電検出用ZCT、増幅回路、漏電引きはずし電磁石部を収容することができるため、漏電引きはずしユニットを製作できるという効果がある。
【0043】
また、ユニットベースを分割構造とすることにより装置の組み立て、外郭内のスペースの有効利用が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係る回路遮断器を示す正面図である。
【図2】 図1のII−II線に沿う断面をやや拡大して示す断面図である。
【図3】 実施の形態1の漏電引きはずしユニットを示す側面図である。
【図4】 実施の形態1の漏電引きはずしユニットを示す上面図である。
【図5】 実施の形態1の漏電引きはずしユニットを示す斜視図である。
【図6】 実施の形態1の漏電引きはずし機構の内部構造を示す図である。
【図7】 実施の形態1の漏電引きはずしユニットの漏電検出用ZCTと一次導体の配置を説明する斜視図である。
【図8】 実施の形態1の漏電引きはずしユニットの電磁式引きはずし部を一部断面により示す説明図である。
【図9】 実施の形態1の熱動電磁式引きはずしユニットの要部を示す図である。
【図10】 実施の形態1の電子式引きはずしユニットの要部を示す図である。
【図11】 この発明の実施の形態2に係る回路遮断器の漏電引きはずしユニットを示す側面図である。
【図12】 実施の形態2の漏電引きはずしユニットの外郭を示す図である。
【図13】 実施の形態2の漏電引きはずしユニット内の漏電用ZCTと増幅回路との関係を説明する図である。
【符号の説明】
1 遮断器ケース、 1a ベース、
1b カバー、 28 ユニット収納部、
32A 漏電引きはずしユニット、
32B 熱動電磁式引きはずしユニット、
32C 電子式引きはずしユニット、
32a 端子導体、 32b シャント導体、
32c トリップ部、 32d ユニットカバー、
32d1 ユニットカバー同幅部、 32d2 ユニットカバー突出部、
32e 空間、 32f ユニットベース、
32f1 開閉機構側ベース、 32f2 端子側ベース、
33 バイメタル、
34 漏電検出用ZCT、 35 増幅回路、
36 漏電引きはずし電磁石部、 37 一次導体、
38 リレートリップバー、 39 突起部、
40 ピン、 41 軸、
42 ヨーク、 43 アマチュア、
44 引きはずし棒、 46 固定プレート。

Claims (7)

  1. 遮断器ケースをベースとカバーで構成し、上記遮断器の自動引きはずし装置をユニット化して上記ベースの凹部に収納するよう構成された回路遮断器において、上記自動引きはずしユニットは、電子式、熱動電磁式、漏電検出式の各方式ともトリップ部と端子導体と可動接触子側導体を露出する同一形状の外郭を有し、上記ユニットの外郭を、外郭下部をなすユニットベースと外郭上部をなすユニットカバーとで構成し、上記ユニットカバーを上記ユニットベースから露出する遮断器の端子導体を覆うようにユニットベースから張り出して形成し、漏電検出式の自動引きはずしユニットの上記外郭内には、過電流引きはずし要素、漏電検出用ZCT、該漏電検出用ZCTの出力を増幅する増幅回路、及び該増幅回路の出力に基づき動作する漏電引きはずし電磁石部を収納したことを特徴とする回路遮断器。
  2. 上記自動引きはずし装置ユニット外郭を、上記ベースの凹部に入り込むユニットベースと、このユニットベース上に位置するとともに上記ユニットベースよりも上記回路遮断器の開閉機構側から遠ざかる方向に張り出して形成したユニットカバーとにより構成し、上記自動引きはずし装置ユニットが、漏電検出式のとき、上記ユニットカバーの張り出した部分に上記漏電引きはずし電磁石部の一部を収納したことを特徴とする請求項1に記載の回路遮断器。
  3. 漏電検出式の自動引きはずしユニットの外郭内において、漏電検出用ZCTを上記回路遮断器の開閉機構に近い側に、また、過電流引きはずし部を上記漏電検出用ZCTに対し上記回路遮断器の開閉機構と反対側に配置したことを特徴とする請求項1に記載の回路遮断器。
  4. 上記ユニットの外郭内に、上記漏電検出用ZCTを、その主面が上記遮断器端子導体の長手方向と直交する方向に配置し、過電流引きはずし用バイメタルを上記漏電検出用ZCTの主面に並行かつ上記ベースの凹部の深さ方向に延在するように配置し、さらに、電磁引きはずし用のヨーク及びこれに吸着されるアマチュアの移動面を上記漏電検出用ZCTの主面に並行に配置して設けたことを特徴とする請求項1に記載の回路遮断器。
  5. 上記電磁引きはずし装置のアマチュア若しくはヨークが支持または固定される非磁性体の金属からなる固定プレートを外面に対向して配置したことを特徴とする請求項に記載の回路遮断器。
  6. 上記自動引きはずし装置ユニット外郭を、上記ベースの凹部に入り込むユニットベースと、このユニットベース上に位置するユニットカバーとにより構成し、上記ユニットベースを、上記回路遮断器の開閉機構に近い側の開閉機側ユニットベースと、上記開閉機構から遠い側の端子側ユニットベースとに分割して組み合わせたことを特徴とする請求項1に記載の回路遮断器。
  7. 上記漏電検出用ZCTの出力を増幅する増幅回路を基板上に形成し、この基板を上記漏電検出用ZCTの主面の方向において、この漏電検出用ZCTの外周に沿うように設けたことを特徴とする請求項に記載の回路遮断器。
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