JP2001518054A - Pna−dnaキメラと、このキメラ合成用のpnaシントン - Google Patents

Pna−dnaキメラと、このキメラ合成用のpnaシントン

Info

Publication number
JP2001518054A
JP2001518054A JP50078097A JP50078097A JP2001518054A JP 2001518054 A JP2001518054 A JP 2001518054A JP 50078097 A JP50078097 A JP 50078097A JP 50078097 A JP50078097 A JP 50078097A JP 2001518054 A JP2001518054 A JP 2001518054A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
protecting group
represented
pna
amino
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Ceased
Application number
JP50078097A
Other languages
English (en)
Inventor
ギルディア,ブライアン,ディー.
コール,ジェイムス,エム.
Original Assignee
パーセプティブ バイオシステムズ,インコーポレーテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by パーセプティブ バイオシステムズ,インコーポレーテッド filed Critical パーセプティブ バイオシステムズ,インコーポレーテッド
Publication of JP2001518054A publication Critical patent/JP2001518054A/ja
Ceased legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D239/00Heterocyclic compounds containing 1,3-diazine or hydrogenated 1,3-diazine rings
    • C07D239/02Heterocyclic compounds containing 1,3-diazine or hydrogenated 1,3-diazine rings not condensed with other rings
    • C07D239/24Heterocyclic compounds containing 1,3-diazine or hydrogenated 1,3-diazine rings not condensed with other rings having three or more double bonds between ring members or between ring members and non-ring members
    • C07D239/28Heterocyclic compounds containing 1,3-diazine or hydrogenated 1,3-diazine rings not condensed with other rings having three or more double bonds between ring members or between ring members and non-ring members with hetero atoms or with carbon atoms having three bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen, directly attached to ring carbon atoms
    • C07D239/46Two or more oxygen, sulphur or nitrogen atoms
    • C07D239/47One nitrogen atom and one oxygen or sulfur atom, e.g. cytosine
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D473/00Heterocyclic compounds containing purine ring systems
    • C07D473/02Heterocyclic compounds containing purine ring systems with oxygen, sulphur, or nitrogen atoms directly attached in positions 2 and 6
    • C07D473/18Heterocyclic compounds containing purine ring systems with oxygen, sulphur, or nitrogen atoms directly attached in positions 2 and 6 one oxygen and one nitrogen atom, e.g. guanine
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D473/00Heterocyclic compounds containing purine ring systems
    • C07D473/26Heterocyclic compounds containing purine ring systems with an oxygen, sulphur, or nitrogen atom directly attached in position 2 or 6, but not in both
    • C07D473/32Nitrogen atom
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D473/00Heterocyclic compounds containing purine ring systems
    • C07D473/40Heterocyclic compounds containing purine ring systems with halogen atoms or perhalogeno-alkyl radicals directly attached in position 2 or 6
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07HSUGARS; DERIVATIVES THEREOF; NUCLEOSIDES; NUCLEOTIDES; NUCLEIC ACIDS
    • C07H21/00Compounds containing two or more mononucleotide units having separate phosphate or polyphosphate groups linked by saccharide radicals of nucleoside groups, e.g. nucleic acids
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/001Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof by chemical synthesis
    • C07K14/003Peptide-nucleic acids (PNAs)
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

Abstract

(57)【要約】 DNA合成用試薬および機器に合った新規なPNAシントンの製造方法。本発明のPNAシントンは各種オリゴマー、特にPNA−DNAキメラを調製する上で好適である。このPNAシントンはオルソゴナルな保護方法で保護されるように構成され、緩やかな条件下で保護基の除去が行える。一般に、酸に対して不安定な保護が施された主鎖を核酸塩基側鎖部分に連結させてPNAシントンを作る。さらに、酸に対して不安定な保護が施された主鎖の合成方法と、対象となる新規組成とが開示される。

Description

【発明の詳細な説明】 PNA−DNAキメラと、 このキメラ合成用のPNAシントン発明の背景 1.発明の分野 本発明はペプチド核酸(Peptide Nucleic Acid:PNA)合成に関するものであり、 特に、PNA−DNAキメラの合成および保護基解除に適したPNAシントン(s ynthons)に関するものである。 2.背景となる特許に関する説明 ペプチド核酸(PNA)は、DNA発現の配列特異的な制御と遺伝子をターゲ ットとする医薬の調製における有望な候補となる合成ポリアミドである(欧州特 許出願第EP92/01219号および92/01220号を参照。これらの内容は参考として本明 細書の一部を成す)。 PNAはペプチドに似た主鎖を有し、この主鎖にDNAの核酸塩基が結合した バイオポリマーハイブリッドである。特に、PNAはアミノ酸のN-(2-アミノエ チル)-グリシンの繰り返し単位に核酸塩基のアデニン、シトシン、グアニン、チ ミンおよびウレシルがメチレンカルボニル基を介して結合した合成ポリアミドで ある。これら以外の天然または非天然の核酸塩基、例えばプソイドイソシトシン 、5-メチルシトシン、プソイドウラ シル、イソシトシン、ヒポキサンチンおよび2,6-ジアミノプリン、その他無数の 核酸塩基もPNAシントンに組み込むことができる(図8参照)。 現在、PNAはt-Boc/ベンジル保護方法を用いて保護されたモノマー(PNA シントン)からルーチンワークで合成されている。これは伸長中のポリマーの主 鎖を構成するアミノ基をt-ブチロキシカルボニル(t-Boc)基で保護し、核酸塩基 の環外アミノ基が存在する場合にはこれをベンジルオキシカルボニル(ベンジル )基で保護する方法である。t-Boc/ベンジル保護方法によって保護されたPNA シントンは現在市販されているが、上記の保護基を外すには非常に厳しい酸性条 件が要求されるため使い易いものではない。 t-Boc/ベンジル保護方法では側鎖の核酸塩基を保護しているベンジル基を外す ために非常に強い酸を必要とし、通常はPNAオリゴマーをフッ化水素酸または トリフルオロメタン硫酸に一定時間、大低は1時間以上曝して側鎖を保護してい るベンジル基を除去する。最後の保護解除のためのこの過酷な酸処理によってし ばしば酸に弱い部分、特に核酸と核酸オリゴマーに結合している可能性のある炭 水化物が分解していまう。さらに、フッ化水素酸やトリフルオロメタンスルホン 酸等の有害な酸を使用するため、作業者の安全上の問題とオートメーション機器 ・ラインの腐食問題の点から、この方法を商業的に使用することはできない。ま た、強酸性の保護解除条件によって少なくとも部分的に核酸が分解されるため上 記のような厳しい酸性条件は核酸合成には適していない。 さらに、t-Boc/ベンジル保護方法はオルソゴナルでなくディ ファレンシャルな方法である。ディファレンシャルな方法とは各保護基はほぼ同 じ種類の試薬または条件で除去されが、それぞれの基は相対的に異なる反応速度 で除去されるような基の保護システムと定義される。例えば、t-Boc/ベンジル保 護方法では各保護基とも酸に対して不安定であるが、効果的な除去をするにはベ ンジル基の方がより強い酸を必要とする。酸に対して不安定なt-Boc保護基を酸 を用いて完全に除去した時には、それと同時にベンジル基が一定割合で除去され る危険性がある。特に、t-Boc保護基は合成サイクルの初期において主鎖のアミ ノ基から外す必要がある。それによって次のモノマーが主鎖のフリーのアミノ部 位に結合してポリマー鎖が伸長できるようになる。t-Bocによってアミノ基が保 護された主鎖の保護を解除するにはトリフルオロ酢酸等の強酸を用いる必要があ る。この保護解除と、それに続くPNAオリゴマー構築では、核酸塩基側鎖の保 護基すなわちベンジル基が除去されることは好ましくない。しかし、トリフルオ ロ酢酸は強過ぎるため、側鎖のベンジル基の一部を保護解除されてしまい、それ によってポリマーが分岐し、所望生成物の全収率を低下させることになる。 一方、オルソゴナルな方法では、各保護基を互いに排他的な条件で除去する。 例えば、一つの保護基は酸で除去し、別の保護基は塩基で除去する。ブレイポー ル(Breipohl)達は、9-フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)を主鎖の保護 基として使用し、トリフェニルメチル(トリチル)基を側鎖の核酸塩基の保護基 として使用するオルソゴナルな方法で保護されたPNAシントンについて報告し ている(Breipohl達、1st AustralianPeptide ConferenCe,Great Barrier R eef,Australia ,October 16-21,1994)。しかし、この方法は標準的な核酸合成方法には適して いない。 クリステンセン(Christensen)達は、強酸を用いてL-Bocアミノ主鎖保護基を除 去し、続いて9-フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)すなわち塩基に対し て不安定な保護基を用いて再び保護するというオルソゴナルなな方法で保護され たPNAシントンを報告している(Christensen達、“Innovation and Perspecti ves in Solid Phase Synthesis and Complementary Technologies-Biological a nd Biomedical Applications,”3rd SPS Oxford Symposia 1994)。この保護方 法では側鎖の核酸塩基の環外アミノ基が早く保護解除される可能性は無くなるが 、このモノマーの調製に追加のステップが必要になる。さらに、側鎖保護基であ るベンジルの除去には依然としてフッ化水素酸またはトリルフオロメタン硫酸等 の強酸が必要である。 現在、核酸(DNAおよびRNA)は自動化された機械と多数の合成担体およ び各種保護化学反応とを用いてルーチンワークで合成されている。以下の米国特 許は広範囲の各種担体と保護化学反応とをカバーしており、参考として本明細書 の一部を成す。米国特許第5,262,530号、第4,415,732号、第4,458,066号、第4,7 25,677号(RE 34,069)および第4,923,901号。 自動機器および試薬は、パーセプティブバイオシステムズ社(PerSeptive Bios ystems)、パーキンエルマー社(Perkin Elmer,Applied Biosystems Division)、 ファルマシア社(Pharmacia)から市販されている。スミス(Smith)達、Nucleic Acids Res.(1985)13:2399と、スプロート(Sproat)達、Nucleic AcidsRes.(1987) 15:6181は特殊な5'-アミノシントンを報告して いる。スプロート(Sproat)達は、Nucleic Acids Res.(1987)15:4837で特殊な5 '-チオシントンを報告している。上記参考文献に記載の試薬は標準的なDNA合 成機器での使用に適している。 商業的に好ましい核酸合成方法では、米国特許第4,725,677号(RE 34,069)に記 載のような上記試薬および方法が用いられる。従って、好ましいシントンは主鎖 の5’水酸基には酸に対して不安定な保護基を有し、核酸塩基の環外アミノ基に 塩基に対して不安定なアシル型の保護基を有するβ−シアノエチルホスホラミダ イト(phosphoramidites)である。 酸に対して不安定な好ましい主鎖の保護基は4,4'-ジメトキシトリフェニルメ チル(DMT)である。このDMTは通常、各合成サイクルで1〜4%のジクロ ロ酢酸またはトリクロロ酢酸を含むジクロロメタン溶液を用いてかなり迅速に( 1〜3分で)除去できるという理由で選択される。しかし、DMTよりも酸に対 するより不安定な保護基は、酸触媒を用いたカップリング反応(テトラゾールが 一般的な酸性種)時に時期尚早に保護解除される恐れがある。DMTよりも酸に 対する不安定性が低い保護基では、完全に除去するにはより長い反応時間および /またはより厳しい反応条件が必要になる。一般に、核酸塩基であるプリンは特 に酸によって分解し易いため、より厳しい酸性保護解除条件は用いられない。上 記の保護基および合成条件に伴う問題は個々の合成サイクルでは最小であっても 、累積効果によってオリゴヌクレオチド合成全体ではかなりの不純物が生じる危 険性があり、オリゴヌクレオチドが長くなるにつれてその純度が低下する傾向に ある。 一般には塩基に対して不安定な保護基を用いて核酸塩基の環外アミノ基を保護 して、オルソゴナルな方法で保護された核酸シントンを得ている。塩基に対して 不安定な保護基は通常伸長中の核酸鎖の一部として残り、それらは合成された核 酸が合成担体から解離する時に同時に除去される。この『保護解除および解離ス テップ』には濃縮した水酸化アンモニウム溶液が利用されることが多い。 ケスター達は塩基に対して不安定なアシル型保護基を用いているが、核酸塩基 の保護基を完全に除去するには通常高温(約55℃)で6〜24時間処理する必要が ある。同じ条件でより短時間(約15〜60分)に除去可能な他の保護基も開発され ている。これらの改良された保護基の例としてはフェノキシアセチル、t-ブチル フェノキシアセチルおよびアミンジン型の保護基がある。これらの保護基は塩基 に対する不安定性が高く、通常は除去に要する時間のみが短縮される。 上記説明から分かるように、各種の核酸オリゴマー構築に適したPNAシント ンは現在のDNA合成法に合ったもので、既存の技術と機器が使用できるもので なければならない。特に、主鎖の保護のために酸に対して適度な不安定性を有す る保護基を組み込み、核酸塩基保護のために塩基に対して適度な不安定性を有す る保護基を組み込んだ構成のPNAシントンにする必要がある。このような条件 を満たすPNAシントンを合成することができれば、種々の核酸の組み合わせを ルーチンワークで合成でき、結果的にはこうした複雑な分子に関する科学的研究 が進むことになる。 PNAシントン合成における現在の別の制約は側鎖の核酸塩 基の保護基をいかに形成するかにある。一般に、核酸塩基、例えばシトシン、ア デニンおよびグアニンの環外アミノ基は活性化されたカーボネートまたはクロロ ホルメートとの反応を介してカーバメートとして保護される。カーバメートを生 成するこの方法には欠点がある。すなわち、多くのクロロホルメートは不安定で あり、また、求核性がそれ程強くない核酸塩基の環外アミノ基に対してクロロホ ルメートの反応性は余り良くない。 核酸塩基に対して使用される他のカーバメート生成方法にはアシル化剤としてイ ミダゾライドおよびアルキルイミダゾリウム塩を使用するものが含まれる(Watk ins達、J.Orgl Chem.,(1982)47;4471-77と、Watkins達、J.Am.Chem.Soc., 1982,104:5702-08参照)。イミダゾライドおよびアルキル化イミダゾライドは カーバメート生成に関するいくつかの問題点を克服するように思えるが、核酸塩 基に対してそれらが広く使用されているという報告は聞かない。最近、PNAシ ントンの側鎖核酸塩基の環外アミノ基を保護するための保護基として4-メトキシ -トリフェニルメチル(MMT)基が提案された(Breipohl達、1st Australian Pep tide Conference,Great Barrier Reef,Australia,October 16-21,1994)。し かし、MMT基はカーバメート保護基ではない。 上記の問題に加えて、選択的に保護されたグアニンPNAシントンの合成はわ かりにくいものである。報告されているグアニンPNAシントンはO−6−ベン ジルエーテルとして保護されているが、環外2-アミノ基のベンジルも保護する( 欧州特許出願第92/01219号および国際特許出願PCT/US92/10921号参照)。 C6カルボニル基(エノール型)の相対的反応性と、より反 応性の高い環外2-アミノ基のことを考えると、PNA合成の際にC6カルボニル 基を保護しなければならない理由は存在せず、より反応性の高い2-アミノ基を保 護する方が好ましい。ヘテロサイクルの環外2-アミノ基に選択的なベンジル保護 (あるいはその他のカーバメート保護)を有するグアニジンPNAシントンを合 成する方法は知られていない。 DNA合成では核酸塩基であるシトシン、アデニンおよびグアニンの環外アミ ノ基を保護するためにベンジルオキシカルボニル基が使用されている(Watkins 達、J.Org.Chem.,(1982)47:4471-77と、Watkins達、J.Am.Chem.Soc.,(19 82)104:5702-08参照)。しかし、グアニンシントンの調製は困難であった。その 理由はグアニンの環外2-アミノ基がベンジル基を導入するためにルーチンで使用 される試薬、例えばベンジルクロロホルメート、ベンジルオキシカルボニルイミ ダゾライドおよびN-アルキル化ベンジルオキシカルボニルイミダゾール等に対し て反応性がないためである。その結果、フェニルクロロチオホルメートを用いた 処理によってC6カルボニル基と環外2-アミノ基とを両方同時に保護する従来と は異なるマルチステップ法が報告された。その後、付加生成物をカーバメート保 護されたグアニン化合物へ変換し、つづいてC6カルボニル保護基を除去する。 しかし、この間接的方法は、元の付加生成物からカーバメート保護基を生成し、 その後にC6カルボニル基を保護解除しなければならず、面倒である。 適切に保護された2-アミノ-6-クロロプリンの誘導体は6-クロロ基を求核性酸 素で置換することによってグアニン化合物に変換することができる(Robins達、 J.Am.Chem.Soc.(1965) 87:4934、Reese達、Nucl.Acids Res.,(1981)9:4611およびHodge達、J.Org.C hem.,(1990)56:1553参照)。実際、報告されているグアニンPNAシントンの 製造法で用いられている出発材料は適切に保護された2-アミノ-6-クロロプリン である(欧州特許出願第92/01219号および国際特許出願PCT/US/92/10912号参照 )。 PNAの発明者達は環外2-アミノ基が保護されておらず、C6カルボニル基が ベンジルエーテルとして保護されているグアニンシントンを報告している(欧州 特許出願第92/01219号参照)。しかし、より反応性の高い2-アミノ基が他のPN Aモノマーの活性化されたカルボン酸基(少なくとも末端において)と反応して 合成ポリマーに分岐を生じさせる可能性があり、反対に、C6カルボニル基を保 護しなかった場合に存在するエノールは、ポリマーに分岐を生じさせるほどの反 応性を持たず、従って保護の必要はないので、この保護方法は驚くべきものであ る。結果的に、グアニンの環外2-アミノ基を保護することが不可能なため、発明 者達は他のPNAシントンについて彼らが採用したt-Boc/benzyl保護法と矛盾す る方法を選択している。 さらに最近の特許出願では、グアニンPNAシントンは環外2-アミノ基のベン ジル保護と、ベンジルエーテルとして保護されたC6カルボニル基との両方を有 している(国際特許出願第PCT/US 92/10921号参照)。既にに述べたように、敢 えてグアニンPNAシントンのC6カルボニル基を保護する合理性は存在しない が、C6カルボニル基を保護することによってグアニン複素環の環外2-アミノ基 を選択的にイオン化することが可能 になり、それによってイオン化した2-アミノ基と一般的なベンジル保護試薬(例 えばベンジルオキシカルボニルイミダゾール)との反応が促進される。それでも 、環外2-アミノ基の保護が核酸塩基のC6カルボニル基が保護されたグアニン誘 導体で起こり、生成したシントンは環外2-アミノ基とC6カルボニル基との双方 が保護されている。従って、環外2-アミノ基を選択的にカーバメート保護し且つ C6カルボニルは保護されないグアニンPNAシントンを、高収率で合成する都 合の良い方法は報告されていない。 固相ペプチド合成法はPNAオリゴマーの合成に適用可能であるが、しばしば 、DNA合成、従ってPNA−DNAキメラ合成にとっても望ましくない過酷な 反応条件の使用が要求される。上記のt-Boc/benzyl保護スキームでは大抵の場合 、最後の側鎖保護解除と、固体担体からのPNA分子の開放とが無水フッ化水素 酸(HF)(Sakakibara達、Bull.Chem.Soc.Jpn.,1965,38,4921)、ボロントリス (トリフルオロ酢酸)(Pless達、Herv.Chim.Acta,1973,46,1609)およびトリフ ルオロメタンスルホン酸やメタンスルホン酸等のスルホン酸(Yajima達、J.Che m.,Soc.,Chem.Comm.,1974,107)を用いて行れる。この従来の強酸(例えば 無水HF)による保護解除法は非常に反応性の高いカルボカチオンを発生させ、 このカルボカチオンがPNA鎖中の感受性残基のアルキル化またはアシル化を引 き起こす可能性がある。このような副反応はアニソール、フェノール、ジメチル スルフィドおよびメルカプトエタノール等の捕捉剤を用いて部分的に防止できる に過ぎない。従って、スルフィドに補助された酸分解によるSN2の保護解除方 法(Tam達、 J.Am.Chem.Soc.,1983,105,6442と、J.Am.Chem.Soc.,1986,108,5242 )すなわち有害なカルボカチオンの前駆体を除去して不活性なスルホニウム塩を 生成させるいわゆる『ロー』法が、ペプチドおよびPNA合成で単独または『ハ イ』法と組み合わせてしばしば用いられる。それほど頻度は高くないが、特殊な 場合に保護解除および/または最終的なPNA−固体担体結合の開裂に用いられ る他の方法には、例えば塩基触媒を用いたアルコール分解(Barton達、J.Am.C hem.Soc.,1973,95,4501)、アンモニア分解、ヒドラジン分解(Bodanszky達 、Chem.Ind.,1964,1423)、水素分解(Jones,Tetrahedron Lett.,1977,285 3およびSchlatter達、Tetrahedron Lett.,1977,2861)および光分解(Rich an d Gurwara,J.Am.Chem.Soc.,1975,97,1575)がある。 固相ペプチド合成の合成サイクルにおいてはほとんどの操作が同一である(固 相PNAの場合もそうである)という認識に基づいて、多数のペプチド製造を容 易にするための新規なマトリクスPEPSが最近開発されている(Berg達、J.A m.Chem.Soc.,1989,111.8024および国際特許公表第WO90/02749号)。このマ トリクスはポリエチレン(PE)フィルムとペンダントした長鎖のポリスチレン (PS)グラフトとで構成される(分子量は106程度)。フィルムの負荷容量は ビーズ状マトリクスと同程度であるが、PEPSは多重合成を同時に起こすのに 適したフレキシビリティを有している。 多数のペプチドの同時合成用に提案されている別の2つの方法を多数の異なる PNA分子の製造に適合することもできる。その第1の方法(Geysen達、Proc. Natl.Acad.Sci.USA. 1984,81,3998)では伸長中のペプチド鎖を固定し、合成を区画に分けて行うた めに、アクリル酸をグラフトしたポリエチレンロッドと96-マイクロタイタのウ ェルとを使用する。この方法は非常に効果的であるが、マイクログラムスケール でしか使用できない。第2の方法では従来から用いられているポリマービーズを 入れた『ティーバッグ』を用いる(Houghten,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,1984 ,82,5131)。多重ペプチドまたはPNA合成に関するその他の提案には密度の 異なる2種類の担体を同時に使用する方法(Tregear,Chemistry and Biology of Peptides,J.Meienhofer,ed.,Ann Arbor Sci.,Publ.,Ann Arbor,1972,p p.175-178)、マニホルドを介して反応容器を連結する方法(Gordman,Anal.Bioc hem.,1984,136,397)、多重カラム固相合成法(例、Krehnak達、J.Peptide P rotein Res.,1989,33,209、Holm & Meldal,Proceedings of the 20th Europ ean Peptide Symposium,G.Jung and E.Bayer,eds.,Walter de Gruyter & C o.,Berlin,1989,pp208-210)やセルロースペーパーの使用(Eichler達、Colle ct.Crzch.Chem.Commun.,1989,54,1746)がある。 固相PNA合成では架橋スチレン/ジビニルベンゼン共重合体マトリクスと、 PEPS担体が好ましいとされている。適当な固体担体の非限定的な例としては 次のものを挙げることができ、これらはPNA合成にも適している: (1)既知量のN-t-ブトキシカルボニル−β−アラニルN'-アクリロイルヘキサメチ レンジアミンを含む、N,N'−ビスアクリロイルエチレンジアミンと架橋したジメ チルアクリルアミド共重合体をベースにした粒子。通常はβアラニル基を 介して数種類のスペーサー分子が付き、それにアミノ酸残基部分が続く。さらに 、樹脂ビーズを製造するための重合中にβアラニルを含有するモノマーをアクリ ロイルサルコシンモノマーで置換できる。重合後、ビーズをエチレンジアミンと 反応させて、共有結合した官能基として第1級アミンを含む樹脂の粒子を製造す る。ポリアクリルアミドベースの担体は、ポリスチレンベースの担体に比べて相 対的に親水性が高く、通常、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセタミド、N-メ チルピロリドン等の極性非プロトン性溶媒と一緒に使用される(Atberton達、J .Am.Chem.Soc.,1975,97,6584,Bioorg.Chem.1979,8,351と、J.C.S.Pe rkin I 538(1981)参照)。 (2)シリカ含有粒子、例えば多孔性ガラスビーズおよびシリカゲル等をベースと する第2の固体担体群。その1つの例としてはウォーターズアソシエイツ社(Wat ers Associates Fremingham,MA,USA)からポラシルE(PORASILE)登録商標) として市販のトリクロロ-[3-(4-クロロメチル)フェニル]プロピルシランと多孔 性ガラスビーズとの反応生成物を挙げることができる(Parr & Grohmann,Angew ,Chem.Internal.Ed.1972,11,314参照)。同様に1,4-ジヒドロキシメチルベ ンゼンとシリカのモノエステル(ウォーターズアソシエイツよりバイオパック( BIOPAK、登録商標)で市販)が有効であると報告されている(Bayer & Jung,Te trahedron Lett.,1970,4503参照)。 (3)3番目の首効な一般的固体担体は基本的に2成分すなわち樹脂と、使用する 有機合成反応条件で実質的に不活性な他 の1つの材料とからなる複合材とよぶことができる。この担体として好ましいも のは米国特許第5,235,028号に記載されている(この特許は参考として本明細書の 一部を成す)。 その一例である複合材(Scott達、J.Chrom.Sci.,1971,9,577参照)は反 応性のクロロメチル基を含む疎水性の架橋スチレンポリマーで被覆されたガラス 粒子を用いたものでノースゲートラボラトリーズ(Northgate Laboratories,Inc .,Hamden,CT,USA)から供給されている。例として挙げられるもう1つの複合 材はフッ素化エチレンポリマーのコアを有し、その上にポリスチレンがグラフト したものである(Kent and Merrifield,Israel J.Chem.1978,17,243および van Rietschoten,Peptides 1974,Y.Wolman.Ed.,Wiley and Sons.New York ,1975,pp.113-116参照)(4)PEPS以外の連続固体担体。例えば綿シート( Lebl and Eichler,Peptide Res.1989,2,232)やヒドロキシプロピルアクリ レートで被覆したポリプロピレン膜(Daniels達、Tetrahedron Lett.,1989,434 5)。 現在、PNA合成では固相法が好ましいとされているが、その他の方法および その組み合わせ、例えば、固相法との組み合わせも適当である: (1)PNA化合物の大量生産を考えた場合には、逐次延長法またはセグメント/ フラグメント縮合法のいずれかによる従来の溶液相のペプチド合成法が特に適し ている(例えば、Bodanszky,Principles of Peptide Synthesis,Springer Ver lag,Berlin-New York 1984)。 (2)直鎖ポリスチレン(Shemyakin達、Tetrahedron Lett., 1966,2323)やポリエチレングリコール(PEG)(Mutter and Bayer,Angew.Ch em.Int.Ed.Engl.,1974,13,88)等の可溶性ポリマー担体を用いるいわゆる 『液相』法は有用である。 (3)多種多様な分子量の”多分散”ペプチドまたはPNA分子の混合物が得られ るランダム重合(Odian,Principles of Polymerization,McGraw-Hill,New Yo rk(1970)参考)は抗ウィルス効果のスクリーニング等の目的に特に適している。 (4)ポリマー但持アミノ酸活性エステルを用いる方法(『逆Merrifield合成』また は『ポリマー試薬合成』ともよばれる)(Fri-dkin達、J.Am.Chem.Soc.,1965 ,87,4646)では、中間生成物の単離・精製という利点が得られ、従って中間の サイズを有し且つ必要に応じて保護されたPNA分子を合成する上で特に適当な 方法を提供する。このPNA分子はより大きなPNA分子を得るためのフラグメ ント縮合で使用できる。 (5)PNA分子はプロテアーゼまたはその誘導体のような酵素によって新規特異 性(例えば蛋白工学等の人工的な手段によって得られたもの)と組み合わせるこ とができ、さらに多数のPNA断片を非常に大きなPNA分子へ縮合するための 『PNAリガーゼ』の開発も考えられる。 (6)抗体は実質的に任意の対象分子にジェルネート(gernate)できるので、レルナ ー(Tramantano)達のグループ(Science,1986,234,1566)およびシュルツ(Polla ck)達のグループ(Science,1986,234,1570)によって同時に見出された最 近開発された触媒抗体(アブザイム)もPNA分子構築のための有力な候補と見 なされるべきである。アシルトランスファー反応を触媒するアブザイムの製造に おいては多大な成功を収めている(Shokat達、Nature,1989,338,269およびそ の中の参考文献参照)。 最後に、スチュワートのグループによって開発されたばかりの完全に人工的な 酵素(Haln達、Science,1990 248,1544)をPNA合成に合うように開発するこ ともできる。天然に存在するペプチド構成アミノ酸(蛋白質を生成するアミノ酸 )が20種類であるのに対してPNA分子は大抵の場合4種類の異なるアミノ酸( 4種類の天然の核酸塩基それぞれに対して1つずつ)のみで構成されるので、一 般に適用可能な特異的カップリング反応を仲介できる酵素、リガーゼおよび触媒 抗体は『通常の』ペプチド合成よりもPNA合成でより容易に達成されるはずで ある。結論として、特定のPNA分子合成については単一の方法が完全に好適と いうことはなく、従って、時には複数の方法を組み合わせることによって最良の 結果が得られる。発明の要約 本発明の目的は、DNA合成試薬および機器に適し、PNA−DNAキメラの 合成に適した便利で高収率な新規PNAシントン合成経路を提供することにある 。 本発明の別の目的は、PNA−DNAキメラを提供することにある。 本発明のさらに別の目的は、PNAシントンの構築で使用される酸に対して不 安定な保護基によって保護されたアミノ主鎖を得るための新規合成経路を提供す ることにある。 本発明は、PNA−DNAキメラの合成に適した新規PNAを便利且つ高収率 で得る方法に関するものである。以下、本発明をPNA−DNAキメラを対象に して説明するが、PNA−RNAキメラおよび他の組み合わせも本発明のPNA シントンならびに方法を用いて同様に製造可能である。PNA−DNAキメラは 少なくとも1つのPNA部分と少なくとも1つのDNA部分とで構成れるオリゴ マーである。PNA−DNAキメラの合成に適したPNAシントンはDNA合成 に適合したオルソゴナルな保護すなわち主鎖の反応基には酸に対して不安定な保 護を与え、側鎖の核酸塩基の反応基には塩基に対して不安定な保護を与えるのが 好ましい。さらに、PNAシントンはDNAを分解させるような過酷な化学的条 件の使用を避けるために、DNA合成において用いられる保護基と類似の不安定 性を有する保護基を有するのが好ましい。本明細書の一部では、PNAシントン 合成で使用される酸に対して不安定な保護が施されたアミノ酸主鎖の合成を取り 上げて新規合成経路を説明する。 本発明の上記以外の特徴および利点は、以下の説明および図面と、請求項から 明らかとなり、本発明を実施することによって理解されよう。 本発明方法では下記一般式で表されるPNA−DNAキメラが合成される: KLQMN KおよびNは、化学結合、例えば共有結合を表し、 Qはリンカーまたは化学結合を表し、 LおよびMの一方は下記式で表されるヌクレオチド部分であ る: Gで表される原子または基は第2級窒素原子、アルキル置換基を有する第3級 窒素原子、酸素原子または硫黄原子である。 Bで表される基は保護されまたは保護されていない天然または非天然の核酸塩 基である。 Dで表される原子または基は水素原子、水酸基、メトキシ基または保護基によ って保護された水酸基である。 LおよびMのうちの一方は下記式で表されるPNA部分である: GおよびBで表される基は上記定義のものを表す。 R7で表される原子または基は水素原子または保護されまたはされていない天 然のαアミノ酸の側鎖である。 j、gおよびhは互いに独立に0または1〜5の整数を表し、それぞれ同一で も異なっていてもよい。 上記PNA−DNAキメラは通常は下記式で表されるヌクレオチド部分: と、下記式で表されるPNA部分とで構成される: 〔ここで、 G、B、D、R7、j、gおよびhは上記定義のものを表し、 PnおよびPaで表される原子または基は水素原子または保護基で、Pnまた はPaの一方は水素原子を表し。 R6で表される基はオリゴマー合成終了後に除去可能な保護基であり、 単位L1は残基または化学結合であり、 単位L2は水酸基、残基または化学結合であり、 R6は下記式で表される基であるのが好ましい: (ここで、 V1〜V3は互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立に水素、メチル またはエチル基から選択されれ、 Wで表される基は電子吸引基で、好ましい電子吸引基にはシアノ基、アルキル スルホニル基、アリールスルホニル基、フェニル基および置換フェニル基、例え ばp−ニトロフェニル基、 o−ニトロフェニル基およびp−アルキルスルホニルフェニル基を含むが、これ らに限定的されるものではない)〕 単位L1はハロゲン、CN、SCNまたは下記式で表される第2級アミノ基で あるのが好ましい: −NR89 (ここで、R8およびR9は互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立に 1〜10個の炭素原子を有する第1級、第2級または第3級アルキル基から選択さ れるか、一緒になって5〜7個の炭素原子を有するシクロアルキル基(ヘテロ原 子として1〜2つの窒素原子、酸素原子または硫黄原子を含むことができる)を 形成することもできる。 単位L2は、残基の場合には、活性エステル、その他の残基、例えばイミダゾ ール、トリアゾール、テトラゾール、3-ニトロ-1,2,4-トリアゾール、チアゾー ル、ピロール、ベンゾトリアゾール、ベンゾヒドロキシトリアゾールにすること がでる。これらのシクロアルキル基はフェニルで置換されたイミジダゾール、フ ェニルで置換されたトリアゾール、フェニルで置換されたテトラゾール、フェニ ルで置換された3-ニトロ-1,2,4-トリアゾール、フェニルで置換されたチアゾー ル、フェニルで置換されたピロール、フェニルで置換されたベンゾトリアゾール 、またはフェニルフェニルで置換されたベンゾヒドロキシトリアゾールを含む。 Bで表される核酸塩基の例を図8に示す。好ましい核酸塩基には、アデニン、 シトシン、グアニン、チミン、ウラシル、プソイドイソシトシン、5-メチルシト シン、ヒポキサンチン、イソシトシン、プソイドウラシルおよび2,6-ジアミノプ リンが含 まれる。一般に、核酸塩基は環外アミノ基を有し、この環外アミノ基は核酸オリ ゴマー合成中に除去可能な保護基によって保護される(これら保護された核酸塩 基はBのサブセットで、独立にBaで表される)。一般的なDNAのオルソゴナ ルな合成方法では、環外アミノ基は塩基に対して不安定な保護基で保護される。 塩基に対して不安定な保護基は下記式で表されるエトキシカルボニル基のよう な塩基に対して不安定なカーバメートを含むことができる: Wで表される基は電子吸引基である。 R2〜R4で表される原子または基は互いに同一でも異なっていてもよく、互い に独立に水素、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル,n-ブチルまたはt- ブチルから選択される。 好ましい電子吸引基には(限定的でなく)シアノ基、アルキルスルホニル基、 アリールスルホニル基、フェニル基および置換基を有するフェニル基、例えばp −ニトロフェニル基、o−ニトロフェニル基およびp−アルキルスルホニルフェ ニル基が含まれる。 大抵の場合、オリゴマー鎖の一端が固体担体に固定された状態で合成されるの で、オリゴマー鎖中のヌクレオチドまたはPNA部分の数は所望のシーケンスが 達成されるまで1つずつ延 長される。主鎖保護基を有する次のヌクレオチドまたはPNA部分が、延長中の 鎖に付加された1つ前の部分にカップリングされる。本発明方法では、オルソゴ ナル法で主鎖の保護基は酸に対して不安定な保護基であり、核酸塩基は塩基に対 して不安定な保護基で保護される。従って、本発明の場合には、参照記号Kは一 か所のみで反応が可能になるように主鎖保護基を備えた次のヌクレオチドまたは PNA部分に上記の核酸オリゴマーを連結する共有結合を表すことができる。 キメラの合成はQが共有結合かPNAとヌクレオチド部分とを連結するための リンカーかによって変わる。リンカーを使用する場合には、先ず最初にリンカー を末端のPNAまたはヌクレオチド部分に連結し、その後、典型的なカップリン グサイクルを行う。リンカーはより安定な連結を与えるために使用でき、また、 キメラのハイブリダイゼーション特性を最適化するためのスペーサーを提供し、 キメラに特殊な性質、例えば反転極性などを与えたり、単に利便性のために使用 することができる。 リンカーを使用するか否かに係わらず、キメラの組み立てには保護解除ステッ プの合成サイクルが含まれ、その後にカップリングステップが続く。ヌクレオチ ド部分が含まれる場合にはさらに、必要なステップとしてリン原子の酸化がサイ クルに含まれる。さらに、ヌクレオチド部分をヘテロ原子に連結する場合には、 生成する窒素−リン結合は酸に対して感受性であるので、窒素ヘテロ原子を避け るのが好ましい。リンカーは通常容易にアクセス可能な官能基と第2の保護され た反応基とを有するので、一般に同じ合成サイクルが使用される。しかし、DN Aおよびポリペプチド類似部分の操作方法は多数知られており、 上記に概略を述べた合成サイクルに固執せずに、それら公知方法でオリゴマーに 特定の反応基を導入するのが好ましい。 一般に、Qが共有結合である場合には、合成サイクルでL1またはL2が共有結 合であるPNAまたはヌクレオチド部分を与え、PaまたはPn保護基を除去し てヘテロ原子G上に水素原子を発生させ、上記で除去された保護基とは別のPn またはPa保護基を有するPNAまたはヌクレオチド部分を与え、この部分を、 L1またはL2が共有結合であるPNAまたはヌクレオチド部分の保護解除された ヘテロ原子Gに連結させる。 一方、Qがリンカーである場合には、合成サイクルでL1またはL2が共有結合 であるPNAまたはヌクレオチド部分が与えら、PaまたはPn保護基を除去し てヘテロ原子G上に水素原子を発生させ、ヘテロ原子Gとの反応によって反応性 ヘテロ原子を含むリンカーを発生させ、上記で除去した保護基とは別のPnまた はPa保護基を有するPNAまたはヌクレオチド部分を与え、この部分をリンカ ーのヘテロ原子に連結する。 通常、合成終了後に所望のオリゴマーが得られた時点で、全ての保護基を除去 する。すなわち、PnまたはPaのいずれか水素でない方が除去され、核酸塩基 の塩基に対して不安定な保護基が除去される。オリゴマーが固体担体を用いて合 成された場合には、さらに固体担体からのオリゴマーの開裂(解離)が行われる 。固相合成が好ましいので、本発明はさらに、担体に結合したPNA−DNAキ メラに関するものである。 本発明のPNA−DNAキメラは検出可能な部分を含むことができる。検出可 能な部分の例としては、以下に限定されないが、酵素、抗原、放射性標識、親和 性標識、蛍光標識、紫外線 標識、赤外線およびスピン標識などがある。 本発明の別の観点は下記の式で表されるPNAシントンにある: ここで、 G、R7、j、gおよびhは上記定義のものを表し、 Pgで表される基は酸に対して不安定な保護基である。Baで表される基は塩 基に対して不安定な保護基で保護された環外アミノ基を有する天然または非天然 の核酸塩基であり、 Baの例(非限定的)としては、アデニン、シトシン、グアニン、プソイドイ ソシトシン、5-メチルシトシン、イソシトシンおよび2,6-ジアミノプリンなどが ある。 好ましい具体例では、Gは第2級窒素原子である。別の好ましい具体例では、 Pgおよび塩基に対して不安定な保護基は独立にカーバメート保護基である。 本発明のさらに別の観点から、本発明は下記式で表されるPNAシントンに関 するものである: ここで、PgおよびBaは上記定義のものを表す。 この化合物の好ましい具体例は、Pgがカーバメート保護基、特に下記式で表 されるカーバメート保護基の場合に得られる: 1〜A10で表される原子または基は互いに同一でも異なっていてもよく、そ れぞれ独立に水素、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t- ブチル、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、アミドまたはエステル基から選択さ れる。エステル基は活性エステルを含む。R4で表される原子または基は水素、 メチルまたはエチル基である。最も好まし具体例はPgが4,4'-ジメチルベンズ ヒドロキシカルボニルの場合に得られる。 上記化合物の好ましい具体例はBaがアデニン、シトシン、グアニン、プソイ ドイソシトシン、5-メチルシトシン、イソシトシンまたは2,6-ジアミノプリンの 場合である。好ましい具体例はさらに、Baが下記式で表される塩基に対して不 安定なカーバメート保護基によって保護されている場合である: ここで、WおよびR2〜R4は上記定義のものを表す。 塩基に対して不安定なカーバメート保護基はさらに、9-フルオレニルメチロキ シカルボニルまたは下記式で表される1-シアノエトキシカルボニル基にすること ができる: ここで、R2〜R4は上記定義のものを表す。好ましい具体例はR2が水素原子 でR3およびR4がそれぞれメチル基の場合である。 別の具体例では、塩基に対して不安定なカーバメート保護基は下記式で表され るスルホエトキシカルボニル基である: ここでR2〜R4は上記定義のものを表し、n-は整数1または2であり、R5で 表される基はメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチル または置換基を有するまたは有しないフェニル基から選択される。置換基を有す るまたは有しないフェニル基は下記式で表される: ここで、a〜eで表される原子または基は互いに同一でも異 なっていてもよく、それぞれ独立にF、Cl、Br、I、水素、メチル、エチル、イ ソプロピル、n-プロピル、n-ブチル、t-ブチル、フェニル、メトキシ、エトキシ 、−NO2、−CN、−SO3H、−SCH3または−(O)SCH3から選択され る。好ましい具体例はR5がメチル基で、nが2、R2〜R4が水素の場合と、R5 が置換基を持たないフェニル基で、nが2、R2〜R4が水素の場合である。 本発明の好ましい具体例は、下記式で表されるアデニンPNAシントンである : 本発明の好ましい具体例は、下記式で表されるシトシンPNAシントンである : 本発明の好ましい具体例は、下記式で表されるグアニンPN Aシントンである: ここで、nは1または2である。 本発明のさらに他の好ましい具体例は下記式で表されるグアニンPNAシント ンである: ここで、nは1または2である。 本発明の好ましい具体例は下記式で表されるチミンPNAシントンである: 5本発明の好ましい具体例は下記式で表されるイソシトシンPNAシントンであ る: 本発明のさらに別の観点から、本発明は下記一般式で表されるPNAオリゴマ ーを対象とする: KLQMN ここで、K、QおよびNは上記定義のものを表し、LおよびMはそれぞれ下記 式で表されるPNA部分であり: G、B、R7、g、hおよびjは上記定義のものを表す。 本発明のさらに別の観点は下記一般式で表される酸に対して不安定な保護で保 護された主鎖にある: Pgで表される基は酸に対して不安定な保護基であり、 Gで表される原子は第2級窒素原子、アルキル置換基を含む第3級窒素原子、 酸素原子または硫黄原子であり、 単位R7は水素原子または天然に存在するαアミノ酸の側鎖であり、 gおよびhは互いに同一でも異なっていてもよく、独立に0または1〜5の整 数である。 酸に対して不安定な保護基を有する好ましい主鎖は、下記式で表される酸に対 して不安定な保護をアミノ基に施された主鎖である。 7で表される基は水素または保護されたまたはされていない天然に存在する αアミノ酸の側鎖である。gおよびhはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、 独立に0または1〜5の整数を表す。Pgで表される基は下記式で表される酸に 対して不安定な保護基であるのが好ましい: 1〜A10は互いに同一でも異なっていてもよく、独立に水素、メチル、エチ ル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチル、ヒドロキシ、メトキシ、 エトキシ、アミド、エステルまたは活性エステル基であり、 R4で表される原子または基は水素、メチルまたはエチル基である。 好ましい具体例では、R4が水素原子で、A3およびA8がそれぞれメチル基で 、A1、A2、A4〜A7、A9、A10がそれぞれ水素原子で、gが1、hが0、R7 が水素である。 一般に、酸に対して不安定な保護基でアミノ基が保護された主鎖を合成するに は、アルコール、例えばベンズヒドロール誘導体をカルボニル当量用いてジアミ ンと結合させ、それによっていずれか1つのアミノ基にカーバメート保護基を形 成させる。カーバメート保護基を形成させた後に、未反応のジアミンの第1級ア ミノ基をアセタミド誘導体に変換し、次いで、この誘導体をアルキルカルボキシ 基へ変換する。ヘテロ原子Gとして硫黄原子または酸素原子を含む酸に対して不 安定な保護を施された主鎖の別の具体例も上記合成方法を用いて調製できる。 本発明のさらに別の観点から、本発明はPNA−DNAキメラの最終用途を対 象とする。PNAは規定の条件下でDNAに対して強い結合親和性を示す。この 条件は多種多様な目的のために活用できる。同様にPNA−DNAキメラはDN Aに対し て強い結合親和性を示す可能性がある。これによってこの独特な合成ポリマーの 用途が増える。PNA−DNAキメラの利用例としては(限定的にではなく)、 治療薬、アンチセンス剤、ポリメラーゼ反応におけるプライマーおよび遺伝子材 料または遺伝子配列の検出用プローブなどがある。 上記の概説および以下の詳細な説明は例示であって、請求の範囲に記載の本発 明を詳細に説明するためのものであるということは理解できよう。以下、本発明 は添付図面からより明確に理解できよう。添付図面は本明細書の一部を成すもの である。図面の簡単な説明 図1は、酸に対して不安定な保護が施された本発明の好ましいアミノ酸N-(2- アミノエチル)-グリシン主鎖の合成法を示すスキーム。 図2はカーバメート保護された本発明の好ましいシトシン側鎖部分の合成法を 示すスキーム。 図3はカーバメート保護された本発明の好ましいアデニン側鎖部分の合成法を 示すスキーム。 図4はカーバメート保護された本発明の好ましいグアニン側鎖部分の合成法を 示すスキーム。 図5はカーバメート保護基を作製するための本発明の好ましい試薬の合成法を 示すスキーム。 図6は酸に対して不安定な保護を施された好ましいアミノ酸N-(2-アミノエチ ル)-グリシン主鎖を好ましいヌクレオチド側鎖部分とカップリングさせ、本発明 による好ましいPNAシントンを合成する過程を示すスキーム。核酸塩基である アデニン、 シトシン、グアニンおよびチミンが示される。 図7は好ましいグアニンPNAシントンを酸化して、PNA−DNAキメラ合 成に好適なオルソゴナルに保護された本発明による好ましいグアニンPNAシン トンを作製する過程を示すスキーム。 図8は本発明で有用な天然および非天然の核酸塩基の構造を示すチャート。 図9はPNAオリゴマー配列H2N-CTTCTCC-CONH2のHPLCトレース。 図10はPNAオリゴマー配列H2N-CGCTATACCC-CONH2のHPLCトレース。 図11は未精製のPNA−DNAキメラ配列DMBhoc-HN-CACAC-CONH-リンカー-5' -CCAGT-3'-OHのHPLCトレース。配列の中の下線を引いた部分はPNA 配列を表し、配列の全角文字の部分はDNA配列を表す。DMBhocは4,4'-ジメチ ルベンズヒドロキシカルボニルである。 図12は精製後のPNA−DNAキメラ配列DMBhoc-HN-CACAC-CONH-リンカー-5' -CCAGT-3'-OHのHPLCトレース。配列の中で下線を引いた部分はPNA 配列を表し、配列の全角アルファベットの部分はDNAシーケンスを表す。DMBh ocは4,4'-ジメチルベンズヒドロキシカルボニルである。 図13はPNA−DNAキメラ配列(グラジエントのみ)DMBhoc-HN-CACAC-CONH -リンカー-5'-CCAGT-3'-OHのHPLCトレース。配列の中の下線を引いた 部分はPNA配列を表し、配列の全角アルファベットの部分はDNAシーケンス を表す。DMBhocは4,4'-ジメチルベンズヒドロキシカルボニルである。発明の詳細な説明 本出願人は、PNA−DNAキメラの合成に好適な新規PNAシントンを調製 するための便利で高収率な方法を開発した。PNA−DNAキメラは少なくとも 1つのPNA部分と少なくとも1つのDNA部分とで構成されるオリゴマーであ る。一般に、PNAシントンはDNA合成に適合したオルソゴナルな保護が施さ れている。すなわち、DNAを顕著に分解しないような緩やかな条件下で除去可 能な保護基で保護されており、核酸塩基の保護基は塩基に対して不安定であり、 主鎖の保護基は酸に対して不安定である。 先ず第1に、酸に対して不安定な保護基で保護されたPNAシントンの主鎖を 合成する。酸に対して不安定な保護基は、最も一般的なDNA主鎖保護基である ジメトキシトリチル(DMT)と類似の不安定性を有するのが好ましい。本出願 人達は酸に対して不安定な主鎖を得るための経路を開発した。 第2に、環外アミノ基に塩基に対して不安定な保護を有する核酸塩基側鎖部分 を合成する。PNAシントンには天然または非天然いずれかの核酸塩基を組み込 むことができる。 第3に、酸に対して不安定な保護を有する主鎖を、環外アミノ基(そのような アミノ基が存在するならば)に塩基に対して不安定な保護を施した核酸塩基側鎖 部分にカップリングさせる。このカップリング反応の結果、PNA−DNAキメ ラと、PNA−RNAキメラ、その他各種の組み合わせを合成するのに適したP NAシントンが得られる。本発明のPNAシントンはさらに、現在使用されてい るものとは異なり、非常に緩やかな条件下でのPNAオリゴマーの合成にも使用 できる。 最後に、本発明のPNAシントンをPNA−DNAキメラの合成で使用して、 市販のDNAヌクレオチドに対するその有効性を示す。説明はPNA−DNAキ メラに対象を絞って行うが、本発明によるPNAシントンおよび方法はPNA− RNAAキメラ、その他の種々の組み合わせについても同様に適用可能である。 酸に対して不安定な保護を施された主鎖の合成 1つの具体例では、本発明はPNAシントンの酸に対して不安定な保護を施さ れた主鎖の製造方法にある。好ましい主鎖は、酸に対して不安定な保護を施され たアミノ保護主鎖である(図1参照)。 酸に対して不安定な保護基は、DNA部分を実質的に分解することがない緩や かな条件で除去できる。従って、酸に対して不安定な主鎖を核酸塩基側鎖部分に 連結させた場合、生成するPNAシントンはPNA−DNAキメラ合成に好適で ある。 酸に対して不安定な保護を施された主鎖は下記一般式で表される: Pgで表される基は酸に対して不安定な保護基である。Gで表される原子は第 2級窒素原子、アルキル置換基を有する第3級窒素原子、酸素原子または硫黄原 子である。R7単位は水素原子または保護されたあるいはされていない天然に存 在するα アミノ酸の側鎖である。gおよびhは互いに同一でも異なっていてもよく、独立 に0または1〜5の整数である。 酸に対して不安定な保護が施された好ましい主鎖は、下記式で表される酸に対 して不安定な保護基によってアミノ基を保護された主鎖である: Pg、R7、g、hで表される単位は上記定義のものを表す。酸に対して不安 定な保護基によってアミノ基が保護された好ましい主鎖の合成方法は以下に記載 する。しかし、それ以外にGとして酸素原子または硫黄原子を含み(限定的にで はなく)酸に対して不安定な保護を施された主鎖の具体例も本発明に開示の一般 的合成方法によって同様に得ることができる。 ステップ1 酸に対して不安定な保護を施された主鎖の合成の第1段階は保護基に組み込む 適当なアルコールを選択することにある。アルコールは市販のものか、合成によ って調製することができる。保護基の不安定性は、酸性溶液中での無水アルコー ルの安定性およびカチオンの生成し易さによって変る。この情報は多数のアルコ ールに関して周知であり、当業者には容易に入手可能である(参照:Sieber et al.,Helv.Chemica Acta(1968)51:614-22)。 必要な酸に対する不安定性を提供するアルコールの例として は特に下記式で表されるベンズヒドロール誘導体を挙げることができる: 1〜A10はそれぞれ互いに同一でも異なっていてもよく、独立に水素、メチ ル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチル、ヒドロキシ、メ トキシ、エトキシ、アミド、エステルまたは活性エステル基である。R4で表さ れる原子または基は水素、メチルまたはエチル基である。R4で表される原子ま たは基は水素、メチルまたはエチル基である。アルキル基は(限定的にではなく )メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチルおよびt-ブチル基を含 む。アルコキシ基は(限定的にではなく)メトキシおよびエトキシ基を含む。好 ましい具体例はR4が水素原子で、A3およびA8がそれぞれメチル基で、さらに A1、A2、A4〜A7、A9およびA10が水素原子の場合である。 図1を参照すると、好ましいアルコールはグリニヤール反応で合成される。先 ず最初に、無水で非求核性のエーテルベースの溶媒中で、4-ブロモトルエンのマ グネシウム塩すなわちグリニヤール試薬を調製する。好適な溶媒の例としては( 限定的にではなく)ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサンお よびテトラヒドロフランがある。好ましい溶媒はテトラヒドロフランである。グ リニヤール試薬合成後、室温のマグ ネシウム塩溶液に、還流を発生させるのに十分な速度でパラートルアルデヒドを 添加する。十分な時間をかけてグリニヤール試薬をアルデヒド誘導体に添加し、 その後プロトン源を用いて反応を停止する。反応液を処理後、4,4'-ジメチルベ ンズヒドロールが単離する(化合物1)。 ステップ2 好ましい具体例では、適切に選択したアルコールを、下記式で表される酸に対 して不安定な保護基によってアミノ基保護された対応するジアミンへに変える: Pgで表される基は酸に対して不安定な保護基である。gは0または1〜5の 整数である。下記合成方法に従えば、Pgは必ずカーバメート保護基である。 一般に、アルコールをカルボニル相当物と反応させ、その後下記式で表される ジアミンと反応させる: gは0または1〜5の整数である。カルボニル相当物の例としては(限定的に ではなく)、ホスゲン誘導体、カルボニルジイミダゾールおよびジ−N-スクシン イミジルカーボネートがある。 図1を参照すると、好ましいカルボニル相当物はカルボニル ジイマジゾル(CDI)である。好ましいジアミンは、gが1の場合すなわちエ チレンジアミンである。無水の非求核性溶媒を用いて調製したCDI溶液に0℃ で4,4'-ジメチルベンズヒドロールを添加する。無水の非求核性溶媒の例は、ジ エチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、 アセトニトリル、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ベンゼンおよび トルエンである。好ましい溶媒はジクロロメタンである。十分な時間反応させた 後(薄層クロマトグラフィー(TLC)でモニタリングする)、反応混合物を水 で洗浄し、乾燥し、ジクロロメタンを留去して固体を得る。 固体を上記の無水非求核性溶媒に溶解する。溶媒としてはジクロロメタンが好 ましい。ジクロロメタンを用いて調製した固体溶液を、アミノ主鎖部分であるエ チレンジアミンに0℃で攪拌しながら添加する。反応終了後、反応混合物を水で 洗浄し、乾燥させて、N-(4,4'-ジメチルベンズヒドロキシカルボニル)-エチレン ジアミンを単離する(化合物II)。酸に対して不安定な保護基によってアミノ基 保護されたジアミンは下記式で表される: ステップ3 好ましい具体例では、酸に対して不安定な保護基によってアミノ基保護された ジアミンの合成に続いて、ジアミンの残る第1級アミノ基をアセタミド誘導体へ 変換し、下記式で表される完全に保護されたジアミンを合成する: 単位Pgおよびgは上記定義のものを表す。Xで表される原子は電気的に陰性 な原子または基である。電気的に陰性な原子の例としては(限定的にではなく) フッ素、塩素、臭素およびヨウ素等のハロゲン原子がある。 一般には、酸に対して不安定な保護基でアミノ基保護されたジアミンをトリハ ロ酢酸アルキルと反応させて、完全に保護されたジアミン化合物を合成する。ト リハロ酢酸アルキルの分解によって生じる任意の酸を中和するために非求核性塩 基を添加するのが好ましい。非求核性塩基の例として(限定的にではなく)、ト リエチルアミン、ジイソプロピルアミン、N-メチルモルホリンおよびN-エチルモ ルホリンがある。好ましい非求核性 溶媒はトリエチルアミンである。トリハロ酢酸アルキル誘導体の例として(限定 的にではなく)、メチルおよびエチルエステルがあるが、その中でトリフルオロ 酢酸エチルが好ましい。従って、Xで表される好ましい原子はフッ素である。 従って、約0℃のジクロロメタン中、トリエチルアミンの存在下で、化合物II をトリフルオロ酢酸エチルと反応させることによって完全に保護された所望のジ アミンが調製される。この反応で単離される生成物は、下記式で表されるN-[N'- 4,4'-ジメチルベンズヒドロールオキシカルボニル-(2'-アミノエチル)]グリシン である: ステップ4 酸に対して不安定な保護基でアミノ基が保護された主鎖を調製する最後の段階 は、アセタミド官能性をアルキルカルボキシ基へ変換する段階である。アセタミ ド官能性は電子吸引性を有するトリハロ置換基を含むので、アセタミド官能性に 含まれる第2級窒素のプロトンは塩基によって除去されて、求核性の窒素アニオ ンを与えるものと思われる。この変換に適した塩基の例としては(限定的にでは なく)、水素化リチウム、水素化ナトリウムおよび水素化カリウムがある。好ま しい塩基は水素化ナトリウムである。 第2級窒素のプロトン除去に続いて、アルキルハロアルキレートを添加し、反 応終了まで反応混合物を攪拌し続ける。アルキルハロアルキレートの例にはクロ ロ酢酸メチル、クロロ酢酸エチル、ブロモ酢酸メチル、ブロモ酢酸エチル、ヨー ド酢酸メチル、ヨード酢酸エチル、3-クロロプロピオン酸メチル、3-クロロプロ ピオン酸エチル、3-ブロモプロピオン酸メチル、3-ブロモプロピオン酸エチル、 3-ヨードプロピオン酸メチルおよび3-ヨードプロピオン酸エチルがある。好まし い化合物はブロモ酢酸エチルである。さらに、アルキルハロアルキレートは、ハ ロ含有炭素原子の位置が保護されまたはされていない天然のα−アミノ酸側鎖に よって置換されていてもよい。 未精製の中間生成物を単離し、水酸化物イオン源で処理する。水酸化物イオン 源の例としては(限定的にではなく)、水酸化リチウム、水酸化ナトリウムおよ び水酸化カリウムがある。好ましい水酸化物イオン源は水酸化リチウムである。 処理に続いて、酸に対して不安定な保護基によってアミノ基保護された主鎖が単 離され、この主鎖は下記式で表される: 単位Pgおよびgは上記定義のものを表す。hは0または1〜5の整数、R7 は水素または保護されまたはされていない天然のα−アミノ酸の側鎖である。 図1を参照すると、酸に対して不安定な保護基によってアミノ基保護された主 鎖は下記式で表される: 核酸塩基側鎖部分の合成 別の具体例では、本発明は、酸に対して不安定な保護基によってアミノ基を保 護された主鎖にカップリングさせるための核酸塩基側鎖部分を合成する(図2〜 5参照)。 本発明のPNAシントンはオルソゴナルに保護されているので、核酸塩基側鎖 部分の環外アミノ基は必然的に酸に対して不安定な保護基で保護されてはいない 。使用可能な保護基の例としては(限定的にではなく)、塩基性条件、光分解条 件または水素化分解条件で開裂されるものがある。好ましい核酸塩基保護基は塩 基に対して不安定なものである。一般に、新規核酸塩基側鎖部分は下記式で表さ れる: jは0または1〜5の整数である。Ba部分は、塩基に対して不安定な保護基 によって保護された環外アミノ基を有する天然または非天然の核酸塩基である( 上記定義のとおり、BaはBのサブセットである)。環外アミノ基を有する天然 の核酸塩基の例としてはアデニン、シトシンおよびグアニンがある。環外アミノ 基を有する非天然核酸塩基の例には(限定的にではなく)、プソイドイソシトシ ン、5-メチルシトシン、イソシトシンおよび2,6-ジアミノプリンがある。 塩基に対して不安定なアミノ基用保護基の例は(限定的にではなく)、9-フル オレニルメチロキシカルボニル(Fmoc)および下記式で表されるエトキシカルボニ ル基などである: Wで表される基は電子吸引基である。R2〜R4それぞれで表される原子または 基は同一または異なっていてもよく、独立に水素、メチル、エチル、n-プロピル 、イソプロピル、n-ブチルまたはt-ブチル基である。 本発明の新規な核酸塩基側鎖部分は、関連特許出願の『緩やかな条件下でペプ チド核酸の合成および保護解除を行うための改良されたシントン』(代理人整理 番号SYP-091;米国特許出願第 号;1995年6月7日出願)に記載のよ うに、新規なイソシアネート法によって合成できる、この特許の内容は参考とし て本明細書の一部を成す。あるいは、核酸塩基側鎖部分を核酸塩基の環外アミノ 基をイミダゾライドまたはアルキル イミダゾリウム塩によって保護する操作を含む従来法で合成することもできる。 ステップ1 上記いずれの合成スキームでも、核酸塩基はまず初めに、アルキルホルメート 置換基、アルキルアセテート置換基、または例えばアルキルプロピオネート、ア ルキルブタノエート、アルキルペンタノエートまたはアルキルヘキサノエートな どのアルキルエステル置換基を有する部分的に保護された核酸塩基化合物へ変換 される。従って、部分的に保護された核酸塩基は下記式で表される: jは0または1〜5の整数である。部分Bは環外アミノ基を有する核酸塩基を 表し、R10で表される基はメチル、エチル、2,2,2-トリクロロエチル、2-(トリ メチルシリル)-エチル、2-(フェニルチオ)-エチル、プロピル、イソプロピル、n -ブチル、t-ブチル、アリル、t-イソプロピル、アリル、シアナミル、4-ニトロ シアナミル基もしくは置換基を有するまたは有しないベンジル基である。 一般に、炭酸カリウムまたはt-ブトキシドカリウムなどの塩基およびアルキル ハロアルキレートで連続的に核酸塩基を処理することによって部分的に保護され た核酸塩基化合物が得られる。アルキルまたはベンジルブロモアセテートは部分 的に保護 された好ましい核酸塩基化合物を与える。 図2を参照すると、部分的に保護された好ましいシトシン化合物は下記式で表 される: 図3を参照すると、部分的に保護された好ましいアデニン化合物は下記式で表 される:図4を参照すると、部分的に保護された好ましいグアニン前駆体化合物は下記式 で表される: ステップ2 塩基に対して不安定な保護基を用いて核酸塩基の環外アミノ基を保護すること によって部分的に保護された核酸塩基化合物 を完全に保護された核酸塩基化合物へ変換する。塩基に対して不安定な保護基で 保護され、完全に保護された化合物は下記の式で表される: jは上記に定義のとおりである。BaおよびR10で表される基は上記に定義の とおりである。塩基に対して不安定な保護基は上記で参照したイソシアネート法 (例えば部分的に保護されたグアニン化合物を用いる場合等)または従来法(例 えば部分的に保護されたアデニンおよびシトシン化合物を用いる場合等)によっ て製造することができる。 塩基に対して不安定なアミノ基用保護基の例は(限定的ではなく)、9-フルオ レニルメチロキシカルボニル(Fmoc)および下記式で表されるエトキシカルボニル 基などである: Wで表される基は電子吸引基である。R2〜R4で表される原子あるいは基はそ れぞれ同一でも異なっていてもよく、互いに独立に水素、メチル、エチル、n-プ ロピル、イソプロピル、n-ブチルまたはt-ブチル基である。 電子吸引基の例としてはシアノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニ ル基、フェニル基および置換基を有するフェ ニル基、例えばp-ニトロフェニル基、o-ニトロフェニル基およびp-アルキルスル ホニルフェニル基などがある。電子吸引基としてCNを備えた塩基に対して不安 定な保護基は下記式で表される: 2〜R4で表される基は互いに同一であっても異なっていてもよく、互いに独 立に水素、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチルまたはt-ブチ ル基である。 1-シアノエトキシカルボニル基の好ましい調製方法は、対応する1-シアノエタ ノール誘導体をカルボニルジイミダゾールと反応させてイミダゾライド塩を合成 するというものである。好ましい1-シアノエタノール誘導体は2-ヒドロキシ-2- メチル-ブチロニトリルである。従って、図5aを参照すると、2-ヒドロキシ-2- ブチロニトリルとカルボニルジイミダゾールとの反応によって化合物XIVすな わち2,2-ジメチル-1-シアノエトキシカルボニル-イミダゾールが得られる。 この好ましい試薬のアシル化効率を向上させるためには、2,2-ジメチル-1-シ アノエトキシカルボニル-イミダゾールをトリフルオロメタンスルホン酸メチル と反応させて、化合物XV(図5b参照)を合成する。試薬は、部分的に保護さ れた核酸塩基化合物を用いた反応の直前に現場で調製するのが好ましい。 従って、図2を参照すると、完全に保護された好ましいシトシン化合物は下記 式で表される: 図3を参照すると、完全に保護された好ましいアデニン化合物は下記式で表さ れる: 電子吸引基としてスルホキシドまたはスルホンを含む完全に保護された核酸塩 基化合物は、一般にイソシアネート法によって合成され、下記式で表される: nは1または2である。R2〜R4で表される原子または基は互いに同一でも異 なっていてもよく、互いに独立に水素、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロ ピル、n-ブチルまたはt-ブチル基である。 R5によって表される基は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n- ブチル、t-ブチルまたは置換基を有するか有 しない下記式で表されるフェニル基である: a〜eで表される原子または基は互いに同一でも異なっていてもよく、互いに 独立にF、Cl、Br、I、水素、メチル、エチル、イソプロピル、n-プロピル、n- ブチル、t-ブチル、フェニル、メトキシ、エトキシ、NO2、−CN、−SO3H 、−SCH3または−(O)SCH3である。 特筆すべきこととして、グアニンの場合、まず最初に2-アミノ-6-クロロプリ ンの環外アミノ基をチオエーテル基すなわち酸化されていない硫黄(図4化合物 XII参照)として保護する。 塩基に対して不安定な保護基ではないが、チオエーテル基は硫黄含有保護基が時 期尚早に塩基を除去するのを防ぐ。すなわちカーバメートによって保護されたグ アニン側鎖部分(化合物XIII)の調製は強塩基を用いた処理を必要とするから である。酸に対して不安定な保護基を用いてアミノ基保護された主鎖にカップリ ングされた後に初めて硫黄原子が酸化され、塩基に対して不安定な保護基となる 。 図4を参照すると、完全に保護された好ましいグアニン前駆体化合物は下記式 で表される: ステップ3 一般に、完全に保護された核酸塩基化合物の酢酸エステル基が酸によって加水 分解されて、核酸塩基側鎖部分が合成される。完全に保護されたグアニン化合物 の場合、『緩やかな条件下でペプチド核酸の合成および保護解除を行うための改 良されたシントン』(代理人整理番号SYP-091;米国特許出願第 号;199 5年6月7日提出)に記載のように、C6カルボニル基の生成と同時に加水分解 が起こる(本明細書の図4参照)。 図2を参照すると、好ましいシトシン側鎖部分は下記式で表される: 図3を参照すると、好ましいアデニン側鎖部分は下記式で表される: 図4を参照すると、好ましいグアニン側鎖部分は下記式で表 される: その他の核酸塩基側鎖部分には、チミン側鎖部分およびウラシル側鎖部分があ る。従って、これら環外アミノ基を持たない核酸塩基はいずれも追加の保護ステ ップを必要としない。しかしながら、チミン側鎖部分とウラシル側鎖部分は酸に 対して不安定な保護基によってアミノ基保護された主鎖とカップリングされて新 規なPNAシントンを構成することができる。 PNAシントン合成(カップリングステップ) 別の具体例では、本発明はPNA−DNAキメラ合成に適したPNAシントン の調製法にある(図6参照)。環外アミノ基を保護するチオエーテル基を含むグ アニンPNAシントンの調製では、チオエーテル基を酸化してスルホキシドまた はスルホン誘導体にする(図7参照)。得られたスルホキシドまたはスルホン誘 導体がチオエーテル保護基を塩基に対して不安定な保護基へ変え、オルソゴナル に保護されたグアニンPNAシントンが生成する。 酸に対して不安定な保護基で保護された主鎖を核酸塩基側鎖部分にカップリン グさせることによって下記式で表されるPNAシントンを合成する: 単位Pg、Ba、R7、g、hおよびjは上記定義のものを表す。Gで表され る基は第2級窒素原子、アルキル置換基を含む第3級窒素原子、酸素原子または 硫黄原子である。 PNAシントンはオルソゴナルに保護されている、すなわち通常1つの酸に対 して不安定な保護基と1つの塩基に対して不安定な保護基とによって保護されて いるので、2つの部分をカップリングする方法では2種類の保護基が両方除去さ れるような条件が最小限に抑えられて有利である。上記のカップリング方法では 保護された主鎖のカルボキシルエステルを利用し、水酸化物イオン源によってエ ステルを加水分解していた。この塩基性の加水分解条件は本発明によるPNAシ ントンには適当でない。なぜなら核酸塩基の塩基に対して不安定な保護基が少な くとも部分的に除去されるためである。従って、酸に対して不安定な保護基によ って保護された主鎖に核酸塩基側鎖部分をカップリングさせる好ましい方法では 、保護された主鎖のカルボン酸基を『過渡的』保護する。 カップリング方法では一般に、予め調製した核酸塩基側鎖部分の混合無水物溶 液に、シリルカルボン酸で酸に対して不安定な保護を施した主鎖を添加する。主 鎖と側鎖部分とのカップリングに続いて、シリル保護基を除去し、PNAシント ンを合成する。 特に、核酸塩基側鎖部分の混合無水物を、核酸塩基側鎖部分を非求核性塩基を 用いて常温以下の温度で処理し、続いてアルキル酸塩化物と反応させて調製する 。反応シーケンスのこのステップにおいて有用な非求核性塩基は(限定的にでは なく)トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N-メチルモルホリンお よびN-エチルモルホリンである。好ましい非求核性塩基はN-メチルモルホリンで ある。通常、反応物を常温以下、好ましくは約0℃で混合無水物が生成するのに 十分な時間攪拌する。混合無水物の生成はtlcでモニタリングできる。 混合無水物の生成後、冷却した混合無水物溶液に、酸に対して不安定な保護を 施された主鎖を、非求核性塩基および立体障害を有する塩化シリルの存在下に添 加する。一般に、酸に対して不安定な保護基によってアミノ基保護された主鎖の 溶液も常温よりも低い温度、好ましくは約0℃にする。非求核性塩基の例として は上記に記載のものがある。立体障害を有する塩化シリルとして好ましいものは トリイソプロピルシリルクロライドであるが、他の塩化シリルを使用可能である 。カップリングが起こるのに必要な時間だけ反応物を攪拌した後、反応を停止し 、乾燥させ、続いて非求核性塩基の存在下でシリル除去基を用いて処理する。こ の場合も、非求核性塩基の例としては上記に記載のものがある。シリル除去基の 例は(限定的にではなく)、フッ化水素、テトラ-n-ブチルアンモニウムフルオ ライドおよびトリエチルアミントリヒドロフルオライドなどである。好ましいシ リル除去基はトリエチルアミントリヒドロフルオライドである。すなわち、これ によって溶液のpHを調節することができ、他の保護基が時期尚早に除去されるの を最小限に抑えるこ とができる。シリル保護基の除去および反応物の処理を行った後、所望のPNA シントンを単離する。 従って、1つの具体例では、好ましいPNAシントンは下記式で表される: 基PgおよびBaは上記定義のものを表す。 別の具体例では、好ましいPNAシントンは下記式で表される: Bで表される基は上記定義のものを表す。Pgで表される基は下記式で表され る酸に対して不安定な保護基である: 1〜A10は互いに同一でも異なっていてもよく、独立に水素、メチル、エチ ル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチル、ヒドロキシ、メトキシ、 エトキシ、アミドまたはエステル基である。R4で表される原子または基は、水 素、メチルあるいはエチル基である。 別の具体例では、好ましいシトシンPNAシントンは下記式で表される: 別の具体例では、好ましいアデニンPNAシントンは下記式で表される: 別の具体例では、好ましいグアニンPNAシントンは下記式で表される: 5で表される基は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル 、t-ブチルもしくは下記式で表される置換基を有するまたは有しないフェニル基 である: ここで、a〜eで表される原子または基は互いに同一でも異なっていてもよく 、それぞれ独立にF、Cl、Br、I、水素、メチル、エチル、イソプロピル、n-プ ロピル、n-ブチル、t-ブチル、フェニル、メトキシ、エトキシ、NO2、−CN 、−SO3H、−SCH3または−(O)SCH3である。オリゴマーへ組み込む 前または組み込んだ後にグアニンPNAシントンを酸化して、塩基に対して不安 定な保護基を生成することが可能であることに注意されたい。 別の具体例では、好ましいチミンPNAシントンは下記式で 表される: 別の具体例では、好ましいプソイドイソシトシンPNAシントンは下記式で表 される: チオエーテルを含む保護基を備えた好ましいグアニンPNAシントンの合成を 完成するには、チオエーテル基の酸化が残されている。硫黄原子をスルホキシド または完全に酸化されたスルホンへと酸化する方法は当業者に公知である(Tesse r達、Int.J.Peptide Protein Res.(1975)7:295-305)。例えば、好ましい方法 では、グアニンシントン(化合物XVIII)を水性溶 媒中で非求核性塩基、タングステン酸ナトリウムおよび過酸化水素を用いて順次 処理する(図7参照)。通常、反応の完了はtlcまたは高速液体クロマトグラフ ィー(HPLC)を用いてモニタリングする。反応終了後、生成物を単離して下 記式で表される好ましいグアニンPNAシントンを得る: 1つの具体例では、好ましいグアニンPNAシントンは下記式で表される: nは1または2である。 別の具体例では、好ましいグアニンPNAシントンは下記式で表される: nは1または2である。 PNA−DNAキメラまたはPNAオリゴマー合成 別の具体例では、本発明はPNA−DNAキメラまたはPNAオリゴマーの合 成方法である。通常、これら核酸ポリマーを効率的に合成するには緩やかな反応 条件が要求され、オルソゴナルな保護基を用いる方法が採用される。従って、本 発明のPNAシントンは緩やかな条件下で保護基が除去され、さらに、二種類の 保護基が必要な場合にはオルソゴナルであるので特に有利である。さらに、保護 方法が市販のDNA合成技術と矛盾しない。 通常、PNA−DNAキメラ(またはPNA−RNAキメラおよびそれら各種 の組み合わせ)は下記式で表される: KLQMN KおよびNは化学結合を表し、Qは化学結合またはリンカーを表し、Lおよび Mの一方は下記式で表されるヌクレオチド部分である: Gで表される原子は第2級窒素原子、アルキル置換基を有する第3級窒素原子 、酸素原子または硫黄原子である。単位Bは保護されたまたは保護されていない 天然または非天然の核酸塩基である。Dで表される原子または基は水素原子、水 酸基、メトキシル基または保護基によって保護された水酸基である。 LおよびMの一方は下記式で表されるPNA部分である: 単位GおよびBは上記定義のものを表す。単位R7は水素原子もしくは保護さ れまたはされていない天然に存在するα−アミノ酸である。j、gおよびhは互 いに同一でも異なっていてもよく、互いに独立に0または1〜5の整数を表す。 KおよびNで定義される化学結合は、共有結合またはイオン結合である。化学 結合はPNA部分またはヌクレオチド部分をもう1つのPNA部分またはヌクレ オチド部分に単一の化学種またはポリマー鎖の一部として連結させることができ る。この化学結合でリンカー、固体担体に結合されたリンカー、その他の化学単 位を連結させることもできる。化学単位の例としては(限定的にではなく)、保 護基、水素原子、アルキル基およびアリール基などがある。固体担体の例として は(限定的にでは なく)、多孔質ガラス(コントロールドポアガラス)、メンブレン、ポリスチレ ンビーズ、シリカゲル、シリカ、ペーパーフィルタおよびフリットガラスなどが ある。当業者には、本発明にとって適当且つ有効な他の化学単位、担体および結 合を確認し、その可能性を拡げることが可能である。 Qが化学結合を表す場合には、共有結合を想定している。KおよびNの場合と 同様に、この化学結合はPNA部分またはヌクレオチドを別のPNA部分または ヌクレオチド部分に単一の化学種またはポリマー鎖の一部として連結することが できる。単位QもPNA部分とヌクレオチド部分とを連結するリンカーを表すこ とができる。 リンカーはDNAおよびペプチド合成の分野で周知である。その詳細な説明は 米国特許第5,410,068号(この内容は参考として本明細書に含まれる)と、Gati ,M.J.,Oligonucleotide Synthesis,A Practical Approach.IRL Press Inc. ,Oxford,Englandを参照されたい。ここで用いるリンカーは、ある部分を生体 高分子に連結するために使用される組成物である。ある部分とは担体、生体分子 、例えばアミノ酸またはヌクレオチドまたは標識物質、例えば蛍光染料などにす ることができる。ここで用いるリンカーQは、PNAまたはヌクレオチド部分の ヘテロ原子Gを変性させるために使用される。 リンカーの1つは通常合成オリゴヌクレオチドの末端を標識するために用いら れるホスホラミダイトリンカーである。このリンカーは、反応性ホスホラミダイ ト基とスペーサーと少なくとも1つの保護されたヘテロ原子とを含む。このよう な予め作られたDNAリンカーの例としては下記文献に記載のリンカー を挙げることができる:Nelson達、Nucleic Acid Research,(1989)17,7170;M isiura達、Nucleic Acids Research(1990)18,4345;Connelly,B.,Nucleic Ac ids Research(1978)15,3131;Coull達、Tetrahedron Letters(1986)27,3991。 スペーサーは通常1〜12個の炭素原子を有するアルキルスペーサーである。ヘテ ロ原子の保護基は、DNA合成と矛盾しないように選択する。リンカーまたはこ の種のものはDNA合成試薬メーカーから一般的に市販されている。 オリゴヌクレオチドの5'-末端も同様に公知の方法で変性できる。この方法は PNAの末端を変性させるのにも同様に好ましい(Wachter達、Nucleic Acids Re s.(1986)14;7985参照)。一般に、続いて末端のヘテロ原子をカルボニルジイミダ ゾールと反応させ、次いで任意のアミン含有化合物と反応させる。キメラ合成用 のアミン含有化合物は、アルキルジアミン、アミノアルカンチオールおよび1〜 12個の炭素原子を含むアミノアルキルアルコールを含むのが好ましい。適当な試 薬はアルドリッチ化学から市阪されている。上記試薬および方法を用いて、ヌク レオチド末瑞または他のヘテロ原子を変性させ、それによってオリジナルのヘテ ロ原子、アルキルスペーサおよび任意の末端ヘテロ原子に機能的連結部を導入す ることができ、この末端ヘテロ原子を用いて次のPNAオリゴマーのシントンも しくはPNA−DNAキメラのPNA部分またはヌクレオチド部分をカップリン グさせることができる。 最後に、可逆標識用生体ポリマーについて新規なリンカーが報告されている( 米国特許第5,410,068号参照:(この特許の内容は参考として本明細書に含まれ る))。本来はDNA用の ものであるが、上記特許の開示はPNAおよびDNAモノマーサブユニットの連 結でも利用できる。このリンカーは活性エステルおよび立体選択的アルキルハラ イド反応中心を有する。当業者には、そのような用途の広い試薬を用いてモノマ ーサブユニットを連結することができるということは理解できよう。 1つの具体例では、末端サブユニットの水酸基末端またはチオール末端を立体 選択性を有するアルキルハライド反応中心と選択的に反応させる。次いで活性エ ステルを選択的に上記のようなアミン含有化合物と反応させ、新しい末端ヘテロ 原子を作り、この末端ヘテロ原子を用いて次のPNAオリゴマーのシントンもし くはPNA−DNAキメラのPNA部分またはDNAヌクレオチド部分をカップ リングさせることができる。あるいは、末端のアミノ基を選択的に活性エステル と反応させる。次いで立体選択性を有するアルキルハライド反応中心を、好まし くはアルキルジアミン、アルキルジオール、またはアルキルジチオールと反応さ せて、次のPNAオリゴマーのシントンもしくはPNA−DNAキメラのPNA 部分またはヌクレオチド部分をカップリングさせるのに適した末端ヘテロ原子を 導入することができる。 上記リンカーの使用は、上記試薬(例えばアルキルジアミン、アルキルジオー ルまたはアルキルジチオール)に加えて、化合物をPnまたはPaが水素原子で あるPNA部分またはヌクレオチド部分にすることができるので、有利である。 この具体例では、2つのサブユニットの極性を反転させることができる。PNA が平行および非平行いずれのパターンでもDNAに結合することが知られている ので、これは有用である(Egholm達、 Nature(1993)365,566-568参照)。 ペプチド合成では他のリンカーも使用されている。通常これらのリンカーは生 体分子、担体および標識試薬上の適当なヘテロ原子官能基を操作する際に用いら れるが、他の分野でも使える。ペプチド合成に関するこれらのリンカーについて の詳細は米国特許第5,117,009号、第5,306,562号、第5,196,566号および第5,187 ,625号(これら特許の内容は参考として本明細書に含まれる)に見られる。オリ ゴヌクレオチド合成、ペプチド合成およびPNA合成における当業者にはこれら のリンカーはPNAのサブユニット同士あるいはPNAサブユニットをDNAに 連結するか、反対にDNAサブユニットをPNAに連結するのに適したものとし て認められている。 保護されたまたはされていない天然または非天然の典型的な核酸塩基は上記ま たは図8に記載のものである。通常、核酸塩基はPNA−DNAキメラ合成中保 護されて、その後、所望の配列が達成された時点で除去される環外アミノ基を有 する。一方、天然の核酸塩基であるチミンおよびウラシルは環外アミノ酸基を持 たず、従って、通常保護されない。必要に応じた核酸塩基の環外アミノ基の保護 により、オリゴマー合成中反応部位が除去され、生長中のポリマー鎖の好ましく ない分岐が防止される。従って、効果的なすべての合成スキームにあるように、 PNA−DNAキメラは制御された状態で合成され、各合成ステップからそれぞ れ単一の生成物が得られる。 通常、核酸塩基保護基はカーバメート保護基である。PNAシントンおよびヌ クレオチドの主鎖は酸に対して不安定であるために、オルソゴナルな方法では、 核酸塩基保護基が必ず異な る手段によって除去されるようになっている。核酸塩基側鎖部分の合成でて既に 述べたように、核酸塩基用の好ましいカーバメート保護基は塩基に対して不安定 である。 PNA−DNAキメラは大抵の場合検出可能な部分を備えている。検出可能な 部分は、キメラ本来の部分であってもよく、あるいは各種の方法によって(大抵 は上記に記載のリンカーを使用いて)キメラに連結されてもよい。検出可能な部 分の例としては(限定的にではなく)、酵素、抗原、放射性標識、親和性標識、 蛍光標識、紫外線標識、赤外線標識およびスピン標識などがある。検出可能な部 分はキメラ合成のモニタリングあるいはDNAまたはRNAなど別の単位へのキ メラの結合をモニタリングするのに役立つ。 標識された生体分子の使用は周知であり、リンカーに関する上記参考文献に記 載されている。標識されたDNAオリゴマーはDNAシーケンシング(配列決定 )並びにDNAの配列特異的な相互作用すなわちハイブリダイゼーションがおこ る他の核酸検出分析において特に有用である(標識DNAおよびDNAシーケン シング用途におけるその利用について記載してある米国特許第5,149,625号を参 照されたい。この特許の内容は参考として本明細書に含まれる)。一般に、適当 な方法で生体高分子に連結した場合、標識は分析感度を向上させる。アンチセン スDNAおよびRNAはこれらの配列特異的な相互作用によって遺伝子の発現を 調節することができることが知られている。PNAは一定の条件下でより強力な 核酸との配列特異的相互作用を示すので、PNA−DNAキメラはDNAシーケ ンシング、検出試験および治療薬における選択肢としてさらなる研究の興 味深い候補となっている。 他の方法の中で、DNA配列合成法を利用してPNA−DNAキメラを合成す ることもできる。DNA合成法および装置は業界では周知のもので、広く入手可 能である。従って、本発明のPNAシントンを設計することによって、市販のD NA前駆体および装置を用いることによってPNA−DNAキメラを直接合成す ることが可能になろう。 通常、DNA合成で一般的に使用され且つPNA−DNAキメラ合成に適用可 能なヌクレオチドは下記式で表される: 単位GおよびBは上記定義のものを表す。単位Dは水素原子、水酸基、メトキ シル基または保護基によって保護された水酸基である。単位Pnは水素原子また は保護基である。基R6は除去可能な保護基である。通常はカップリング段階終 了後にその都度燐結合を酸化して、連結を安定化させる。単位L1は残基または 化学結合である。上記構造を有するヌクレオチド部分の例には特にホスホラミダ イトがある。 上記構造を有するヌクレオチド以外に、DNA合成装置に適合した他のヌクレ オチド類似物を用いてPNA−DNAキメラを製造することもできる。DNAシ ントンの例は米国特許第4,458,066号および4,725,677号(RE34,069)と、下記文 献を参照されたい:Smith達、Nucleic Acids Res.(1985)13:2399;Sproat達、Nu cleic Acids Res.(1987)15;6181;Sproat達、 O cleic Acids Res.(1987)15;4837。 Dの選択は、ヌクレオチド部分がDNAであるか、RNA部分であるかを決定 付ける。Dが水素原子であればヌクレオチドはDNA部分である。Dが水酸基ま たは保護された水酸基誘導体であればヌクレオチドはRNA部分である。メトキ シル基はオリゴマー合成で一般的に用いられる置換基である。シリル保護基(限 定的にではなく)を含むその他多数の保護基がオリゴマー合成中に水酸基を保護 するために用いられる。 Pnが水素原子であるか、保護基であるかは各合成ステップにおけるヌクレオ チド部分の役割によって決まる。オリゴマー鎖には一度に1つの部分(またはモ ノマー)が連結されるので生長中の鎖に加えられる新しい単位はそれぞれGで表 される原子を有することになるが、Gは保護されており、反応部位として使用で きない。従って、ヌクレオチド部分が次にオリゴマーに加えられるべきモノマー である場合には、Pnは保護基である(ヌクレオチドモノマーが別のモノマーま たは固体担体樹脂に連結されるべき第1の部分である場合にも、Pnは保護基で ある)。反対に、ヌクレオチド部分が既にオリゴマー鎖の一部である場合すなわ ちカップリング反応において求核種として機能する部分である場合には、Pnは 水素原子である。 好ましいR6置換基は、米国特許第4,458,066号および第4,725,677号に記載さ れており、これらの特許の内容は参考として本明細書の一部を成す。基R6は一 般に下記式で表される基であるが、他のものでもよい: Wで表される基は電子吸引基である。V1〜V3で表される原子または基は互い に同一でも異なっていてもよく、互いに独立に水素、メチルおよびエチル基であ る。好ましい電子吸引基には(限定的にではなく)、シアノ、アルキルスルホニ ル、アリールスルホニル、フェニル基および置換基を有するフェニル基、例えば p-ニトロフェニル、o-ニトロフェニルおよびp-アルキルスルホニルフェニル基が 含まれる。 L1で表される基は、例えばヌクレオチド部分が既にポリマー鎖に組み込まれ ているか、リンカーを介して固体担体に結合されている場合には、化学結合にす ることができる。L1によって表される基はさらに、残基であってもよい。1つ 前のPNAまたはヌクレオチド部分と保護基としてPnを有するヌクレオチド部 分との反応によって残基が外れ、それによって2つの部分がカップリングされる 。好ましい残基には米国特許第5,233,044号および第5,410,068号に記載の活性エ ステルが含まれ、これら特許の内容は参考として本明細書に含まれる。その他の 残基の例としては(限定的にではなく)、ハロゲンおよび第2級アミノ基がある 。 第2級アミノ基は下記式で表すことができる: −NR89 8およびR9で表される基は互いに同一でも異なっていてもよく、独立に1〜 10個の炭素原子を有する第1級、第2級または第3級アルキル基であるか、一緒 になって炭素数5〜7のシクロアルキル基(ヘテロ原子として1つまたは2つの 窒素、酸素または硫黄原子を含むことができる)を形成することができる。 PNA−DNAキメラの構築に使用されるPNA部分は下記式で表される: 単位G、B、R7、j、gおよびhは上記定義のものを表す。単位Paは水素 原子または保護基である。単位L2は水酸基、残基または化学結合である。 通常、ヌクレオチド部分と同様にPNAがカップリング反応において求核性の 化学種として作用する場合には、単位Paは水素原子である。一方、PNA部分 が求核性化学種に連結されるモノマーの場合にはPaは保護基であり、Gは反応 部位として適当でなくなる。 同様に、L2の性質(アイデンティティ)も合成シーケンスにおけるPNAの 役割で決まる。PNA部分がオリゴマーあるいは固体担体に連結されたリンカー に連結されていれば、L2は化学結合となるが、PNA部分がリンカーあるいは PNAまたはヌクレオチド部分に連結されるべきモノマーの場合には、L2は水 酸基または残基になろう。ヌクレオチド部分に関して既に記載したように、求核 性の攻撃によって残基または活性水酸基が置換され、PNA部分の求核性化学種 へのカップリングが促進される。通常、カップリング段階では活性シントンが発 生し、水酸基の残基への変換が起こる。活性化は通常その場で行われる。適当な 活性化化学作用はペプチド化学関連の文献で 公知である。1993年9月28日出願の米国特許出願第0/952,025号に記載の試薬が 特に有効である。 単位L2も米国特許第5,410,068号および第5,233,044号に記載のような活性エ ステルであるのが好ましい。好ましいL2としてはさらに1-ヒドロキシ-7-アザベ ンゾトリアゾール(HOAT)がある。 L2基のその他の適当な例も当業者に公知であり、特にイミダゾール、トリア ゾール、テトラゾール、3-ニトロ-1,2,4-トリアゾール、チアゾール、ピロール 、ベンゾトリアゾールおよびベンゾヒドロキシトリアゾールがある。これらのシ クロアルキル基にはフェニル部で置換されたイミダゾール、フェニル部で置換さ れたトリアゾール、フェニル部で置換されたテトラゾール、フェニル部で置換さ れた3-ニトロ-1,2,4-トリアゾール、フェニル部で置換されたチアゾール、フェ ニル部で置換されたピロール、フェニル部で置換されたベンゾトリアゾールおよ びフェニル部で置換されたベンゾヒドロキシトリアゾールがさらに含まれる。 PNA−DNAキメラは種々の方法で合成できるが、おそらく最も効率的な方 法は上記のようなDNA合成で現在使用可能な方法および装置を用いる方法にな ろう。特に、核酸(DNAおよびRNA)は現在、自動化機械で多数の合成担体 および各種保護化学作用を利用してルーチンワークで合成されている。下記の米 国特許は広範囲に渡る各種担体および保護化学作用をカバーしており、参考とし て本明細書の一部を成す:米国特許第5,262,530号、第4,415,732号,第4,458,06 6号、第4,725,677号(RE34,069)および第4,923,901号。自動化装置および試 薬は、パーセプティブバイオシステムズ社、パーキンエルマー社(応用生物系部 門)およびファルマシア社から市販されている。特別な5'-アミノシントンがス ミス(Smith)達(Nucleic Acids Res.(1985)13:2399)と、スプロート(Sproat)達(N ucleic Acids Res.(1987)15:6181に報告されている。特別な5'-チオシントンは スプロート(Sproat)達(Nucleic Acids Res.(1987)15:4837)に報告されている 。上記参考文献に記載の試薬は、標準的なDNA合成機器での使用に好適である 。 核酸を合成するための好ましい商業的方法は、上記試薬およびケスター達の米 国特許第4,725,677号(RE34,069)に全般的に記載の方法を用いたものである。 従って、好ましいシントンは、主鎖の5'水酸基に酸に対して不安定な保護が施さ れ且つ核酸塩基の環外アミノ基に塩基に対して不安定なアシル型保護が施された β−シアノエチルホスホラミダイトである。 酸に対して不安定な主鎖の保護基として好ましいものは、4,4'-ジメトキシト リフェニルメチル(DMT)である。DMTは一般に各々の合成サイクルにおい て、ジクロロメタンを用いて調製した1〜4%のジクロロ酢酸またはトリクロロ 酢酸溶液を用いてかなり迅速(1〜3分)に除去可能であるという理由で選択さ れる。DMTと比べて酸に対する不安定性の高い保護基は、酸触媒によるカップ リング反応(典型的な酸性化学種はテトラゾール)中に時期尚早に保護解除され やすい。DMTと比べて酸に対する不安定性の低い保護基は、完全に除去するた めに長い反応時間および/または過酷な条件に必要となる。一般に、プリン核酸 塩基は酸による分解を特に受け易いので、これ以上に過酷な酸性保護解除条件は 避けられる。保護基および 合成条件に関する上記欠点は各々の合成サイクルで最低限に抑えられるが、累積 効果によってオリゴヌクレオチド合成に深刻な不純物が発生する可能性がある。 従って、オリゴヌクレオチドの長さが長くなるにつれて、その純度は低下するこ とになる。 通常、塩基に対して不安定な保護基は核酸塩基の環外アミノ基を保護するため に用いられ、オルソゴナルに保護された核酸シントンが得られるようになってい る。塩基に対して不安定な保護基は通常伸長中の核酸鎖の一部として残り、合成 した核酸の固体担体からの開裂時に同時に除去される。『保護解除および開裂ス テップ』では濃縮水酸化アンモニウム溶液がしばしば利用される。ケスター達は 、塩基に対して不安定なアシル型保護基を使用しており、この核酸塩基保護基は 、その完全な除去のために、通常高温(約55℃)で6〜24時間処理される。同じ 条件でより短時間(約15〜60分)に除去されるその他の保護基が開発されている 。これらの改良された保護基の例としてはフェノキシアセチル、t-ブチルフェノ キシアセチルおよびアミンジン型保護基がある。これらの保護基は塩基に対する 不安定性が増加しているが、通常は除去に要する時間だけが短縮される。 さらに、PNAシントンは互いに連結されてPNAオリゴマー(PNA)を構 成することができる。DNAシントンの化学作用は市販の合成装置に合っている ので、シントンを種々の長さおよび配列を有するポリマー鎖へ変換するのは容易 である。 一般に、核酸塩基の保護基を除去する前のPNAオリゴマーは下記式で表され る: KLQMN 記号KおよびNは化学結合を表す。記号Qは上記定義の化学 結合またはリンカーを表す。LおよびMは下記の式で表されるPNA部分であり 、互いに同一でも異なっていてもよい: 単位G、Ba、R7、g、hおよびjは上記定義のものを表す。 このオリゴマーは標準的なペプチドカップリング操作によって合成される。所 望のPNA配列が達成された時点で、全ての保護基を外し、必要に応じて固体担 体からの開裂を行って、PNA分子が作られる。担体を適切に選択することは過 酷な条件での処理を避けるために重要であり、好ましくは塩基性溶液中で開裂お よび保護解除が行えるように選択するのが好ましい。適当なメンブレン担体を製 造する方法は米国特許第4,923,901号に記載されている。さらに、担体がヒドロ キシル基を備え、この基に最初のPNAがエステルとして結合するのが好ましい 。 これまで化学文献に報告されているペプチド合成に関する各種の方法が一般に PNAオリゴマー合成に適用可能である。これらの方法には(限定的にでなく) 、固相ペプチド合成および溶液合成が含まれる。例えば固相合成では、第1アミ ノ酸のカップリングに続く次のステップで所望のPNA鎖の計画的合成を行う。 この合成には保護解除/カップリングサイクルの繰り返しが含まれる。最後に連 結されたアミノ酸の一時的な主鎖保 護基、例えばFmocは、適当な処理、例えばピペリジンを用いた塩基処理などによ って定量的に除去され、N-末端アミノ基がフリーになる。 続いて、次の所望のN-保護アミノ酸を、最後に連結されたアミノ酸のN-末端に 連結する。このアミノ酸C末端と最後に連結されたアミノ酸のN-末端との連結は 、いくつかの方法で行うことができる。例えば、縮合試薬、例えばジシクロヘキ シルカルボジイミド(DCC)(Sheehan & Hess達、J.Am.Chem.Soc.,1955,77, 1067)およびジイソプロピルカルボジイミド(DIC)(Sraantakis達、Biochem .Biophys.Res.Commun.,1976,73,336)またはそれらの誘導体を用いて、新 たに連結されるアミノ酸のカルボキシル基を直接最後に連結されたアミノ酸のN- 末端と反応させるか、新たに連結されるアミノ酸を下記数種類の方法のいずれか 任意の方法で活性化したカルボキシル基を含む形体で作ることによって結合させ ることができる:数種類の方法とは、活性エステル誘導体、例えば2,4,5-トリク ロロフェニルエステル(Pless達、Helv Chim.Acta,1963,46,1609)、フタルイ ミドエステル(Nafkens達、Am.Chem.Soc.,1961,83,1263)、ペンタクロロフ ェニルエステル(Kuproyszewski,Rocz.Chem.,1961,35,595)、ペンタフルオロ フェニルエステル(Kovacs達、Am.Chem.Soc.,1963,85 183)、o-ニトロフェニ ルエステル(Bodanzsky,Nature,1955,175,685)、イミダゾールエステル(Li達 、J.Am Chem.Soc.,1970,92,7608)および3-ヒドロキシ-4-オキソ-3,4-ジヒド ロキナゾリン(Dhbt-OH)エステル(Konig達、Chem.Ber.,1973,103,2024と2034 )を初めに生成する方法と、対称無水物(Wieland達、Angew.Chem. Int.Ed.Engl.,1971,10,336)のような無水物を最初に生成する方法である。第 2級アミノ基を含むPNA分子を組み立てる場合には、ベンゾトリアゾリルN-オ キシトリスジメチルアミノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP) 『カストロの試薬』(例えば、Rivaille達、Tetrahedron 1980,36,3413参照) が推奨される。カルボン酸基を活性化するための好ましい試薬には、1-ヒドロキ シ-7-アザベンゾトリアゾール(HOAT)およびそのホスホニウム塩およびウ ロニウム塩が含まれる(Carpino.,L.J.Am.Chem.Soc.,(1993)115,4397参照) 。最後に、最近報告されたアミノ酸フッ化物に類似の活性化されたPNAモノマ ー(Carpino,J.Am.Chem.Soc.,1990,112,9651)はPNA合成を含めて多いに 有望である。 保護基を含む所望のRNA鎖の合成後に続くステップは、通常、PNA部分の アミノ酸の保護解除と、合成したPNAの固体担体からの開裂である。これらの プロセスはほぼ同時に行われてフリーなPNAが所望の形状で得られる。あるい は、2つの別々に合成したPNA鎖の縮合を行う場合には、合成開始時に、所望 のPNA鎖をそれぞれの固体担体から開裂させるための適切なスペーサー基を選 択し(いずれのペプチド鎖も側鎖保護基を組み込まれた状態のままである)、最 後に、例えば側鎖が保護された2つのペプチド鎖をカップリングさせて長鎖のP NA鎖を合成した後に側鎖の保護基を除去する。 合成、単離されたPNA−DNAキメラは種々の配列の組み合わせで多くの用 途で用いることができる。その用途の1つとして治療薬またはアンチセンス剤が ある。PNA−DNAキメラは当業界で公知の各種方法または形態で生物に投与 でき、そ れによって生物の健康の維持を助けるか、不健康な状態からの回復を促進する。 PNA−DNAキメラはポリメラーゼ反応のプライマーとしても利用できる。 PNA−DNAキメラを核酸プライマーと接触させると、キメラが核酸プライマ ーを認識して結合し、それによってポリメラーゼ反応が開始される。 PNA−DNAキメラはさらに遺伝子配列決定用プローブとしても利用できる 。 以上、本発明を全般的に説明したが、以下では具体的な実施例を挙げて本発明 をより詳細に説明するが、本発明が以下の実施例に限定されるものではない。実施例 実施例1 4,4- ジメチルベンズヒドロール(I)の合成 4.73モルのマグネシウムチップに、反応開始後の激しい還流を維持するのに必 要な速度で、4.4モルの4-ブロモトルエン溶液(乾燥テトラヒドロフラン(TH F)を用いて合計3lに稀釈したもの)を滴下した。添加終了後、室温近くに冷 えるまで攪拌を継続した(約1時間)。調製したグリニヤール試薬に、4.3モル のp-トルアルデヒドを、反応物を還流させるのに必要な速度で滴下した。添加終 了後、反応物が室温近くに冷えるまで攪拌を継続した(約30分)。反応物を約半 分の量に濃縮し、2.5lのジクロロメタンと4.8モルの硫酸水素カリウムを含む溶 液(水を用いて4.5lに稀釈したもの)とを含む不均質溶液に(激しく攪拌しな がら)注いだ。添加後、全ての塩が溶解するまで3NのHClを含む溶液を添加し た(上部にジクロロメタン層がくる)。層を分離し、有機層を稀釈した燐酸ナト リウムバッファー(pH5)を用いて1回洗浄した。生成物を乾燥し、濾過後、蒸 発乾燥した。収量:970gで緑色オイルを得た。生成物を1.6lのヘキサン/酢酸 エチル(9:1)を用いて再結晶化した。収量:660.1gの白色結晶(72%)。母液を 500mlの酢酸エチル/ヘキサン(9:1)中で再結晶化させることによって第2の生成 物を得た(収量:108.0gの白色固体、11.8%)。合計収量768.1g、3.62モル( 84%)。 実施例2 N-(4,4'- ジメチルベンズヒドロールオキシカルボニル)-エチレンジアミン( II )の合成 130mmolのカルボニルジイミダゾール(CDI)を100mlのジクロロメタン(D CM)に懸濁した溶液を0℃で攪拌しながら、125mlの4,4'-ジメチルベンズヒド ロールを60mlのジクロロメタンに溶解した溶液を滴下した。添加後、反応物を30 分間攪拌した。30分後の薄層クロマトグラフィー(tlc)分析で反応終了が示され た。生成物を分液漏斗に移し、70mlの水を用いて2回洗浄した。次いで、ジクロ ロメタン層を硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、濾過後、蒸発乾燥した。収量:40 gの白色固体。 単離した生成物40gを150mlのジクロロメタンに溶解し、1モルのエチレンジ アミン(0℃で攪拌)に滴下した。添加終了後、反応物を30分間攪拌した。続い て溶液を分液漏斗に移し、100mlの水を用いて4回抽出した(最後の洗浄液には エマルション生成を最小限に抑えるために少量の塩水を添加した)。その後、ジ クロロメタン層を硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、濾過後、蒸発乾燥した。収量 :37.8gの透明黄色オイル(101%)。 実施例3 N-(4,4'- ジメチルベンズヒドロールオキシカルボニル)-N'−トリフルオロアセ チル−エチレンジアミン(III)の合成 実施例2で単離されたN-(4,4'-ジメチルベンズヒドロールオキシカルボニル)- エチレンジアミン37.8gに、200mlのジクロロメタンと50mmolのトリエチルアミ ンを添加した。溶液を氷浴中で冷却した後、150mmolのトリフルオロ酢酸エチル を滴下した。その後、1時間かけて白色固体生成物を析出させ、減圧濾過を行っ て回収した。濾液を一夜攪拌し、その後、分液漏斗に移した。分液漏斗に移した 後、溶液を燐酸ナトリウムバッファー(pH6)を用いて2回洗浄し、硫酸ナトリ ウムを用いて乾燥し、濾過後に蒸発乾燥させた。残渣を250mlのヘキサン/酢酸 エチル(3:2)から再結晶させた。収量:16.6gの白色固体(34%)。最初の減圧 濾過で回収された生成物の重量は21.05g(42%)であり、合計収量は37.65g( 76%)であった。 実施例4 N-[N'-4,4- ジメチルベンズヒドロールオキシカルボニル-(2'-アミノエチル) グリシン(IV)の合成 40mmolのN-(4,4'-ジメチルベンズヒドロールオキシカルボニル)-N'−トリフル オロアセチル−エチレンジアミンを160mlの乾燥テトラヒドロフランに添加した 溶液に、44mmolの水素化ナトリウムを0℃で攪拌しながら、添加した。ガスの発 生が無く なって濃い青色が消えるまで反応物を氷浴中で攪拌した。反応物に48mmolのブロ モ酢酸エチルを添加した。次いで、反応物を室温に温めながら一夜攪拌した。翌 朝溶媒を留去し、100mlの酢酸エチルと100mlの燐酸ナトリウムバッファー(pH6 )とを用いて残留物を再分配した。その後、有機層を水を用いて1回洗浄し、硫 酸ナトリウムを用いて脱水、濾過後、蒸発乾燥した。収量:19.72gの橙色オイ ル(90%) 残留物を240mlのエタノール/アセトニトリル(1:1)溶液に溶解した後、60mlの 水を添加した。氷浴中で溶液を冷却し、その後2.5Nの水酸化リチウム水溶液160 mlを添加した。反応物を1時間攪拌し、その後、3NのHClを一滴ずつ、試験紙 でpH8〜9が確認されるまで非常にゆっくりと滴下した。その後、この溶液に1 Mの燐酸二水素ナトリウム15mlを添加してpHを7に調節した。白色沈澱物が生じ る。続いて溶液をロータリーエバポレータを用いて濃縮し、約150mlの溶媒を留 去した。次いで、3×100mlの酢酸エチルを用いて残留物を抽出した。酢酸エチ ル層を全て合わせ、1Mの燐酸バッファー(pH7)を用いて1回逆抽出した。酢 酸エチル層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過後、蒸発乾燥した。収量:14.3gの 黄色フォーム。 400mlのアセトニトリルを用いて再結晶化した。収量:8.35g(59%)。100ml のACNを用いて再度再結晶化した。収量7.63g(54%)。 実施例5 2-(1' チミニル)酢酸の合成 300gのチミンに、750mlのヘキサメチルジシラザンと、15gの硫酸アンモニウ ムとを添加した。反応混合物を攪拌しながらガスの発生が無くなるまで加熱還流 した。続いて反応物を80℃に冷却し、160mlのブロモ酢酸エチルを添加した。分 析によって出発物質の95%が消費されたことが示されるまで、反応物を緩やかに 加熱し続けた。その後、反応物を氷浴中で20℃に冷却し、氷浴中で攪拌しながら 150mlのメタノールを滴下した。メタノールの添加終了後、2.5lの3N水酸化ナ トリウム溶液を注意深く添加した。その後、氷浴を取り除き、反応物上にガスを 通過させて過剰のシランを素早く蒸発させた。次に80gの水酸化ナトリウムを添 加し、反応物を一夜攪拌した。翌朝、反応物に6N塩酸1lを添加して生成物を 析出させた。その後、減圧濾過して生成物を回収し、低濃度の塩酸を用いて洗浄 した。続いて、回収された生成物を1.5lのアセトニトリルに懸濁し、溶液を攪 拌下に加熱還流した。一夜冷却後、再び減圧濾過して固体を回収し、アセトニト リル、ジクロロメタン、アセトニトリルで洗浄した。収量:327g(75%)。 実施例6 2,2- ジメチル-1-シアノエトキシカルボニル- イミダゾール(XIV)の合成 250mmolのカルボニルジイミダゾールを100mlのジクロロメタンに懸濁したもの に、260mmolの2-ヒドロキシ-2-メチル-ブチロニトリルを添加した。反応物を約2 0時間攪拌し、分液漏斗に移した。さらに、250mlのジクロロメタンを添加し、続 いて100mlの水を用いて3回溶液を洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムを用いて 洗浄し、濾過後、約50mlまで濃縮した。その直後に、激しく攪拌しながら200ml のエーテルを添加し、その後溶液を氷浴中で30分間冷却した。減圧濾過により白 色固体生成物を分離した。収量:29.6g(61%) 実施例7 2-(1'- シトシル)酢酸t-ブチル(V)の合成 200mmolのシトシンに、250mlのDMFと215mmolのポタシウム-t-ブトキシドと を添加した。その後、激しく攪拌しながら反応物を60℃に加熱し、その後、直ち に0℃に冷却した。氷温の溶液に215mmolのブロモ酢酸t-ブチルを滴下した。反 応物を1時間攪拌した後、濃縮した。30mmolの3N塩化水素酸を含む500mlの水 に残留物を添加した。溶液を20分間攪拌し、その後、減圧濾過して白色固体生成 物を回収した。収量:32.08g(71%)。 実施例8 t- ブチル2-[N'4-2,2-ジメチル-1-シアノエトキシ カルボニル(1-シトシル)]アセテート(VI)の合成 52mmolの2,2-ジメチル-1-シアノエトキシカルボニル-イミダゾールを150mlの ジクロロメタン(0℃)に添加したものに、50mmolのトリフルオロメタンスルホ ン酸メチルを添加した(滴下)。反応物を約30時間撹拌し、35mmolの2-(1'-シト シル)酢酸t-ブチルを添加した。tlc分析で反応完了が確認されるまで反応物を攪 拌した(24時間)。生成物を分液漏斗に移し、5%の硫酸水素カリウム溶液50ml で1回、5%の重炭酸ナトリウム溶液で1回抽出した。その後、有機層を硫酸ナ トリウムを用いて脱水、濾過後、蒸発乾燥した。酢酸エチルを用いて残留物を再 結晶させた。収量:7.35g(60%) 実施例9 2−[N'4-2,2-ジメチル-1-シアノエトキシカルボニル (1'- シトシル)]酢酸(VII)の合成 25mmolの2−[N'4-2,2-ジメチル-1-シアノエトキシカルボニル(1'-シトシル)] 酢酸t-ブチルに、25mlのジクロロメタンと50mlのトリフルオロ酢酸(TFA)と を添加した。エステルが完全に加水分解されるまで反応物を攪拌した(4時間) 。その後溶液を濃縮し、10mlのジクロロメタンに再溶解した。この溶液 を氷冷エチルエーテル350mlに激しく攪拌しながら滴下して、生成物を析出させ た。その後生成物を減圧濾過によって回収した。収量:7.60gの白色固体(103 %)(TFA塩としては存在しないと思われる) 実施例10 2-(9'- アデニル)酢酸t-ブチル(VII)の合成 200mmolのアデニンに、400mlの乾燥ジメチルホルムアミド(DMF)を添加し た。懸濁液を攪拌しながら230mmolの水素化ナトリウムを添加した。溶液を室温 で一夜攪拌し、氷浴中で30分間攪拌した。その後、220mmolのブロモ酢酸t-ブチ ルを滴下した。その後、溶液を30分間攪拌し、減圧下に約50mlまで濃縮した後、 10%炭酸ナトリウムを20ml含有する1.5lの水に残留物を注入した。30分間攪拌 後、析出した白色固体生成物を減圧濾過で回収した。その後、湿った生成物を30 0mlのアセトニトリル/水(9:1)から再結晶した。生成した結晶を減圧濾過によっ て回収した。収量:25.94g(52%)。 実施例11 2-[N'6-2,2- ジメチル-1-シアノエトキシ カルボニル(9'-アデニル)]酢酸t-ブチル(IX)の合成 2,2-ジメチル-1-シアノエトキシカルボニルイミダゾールに 100mlのジクロロメタンを添加した。この溶液を氷浴中で30分間攪拌した後、50m molのトリフルオロメタンスルホン酸メチルを滴下した。反応物を氷浴中で30分 間攪拌し、その後、35mmolの2-(9'-アデニル)酢酸t-ブチルを添加し、tlc分析で 反応の完了が示されるまで反応物を攪拌した(4日間)。その後、溶液を分液漏 斗に移し、5%の硫酸水素カリウム溶液70mlで1回、5%の重炭酸ナトリウム溶 液を用いて1回、さらに塩化ナトリウムの稀釈溶液を用いて1回抽出した。その 後、有機層を硫酸ナトリウムを用いて脱水、濾過後、蒸発乾燥させた。酢酸エチ ル130mlを用いて残留物を晶析した。収量:10.17g(77%) 実施例12 2-[N'6-2,2- ジメチル-1-シアノエトキシカルボニル (9'- アデニル)]酢酸(X)の合成 28mmolの2-[N'6-2,2-ジメチル-1-シアノエトキシカルボニル(9'-アデニル)]酢 酸t-ブチルに、25mlのジクロロメタン50mlのトリフルオロ酢酸(TFA)とを添 加した。tlcでエステルが完全に加水分解されたことが確認されるまで反応物を 攪拌した(4時間)。その後、この溶液をオイル状になるまで濃縮し、残留物を 10mlのジクロロメタンに再溶解した。この溶液を、氷冷エチルエーテルに激しく 攪拌しながら滴下して、生成物を析出させた。その後、白色固体生成物を減圧濾 過によって回収した。収量:11.55gの少し灰色がかった白色固体(95%)(生 成物はTFA塩として存在するものと思われる) 実施例13 2-[6'- クロロ(9'-プリニル)]酢酸ベンジル(XI)の合成 ジメチルホルムアミド(DMF,3L)を6-クロロ-2-アミノプリン(300g,1. 77mol;Pharma-WaldorfGmbH,Gnermany,P/N 41720)および炭酸カリウム(366g;2 .65mol,Aldrich Chemical,Milwaukee,WI(以下アルドリッチ社)P/N34,782-5 )に添加し、溶液を温めて2-アミノ-6-クロロプリンを溶解させた(84℃)。続 いて氷浴中で混合物を冷却し、2-ブロモ酢酸ベンジル(299ml,1.89mol;アルド リッチ社P/N 24,563-1)を1.5時間かけて滴下した。混合物を0℃でさらに3時 間攪拌した後、室温で一夜攪拌した。翌日反応混合物を濾過し、濾液を7lの水 と150mlの濃塩酸(HCl)とを含む溶液中に注ぐ。続いて、混合物を2時間攪拌し 、濾過して生成物を単離した。生成物を水で十分に洗浄し、続いて、沸騰中のア セトニトリル(3l)に固体を少しずつ添加して再結晶化させた。深い赤色の溶 液を一夜放置し、翌日濾過した。生成物をメタノールを用いて十分に洗浄し、続 いてジエチルエーテルを用いて洗浄した。収量:386g(69%) 実施例14 2-[N'2-2-( メチルチオ)エトキシカルボニル -6'- クロロ(9'-プリニル)]酢酸ベンジル(XII)の合成 50mmolの2-[6'-クロロ(9'-プリニル)]酢酸ベンジルに、新たに蒸留した200ml のテトラヒドロフランを添加した。反応物を氷浴中で20分間冷却した後、20mmol のトリホスゲンを添加した。反応物を0℃で30分間撹拌し、130mmolのジイソプ ロピルエチルアミンを滴下した。0℃で20分間攪拌後、70mmolの2-(メチルチオ) -エタノールを添加した。反応物を室温で一夜攪拌した。翌朝、反応物を約半量 に濃縮し、500mlの水と、30mmolの塩酸とを含む溶液に攪拌しながら添加した。 混合物を30分間攪拌した後に減圧慮過を行って生成物を回収した。生成物をエタ ノール中で再結晶化させた。収率74%。 実施例15 2-[N'2-2-( メチルチオ)エトキシカルボニル (9'- グアニル)]酢酸(XIII)の合成 75mmolの95%水素化ナトリウムに新たに蒸留した約100mlのテトラヒドロフラ ンを添加した。溶液を氷浴中で20分間冷却した後、75mmolの3-ヒドロキシプロピ オニトリルを添加した。反応物を0℃で2時間攪拌し、15mmolの2-[N'2-2-(メチ ルチオ)-エトキシカルボニル-6'-クロロ(9'-プリニル)]酢酸ベンジルを添加した 。反応物を室温で一夜攪拌した。翌朝、溶媒を完全に 留去し、200mlの水と、54gの塩化ナトリウムと、8gのK2 27とを含む溶液を添加した。溶液を15分間激しく攪拌した後、固体生成物を 濾過した。生成物をアセトニトリル中で沸騰させて精製した。収率83%。 実施例16 N-[N"-4,4'- ジメチルベンズヒドロールオキシカルボニル -(2"- アミノエチル)]-N-[2-(1'-チミニル)アセチル] グリシン(XIX)の合成 3mmolのN-[N'-4,4'-ジメチルベンズヒドロールオキシカルボニル-(2'-アミノ エチル)]グリシンに、15mlのアセトニトリル(ACN)および12mmmolのN-メチ ルモルホリン(NMM)を添加した。溶液を氷浴中で冷却し、6mmolのトリイソ プロピルシリルクロライドを添加した。溶液を0℃で2時間攪拌し、下記で説明 する反応の生成物に添加した。 3.3mmolの2-(1'-チミニル)酢酸に、15mlのアセトニトリルと12mmolのN-メチル モルホリンとを添加した。溶液を0℃に冷却しながら攪拌した後、3.7mmolのト リメチルアセチルクロライドを溶液に添加した。15分間攪拌後、反応物のアリコ ートを取り出し、ジエチルアミンと反応させて、完全な無水物が生じたか否かを 判定した。tlc分析によって無水物の生成が完了したことが示された後、この反 応生成物に上記反応物を滴下して、混合物を30分間攪拌した。その後、生成物を 蒸発乾燥し、30ml のエチルエーテルと30mlのNメチルモルホリン水溶液(3%)とを用いて残留物 を分けた。 二層を分け、有機層を3%のN-メチルモルホリン水溶液30mlを用いて1回洗浄 した。有機層を硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、フィルターを介して第2のフラ スコに移した。さらにエチルエーテルを加えて溶液を全体で75mlに調節した。こ の溶液に12mmolのN-メチルモルホリンと3mmolのトリエチルアミントリハイドロ フルオライド(Et3N 3HF)を添加した。5分後、この溶液に30mlの水を添加した( 試験紙によるpH値は7〜8)。この溶液に追加のエチルエーテルを添加し、3% のN-チルモルホリン水溶液30mlを添加した。分液し、水層を蒸発乾燥した。続い て残留物を30mlのジクロロメタンと40mlのpH3.5バッファー(pH3.5バッファーは 0.2Mのクエン酸と0.2MのNa2HPO4 と0.2MのNaH2PO4からなる)とを用いて分配した。分液し、硫酸ナトリウムを用 いて有機層を脱水後、濾過し、濾液に6mmolのN-メチルモルホリンを添加した。 その後、濾液を蒸発乾燥し、残留物を最小限量のジクロロメタンに溶解した。そ の後、この溶液を氷冷エチルエーテルに激しく攪拌しながら添加することによっ て生成物を析出させた。生成物を減圧濾過によって回収した。収量:0.872g(4 8%)。 調製されたPNAシントンはアミド結合を中心とする回転障 害のためにロトマー(rotomer)を生成した。信号は各ロトマー形毎に表れ、主要 信号(大きい方の信号)はmjで表し、小さい信号はmiで表した。表したプロトン の数は信号を合わせた合計数を表す。このモノマーではロトマーの数はほぼ同じ であり、従って、表示は単に読者の利便性を考えて挿入されている。実施例17 N-[N"-4,4'- ジメチルベンズヒドロールオキシカルボニル-(2"-アミノエチル)]-N -[2-(N'4-2,2-ジメチル-1-シアノエトキシカルボニル(1'-シトシル)]アセチル] グリシン(XVI)の合成 3mmolのN-[N'-4,4'-ジメチルベンズヒドロールオキシカルボニル-(2'-アミノ エチル)]グリシンに、15mlのアセトニトリルおよび9mmmolのN-メチルモルホリ ンを添加した。この溶液を氷浴中で冷却し、6mmolのトリイソプロピルシリルク ロライドを添加した。この溶液を0℃で2時間攪拌し、下記で説明する反応の生 成物に添加した。 3.3mmolの2-[N'4-2,2-ジメチル-1-シアノエトキシカルボニル(1'-シトシル)] 酢酸に、15mlのアセトニトリルと9mmolのN-メチルモルホリンとを添加した。こ の溶液を0℃に冷却しながら攪拌した後、3.7mmolのトリメチルアセチルクロラ イドを添加した。15分間攪拌後、反応物のアリコートを取り出し、ジエチルアミ ンと反応させて、完全な無水物が生じたか否かを判定した。tlc分析によって無 水物の生成が完了したことが示された後、この反応生成物に上記反応物を滴下し て、混合物を30分間攪拌した。 その後、生成物を蒸発乾燥し、残留物を30mlのエーテルと30mlのNメチルモル ホリン水溶液(3%)とを用いて分けた。二層を分離し、有機層を3%のN-メチ ルモルホリン水溶液30mlを用いて1回洗浄し、硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、 フィルターを介して第2のフラスコに移した。この溶液に9mmolのN-メチルモル ホリンと2.2mmolのトリエチルアミントリヒドロフルオライドを添加した。pHが 非常に高いので、過剰のトリエチルアミントリヒドロフルオライドを添加してpH を7〜8(試験紙による)に調節した。この溶液に追加のエチルエーテルを添加 し、3%のN-チルモルホリン水溶液30mlを添加した。2層を分離し、生成物が水 層に存在することを確認した。有機層を3%のN-メチルモルホリン水溶液30mlを 用いて洗浄した。水層を合わせ白色ゲル伏になるまで蒸発乾燥した。このゲルを 水を用いて1回、テトラヒドロフランを用いて1回共蒸発乾燥した。続いて、残 留物を25mlのジクロロメタンと30mlのpH3.5バッファー(pH3.5バッファーは0.2 Mのクエン酸と0.2MのNa2HPO4と0.2MのNaH2PO4からなる)とを用いて分配した 。生成物はジクロロメタン層に存在することを確認した。2層を分離し、有機層 を塩化ナトリウム稀釈溶液を用いて1回洗浄した後、硫酸ナトリウムを用いて乾 燥し、濾過し、蒸発乾燥した。収量:1.61gの黄色フォーム(73%)。このフォ ームを最小限量のジクロロメタンに溶解し、この溶液を氷冷のエチルエーテル中 に攪拌しながら滴下して析出させた。収量:1.06g(48%)。 実施例18 N-[N"-4,4'- ジメチルベンズヒドロールオキシカルボニル-(2"-アミノエチル)]-N -[2-[N'6-2,2-ジメチル-1-シアノエトキシカルボニル(9'-アデニル)]アセチル] グリシン(XVII)の合成 6mmolのN-[N'-4,4'-ジメチルベンズヒドロールオキシカルボニル-(2'-アミノ エチル)]グリシンに、35mlのアセトニトリルおよび24mmmolのN-メチルモルホリ ンを添加した。この溶液を氷浴中で冷却し、6mmolのトリイソプロピルシリルク ロライドを添加した。エステルの生成をtlcで分析し、反応が不完全であること が示されたので、トリイソプロピルシリルクロライドをさらに3mmol添加した。 この溶液を0℃で合計1.5時間攪拌し、下記反応の生成物に添加した。 7mmolの2-[N'6-2,2-ジメチル-1-シアノエトキシカルボニル(9'-アデニル)]酢 酸に、30mlのアセトニトリルと28mmolのN-メチルモルホリンとを添加した。この 溶液を0℃に冷却しながら攪拌した後、7.7mmolのトリメチルアセチルクロライ ドを添加した。20分間攪拌後、反応物のアリコートを取り出し、ジエチルアミン と反応させて無水物が完全に生じたか否かを判定した。無水物が完全には生成し ていないことが判明したので、さらに0.7mmolのトリメチルアセチルクロライド を添加して反応物をさらに10分間攪拌した。tlc分析によって無水物の生成が完 了たことが示された後に、この反応の無水生成物に上記反応物を滴下して、混合 物を30分間攪拌した。 その後、生成物を蒸発乾燥し、60mlのエチルエーテルと60mlのN-メチルモル ホリン水溶液(3%)とを用いて残留物を分配した。二層を分離し、有機層を3 %のN-メチルモルホリン水溶液30mlを用いて1回洗浄した。有機層を硫酸ナトリ ウムを用いて乾燥し、フィルターを介して第2のフラスコに移した。この溶液に 24mmolのN-メチルモルホリンと6mmolのトリエチルアミントリヒドロフルオライ ドを添加した。この溶液に60mlの水を添加し、全てのものが完全に溶解するまで 攪拌した(試験紙によるpHは約8)。2層を分離し、水層を蒸発乾燥した。続い て、残留物を60mlのジクロロメタンと80mlのpH3.5バファーとで分配した。2層 を分離し、硫酸ナトリウムを用いて有機層を乾燥後、濾過し、濾液に12mmolのN- メチルモルホリンを添加した。その後、濾液を蒸発乾燥し、残留物を最小限量の ジクロロメタンに溶解した。続いてこの溶液を低温のエチルエーテル中に激しく 攪拌しながら滴下して生成物を析出させた。減圧濾過を行って生成物を回収した 。収量:2.58g(57%)。 実施例19 N-[N"-4,4'- ジメチルベンズヒドロールオキシカルボニル-(2"-アミノエチル)] -N-[2-[N'2-2-(メチルチオ)エトキシカルボニル(9'-グアニル)]アセチル]グリシ ン(XVIII)の合成 5mmolのN-[N'-4,4'-ジメチルベンズヒドロールオキシカルボニル-(2'-アミノ エチル)]グリシンに、25mlのアセトニトリルおよび20mmmolのN-メチルモルホリ ンを添加した。この溶液を氷浴中で冷却し、10mmolのトリイソプロピルシリルク ロライドを添加し、0℃で1.5時間攪拌した。この溶液を下記反応の生成物に添 加した。 6mmolの2-[N'2-2-(メチルチオ)エトキシカルボニル(9'-グアニル)]酢酸(1 0mlの乾燥DMFから2回コエバポレーションしたもの)に、25mlのアセトニト リルを添加した。この溶液を0℃に冷却しながら20分攪拌し、その後、7mmolの トリメチルアセチルクロライドを添加した。次に、20mmolのN-メチルモルホリン を滴下し、20分攪拌した(常法に従って、反応物のアリコートを取り、ジエチル アミンと反応させて、無水物の生成が完全に起こったか否かを判定した)。 tlc分析によって無水物の生成が示された後、この反応の無水生成物に上把反 応物を滴下して、混合物を一時間攪拌した。 その後、生成物を蒸発乾燥し(乾固させない)、残留物を50mlのエチルエーテル と50mlのNメチルモルホリン水溶液(3%)とを用いて分配した。2層を分離し 、有機層の量を20ml増量し(エーテルの添加)、3%のN-メチルモルホリン水溶 液30mlを用いて1回洗争した。有機層を硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、フィル ターを介して第2のフラスコに移した。この溶液に20mm olのN-メチルモルホリンと5mmolのトリエチルアミントリヒドロフルオライドを 添加した。この溶液に50mlのN-メチルモルホリン水溶液(3%)を添加した(試 験紙でのpHは約8)。2層を分離し、水層を5〜10mlまで濃縮した。これを分液 漏斗に移し、50mlの酢酸エチルと75mlのpH3.5バッファー(pH3.5バッファーは0. 2Mのクエン酸と0.2MのNa2HPO4と0.2MのNaH2PO4とからなる)を添加した。分 液し、有機層を硫酸ナトリウムを用いて乾燥、濾過し、濾液に10mmolのN-メチル モルホリンを添加した。その後、濾液を蒸発乾燥し、残留物を最小限量のジクロ ロメタンに溶解した。続いて、この溶液を氷温のエチルエーテル中に滴下して生 成物を析出させた。減圧濾過を行って生成物を回収した。収量:1.65g(43%) 。 実施例20 N-[N"-4,4'- ジメチルベンズヒドロールオキシカルボニル-(2"-アミノエチル)] -N-[2-[N'2-2-メチルスルホニル)エトキシカルボニル(9'-グアニル)]アセチル] グリシンの合成 1mmolのN-[N"-4,4'-ジメチルベンズヒドロールオキシカルボニル-(2"-アミノ エチル)]-N-[2-[N'2-2-(メチルチオ)エトキシカルボニル(9'-グアニル)]アセ チル]グリシンに、6 mlの水および1mmmolのN-メチルモルホリン(NMM)を添加した。固体が溶解 するまで溶液を攪拌した。溶解後、1mmolのタングステン酸ナトリウムを攪拌し ながら溶液に添加した。続いて、2.5mmolの過酸化水素(3%の過酸化水素水溶 液)を添加した。反応物を攪拌し、HPLC分析でモニタリングした。1時間攪 拌後、反応物を50℃に加熱して酸化速度を上げた。酸化がそれほど進まなかった ので、反応物を冷却し、3%の過酸化水素水溶液をさらに2ml添加した。その後 、HPLC分析によって残りの未酸化材料が約5%になったことが示されるまで 、3%の過酸化水素溶液を5分おきに250μlずつ添加した。反応物をさらに30 分間攪拌し、分液漏斗に移した。反応物に15mlのジクロロメタンと15mlのpH3.5 バッファー(pH3.5バッファーは、0.2Mのクエン酸と0.2MのNa2HPO4と0.2MのN aH2PO4とからなる)を添加した。乳化が見られたので、溶液に10mlの塩水を加え 、静置して分離させた。有機層を回収し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過後、濾 液に100μlのN-メチルモルホリンを添加した。N-メチルモルホリンの追加によ って溶液が不均質になったので、溶液全体を再び分液漏斗に移し、10mlの水、10 mlの塩水および10mlのジクロロメタンを添加した。分液し、有機層を回収し、硫 酸ナトリウムを用いて乾燥し、濾過後に濾液に200mlのN-メチルモルホリンを添 加した。溶液を蒸発乾燥し、残留物を最小限量のジクロロメタンに溶解した。続 いて、この溶液を氷冷のエチルエーテル中に攪拌しながら滴下して生成物を析出 させた。減圧濾過を行って生成物を回収した。収量:0.561gの黄色固体(75% )。 実施例21 PNA配列:H2N-CTTCTCC-CONH2の合成 合成樹脂:パーセプティブバイオシステムズ社製のアミノ基量が0.145mmol/ gのBoc-BHA-PEG-PS(P/N GEN 063050):50mg スケール:7.25マイクロモル(μM)スケール合成 他の当量: 5当量シントン 36μM 4当量HATU** 11mg/カップリング 10当量N-メチルモルホリン 8μl/カップリング HATU=O-7-アザベンゾトリアゾール-1-y1)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート モノマーは各カップリングステップの直前に調製した。1ml容の遠心チューブ に入れた乾燥粉末に、ジメチルホルムアミド(DMF)/ジクロロメタン(DC M)(1:1)を用いて調整した0.4MのN-メチルモルホリンを含む溶液180μlを添 加して溶解させた。次いで、この溶液に、DMFに溶解した0.16MのHATU180μ lを添加した。溶液を混合し、直後のカップリング反応に使用した(最終モノマ ー濃度は約0.1M) 合成サイクル 開裂 7.2mgの樹脂を取る。ミリポア社製のウルトラフリー装置(Ultrafree:Millipo re P/N SE3P230J3)に入れた樹脂に100mlのトテラヒドロフランと300μlの濃縮 水酸化アンモニウム溶液とを添加した。チューブを密閉し、溶液を55℃で一夜加 熱した。ピペットを用いて注意深くビーズをウルトラフリー装置(Millipore P/ N SE3P230J3)へと移し、遠心分離して溶液を除去した。乾燥THFを加えた後 に遠心分離して、樹脂ビーズを4回洗浄した。最後に減圧下で樹脂を乾燥させた 後、再び樹脂をウルトラフリー装置(Millipore P/N SE3P230J3)へと移し、 1.5時間ハイクリバレッジアシド*(=TFA/トリフルオロメタンスルホン酸(TF MSA)/m-クレゾール(7:2:1))に漬けた。その後、遠心分離を行って酸開裂溶液を 除去し、さらにハイクリバレッジアシド溶液を用いて2回樹脂を洗浄した。回収 した酸溶液に1mlのエーテルを添加し、PNAオリゴマーが沈澱するまで遠心管 を遠心分離機にかけた。デカンテーションによってエーテルを除去し、PNAペ レットをエーテルに懸濁してから再び遠心分離してペレットを沈澱させることで 2回洗浄した。残留エーテルをペレットから完全に揮発させ、ペレットを0.1% THF水溶液1mlに溶解した。粗生成物の逆相HPLC分析結果は図9に示した 。さらに、生成物をプロトタイプ質量分析計でマトリックス支持レザー脱着イオ ン化−飛行時間型(MALDI−TOF)質量分析法により分析した。分子量の 計算値は(M+H)1822amu、検出された質量は1823amu(質量分析装置の誤差範囲 )であった。実施例22 H2N-CGCTATACCC-CONH2 の合成 合成樹脂:パーセプティブバイオシステムズ社製のアミノ 基量が0.145mmol/gのBoc-BHA-PEG-PS(P/N GEN 063050):80mg スケール:11.6マイクロモル(μM)スケール合成 他の当量: 5当量シントン 58μM 4当量HATU 18mg/カップリング 10当量N-メチルモルホリン 8μl/カップリング モノマーは各カップリングステップの直前に調製した。1ml容の遠心チューブ に入れた乾燥粉末に、DMF/DCM(2:1)を用いて調整した0.8MのN-メチルモ ルホリンを含む溶液145μlを添加して溶解させた。次いでこの溶液にDMFに 溶解した0.32MのHATU145μlを添加した。溶液を混合し、直後のカップリング 反応で使用した(最終モノマー濃度は約0.2M)。 合成サイクル (注):カップリング#8(シトシンシントン)でカイザー試験はわずかにプ ラスであった。カップリング#9(グアニンシントン)ではカイザーは顕著にプ ラスであった。ステップ9ではカップルを二重にしなけらばならなかった。カッ プリング#10(シトシンシントン)のカップリング反応は15分間行わせ た。カイザーは依然としてプラスであった。カップリング#10ではダブルカップ リングを行った。最終洗浄後、樹脂を減圧乾燥した。合計重量:0.1087g(重量 増加28.7mg)開裂 7.2〜7.5mgの樹脂を取る。ミリポア社製のウルトラフリー装置(Ultrafree:Mi llipore P/N SE3P230J3)に入れた樹脂に100mlのトテラヒドロフランと300μl の濃縮水酸化アンモニウム溶液とを添加した。チューブを密閉し、溶液を56℃で 2時間加熱した。ピペットを用いて注意深くビーズをウルトラフリー装置(Milli pore P/N SE3P230J3)へと移し、遠心分離を行って溶液を除去した。乾燥THF を加えた後に遠心分離をして、樹脂ビーズを4回洗浄した。最後に減圧下で樹脂 を乾燥させた。 再び樹脂をウルトラフリー装置(Millipore P/N SE3P230J3)へと移し、1時間 ハイクリバレッジアシド(=TFA/トリフルオロメタンスルホン酸(TFMSA)/m -クレゾール(7:2:1))に漬けた。その後、遠心分離を行って酸開裂溶液を除去し 、さらに1時間、樹脂をハイクリバレッジアシド溶液で処理した。遠心分離によ って酸開裂溶液を除去し、両方の酸開裂溶液をウルトラフリー装置の遠心管底部 に集めた。続いて回収した酸溶液に1mlのエーテルを加え、遠心管を遠心分離機 にかけてPNAオリゴマーを沈澱させた。エーテルをデカンテーションし、ペレ ットをエーテルに懸濁させて再び遠心分離によりペレットを形成させる方法で、 ペレットをさらに2回洗浄した。残留エーテルをペレットから完全に揮発させ、 ペレットを0.1%THF水溶液1mlに溶解した。精製前のオリゴマーの逆相分析 結果を図10に示す。さらに、生成物をプロトタイプの質量分析計でマ トリックス支持レザー脱着イオン化−時間飛行型(MALDI−TOF)質量分 析法により分析した。分子量の計算値は2648.5amu、検出された質量は(M+H)2650 amu(質量分析装置の誤差範囲)であった。実施例23 PNA−DNAキメラの合成 合成したキメラ配列: DMBhoc-HN-CACA-CONH-リンカー-5'-CCAGT-3'-OH ここでアンダーラインを引いた配列はPNAの配列を表し、太字で記載した配列 はDNAの配列を表す。 方法: 0.2μMスケールの合成に関する標準プロトコルで運転される市販のDNA合 成装置(パーセプティブバイオシステムズ社製:登録商標EXPEDITE)を用いて、 5'アミノ基が変性された配列:MMT-アミノヘキシル-CCAGTを有する担体に結合さ れたDNAオリゴマーを合成した。合成用担体は0.2μMメンシン合成装置(登録 商標MENSYN:P/N GEN050034)を使用し、シントンはアシル(ベンゾイル、イソブ チリル)環外アミノ保護基を有する標準のホスホラミダイトを用いた。最終的な カップリングは、メーカーに記載の市販のMMT-アミノヘキシル-ホスホラミダイ ト(パーセプティブバイオシステムズ社製P/N GEN080020)を用いて行った。モノ メトキシトリチル(MMT)基は、DNA合成装置で2つの標準的な保護解除サイク ルを行って除去した。 その後、MEMSYN器具をプロトタイプのPNA合成装置へと移した。残りのPN Aカップリングサイクルは、カラムへ試薬を最適に輸送するサイクルを行うプロ トタイプの合成装置で行っ た。一般的なカップリングサイクルを以下に示す。 合成後に最後のDMBhoc基は除去しなかった。水酸化アンモニウムによって側鎖 保護基が解除されるまで末端アミノ酸は保護された状態に維持されることが必須 である。時期尚早に除去されると、参考として本明細書に記載の米国特許出願第 09/109,548(199年 月 日提出:発明の名称『 』)に記載のように、オリ ゴマーのPNA部分が部分的に分解する結果になる。開裂 した。一方のメンブレンを4等分した。そのうちの1つにTFAを2〜3滴添加 した。濃い黄色によってDMBhocカチオンの存在が示された。このメンブレン片を 続いてDCMで洗浄し、ニンヒドリンで処理した。紫色によって期待された末端 アミノ基の存在が示された。 残りの合成メンブレンを密閉可能な遠心管に入れた。遠心管に1mlの濃水酸化 アンモニウムを添加した。遠心管をしっかりと密閉し、55℃で6時間加熱した。 水酸アンモニウム溶液を除去し、高速減圧蒸発器を用いて蒸発乾固させた。残留 物を50mM酢酸アンモニウムバッファー(pH7)200μlに再溶解した。 未精製オリゴマーの逆相HPLC分析結果を図11に示す。観察される主要な生 成物をHPLC検出器から溶出したピークを回収して精製した。単離された生成 物を再びHPLC分析して単離された画分の純度を確認した。生成物のクロマト グラムを図12に示す。再分析したクロマトグラムに見られる不純物ピークは、サ ンプルを注入せずに濃度勾配を設けたバッファーのみ(勾配のみ)を流すことに よってバッファー由来の不純物であ ることが確認された(図13参照)。さらに、単離した生成物をプロトタイプの質 量分析計を用いてマトリックス支持レザー脱着イオン化−飛行時間型(MALD I−TOF)質量分析法により生成物を分析した。分子量の計算値は3184.7amu 、検出された質量は(M-H)3183.7amu(質量分析装置の誤差範囲)であった。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】平成9年6月9日(1997.6.9) 【補正内容】 請求の範囲 1.下記で構成されるほぼ純粋な合成化合物: KLQMN ここで、 KおよびNは化学結合であり、 Qはリンカーまたは化学結合であり、 LおよびMの一方は下記式で表されるヌクレオチド部分であり: (ここで: Gは第2級窒素原子、アルキル置換基を有する第3級窒素原子、酸素原子また は硫黄原子であり、 Bは核酸塩基保護基を天然または非天然の核酸塩基に結合する結合を含む天然 または非天然の核酸塩基であり、 Dは水素原子、水酸基、メトキシ基または保護基によって保護された水酸基で ある)、 LおよびMの他方は下記式で表されるPNA部分である: (ここで: Gは第2級窒素原子、アルキル置換基を有する第3級窒素原子、酸素原子また は硫黄原子であり、 Bは核酸塩基保護基を天然または非天然の核酸塩基に結合する結合を含む天然 または非天然の核酸塩基であり、 R7は水素原子および保護されまたはされていない天然αアミノ酸の側鎖から なる群から選択され、 j、gおよびhはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、互いに独立に0また は1〜5の整数を表す、 核酸塩基保護基を天然または非天然の核酸塩基に結合する上記結合は実質的に 同じ条件で外れる。 2.天然または非天然の核酸塩基がアデニン、シトシン、グアニン、プソイドイ ソシトシン、5-メチルシトシン、イソシトシン、6-チオグアニンおよび2,6-ジア ミノプリンで構成される群の中から選択される請求項1に記載の化合物。 3.KまたはNの少なくとも一方が共有結合である請求項1に記載の化合物。 4.核酸塩基保護基が塩基に対して不安定な保護基である請求項1に記載の化合 物。 5.塩基に対して不安定な保護基がカーバメート保護基である請求項4に記載の 化合物。 6.少なくとも一つのカーバメート保護基が下記式で表されるエトキシカルボニ ル基である請求項5に記載の化合物: (ここで: Wは電子吸引基であり、 R2〜R4で表される原子または基は互いに同一でも異なっていてもよく、互い に独立に水素、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル,n-ブチルまたはt- ブチルで構成される群の中から選択される)。 7.Kが主鎖保護基を有する少なくとも1つの別のヌクレオチド部分または主鎖 保護基を有するPNA部分にLを連結する共有結合であり、主鎖保護基が核酸塩 基保護基に対してオルソゴナルである請求項3に記載の化合物。 8.主鎖保護基が酸に対して不安定な保護基である請求項7に記載の化合物。 9.検出可能な部分を含む請求項1に記載の化合物。 10.検出可能な部分が酵素、抗原、放射性標識、親和性標識、蛍光標識、紫外線 標識、赤外線標識で構成される群の中から選択される請求項9に記載の化合物。 11.下記式で表されるPNAシントン: (ここで: Pgは酸に対して不安定な保護基であり、 Gは第2級窒素原子、アルキル置換基を有する第3級窒素原子、酸素原子また は硫黄原子であり、 Baは塩基に対して不安定な保護基によって保護された環外アミノ基を有する 天然または非天然の核酸塩基であり、 R7は水素原子および保護されまたはされていない天然αアミノ酸の側鎖から なる群から選択され、 j、gおよびhは互いに同一でも異なっていてもよく、互いに独立に0または 1〜5の整数を表す) 12.Gが第2級窒素原子である請求項11に記載の化合物。 13.Pgがカーバメート保護基である請求項12に記載の化合物。 14.Baがアデニン、シトシン、グアニン、プソイドイソシトシン、5-メチルシ トシン、イソシトシンおよび2,6-ジアミノプリンで構成される群の中から選択さ れる請求項11に記載の化合物。 15.塩基に対して不安定なアミノ基保護基がカーバメート保護基である請求項11 に記載の化合物。 16.下記式で表されるPNAシントン: (ここで、 Pgは酸に対して不安定な保護基であり、 Baは塩基に対して不安定な保護基によって保護された環外 アミノ基を有する天然または非天然の核酸塩基である) 17.Pgがカーバメート保護基である請求項16に記載の化合物。 18.カーバメート保護基が4,4'-ジメチルベンズヒドロキシカルボニル基である 請求項17に記載の化合物。 19.Baがアデニン、シトシン、グアニン、プソイドイソシトシン、5-メチルシ トシン、イソシトシン、および2,6-ジアミノプリンで構成される群の中から選択 される請求項16に記載の化合物。 20.塩基に対して不安定なアミノ保護基がカーバメート保護基である請求項16に 記載の化合物。 21.カーバメート保護基が下記式で表されるエトキシカルボニル基である請求項 20に記載の化合物: (ここで: Wは電子吸引基であり、 R2〜R4で表される原子または基は互いに同一でも異なっていてもよく、独立 に水素、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル,n-ブチルまたはt-ブチル で構成される群の中から選択される) 22.カーバメート保護基が9-フルオレニルメチルオキシカルボニル基である請求 項20に記載の化合物。 23.カーバメート保護基が下記式で表される1-シアノエトキシカルボニル基であ る請求項20に記載の化合物: (ここで、R2〜R4で表される原子または基は互いに同一でも異なっていてもよ く、独立に水素、メチル、エチル、n-プロピル、イソブロピル,n-ブチルまたは t-ブチルで構成される群の中から選択される) 24.カーバメート保護基が下記式で表されるスルホエトキシカルボニル基である 請求項20に記載の化合物: (ここで: nは1または2であり、 R2〜R4で表される原子または基は互いに同一でも異なっていてもよく、独立 に水素、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル,n-ブチルまたはt-ブチル で構成される群の中から選択され、 R5はメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチルおよ び置換基を有するまたは有しないフェニル基で構成される群の中から選択される ) 25.フェニル基が下記式で表される請求項24に記載の化合物:(ここで、 a〜eで表される原子または基は互いに同一でも異なっていてもよく、独立に F、Cl、Br、I、水素、メチル、エチル、イソプロピル、n-プロピル、n-ブチル 、t-ブチル、フェニル、メトキシ、エトキシ、−NO2、−CN、−SO3H、− SCH3または−(O)SCH3で構成される群の中から選択される) 26.下記式で表されるPNAシントン: ここで、 Pg下記式で表される酸に対して不安定なアミノ保護基であり: (ここで、 A1〜A10はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、互いに独立に水素、メチ ル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチル、ヒドロキシ、メ トキシ、エトキシ、アミドまたはエステル基で構成される群の中から選択され、 R4は水素、メチルまたはエチル基で構成される群の中から選択される) Baは下記式で表される塩基に対して不安定なアミノ保護基によって保護され た環外アミノ基を有する天然または非天然の核酸塩基である:(ここで、 Wは電子吸引基であり、 R2〜R4で表される原子または基は互いに同一でも異なっていてもよく、互い に独立に水素、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル,n-ブチルまたはt- ブチルで構成される群の中から選択される) 27.塩基に対して不安定な保護基が2,2-ジメチル-1-シアノエトキシカルボニル 基である請求項26に記載の化合物。 28.塩基に対して不安定な保護基が2-(メチルスルホニル)エトキシカルボニル 基または2-(フェニルスルホニル)エトキシカルボニル基である請求項26に記載 の化合物。 29.下記式で表される請求項16に記載のPNAシントン: 30.下記式で表される請求項16に記載のPNAシントン:31.下記式で表される請求項16に記載のPNAシントン: (ここで、nは1または2である) 32.下記式で表される請求項16に記載のPNAシントン: (ここで、nは1または2である) 33.下記式で表されるPNAシントン:34.下記式で表される請求項16に記載のPNAシントン: 35.下記で横成されるほぼ純粋な組成の合成化合物: KLQMN ここで、 KおよびNは化学結合であり、 Qはリンカーまたは化学結合であり、 LおよびMは互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立に下記式て表 されるPNA部分である: (ここで: Gは第2級窒素原子、アルキル置換基を有する第3級窒素原子、酸素原子また は硫黄原子であり、 Baは塩基に対して不安定なアミノ保護基によって保護された環外アミノ基を 有する天然または非天然の核酸塩基であり、 R7は水素原子および保護されまたはされていない天然αアミノ酸の側鎖とで 構成される群の中から選択され、 j、gおよびhはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、互いに独立に0また は1〜5の整数である) 36.下記(a)〜(c)のステップを含む分子合成方法: (a)化合物YとZとの組み合わせを用意し、 (ここで、 YおよびZの一方は下記式で表される3価のリンを含むヌク レオチド部分であり: (ここで、 Pnは水素原子または主鎖保護基であり、 Gは第2級窒素原子、アルキル置換基を有する第3級窒素原子、酸素原子また は硫黄原子であり、 Bは核酸塩基保護基を含む天然または非天然の核酸塩基であり、 Dは水素原子、水酸基、メトキシ基または保護基によって保護された水酸基で あり、 R6は除去可能な保護基であり、 L1は残基または化学結合である) YおよびZの他方は下記式で表されるPNA部分であり:(ここで: Paは水素原子または主鎖保護基であり、 Gは第2級窒素原子、アルキル置換基を有する第3級窒素原子、酸素原子また は硫黄原子であり、 Bは核酸塩基保護基を含む天然または非天然の核酸塩基であり、 R7は水素原子と、保護されまたはされていない天然αアミノ酸の側鎖とで構 成される群の中から選択され、 L2は水酸基、残基または化学結合であり、 j、gおよびhはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、互いに独立に0また は1〜5の整数である) PnおよびPaの一方は水素原子であり、PnおよびPaの他方は核酸塩基保 護基に対してオルソゴナルな主鎖保護基である) (b)YをZにカップリングさせ、 (c)3価のリンを酸化する。 37.R6が下記式で表される基である請求項36に記載の方法: ここで、 V1〜V3で表される原子または基は互いに同一でも異なっていてもよく、それ ぞれ独立に水素、メチルまたはエチル基から選択され、 Wは電子吸引基である。 38.L1が、F、Cl、Br、Iおよび下記式で表される第2級アミノ基で構成され る群の中から選択される請求項36に記載の方法: −NR89 (ここで、 R8およびR9で表される基は互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれ独 立に1〜10個の炭素原子を有する第1級、第2級または第3級アルキル基から選 択されるか、一緒になって5〜7個の炭素原子を有するシクロアルキル基(ヘテ ロ原子として1個または2個の窒素原子、酸素原子あるいは硫黄原子を含有する ことができる)から選択される) 39.核酸塩基保護基が塩基に対して不安定な保護基である請求項36に記載の方法 。 40.下記の(d)および(e)のステップをさらに含む請求項36に記載の方法: (d)PnおよびPaのいずれか水素原子でない方を外し、 (e)核酸塩基保護基を外す。 41.上記分子が固体担体に連結されている請求項36に記載の方法。 42.下記(d)および(e)のステップをさらに含む請求項41に記載の方法: (d)PnおよびPaのうちの水素原子でない方を除去してカップリング部位を 作り、 (e)主鎖保護基を有する少なくとも1つの別のヌクレオチド部分または主鎖保 護基を有するPNA部分を上記カップリング部位にカップリングさせる。 43.下記の(f)および(g)のステップをさらに含む請求項42に記載の方法: (f)主鎖の保護基を除去してもう1つのカップリング部位を作 り、 (g)主鎖保護基を有する少なくとも1つの別のヌクレオチド部分または主鎖保 護基を有するPNA部分を上記のもう1つのカップリング部位にカップリングさ せる。 44.ステップ(f)および(g)を複数回行う請求項43に記載の方法。 45.ヌクレオチドまたはPNA部分が核酸塩基であり、この核酸塩基が保護基さ れまたはされていない天然または非天然核酸塩基である請求項42、43または44に 記載の方法。 46.下記の(h)および(i)のステップをさらに含む請求項44に記載の方法: (h)核酸塩基保護基を除去し、 (i)上記分子を固体担体から開裂させる。 47.下記のステップ(j)をさらに含む請求項46に記載の方法: (j)主鎖保護蔭を除去する。 48.PNA部分が下記式で表される請求項36に記載の方法: (ここで、 Paは水素または主鎖保護基であり、 Bは核酸塩基保護基塩を含む天然または非天然核酸塩基である) 49.天然または非天然核酸塩基がアデニン、シトシン、グアニ ン、プソイドイソシトシン、5-メチルシトシン、イソシトシン、6-チオグアニン および2,6-ジアミノプリンで構成される群の中から選択される請求項48に記載の 方法。 50.酸に対して不安定な基によってアミノ基が保護された主鎖を合成するための 下記ステップ(a)〜(d)を含む方法: (a)アルコールを用意し、 (b)ジアミンの一つのアミノ基と一緒にカーバメート保護基を形成させる相当 するカルボニルを用いてアルコールをジアミンにカップリングさせ、 (c)ジアミンの別のアミノ基がアセタミド誘導体を形成させ、 (d)アセタミド誘導体をアルキルカルボニル基へ変換する。 51.アルコールが下記式で表されるベンズヒドロール誘導体である請求項50に記 載の方法:(ここで、 A1〜A10はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、互いに独立に水素、メチ ル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチル、ヒドロキシ、メ トキシ、エトキシ、アミドまたはエステル基で構成される群の中から選択され、 R4は水素、メチルまたはエチル基で構成される群の中から選択される) 52.ジアミンがエチレンジアミンまたはメチレンジアミンである請求項50に記載 の方法。 53.下記式で表される酸に対して不安定な保護基でアミノ基保護された主鎖: ここで、 Pgは下記式で表される酸に対して不安定な保護基であり: (ここで: A1〜A10はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、互いに独立に水素、メチ ル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチル、ヒドロキシ、メ トキシ、エトキシ、アミノおよびアルキルアミノ基で構成される群の中から選択 され、 R4は水素、メチルまたはエチル基で構成される群の中から選択される) R7は水素および保護されまたはされていない天然αアミノ酸の側鎖とで構成 される群の中から選択され、 gおよびhはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、互いに独立に0または1 〜5の整数である。 54.酸に対して不安定な保護基でアミノ基保護された主鎖が下記式で表される請 求項53に記載の化合物: ここで、 Pgは下記式で表される酸に対して不安定な保護基である: (ここで、 A1〜A10はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、互いに独立に水素、メチ ル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチル、ヒドロキシ、メ トキシ、エトキシ、アミノおよびアルキルアミノ基で構成される群の中から選択 され、 R4は、水素、メチルまたはエチル基で構成される群の中から選択される) 55.削除 56.請求項1の化合物を生物に投与する段階を含む、請求項1の化合物の治療薬 またはアンチセンス剤での使用。 57.請求項1の化合物を核酸ポリマーと接触させる段階を含む請求項1の化合物 のポリメラーゼ反応用プライマーとしての使用。 58.請求項1の化合物を核酸ポリマーと接触させる段階を含む 請求項1の化合物の遺伝子材料検出用プローブでの使用。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07D 239/54 C07D 473/18 473/18 473/34 361 473/34 361 C12Q 1/68 A C12Q 1/68 C07D 239/54 Z // C12N 15/09 C12N 15/00 A

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.下記で構成されるほぼ純粋な合成化合物: KLQMN ここで、 KおよびNは化学結合であり、 Qはリンカーまたは化学結合であり、 LおよびMの一方は下記式で表されるヌクレオチド部分であり: (ここで: Gは第2級窒素原子、アルキル置換基を有する第3級窒素原子、酸素原子また は硫黄原子であり、 Bは保護されまたはされていない天然または非天然の核酸塩基であり、 Dは水素原子、水酸基、メトキシ基または保護基によって保護された水酸基で ある) LおよびMの他方は下記式で表されるPNA部分である: (ここで: Gは第2級窒素原子、アルキル置換基を有する第3級窒素原子、酸素原子また は硫黄原子であり、 Bは保護されまたはされていない天然または非天然の核酸塩基であり、 R7は水素原子および保護されまたはされていない天然αアミノ酸の側鎖から なる群から選択され、 j、gおよびhはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、互いに独立に0また は1〜5の整数を表す) 2.Bがアデニン、シトシン、グアニン、チミン、ウラシル、プソイドイソシト シン、5-メチルシトシン、ヒポキサンチン、イソシトシン、プソイドウラシルお よび2,6-ジアミノプリンで構成される群の中から選択される請求項1に記載の化 合物。 3.KまたはNの少なくとも一方が共有結合である請求項1に記載の化合物。 4.Bが塩基に対して不安定な保護基によって保護された環外アミノ基を含む保 護された天然または非天然の核酸塩基である請求項1に記載の化合物。 5.塩基に対して不安定な保護基がカーバメート保護基である請求項4に記載の 化合物。 6.カーバメート保護基が下記式で表されるエトキシカルボニ ル基である請求項5に記載の化合物: (ここで: Wは電子吸引基であり、 R2〜R4で表される原子または基は互いに同一でも異なっていてもよく、互い に独立に水素、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル,n-ブチルまたはt- ブチルで構成される群の中から選択される)。 7.Kが主鎖保護基を有する少なくとも1つの別のヌクレオチド部分か主鎖保護 基を有するPNA部分にLを連結する共有結合である請求項3に記載の化合物。 8.主鎖保護基が酸に対して不安定な保護基である請求項7に記載の化合物。 9.検出可能な部分を含む請求項1に記載の化合物。 10.検出可能な部分が酵素、抗原、放射性標識、親和性標識、蛍光標識、紫外線 標識、赤外線標識で構成される群の中から選択される請求項9に記載の化合物。 11.下記式で表されるPNAシントン:(ここで: Pgは酸に対して不安定な保護基であり、 Gは第2級窒素原子、アルキル置換基を有する第3級窒素原子、酸素原子また は硫黄原子であり、 Baは塩基に対して不安定な保護基によって保護された環外アミノ基を有する 天然または非天然の核酸塩基であり、 R7は水素原子および保護されまたはされていない天然αアミノ酸の側鎖から なる群から選択され、 j、gおよびhは互いに同一でも異なっていてもよく、互いに独立に0または 1〜5の整数を表す) 12.Gが第2級窒素原子である請求項11に記載の化合物。 13.Pgがカーバメート保護基である請求項12に記載の化合物。 14.Baがアデニン、シトシン、グアニン、プソイドイソシトシン、5-メチルシ トシン、イソシトシンおよび2,6-ジアミノプリンで構成される群の中から選択さ れる請求項11に記載の化合物。 15.塩基に対して不安定なアミノ基保護基がカーバメート保護基である請求項11 に記載の化合物。 16.下記式で表されるPNAシントン: (ここで、 Pgは酸に対して不安定なアミノ保護基であり、 Baは塩基に対して不安定なアミノ保護基によって保護された環外アミノ基を 有する天然または非天然の核酸塩基である) 17.Pgがカーバメート保護基である請求項16に記載の化合物。 18.カーバメート保護基が4,4'-ジメチルベンズヒドロールオキシカルボニル基 である請求項17に記載の化合物。 19.Baがアデニン、シトシン、グアニン、プソイドイソシトシン、5-メチルシ トシン、イソシトシン、および2,6-ジアミノプリンで構成される群の中から選択 される請求項16に記載の化合物。 20.塩基に対して不安定なアミノ保護基がカーバメート保護基である請求項16に 記載の化合物。 21.カーバメート保護基が下記式で表されるエトキシカルボニル基である請求項 20に記載の化合物: (ここで: Wは電子吸引基であり、 R2〜R4で表される原子または基は互いに同一でも異なっていてもよく、独立 に水素、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル,n-ブチルまたはt-ブチル で構成される群の中から選択される。) 22.カーバメート保護基が9-フルオレニルメチルオキシカルボニル基である請求 項20に記載の化合物。 23.カーバメート保護基が下記式で表される1-シアノエトキシカルボニル基であ る請求項20に記載の化合物:(ここで、R2〜R4で表される原子または基は互いに同一でも異なっていてもよ く、独立に水素、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル,n-ブチルまたは t-ブチルで構成される群の中から選択される) 24.カーバメート保護基が下記式で表されるスルホエトキシカルボニル基である 請求項20に記載の化合物: (ここで: nは1または2であり、 R2〜R4で表される原子または基は互いに同一でも異なっていてもよく、独立 に水素、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル,n-ブチルまたはt-ブチル で構成される群の中から選択され、 R5はメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチルおよ び置換基を有するまたは有しないフェニル基で構成される群の中から選択される ) 25.フェニル基が下記式で表される請求項24に記載の化合物: (ここで、 a〜eで表される原子または基は互いに同一でも異なっていてもよく、独立に F、Cl、Br、I、水素、メチル、エチル、イソプロピル、n-プロピル、n-ブチル 、t-ブチル、フェニル、メトキシ、エトキシ、−NO2、−CN、−SO3H、− SCH3 または−(O)SCH3で構成される群の中から選択される) 26.下記式で表されるPNAシントン: ここで、 Pg下記式で表される酸に対して不安定なアミノ保護基であり: (ここで、 A1〜A10はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、互いに独立に水素、メチ ル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチル、ヒドロキシ、メ トキシ、エトキシ、アミドまたはエステル基で構成される群の中から選択され、 R4は水素、メチルまたはエチル基で構成される群の中から選択される) Baは下記式で表される塩基に対して不安定なアミノ保護基によって保護され た環外アミノ基を有する天然または非天然の 核酸塩基である:(ここで、 Wは電子吸引基であり、 R2〜R4で表される原子または基は互いに同一でも異なっていてもよく、互い に独立に水素、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル,n-ブチルまたはt- ブチルで構成される群の中から選択される) 27.塩基に対して不安定な保護基が2,2-ジメチル-1-シアノエトキシカルボニル 基である請求項26に記載の化合物。 28.塩基に対して不安定な保護基が2-(メチルスルホニル)エトキシカルボニル 基または2-(フェニルスルホニル)エトキシカルボニル基である請求項26に記載 の化合物。 29.下記式で表される請求項16に記載のPNAシントン: 30.下記式で表される請求項16に記載のPNAシントン:31.下記式で表される請求項16に記載のPNAシントン: (ここで、nは1または2である) 32.下記式で表される請求項16に記載のPNAシントン: (ここで、nは1または2である) 33.下記式で表されるPNAシントン:34.下記式で表される請求項16に記載のPNAシントン: 35.下記で構成されるほぼ純粋な組成の合成化合物: KLQMN ここで、 KおよびNは化学結合であり、 Qはリンカーまたは化学結合であり、 LおよびMは互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立に下記式で表 されるPNA部分である:(ここで: Gは第2級窒素原子、アルキル置換基を有する第3級窒素原子、酸素原子また は硫黄原子であり、 Baは塩基に対して不安定なアミノ保護基によって保護された環外アミノ基を 有する天然または非天然の核酸塩基であり、 R7は水素原子および保護されまたはされていない天然αアミノ酸の側鎖とで 構成される群の中から選択され、 j、gおよびhはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、互いに独立に0また は1〜5の整数である) 36.下記(a)〜(c)のステップを含む分子合成方法: (a)化合物YとZとの組み合わせを用意し、 (ここで、 YおよびZの一方は下記式で表される3価のリンを含むヌクレオチド部分であ り: (ここで、 Pnは水素原子または保護基であり、 Gは第2級窒素原子、アルキル置換基を有する第3級窒素原子、酸素原子また は硫黄原子であり、 Bは保護されまたはされていない天然または非天然の核酸塩基であり、 Dは水素原子、水酸基、メトキシ基または保護基によって保護された水酸基で あり、 R6は除去可能な保護基であり、 L1は残基または化学結合である) YおよびZの他方は下記式で表されるPNA部分であり: (ここで: Paは水素原子または保護基であり、 Gは第2級窒素原子、アルキル置換基を有する第3級窒素原子、酸素原子また は硫黄原子であり、 Bは保護されまたはされていない天然あるいは非天然の核酸塩基であり、 R7は水素原子と、保護されまたはされていない天然αアミノ酸の側鎖とで構 成される群の中から選択され、 L2は水酸基、残基または化学結合であり、 j、gおよびhはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、互 いに独立に0または1〜5の整数である) PnおよびPaの一方は水素原子である) (b)YをZにカップリングさせ、 (c)3価のリンを酸化する。 37.R6が下記式で表される基である請求項36に記載の方法: ここで、 V1〜V3で表される原子または基は互いに同一でも異なっていてもよく、それ ぞれ独立に水素、メチルまたはエチル基から選択され、 Wは電子吸引基である。 38.L1が、F、Cl、Br、Iおよび下記式で表される第2級アミノ基で構成され る群の中から選択される請求項36に記載の方法: −NR89 (ここで、 R8およびR9で表される基は互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれ独 立に1〜10個の炭素原子を有する第1級、第2級または第3級アルキル基から選 択されるか、一緒になって5〜7個の炭素原子を有するシクロアルキル基(ヘテ ロ原子 として1個または2個の窒素原子、酸素原子あるいは硫黄原子を含有することが できる)から選択される) 39.少なくとも1つのBが塩基に対して不安定な保護基を有する保護された天然 または非天然の核酸塩基すなわちBaである請求項36に記載の方法。 40.下記の(c)および(d)のステップをさらに含む請求項39に記載の方法: (c)PnおよびPaのいずれか水素原子でない方を外し、 (d)塩基に対して不安定な保護基を外す。 41.上記分子が固体担体に連結さている請求項36に記載の方法。 42.下記(c)および(d)のステップをさらに含む請求項41に記載の方法: (c)PnおよびPaのうちの水素原子でない方を除去してカップリング部位を作 り、 (d)主鎖保護基を有する少なくとも1つの別のヌクレオチドまたはPNA部分を 上記カップリング部位にカップリングさせる。 43.下記の(e)および(f)のステップをさらに含む請求項42に記載の方法: (e)主鎖の保護基を除去してもう1つのカップリング部位を作り、 (f)少なくとも1つの別のヌクレオチドまたは主鎖保護基を有するPNA部分を 上記のもう1つのカップリング部位にカップリングさせる。 44.ステップ(e)および(f)を複数回行う請求項43に記載の方法。 45.少なくとも1つのBが塩基に対して不安定な保護基を有する保護護された天 然または非天然の核酸塩基である請求項42、43または44に記載の方法。 46.下記の(g)および(h)のステップをさらに含む請求項45に記載の方法: (g)塩基に対して不安定な保護基を除去し、 (h)上記分子を固体担体から開裂させる。 47.下記のステップ(i)をさらに含む請求項46に記載の方法: (i)主鎖保護基を除去する。 48.PNA部分が主鎖保護基を有し、該部分が下記式で表される請求項39に記載 の方法: (ここで、 Pgは酸に対して不安定な保護基であり、 Baは塩基に対して不安定な保護基によって保護された環外アミノ基有する天 然または非天然核酸塩基である) 49.Baがアデニン、シトシン、グアニン、プソイドイソシトシン、5-メチルシ トシン、イソシトシン、および2,6-ジアミノプリンで構成される群の中から選択 される請求項39に記載の方法。 50.酸に対して不安定な基によってアミノ基が保護された主鎖を合成するための 下記ステップ(a)〜(d)を含む方法: (a)アルコールを用意し、 (b)アミノ基上にカーバメート保護基を形成させるジアミンに相当するカルボニ ルを用いてアルコールをカップリングさせ、 (c)ジアミンのアミノ基がカーバメートとして保護されていないアセタミド誘導 体を形成させ、 (d)アセタミド誘導体をアルキルカルボニル基へ変換する。 51.アルコールが下記式で表されるベンズヒドロール誘導体である請求項50に記 載の方法:(ここで、 A1〜A10はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、互いに独立に水素、メチ ル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチル、ヒドロキシ、メ トキシ、エトキシ、アミドまたはエステル基で構成される群の中から選択され、 R4は水素、メチルまたはエチル基で構成される群の中から選択される) 52.ジアミンがエチレンジアミンまたはメチレンジアミンである請求項50に記載 の方法。 53.酸に対して不安定な保護基でアミノ基が保護された下記式で表される主鎖: ここで、 Pgは下記式で表される酸に対して不安定な保護基であり: (ここで: A1〜A10はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、互いに独立に水素、メチ ル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n- ブチル、t-ブチル、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、アミノおよびアルキルア ミノ基で構成される群の中から選択され、 R4は水素、メチルまたはエチル基で構成される群の中から選択される) R7は水素および保護されまたはされていない天然αアミノ酸の側鎖とで構成 される群の中から選択され、 gおよびhはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、互いに独立に0または1 〜5の整数である。 54.酸に対して不安定な保護基でアミノ基が保護された主鎖が下記式で表される 請求項53に記載の化合物: ここで、 Pgは下記式で表される酸に対して不安定な保護基である: (ここで、 A1〜A10はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、互いに独立に水素、メチ ル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチル、ヒドロキシ、メ トキシ、エトキシ、アミノおよびアルキルアミノ基で構成される群の中から選択 され、 R4は、水素、メチルまたはエチル基で構成される群の中か ら選択される) 55.電子供与基がアルキル基、水酸基およびアルコキシ基で構成される群の中か ら選択される請求項51に記載の方法。 56.請求項1の化合物を生物に投与する段階を含む、請求項1の化合物の治療薬 またはアンチセンス剤での使用。 57.請求項1の化合物を核酸ポリマーと接触させる段階を含む請求項1の化合物 のポリメラーゼ反応用プライマーとしての使用。 58.請求項1の化合物を核酸ポリマーと接触させる段階を含む請求項1の化合物 の遺伝子材料検出用プローブでの使用。
JP50078097A 1995-06-07 1996-05-29 Pna−dnaキメラと、このキメラ合成用のpnaシントン Ceased JP2001518054A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US48022895A 1995-06-07 1995-06-07
US08/480,228 1995-06-07
PCT/US1996/007844 WO1996040709A1 (en) 1995-06-07 1996-05-29 Pna-dna chimeras and pna synthons for their preparation

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001518054A true JP2001518054A (ja) 2001-10-09

Family

ID=23907164

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP50078097A Ceased JP2001518054A (ja) 1995-06-07 1996-05-29 Pna−dnaキメラと、このキメラ合成用のpnaシントン

Country Status (5)

Country Link
US (2) US6063569A (ja)
EP (1) EP0840741B1 (ja)
JP (1) JP2001518054A (ja)
DE (1) DE69632324T2 (ja)
WO (1) WO1996040709A1 (ja)

Families Citing this family (46)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5539083A (en) 1994-02-23 1996-07-23 Isis Pharmaceuticals, Inc. Peptide nucleic acid combinatorial libraries and improved methods of synthesis
US6465650B1 (en) * 1995-03-13 2002-10-15 Aventis Pharma Deutschland Gmbh Substituted N-ethylglycine derivatives for preparing PNA and PNA/DNA hybrids
DE19532553A1 (de) * 1995-09-04 1997-03-06 Hoechst Ag Verfahren zur Herstellung substituierter N-Ethyl-Glycinderivate
EP2290364A1 (en) 1996-04-25 2011-03-02 BioArray Solutions Ltd. Light-controlled electrokinetic assembly of particles near surfaces
DE19653646A1 (de) * 1996-12-20 1998-06-25 Hoechst Ag Substituierte Purinderivate, Verfahren zu deren Herstellung, sie enthaltende Mittel und deren Verwendung
EP0863150A1 (en) * 1997-02-08 1998-09-09 Boehringer Mannheim Gmbh A method for the preparation of nucleic acid binding compound
ATE478090T1 (de) 1997-10-27 2010-09-15 Boston Probes Inc SICH AUF ßPNA MOLECULAR BEACONSß BEZIEHENDE VERFAHREN, TESTSÄTZE UND ZUSAMMENSETZUNGEN
US6030997A (en) * 1998-01-21 2000-02-29 Eilat; Eran Acid labile prodrugs
US6326479B1 (en) 1998-01-27 2001-12-04 Boston Probes, Inc. Synthetic polymers and methods, kits or compositions for modulating the solubility of same
DE69900462T2 (de) 1998-02-11 2002-07-11 Pe Corp Ny Foster City Konjugate von dns und pns und verfahren zu deren herstellung
US6287772B1 (en) 1998-04-29 2001-09-11 Boston Probes, Inc. Methods, kits and compositions for detecting and quantitating target sequences
US6316230B1 (en) * 1999-08-13 2001-11-13 Applera Corporation Polymerase extension at 3′ terminus of PNA-DNA chimera
US6312956B1 (en) 1999-10-01 2001-11-06 Vanderbilt University Nuclear targeted peptide nucleic acid oligomer
US7205129B1 (en) * 2000-02-28 2007-04-17 Qiagen Gmbh Method for reducing artifacts in nucleic acid amplification
ES2259666T3 (es) 2000-06-21 2006-10-16 Bioarray Solutions Ltd Analisis molecular de multiples analitos usando series de particulas aleatorias con especificidad de aplicacion.
US9709559B2 (en) 2000-06-21 2017-07-18 Bioarray Solutions, Ltd. Multianalyte molecular analysis using application-specific random particle arrays
DE60138916D1 (de) 2000-09-26 2009-07-16 Boston Probes Inc Sonden, sondensätzen,verfahren und kits zur nachweis, identifizierung und/oder die zählung von bakterien
EP1356113B1 (en) 2000-12-15 2012-07-18 Life Technologies Corporation Methods for determining organisms
JP4408628B2 (ja) * 2001-03-09 2010-02-03 ボストン プローブス,インコーポレイテッド 組み合わせオリゴマーならびにそれらの調製のためのライブラリーに適する、方法、キット、および組成物
US20020146684A1 (en) * 2001-04-09 2002-10-10 Meldal Morten Peter One dimensional unichemo protection (UCP) in organic synthesis
US6743905B2 (en) * 2001-04-16 2004-06-01 Applera Corporation Mobility-modified nucleobase polymers and methods of using same
US7262063B2 (en) 2001-06-21 2007-08-28 Bio Array Solutions, Ltd. Directed assembly of functional heterostructures
CA2741049C (en) 2001-10-15 2019-02-05 Bioarray Solutions, Ltd. Multiplexed analysis of polymorphic loci by probe elongation-mediated detection
KR100464261B1 (ko) * 2002-01-24 2005-01-03 주식회사 파나진 Pna 올리고머를 합성하기 위한 신규한 단량체 및 그의제조방법
KR20030084444A (ko) * 2002-04-26 2003-11-01 주식회사 파나진 Pna 올리고머를 합성하기 위한 신규한 단량체 및 그의제조방법
US7041453B2 (en) * 2002-08-22 2006-05-09 Bioarray Solutions Ltd. Molecular constructs and methods of use for detection of biochemical reactions
EP2161276A3 (en) * 2002-09-08 2010-05-26 Applera Corporation Methods, compositions and libraries pertaining PNA dimer and PNA oligomer systhesis
US7526114B2 (en) 2002-11-15 2009-04-28 Bioarray Solutions Ltd. Analysis, secure access to, and transmission of array images
US8323897B2 (en) 2002-12-04 2012-12-04 Applied Biosystems, Llc Multiplex amplification of polynucleotides
WO2005029705A2 (en) 2003-09-18 2005-03-31 Bioarray Solutions, Ltd. Number coding for identification of subtypes of coded types of solid phase carriers
ES2375962T3 (es) 2003-09-22 2012-03-07 Bioarray Solutions Ltd Polielectrolito inmovilizado en superficie con múltiples grupos funcionales capaces de unirse covalentemente a biomoléculas.
CA2899287A1 (en) 2003-10-28 2005-05-12 Bioarray Solutions Ltd. Optimization of gene expression analysis using immobilized capture probes
AU2004287069B2 (en) 2003-10-29 2009-07-16 Bioarray Solutions, Ltd. Multiplexed nucleic acid analysis by fragmentation of double-stranded DNA
EP2208797A3 (en) 2004-03-01 2010-11-24 Applied Biosystems, LLC Methods, compositions and kits for use in polynucleotide amplification
US7848889B2 (en) 2004-08-02 2010-12-07 Bioarray Solutions, Ltd. Automated analysis of multiplexed probe-target interaction patterns: pattern matching and allele identification
US20060105348A1 (en) * 2004-11-15 2006-05-18 Lee Jun E Compositions and methods for the detection and discrimination of nucleic acids
US20060275792A1 (en) * 2004-11-15 2006-12-07 Lee Jun E Enhancement of nucleic acid amplification using double-stranded DNA binding proteins
US8486629B2 (en) 2005-06-01 2013-07-16 Bioarray Solutions, Ltd. Creation of functionalized microparticle libraries by oligonucleotide ligation or elongation
EP1994182B1 (en) 2006-03-15 2019-05-29 Siemens Healthcare Diagnostics Inc. Degenerate nucleobase analogs
US20080038783A1 (en) * 2006-06-29 2008-02-14 Applera Corporation Compositions and Methods Pertaining to Guanylation of PNA Oligomers
US20080131880A1 (en) * 2006-11-22 2008-06-05 Bortolin Laura T PNA-DNA oligomers and methods of use thereof
US8198039B2 (en) * 2007-09-04 2012-06-12 University of Pittsburgh—of the Commonwealth System of Higher Education Biosensors and related methods
US20100284959A1 (en) * 2008-01-23 2010-11-11 Gene Arrest Ltd. Sequence specific double-stranded dna/rna binding compounds and uses thereof
US9193758B2 (en) 2011-04-08 2015-11-24 Carnegie Mellon University Center For Technology Transfer & Enterprise Conformationally-preorganized, miniPEG-containing γ-peptide nucleic acids
US11046999B2 (en) 2015-09-16 2021-06-29 PetaOmics, Inc. Methods and compositions for genomic target enrichment and selective DNA sequencing
US20190298857A1 (en) 2018-01-09 2019-10-03 Trucode Gene Repair, Inc. Polymer-based nanoparticles, related formulations methods, and apparatus

Family Cites Families (25)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3936452A (en) * 1971-09-17 1976-02-03 Nitto Boseki Co., Ltd. Process of producing pyrimidyl thiocarbonates
US3852332A (en) * 1972-06-30 1974-12-03 American Cyanamid Co Esters of (alkynloxy) and (alkenyloxy) carbanilic acid
US4001226A (en) * 1974-12-04 1977-01-04 Eli Lilly And Company 3-(substituted)carbonylamino cephem derivatives
CA1268404A (en) * 1985-03-15 1990-05-01 Antivirals Inc. Polynucleotide assay reagent and method
US4933431A (en) * 1987-07-31 1990-06-12 Massachusetts Institute Of Technology One step preparation of poly(amide-anhydride)
JP2807522B2 (ja) * 1988-09-01 1998-10-08 フォルスクニングスセンター・リソ ペプチド合成法および該法における固体支持体の使用
US5340716A (en) * 1991-06-20 1994-08-23 Snytex (U.S.A.) Inc. Assay method utilizing photoactivated chemiluminescent label
DK51092D0 (da) * 1991-05-24 1992-04-15 Ole Buchardt Oligonucleotid-analoge betegnet pna, monomere synthoner og fremgangsmaade til fremstilling deraf samt anvendelser deraf
US6228982B1 (en) * 1992-05-22 2001-05-08 Benget Norden Double-stranded peptide nucleic acids
US5264586A (en) * 1991-07-17 1993-11-23 The Scripps Research Institute Analogs of calicheamicin gamma1I, method of making and using the same
MX9207334A (es) * 1991-12-18 1993-08-01 Glaxo Inc Acidos nucleicos peptidicos y formulacion farma- ceutica que los contiene
US5700922A (en) * 1991-12-24 1997-12-23 Isis Pharmaceuticals, Inc. PNA-DNA-PNA chimeric macromolecules
GB9211979D0 (en) * 1992-06-05 1992-07-15 Buchard Ole Uses of nucleic acid analogues
IT1254996B (it) * 1992-06-25 1995-10-11 Mediolanum Farmaceutici Srl Esteri amminoalchilcarbammici dell'eserolina atti all'impiego come anticolinesterasici e relativo procedimento di preparazione
US5302721A (en) * 1992-07-21 1994-04-12 Hoechst-Roussel Pharmaceuticals Incorporated Method of preparation of physostigmine carbamate derivatives from eseretholes
AU7516494A (en) * 1993-07-29 1995-02-28 Isis Pharmaceuticals, Inc. Oligomers for modulating human immunodeficiency virus
DE4331011A1 (de) * 1993-09-13 1995-03-16 Bayer Ag Nukleinsäuren-bindende Oligomere mit C-Verzweigung für Therapie und Diagnostik
DK0720615T3 (da) * 1993-09-21 2000-10-30 Amersham Pharm Biotech Uk Ltd Forlængelse, amplifikation og sekvensbestemmelse under anvendelse af et kimærisk oligonucleotid
GB2284208A (en) * 1993-11-25 1995-05-31 Pna Diagnostics As Nucleic acid analogues with a chelating functionality for metal ions
US6133444A (en) * 1993-12-22 2000-10-17 Perseptive Biosystems, Inc. Synthons for the synthesis and deprotection of peptide nucleic acids under mild conditions
EP0736027B1 (en) * 1993-12-22 2002-05-29 Perseptive Biosystems, Inc. Guanine synthons for peptide nucleic acid synthesis and method for production
US5539083A (en) * 1994-02-23 1996-07-23 Isis Pharmaceuticals, Inc. Peptide nucleic acid combinatorial libraries and improved methods of synthesis
DE4408533A1 (de) * 1994-03-14 1995-09-28 Hoechst Ag PNA-Synthese unter Verwendung einer basenlabilen Amino-Schutzgruppe
DE4408531A1 (de) * 1994-03-14 1995-09-28 Hoechst Ag PNA-Synthese unter Verwendung einer gegen schwache Säuren labilen Amino-Schutzgruppe
DE4408534A1 (de) * 1994-03-14 1995-09-28 Hoechst Ag Substituierte N-Ethyl-Glycinderivate zur Herstellung von PNA und PNA-/DNA-Hybriden

Also Published As

Publication number Publication date
WO1996040709A1 (en) 1996-12-19
DE69632324D1 (de) 2004-06-03
DE69632324T2 (de) 2005-06-16
EP0840741B1 (en) 2004-04-28
EP0840741A1 (en) 1998-05-13
US6265559B1 (en) 2001-07-24
US6063569A (en) 2000-05-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2001518054A (ja) Pna−dnaキメラと、このキメラ合成用のpnaシントン
US11279736B2 (en) Conformationally-preorganized, MiniPEG-containing gamma-peptide nucleic acids
JP4089979B2 (ja) 合成用の改良されたシントンと、緩やかな条件下でのペプチド核酸の保護解除方法
JP4394952B2 (ja) 1−ベンゼンスルホニル−3−アミノ酸側鎖−4−(2−核酸塩基(アセチル))−ピペラジン−2−オン由来のペプチド核酸オリゴマー
JP2000503671A (ja) 増加した結合親和性、配列特異性および溶解性を有するペプチド核酸
Richter et al. Synthesis of peptide nucleic acids (PNA) by submonomer solid-phase synthesis
EP4083054A1 (en) Method for producing pna oligomer in solution process
US20030157500A1 (en) Pyrrolidinyl peptide nucleic acids
US5629152A (en) Trisubstituted β-lactams and oligo β-lactamamides
CN103232507A (zh) 修饰核苷单体及其合成方法和应用
US7098321B2 (en) Homologous peptide nucleic acids
US20040054161A1 (en) Stepwise solid-phase synthesis of peptide-oligonucleotide conjugates and supports therefor
JPH10231290A (ja) 核酸結合化合物の調製方法
JPH04312570A (ja) アミノ基が保護された4−ヒドロキシプロリン又は4−ヒドロキシプロリン誘導体の製造法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051206

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20060303

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20060424

A313 Final decision of rejection without a dissenting response from the applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A313

Effective date: 20060724

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060829