JP4089979B2 - 合成用の改良されたシントンと、緩やかな条件下でのペプチド核酸の保護解除方法 - Google Patents
合成用の改良されたシントンと、緩やかな条件下でのペプチド核酸の保護解除方法 Download PDFInfo
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Description
本出願は1993年12月12日提出の米国特許出願第08/172,695号の一部継続出願である。
1.発明の分野
本発明はペプチド核酸(Peptide Nucleic Acid: PNA)合成に関するものであり、特に、緩やかな条件下におけるPNA合成および保護解除に適した改良型PNAシントンに(synthons)に関するものである。
2.背景となる技術の説明
ペプチド核酸(PNA)は、DNA発現の配列特異的な制御と遺伝子をターゲットとする医薬の調製における有望な候補となる合成ポリアミドである(欧州特許出願第EP92/01219号および92/01220号を参照。これらの内容は参考として本明細書の一部を成す)。
PNAはペプチドに似た主鎖を有し、この主鎖にDNAの核酸塩基が結合したバイオポリマーハイブリッドである。特に、PNAはアミノ酸のN-(2-アミノエチル)-グリシンの繰り返し単位に核酸塩基のアデニン、シトシン、グアニン、チミンおよびウレシルがメチレンカルボニル基を介して結合した合成ポリアミドである。非天然の核酸塩基、例えば偽(pusedo)イソシトシン、5-メチルシトシンおよび2,6-ジアミノプリン、その他無数の核酸塩基もPNAシントンに組み込むことができる。
最も一般的には、PNAはt-Boc/ベンジル保護方法を用いて保護されたモノマー(PNAシントン)から合成されている。これは伸長中のポリマーの主鎖を構成するアミノ基をt-ブチロキシカルボニル(t-Boc)基で保護し、核酸塩基の環外アミノ基が存在する場合にはこれをベンジルオキシカルボニル(ベンジル)基で保護する方法である。t-Boc/ベンジル保護方法によって保護されたPNAシントンは現在市販されているが、上記の保護基を外すには非常に厳しい酸性条件が要求されるため使い易いものではない。
t-Boc/ベンジル保護方法では側鎖の核酸塩基を保護しているベンジルオキシカルボニル基を外すために非常に強い酸を必要とし、通常は核酸オリゴマーをフッ化水素酸またはトリフルオロメタン硫酸に一定時間、大抵は1時間以上曝して側鎖を保護しているベンジル基を除去する。最後の保護解除のためのこの過酷な酸処理によってしばしば酸に弱い部分、特に核酸とPNAオリゴマーに結合している可能性のある炭水化物が分解していまう。さらに、フッ化水素酸やトリフルオロメタンスルホン酸等の有害な酸を使用するため、作業者の安全上の問題とオートメーション機器・ラインの腐食問題の点から、この方法を商業的に使用することはできない。
さらに、t-Boc/ベンジル保護方法はオルソゴナルでなくディファレンシャルな方法である。ディファレンシャルな方法とは各保護基がほぼ同じ種類の試薬および条件で除去されが、それぞれの基は相対的に異なる反応速度で除去されるような基の保護システムと定義される。例えば、t-Boc/ベンジル保護方法では各保護基とも酸に対して不安定であるが、効果的な除去をするにはベンジルオキシカルボニル基の方がより強い酸を必要とする。酸に対して不安定なt-Boc保護基を酸を用いて完全に除去した時には、それと同時にベンジル基が一定割合で除去される危険性がある。特に、t-Boc保護基は合成サイクルにおいて主鎖のアミノ基から外す必要がある。それによって次のモノマーが主鎖のフリーのアミノ部位に結合してポリマー鎖が伸長できるようになる。t-Bocによってアミノ基が保護された主鎖の保護を解除するにはトリフルオロ酢酸等の強酸を用いる必要がある。この保護解除と、それに続くPNAまたは核酸オリゴマー構築では、核酸塩基側鎖の保護基すなわちベンジル基が除去されることは好ましくない。しかし、トリフルオロ酢酸は強過ぎるため側鎖のベンジル基の一部を保護解除してしまい、それによってポリマーが分岐し、所望生成物の全収率を低下させることになる。
一方、オルソゴナルな方法では、各保護基を互いに排他的な条件で除去する。例えば、一つの保護基は酸で除去し、別の保護基は塩基で除去する。クリステンセン達は、強酸を用いてt-Bocアミノ主鎖保護基を除去し、続いて9-フルオレニルメチロキシカルボニル(Fmoc)すなわち塩基に対して不安定な保護基を用いて再び保護するというオルソゴナルな方法で保護されたPNAシントンを報告している(Christensen達、“Innovation and Perspectives in Solid Phase Synthesis and Complementary Technologies-Biological and Biomedical Applications”3rd SPS Oxford Symposia 1994)。この保護方法では側鎖の核酸塩基の環外アミノ基が早く保護解除される可能性は無くなるが、このモノマーの調製に追加のステップが必要になる。さらに、側鎖保護基であるベンジルの除去には依然としてフッ化水素酸またはトリルフオロメタン硫酸等の強酸が必要である。
PNAシントン合成における現在の別の制約は側鎖の核酸塩基の保護基をいかに形成するかにある。一般に、核酸塩基、例えばシトシン、アデニンおよびグアニンの環外アミノ基は活性化されたカーボネートまたはクロロホルメートとの反応を介してカーバメートとして保護される。カーバメートを生成するこの方法には欠点がある。すなわち、多くのクロロホルメートは不安定であり、また、求核性がそれ程強くない核酸塩基の環外アミノ基に対してクロロホルメートの反応性は余り良くない。核酸塩基に対して使用される他のカーバメート生成方法にはアシル化剤としてイミダゾライドおよびアルキルイミダゾリウム塩を使用するものが含まれる(Watkins達、J. Orgl Chem., 1982 47;4471-77と、Watkins達、J. Am. Chem. Soc., 1982,104:5702-08参照)。イミダゾライドおよびアルキル化イミダゾライドはカーバメート生成に関するいくつかの問題点を克服するように思えるが、核酸塩基に対してそれらが広く使用されているという報告は聞かない。最近、PNAシントンの側鎖核酸塩基の環外アミノ基を保護するための保護基として4-メトキシ-トリフェニルメチル(MMT)基が提案された(Breipohl達、1st Australian Peptide Conference, Great Barrier Reef, Australia, October 16-21, 1994)。
報告されているグアニンPNAシントンはC6カルボニル基の位置でベンジルエーテルとして保護されているが、環外2-アミノ基のベンジルも保護する(欧州特許出願第92/01219号と国際特許出願PCT/US92/10921号参照)。C6カルボニル基(エノール型)の相対的反応性と、より反応性の高い環外2-アミノ基のことを考えると、PNA合成の際にC6カルボニル基を保護しなければならない理由は存在せず、より反応性の高い2-アミノ基を保護する方が好ましい。C6カルボニル基が保護されていない状態でヘテロサイクルの環外2-アミノ基に選択的なベンジル保護(あるいはその他のカーバメート保護)を有するグアニジンPNAシントンを合成する方法は知られていない。
DNA合成では核酸塩基であるシトシン、アデニンおよびグアニンの環外アミノ基を保護するためにベンジルオキシカルボニル基が使用されている(Watkins達、J. Org. Chem., (1982)47:4471-77と、Watkins達、J. Am. Chem. Soc., (1982)104:5702-08参照)。しかし、グアニンシントンの調製は困難である。その理由はグアニンの環外2-アミノ基がベンジル基を導入するためにルーチンで使用される試薬、例えばベンジルクロロホルメート、ベンジルオキシカルボニルイミダゾールおよびベンジルオキシカルボニルイミダゾールのアシルイミダゾリウム塩等に対して反応性がないためである。その結果、フェニルクロロチオホルメートを用いた処理によってC6カルボニル基と環外2-アミノ基とを両方同時に保護する従来とは異なるマルチステップ法が報告された。その後、付加生成物をカーバメート保護されたグアニンへ変換し、C6カルボニル保護基を除去する。しかし、この間接的方法は、元の付加生成物からカーバメート保護基を生成し、その後にC6カルボニル基を保護解除しなければならず、面倒である。
適切に保護された2-アミノ-6-クロロプリンの誘導体は6-クロロ基を求核性酸素で置換することによってグアニン化合物に変換することができる(Robins達、J. Am. Chem. Soc. (1965)87:4934、Reese達、Nucl. Acids Res., (1981)9:4611およびHodge達、J. Org. Chem., (1990)56:1553参照)。実際、報告されているグアニンPNAシントンの製造法で用いられている出発物質には適切に保護された2-アミノ-6-クロロプリンが含まれる(欧州特許出願第92/01219号および国際特許出願PCT/US/92/10912号参照)。
PNAの発明者達は環外2-アミノ基が保護されておらず、C6カルボニル基がベンジルエーテルとして保護されているグアニンシントンを報告している(欧州特許出願第92/01219号参照)。しかし、より反応性の高い2-アミノ基が他のPNAモノマーの活性化されたカルボン酸基(少なくとも末端において)と反応して合成ポリマーに分岐を生じさせる可能性があり、反対に、C6カルボニルを保護しなかった場合に存在するエノールは、ポリマーに分岐を生じさせるほどの反応性を持たず、従って保護の必要はない。この特定の方法はその他のPNAシントン合成に用いられるt-Boc/ベンジル保護方法と矛盾する。
さらに最近の特許出願では、グアニンPNAシントンは環外2-アミノ基のベンジル保護と、ベンジルエーテルとして保護されたC6カルボニル基との両方を有している(国際特許出願第PCT/US 92/10921号参照)。既に述べたように、敢えてグアニンPNAシントンのC6カルボニル基を保護する合理性は存在しないが、C6カルボニル基を保護することによってグアニン複素環の環外2-アミノ基を選択的にイオン化することが可能になり、それによってイオン化した2-アミノ基と一般的なベンジル保護試薬(例えばベンジルオキシカルボニルイミダゾール)との反応が促進される。それでも環外2-アミノ基の保護が核酸塩基のC6カルボニル基が保護されたグアニン誘導体で起こり、生成したシントンは環外2-アミノ基とC6カルボニル基との双方が保護されている。従って、環外2-アミノ基を選択的にカーバメート保護し且つC6カルボニルは保護されないグアニンPNAシントンを、報告されているような高収率で合成する都合の良い方法はない。
固相ペプチド合成法はPNAオリゴマーの合成に適用可能であるが、しばしば過酷な反応条件の使用が要求される。上記のt-Boc/benzyl保護スキームでは大抵の場合、最後の側鎖保護解除と、固体担体からのPNA分子の開放とが無水フッ化水素酸(HF)(Sakakibara達、Bull. Chem. Soc. Jpn.,1965, 38, 4921)、ボロントリス(トリフルオロ酢酸)(Pless達、Herv. Chim. Acta, 1973,46,1609)およびトリフルオロメタンスルホン酸やメタンスルホン酸等のスルホン酸(Yajima達、J. Chem.,Soc., Chem. Comm., 1974, 107)を用いて行れる。この従来の強酸(例えば無水HF)による保護解除法は非常に反応性の高いカルボカチオンを発生させ、このカルボカチオンがPNA鎖中の感受性残基のアルキル化またはアシル化を引き起こす可能性がある。このような副反応はアニソール、フェノール、ジメチルスルフィドおよびメルカプトエタノール等の捕捉剤を用いて部分的に防止できるに過ぎない。従って、スルフィドに補助された酸分解によるSN2の保護解除方法(Tam達、J. Am. Chem. Soc., 1983, 105, 6442と、J. Am. Chem. Soc.,1986, 108, 5242)すなわち有害なカルボカチオンの前駆体を除去して不活性なスルホニウム塩を生成させるいわゆる『ロー』法が、ペプチドおよびPNA合成で単独または『ハイ』法と組み合わせてしばしば用いられる。それほど頻度は高くないが、特殊な場合に保護解除および/または最終的なPNA−固体担体結合の開裂に用いられる他の方法には、例えば塩基触媒を用いたアルコール分解(Barton達、J. Am. Chem. Soc., 1973, 95, 4501)、アンモニア分解、ヒドラジン分解(Bodanszky達、Chem.Ind., 1964, 1423)、水素分解(Jones, Tetrahedron Lett., 1977,2853およびSchlatter達、Tetrahedron Lett., 1977, 2861)および光分解(Rich and Gurwara, J. Am. Chem.Soc., 1975, 97, 1575)がある。
固相ペプチド合成の合成サイクルにおいてはほとんどの操作が同一である(固相PNA合成の場合もそうである)という認識に基づいて、多数のペプチド製造を容易にするための新規なマトリクスPEPSが最近開発されている(Berg達、J. Am. Chem.Soc., 1989, 111. 8024および国際特許公表第WO90/02749号)。このマトリクスはポリエチレン(PE)フィルムとペンダントした長鎖のポリスチレン(PS)グラフトとで構成される(分子量は106程度)。フィルムの負荷容量はビーズ状マトリクスと同程度であるが、PEPSは多重合成を同時に起こすのに適したフレキシビリティを有している。
多数のペプチドの同時合成用に提案されている別の2つの方法を多数の異なるPNA分子の製造に適合することもできる。その第1の方法(Geysen達、Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 1984, 81, 3998)では伸長中のペプチド鎖を固定し、合成を区画に分けて行うために、アクリル酸をグラフトしたポリエチレンロッドと96-マイクロタイタのウェルとを使用する。この方法は非常に効果的であるが、マイクログラムスケールでしか使用できない。第2の方法では従来から用いられているポリマービーズを入れた『ティーバッグ』を用いる(Houghten, Proc.Natl. Acad.Sci. USA, 1984, 82, 5131)。多重ペプチドまたはPNA合成に関するその他の提案には密度の異なる2種類の担体を同時に使用する方法(Tregear, Chemistry and Biology of Peptides, J. Meienhofer, ed., Ann Arbor Sci., Publ., Ann Arbor, 1972, pp. 175-178)、マニホルドを介して反応容器を連結する方法(Gordman, Anal. Biochem., 1984, 136, 397)、多重カラム固相合成法(例、Krchnak達、J. Peptide Protein Res., 1989, 33, 209、Holm & Meldal, Proceedings of the 20th European Peptide Symposium, G. Jung and E. Bayer, eds, Walter de Gruyter & Co., Berlin, 1989, pp208-210)やセルロースペーパーの使用(Eichler達、Collect. Crzch. Chem. Commun., 1989, 54, 1746)がある。
固相PNA合成では架橋スチレン/ジビニルベンゼン共重合体マトリクスと、PEPS担体が好ましいとされている。適当な固体担体の非限定的な例としては次のものを挙げることができ、これらはPNA合成にも適している:
(1)既知量のN-t-ブトキシカルボニル−β−アラニルN'-アクリロイルヘキサメチレンジアミンを含む、N,N'−ビスアクリロイルエチレンジアミンと架橋したジメチルアクリルアミド共重合体をベースにした粒子。通常はβアラニル基を介して数種類のスペーサー分子が付き、それにアミノ酸残基サブユニットが続く。さらに、樹脂ビーズを製造するための重合中にβアラニルを含有するモノマーをアクリロイルサルコシンモノマーで置換できる。重合後、ビーズをエチレンジアミンと反応させて、共有結合した官能基として第1級アミンを含む樹脂の粒子を製造する。ポリアクリルアミドベースの担体は、ポリスチレンベースの担体に比べて相対的に親水性が高く、通常、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセタミド、N-メチルピロリドン等の極性非プロトン性溶媒と一緒に使用される(Atberton達、J. Am. Chem. Soc.,1975, 97, 6584, Bioorg. Chem. 1979, 8, 351と、J.C.S.Perkin I 538(1981)参照)。
(2)シリカ含有粒子、例えば多孔性ガラスビーズおよびシリカゲル等をベースとする第2の固体担体群。その1つの例としてはウォーターズアソシエイツ社(Waters Associates Fremingham, MA, USA)からポラシルE(PORASILE、登録商標)として市販のトリクロロ-[3-(4-クロロメチル)フェニル]プロピルシランと多孔性ガラスビーズとの反応生成物を挙げることができる(Parr & Grohmann, Angew, Chem.Internal. Ed. 1972, 11, 314参照)。同様に1,4-ジヒドロキシメチルベンゼンとシリカのモノエステル(ウォーターズアソシエイツよりバイオパック(BIOPAK、登録商標)で市販)が有効であると報告されている(Bayer & Jung, Tetrahedron Lett., 1970, 4503参照)。
(3)3番目の有効な一般的固体担体は基本的に2成分すなわち樹脂と、使用する有機合成反応条件でほぼ不活性な他の1つの材料とからなる複合材とよぶことができる。この担体として好ましいものは米国特許第5,235,028号に記載されている(この特許は参考として本明細書の一部を成す)。その一例である複合材(Scott達、J. Chrom. Sci., 1971, 9, 577参照)は反応性のクロロメチル基を含む疎水性の架橋スチレンポリマーで被覆されたガラス粒子を用いたものでノースゲートラボラトリーズ(Northgate Laboratories,Inc., Hamden, CT, USA)から供給されている。例として挙げられるもう1つの複合材はフッ素化エチレンポリマーのコアを有し、その上にポリスチレンがグラフトしたものである(Kent and Merrifield, Israel J. Chem. 1978, 17,243およびvan Rietschoten, Peptides 1974, Y. Wolman.Ed., Wiley and Sons. New York, 1975, pp. 113-116参照)
(4)PEPS以外の連続固体担体。例えば綿シート(Lebl and Eichler, Peptide Res. 1989, 2, 232)やヒドロキシプロピルアクリレートで被覆したポリプロピレン膜(Daniels達、Tetrahedron Lett., 1989, 4345)。
現在、PNA合成では固相法が好ましいとされているが、その他の方法およびその組み合わせ、例えば、固相法との組み合わせも適当である:
(1)PNA化合物の大量生産を考えた場合には、逐次延長法またはセグメント/フラグメント縮合法のいずれかによる従来の溶液相のペプチド合成法が特に適している(例えば、Bodanszky, Principles of Peptide Synthesis, Springer Verlag, Berlin-New York 1984)。
(2)直鎖ポリスチレン(Shemyakin達、Tetrahedron Lett., 1966, 2323)やポリエチレングリコール(PEG)(Mutter and Bayer, Angew. Chem. Int. Ed. Engl.,1974, 13,88)等の可溶性ポリマー担体を用いるいわゆる『液相』法は有用である。
(3)多種多様な分子量の”多分散”ペプチドまたはPNA分子の混合物が得られるランダム重合(Odian, Principles of Polymerization, McGraw-Hill, New York(1970)参考)は抗ウィルス効果のスクリーニング等の目的に特に適している。
(4)ポリマー担持アミノ酸活性エステルを用いる方法(『逆Merrifield合成』または『ポリマー試薬合成』ともよばれる)(Fridkin達、J. Am. Chem. Soc., 1965, 87, 4646)では、中間生成物の単離・精製という利点が得られ、従って中間のサイズを有し且つ必要に応じて保護されたPNA分子を合成する上で特に適当な方法を提供する。このPNA分子はより大きなPNA分子を得るためのフラグメント縮合で使用できる。
(5)PNA分子はプロテアーゼまたはその誘導体のような酵素によって新規特異性(例えば蛋白工学等の人工的な手段によって得られたもの)と組み合わせることができ、さらに多数のPNA断片を非常に大きなPNA分子へ縮合するための『PNAリガーゼ』の開発も考えられる。
(6)抗体は実質的に任意の対象分子にジェルネート(gernate)できるので、レルナー(Tramantano)達のグループ(Science,1986, 234, 1566)およびシュルツ(Pollack)達のグループ(Science, 1986, 234, 1570)によって同時に見出された最近開発された触媒抗体(アブザイム)もPNA分子構築のための有力な候補と見なされるべきである。アシルトランスファー反応を触媒するアブザイムの製造においては多大な成功を収めている(Shokat達、Nature, 1989, 338,269およびその中の参考文献参照)。
最後に、スチュワートのグループによって開発されたばかりの完全に人工的な酵素(Haln達、Science, 1990 248, 1544)をPNA合成に合うように開発することもできる。天然に存在するペプチド構成アミノ酸(蛋白質を生成するアミノ酸)が20種類であるのに対してPNA分子は大抵の場合4種類の異なるアミノ酸(4種類の天然の核酸塩基それぞれに対して1つずつ)のみで構成されるので、一般に適用可能な特異的カップリング反応を仲介できる酵素、リガーゼおよび触媒抗体は『通常の』ペプチド合成よりもPNA合成でより容易に達成されるはずである。結論として、特定のPNA分子合成については単一の方法が完全に好適ということはなく、従って、時には複数の方法を組み合わせることによって最良の結果が得られる。
発明の要約
本発明の目的は、緩やかな条件下で除去可能な保護基を有する新規PNAシントンの便利且つ高収率な合成経路を提供することにある。
本発明の別の目的は、PNAまたは核酸オリゴマー合成の効率を向上させるためのオルソゴナルに保護されたPNAシントンを提供することにある。
本発明のさらに別の目的は、市販の製品および機器、例えば自動合成装置等に適合したPNAシントンを提供することにある。
本発明は、緩やかな条件下で除去可能な保護基を有する新規PNAシントンを便利且つ高収率で得る方法に関するものである。一般に、PNAシントンは、カーバメート保護された核酸塩基側鎖部分をアミノ保護されたアミノ酸主鎖N-(2-アミノエチル)-グリシンとカップリングさせて合成される。PNAシントンが緩やかな条件下で除去可能な保護基を有するために、市販の機器および製品と一緒に用いる上で非常に有利である。
本発明の上記以外の特徴および利点は、以下の説明および図面と、請求項から明らかとなり、本発明を実施することによって理解されよう。
本発明方法では、例えばシトシン、アデニン、グアニン、ウラシル、偽イソシトシン、5-メチルシトシン、2.6-ジアミノプリンおよびイノシンなどの環外アミノ基を含む部分的に保護された核酸塩基化合物を求電子性を有するカルボニル同等物と反応させる。この反応によってイソシアネートであると患われるN-置換された中間化合物が得られる。このN-置換中間化合物は単離せず、さらにアルコールと反応させて、カーバメート保護された環外アミノ基を有する完全に保護された核酸塩基化合物を合成する。N-置換中間化合物は各種のアルコールと反応させることが可能であるので、環外アミノ基をカーバメートとして保護するための非常に用途の広い方法が提供される。最後に、完全に保護された核酸塩基化合物を金属アルコキシドまたは金属ヒドロキシドと反応させて出発物質中すなわち部分的に保護された核酸塩基化合物中に存在する側鎖の酢酸エステルを加水分解する。加水分解の結果、次のアミノ酸主鎖とのカップリングに使用可能なフリーのカルボン酸基を有するカーバメート保護された核酸塩基側鎖部分が得られる。
PNAシントンは、カーバメート保護された核酸塩基側鎖部分を、アミノ保護された主鎖に(フリーのカルボン酸または保護されたエステルとして)カップリングさせることによって合成される。アミノ保護された主鎖はアミノ保護されたN-(2-アミノエチル)-グリシンの主鎖であるのが好ましい。従って、この方法によって核酸塩基の環外アミノ基と主鎖のアミノ基にオルソゴナルな保護、例えば核酸塩基の環外アミノ基には酸に対して不安定なカーバメート保護を有し、主鎖のアミノ基には塩基に対して不安定な保護を施された新規PNAシントンが得られる。
その後、主鎖上にフリーのカルボン酸基を有するPNAシントンを用いてヌクレオチドおよびペプチドモノマーとの組み合わせなどでPNA、核酸オリゴマーおよび核酸ポリマー、を作製する。核酸オリゴマーの例としては(限定的にではなく)、PNA、DNAおよびRNA配列並びにそれらの各種組み合わせがある。PNAシントンの化学作用が市販の合成装置に合うので、シントンは種々の長さおよび配列を有するポリマー鎖へ容易に変換することができる。
本発明の1つの観点は、環外2-アミノ基に選択的なカーバメート保護を有する新規グアニンPNAシントンを高収率で合成するめの便利な方法を提供することにある。一般に、グアニンPNAシントンは、選択的にカーバメート保護されたグアニン側鎖部分を、適切に保護されたアミノ酸の主鎖エステル、N-(2-アミノエチル)-グリシンとカップリングさせ、続いて主鎖のエステル基を加水分解することによって合成される。核酸塩基の環外2-アミノ基のみがベンジル保護されているために、本発明による好ましいグアニンモノマーが選択的に保護され、従ってPNA合成において現在採用されているt-Boc/benzyl保護法と完全に合致する。
本発明の方法では、部分的に保護された2-アミノ-6-ハロプリン化合物(例えば図1および2の化合物I:N9窒素原子の位置で酢酸エステル部分によってアルキル化されたもの)を、非求核性塩基の存在下で、ホスゲンまたはホスゲン同等物(例えばトリホスゲンまたはジホスゲン)と反応させる。このステップによってプリン中の比較的非求核性の環外アミノ基が反応性で求電子性の2-イソシアネート基へと変換される。中間生成物である2-イソシアナト-6-ハロプリンは単離せず、アルコールと反応させて、カーバメート保護された環外2-アミノ基を有する完全に保護された2-アミノ-6-クロロプリン(例えば図1の化合物IIおよび図2の化合物VI)を合成する。このように、本出願人は、適切に保護されたアミノ酸の主鎖エステルN-(2-アミノエチル)-グリシンとカップリングさせるのに好適な選択的にカーバメート保護されたグアニン側鎖部分へと直接変換することが可能な選択的に保護された化合物の高収率且つ便利な合成方法を明らかにするものである。
一般に、完全に保護された2-アミノ-6-ハロプリンは、6-ハロ基をC6カルボニル基に変換すると同時にN9酢酸エステル基を加水分解することによってカーバメート保護されたグアニン側鎖部分へと変換される。3-ヒドロキシプロピオニトリルのアルコキシドを用いた処理による単一の反応で両方の変換が達成されるのが好ましい。つまり、完全に保護された2-アミノ-6-ハロプリンを少なくとも3当量の3-ヒドロキシプロピオニトリルのアルコキシドで処理する。6-ハロ基をC6カルボニル基に変換するために2当量のアルコキシドが消費され、N9酢酸エステル基を加水分解して選択的にカーバメート保護された所望のグアニン側鎖部分を得るために少なくとも1当量が消費される(例えば、図1の化合物IIIおよび図2の化合物VII)。
従って、グアニンPNAシントンの構成要素は、カーバメート保護されたグアニン側鎖部分を適切に保護された主鎖エステルにカップリングさせることによって組み立られる。適切に保護された主鎖エステルはN1-(tert-ブチロキシカルボニル)-N4-(2-アミノエチル)-グリシンエチルエステルであり、これがカーバメート保護されたグアニン側鎖に連結されて、グアニンPNAシントンエステル(例えば化合物IV)が生成する。次いで、合成されたグアニンPNAシントンエステルを、主鎖エステル基を加水分解することによってフリーのカルボン酸へと変換する。結果的にこの方法では、環外2-アミノ基に選択的カーバメート保護を有する一方、C6カルボニル基が保護されない状態のまま残された新規グアニンPNAシントンが得られる。図1ではグアニンPNAシントンは化合物Vである。
適切に保護された主鎖のエステルはN1-(9-フルオレニルメチロキシカルボニル)-N4-(2-アミノエチル)-グリシンエチルエステルまたはメチルエステルであるのが好ましく、これがカーバメート保護されたグアニン側鎖部分にカップリングする。主鎖エステル基の加水分解に続いて新規グアニンPNAシントンが得られる。図2では好ましい主鎖を用いて合成されたPNAシントンの例は化合物VIIIである。
別の方法として、PNAシントンは、フリーのカルボン酸の形状を有する適切に保護された主鎖を用いて合成することができる。適切に保護された主鎖として好ましいものはN1-(9-フルオレニルメチロキシカルボニル)-N4-(2-アミノエチル)-グリシンであり、これをカーバメート保護されたグアニン側鎖部分とカップリングさせる。この方法によって追加の加水分解ステップを必要とせずにグアニンPNAシントンを合成することができる。
本発明はさらに下記式で表される完全に保護された2-アミノ-6-ハロプリン化合物を対象とする:
ここで:
Xはハロゲン原子であり、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、およびヨウ素(I)で構成される群から選択される。
R1で表される基は、メチル、エチル、2,2,2-トリクロロエチル、2-(トリメチルシリル)-エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチル、アリル、1-イソプロピルアリル、シンナミル、4−ニトロシンナミルおよび下記式で表されるベンジル基で構成される群から選択される:
ここで、a〜eのそれぞれで表される原子または基は同一でも異なっていてもよく、独立に、F、Cl、Br、I、水素、メチル、エチル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチル、メトキシ、エトキシ、−NO2、−SO3H、−CN、−SCH3または−(O)SCH3から構成される群から選択され、gおよびhで表される原子または基は同一でも異なっていてもよく、独立に、水素およびメチル基で構成される群から選択される。
R2で表される基は、メチル、エチル、2,2,2-トリクロロエチル、2-(トリメチルシリル)-エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチル、アリル、1-イソプロピルアリル、シンナミル、4−ニトロシンナミル基、上記に定義のベンジル基および下記式で表されるジフェニル基で構成される群から選択される:
ここで、A1〜A10のそれぞれで表される原子または基は、独立に、F、Cl、Br、I、水素、メチル、エチル、メトキシおよびエトキシで構成される群から選択され、R4で表される原子または基は、水素、メチルおよびエチル基で構成される群から選択される。
もう1つの具体例では、R2は下記式で表されるチオエーテル基である:
ここで、R5で表される基は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチルおよび下記式で表されるフェニル基で構成される群から選択される:
ここで、i〜mのそれぞれで表される原子または基は同一であっても異なっていてもよく、互いに独立にF、Cl、Br、I、水素、メチル、エチル、イソプロピル、t-ブチル、フェニル、メトキシ、エトキシ、−NO2、−SO3H、−CN、−SCH3または−(O)SCH3で構成される群から選択される。
好ましい具体例では、XはCl、R1は、a〜eおよびg〜hが全て水素であるベンジル基で、R2は、R5がメチル基であるチオエーテル基である。別の態様としては、XがCl、R1がa〜eおよびg〜hが全て水素のベンジル基、さらにR2は、R5がi〜mがそれぞれ水素のフェニル基を表すチオエーテル基である。
本発明はさらに、下記式で表される完全に保護された2-アミノ-6-ハロプリンを対象とする:
最も好ましい本発明の具体例は、下記式で表される完全に保護された2-アミノ-6-ハロプリンである:
本発明はさらに、下記一般式で表される選択的にカーバメート保護されたグアニン側鎖部分を対象とする:
ここで、R2で表される基はメチル、エチル、2,2,2-トリクロロエチル、2-(トリメチルシリル)-エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチル、アリル、1-イソプロピルアリル、シンナミル、4−ニトロシンナミル基、上記定義のベンジル基および下記式で表されるジフェニル基で構成される群から選択される:
ここで、A1〜A10のそれぞれで表される原子または基は、独立に、F、Cl、Br、I、水素、メチル、エチル、メトキシおよびエトキシで構成される群から選択され、R4で表される原子または基は水素、メチルおよびエチル基で構成される群から選択される。
もう1つの具体例では、R2は下記式で表されるチオエーテル基である:
ここで、R5で表される基は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチルおよび下記式で表されるフェニル基で構成される群から選択される:
ここで、i〜mのそれぞれで表される原子または基は同一であっても異なっていてもよく、独立にF、Cl、Br、I、水素、メチル、エチル、イソプロピル、t-ブチル、フェニル、メトキシ、エトキシ、−NO2、−SO3H、−CN、−SCH3または−(O)SCH3で構成される群から選択される。
この化合物の好ましい具体例は、R2がチオエーテル基で、R5がメチル基の場合と、R2がチオエーテル基で、R5がi〜mがそれぞれ水素のフェニル基である場合に得られる。
本発明はさらに、下記式で表される選択的にカーバメート保護されたグアニン側鎖部分を対象とする:
本発明はさらに下記式で表される選択的にカーバメート保護されたグアニン側鎖部分を対象とする:
最も好ましい本発明の具体例は、下記式で表される選択的にカーバメート保護されたグアニン側鎖部分である:
本発明はさらに下記一般式で表されるグアニンPNAシントンエステルを対象とする:
ここで、Pgで表される基は、アルキルオキシカルボニル基、9-フルオレニルメチルオキシカルボニル基、1-メチル-1-(4-ビフェニル)-エチルオキシカルボニル基、1-メチル-1-フェニル-エチルオキシカルボニル基、トリフェニルメチル基、4-メトキシ-トリフェニルメチル、4,4'-ジトキシトリフェニルメチル、アリルオキシカルボニル基、メチルスルホニルエトキシカルボニル基およびフェニルスルホニルエトキシカルボニル基で構成される群から選択される保護基である。
R2で表される基は、メチル、エチル、2,2,2-トリクロロエチル、2-(トリメチルシリル)-エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチル、アリル、1-イソプロピルアリル、シンナミル、4−ニトロシンナミル基、上記に定義のベンジル基、上記に定義のジフェニル基、および上記に定義のチオエーテル基で構成される群から選択される。R3で表される基はメチルおよびエチル基で構成される群から選択されるアルキル基である。
本発明はさらに下記式で表されるグアニンPNAシントンエステルを対象とする:
本発明の好ましい具体例は下記式で表されるグアニンPNAシントンエステルである:
本発明はさらに下記式で表されるグアニンPNAシントンを対象とする:
ここで、Pgで表される基は、アルキルオキシカルボニル基、9-フルオレニルメチルオキシカルボニル基、1-メチル-1-(4-ビフェニル)-エチルオキシカルボニル基、1-メチル-1-フェニル-エチルオキシカルボニル基、トリフェニルメチル基、4-メトキシ-トリフェニルメチルおよび4,4'-ジトキシトリフェニルメチルで構成される群から選択される保護基である。
R2で表される基は、メチル、エチル、2,2,2-トリクロロエチル、2-(トリメチルシリル)-エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチル、アリル、1-イソプロピルアリル、シンナミル、4−ニトロシンナミル基、上記に定義のベンジル基、上記に定義のジフェニル基、および上記に定義のチオエーテル基で構成される群から選択される。
本発明はさらに下記式で表されるグアニンPNAシントンを対象とする:
本発明はさらに下記式で表されるグアニンPNAシントンを対象とする:
本発明の好ましい具体例は、下記式で表されるグアニンPNAシントンである:
本発明の別の観点は、下記式で表される完全に保護された核酸塩基化合物(例えば、図3の化合物Xおよび図4の化合物XIV)を提供することにある:
ここで、R1で表される基はメチル、エチル、2,2,2-トリクロロエチル、2-(トリメチルシリル)-エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチル、アリル、1-イソプロピルアリル、シンナミル、4−ニトロシンナミル基または下記式で表される置換基を有するあるいは有しないベンジル基である:
ここで、a〜eのそれぞれで表される原子または基は同一でも異なっていてもよく、独立に、F、Cl、Br、I、水素、メチル、エチル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチル、フェニル、メトキシ、エトキシ、−NO2、−SO3H、−CN、−SCH3および−(O)SCH3で構成される群から選択される。g〜hのそれぞれで表される原子または基は同一でも異なっていてもよく、独立に、水素およびメチル基で成される群から選択される。
R2で表される基はメチル、エチル、2,2,2-トリクロロエチル、2-(トリメチルシリル)-エチル、2-(フェニルチオ)-エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチル、アリル、1-イソプロピルアリル、シンナミル、4−ニトロシンナミル基、置換基を有するまたは有しない上記ベンジル基あるいは下記式で表されるジフェニル基である:
ここで、A1〜A10のそれぞれで表される原子または基は、独立に、F、Cl、Br、I、水素、メチル、エチル、メトキシおよびエトキシで構成される群から選択され、R4で表される原子または基は、水素、メチルまたはエチル基である。
R2で表される基は下記式で表されるチオエーテル基であってもよい:
R5で表される基は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチルまたは下記式で表されるフェニル基である:
ここで、i〜mのそれぞれで表される原子または基は同一であっても異なっていてもよく、独立にF、Cl、Br、I、水素、メチル、エチル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチル、フェニル、メトキシ、エトキシ、−NO2、−SO3H、−CN、−SCH3および−(O)SCH3で構成される群から選択される。
別の具体例では、R2は下記式で表されるエチル基にすることができる:
Wで表される基は電子吸引基であって、R6〜R8のそれぞれで表される原子または基は同一でも異なっていてもよく、独立に水素、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチルおよびt-ブチルで構成される群から選択される。好ましい電子吸引基には(限定的にではなく)シアノ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、フェニルおよび置換基を有するフェニル基、例えばp-ニトロフェニル基、o-ニトロフェニル基およびp-アルキルスルホニルフェニル基などがある。
好ましい化合物の具体例では、R1がメチル基で、R2がジフェニル基(A1〜A10がそれぞれ水素である)、R4が水素であり、あるいはR1がエチル基で、R2がジフェニル基(A1〜A10がそれぞれ水素である)、R4が水素である。それ以外の好ましい具体例はR2がエチル基で、Wがシアノ基で、R6が水素原子で、R7およびR8がそれぞれメチル基である場合に得られる。
本発明のさらに別の観点は、下記式で表されるカーバメート保護された核酸塩基に対して不安定な側鎖部分(例えば図3の化合物XIおよび図4の化合物XV)を提供することにある:
ここで、R2は上記定義のとおり。
好ましい化合物の具体例は、R2がジフェニル基で、A1〜A10のそれぞれとR4が水素の場合と、R2がエチル基で、Wがシアノ基、R6が水素原子で,R7およびR8がそれぞれメチル基の場合に得られる。
本発明の別の観点は、下記式で表されるPNAシントン(例えば図3の化合物XIIおよび図4の化合物XVI)を提供することにある:
ここで、Pgで表される基は、アルキルオキシカルボニル基、9-フルオレニルメチルオキシカルボニル基、1-メチル-1-(4-ビフェニル)-エチルオキシカルボニル基、1-メチル-1-フェニル-エチルオキシカルボニル基、トリフェニルメチル基、4-メトキシ-トリフェニルメチル、4,4'-ジメトキシトリフェニルメチル、アリルオキシカルボニル、メチルスルホニルエトキシカルボニルおよびフェニルスルホニルエトキシカルボニル基で構成される群の中から選択される保護基であり、
R2で表される基は上記の意味を有し、
R3で表される原子または基は水素もしくはメチルまたはエチル基等のアルキル基である。
好ましい化合物の具体例は、R2がジフェニル基で、A1〜A10およびR4がそれぞれ水素であり、R3が水素の場合と、Pgが9-フルオレニルメチルオキシカルボニル基、R2がジフェニル基で、A1〜A10およびR4がそれぞれ水素で、R3がエチル基の場合に得られる。これら好ましい具体例はオルソゴナルに保護されたPNAシントンの例である。
上記の説明および以下の詳細な説明は単なる例示であって、請求項に記載の本発明を説明するためのものであるということは理解できよう。本発明は以下の図面からさらに明確に理解されよう。これらの図面は本明細書に含まれて、本発明の一部を成るものである。
【図面の簡単な説明】
図1は本発明のグアニンPNAシントンの合成スキーム。
図2は本発明の好ましいグアニンPNAシントンの合成スキーム。
図3は本発明の好ましいアデニンPNAシントンの合成スキーム。
図4は本発明の好ましいシトシンPNAシントンの合成スキーム。
図5は本発明で有用な天然または非天然の核酸塩基の構造を示したチャート。
図6はPNAオリゴマー配列Fmoc-CAGGAGTCGCAT-gly-NH2のHPLCトレース。
発明の詳細な説明
本出願人は、新規PNAシントンの合成に好適な、複素環の環外アミノ基をカーバメート保護した新規なN-置換核酸塩基中間体を高収率で調製する便利な方法を開発した。
一般に、PNAシントンはカーバメート保護された核酸塩基側鎖部分をアミノ基保護されたアミノ酸主鎖N-(2-アミノエチル)-グリシンにカップリングさせることによって合成される。本発明のPNAシントンは、緩やかな条件下で除去することの可能なカーバメート保護基を含む核酸塩基側鎖部分を用いて調製される。天然または非天然の核酸塩基をPNAシントンに組み込むことができる。本発明のPNAシントンは、カーバメート保護された核酸塩基とアミノ保護された主鎖のオルソゴナルな保護を有することができる。なお、C6カルボニル基が保護されていない状態で、環外2-アミノ基に選択的にカーバメート保護を有するグアニンPNAシントンは報告されていない。
グアニンPNAシントン合成
本発明の1つの具体例はグアニンPNAシントンの合成方法にある(図1および2参照)。
ステップ1
図1を参照すると、本発明は、環外2-アミノ基に選択的なカーバメート保護を有するグアニンPNAシントンの調製方法を含む。カーバメート保護されたグアニン側鎖部分を調製するための出発物質は2-アミノ-6-ハロプリンである。好ましい2-アミノ-6-ハロプリンは2-アミノ-6-クロロプリンである。まず最初に、2-アミノ-6-ハロプリンをプリン環のN9窒素の位置で保護部分を用いてアルキル化し、部分的に保護された2-アミノ-6-ハロプリンを合成する。
『部分的に保護された』とは、複素環のN原子を側鎖基で保護し、それによってアミノ保護された主鎖とカーバメート保護された核酸塩基との間の連結が形成される一方、環外アミノ基は保護しない状態にすることと定義される。好ましい側鎖基は酢酸エステル部分である。
『完全に保護された』とは、求電子性のカルボニル均等物と反応する全ての求核原子または官能基を保護することと定義される。例えば完全に保護されたグアニン化合物は、ホスゲンまたは任意のホスゲン均等物に対して不活性になる。
本発明の1つの具体例では、部分的に保護されたの2-アミノ-6-ハロプリン化合物は下記式で表される:
ここで、Xで表される原子はF、Cl、BrおよびIで構成される群から選択されるハロゲン原子であり、
R1で表されるアルキル基はメチル、エチル、2,2,2-トリクロロエチル、2-(トリメチルシリル)-エチル、2-(フェニルチオ)-エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチル、アリル、1-イソプロピルアリル、シンナミル、4−ニトロシンナミル基、および下記一般式で表されるベンジル基で構成される群から選択される:
ここで、a〜eのそれぞれで表される原子または基は同一でも異なっていてもよく、独立に、F、Cl、Br、I、水素、メチル、エチル、イソプロピル、t-ブチル、フェニル、メトキシ、エトキシ、−NO2、−SO3H、−CN、−SCH3および−(O)SCH3で構成される群から選択され、g〜hで表される原子または基は同一でも異なっていてもよく、独立に、水素およびメチル基で構成される群から選択される。図1で表される最も好ましい部分的に保護された2-アミノ-6-ハロプリンは下記式で表される:
ステップ2
化合物IIおよびVIは完全に保護された2-アミノ-6-ハロプリンの例である。図1を参照すると、化合物Iはトリホスゲン、ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)およびベンジルアルコールで順次処理される。その結果、完全に保護された2-アミノ-6-ハロプリンが得られる(化合物II)。本発明の好ましい具体例では、化合物Iをトリホスゲン、ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)およびベンズヒドロールを用いて順次処理する(図2)。その結果、化合物VIで表される完全に保護された2-アミノ-ハロプリンが得られる。部分的に保護された2-アミノ-6-ハロプリンを完全に保護された2-アミノ-6-ハロプリンへと変換することによって非求核性の環外2-アミノ基におけるカーバメート保護が実現する。つまり、本発明の方法では、部分的に保護された2-アミノ-6-ハロプリン化合物を、少なくとも2モル当量の非求核性塩基の存在下で少なくとも1モル当量のホスゲン反応させ、それによって2-イソシアナト-6-ハロプリン化合物を合成する。非求核性塩基の例としてはトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N-メチルモルホリンおよびN-エチルモルホリンがある。非求核性塩基はジイソプロピルエチルアミンであるのが好ましい。通常、反応は非求核性塩基と部分的に保護された2-アミノ-6-ハロプリン化合物とを少なくとも部分的に溶解した非求核性無水溶媒を用いて行う。適当な溶媒の例としてはジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、酢酸エチル、ジクロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ベンゼンおよびトルエンを挙げることができる。好ましい溶媒はテトラヒドロフランである。
ホスゲンは、化学式COCl2で表される非常に毒性の強いガスである。ホスゲンガスの取扱いおよび正確な分配に関する本質的な危険のために、数種類のホスゲン均等物が入手可能である。これらの均等物には液体ジホスゲンおよび固体トリホスゲンが含まれる。これら均等物はその場で分解して2または3当量のホスゲンを発生するが、気体の均等物に比べて取扱いおよび分配が容易である。従って、これらの試薬は全て本発明の方法に好適なホスゲン均等物の非限定的な例である。
中間体である2-イソシアナト-6-ハロプリン化合物は単離しないのが好ましい。すなわち、この化合物は単離に必要な取扱い操作の段階で容易に加水分解されて、元の部分的に保護された2-アミノ-6-ハロプリンに戻ってしまう。従って、続いて中間体2-イソシアナト-6-ハロプリン化合物の2-イソシアネート基をアルコールと反応させて、カーバメートとして保護された環外2-アミノ基を有する完全に保護された新規2-アミノ-6-ハロプリン化合物を生成させる。
アルコールがイソシアネートと反応してカーバメートを形成することは公知であるが、出願人の知る限り、この化学作用がカーバメート保護されたアミノプリンの合成に利用されたことはない。これはおそらく、ホスゲン(またはホスゲン均等物)が非常に反応性の高い求電子体であるためである。さらに、プリン環のN7窒素原子はかなり求核性である。従って、環外2-アミノ基と同様N7窒素原子においても、かなりのホスゲンの反応が起こるものと予想される。事実、出願人は6-アミノ-N9-エチルカルボキシメチル-プリン(N9-エチルカルボキシメチルアデニン)がカーバメート保護されたアデニン誘導体に変換されないことを確認した。これはホスゲンがN7窒素原子と優先的に反応するためと推定される。しかし、N7窒素の求核性はプリン環の置換基によって変化する。本出願人は、驚くべきことに、2-アミノ-6-クロロ-N9-アルキル化プリン化合物はホスゲンとあまり反応せず、従って環外2-アミノ基に選択的なカーバメート保護を有する完全に保護された新規2-アミノ-6-ハロプリン化合物の調製が可能になるということを見出した。完全に保護された2-アミノ-6-ハロプリン化合物は、グアニンPNAモノマー合成に適したカーバメート保護されたグアニン側鎖部分を調製する上で好ましい。
環外2-イソシアナト基と反応する適当なアルコールには(限定的にではなく)メタノール、エタノール、2,2,2-トリクロロエタノール、2-(トリメチルシリル)-エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノールおよびt-ブタノールがある。さらに、アルコールはアリルアルコール誘導体にすることができる。アリルアルコール誘導体はアリルアルコール、1-イソプロピルアリルアルコール、シンナミルアルコールおよび4−ニトロシンナミルアルコールで構成される群から選択することができる。アルコールはさらに、下記式で表される置換基を有するまたは有しないベンジルアルコールにすることができる:
ここで、a〜eのそれぞれで表される原子または基は同一でも異なっていてもよく、独立に、F、Cl、Br、I、水素、メチル、エチル、イソプロピル、t-ブチル、フェニル、メトキシ、エトキシ、−NO2、−SO3H、−CN、−SCH3および−(O)SCH3で構成される群から選択され、g〜hで表される原子または基はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、独立に、水素およびメチル基で構成される群から選択される。
好ましいアルコールは、下記式で表されるジフェニル基である:
ここで、A1〜A10のそれぞれで表される原子または基は、独立に、F、Cl、Br、I、水素、メチル、エチル、メトキシおよびエトキシで構成される群から選択され、R4で表される原子または基は、水素、メチルおよびエチル基で構成される群から選択される。
アルコールはさらに下記式で表されるチオエーテル基にすることができる:
ここで、R5で表される基は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチルおよび下記式で表されるフェニル基で構成される群から選択される:
ここで、i〜mのそれぞれで表される原子または基は同一であっても異なっていてもよく、独立にF、Cl、Br、I、水素、メチル、エチル、イソプロピル、t-ブチル、フェニル、メトキシ、エトキシ、−NO2、−SO3、−CN、−SCH3および−(O)SCH3で構成される群の中から選択される。
さらに、アルコールは下記式で表されるエチル基にすることができる:
ここで、Wで表される基は電子吸引基であって、R6〜R8のそれぞれで表される基は同一でも異なっていてもよく、独立に、水素、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチルおよびt-ブチルで構成される群から選択される。
完全に保護された2-アミノ-6-ハロプリンは下記一般式で表される化合物である:
ここで、R1およびR2は上記に定義のとおりである。図1を参照して、完全に保護された2-アミノ-6-ハロプリンは下記式で表される:
図2を参照して、完全に保護された好ましい2-アミノ-6-ハロプリンは下記式で表される:
本発明の合成ステップが汎用できることを示すために、所望のアルコールを単純に置き換えることによって調製した完全に保護された2-アミノ-6-クロロプリン化合物の例を数種類挙げる。表Iは、R2基のみを変えて調製した数種類の2-アミノ-6-クロロプリンに関する回収結果をまとめたものである。表に示されるように、アルコールの組成に関係なく収量は一貫して中程度である。
ステップ3
適切に保護された2-アミノ-6-ハロプリン化合物は、酸素求核性試薬を用いた6-ハロ基の攻撃を含む複数の方法で保護されたグアニン化合物へ変換させることが知られている(Hodge,達Org. Chem.(1990)56:1553-64参照)。しかし、本発明では6-ハロ基をC6カルボニル基に変換すると同時にN9酢酸エステル基を加水分解する方法を示す。すなわち、カーバメート保護されたグアニン側鎖部分は、完全に保護された2-アミノ-6-ハロプリン化合物から6-ハロ基をC6カルボニル基へ変換し、同時にN9酢酸エステル基を加水分解する方法で調製される。
驚くべきことに、3-ヒドロキシプロピオニトリルのアルコキシドは、6-ハロ基のC6カルボニル基への変換およびN9酢酸エステル基の加水分解の両方を行うことができる。従って、カーバメート保護されたグアニン側鎖部分は、完全に保護された2-アミノ-6-ハロプリンから単一の反応によって直接かつ簡単に生成される。図1に示した具体例を参照すると、1,2-(N-[ベンジルオキシカルボニル])-アミノ-6-クロロ-N9(ベンジルカルボキシメチル)-プリン(化合物II)は2-(N-ベンジルオキシカルボニル])-N9-(カルボキシメチル)-グアニン(化合物III)へ直接変換される。この方法では少なくとも3当量の3-ヒドロキシプロピオニトリルのアルコキシドを化合物IIと反応させる。6-アミノ基をC6カルボニル基に変換するのに2当量が使用され、同時に少なくとも1当量がN9酢酸基を加水分解するために使用される。従って、好ましいカーバメート保護されたグアニン側鎖部分、化合物IIIは高い収率で調製される。
図2に示す好ましい具体例では、同じ合成プロセスを用いて2-(N-[ベンズヒドロールオキシカルボニル])-アミノ-6-クロロ-N9(ベンジルカルボキシメチル)-プリン(化合物VI)が2-(N-[ベンズヒドロールオキシカルボニル])-N9-(カルボキシメチル)-グアニン(化合物VII)へと変換される。
本発明方法では非求核性無水溶媒中で3-ヒドロキシプロピロニトリルを金属水素化物で処理することによって完全に保護された2-アミノ-6-ハロプリン1当量あたり少なくとも3当量の3-ヒドロキシプロピオニトリルのアルコキシドが調製される。使用可能な金属水素化物は(限定的にでなく)、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウムおよび水素化セシウムなどである。適当な非求核性溶媒は上記に記載した。金属水素化物は水素化ナトリウムで、溶媒はテトラヒドロフランにするのが好ましい。
完全に保護された2-アミノ-6-ハロプリン化合物を、アルコキシドの調製溶液に添加する。この反応段階のメカニズムは本発明の理解に必要なものではないが、次のように理解されている。まず最初に、1当量のアルコキシドが6-ハロ原子を置換して6-シアノエトキシエーテルを生じる。その後、さらに1当量のアルコキシドによって2-シアノエーテルエーテル基からプロトンが引き出されてβ脱離反応が起こり、それによってC6カルボニル基と1当量のアクリロニトリルと1当量の3-ヒドロキシプロピオニトリルとが生成する。このように、6−ハロ基をC6カルボニル基に変換するために3-ヒドロキシプロピオニトリルのアルコキシド2当量が消費される。
同時に行われる完全に保護された2-アミノ-6-ハロプリンのN9酢酸エステル基の加水分解にも、3-ヒドロキシプロピオニトリルのアルコキシドとの反応が関与する。このプロセスでは、3-ヒドロキシプロピオニトリルのアルコキシド1当量がN9酢酸エステル基と反応してオリジナルのアルコールを置換させ、それによって2-シアノエチルエステルと置換されたアルコールの金属アルコキシドが生成する。その後さらに1当量のアルコキシドを添加することによって2-シアノエチルエステル基からプロトンが引き出されてβ脱離反応が起こり、それによって主鎖カルボン酸基の金属塩と1当量のアクリロニトリルと1当量のアルコールが生成する。シアノエチルエステルからプロトンを引き出すために用いられるアルコキシドは、置換されたアルコールのアルコキシドか、3-ヒドロキシプロピオニトリルのアルコキシドが過剰量使用される場合には3-ヒドロキシプロピオニトリルのアルコキシド分子にすることができる。N9酢酸エステル基を加水分解するのに必要な3-ヒドロキシプロピオニトリルのアルコキシドは1当量である。過剰量の3-ヒドロキシプロピオニトリルを使用するのが好ましい。
従って、完全に保護された2-アミノ-6-ハロプリンを3当量のアルコキシドと反応させて得られる生成物は、選択的にカーバメート保護されたグアニン側鎖部分の金属塩;2当量のアクリロニトリル;1当量の3-ヒドロキシプロピオニトリル;および1当量のアルコール(3-ヒドロキシプロピオニトリルであってもそうでなくてもよい)である。その後、選択的にカーバメート保護されたグアニン側鎖部分の金属塩を、少なくとも2当量の酸と反応させて中和する。中和反応には、プリン複素環のN1窒素のプロトン付加と主鎖カルボン酸基の金属塩のプロトン付加の両方が含まれる。酸は有機酸でも無機酸であってもよく、pKa値が約2以下である。それによってプリン複素環のN1窒素のプロトン付加と主鎖カルボン酸基のプロトン付加の両方が可能になる。
本発明の1つの具体例では、カーバメート保護されたグアニン側鎖部分は下記式で表される:
ここで、R2は上記に定義のとおりである。
図1を参照すると、カーバメート保護されたグアニン側鎖部分は下記式で表される:
別の選択的にカーバメート保護されたグアニン側鎖部分は下記式で表される:
別の選択的にカーバメート保護されたグアニン側鎖部分は下記式で表される:
別の選択的にカーバメート保護されたグアニン側鎖部分は下記式で表される:
選択的にカーバメート保護された好ましいグアニン側鎖部分は下記式で表される:
この合成ステップに汎用性があることを示すために、選択的にカーバメート保護されたグアニン側鎖部分を複数調製した。表Iは、アルキル基R2のみを変えて調製した数種類の選択的にカーバメート保護されたグアニン側鎖部分に関する回収結果をまとめたものである。表に示されるように、収率は非常に高く、アルキル基R2の組成によってそれほど変化しない。
図1または2を参照すると、グアニンPNAシントンの調製における最終段階では、カーバメート保護されたグアニン側鎖部分(化合物IIIまたはVII)を適切に保護されたアミノ酸の主鎖エステルN-(2-アミノエチル)-グリシンと反応させ、その後に主鎖のエステル基を分解する。この段階では、まず第1にグアニンPNAシントンエステル(例えば化合物IV)が生成し、第2にグアニンPNAシントン(例えば化合物V)が生成する。あるいは図2に示すように、グアニンPNAシントンは、カーバメート保護されたグアニン側鎖部分(化合物VII)をフリーのカルボン酸基を有する適切に保護されたアミノ主鎖にカップリングさせることによって調製することができる。この方法で行われるカップリングによって追加の加水分解段階を必要とせずに直接グアニンPNAシントン(化合物8)が生成する。
ステップ4
選択的にカーバメート保護されたグアニン側鎖部分(例えば化合物IIIおよびVII)の適切に保護されたアミノ酸N-(2-アミノエチル)-グリシンの主鎖エステルへのカップリングは下記のステップを含む。すなわち、まず最初に立体障害を有する酸塩化物の存在下に非求核性塩基で処理することによってカーバメート保護されたグアニン側鎖部分のカルボン酸官能基の混合無水物を作る。次に、調製した混合無水物を適切に保護されたアミノ酸N-(2-アミノエチル)-グリシンの主鎖エステルと反応させてグアニンPNAシントンエステルを合成する。
選択的にカーバメート保護されたグアニン側鎖部分の混合無水物を作るために使用される非求核性塩基は上記に挙げた任意の非求核性塩基にすることができる。塩基はN-メチルモルホリンにするのが好ましい。立体障害を有する酸塩化物はイソブチリルクロライド、トリメチルアセチルクロライド(ピバロイルクロライド)およびアダマンタンカルボキシクロライドで構成される群の中から選択するのが好ましい。最も好ましい酸塩化物はトリメチルアセチルクロライド(ピバロイルクロライドである)。
適切に保護されたアミノ酸N-(2-アミノエチル)-グリシンの主鎖エステルは下記一般式で表される:
ここで、Pgで表される保護基は、アルキルオキシカルボニル基、9-フルオレニルメチルオキシカルボニル基、メチル-1-(4-ビフェニル)-エチルオキシカルボニル基、1-メチル-1-フェニル-エチルオキシカルボニル基、トリフェニルメチル基、4-メトキシ-トリフェニルメチルおよび4,4'-ジメトキシトリフェニルメチル基で構成される群の中から選択可能な保護基である。R3で表されるアルキル基はメチルおよびエチル基で構成される群の中から選択することができる。
図1を参照すると、保護基(Pg)はtert-ブチロキシカルボニル(t-Boc)であり、アルキル基(R3)はエチル基である。従って、PNAシントンエステルは下記式で表される:
ここで、R2は上記に定義のとおりである。
別の具体例では、グアニンPNAシントンエステルは下記式で表される:
あるいは、アミノ保護されたアミノ酸主鎖N-(2-アミノエチル)-グリシンは下記式で表すことができる:
ここで、Pgで表される基は上記に定義のとおりである。
好ましい主鎖保護基(Pg)は9-フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)である。従って、好ましいアミノ保護された主鎖は下記式で表される:
Fmoc保護基は塩基に対して不安定な保護基としてペプチド合成で周知のものである。本発明の方法では、グアニンの環外アミノ基が酸に対して不安定なカーバメートとして保護されるので、好ましいFmocによってアミノ保護された主鎖をグアニン側鎖部分にカップリングさせることによって、オルソゴナルに保護されたグアニンPNAシントンが得られる。
オルソゴナルは、個々の種類の保護基がそれ以外の種類の保護基に対して相互に排他的な条件で除去される保護システムとして定義される。個々の種類の保護基を除去するための方法としては、以下に限定されるものではないが、酸加水分解、塩基加水分解、光開裂および水素添加などがある。従って、アミノ酸主鎖保護基を適切に選択することにより、オルソゴナルに保護されたグアニンPNAシントンを合成することができる。
混合無水物の調製について上記に述べたものと類似の方法に従って、アミノ保護された主鎖を混合無水物の冷却溶液に添加する。必要な時間だけ反応を行ってカップリングさせて、グアニンPNAシントンを生成させる。グアニンPNAシントンは下記式で表される:
ここで、PgおよびR2で表される基は上記のものと同じである。保護基(Pg)は9-フルオレニルメチロキシカルボニル基で、R2基はジフェニル基(A1〜A10がそれぞれ水素原子でR4が水素原子)であるのが好ましい。好ましいグアニンPNAシントン(図2の化合物VIII)は下記式で表される:
ステップ5
必要ならば、グアニンPNAシントンエステルの主鎖エステル基を加水分解してグアニンPNAシントンを得る。主鎖エステル基の加水分解には以下のステップが含まれる。すなわち、まず第1にグアニンPNAシントンエステルの主鎖エステル基を塩基と反応させてカルボン酸塩を生成させ、次いでカルボン酸塩を酸を用いて中和する。塩基は水酸イオンがエステルのアルコールを置換可能にするような強度のものでなければならない。塩基は無機塩基、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム等が好ましい。主鎖エステル基の加水分解は約−5℃〜約50℃で起こるが、好ましくは室温で行う。加水分解の溶媒は、約10〜90体積%の割合で水を含む一種または複数の溶媒と水との混合物にする。好適な有機溶媒には(限定的にでなく)、メタノール、エタノール、イソプロパノールおよびアセトニトリルが含まれる。カルボン酸基の塩を中和するのに用いる酸は、有機または無機酸にすることができ、好ましくはpKaが約2以下であってカルボン酸基のプロトン付加を可能にする。
本発明の1つの具体例では、グアニンPNAシントンは下記式で表される化合物である:
ここで、PgおよびR2で表される基は上記に定義のとおりである。図1を参照すると、グアニンPNAシントンは下記式で表される化合物である:
好ましい具体例では、グアニンPNAシントンは下記式で表される:
アデニンおよびシトシンPNAシントンの合成
さらに別の具体例によれば、本発明はアデニンPNAシントン(図3参照)およびシトシンPNAシントン(図4参照)の合成方法にある。
ステップ1
カーバメート保護された核酸塩基側鎖部分を調製するための出発物質は、酢酸エステル置換基を有する部分的に保護された核酸塩基化合物である。部分的に保護されたアデニン化合物は下記式で表される:
部分的に保護されたシトシン化合物は下記式で表される:
ここで、R1で表される原子または基は、メチル、エチル、2,2,2-トリクロロエチル、2-(トリメチルシリル)-エチル、2-(フェニルチオ)-エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチル、アリル、1-イソプロピルアリル、シンナミル、4−ニトロシンナミル基および下記一般式で表される置換基を有するまたは有しないベンジル基である:
ここで、a〜eのそれぞれで表される原子または基は、同一でも異なっていてもよく、独立にF、Cl、Br、I、水素、メチル、エチル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチル、フェニル、メトキシ、エトキシ、−NO2、−SO3H、−CN、−SCH3および−(O)SCH3で構成される群から選択され、g〜hで表される原子または基は同一でも異なっていてもよく、独立に、水素およびメチル基で構成される群から選択される。
図3を参照して、部分的に保護された好ましいアデニン化合物は下記式で表される:
図4を参照すると、部分的に保護された好ましいシトシン化合物は下記式で表される:
一般に、部分的に保護された核酸塩基化合物は、求電子カルボニル均等物およびアルコールを用いた一連の反応を行った後に極性溶媒で急冷することによって完全に保護された核酸塩基化合物に変換される。すなわち、本発明方法では、部分的に保護された核酸塩基化合物を少なくとも1モル当量のカルボニルジイミジゾールと反応させてN-置換された中間化合物を生成させる。N-置換された中間化合物の生成を促進するために加熱が必要になる場合もある。この中間化合物は環外アミノ基の位置に形成されたイソシアネート誘導体である。反応の進行を追跡するために薄層クロマトグラフィー(tlc)を使用することができる。反応は通常、部分的に保護された核酸塩基化合物を少なくとも部分的に溶解した非求核性の無水溶媒中で行われる。好適な溶媒の例としては(限定的にでなく)、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、酢酸エチル、ジクロロメタン、クロロホフム、四塩化炭素、ベンゼンおよびトルエンなどが挙げられる。好ましい溶媒はジメチルホルムアミドである。
ホスゲンは求電子性のカルボニル均等物であるが、部分的に保護されたアデニン化合物を対応する完全に保護された核酸塩基化合物へと変換するには適当でないことが分かっている。アデニンの場合、ホスゲンは、グアニンに関する部分で既に述べたようにN7複素環窒素原子と反応するものと思われる。しかし、カボニルジイミダゾールは、部分的に保護されたアデニン化合物と部分的に保護されたシトシン化合物の環外アミノ基の位置でのみ選択的に反応するための適切な電子親和性を有することが分かっている。さらに、類似の電子親和性を有する他の求電子カルボニル均等物をこの変換に利用することができる。
N-置換された中間化合物は、容易に加水分解されて元の部分的に保護された核酸塩基化合物に戻ってしまうため、単離しない。従って、N-置換された中間化合物をその場でアルコールと反応させて完全に保護された核酸塩基化合物を生成させる。アルコールがイソシアネート化合物と反応してカーバメートを生じることは公知であるが、この化学作用がカーバメート保護された核酸塩基化合物の合成にこれまで利用されたことはない。このカーバメート生成法によって各種のアルコールを使用することが可能になり、用途の広い合成方法が提供されることは有利である。種々のアルコールを反応させることによって緩やかな条件で除去可能なカーバメート基の生成が可能になる。例えば好ましい具体例では、アルコールはベンズヒドロールであって、これはN-置換された中間体と反応して保護基ベンズヒドロキシカルボニル(Bhoc)を生成する。ベンズヒドロールは、酸に対してかなり不安定なカーバメート保護基を生成するという理由によって選択された(Seiber達、Helvetica Chemica Acta 1968. 51:641-622参照)。この保護基の不安定性はトリフルオロ酢酸中で迅速且つ効率的に除去されることによって示され、反応の半減期は1分以下である。従って、アルコールは緩やかな条件で開裂する所望のカーバメート保護基が得られるようにその化学特性および置換基を種々選択することができる。
N-置換された中間化合物と反応するのに適したアルコールには(限定的にでなく)、メタノール、エタノール、2,2,2-トリクロロエタノール、2-(トリメチルシリル)-エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノールおよびt-ブタノールなどが含まれる。アルコールはアリルアルコールまたはアリルアルコール誘導体、例えば1-イソプロピルアリルアルコール、シンナミルアルコールまたは4−ニトロシンナミルアルコールにすることもできる。さらに、アルコールは下記式で表される置換基を有するまたは有しないベンジルアルコールであってもよい:
ここで、a〜eのそれぞれで表される原子または基は同一でも異なっていてもよく、独立に、F、Cl、Br、I、水素、メチル、エチル、イソプロピル、t-ブチル、フェニル、メトキシ、エトキシ、−NO2、−SO3H、−CN、−SCH3および−(O)SCH3で構成される群から選択される。g〜hで表される原子または基は同一でも異なっていてもよく、独立に、水素およびメチル基で構成される群から選択される。
アルコールは下記式で表されるジフェニル基であるのが好ましい:
ここで、A1〜A10のそれぞれで表される原子または基は、独立に、F、Cl、Br、I、水素、メチル、エチル、メトキシおよびエトキシで構成される群から選択され、R4で表される原子または基は、水素、メチルおよびエチル基で構成される群から選択される。最も好ましいアルコールはA1〜A10が水素でR4が水素のジフェニル基である。
アルコールはさらに下記式で表されるチオエーテル基にすることができる:
ここで、R5で表される基は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチルおよび下記式で表されるフェニル基で構成される群から選択される:
ここで、i〜mのそれぞれで表される原子または基は同一であっても異なっていてもよく、独立にF、Cl、Br、I、水素、メチル、エチル、イソプロピル、t-ブチル、フェニル、メトキシ、エトキシ、−NO2、−SO3H、−CN、−SCH3および−(O)SCH3で構成される群から選択される。
さらに、アルコールは下記式で表されるエチル基にすることができる:
ここで、Wで表される基は電子吸引基であり、R6〜R8のそれぞれで表される基は同一でも異なっていてもよく、独立に水素、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチルおよびt-ブチルで構成される群から選択される。好ましい電子吸引基には、シアノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、フェニル基および置換基を有するフェニル基、例えばp-ニトロフェニル基、o-ニトロフェニル基およびp-アルキルスルホニルフェニル基などが含まれる。
部分的に保護された核酸塩基から完全に保護された核酸塩基化合物への変換に必要な時間が経過した後(その間熱を加えてもよい)、極性溶媒を用いて反応物を急冷する。極性溶媒の非限定的な例には水、メタノールおよびエタノールなどがある。完全に保護されたアデニン化合物の場合、好ましい急冷用溶媒は水である。完全に保護されたシトシン化合物の場合、急冷用溶媒としてはメタノールが好ましい。
従って、完全に保護されたアデニン化合物は下記式で表される:
完全に保護されたシトシン化合物は下記式で表される:
ここで、R1で表される基は上記に定義のものであり、R2で表される基はメチル、エチル、2,2,2-トリクロロエチル、2-(トリメチルシリル)-エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチル、アリル、1-イソプロピルアリル、シンナミル、4−ニトロシンナミル基、上記した置換基を有するベンジル、および下記一般式で表される置換基を有するまたは有しないジフェニル基である:
ここで、A1〜A10のそれぞれで表される原子または基は、独立に、F、Cl、Br、I、水素、メチル、エチル、メトキシおよびエトキシで構成される群から選択され、R4で表される原子または基は、水素、メチルおよびエチル基で構成される群から選択される。
R2で表される基はさらに下記式で表されるチオエーテル基にすることができる:
ここで、R5で表される基は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチルまたは下記式で表されるフェニル基である:
ここで、i〜mのそれぞれで表される原子または基は同一であっても異なっていてもよく、独立にF、Cl、Br、I、水素、メチル、エチル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチル、フェニル、メトキシ、エトキシ、−NO2、−SO3H、−CN、−SCH3および−(O)SCH3で構成される群から選択される。
もう1つの具体例では、R2は下記式で表されるエチル基にすることができる:
ここで、Wで表される基は電子吸引基であって、R6〜R8のそれぞれで表される基は同一でも異なっていてもよく、独立に、水素、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチルおよびt-ブチルで構成される群から選択される。
完全に保護された好ましいアデニン化合物は下記式で表される:
完全に保護された好ましいシトシン化合物は下記式で表される:
ステップ2
次に、完全に保護された核酸塩基化合物を、酢酸エステル基を加水分解することによってカーバメート保護された核酸塩基側鎖部分へと変換する。まず初めに完全に保護された核酸塩基化合物を適当な溶媒系に溶解する。完全に保護された核酸塩基化合物を完全に溶解させるために加熱を要する場合もある。溶媒系の非限定的な例としてはエタノール/アセトニトリル、メタノール/アセトニトリル、エタノール/アセトニトリル/水、メタノール/アセトニトリル/水、エタノール/メタノール/アセトニトリル、およびエタノール/メタノール/アセトニトリル/水を挙げることができる。溶媒系に初めから水が含まれていない場合、完全に保護されたアデニン化合物が完全に溶解した時点で水を添加する。カーバメート保護されたアデニン化合物を溶解させるための好ましい溶媒系はエタノール/アセトニトリルである。溶解後、水を添加する。カーバメート保護されたシトシン化合物の場合の溶解に適した溶媒系はエタノール/メタノール/アセトニトリル/水である。
完全に保護された核酸塩基化合物を含む溶液を氷浴中で、好ましくは約10℃以下の温度まで冷却する。冷却した溶液に金属水酸化物の水溶液を添加し、温度を上昇させる。通常、金属水酸化物は第1群遷移金属の水酸化物、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたは水酸化セシウムである。完全に保護されたアデニンおよびシトシン化合物の双方について好ましい金属水酸化物は水酸化リチウムである。加水分解は反応の規模に応じて比較的短時間で行われ、酸性水溶液を添加し、急冷する。例えば、約75mmolの酢酸メチルエステル基を有する完全に保護されたシトシン化合物の加水分解は約6分間で行われ、その後、反応液を急冷する。急冷段階で使用する酸は(限定的にではなく)、クエン酸、塩酸および硫酸水素カリウムなどである。好ましくは両方の核酸塩基例についてクエン酸を使用する。
加水分解溶液を酸性にした後、カーバメート保護された核酸塩基側鎖部分を回収する。カーバメート保護されたアデニン側鎖部分は下記式で表され:
カーバメート保護されたシトシン側鎖部分は下記式で表される:
ここで、R2で表される基は上記に定義の基である。
カーバメート保護された好ましいアデニン側鎖部分は下記式で表される:
カーバメート保護された好ましいシトシン側鎖部分は下記式で表される:
ここで、Wで表される基は電子吸引基であり、R6〜R8のそれぞれで表される基は同一でも異なっていてもよく、独立に水素、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチルおよびt-ブチルで構成される群から選択される。好ましい電子吸引基には(限定的にではなく)、シアノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、フェニル基および置換基を有するフェニル基、例えばp-ニトロフェニル基、o-ニトロフェニル基およびp-アルキルスルホニルフェニル基などが含まれる。さらに好ましいカーバメート保護されたアデニンまたはシトシン側鎖部分は、Wがシアノ基でR6が水素原子、R7とR8がそれぞれメチル基の場合に得られる。
好ましいカーバメート保護されたアデニン側鎖部分は下記式で表される:
好ましいカーバメート保護されたシトシン側鎖部分は下記式で表される:
ステップ3
カーバメート保護された核酸塩基側鎖部分をアミノ保護されたアミノ酸主鎖N-(2-アミノエチル)-グリシンとカップリングさせることによってPNAシントンを合成する。
『PNAシントン』はアミノ保護されたアミノ酸主鎖N-(2-アミノエチル)-グリシン(フリーカルボン酸またはエステル)に連結されたカーバメート保護された核酸塩基部分として定義される。グアニンについては酸とエステルとを区別するが、アデニンおよびシトシンPNAシントンについての酸/エステルの区別は説明を簡潔にするために省略する。
カップリングは多くの方法で行うことができる。カーバメート保護された核酸塩基側鎖部分のカルボン酸官能基を活性化された形、例えばエステル、酸塩化物または混合無水物等に変換することもある。この変換を促進するために用いられるカップリング試薬の非限定的な例としては、カルボジイミド試薬、例えばジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)およびジイソプロピルカルボジイミド(DIPCDI)、ホスホニウム塩、例えばベンゾトリアゾール-1-イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP)およびウラニウム塩、例えばHBTUおよびHATUなどがある。活性化に続いて、側鎖部分をアミノ保護された主鎖と反応させてPNAシントンを生成する。
一般に、混合無水物法は、より高価なカップリング剤を使用する方法に比べて経済的に有利であり、好ましい方法である。混合無水物の生成に用いられる立体障害を有する酸塩化物の例としてはイソブチルクロライド、トリメチルアセチルクロライド(ピバロイルクロライド)およびアダマンタンカルボキシクロライドなどがある。カーバメート保護された核酸塩基側鎖部分をアミノ保護された主鎖にカップリングさせるための最も好ましい混合無水物はトリメチルアセチルクロライド(ピバロイルクロライド)である。
一般に、カーバメート保護された核酸塩基側鎖部分の混合無水物は、カーバメート保護された核酸塩基側鎖部分を非求核性塩基で処理した後に酸塩化物と反応させることによって得られる。一連の反応の中のこの段階で有効な非求核性塩基には(限定的にではなく)、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N-メチルモルホリンおよびN-エチルモルホリンなどがある。好ましい非求核性塩基はN-メチルモルホリンである。特に酸塩化物は非求核性塩基の存在下で冷却されたカーバメート保護された核酸塩基側鎖部分の溶液に添加する。室温以下の温度、好ましくは約0℃で混合無水物の生成に必要な時間攪拌した後、冷却した溶液に、非求核性塩基の存在下でアミノ保護された主鎖の水溶液を添加する。非求核性塩基の例は、上記に記載のものである。アミノ保護された主鎖溶液に適した好ましい非求核性塩基はトリエチルアミンである。
アミノ保護されたアミノ酸主鎖N-(2-アミノエチル)-グリシンは下記式で表される:
ここで、Pgで表される基は、アルキルオキシカルボニル基、9-フルオレニルメチルオキシカルボニル基、メチル-1-(4-ビフェニル)-エチルオキシカルボニル基、1-メチル-1-フェニル-エチルオキシカルボニル基、トリフェニルメチル基、4-メトキシ-トリフェニルメチルおよび4,4'-ジメトキシトリフェニルメチル基などの保護基である。R3で表される原子または基は、水素またはメチルおよびエチル基などアルキル基である。好ましい主鎖保護基Pgは9-フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)であり、好ましいR3置換基は水素である。従って、アミノ保護された好ましい主鎖は下記式で表される:
Fmoc保護基はペプチド合成で広く用いられ、塩基に対して不安定な保護基であることはよく知られている。本発明方法では、核酸塩基の環外アミノ基が酸に対して不安定なカーバメートとして保護されることから、好ましいFmocによってアミノ保護された主鎖を核酸塩基側鎖部分にカップリングさせるとによってオルソゴナルに保護されたPNAシントンが得られる。オルソゴナルは、個々の種類の保護基がそれ以外の種類の保護基に対して相互に排他的な条件で除去される保護システムとして定義される。個々の種類の保護基を除去するための方法としては、以下に限定されるものではないが、酸加水分解、塩基加水分解、光開裂および水素添加などがある。すなわち、アミノ酸主鎖保護基を適切に選択することによってオルソゴナルに保護されたPNAシントンを合成することができる。
アミノ保護された主鎖を冷却された混合無水物溶液に添加した後、カップリングつまりPNAシントンの形成に必要な時間だけ反応させる。アデニンPNAシントンは下記式で表され:
シトシンPNAシントンは下記式で表される:
ここで、PgおよびR2で表される基は上記に定義のものである。保護基(Pg)は9-フルオレニルメチルオキシカルボニル基でR2基がジフェニル基(A1〜A10がそれぞれ水素原子でR4が水素原子)であるのが好ましい。好ましいアデニンPNAシントンは下記式で表される:
好ましいシトシンPNAシントンは下記式で表される:
別の方法として、PNAシントンをR3としてアルキル基を有するアミノ保護された主鎖から合成することもできる。R3をアルキル基とした場合、アミノ保護された主鎖はアミノ保護された主鎖エステルである。アミノ保護された主鎖エステルをカーバメート保護された核酸塩基側鎖部分とカップリングさせる場合、PNAまたは核酸ポリマー合成に適したPNAシントンを合成するには、続いて主鎖エステル基を加水分解する必要がある。一般に、上記のプロセスに従ってカーバメート保護された核酸塩基部分を非求核性塩基の存在下で立体障害を有する酸塩化物と反応させてカーバメート保護された核酸塩基側鎖部分の混合無水物を作る。N-(2-アミノエチル)-グリシンのアミノ保護された主鎖エステルの塩を、冷却された混合無水物の溶液に添加し、カップリングを行うのに必要な時間攪拌しながら室温に戻す。この変換において有効なN-(2-アミノエチル)-グリシンのアミノ保護された主鎖エステル塩の例としては(限定的にではなく)、塩酸塩およびトリフルオロ酢酸塩を挙げることができる。好ましい塩はトリフルオロ酢酸塩である。カンプリング反応終了後、固体PNAシントンが沈澱してこれを回収するか、反応混合物を氷温の水に注いでPNAシントンを沈澱させて回収する。アデニンPNAシントンは下記式で表され:
シトシンPNAシントンは下記式で表される:
ここで、PgおよびR2で表される基は上記に定義のものと同じであり、R3で表される基はメチル、エチルおよびアリル基である。R3がメチル基、Pgが9-フルオレニルメチルオキシカルボニル基、さらにR2がジフェニル基(A1〜A10がそれぞれ水素を表しR4も水素である)であるのが好ましい。好ましいアデニンPNAシントンは下記式で表される:
好ましいシトシンPNAシントンは下記式で表される:
主鎖カルボン酸がエステルとして保護されたPNAシントンの合成に続いて、オリゴマーを合成するためにエステル基を加水分解しなければならない。一般に主鎖カルボン酸保護されたPNAシントンを冷却した水性溶媒系に懸濁し金属水酸化物の水溶液を添加する。水性溶媒系での溶媒の非限定的な例としては水、アセトンおよびアセトニトリルを各種の組み合わせで使用することが挙げられる。加水分解で有効な金属水酸化物には(限定的にではなく)、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび水酸化セシウムなどが含まれる。好ましい金属水酸化物は水酸化リチウムである。
加水分解反応終了後、反応物を急冷してPNAシントンを単離精製する。主鎖アミノ保護基が塩基に対して不安定であって、塩基性条件で除去される可能性がある場合には、PNAシントンを単離する前に主鎖アミノ保護基の活性化された状態のものを添加して万一除去されている任意のアミノ主鎖基を再び保護する。例えば、アミノ主鎖保護基が塩基に対して不安定な保護基の9-フルオレニルメチルオキシカルボニル基である場合、加水分解後に、単離を行う前に9-フルオレニルメチルオキシカルボニルスクシンイミドを添加することによって、所望のPNAシントンの全体収率が増加する。単離されたアデニンPNAシントンは下記式で表され:
シトシンPNAシントンは下記式で表される:
ここで、PgおよびR2で表される基は上記に定義のものと同一である。保護基(Pg)は9-フルオレニルメチルオキシカルボニル基でR2基がジフェニル基(A1〜A10がそれぞれ水素を表し、R4も水素である)であるのが好ましい。好ましいアデニンPNAシントンは化合物XIVで、好ましいシトシンPNAシントンは化合物XIXである。
カーバメート保護された核酸塩基側鎖部分をアミノ保護され主鎖にカップリングさせる他の方法は、上記のようなアミノ保護された主鎖のエステル化でなく、アミノ保護された主鎖のカルボン酸官能基に一時的な保護を施す方法である。一般には上記プロセスに続いて、カーバメート保護された核酸塩基側鎖部分を非求核性塩基の存在下で立体障害を有する酸塩化物と反応させることによってカーバメート保護された核酸塩基側鎖部分の混合無水物を形成させる。混合無水物生成後、非求核性塩基と立体障害を有するシリルクロライドとの存在下に、アミノ保護された主鎖の溶液を冷却された混合無水物溶液に添加する。カップリングに必要な時間反応物を攪拌した後、反応物を急冷し、乾燥してシリル除去基(例えばフッ化物)を用いて処理する。シリル保護基を除去した後、所望のPNAシントンを単離する。アデニンPNAシントンは下記式で表され:
シトシンPNAシントンが下記式で表される:
ここで、PgおよびR2で表される基は上記に定義のものと同一である。保護基(Pg)は9-フルオレニルメチルオキシカルボニル基で、R2基がジフェニル基(A1〜A10がそれぞれ水素を表しR4も水素である)であるのが好ましい。好ましいアデニンPNAシントンは化合物XIVで、好ましいシトシンPNAシントンは化合物XIXである。
PNA合成
PNAシントンはフリーのカルボン酸として互いにカップリングし、PNAオリゴマー(PNA)を構成することができる。さらに、PNAシントンはその他のペプチドモノマー、ヌクレオチドのような核酸モノマーとカップリングして各種の『バイオ』オリゴマーまたはポリマーを形成することができる。オリゴマーの非限定的な例としてはPNA、DNAおよびRNA配列、オリゴヌクレオチド、ポリペプチドおよびそれらの各種組み合わせなどがある。例えば『PNA−DNAキメラと、このキメラ合成用のPNAシントン』と題する関連特許出願(代理人整理番号SYP-105;米国特許出願第08/480,228号;1995年6月7日出願)には、PNA−DNAキメラが開示されている(この特許の内容は全て参考として本明細書に含まれる)。このPNAシントンの化学作用は市販の合成装置に適合するのでこのPNAシントンは容易に各種の長さおよび配列を有するポリマー鎖へ変換することができる。
これまで化学文献に報告されているペプチド合成に関する各種の方法が一般にPNAオリゴマー合成に適用可能である。これらの方法には(限定的にでなく)、固相ペプチド合成および溶液合成が含まれる。例えば固相合成では、第1アミノ酸のカップリングに続く次のステップで所望のPNA鎖の計画的合成を行う。この合成には保護解除/カップリングサイクルの繰り返しが含まれる。最後に連結されたアミノ酸の一時的な主鎖保護基、例えばFmocは、適当な処理、例えばピペリジンを用いた塩基処理などによって定量的に除去され、N-末端アミノ基がフリーになる。
続いて、必要な次のN-保護アミノ酸を、最後に連結されたアミノ酸のN-末端に連結する。このアミノ酸C末端と最後に連結されたアミノ酸のN-末端との連結は、いくつかの方法で行うことができる。例えば、縮合試薬、例えばジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)(Sheehan & Hess達、J. Am. Chem. Soc., 1955,77,1067)およびジイソプロピルカルボジイミド(DIC)(Sraantakis達、Biochem. Biophys. Res. Commun., 1976, 73,336)またはそれらの誘導体を用いて、新たに連結されるアミノ酸のカルボキシル基を直接最後に連結されたアミノ酸のN-末端と反応させるか、新たに連結されるアミノ酸を下記数種類の方法のいずれか任意の方法で活性化したカルボキシル基を含む状態で作ることによって結合させることができる:数種類の方法とは、活性エステル誘導体、例えば2,4,5-トリクロロフェニルエステル(Pless達、Helv Chem. Acta, 1963, 46, 1609)、フタリミドエステル(Nafkens達、Am. Chem. Soc., 1961, 83, 1263)、ペンタクロロフェニルエステル(Kuproyszewski, Rocz.Chem., 1961,35,595)、ペンタフルオロフェニルエステル(Kovacs達、Am. Chem. Soc., 1963,85 183)、o-ニトロフェニルエステル(Bodanzsky, Nature, 1955, 175,685)、イミダゾールエステル(Li達、J. Am Chem. Soc., 1970, 92,7608)および3-ヒドロキシ-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン(Dhbt-OH)エステル(Konig達、Chem. Ber., 1973, 103, 2024と2034)を初めに生成する方法と、対称無水物(Wieland達、Angew. Chem.Int.Ed.Engl., 1971, 10, 336)等の無水物を最初に生成する方法である。第2級アミノ基を含むPNA分子を組み立てる場合には、ベンゾトリアゾリルN-オキシトリスジメチルアミノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP)『カストロの試薬』(例えば、Rivaille達、Tetrahedron 1980, 36, 3414参照)が推奨される。カルボン酸基を活性化するための好ましい試薬には、1-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾール(HOAT)およびそのホスホニウム塩およびウロニウム塩が含まれる(Carpino., L.J.Am.Chem.Soc., (1993)115, 4397参照)。最後に、最近報告されたアミノ酸フッ化物に類似の活性化されたPNAモノマー(Carpino, J. Am. Chem. Soc., 1990,112,9651)はPNA合成を含めて多いに有望である。
保護基を含む所望のRNA鎖の合成後に続くステップは、通常、PNA鎖のアミノ酸部分の保護解除と、合成したPNAの固体担体からの開裂である。これらのプロセスはほぼ同時に行われてフリーなPNA分子が所望の形状で得られる。あるいは、別々に合成した2つのPNA鎖の縮合を行う場合には、合成開始時に、所望のPNA鎖を対応する固体担体から開裂させるための適切なスペーサー基を選択し(いずれのペプチド鎖も側鎖保護基を組み込まれた状態のままである)、最後に、例えば側鎖が保護された2つのペプチド鎖をカップリングさせて長鎖のPNA鎖を合成した後に側鎖の保護基を除去する。
以上本発明を一般的に説明したが、以下では実施例を挙げてさらに具体的な説明を行う。これら実施例は特に記載のない限り本発明を限定するものではない。
実施例
実施例1
2-[6'-クロロ(9'-プリニル)]酢酸ベンジル(I)の合成
6-クロロ-2-アミノプリン(300g, 1.77mol;Pharma-Waldorf GmbH, Germany, P/N471720)および炭酸カリウム(366g;2.65mol, Aldrich Chemical, Milwaukee, WI(以下、Aldrich), P/N34, 782-5)にジメチルホルムアミド(DMF,3l)を添加し、2-アミノ-6-クロロプリンが溶解するまで溶液を温めた(84℃)。その後、混合物を氷浴中で冷却し、2-ブロモ酢酸ベンジル(299ml,1.89モル;Aldrich P1/N24,563-1)を1時間半かけて滴下した。混合物を0℃でさらに3時間攪拌した後、室温で一夜攪拌した。翌日反応混合物を濾過し、濾液を7lの水と150mlの濃塩酸(HCl)とを含む溶液に注いだ。混合物を2時間攪拌し、その後、濾過を行って生成物を単離した。生成物を水で十分に洗浄し、固体を沸騰中のアセトニトリル(3l)中に除々に添加して再結晶させた。濃い赤色の溶液を一夜放置し、翌日濾過を行った。生成物をメタノール、続いてジエチルエーテルを用いて十分に洗浄した。収量386g(69%)。
1H−NMR(d6DMSO)δ=8.14(1H,s), 7.4-7.3(5H,m), 7.02(2H,s), 5.21(2H,s)5.08(2H,s)
実施例2
(N-[ベンジロキシカルボニル])−アミノ-6-クロロ-N 9 -(ベンジルカルボキシメチル)-プリン(IIa)の合成
2-[6'-クロロ(9'-プリニル)]酢酸ベンジル(I)(292g;0.920モル)と、トリホスゲン(98.8g;0.33モル;Aldrich P/N33,075-2)とをアルゴン雰囲気下で、オーブンを用いて乾燥させた5l容の3つ首反応フラスコに入れ、氷浴中で氷温の無水THF(3l)を添加した。混合物を15分間攪拌し、35分かけてジイソプロピルエチルアミン(348ml; 2.0mol; lanchaster Synthesis, Windham, NH.(以下lanchaster)P/N4310)を滴下した。さらに20分間攪拌後、直ちにベンジルアルコール(153ml;1.5mol;Aldrich P/N 10,800-6)を添加した。混合物を室温に温めながら一夜攪拌した。その後、反応混合物を、6.5lの水と80mlの濃塩酸とを含む溶液に注いだ。混合物を室温で2時間攪拌し、減圧濾過で生成物を回収した。固体を水で十分に洗浄し、変性エタノール(2l)を用いて再結晶させ、減圧濾過で生成物を回収し、低温のエタノールで2回洗浄した。収量293g(70%)。
1H−NMR(d6DMSO)δ=10.86(1H,s),8.52(1H,s)7.5-7.3(10H,m), 5.22-5.20(6H,m)
実施例3
2-(N-[ベンジルオキシカルボニル])-N 9 (カルボキシメチル)-グアニン(IIIa)の合成
アルゴン雰囲気下においた5l容の乾燥丸底フラスコに1100mlの乾燥THFを入れ、これに水素化ナトリウム(18.0g; 0.75mol; Ardrich P/N 22,344-1)を添加した。反応フラスコをドライアイス・アセトン浴に15〜20分浸漬した。この溶液に、51.2ml(0.75モル)の3-ヒドロキシプロピオニトリル(Aldrich Chemical P/N 10,992-4)を15〜20分かけて滴下した。添加終了後、ドライアイス・アセトン浴を取外し、反応物を氷浴中で温めながら2時間攪拌した。その後、2-(N-[ベンジルオキシカルボニル]アミノ-6-クロロ-N9-(ベンジルカルボキシメチル)-プリン(II)(67.9g0.15モル)を乾燥固体の状態で10〜15分かけて徐々に添加した。氷浴を取外し、さらに2時間攪拌を継続した。減圧蒸留を行って全体量を約500mlにした。得られた混合物を4lの水と70mlの濃塩酸とを含む溶液に注いだ。混合物を一夜攪拌し、翌日濾過を行った。固体を水で十分に洗浄した後酢酸エチルを用いて3回洗浄した。白色固体。収量48.5g(94%)。
1H−NMR(d6DMSO)δ=11.55(1H,s),11.38(1H,s)7.95(1H,s), 7.5-7.3(5H,m), 5.26(2H,s), 4.89(2H,s)
実施例4
2-(N-[4-(t-ブチル)-ベンジルオキシカルボニル])-アミノ-6-クロロ-N 9 (ベンジルカルボキシメチルプリン(IIb)の合成
2-[6'-クロロ(9'-プリニル)]酢酸ベンジル(I)(9.05g;30mmol)と、トリホスゲン(2.97g;10mmol;Aldrich P/N33,075-2)とをアルゴン雰囲気下で、オーブンを用いて乾燥させた500ml容の3つ首反応フラスコに入れ、氷浴中で氷温の無水THF(100ml)を添加した。混合物を15分間攪拌し、5分かけてジイソプロピルエチルアミン(10.5ml;60mmol;lanchaster P/N4310)を滴下した。さらに30分間攪拌した後、直ちに4-tert-ブチルベンジルアルコール(8ml;45mol;Aldrich P/N18,426-8)を添加した。混合物を室温に温めながら一夜攪拌した。その後反応混合物を1.0lの水と13mlの濃塩酸とを含む溶液に注いだ。混合物を室温で30分間攪拌し、250mlの酢酸エチルを添加して生成物を分離させた。分液し、5%の重炭酸ナトリウム水溶液125mlを用いて有機層を洗浄した。硫酸ナトリウムで有機層を乾燥させ、濾過後、エバポレーションに供した。残留物を、50mlのトルエン中で結晶化させた。減圧濾過を行って生成物を回収した。収量6.88g(45%)。
1H−NMR(CDCl3)δ=8.04(1H,s),7.83(1H,s)7.83(1H,s), 7.42-7.29(9H,m), 5.21(4H,s), 5.Ol(2H,s),1.31(9H,s)
実施例5
2-(N-[4-(t-ブチル)−ベンジルオキシカルボニル])-N 9 -(カルボキシメチルグアニン(IIIb)の合成
アルゴン雰囲気下の250ml容の乾燥丸底フラスコに90mlの乾燥THFを入れ、これに水素化ナトリウム(1.5g; 60mmol; Ardrich P/N 22,344-1)を添加した。反応フラスコをドライアイス・アセトン浴に10分間浸漬した。この溶液に4.1ml(60mmol)の3-ヒドロキシプロピオニトリル(Aldrich Chemical P/N 10,992-4)を5〜10分かけて滴下した。添加終了後、ドライアイス・アセトン浴を取外し、反応物を氷浴中で温めながら2時間攪拌した。その後、2-(N-[t-(ブチル)ベンジルオキシカルボニル]アミノ-6-クロロ-N9-(ベンジルカルボキシメチル)-プリン(IIb)(6.1g; 12mmol)を乾燥固体の状態で2〜3分かけて徐々に添加した。氷浴を取外し、さらに1時間攪拌を継続した。200mlの水を添加し、続いて9mlの6N塩酸を添加した。溶液を氷浴中で30分間冷却した後、減圧濾過を行って固体を回収した。固体を50mlのアセトニトリル中で1時間沸騰させ、その後溶液を室温に冷却した。減圧濾過を行って生成物を回収した。収量4.13g(86%)。
1H−NMR(d6DMSO)δ=11.51(1H,s),11.38(1H,s)7.94(1H,s), 7.44-7.33(4H,dd), 5.22(2H,s), 4.88(2H,s)1.28(9H,s)
実施例6
2-(N-[4-(イソプロピル)-ベンジルオキシカルボニル])-アミノ-6-クロロ-N 9 (ベンジルカルボキシメチル)-プリン(IIc)の合成
2-[6'-クロロ(9'-プリニル)]酢酸ベンジル(I)(9.05g;30mmol)と、トリホスゲン(2.97g;10mmol;Aldrich P/N33,075-2)とをアルゴン雰囲気下で、オーブンを用いて乾燥させた500ml容の3つ首反応フラスコに入れ、氷浴中で氷温の無水THF(100ml)を添加した。混合物を15分間攪拌し、5〜10分かけてジイソプロピルエチルアミン(10.5ml;60mmol;lanchaster P/N4310)を滴下した。さらに30分間攪拌後、直ちに4-tert-イソプロピルベンジルアルコール(6.9ml;45mmol;Aldrich P/N 19,603-7)を添加した。混合物を室温に温めながら一夜攪拌した。その後、反応混合物を、1.0lの水と13mlの濃塩酸とを含む溶液に注いだ。混合物を室温で30分間攪拌し、250mlの酢酸エチルを添加して生成物を分離させた。分液し、5%の重炭酸ナトリウム水溶液125mlを用いて有機層を洗浄した。硫酸ナトリウムで有機層を乾燥させ、濾過後、エバポレーションに供した。残留物を、25mlのトルエン中で結晶化させた。減圧濾過を行って生成物を回収した。収量7.50g(51%)。
1H−NMR(CDCl3)δ=8.04(1H,s),7.74(1H,s)7.35-7.20(9H,m), 5.22(4H,m),5.02(2H,s), 2.96-2.84(1H, septet), 1.25(6H, d)
実施例7
2-(N-[4-(イソプロピル)-ベンジルオキシカルボニル])-N 9 -(カルボキシメチル)-グアニン(IIIc)の合成
アルゴン雰囲気下の250ml容の乾燥丸底フラスコに90mlの乾燥THFを入れ、これに水素化ナトリウム(1.5g; 60mmol; Ardrich P/N 22,344-1)を添加した。反応フラスコをドライアイス・アセトン浴に10分間浸漬した。この溶液に4.1ml(60mmol)の3-ヒドロキシプロピオニトリル(Aldrich Chemical P/N 10,992-4)を1〜2分かけて滴下した。添加終了後、ドライアイス・アセトン浴を取外し、反応物を氷浴中で温めながら2時間攪拌した。その後、2-(N-[4-(イソプロピル)ベンジルオキシカルボニル]アミノ-6-クロロ-N9-(ベンジルカルボキシメチル)-プリン(IIc)(6.1g;12mmol)を乾燥固体の状態で2〜3分かけて徐々に添加した。氷浴を取外し、さらに1時間攪拌を継続した。300mlの水を添加し、続いて11mlの6N塩酸を添加した。溶液を氷浴中で30分間冷却し、その後減圧濾過を行って固体を回収した。固体を50mlのアセトニトリル中で1時間沸騰させた後、溶液を室温に冷却した。減圧濾過を行って生成物を回収した。収量4.84g(84%)。
1H−NMR(d6DMSO)δ=11.51(1H,s),11.38(1H,s)8.18(1H,s), 7.38-7.24(4H,dd), 5.21(2H,s), 4.87(2H,s)2.95-2.80(1H,septet), 1.2(6H,d)
実施例8
2-(N-[4-(メトキシ)-ベンジルオキシカルボニル])-アミノ-6-クロロ-N 9 (ベンジルカルボキシメチル)-プリン(IIc)の合成
2-[6'-クロロ(9'-プリニル)]酢酸ベンジル(I)(20g;63mmol)とトリホスゲン(7.46g;25mmol;Aldrich P/N33,075-2)とをアルゴン雰囲気下で、オーブンを用いて乾燥させた1l容の3つ首反応フラスコに入れ、氷浴中で氷温の無水THF(189ml)を添加した。混合物を20分間攪拌し、5〜10分かけてジイソプロピルエチルアミン(24.1ml;140mmol;lanchasterP/N4310)を滴下した。さらに30分間攪拌後、直ちに4-メトキシベンジルアルコール(9.9ml;79mmol;Aldrich P/N 13,690-5)を添加した。混合物を室温に温めながら一夜攪拌した。その後、反応混合物を200mlの水と4.7mlの濃塩酸とを含む溶液に注いだ。混合物を室温で2時間攪拌し、減圧濾過を行って生成物を回収した。水を用いて生成物を十分に洗浄し、アセトニトリル(500ml)から再結晶化させた。減圧濾過で生成物を回収し、低温のアセトニトリルを用いて2回洗浄した。収量16.2g(55%)。
1H−NMR(CDCl3)δ=10.76(1H,s),8.5(1H,s)7.4-6.8(9H,m), 5.2-5.1(6H,m), 3.75(3H,s)
実施例9
2-(N-[4-(メトキシ)-ベンジルオキシカルボニル])-N 9 -(カルボキシメチル)-グアニン(IIId)の合成
アルゴン雰囲気下の1l容の乾燥丸底フラスコに200mlの乾燥THFを入れ、これに水素化ナトリウム(3.9g; 160mmol; Ardrich P/N 22,344-1)を添加した。反応フラスコをドライアイス・アセトン浴に15〜20分間浸漬した。この溶液に10.95ml(160mmol)の3-ヒドロキシプロピオニトリル(Aldrich Chem. P/N 10,992-4)を15〜20分かけて滴下した。添加終了後、ドライアイス・アセトン浴を取外し、反応物を氷浴中で温めながら2時間攪拌した。その後、2-(N-[4-(メトキシ-ベンジルオキシカルボニル])アミノ-6-クロロ-N9-(ベンジルカルボキシメチル)-プリン(IId)(15g;32.2mmol)を乾燥固体の状態で10〜15分かけて徐々に添加した。氷浴を取外し、さらに2時間攪拌を継続した。減圧蒸留を行って全体量を約70mlとした。得られた混合物を200mlの水と21mlの濃塩酸とを含む溶液に注いだ。混合物を一夜攪拌し、翌日濾過を行った。固体を水で十分に洗浄した後、酢酸エチルを用いて3回洗浄した。収量9.9g(82%)。
1H−NMR(d6DMSO)δ=11.40(1H,s),7.95(1H,s)7.4-7.3(2H,d), 7.0-6.9(2H,d), 5.15(2H,s), 4.85(2H,s)3.8(3H,s)
実施例10
N-([2-[N-ベンジルオキシカルボニル]-グアニン-9-イル-アセチル)-N-(2-[t-ブチルオキシカルボニル]-2-アミノエチル)-グリシンエチルエステル(IV)の合成
136g(396mmol)の2-(N-[ベンジルオキシカルボニル])-N9-(カルボキシメチル)-グアニン(III)に、1600mlのジメチルホルムアミド(DMF)を添加した。溶液を氷浴中で冷却しながら30分間攪拌した。トリメチルアセチルクロライド97.6ml(792mmol)(Aldrich, P/N T7,260-5)を添加し、反応物をさらに10分間攪拌した。N-メチルモルホリン(218ml;1.98モル;Fluka Chemical Ronkonkoma, NY, P/N 67870)を20〜30分かけて滴下した後、反応物をさらに30分間攪拌した。溶液を攪拌しながら117g(475mmol)のN1-(tert-ブチルオキシカルボニル)-N4-(2-アミノエチル)-グリシンエチルエステル(MilliporeCorporation, P/N GEN PNABKB)を100mlの乾燥DMFに溶解した溶液を添加した。室温に温めながら反応物を一夜攪拌した。不溶のN-メチルモルホリン塩酸塩を濾別した後、ケーキをアセトニトリルで洗浄した。濾液に2.5mlのメタノールを添加し、続いて濾液を完全に蒸発乾固させて黄褐色の固体とした。固体を3lの溶媒(エタノール/アセトニトリル/水1:1:1)から再結晶させた。収量は178.2g(311mmol;78%)であった。第二級アミド結合を中心とした回転が制限されているために、数個のプロトンシグナルが2:1に分かれたが、この場合ロトマーはNMRの時間スケール上で区別することができる。従って、主要なロトマー成分に相当する数個の信号をmjで表し、それ以外のロトマー成分をmiで表す。
1H−NMR(DMSO)δ=11.44(1H,d),11.34(1H,s)7.80(1H,m), 7.5-7.3(5H,m), 6.98(1H;mj,t), 6.73(1H;mi,m), 5.26(2H,s), 5.09(2H;mj,s), 4.92(2H;mi,s)4.41(2H;mi,s), 4.06(2H;mj,s), 4,25-4.15(2H;mi,q), 4.13-4.03(2H;mj,q), 3.60-2.95(4H,mm), 1.35(9H,s), 1.3-1.1(3H,dt)
実施例11
N-([2-[N-ベンジルオキシカルボニル]-グアニン-9-イル-アセチル]-N-(2-[t-ブチルオキシカルボニル]-2-アミノエチル)-グリシン(V)の合成
183.3g(320mmol)のN-([2-[N-ベンジルオキシカルボニル]-グアニン-9-イル-アセチル)-N-(2-[t-ブチルオキシカルボニル)-2-アミノエチル)-グリシンエチルエステル(IV)に、960mlのエタノール(変性エタノール:VWR Scientific, P/N VWO470)と960mlのアセトニトリルおよび480mlの水を添加した。固体が溶解するまで溶液を加熱還流させた。溶液を室温に冷却し、続いて氷/塩浴で5℃以下まで冷却した。懸濁液を激しく攪拌しながら、低温(<5℃)の2N水酸化リチウム溶液1.6l(134.3gのLiOH、VWR Scientific、P/N JTP406を水で、1.6lに稀釈したもの)を素早く添加した。正確に5分間攪拌後、低温(<5℃)の2N塩酸1.54lを添加して反応物を急冷した(添加後の反応物のpHは4.5、温度は約16℃であった)。粗いフリットガラスシンターを用いて溶液を濾過し、不溶物を全て取り除き、<10℃に冷却した。続いてこの溶液を激しく攪拌しながら160mlの2N塩酸水溶液を30分かけて滴下した(試験紙によるpH=2〜3)。さらに11mlの3N塩酸水溶液を滴下してpHを1〜2(試験紙)に調整した。その後、溶液を氷浴中で3時間以上攪拌し、減圧濾過を行って生成物を回収した。固体を水で簡単に洗浄した。収量=173.6g(319mmol:99%)
1H−NMR(d6DMSO)δ=11.5(1H,d),11.38(1H,s)7.88(1H,m), 7.5-7.3(5H,m), 7.01(1H;mj,t), 6.76(1H;mi,m), 5.26(2H,s), 5.09(2H;mj,s), 4.92(2H;mi,s)4.32(2H;mi,s), 3.99(2H;mj,s), 3.5-2.9(4H,mm), 1.35(9H,s)
実施例12
2-(N-[ベンズヒドロールオキシカルボニル])-アミノ-6-クロロ-N 9 -(ベンジルカルボギシメチル)-プリン(IIe)の合成
62mmolの2-アミノ-6-クロロ-N9-ベンジルカルボキシメチル-プリンに新規に蒸留した氷温のテトラヒドロフラン約190mlを添加した。氷浴中で溶液を攪拌しながら、22.4mmolのトリホスゲンを添加した。反応物を0℃で1時間攪拌し、その後、136mmolのジイソプロピルエチルアミンを滴下した。0℃で30分間攪拌後、74.4mmolのベンズヒドロールアルコールを添加した。反応物を室温に温めながら一夜攪拌した。翌朝エタノールを添加し、反応物を濃縮乾固させた。残留物をジクロロメタンと10%クエン酸水溶液とで液/液分配した。分離後、5%の重炭酸ナトリウム溶液を用いて1回洗浄した。ジクロロメタン層を乾燥させ、濾過後、エバポレーションに供した。生成物をメタノールから再結晶化させた。収率54%
1H−NMR(d6DMSO)δ=11.0(1H,s), 8.5(1H,s),7.6-7.2(15Hm,m), 6.8(1H,s), 5.15(4H,m)
実施例13
2-(N-[ベンズヒドロールオキシカルボニル])-N 9 -(カルボキシメチル)-グアニン(IIIe)の合成
365mmolの95%水素化ナトリウムに、新規に蒸留したテトラヒドロフラン約450mlを添加した。氷/アセトン浴中で溶液を20分間冷却し(−78℃)、その後、365mmolの3-ヒドロキシプロピオニトリルを添加した。反応物を0℃で2.5時間攪拌し、73mmolの2-(N-[ベンズヒドロールオキシカルボニル])-アミノ-6-クロロ-N9-(ベンジルカルボキシメチル)-プリン(IIe)を添加した。反応物を室温に温めながら一夜攪拌した。翌朝、約300mlの溶媒を留去し、残留物を800mlの水を含む溶液に注いで、その後、20%のクエン酸水溶液を加えてpHを約3〜4にした。減圧濾過を行って生成物を回収し、メタノール中で再結晶させた。収率62%。
1H−NMR(d6DMSO)δ=11.7(1H,s), 11.2(1H,s)8.95(1H,s), 7.6-7.2(10H,m), 6.85(1H,s), 5.9(4H,s)
実施例14
2-(N-[2-(メチルチオ)-エチルオキシカルボニル])-アミノ-6-クロロ-N 9 -(ベンジルカルボキシメチル)-プリン(IIf)の合成 50mmolの2-アミノ-6-クロロ-N9-ベンジルカルボキシメチル-プリンに新規に蒸留した氷温のテトラヒドロフラン約200mlを添加した。氷浴中で20分間反応物を冷却し、その後20mmolのトリホスゲンを添加した。反応物を0℃で30分間攪拌した後130mmolのジイソプロピルエチルアミンを滴下した。0℃で20分間攪拌後、70mmolの2-(メチルチオ)-エタノールを添加した。反応物を室温に温めながら一夜攪拌した。翌朝反応物を約半分の量に濃縮し、500mlの水と30mmolの塩酸とを含む溶液に攪拌しながら注いだ。混合物を30分間攪拌し、減圧濾過を行って生成物を回収した。生成物をメタノールから再結晶させた。収率74%
1H−NMR(d6DMSO)δ=10.8(1H,s), 8.5(1H,s),7.35(5H,m), 5.22(4H,m), 4.25(2H,t), 2.75(2H,t), 2.15(3H,s)
実施例15
2-(N-[2-(メチルチオ)-エチルオキシカルボニル)]-N 9 -(カルボキシメチル)-グアニン(IIIf)の合成
75mmol 95%水素化ナトリウムに、新規に蒸留したテトラヒドロフラン約100mlを添加した。氷浴中で溶液を20分間冷却した後、75mmolの3-ヒドロキシプロピオニトリルを添加した。反応物を0℃で2時間攪拌し、15mmolの2-(N-[2-(メチルチオ)-エチルオキシカルボニル])-アミノ-6-クロロ-N9-(ベンジルカルボキシメチル)-プリン(IIf)を添加した。反応物を室温に温めながら一夜攪拌した。翌朝、溶媒を完全に留去し、200mlの水と54gの塩化ナトリウムと8gのK2 S2 O7とを含む溶液を添加した。溶液を15分間激しく攪拌し、濾別して固体生成物を回収した。生成物をアセトニトリル中で沸騰させて精製した。収率:83%
1H−NMR(d6DMSO)δ=11.52(1H,s), 11.37(1H,s)7.93(1H,s), 4.9(2H,s), 4.35(2H,t), 2.785(2H,t), 2.15(3H,s)
実施例16
2-(1'-シトシル)酢酸エチル(XV)の合成
2.5モルのシトシンに、2.5lの乾燥ジメチルホルムアミド(DMF)と2.75モルのカリウムtert-ブトキシドを添加した。反応物が薄い黄褐色になるまで1〜2時間約100℃に加熱した。その後、熱源を取り除き、溶液を氷浴中で10℃以下に冷却した。溶液を素早く攪拌しながら、2.8molのブロモ酢酸エチルを(30〜40分かけて)滴下した。添加後、反応物を室温に温めながら一夜攪拌した。翌朝、30mlの酢酸を加えて反応物を中和した。エバポレーションを行って溶媒を除去し、残留物を数日間高減圧下において痕跡量のDMFを除去した。残留物を再び2.5lの水に懸濁し、3時間攪拌した。減圧濾過を行って固体生成物を回収し、数倍量の水を用いて洗浄した。収量:342.7g(70%)。
1H−NMR(DMSO−d6)δ=7.56(d,1H), 7.18(s,2H)5.68(d,1H), 4.43(s,2H), 4.13(q, 2H), 1.19(t,3H)
実施例17
2-[N' 4 -ベンズヒドロールオキシカルボニル(1'-シトシル)]酢酸エチル(XVI)の合成
1.8モルの2-(1'-シトシル)酢酸エチルに、3.5lのDMFと2.9モルのカルボニルジイミダゾールを添加した。反応物を室温で1.5時間攪拌した。メタノールで急冷した反応物のサンプルを薄層クロマトグラフィー(tlc)分析したところ、イソシアネートの生成が良好に進行したことが示された。この反応物に432gのベンズヒドロールを添加し、反応物を60℃に加熱した。約6時間温度を60℃に保ち、その後さらに80gのベンズヒドロールを2回に分けて添加した(1時間間隔で)。反応物を室温に冷却しながら一夜攪拌した。翌日100mlのメタノールを添加し、反応物を急冷した。その後、溶媒を完全に留去した。赤色オイルの残留物を2.5lのエタノールから再結晶させた(372.2gの粗白色結晶)。母液をエバポレーションに供し、2lのメタノール/水(3:1)溶液から再結晶化させた(生成物222g)。2つの粗生成物を合わせて、2.5lのメタノールから再結晶させた。収量:565g(77%)。
1H−NMR(DMSO−d6)δ=11.01(s,1H), 8.02(d,1H)7.46-7.27(m,10H), 6.98(d,1H), 6.79(s, 1H), 4.60(s,2H)4.13(q,2H), 1.18(t,3H)
実施例18
2-[N' 4 -ベンズヒドロールオキシカルボニル(1'-シトシル)]酢酸(XVII)の合成
75mmolのエチル2-[N'4-ベンズヒドロールオキシカルボニル(1'-シトシル)]酢酸エチルに150mlのアセトニトリル、150mlのメタノールおよび75mlのエタノールを添加した。この溶液を固体が全て溶解するまで加熱し、続いて氷浴中で10℃以下まで冷却した。溶液を攪拌しながら、730mmolの水酸化リチウムを250mlの水に溶解した溶液を素早く添加した。その後、反応物を正確に6分間攪拌し、365mmolのクエン酸を350mlの水に溶解した溶液を一度に添加し、急冷した。減圧濾過を行って白色固体沈澱物を回収し、沈澱物を数倍量の水を用いて洗浄した。収量:27.25g白色固体(98%)。
1H−NMR(DMSO−d6)δ=8.00(d,1H), 7.46-7.24(m,10H), 6.93(d,1H), 6.78(s, 1H), 4.51(s,2H)
実施例19
2-(9'-アデニル)酢酸エチル(X)の合成
オーブを用いて乾燥させた389gのアデニンを6lのDMFに懸濁した溶液に、40gの水素化ナトリウムを添加した。反応物を攪拌し、水素ガスの発生をモニタリングした。15分攪拌後さらに42gの水素化ナトリウムを添加した。1時間攪拌後、反応物は非常に濃厚になった。さらに1.5lのDMFを添加し、その後、水素ガスが全て発生し終わるまでさらに3時間攪拌した。溶液を激しく攪拌しながら351mlのブロモ酢酸エチルを30分かけて滴下した。反応物は氷浴を用いて20〜30℃に維持した。室温に温めながら反応物を一夜攪拌した。その後溶媒を留去し、3lの水を添加した。1時間攪拌後、固体生成物を減圧濾過して回収し、数倍量の水で洗浄した。その後生成物を2lの沸騰エタノールに懸濁し、攪拌しながら45分間還流させた。一夜室温に放置した後、減圧濾過を行って固体を回収し、エタノールで洗浄した。収量:638g(68%)。
1H−NMR(DMSO−d6)δ=8.14(s,1H), 8.10(s,1H)7.22(s,2H), 5.05(s, 2H), 4.18(q,2H), 1.22(t,3H)
実施例20
2-[N' 6 -ベンズヒドロールオキシカルボニル(9'-(アデニル)]酢酸エチル(XI)の合成
1.96モルの2-(9'-アデニル)酢酸エチルと2.95モルのカルボニルジイミダゾールに、4lのDMFを添加した。反応物を緩やかに105℃まで加熱し、その後この温度で2時間保持した(加熱中はまず初めに全てが溶解し、その後反応物の粘度が上昇し、濃厚になって、最後に再び粘度が低下した)。温度を95℃に下げた後、2.94モルのベンズヒドロールを添加した。熱を全て取り除き、反応物を一夜攪拌した。翌日、2.5倍量の水を添加し、反応物を20分間急速に攪拌して結晶を析出させた。その後溶液を1時間攪拌し、減圧濾過を行って固体生成物を回収し、数倍量の水で洗浄した。続いて回収した生成物を1.8lの沸騰メタノールから再結晶化させた。収量:630g(75%)。
1H−NMR(DMSO−d6)δ=10.9(s,1H), 8.6(s,1H)8.42(s,1H), 7.53-7.23(m,10H), 6.81(s, 1H), 5.1(s,2H),4.2-4.0(q.2H), 1.2-1.1(t,3H)
実施例21
2-[N' 6 -ベンズヒドロールオキシカルボニル(9'-アデニル)]酢酸(XII)の合成
300gの2-[N'6-ベンズヒドロロキシカルボニル(9'-アデニル)]酢酸エチルに、1.5lのエタノールおよび1.5lのアセトニトリルを添加した。この溶液を固体が全て溶解するまで加熱し、1lの水を添加した。続いて反応物を氷浴中で10℃以下まで冷却した。この混合物を激しく攪拌しながら、294gの水酸化リチウムを2.5lの水に溶解して成る溶液を添加した(反応温度は20℃に上昇した)。その後反応物を正確に6分間攪拌し(反応物は透明になり、この時点での温度は25℃であった)、1,346gのクエン酸を3lの水に溶解して成る溶液を一度に添加した。10分攪拌後、種結晶を添加して生成物を析出させた。その後さらに1lの水を添加し、氷浴中で冷却しながら反応物をさらに30分間攪拌した。その後減圧濾過を行って生成物を回収し、水で洗浄した。収量251g(89.5%)。同一条件で反応を繰り返した。収量:257.6g(92%)
1H−NMR(DMSO−d6)δ=11.78(s,1H), 10.90(s,1H), 8.60(s,1H), 8.42(s, 1H), 7.54-7.27(m,10H)6.81(s,1H), 5.07(s,2H)
実施例22
N-[N'-フルオレニルメチルオキシカルボニル-(2'-アミノエチル)グリシンの合成
微粉末状のN-(2'-アミノエチル)-グリシン(50g,0.423モル)を850mlのジクロロメタンおよび50mlのジメチルホルムアミド(DMF)に懸濁した溶液を攪拌しながら、クロロトリメチルシラン(134ml,1.05モル)を添加した。混合物を40分間攪拌し、氷浴中で5℃まで冷却した。その後、混合物に微粉末状の9-フルオレニルメチルスクシンイミジルカルボネート(134g,0.4モル)を添加し、続いてN-メチルモルホリン(186ml, 1.68モル)を30分かけて滴下した。さらに2時間後、100mlのメタノールを添加した。さらに20分後、1lの酢酸エチルを添加した。20分後、懸濁液を濾過し、回収した固体を酢酸エチルで洗浄して、減圧下で部分的に乾燥させた。その後、固体を1.5lの水に懸濁し、1時間高速で攪拌した。残留する白色固体を濾過により回収し、水で洗浄して、1lのメタノールに激しく攪拌しながら懸濁した。濾過を行って生成物を回収し、メタノールで洗浄後、減圧下に乾燥させた。
収量:80.6gのN-[N-フルオレニルメチルオキシカルボニル-(2-アミノエチル)]グリシン(53%)
1H−NMR(CDCl3 w/一滴のTFA): δ=8.3(s,1H)7.9-7.2(m,8H), 6.2-6.0(m,1H), 4.7(s,1H), 4.3(d,1H)4.2(m, 1H), 3.9(m,lH), 3.5(m,2H), 3.3(s,1H), 3.0(m,1H), 2.4(s,1H)
実施例23
N-[N'-フルオレニルメチルオキシカルボニル-(2'-アミノエチル)グリシン塩酸塩の合成
N-[N'-フルオレニルメチルオキシカルボニル-(2'-アミノエチル)グリシン(12g,35.29mmol)を100mlのメタノールに懸濁して成る溶液を冷却・攪拌しながら、アルゴン雰囲気下で7.72mlのチオニルクロライドを添加した。反応物を0℃で15分間攪拌した後、1.5時間還流させた。減圧下に溶媒を除去し、残留物をエタノール/メタノール(9:1)混合物に溶解した。溶液を0℃に冷却し、1時間攪拌した。析出した固体を濾過し、エーテルを用いて十分洗浄後、乾燥させた。12.4g(90%)の所望の生成物を得た。
1H−NMR(DMSO-d6):δ=9.5(s,2H), 7.9-7.2(m,9H), 4.3(d,2H), 4.2(m,1H), 4.0(s,2H), 3.7(s,3H), 3.3[s.2H], 3.0(t,2H)
実施例24
N-[N"-フルオレニルメチルオキシカルボニル-(2"-アミノエチル)]-N-[2-[N' 4 -ベンズヒドロールオキシカルボニル(1'-シトシル)]アセチル]グリシンまたはN-[N"-Fmoc-(2"-アミノエチル)]-N-[2-[N' 4 -Bhoc(1'-シトシル)]アセチル]グシリン(XVIII)の合成
380.2μl(3.08mmol)のピバロイルクロライドに、アルゴン雰囲気下で1.1g(2.94mmol)の2-(N'4-Bhoc-1-シトシル)酢酸および646.5μl(5.88mmol)のNMMを10mlのアセトニトリルに添加した溶液を一滴ずつ添加した。得られた混合物を0℃で20分間攪拌した。分離フラスコ内で1g(2.94mmol)の微粉砕したN-Fmoc-アミノエチルグリシンを10mlのアセトニトリル/水(7:3)混合物に懸濁した。懸濁液を激しく攪拌しながら透明な溶液が得られるまでトリエチルアミンを一滴ずつ添加した。2つの溶液を合わせて、得られた混合物を室温で30分間攪拌した。フラスコを氷浴中に置き、20%クエン酸を用いてpH3まで酸性化した。一夜攪拌後、標題の化合物を濾過によって分離し、水で十分に洗浄した。減圧で乾燥した後、1.84g(89.3%)の白色固体を得た。
1H−NMR(DMSO−d6):δ=10.9(s,1H), 7.9-7.7(m,3H), 7.7(d,2H), 7.5-7.3(m,15H), 6.9(d,lH), 6.8(s,1H), 4.6(s,2H),4.3-4.2(m,3H), 3.7(s,2H), 3.3[s.2H],3.1(m,2H)
実施例25
N-[N"-フルオレニルメチルオキシカルボニル-(2"-アミノエチル)]-N-[2-[1'-チミニル)アセチル]グリシンまたはN-[N"-Fmoc-(2"-アミノエチル)]-N-[2-(1'-チミニル)アセチル]グシリンの合成
190.1μl(1.54mmol)のピバロイルクロライドに、アルゴン雰囲気下で、攪拌しながら270mg(1.47mmol)の2-(1'-チミニル)酢酸および323μl(2.94mmol)のNMMを5mlのアセトニトリルに添加した予め冷却した溶液を滴下した。得られた混合物を0℃で25分間攪拌した。分離フラスコ中で0.5g(1.47mmol)のN-[N'-フルオレニルメチルオキシカルボニル-(2'-アミノエチル)]グリシンを7mlのアセトニトリル/水(4:3)混合物に懸濁し、完全に溶解するまでトリエチルアミンを滴下した。2つの溶液を合わせて、得られた混合物を室温で30分間攪拌した。フラスコを氷浴中に置き、3N塩酸を用いてpH2まで酸性化した。一夜攪拌後、所望のモノマー490mg(65%)を白色固体の状態で得た。
1H−NMR(DMSO-d6):δ=1.7(s,3H), 3.1-3.3(m,4H), 3.9(s,2H), 4.1-4.6(m,5H), 7.2-7.8(m,10H), 11.2(s,1H)
実施例26
N-[N"-フルオレニルメチルオキシカルボニル-(2"-アミノエチル)]-N-[2-[N' 6 -ベンズヒドロールオキシカルボニル(9'-アデニル)]アセチル]グリシンまたはN-[N"-Fmoc-(2"-アミノエチル)]-N-[2-[N' 6 -Bhoc(9'-アデニル)]アセチル]グシリン(XII)の合成
2.32g(5.75mmol)の2-[N'6-Bhoc(9'-アデニル)]酢酸を15mlのアセトニトリルに添加した溶液に、1.3mlのN-メチルモルホリンを室温で一度に添加し、得られた混合物を5分間攪拌した。混合物を0℃に冷却し、アルゴン雰囲気下でピバロイルクロライド(716μl、5.81mmol)を滴下した。反応混合物を20分間攪拌した。分離フラスコ内で2.00g(5.88mmol)の微粉砕N-[N'-フルオレニルメチルオキシカルボニル-(2'-アミノエチル)]グリシンを20mlのアセトニトリル/水(1:1)混合物に懸濁した。懸濁液を激しく攪拌しながら透明な溶液が得られるまでトリエチルアミンを一滴ずつ添加した。2つの溶液を合わせて、得られた混合物を室温で15分間攪拌した。溶液を酢酸エチルで稀釈し、塩水で洗浄した。酢酸エチルを用いて4回水層を抽出(バックエキストラクション)した。有機層を合わせて塩水で1回洗浄し、硫酸マグネシウムを用いて乾燥させ、減圧下に蒸発乾固させた。残留物を最小量のメタノールに溶解させ、生成物を氷水中で析出させた。3.65g(87.5%)の所望のモノマーを得た。粗生成物をジオキサン/エーテル混合物から再結晶化させた。
1H−NMR(DMSO):δ=3.1-3.3(m,4H), 3.9(s,2H)4.2-4.3(m,3H), 5.1(s,2H), 6.8[s.1H],7.2-8.5(m,21H),10.9(s,1H)
実施例27
N-[N"-ブルオレニルメチルオキシカルボニル-(2"-アミノエチル)]-N-[2-[N' 2 -ベンズヒドロールオキシカルボニル(9'-グアニル)]アセチル]グリシンまたはN-[N"-Fmoc-(2"-アミノエチル)]-N-[2-[N' 2 -Bhoc(9'-グアニル)アセチル]グシリン(XIII)の合成
246.5mg(0.588mmol)の2-[N'2-Bhoc(9'-グアニル)酢酸を5mlのアセトニトリル/DMF(3:2)混合物に懸濁し、さらに130μl(1.18mmol)のNMMを添加した。混合物を室温で5分間攪拌した。反応物を0℃に冷却し、アルゴン雰囲気下でピバロイルクロライド(73.8μl、0.6mmol)を滴下した。得られた溶液を0℃で20分間攪拌した。分離フラスコ内で200mg(0.588mmol)のN-[N'-フルオレニルメチルオキシカルボニル-(2'-アミノエチル)]グリシンを5mlのアセトニトリル/水(3:2)混合物に懸濁した。懸濁液を激しく攪拌しながら透明な溶液が得られるまでトリエチルアミンを滴下した。2つの溶液を合わせて、室温で10分間攪拌した。20%のクエン酸を用いて混合物をpH4に酸性化した。減圧して溶媒を留去し、残留物を最小量のメタノールに溶解した。メタノール溶液を氷水に激しく攪拌しながら滴下した。320mg(73.4%)の所望のモノマーを得た。
1H−NMR:δ=3.1-3.5(m,4H), 3.9-5.0(m,7H), 6.8[s.1H], 7.2-7.9(m,21H), 11.2(s,lH),
実施例28
メチル N-[N"-Fmoc-(2"-アミノエチル)-N-[2-[N' 2 -Bhoc(9'-グアニル)]アセチル]グリシネート(IX)
1.07g(2.56mmol)の(N-2-Bhoc-9-グアニル)酢酸を10mlのアセトニトリル/DMF(1:1)混合物に添加した溶液に844μl(7.68mmol)のNMMを添加した。溶液を0℃に冷却し、アルゴン雰囲気下でピバロイルクロライド(331μl,2.68mmol)を滴下した。反応混合物を0℃で25分間攪拌し、1g(2.56mmol)のメチルN-[N'-フルオレニルメチルオキシカルボニル-(2'-アミノエチル)]グリシネートを一度に添加した。得られた混合物を室温で一夜攪拌した。一夜攪拌後、白色固体が沈澱し、これを濾過し、アセトニトリル/水(1:2)混合物を用いて洗浄後に乾燥させた。目的とするモノマーのメチルエステル1.25g(64.7%)を得た。
1H−NMR:δ=3.1-3.3(m,4H), 3.7-5.1(m,7H), 6.8(s.1H), 7.2-7.8(m,19H), 11.2(s,1H), 11.6(s,1H)
実施例29
N-[N"-Fmoc-(2"-アミノエチル)]-N-[2-[N' 2 -Bhoc(9'-グアニル)]アセチル]グリシン(VIII)
メチルN-[N"-Fmoc-(2"-アミノエチル)]-N-[2-[N'2-Bhoc(9'-グアニル)]アセチル]グリシネート(1.19g,1.57mmol)を10mlのアセトニトリル/水(8:2)に懸濁して成る溶液を冷却・攪拌しながら6.3mlの2.4N水酸化リチウムを一度に添加した。混合物を0℃で正確に5分間攪拌し、20%クエン酸を用いて中和した後、炭酸水素ナトリウム飽和溶液を用いてpHを8とした。115mgのFmoc-スクシンイミドを一度に添加し、反応混合物を室温で30分間攪拌した。溶液をエーテルで2回抽出後、20%クエン酸を用いて水層のpHを3とした。酢酸エチルを用いて溶液を数回抽出し、有機層を合わせて塩水で洗浄、硫酸マグネシウムを用いて乾燥後、減圧下に蒸発乾固させた。残留物をエーテルで磨砕した。所望のモノマー758mg(65%)が白色固体状態で単離された。1HNMRは直接カップリング法で得られたサンプルと同一であった。
実施例30
メチル N-[N"-Fmoc-(2"-アミノエチル)]-N-[2-[N' 6 -Bhoc(9'-アデニル)]アセチル]グリシネート(XIV)
2g(4.96mmol)の2-[N'6-Bhoc(9'-アデニル)]酢酸を10mlのアセトニトリル/DMF(1:1)に添加して成る溶液に、1.64ml(14.88mmol)のNMMを添加した。溶液を0℃に冷却し、ピバロイルクロライド(672μl,5.45ml)をアルゴン雰囲気下に滴下した。反応混合物を0℃で25分間攪拌した。2.27g(4.85mmol)のFmoc-アミノエチルグリシンメチルエステルTFA塩を一度に添加し、得られた混合物を室温で3時間攪拌した。その後,反応混合物を100mlの氷水中に徐々に添加した。白色固体が析出し、これを濾過して乾燥させた。所望のモノマーのメチルエステル3.5g(96.5%)を得た。
1H−NMR:δ=3.1-3.3(m,4H), 3.6(s,3H), 3.7-5.3(m,7H), 6.8[s,1H], 7.2-8.5(m.21H), 10.8(s,1H)
実施例31
N-[N"-Fmoc-(2"-アミノエチル)]-N-[2-[N' 6 -Bhoc(9'-アデニル)]アセチル]グリシン(XIII)
メチル N-[N"-Fmoc-(2"-アミノエチル)]-N-[2-[N'6-Bhoc(9'-アデニル)]アセチル]グリシネート(2g、2.7mmol)を15mlのアセトン/水(10:5)に懸濁した溶液を予め冷却し、攪拌しながら、11mlの2.5 N水酸化リチウムを一度に添加した。得られた混合物を0℃で7分間攪拌し、20%のクエン酸を用いて中和後、炭酸水素ナトリウム飽和溶液を用いてpHを8とした。200mgのFmoc-スクシンイミドを一度に添加し、反応混合物を室温で1.5時間攪拌した。溶液をエーテルで3回抽出後、20%クエン酸を用いて水層のpHを3とした。酢酸エチルを用いて溶液を数回抽出し、有機層を合わせて塩水で洗浄、硫酸マグネシウムを用いて乾燥後、減圧下に蒸発乾固させた。残留物をエーテルで磨砕し、緩やかに温めた。濾過、乾燥後、標題の化合物である灰色かかった白色固体1.5g(77%)を得た。1HNMRは直接カップリング法で得られたサンプルと同一であった。
実施例32
メチル N-[N"-Fmoc-(2"-アミノエチル)]-N-[2-[N' 4 -Bhoc(1'-シトシル)]アセチル]グリシネート(XIX)
4g(10.5mmol)の2-[N'4-Bhoc(1'-シトシル)]酢酸を30mlのアセトニトリル/DMF(1:1)混合物に添加した溶液に3.5ml(31.6mmol)のNMMを添加した。溶液を0℃に冷却し、ピバロイルクロライド(1.44ml,11.6mmol)をアルゴン雰囲気下に滴下した。反応混合物を0℃で22分間攪拌した。4.44g(9.48mmol)のFmoc-アミノエチルグリシンメチルエステルTFA塩を一度に添加し、得られた混合物を室温で一夜攪拌した。析出した白色結晶を濾過し、温めたアセトニトリルを用いて十分に洗浄後、乾燥させた。所望のモノマーのメチルエステル6.4g(84.8%)が単離された。
1H−NMR:δ=3.1-3.3(m,4H), 3.6(s,3H), 3.7-4.8(m,7H), 6.7[s,1H], 6.8-7.9(m.21H), 10.9(s,1H)
[]内の1H−NMRデータは、そのピークがその他のプロトンソースに重なっていることを示す。
実施例33
N-[N"-Fmoc-(2"-アミノエチル)]-N-[2-[N' 4 -Bhoc(1'-シトシル)]アセチル]グリシン(XVII)
メチル N-[N"-Fmoc-(2"-アミノエチル)]-N-[2-[N'4-Bhoc(1'-シトシル)]アセチル]グリシネート(3g、4.19mmol)を45mlのアセトニトリル/アセトン/水(1:1:1)混合物に懸濁した溶液を予め冷却し、攪拌しながら、16.7mlの2.5N水酸化リチウムを一度に添加した。得られた混合物を0℃で10分間攪拌し、20%のクエン酸を用いて中和後、炭酸水素ナトリウム飽和溶液を用いてpHを8とした。300mgのFmoc-スクシンイミドを一度に添加し、反応混合物を室温で2時間攪拌した。フラスコを氷浴中に置き、20%クエン酸を用いてpHを3とした。0℃で30分間攪拌後、沈澱した白色固体を濾過し、乾燥させた。残留物をアセトニトリルに懸濁して加熱した。所望の生成物1.8g(61.4%)を得た。1HNMRは直接カップリング法で得られたサンプルと同一であった。
実施例34
2[N' 4 tert-ブトキシカルボニル(1'-シトシル)]酢酸エチルの合成
3g(15.22mmol)の2-(1'-シトシル)酢酸エチルおよび2.96g(18.25mmol)の1,1'-カルボニルジイミダゾールを50mlのDMF中で室温で2時間攪拌した。続いてtert-ブチルアルコール(7ml,73.19mmol)を一度に添加し、得られた混合物を80℃で2時間加熱した。減圧下に溶媒を留去し、残留物をアセトニトリルに懸濁して、再び溶媒を留去した。得られた褐色のオイルは100mlのアセトニトリルに溶解し、それ以上の精製を行わず直接次の段階に使用した。
実施例35
2[N' 4 tert-ブトキシカルボニル(1'-シトシル)]酢酸の合成
上記反応より得られた未精製エステルを、30mlの水酸化リチウム(2.5N)で加水分解した。混合物を室温で10分間攪拌したところ、エステルが完全に消失したことがTLCによって示された。続いて20%クエン酸を用いて溶液を酸性化し、混合物を一夜攪拌した。溶液を濾過し、酢酸エチルを用いて濾液を抽出した。有機層を合わせて濃縮し、室温で一夜放置した。所望の生成物が1g単離された。
1H−NMR(d6DMSO):δ=7.98(d,1H), 6.97(d,1H), 4.47(s,2H),1.44(s,9H)
実施例36
N-[N"-フルオレニルメチルオキシカルボニル-(2"-アミノエチル)]-N-[2-[N' 4 tert-ブトキシカルボニル(1'-シトシル)]アセチル]グリシンの合成
2-[N'4-tert-ブトキシカルボニル-1-シトシル)酢酸(0.5g、1.85mmol)およびN-メチルモルホリン(406、3.7mmol)を7mlのアセトニトリルに添加した混合物を予め冷却し、これに233μl(1.88mmol)のピバロイルクロライドを滴下した。得られた混合物を0℃で20分間攪拌した。分離フラスコ内で、0.6g(1.76mmol)の微粉砕したN-Fmoc-アミノエチルグリシンを10mlのアセトニトリル/水(1:1)混合物に懸濁した。懸濁液を激しく攪拌しながら透明な溶液が得られるまでトリエチルアミンを滴下した。2つの溶液を合わせ、得られた混合物を室温で20分間攪拌した。フラスコを氷浴中に置き、20%クエン酸を用いてpHを3とした。生成物を酢酸エチルで抽出し、酢酸エチルを合わせて塩水で1回洗浄した。酢酸エチルを留去し、残留物をメタノールに溶解させて、再び溶媒を減圧下に留去した。最後に生成物を4mlのメタノールに取り、氷冷の水(〜100ml)に滴下した。灰色かかった白色の固体が析出し、これを濾過、乾燥させた。所望のモノマー825mg(79.3%)を得た。
1H−NMR(d6DMSO):δ=10.3(bs,1H), 7.89-7.78(m,3H), 7.68(d,2H), 7.43-7.27(m,4H),6.97-6.92(dd,1H), 4.79(bs,4/3H), 4.60(bs,2/3H), 4.34(m,4H),3.98(bs.2H), 3.39[m,4H], 1.44(s,9H)
実施例37
Fmoc/Bhoc保護モノマーを用いたPNAオリゴマーの固相合成
下記合成サイクルに従ってFmoc-Pal-Peg-PS(パーセプティブバイオシステムズP/N GEN 913383:100mg、0.17mmol/g添加)でH-CAG GAG TCG CAT gly-NH2配列を手動で合成した。全ての反応および樹脂洗浄はガラスバイヤル内で行った。合成樹脂の入ったバイヤルに試薬および洗浄溶液を入れて反応させた。所定の時間経過後、減圧濾過によってフリットガラスを通して溶液を除去した。
合成サイクル
1) DMFを用いて調製した20%ピペリジンを用いて10分間保護解除を行う。
2) DMFを用いて3回洗浄後、ジクロロメタン(DCM)を用いて2回洗浄する。
3) 3当量の適当なモノマー(DMFを用いて0.1Mに調製したもの)とカップリングさせる。3当量のO-7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)および3当量のジイソプロピルエチルアミン(DIEA)を添加して活性化を開始させる。活性化された混合物を素早く樹脂に添加し、30分間カップリングさせる。
4) DMFを用いて3回洗浄後、ジクロロメタン(DCM)で2回洗浄する。
カップリングを行う度にニンヒドリン(Kaiser)反応を行って各段階をモニタリングした。最初のアデニン(pos.3)の場合のみ第2のカップリングが必要であった。最後のFmoc基はオリゴマー上に保持され、このオリゴマーを樹脂から開裂させて分析した。Bhoc保護基の除去と樹脂からの開裂はTFA/m-cresol(4:1)で90分間処理することによって同時に行われた。開裂はUltrafree装置(Millipore P/N SE3P230J3)を用いて行った。開裂終了後、遠心分離で樹脂を回収し、TFA/m-cresolに2倍量のジエチルエーテルを添加して未精製のPNAオリゴマーを単離した。ジエチルエーテルを用いて未精製のPNAオリゴマーを2回洗浄した。標準的な条件の下で粗生成物をHPLC(260nm)分析したところ、純度は83%と示された。主たる不純物はアデニンの欠失であった(3.8%)(図6参照)。マトリックスMALDI−TOF(Matrix Assisted Laser Desorption-Time of Flight)質量分析装置で求めた生成物の質量は3571.3(amu:atomic mass unit)であった。質量の計算値は3573.1amuであり、結果は機器精度の0.1%の範囲内である。
Claims (47)
- 下記(a)〜(e)の段階からなるカーバメート保護された核酸塩基側鎖部分の合成方法:
(a)以下の式からなる群より選択される式を有する部分的に保護された核酸塩基化合物を形成し、
(b)該部分的に保護された核酸塩基化合物の環外アミノ基を電子親和性を有するカルボニル含有化合物と反応させて、
からなる群より選択される式を有するイソシアネート置換された部分的に保護された核酸塩基化合物を合成し
(c)該イソシアネート置換された部分的に保護された核酸塩基化合物をR 2 −OHを有するアルコールと反応させて、以下の式からなる群より選択される式を有する完全に保護された核酸塩基化合物を合成し、
(d)該完全に保護された核酸塩基化合物を金属アルコキシドまたは金属水酸化物と反応させて、カーバメート保護された核酸塩基側鎖部分の金属塩を合成し、この金属塩は主鎖カルボン酸官能基を有し、
(e)該主鎖カルボン酸官能基または複素環N−原子のプロトン付加に適した条件で、酸を用いて該金属塩を中和して、以下の式からなる群より選択される式を有する核酸塩基側鎖部分を得る
ここで、R1は、メチル、エチル、2,2,2−トリクロロエチル、2−(トリメチルシリル)−エチル、2−(フェニルチオ)−エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、アリル、1−イソプロピルアリル、シンナミル、4−ニトロシンナミル、および以下の式:
を有するベンジル基またはその誘導体からなる群より選択され、
ここで、a〜eの各々で表される原子または基は同一であっても異なっていてもよく、F、Cl、Br、I、水素、メチル、エチル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、フェニル、メトキシ、エトキシ、−NO2、−SO3H、−CN、−SCH3および−(O)SCH3からなる群より独立して選択され、
g〜hの各々で表される原子または基は同一であっても異なっていてもよく、水素およびメチルからなる群より独立して選択され、
R2は、メチル、エチル、2,2,2−トリクロロエチル、2−(トリメチルシリル)−エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、アリル、1−イソプロピルアリル、シンナミル、4−ニトロシンナミル基、ベンジル基またはその誘導体、ジフェニルメタン基またはその誘導体、R5S(CH2)2−基、および置換エチルからなる群より選択され、
ここで、該ベンジル基またはその誘導体は、式:
を有し、ここで、a〜eの各々で表される原子または基は、同一でも異なっていてもよく、F、Cl、Br、I、水素、メチル、エチル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、フェニル、メトキシ、エトキシ、−NO2、−SO3H、−CN、−SCH3および−(O)SCH3からなる群より独立して選択され、
g〜hの各々で表される原子または基は同一であっても異なっていてもよく、水素およびメチル基からなる群より独立して選択され、
該ジフェニルメタン基またはその誘導体は、式:
を有し、ここで、A1〜A10はそれぞれF、Cl、Br、I、水素、メチル、エチル、メトキシおよびエトキシからなる群より独立して選択され、
R4は、水素、メチルおよびエチルからなる群より選択され、
該R5S(CH2)2−基において、R5は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチルおよびフェニル基またはその誘導体からなる群より選択され、
ここで、該フェニル基またはその誘導体は、式:
で表される基であって、ここで、i〜mの各々で表される原子または基は互いに同一であっても異なっていてもよく、F、Cl、Br、I、水素、メチル、エチル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、フェニル、メトキシ、エトキシ、−NO2、−SO3H、−CN、−SCH3および−(O)SCH3からなる群より独立して選択され、
該置換エチル基は、式:
を有し、ここで、
Wは、シアノ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、フェニル、p−ニトロフェニル、o−ニトロフェニル、およびp−アルキルスルホニルフェニルから選択され;そしてR6、R7およびR8は、同じであっても異なってもよく、そして水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチルおよびt−ブチルから独立して選択される。 - 前記部分的に保護された核酸塩基化合物が、2−(1’−シトシル)酢酸エチル、2−(1’−シトシル)酢酸メチル、2−(9’−アデニル)酢酸エチルおよび2−(9’−アデニル)酢酸メチルからなる群の中から選択される請求項1に記載の方法。
- 前記電子親和性を有するカルボニル含有化合物が、カルボニルジイミダゾール、ジ−N−スクシンイミジルカルボネートおよびホスゲンからなる群の中から選択される請求項2に記載の方法。
- 前記金属水酸化物が水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび水酸化セシウムからなる群の中から選択される第1群遷移金属の水酸化物塩である請求項2に記載の方法。
- 前記アルコールがメタノール、エタノール、2,2,2−トリクロロエタノール、2−(トリメチルシリル)−エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、t−ブタノールおよびアリルアルコール誘導体で構成される群から選択される請求項1に記載の方法。
- 前記アリルアルコール誘導体がアリルアルコール、1−イソプロピルアリルアルコール、シンナミルアルコールおよび4−ニトロシンナミルアルコールで構成される群から選択される請求項5に記載の方法。
- 下記段階(a)と(b)とを含む、カーバメート保護された核酸塩基側鎖部分とアミノ保護されたアミノ酸N−(2−アミノエチル)−グリシン主鎖とからPNAシントンを合成する方法:
(a)請求項1に記載の方法で該カーバメート保護された核酸塩基側鎖部分を合成し、
(b)該カーバメート保護された核酸塩基側鎖部分を該アミノ保護されたアミノ酸N−(2−アミノエチル)−グリシン主鎖にカップリングさせる。 - 前記アミノ保護されたアミノ酸N−(2−アミノエチル)−グリシン主鎖がアルキルエステルを有し、さらに下記段階(c)を含む請求項15に記載の方法:
(c)該アルキルエステルを加水分解して遊離のカルボン酸を生成させる。 - 前記カップリングが下記段階(a)と(b)とを含む請求項15に記載の方法:
(a)前記カーバメート保護された核酸塩基側鎖部分の混合無水物を調製し、
(b)該混合無水物を前記アミノ保護されたアミノ酸N−(2−アミノエチル)−グリシン主鎖と反応させてPNAシントンを合成する。 - 前記カップリングがさらに下記段階(a)〜(c)を含む請求項17に記載の方法:
(a)前記アミノ保護されたアミノ酸N−(2−アミノエチル)−グリシン主鎖に一時的に保護されたカルボン酸を形成し、
(b)該一時的に保護されたカルボン酸を前記混合無水物と反応させて、一時的に保護されたカルボン酸基を有する一時的に保護されたPNAシントンを合成し、さらに
(c)該一時的に保護されたPNAシントンの一時的に保護されたカルボン酸基の脱保護を行ってPNAシントンを合成する。 - 前記アミノ保護されたアミノ酸N−(2−アミノエチル)−グリシン主鎖が下記式で表される化合物である請求項15に記載の方法:
ここで、
Pgは、アルキルオキシカルボニル基、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基、1−メチル−1−(4−ビフェニル)−エチルオキシカルボニル基、1−メチル−1−フェニル−エチルオキシカルボニル基、トリフェニルメチル基、4−メトキシトリフェニルメチル基、および4,4’−ジメトキシ−トリフェニルメチル基、4,4’−ジメチルベンズヒドロキシカルボニル基で構成される群から選択される保護基であり、
R3は、水素もしくはメチル、エチル、およびアリル基で構成される群から選択されるアルキル基である。 - 前記アミノ保護されたアミノ酸N−(2−アミノエチル)−グリシン主鎖が、N1−(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)−N4−(2−アミノエチル)−グリシン、N1−(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)−N4−(2−アミノエチル)−グリシンメチルエステルおよびN1−(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)−N4−(2−アミノエチル)−グリシンエチルエステルで構成される群から選択される保護されたアミノ酸である請求項15に記載の方法。
- 前記PNAシントンまたはPNAシントンエステルが下記式からなる群より選択される式で表される請求項15に記載の方法:
ここで、
Pgは、アルキルオキシカルボニル基、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基、1−メチル−1−(4−ビフェニル)−エチルオキシカルボニル基、1−メチル−1−フェニル−エチルオキシカルボニル基、トリフェニルメチル基、4−メトキシトリフェニルメチル基、および4,4’−ジメトキシ−トリフェニルメチル基で構成される群から選択される保護基であり、
R2は、メチル、エチル、2,2,2−トリクロロエチル、2−(トリメチルシリル)−エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、アリル、1−イソプロピルアリル、シンナミル、4−ニトロシンナミル基、ベンジル基またはその誘導体、ジフェニルメタン基またはその誘導体、およびR5S(CH2)2−基で構成される群から選択され、
ここで、該ベンジル基またはその誘導体は、式:
を有し、ここで、a〜eのそれぞれで表される原子または基は、同一でも異なっていてもよく、独立に、F、Cl、Br、I、水素、メチル、エチル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、フェニル、メトキシ、エトキシ、−NO2、−SO3H、−CN、−SCH3および−(O)SCH3で構成される群から選択され、
g〜hのそれぞれ表される原子または基は同一であっても異なっていてもよく、独立に、水素およびメチルで構成される群から選択され、
該ジフェニルメタン基またはその誘導体は、式:
を有し、ここで、A1〜A10はそれぞれ独立にF、Cl、Br、I、水素、メチル、エチル、メトキシおよびエトキシで構成される群から選択され、
R4は、水素、メチルおよびエチルで構成される群から選択され、
該R5S(CH2)2−基において、R5は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチルおよびフェニル基またはその誘導体で構成される群から選択され、
ここで、該フェニル基は、式:
で表される基であって、ここで、i〜mのそれぞれで表される原子または基は互いに同一であっても異なっていてもよく、独立にF、Cl、Br、I、水素、メチル、エチル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、フェニル、メトキシ、エトキシ、−NO2、−SO3H、−CN、−SCH3および−(O)SCH3で構成される群から選択され、
R3は水素もしくはメチル基およびエチル基で構成される群から選択されるアルキル基である。 - R2で表される基とPgで表される基によってオルソゴナルに保護された請求項21に記載のPNAシントン。
- 下記段階を含む核酸ポリマー合成方法:
(a)請求項20に記載の方法で少なくとも1つのPNAシントンを合成し、
(b)請求項20の方法で合成したPNAシントンをPNAオリゴマーに組み込む。 - 前記PNAオリゴマーが固体担体に結合されている請求項27に記載の方法。
- 前記PNAオリゴマーが側鎖保護基を有する核酸塩基を含む請求項28に記載の方法。
- さらに前記側鎖保護基を除去する段階を含む請求項29に記載の方法。
- 以下の式を有する化合物:
ここで、
Xは、ハロゲン原子であり;
R1は、水素、メチル、エチル、2,2,2−トリクロロエチル、2−(トリメチルシリル)−エチル、2−(フェニルチオ)−エチル、2−(メチルチオ)−エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、アリル、1−イソプロピルアリル、シンナミル、4−ニトロシンナミル、ベンジルおよび以下の式:
を有する置換ベンジルから選択され、
ここで、
a〜eの各々は、同一であっても異なっていてもよく、X(ハロゲン)、水素、メチル、エチル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、フェニル、メトキシ、エトキシ、−NO2、−SO3H、−CN、−SCH3および−S(O)CH3から独立して選択され;そしてg〜hの各々は、同一であっても異なっていてもよく、水素およびメチルから独立して選択され、
R2は、メチル、エチル、2,2,2−トリクロロエチル、2−(トリメチルシリル)−エチル、2−(フェニルチオ)−エチル、2−(メチルチオ)−エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、アリル、1−イソプロピルアリル、シンナミル、4−ニトロシンナミル、ベンジル、置換ベンジル、置換エチル基、ジフェニルメチル基およびチオエーテル基から選択され、
ここで、該置換ベンジルは、式:
を有し、ここで、
a〜eの各々は、同一であっても異なっていてもよく、X(ハロゲン)、水素、メチル、エチル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、フェニル、メトキシ、エトキシ、−NO2、−SO3H、−CN、−SCH3および−S(O)CH3から独立して選択され;そしてg〜hの各々は、同一であっても異なっていてもよく、水素およびメチルから独立して選択され、
該置換エチル基は、式:
を有し、ここで、
Wは、シアノ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、フェニル、p−ニトロフェニル、o−ニトロフェニル、およびp−アルキルスルホニルフェニルから選択され;そしてR6、R7およびR8は、同じであっても異なってもよく、そして水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチルおよびt−ブチルから独立して選択され、
該ジフェニルメチル基は、式:
を有し、ここで、
A1〜A10の各々は、水素、F、Cl、Br、I、メチル、エチル、メトキシおよびエトキシから独立して選択され、そしてR4は、水素、メチルおよびエチルから選択され、
該チオエーテル基は、式:
を有し、ここで、
R5は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、および以下の式:
を有するフェニル基から選択され、
ここで、i〜mの各々は、同一であっても異なっていてもよく、水素、F、Cl、Br、I、メチル、エチル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、フェニル、メトキシ、エトキシ、−NO2、−SO3H、−CN、−SCH3および−S(O)CH3から独立して選択される。 - 以下の式を有する化合物:
ここで、
R2は、メチル、エチル、2,2,2−トリクロロエチル、2−(トリメチルシリル)−エチル、2−(フェニルチオ)−エチル、2−(メチルチオ)−エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、アリル、1−イソプロピルアリル、シンナミル、4−ニトロシンナミル、ベンジル、置換エチル基、ジフェニルメチル基およびチオエーテル基から選択され、
ここで、該置換エチル基は、式:
を有し、ここで、
Wは、シアノ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、フェニル、p−ニトロフェニル、o−ニトロフェニル、およびp−アルキルスルホニルフェニルから選択され;そしてR6、R7およびR8は、同じであっても異なってもよく、そして水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチルおよびt−ブチルから独立して選択され、
該ジフェニルメチル基は、式:
を有し、ここで、
A1〜A10の各々は、水素、F、Cl、Br、I、メチル、エチル、メトキシおよびエトキシから独立して選択され、そしてR4は、水素、メチルおよびエチルから選択され、
該チオエーテル基は、式:
を有し、ここで、
R5は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、および以下の式:
を有するフェニル基から選択され、
ここで、i〜mの各々は、同一であっても異なっていてもよく、水素、F、Cl、Br、I、メチル、エチル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、フェニル、メトキシ、エトキシ、−NO2、−SO3H、−CN、−SCH3および−S(O)CH3から独立して選択される。 - 以下の式を有する化合物:
ここで、
Pgは、tert−ブチルオキシカルボニル基(t−BOC)、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基(Fmoc)、1−メチル−1−(4−ビフェニル)−エチルオキシカルボニル基、1−メチル−1−フェニル−エチルオキシカルボニル基、トリフェニルメチル基、4−メトキシ−トリフェニルメチル基、および4,4’−ジメトキシ−トリフェニルメチル基から選択される保護基であり;
R2は、メチル、エチル、2,2,2−トリクロロエチル、2−(トリメチルシリル)−エチル、2−(フェニルチオ)−エチル、2−(メチルチオ)−エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、アリル、1−イソプロピルアリル、シンナミル、4−ニトロシンナミル、ジフェニルメチル基、チオエーテル基および置換エチル基から選択され、
ここで、該ジフェニルメチル基は、式:
を有し、ここで、
A1〜A10の各々は、水素、F、Cl、Br、I、メチル、エチル、メトキシおよびエトキシから独立して選択され、そしてR4は、水素、メチルおよびエチルから選択され、
該チオエーテル基は、式:
を有し、ここで、
R5は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、および以下の式:
を有するフェニル基から選択され、
ここで、i〜mの各々は、同一であっても異なっていてもよく、水素、F、Cl、Br、I、メチル、エチル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、フェニル、メトキシ、エトキシ、−NO2、−SO3H、−CN、−SCH3および−S(O)CH3から独立して選択され、
該置換エチル基は、式:
を有し、ここで、
Wは、シアノ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、フェニル、p−ニトロフェニル、o−ニトロフェニル、およびp−アルキルスルホニルフェニルから選択され;そしてR6、R7およびR8は、同じであっても異なってもよく、そして水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチルおよびt−ブチルから独立して選択され、
R3は、水素、メチルおよびエチルから選択される。 - 以下の式を有する化合物:
ここで、
R1は、水素、メチル、エチル、2,2,2−トリクロロエチル、2−(トリメチルシリル)−エチル、2−(フェニルチオ)−エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、アリル、1−イソプロピルアリル、シンナミル、4−ニトロシンナミル、ベンジルおよび以下の式:
を有する置換ベンジルから選択され、
ここで、
a〜eの各々は、同一であっても異なっていてもよく、X(ハロゲン)、水素、メチル、エチル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、フェニル、メトキシ、エトキシ、−NO2、−SO3H、−CN、−SCH3および−S(O)CH3から独立して選択され;そしてg〜hの各々は、同一であっても異なっていてもよく、水素およびメチルから独立して選択され、
R2は、メチル、エチル、2,2,2−トリクロロエチル、2−(トリメチルシリル)−エチル、2−(フェニルチオ)−エチル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、アリル、1−イソプロピルアリル、シンナミル、4−ニトロシンナミル、ジフェニルメチル基、チオエーテル基および置換エチル基から選択され、
ここで、該ジフェニルメチル基は、式:
を有し、ここで、
A1〜A10の各々は、水素、F、Cl、Br、I、メチル、エチル、メトキシおよびエトキシから独立して選択され、そしてR4は、水素、メチルおよびエチルから選択され、
該チオエーテル基は、式:
を有し、ここで、
R5は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、および以下の式:
を有するフェニル基から選択され、
ここで、i〜mの各々は、同一であっても異なっていてもよく、水素、F、Cl、Br、I、メチル、エチル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、フェニル、メトキシ、エトキシ、−NO2、−SO3H、−CN、−SCH3および−S(O)CH3から独立して選択され、
該置換エチル基は、式:
を有し、ここで、
Wは、シアノ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、フェニル、p−ニトロフェニル、o−ニトロフェニル、およびp−アルキルスルホニルフェニルから選択され;そしてR6、R7およびR8は、同じであっても異なってもよく、そして水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチルおよびt−ブチルから独立して選択される。 - 以下の式を有する化合物:
ここで、
Pgは、tert−ブチルオキシカルボニル基(t−BOC)、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基(Fmoc)、1−メチル−1−(4−ビフェニル)−エチルオキシカルボニル基、1−メチル−1−フェニル−エチルオキシカルボニル基、トリフェニルメチル基、4−メトキシ−トリフェニルメチル基、および4,4’−ジメトキシ−トリフェニルメチル基から選択される保護基であり;
R2は、メチル、エチル、2,2,2−トリクロロエチル、2−(トリメチルシリル)−エチル、2−(フェニルチオ)−エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、アリル、1−イソプロピルアリル、シンナミル、4−ニトロシンナミル、ジフェニルメチル基、チオエーテル基および置換エチル基から選択され、
ここで、該ジフェニルメチル基は、式:
を有し、ここで、
A1〜A10の各々は、水素、F、Cl、Br、I、メチル、エチル、メトキシおよびエトキシから独立して選択され、そしてR4は、水素、メチルおよびエチルから選択され、
該チオエーテル基は、式:
を有し、ここで、
R5は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、および以下の式:
を有するフェニル基から選択され、
ここで、i〜mの各々は、同一であっても異なっていてもよく、水素、F、Cl、Br、I、メチル、エチル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、フェニル、メトキシ、エトキシ、−NO2、−SO3H、−CN、−SCH3および−S(O)CH3から独立して選択され、
該置換エチル基は、式:
を有し、ここで、
Wは、シアノ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、フェニル、p−ニトロフェニル、o−ニトロフェニル、およびp−アルキルスルホニルフェニルから選択され;そしてR6、R7およびR8は、同じであっても異なってもよく、そして水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチルおよびt−ブチルから独立して選択され、そして
R3は、水素、メチルおよびエチルから選択される。 - 以下の式を有する化合物:
ここで、
R1は、水素、メチル、エチル、2,2,2−トリクロロエチル、2−(トリメチルシリル)−エチル、2−(フェニルチオ)−エチル、2−(メチルチオ)−エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、アリル、1−イソプロピルアリル、シンナミル、4−ニトロシンナミル、ベンジルおよび以下の式:
を有する置換ベンジルから選択され、
ここで、
a〜eの各々は、同一であっても異なっていてもよく、水素、ハロゲン、メチル、エチル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、フェニル、メトキシ、エトキシ、−NO2、−SO3H、−CN、−SCH3および−S(O)CH3から独立して選択され;そしてg〜hの各々は、同一であっても異なっていてもよく、水素およびメチルから独立して選択され、
R2は、メチル、エチル、2,2,2−トリクロロエチル、2−(トリメチルシリル)−エチル、2−(フェニルチオ)−エチル、2−(メチルチオ)−エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、アリル、1−イソプロピルアリル、シンナミル、4−ニトロシンナミル、置換エチル基、ジフェニルメチル基およびチオエーテル基から選択され、
ここで、該置換エチル基は、式:
を有し、ここで、
Wは、シアノ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、フェニル、p−ニトロフェニル、o−ニトロフェニル、およびp−アルキルスルホニルフェニルから選択され;そしてR6、R7およびR8は、同じであっても異なってもよく、そして水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチルおよびt−ブチルから独立して選択され、
該ジフェニルメチル基は、式:
を有し、ここで、
A1〜A10の各々は、水素、F、Cl、Br、I、メチル、エチル、メトキシおよびエトキシから独立して選択され、そしてR4は、水素、メチルおよびエチルから選択され、
該チオエーテル基は、式:
を有し、ここで、
R5は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、および以下の式:
を有するフェニル基から選択され、
ここで、i〜mの各々は、同一であっても異なっていてもよく、水素、F、Cl、Br、I、メチル、エチル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、フェニル、メトキシ、エトキシ、−NO2、−SO3H、−CN、−SCH3および−S(O)CH3から独立して選択される。 - 以下の式を有する化合物:
ここで、
Pgは、tert−ブチルオキシカルボニル基(t−BOC)、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基(Fmoc)、1−メチル−1−(4−ビフェニル)−エチルオキシカルボニル基、1−メチル−1−フェニル−エチルオキシカルボニル基、トリフェニルメチル基、4−メトキシ−トリフェニルメチル基、および4,4’−ジメトキシ−トリフェニルメチル基から選択される保護基であり;
R2は、メチル、エチル、2,2,2−トリクロロエチル、2−(トリメチルシリル)−エチル、2−(フェニルチオ)−エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、アリル、1−イソプロピルアリル、シンナミル、4−ニトロシンナミル、ジフェニルメチル基、チオエーテル基および置換エチル基から選択され、
ここで、該ジフェニルメチル基は、式:
を有し、ここで、
A1〜A10の各々は、水素、F、Cl、Br、I、メチル、エチル、メトキシおよびエトキシから独立して選択され、そしてR4は、水素、メチルおよびエチルから選択され、
該チオエーテル基は、式:
を有し、ここで、
R5は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、および以下の式:
を有するフェニル基から選択され、
ここで、i〜mの各々は、同一であっても異なっていてもよく、水素、F、Cl、Br、I、メチル、エチル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、フェニル、メトキシ、エトキシ、−NO2、−SO3H、−CN、−SCH3および−S(O)CH3から独立して選択され、
該置換エチル基は、式:
を有し、ここで、
Wは、シアノ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、フェニル、p−ニトロフェニル、o−ニトロフェニル、およびp−アルキルスルホニルフェニルから選択され;そしてR6、R7およびR8は、同じであっても異なってもよく、そして水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチルおよびt−ブチルから独立して選択され、そして
R3は、水素、メチルおよびエチルから選択される。
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