JP2807522B2 - ペプチド合成法および該法における固体支持体の使用 - Google Patents

ペプチド合成法および該法における固体支持体の使用

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は、ペプチドまたはタンパク質の高収率および
高純度の固相合成のための方法および固体支持体に関す
る。該方法は、単一のペプチドまタンパク質の合成およ
びそれら複数の平行および実質的同時合成の双方に適す
る。特に本発明は、ポリスチレン鎖とグラフト化したポ
リマー基質を固体支持として用いる方法に関し、該ポリ
スチレン鎖は、さらに所望により、該合成全体にわたる
条件下において反応性でない置換基を有し、所望置換基
を含めずに少なくとも200,000の推定分子量を有する。
本発明は、通常の化学法を用い、分析的(マイクログラ
ム)および調製的規模(ミリグラムまたはそれ以上)の
合成の双方に容易に適合する。さらに、本発明は、手
動、半自動または全自動操作のバッチ法および連続フロ
ー法の双方に適合する。
発明の背景 今日、ペプチドまたはタンパク質の固相合成法は主と
して、官能基を導入した架橋スチレン/ジビニルベンゼ
ンコポリマーすなわち、スチレンモノマーに数パーセン
ト(典型的には約2%)のジビニルベンゼンを加え重合
させて形成した架橋コポリマーを用いる、最初にメリフ
ィールド(Merrifield)により開発された方法に基づ
く。このコポリマーは普通、しばしばその大半が20〜80
μmの大きさである、ビーズまたは小片の形で供給され
る。メリフィールドが最初に選んだ官能基を導入[例え
ばジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソシ
エティー(J.Am.Chem.Soc.)85、2149(1963)を参照]
は、クロロメチル基をコポリマーの芳香環に官能基導入
するものであり、このクロロメチル基は、固体コポリマ
ーをSnCl4/クロロメチルメチルエーテルと反応させて
導入された。もっとも、その後、アミノメチル、α−ア
ミノベンジルおよびα−アミノ−4−メチルベンジルを
包含する多数の他の官能基が利用されてきている。官能
基の目的は、その性質に関係なく、通常、コポリマーの
固体支持体と固体支持体にカップリングさせたい最初の
アミノ酸のC−末端との間に、固定のための結合(anch
oring linkage)を形成することである。メリフィール
ド法を改良したより最近のものは、さらに、ポリスチレ
ン鎖上の官能基(例えば、前記官能基のうちの1つ)と
カップリングさせる最初のアミノ酸のC−末端との間
に、二官能性の「スペーサー」または「ハンドル」基を
導入することを包含し、それらの基の反応性は、とりわ
け、固体支持体への最初のアミノ酸のカップリングおよ
び/または完成した合成ペプチドまたはタンパク鎖が固
体支持体から開裂する容易性の双方の点に関し、所望の
要求にかなうようにしてある。そのようなスペーサー基
の例は、フェニルアセトアミドメチル(Pam)およびp
−アルコキシベンジルエステル系を包含する。メリフィ
ールドによる導入以来の固相ペプチド合成の発達に関す
る最近の評論を、バラニー(Barany)らが与えている
[インターナショナル・ジャーナル・オブ・ペプタイド
・アンド・プロテイン・リサーチ(Int.J.Peptide Prot
ein Res.)30、705〜739(1987)]。
バイオテクノロジー、特に組換えDNAの領域における
最近の進歩は特有の状況、すなわち、未定義か未知の機
能および/または未知の生物活性を多く多数の新規タン
パク質の配列の入手および急速な蓄積を生じさせた。特
定部位の突然変異誘発または類似の構造工学による詳細
な構造分析により、タンパク質の活性部位におけるアミ
ノ酸残基の機能に関して有用なアプローチをすることが
できるようになった。
しかしながら、約5〜40アミノ酸残基を含有し、生物
活性機能を有するサブユニットに関する特異的な情報
は、好ましくは、化学合成を通じて得られる。現代の固
相技術はそのようなペプチドを、確信をもって高純度で
得るに全く十分なものであるが、「直線」法のアプロー
チを経由する従来の固相ペプチド合成法では、1合成に
つき1ペプチドを生成するに過ぎない。
従って、ペプチド合成のアプローチに「同時」または
「平行」法を用いる方法が望ましい。それにより、例え
ばタンパク質の機能本体を明らかにし、マップ(map)
するのに使用できる、多数のペプチドが容易に生産でき
るようになる。
ペプチド合成の固相技術の基本的特徴は、新しく加え
るアミノ酸によるペプチド鎖の延長において、すべての
処理工程が前サイクルの繰り返しであることである。た
だし、アミノ酸のカップリング工程自身において、前サ
イクルでカップリングしたアミノ酸と同一または同一で
ない次のアミノ酸をペプチド鎖とカップリングさせる場
合に例外がありうる。したがって、1個以上のペプチド
の平行的な、実質的同時合成は、平行合成に共通の脱保
護、中和および洗浄のような反復工程を平行して行うこ
とにより達成できる。技術的に困難な点は主に、交差混
入が起こらないように各アミノ酸カップリング工程を区
分(compartmentalization)することである。
最近、多数のペプチドの実質的同時合成に関して、2
つの異なる方法が提案された。
最初の方法[ゲイセン(Geysen)ら、プロシーデイン
グ・オブ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス
・オブ・ザ・ユナイテッド・ステイツ・オブ・アメリカ
(Proc.Natl.Acad.Sci.USA.)81、3998〜4002(1984)
および82、178〜82(1985)]は、96マイクロ力価のウ
エル(wells)中、酵素標識免疫吸着法(ELISA(Enzyme
Linked Immunosorbent Assay))によりペプチド性エ
ピトープの迅速なスクリーニングをするために発明され
た。アクリル酸グラフト化ポリエチレンロッド(acryli
c acid−grafted polyethylen rod)および96マイクロ
力価のウエルを用い、成長するペプチド鎖を固定し、区
分された合成を行う。しかしながら、該法は非常に効率
的ではあるが、調製的規模すなわちミリグラム量の製造
には適用できない。2番目の方法[ホウテン(Houghte
n)、プロシーディング・オブ・ナショナル・アカデミ
ー・オブ・サイエンス・オブ・ザ・ユナイテッド・ステ
イツ・オブ・アメリカ、82、5131〜35(1985)]は、伝
統的に用いられているポリマー・ビーズ(polymer bead
s)を含有する「ティーバッグ(tea bag)」を用い、ペ
プチド樹脂ビーズの1部分を閉じた細かいメッシュのポ
リプロピレン・ネットの袋内に隔離して、該合成を区分
する。後者の方法はミリグラム量の製造に適する。
多数のペプチドの平行的および実質的同時合成を可能
にする方法の明白な利点は、時間および、各ペプチドを
1つ1つ合成することが包含する余分な反復労働を節約
できることである。
発明の簡単な開示 本発明は、前記の両方法の好ましい側面をすべて含有
し、所望のペプチドおよびタンパク質を高収率、高純度
で与え、分析的および調製的規模の合成双方に等しく適
合するという前記利点を有する。一般に、本発明は、タ
ンパク質の機能性サブユニットの分子組織化に関する研
究において非常に貴重であるというだけでなく、構造活
性相関の研究、抗原エピトープのマッピングのような研
究、ホルモン−受容体相互作用の詳細の解明および医薬
的に活性なペプチド薬のスクリーニングにおいても大き
な利益をもたらす。
本発明は、長くグラフト化し、実質的に無架橋ポリス
チレン鎖であるポリマー基質を包含する固体支持体の供
給および使用に基づく。該ポリスチレン鎖は、これらの
条件下において、恐らく立体的に容易に接近できるた
め、合成するペプチドの特に有効な固相担体として働
く。
本発明は、例えばポリエチレンのような無架橋ポリオ
レフィンが、室温ですべての有機溶媒に不溶であること
を利用する。さらに、グラフト化ポリマーは熱可塑性物
質であり高温で溶けるので再成型も可能である。
図面の簡単な説明 図1.443重量%ポリスチレン−グラフト化ポリエチレン
上、[Asp76]−hPTHフラグメント(70〜84)の固相集
合のための保護図。
図2.μボンダパック(μBONDAPAK)C18(300×3.9mm、1
0μm)上、(A)粗H−Lys−Ala−Lys−Ser−Gln−O
H、(B)粗H−Val−Asp−Val−Leu−Thr−Lys−Ala−
Lys−Ser−Gln−OHおよび(C)粗H−Ala−Asp−Lys−
Ala−Asp−Val−Asp−Val−Leu−Thr−Lys−Ala−Lys−
Ser−Gln−OHの分析HPLCクロマトグラム。バッファーA:
H2O/0.095%CF3COOH;バッファーB:90%アセトニトリル
/10%H2O/0.072%CF3COOH;流速1.3ml/分。
図3.メリチン−(7〜21)およびメリチン−(7〜21)
アナローグのアミノ酸配列。
図4.低/高HF開裂後(凍結乾燥前)の粗メリチン−(7
〜21)およびアナローグの分析HPLCクロマトグラム。
クロマトグラム1は、粗のメリチン−(7〜21)、すな
わちペプチド1のものである。クロマトグラム2は、ペ
プチド2などのものである。バッファーA:5%CH3CN/95
%H2O/0.0445%TFA;バッファーB:60%CH3CN/40%H2O/0.
0390%TFA;直線グラジエント:B5〜95%30分間;流速1.5
ml/分;カラム:ヴィダック(Vydac)C18(0.46×25c
m) 発明の詳細な説明 本発明の1つの態様においては、ペプチドまたはタン
パク質の合成法を与える。該方法は、 A)ポリスチレン鎖でグラフト化したポリマー基質を与
える段階(ここに、前記ポリスチレン鎖は、さらに所望
により、合成全体にわたる条件下にて反応性でない置換
基を有し、該ポリマーにグラフト化した実質的にすべて
のポリスチレン鎖の推定分子量が、所望置換基を含めず
に、少なくとも200,000であり、ポリスチレン−グラフ
ト化ポリマー基質のポリスチレン鎖の少なくとも一部分
に、該ポリスチレン部分と、少なくともN末端が保護さ
れ所望によりカルボキシル末端の誘導されたアミノ酸と
の間の、固定結合形成を容易にする化学的官能基を導入
されている)、 B)N端が保護され所望によりカルボキシル末端の誘導
されたアミノ酸を、官能基導入したポリスチレン部分に
カップリングさせる工程(ここに、前記官能基およびN
端が保護され所望によりカルボキシル末端の誘導された
前記アミノ酸は、合成したペプチドおよびタンパク質を
実質的に崩壊させることなく、形成した固定結合をその
後開裂するのに互いに適するものである)、 C)カップリングしNが保護されたアミノ酸のN−保護
アミノ基または置換アミノ基からN−保護基を除去し、
カップリングしたアミノ酸のアミノ基または置換アミノ
基と、新しく加えるアミノ酸のカルボキシル基または活
性化カルボキシル基との反応を容易にする工程、 D)最後にカップリングしたアミノ酸の前記アミノ基ま
たは置換アミノ基を、新しく加えるN−保護アミノ酸の
カルボキシル基および活性化カルボキシル基と反応さ
せ、2つのアミノ酸部分間にペプチド結合を形成させる
工程、 E)最後にカップリングしたN−保護アミノ酸のN−保
護アミノ基または置換アミノ基からN−保護基を所望に
より除去し、後のアミノ酸のアミノ基および置換アミノ
基と、新しく加えるN−保護アミノ酸のカルボキシル基
または活性化カルボキシル基との反応を容易する工程、 F)工程E)を行った場合において、工程D)および
E)を所望の回数繰り返す工程、 G)所望により、合成したペプチドまたはタンパク質鎖
のアミノ酸部分上に残存しうる、数個またはすべての保
護基を除去する工程、 H)所望により、官能基導入したポリスチレン部分に合
成ペプチドまたはタンパク質鎖を固定している結合を開
裂させる工程、 および I)所望により、合成ペプチドまたはタンパク質鎖か
ら、さらに残る所望でない基のすべてを除去する工程、 からなることを特徴とする。
本明細書で使うポリマー基質という語は、前記のとお
りグラフト化し、それ自体は合成に用いる反応媒体に実
質的に不溶で不活性なあらゆる適当なポリマーを示す。
適当なポリマーは、例えば、ナイロンのようなポリアミ
ド、ポリイミド、ポリ(パラキシリレン)、ポリ(テト
ラフルオロエチレン)またはポリ(クロロトリフルオロ
エチレン)のようなポリ(ハロフルオロアルケン)、フ
ェノール−ホルムアミドポリマー、およびポリプロピレ
ンおよびポリエチレンのようなポリオレフィンから選択
されうる。該ポリマー基質は、例えばシート、フィル
ム、ビード、ペレット、ディスク、リング、チューブ、
ロッドおよびネットのようなあらゆる適当な形にするこ
とができる。本発明におけるペプチドまたはタンパク質
合成法の好ましい具体化において、ポリマー基質はシー
トまたはフィルム型式の低密度ポリエチレンである。な
お、実験(後記)は高密度ポリエチレンもまた適当であ
ることを示している。
該ポリマー基質にグラフト化したポリスチレン鎖は、
ポリスチレンそのものの鎖か、または合成全体にわたる
条件下にて反応性でない置換基は、ある程度置換された
ポリスチレン鎖である。そのような置換基の適当なもの
としては、例えばメチル、エチル、プロピルまたはブチ
ルのようなアルキル置換基、メトキシ、エトキシ、プロ
ポキシまたはブトキシのようなアルコキシ置換基または
フェノキシのようなアリールオキシ置換基でありうる。
置換は、ビニル基由来の非芳香炭素原子においても考え
られるが、好ましくは芳香環内で1個またはそれ以上の
置換基、例えば1個またはそれ以上の前記置換基により
置換する形式をとる。本発明におけるペプチドまたはタ
ンパク質合成法の好ましい具体化においては、ポリマー
基質はこの場合ポリエチレンであり、グラフト化ポリス
チレン鎖は非置換ポリスチレン鎖である。
該ポリマー基質にグラフト化したポリスチレン鎖の分
子量が、該ポリスチレン鎖上の所望置換基を含めないで
200,000であることは、特に都合のよいことだと考えら
れている。本発明の別の態様においては、この条件を満
たすポリスチレン鎖は、該ポリマー基質と、有機溶媒中
のモノマーの溶液中に存在する所望により置換されたス
チレンモノマーとの間の実質的なラジカル開始反応によ
り好適に形成されうる。実験(後記)によると、ポリエ
チレンシートまたはフィルムを、メタノールのような溶
媒のスチレンモノマーの種々の濃度の溶液に浸す条件に
おいて、ポリエチレンシートまたはフィルムがポリスチ
レン鎖とグラフト化する時、γ放射線によるラジカル開
始反応においては、グラフト化反応だけでなく、非グラ
フト化(すなわちフリーの)ポリスチレン鎖も形成す
る。グラフト化ポリスチレン鎖自身の分子量を正確に測
定する明白で容易な方法は現在ないが、生成した非グラ
フト化ポリスチレン鎖の分子量は、例えば、いわゆる
「サイズ排除クロマトグラフィー」により容易に測定し
うる。純粋なスチレンモノマーを使用した時、すなわち
メタノールが存在しない時は、一定のγ放射条件下で生
成するシート内に吸蔵された(およびジクロロメタンで
シートから抽出された)非グラフト化ポリスチレン鎖
(以後「ホモポリマー」と示す)の分子量は約180,000
が優先的であり、ホモポリマーの優勢な分子量は、スチ
レンモノマー/メタノール溶液のメタノール含量が増加
するにつれて増加する。例えば、70:30(v/v)メタノー
ル/スチレンでは、優勢な分子量(Mpeak)は、約1,00
0,000である。
種々の程度にグラフト化したポリスチレン−グラフト
化ポリエチレンシートで得た結果がはっきり示すところ
によると、以下でより詳細に説明するように、シート内
に吸蔵されたホモポリマーの分子量およびグラフト化ポ
リスチレン鎖の分子量は全くよく一致する。
サイズ排除クロマトグラフィーにより、種分子量(sp
ecies molecular weight)および保持容量の間の関係、
いわゆる「検量線」が決まる。分子量既知の標準ポリス
チレンの保持容量との比較により、個々の保持容量にお
ける、任意のフラクション、例えばポリスチレンホモポ
リマの分子量を決定する。しかしながら、鎖分子量既知
の標準ポリスチレン−グラフト化ポリエチレンが得られ
ないため、できうる最善のことは、同じ溶液条件で標準
ポリスチレンの保持容量と比較することである。
グラフト化シート、該ホモポリマーおよび該標準ポリ
スチレンは、例えば熱いキシレン中に溶解でき、幾つか
のそのような実験において、ホモポリマーの最も豊富な
フラクション(Mpeak)の分子量は約1,000,000であるこ
とがわかった。標準ポリスチレンの保持容量との前記比
較に基づくポリスチレン−グラフト化ポリエチレンのMp
eak値は約3,000,000以上であることがわかった[個々の
ポリエチレン鎖の一定部分が1以上のポリスチレン部分
とグラフト化し、前記方法で決定されたポリスチレン−
グラフト化ポリエチレンのMpeak値は、対応する吸蔵さ
れたポリスチレンホモポリマーのものと同じかまたはそ
れ以上であると考えられる]。
さらにまた、前記分子量評価法が妥当である証拠を前
記実験から以下のように誘導できる。
分子量Miの個々のフラクションiの豊富度niは、Miに
対応する保持容量において分配曲線の高さに比例する。
したがって、いわゆる「重量平均分子量」、Mwは、 Mw=Σ ni × Mi2/ni × Mi で与えられ、一方、いわゆる「数平均分子量」、Mnは、 Mn=Σ ni × Mi/Σ ni で与えられる。ラジカル開始重合に関する現在の理論に
よれば、Mw/Mn比(「多分散性」)は2.0と予想される。
ホモポリマーの該値は約2であり、ポリスチレン−グラ
フト化ポリエチレンの該値もまた約2だとわかった。こ
のことは、ポリエチレン基質にグラフト化したポリスチ
レン鎖が本質的にホモポリマーと同様に成長したことを
示すものと受け取れる。これはさらに、前記分子量評価
法の裏づけとなる。本明細書および請求の範囲中にいう
推定分子量は前記方法で評価した。
したがって、一定の条件(溶媒、スチレン濃度、温
度、γ放射線強度およびγ照射時間)において形成した
吸蔵ホモポリマーの分子量は、同じ条件で形成したグラ
フト化ポリスチレン鎖の分子量を如実に反映するものと
考えられる。よって、ホモポリマーについて決定された
分子量はグラフト化ポリスチレン鎖の推定分子量とみな
せる。
また、グラフト化ポリスチレン鎖の架橋の程度のみな
らず、ポリマー基質表面上のグラフト化部分の密度、す
なわち単位表面積当たりのポリスチレン鎖の付着位置数
も、グラフト化の起こる条件、特にグラフト化工程に用
いた有機溶媒の性質により強く影響されると考えられ
る。水酸基をもつ有機溶媒、特にメタノールのようなア
ルコールは比較的親水性であり、したがってスチレンモ
ノマーのような比較的疎水性な物質を溶解するのに選択
する溶媒としては好ましくない。それゆえ、該モノマー
のそのような溶媒による溶媒和の程度は、より疎水性と
思われる有機溶媒、例えばジクロロメタンのようなハロ
ゲン化脂肪族炭化水素(ジクロロメタンは通常および本
発明の場合ともに、固相ペプチド合成法の好ましい溶媒
である)の溶媒和の程度と比較して比較的低いと予想さ
れる。グラフト化工程においてグラフト化ポリスチレン
の膨潤または溶媒和の程度がメタノールのような溶媒中
で低いことは、成長しつつあるポリスチレン鎖の移動度
を低レベルに保ち、それゆえ拡散律速鎖停止工程の抑制
(retardation of the diffusion−controlled chain−
termination processes)につながり、よって特に長い
ポリスチレン鎖の成長を促進するものと考えられる。
本明細書において、グラフト化ポリスチレン鎖が高分
子量であることの魅力的な特徴は、官能基導入をした
時、それらが溶解した試薬に対する反応性の点で、均一
溶液中かなりの程度、あたかも非グラフト化(すなわち
フリーの)官能化ポリスチレン鎖かのようにふるまうと
推定されるということである。したがって、本発明のと
おり形成した官能化グラフト化ポリスチレン鎖が、保護
され、所望により誘導されたアミノ酸を包含する溶解し
た試薬と容易に反応することは、最も望ましいものとみ
なせる。ポリオレフィンにグラフト化したポリスチレン
鎖間の架橋が、明らかに、実質的に存在しないことは、
固相ペプチド合成で通常好ましいクロロ炭化水素溶媒
(具体的に本発明で好ましくはジクロロメタン)による
該鎖の高程度の膨潤および溶媒和を促進する。前記のと
うり、「メリフィールド形式」を用いる通常の固相ペプ
チド合成では、使う固体支持体は普通官能化架橋スチレ
ン/ジビニルベンゼンコポリマーであり、この架橋コポ
リマーは、スチレンモノマーに数%(典型的には約2
%)のジビニルベンゼンを加えて重合させて形成したも
のである。この架橋は、官能化コポリマーマトリックス
の膨潤および溶媒和の程度を、本発明により形成した官
能化グラフト化ポリスチレン鎖の場合に比べて低下さ
せ、これにより対応して前記マトリクスの反応性を低下
させる。
本発明において、ポリマーにグラフト化した実質的に
すべてのポリスチレン鎖の推定分子量は、所望置換基を
含めずに、300,000〜1,600,000、特に400,000〜1,400,0
00、好ましくは、600,000〜1,200,000の範囲が望まし
い。現在好ましい、実質的にすべてのポリスチレン鎖の
推定分子量は、700,000〜1,000,000である。400,000以
上のより高い推定分子量は特に好都合だと考えられる
が、逆にグラフト化ポリスチレン鎖が約1,000,000以上
の非常に大きい推定分子量をもつ場合は、特に基質が、
しばしば好ましいシートまたはフィルムの形式である場
合、ポリマー基質の機械的性質に有害な効果を及ぼすよ
うである。
ポリスチレン鎖が該ポリマー基質にグラフト化する程
度、すなわちポリマー基質に対するポリスチレンの重量
パーセントは、もちろん、ポリスチレン鎖の長さ、グラ
フト化部位密度およびポリマー基質の大きさに依存し、
幅広く変化しうる。したがって、厚さ25〜100μmの範
囲のポリマー基質のシートまたはフィルムの場合、ポリ
スチレン鎖のグラフト化の程度は、例えば約5〜約800
重量%、例えば約10%〜約700%であってもよい。ポリ
スチレン鎖のグラフト化度が非常に低いことおよび高い
ことはどちらも、中程度のグラフト化と同様に、本発明
の好ましい具体例として価値がある。
したがって、通常小規模、典型的にはマイクログラム
規模で、タンパク質のペプチド配列が合成できればよい
ような分析のためには、例えば、ポリスチレン鎖のグラ
フト化の程度が5〜200%、通常10〜60%(厚さ25〜100
μmの範囲のポリマー基質のシートまたはフィルム)と
いうように比較的低い、好ましくは制御された、しばし
ば官能化の程度の低いポリマー基質の供給により、形成
されるペプチド量を自在に制限できることが保証され
る。
本明細書で選択されたように生産されたポリスチレン
−グラフト化ポリエチレンシートまたはフィルムは、ペ
プチド化学や生化学の分析面に関し特に好都合である。
つまり、それが光、特に可視光に対し高い透過度を持つ
ため、分光光学技術の使用が容易になるという点におい
てであり、例えば抗原/抗体反応の測定(例えばELISA
技術によるもの)のような場合であり、この場合、抗原
/抗体反応は連続する呈色反応によって測定され、その
際、抗原は固体支持体上で合成され固体支持体に固定さ
れて残っている個々のペプチド配列であってもよい。
明らかにペプチドおよびタンパク質の可能な最大収量
を得ることが所望される調製的合成のためには、最大の
実用的グラフト化度によるのが好都合である。全体の観
点からいえば、厚さ25〜100μm(好ましい具体化で用
いた)の範囲のポリマー基質のシートまたはフィルムの
グラフト化度の実用上の上限は、しばしば約500〜600重
量%である。もっとも、特別な場合には700%のグラフ
ト化度というように、この範囲を超えることが所望され
ることもある。逆に、実際のグラフト化度は最小でも、
その薄いシートまたはフィルムでは、普通約40%を下ま
わることはない。最も実用的な目的のためには、その薄
いシートまたはフィルムのグラフト化度は、100〜600%
の範囲であり、しばしば200〜600%の範囲であり、調製
的な目的のためには、しばしば好ましくは200〜400重量
%であり、これは官能基のついたグラフト化シートを用
いて行ったペプチド合成の収率および効率の観点および
グラフト化シートまたはフィルムの機械的強度の観点の
両観点からみて適切と思える。
本発明を説明する実施例から明らかなように、高純度
のペプチドが異常な高収率で得られる。例えば、本発明
の好ましい具体例である、厚さ約50μmでグラフト化度
約400〜500%の薄いシートまたはフィルムの形のポリエ
チレン基質から形成した官能化ポリスチレン−グラフト
化ポリエチレンシートまたはフィルムを用いる場合であ
る。
前記のとおり、本発明の1つの態様においては、ポリ
マー基質と、有機溶媒中の前記モノマー溶液中の所望に
より置換したスチレンモノマーとの間の実質的なラジカ
ル開始反応により、ポリスチレン−グラフト化ポリマー
基質が形成する。また前記のとおり、長く、実質的に無
架橋なポリスチレン鎖を得る観点からみると、水酸基を
もつ有機溶媒、特にアルコールのような、成長している
ポリスチレン鎖が膨潤したりまたは溶媒和されにくい溶
媒中でグラフト化することが好ましい。このために好ま
しいアルコールは、C1-4脂肪族アルコールである。実際
には、メタノールが最も適切な溶媒であることがわかっ
ているが、例えばエタノール、プロピルおよびイソプロ
ピルアルコールおよびn−ブチル、sec−ブチルおよびt
ert−ブチルアルコールが適用できることも考えられ
る。
グラフト化に用いる溶液中の、すなわち前記のとお
り、成長しているポリスチレン鎖を膨潤したり溶媒和し
にくい溶媒、前記のとおり特にアルコール、例えばメタ
ノールのような溶媒の溶液中の、所望による置換スチレ
ンの容量パーセント(%v/v)は、形成したグラフト化
ポリスチレン鎖の分子量に顕著な影響を及ぼす。つま
り、溶液中の溶媒の容量パーセントが大きくなれば、少
なくともある時点までは、溶媒の鎖延長効果も大きくな
る。したがって、溶液中の所望による置換スチレンの容
量パーセントは、1〜95%というように非常に広範囲で
あるが、この容量パーセントは、一般には10〜90%、よ
り一般には20〜80%である。溶液中の所望による置換ス
チレンの容量パーセントの非常に興味深い範囲は、25〜
50%の間である。実施例から明らかになるように、25〜
35%の範囲、言いかえれば、約30容量%において素晴し
い特性をもつことが支持される。グラフト化工程におけ
るメタノール中のスチレンの容量パーセントと、得られ
た、ポリスチレン鎖の長さの推定値との間の関係は、メ
タノール中の所望による置換スチレンの容量パーセント
と、一定のγ放射線量および線量率で生成したホモポリ
マーの分子量との間の関係についての後記実験で示す。
実質的に周囲の温度またはそれよりやや高い温度、液
体成分の全蒸気圧に等しい圧、所望によりアルゴンのよ
うな不活性ガスの適度な圧を加えて全圧力を約1気圧に
し、無酸素中、γ照射することにより、非常にうまく、
グラフト化工程を行うことがでる。反応系から酸素を除
去する適切な方法は、強力な真空装置上、凍結、解凍サ
イクルを繰り返すことである。γ照射は、線量率約1〜
約100,000Gy/時間、例えば、約300〜1000Gy/時間、特に
約200〜5000Gy/時間において、うまく行うことができ
る。長く、実質的に無架橋なポリスチレン鎖をもつ所望
の立体配置を得るには、照射強度が非常に重要であると
信じられている。もし、該強度が高すぎるならば、フリ
ーラジカルの形成が非常に高くなり、グラフト化は、通
常は所望でない、より多数のより短い鎖および恐らく高
い架橋度を包含するであろう。
全体としてみると、ポリマー、所望による置換スチレ
ンモノマー、反応混合物、放射線線量率および照射時の
温度の選択により、鎖長、グラフト化および支持体の光
学的特性(これは支持体がシートまたはフィルムの時、
特に重要である)の最適化を行う。
γ照射を包含する前記方法は現在好ましい方法である
が、通常のラジカル開始剤、例えば過酸化水素、過酸化
ベンゾイルまたは過酸化ジアセチルのような過酸化物、
またはラジカル形成源としてアゾ化合物を包含する別の
方法を用いて、ポリスチレン−グラフト化フィルムをう
まく製造することも考えられる。使われうる、他のラジ
カル形成源としては、例えばオゾンおよびUV線があり、
他の特に興味深いラジカル形成源に電子線がある。重要
なのは、ラジカル生成に用いる方法が、ラジカルにより
開始したポリスチレン鎖の成長を、比較的よく制御する
ものであるということである。使う溶媒の特性の重要性
に関する前記条件は、これらフリーラジカル開始源と関
連して適合すると信じられている。
また、ラジカル開始によらずに、本発明に有用なポリ
スチレン/ポリエチレン ブロック共重合体を生成する
ことも可能と考えうる。したがって、例えばブタジエン
およびスチレンのブロック共重合体を合成するのに、2
つのブロックの鎖長を正確に制御できるアニオン重合を
用いることが可能である。ポリブタジエンブロックがポ
リエチレンに変換するのと同様にして、このポリマーを
水素化することが可能である。形成したポリエチレン
は、固体状態で高密度のポリエチレンを形成するような
規則的構造をとるだろう。コポリマーのポリエチレン部
分が、互いに密着したフィルムを形成することが、この
方法において決定的に重要である。以下の方法でこれを
得ることが考えられる。ポリスチレン部分は室温および
それより高温で溶けるがポリエチレン部分は溶媒が熱い
ときしか溶けないような溶媒に、エチレン/スチレン
ブロック共重合体を溶かす。そのような溶媒は例えばキ
シレンである。該ポリマー溶液を溶融状態で入れ、ポリ
エチレンが沈澱する温度以下にゆっくり冷やす。ポリエ
チレンフィルムが形成したら、残りの溶媒を除く。
さらに、後記の製造別法は、他のポリスチレン/ポリ
オレフィンブロック共重合体、例えばポリスチレン/ポ
リプロピレン ブロック共重合体の製造に拡大すること
も考えられる。ポリスチレン/ポリプロピレン ブロッ
ク共重合体の場合、ブタジエン以外のモノマー、例えば
2−メチル−1,3−ペンタジエンを用いる。
ポリスチレン−グラフト化ポリマー基質は、前記のよ
うにあらゆる適合形式であってよい。本発明の具体化で
非常に興味深いのは、シートまたはフィルムの形式をと
ることである。そのシートまたはフィルムの出発物質で
あるポリマー基質、例えばポリエチレン基質、そのもの
の厚さは、広範囲で変化し、通常10〜10,000μm、大半
の目的には好ましくは25〜1000μmの範囲、典型的には
25〜75μmのような25〜100μmの範囲である。もちろ
ん、グラフト化工程は厚さの増大につながる。したがっ
て、シートまたはフィルムが薄いほど、そのグラフト化
条件において厚さの増加の割合は大きくなる。実施例の
とおり、グラフト化した薄シートまたは薄フィルムの厚
さは、25〜200μmの範囲である。
シートまたはフィルム形式のグラフト化ポリマーは、
熱可塑性物質であり高温で可溶なので、可能性としてグ
ラフト化工程完了後の再成型が考えられる。したがっ
て、ポリスチレン−グラフト化ポリエチレンシートまた
はフィルムの場合、好ましくは、シートまたはフィルム
を適当な溶媒に溶かし、該溶液を冷却し溶媒を蒸発さ
せ、ポリマー支持体の新しい「キャスティング(castin
g)」を、例えば、グラフト化ポリエチレン鎖をもつ薄
いシートまたはフィルムとして得ることが可能である。
適当な溶媒となるのは、適度な高温においてグラフト化
ポリスチレン鎖をもつポリマー支持体を溶かし(しかし
グラフト化は保持したまま)、さらに低温に冷却する
と、もはや溶液中にポリマー基質を維持できなくなる
が、それでもなお有効にポリスチレン鎖を膨潤または溶
媒和するものである。例えば、ポリスチレン−グラフト
化ポリエチレンに有用な溶媒として、キシレンまたはキ
シレンの混合物がある。
ペプチドまたはタンパク質合成を実際に行う際、シー
トまたはフィルムは多くの利点を有する。つまり、フラ
スコ、ビーカー、ミクロビーカー、漏斗、ウェル、カラ
ムまたはネットを包含するあらゆる型の既知ペプチド合
成反応容器のような、使用する反応容器に応じた適当な
大きさに、容易に、シートまたはフィルムを切ることが
できるのである。
シートまたはフィルムの支持体は、ペプチド合成につ
いての新規で実用的な方法の創作を可能とする。例え
ば、多数のシートまたはフィルム片を共通の支持体上に
載せ、例えば、種々の試薬および洗浄溶媒にさらすこと
により、ペプチド合成の種々の工程で一緒にしてもよ
く、また、該片をセットでならべてもよく、それぞれの
セットを特有の反応媒体の組合わせに付してもよい。
この後者の可能性は、効率的な「区分(compartmenta
lization)」を容易にし、2個またはそれ以上のペプチ
ドを平行的に、実質的に同時に製造することができる。
したがって、1つの態様において本発明は、ペプチド
およびタンパク質の「区分」合成の特に実用的な方法を
提供する。この態様は、固相ペプチド合成支持体とし
て、ポリスチレン−グラフト化シートまたはフィルムを
使用することに基づく。本発明のこの態様は、1個また
はそれ以上のペプチドまたはタンパク質を合成する方法
として表されてもよい。この方法では、2個またはそれ
以上のペプチドまたはタンパク質を合成しようとする
時、所望の数のペプチドおよびタンパク質を平行的に、
および実質的に同時に合成できる。該方法は、 A)複数の実質的に同一の、ポリスチレン鎖とグラフト
化したポリマー基質を提供し(ここに、前記ポリスチレ
ン鎖は、該合成全体にわたる条件において反応性でない
置換基を、所望によりさらに有していてもよく、各ポリ
スチレン−グラフト化ポリマー基質のポリスチレン鎖の
少なくとも1部分が、ポリスチレン部分と、少なくとも
Nが保護され所望によりカルボキシル末端が誘導された
アミノ酸との間の固定のための結合形成を容易にする化
学官能基が導入されている)、 B)所望により、前記の複数のポリスチレン−グラフト
化ポリマー基質の1部分を、それぞれ1個またはそれ以
上の前記複数の物を含有する2個またはそれ以上のセッ
トに物理的に区分し、N−保護および所望によりカルボ
キシル末端を誘導したアミノ酸を、前記複数の物の各部
分の官能化されたポリスチレン部分にカップリングさ
せ、または、可能であれば、用いたN−保護および所望
によりカルボキシル末端の誘導されたアミノ酸の各セッ
トの各部分が、該複数の物のすべての部分にとって同一
であるか、可能であれば、1つのセットの全部分がそう
であり、さらに、可能であれば、以下から選ばれるもの
のうちの1つに一致し、 (i)すべてのセットにとり同一である、 (ii)前記セットが2以上の時、少なくとも2つのセッ
トにとり同一である、 (iii)各セットにとり異なる、 ここに、前記官能基および前記N−保護および所望によ
りカルボキシル末端の誘導されたアミノ酸がお互いに適
合し、合成するペプチドまたはタンパク質鎖を実質的に
分解させることなく、形成した固定結合はその後開裂で
き、 C)前記複数の物の各部分または、可能であれば、前記
各セットの各部分を処理し、カップリングした、N−保
護アミノ酸のN−保護アミノ基または置換アミノ基から
N−保護基を除去し、カップリングしたアミノ酸のアミ
ノ基および置換アミノ基が、別のN−保護アミノ酸のカ
ルボキシル基または活性カルボキシル基と反応するのを
容易にし、 D)前記複数の物の各部分の、可能であれば各セットの
各部分の、官能基化ポリスチレン部分に最後にカップリ
ングしたアミノ酸の前記アミノ基または置換アミノ基
を、別のN−保護アミノ酸のカルボキシル基または活性
カルボキシル基と反応させて、前記アミノ基または置換
アミノ基、および前記カルボキシル基または活性カルボ
キシル基の間にペプチド結合を形成させ、ここに、前記
の別のN−保護アミノ酸は、該複数の物の全部分または
可能であれば1つのセットの全部分にとり同一であり、
さらに、可能であれば、ステップB)との関連で前記3
つの選択枝の1つに一致し、 E)所望により、前記複数の物の各部分の、または可能
であれば前記各セットの各部分を処理して、最後にカッ
プリングしたN−保護アミノ酸のN−保護アミノ基また
は置換アミノ基からN−保護基を除き、後のアミノ酸の
アミノ基または置換アミノ基が、別のN−保護アミノ酸
のカルボキシル基または活性カルボキシル基と反応する
のを容易にさせ、 F)工程E)を行った場合に工程D)およびE)を所望
の回数繰り返し、 G)所望により、前記複数の物の各部分の、または可能
であれば前記各セットの各部分を処理し、合成ペプチド
またはタンパク質鎖のアミノ酸部分上に残っっているか
もしてない、幾つかのまたはすべての保護基を除去し、 H)所望により、前記複数の物の各部分の、または可能
であれば前記各セットの各部分を処理し、前記多数物の
各部分の、または可能であれば前記各セットの各部分の
官能基化ポリスチレン部分に、合成されたペプチドまた
はタンパク質鎖を固定している結合を開裂させ、 および、 I)所望により、さらに、合成したペプチドまたはタン
パク質鎖から、所望でないあらゆる基を除去すること、 からなることを特徴とする。
区分のために、シートまたはフィルム形式のポリマー
支持体を扱う1つの実用的な方法は、シートまたはフィ
ルムの幾つかの部分の表面上に溶融黒鉛性インク(grap
hite−based ink melted)により消えない印をつけたシ
ートまたはフィルムを、所望の数の小片に切ることであ
る。他の方法としては、種々の小片を同一の大きさのシ
ートまたはフィルム上に置き、ついで、場合により一緒
にまたは別々に、異なる部分(これは上記のとおり適切
に印がつけられている)を処理することである。明らか
なごとく、1つの具体例としは、行う処理が同じである
かぎり、同一のフィルム上に該小片を残し、行う工程が
異なる場合は、フィルムをサブユニットに分割すること
である。
少なくともN末端が保護され、所望により誘導された
アミノ酸と、官能基導入されたポリスチレン部分との間
の固定結合を容易にする化学官能基は、適切には、 クロロ−、ブロモ−およびヨード−置換アルキル、 アミノ−置換アルキル、 アミノ−およびアリール−置換アルキル、 アミノ−およびアルキルアリール−置換アルキル、 ヒドロキシ−置換アルキル、 を包含する基のものまたはそれらの基から誘導されたも
のである。該官能基が前記の基のどれかから誘導された
ものである場合は、該官能基は、合成ペプチドまたはタ
ンパク質鎖を、該鎖の実質的崩壊なしでポリスチレン部
分から開裂させるスペーサー基を有する官能基である。
本発明の適当な具体例においては、クロロ−置換アル
キルはクロロメチルであり、アミノ−置換アルキルはア
ミノメチルであり、アミノ−およびアルキル−置換アリ
ールはα−アミノベンジル(ベンズヒドリルアミノ)で
あり、アミノ−およびアルキルアリール−置換アルキル
は、α−アミノ−2−、α−アミノ−3−およびα−ア
ミノ−4−メチルベンジル(後者はまた、4−メチルベ
ンズヒドリルアミノとして知られている)を包含する基
から選択され、ヒドロキシ−置換アルキルはヒドロキシ
メチルである。
ポリスチレン−グラフト化ポリマー基質の最初の官能
基導入については、伝統的固相ペプチド合成に関し、50
以上の方法が記載されており(バラニーおよびメリフィ
ールド(Barany and Merrifield)、ザ・ペプチド(The
Peptide)、第2巻、アカデミックプレス、ニューヨー
ク(Academic Press,New York)、1979、1〜284頁)お
よびスチュワートおよびヤング(Stewart and Youn
g)、固相ペプチド合成(Solid Phase Peptide Synthes
is)、第2版、ピアース・ケミカル・カムパニー、イリ
ノイ(Pierce Chemical Company,Illinois)、1984、参
照)、そのクロロメチルを導入する反応(クロロメチル
メチルエーテル/SnCl4反応による)、アミノメチル
(N−ヒドロキシメチルフタルイミド反応を経由する;
ミッチェル(mitchell)ら、テトラヘドロン・レターズ
(Tetrahedron Lett.)、3795(1976)参照)およびベ
ンズヒドリルアミノ(ピータおよびマーシャル(Pietta
and Marshall)、ジャーナル・オブ・ケミカルソシエ
ティ(J.Chem.Soc.)、650(1970)基が、最も幅広く利
用されている。最初に導入された他の反応性官能基は、
4−メチルベンズヒドリルアミノおよび4−メトキシベ
ンズヒドリルアミノを包含する。これら確立された方法
はすべて、原則的には、本発明において有用である。本
発明におけるペプチドおよびタンパク質合成方法の好ま
しい具体例は、最初の官能基としてアミノメチルを用い
るものである。アミノメチルは「スペーサー」または
「ハンドル」基の組み込みに関し、特に好都合である。
これは、スペーサー形成試薬の一方の端のカルボン酸基
に対して、本質的に定量的なアミド結合を形成する点に
関するアミノメチル基のアミノ基の反応性によるもので
ある。非常に多数の、関連するスペーサーまたはハンド
ル形成バイファンクショナル試薬が記載されており(バ
ラニー(Barany)ら、インターナショナル・ジャーナル
・オブ・ペプチド・プロテイン・リサーチ(Int.J.Pept
ide Protein Res.)、30、705〜739(1987)参照)、特
に、例えば、4−(ブロモメチル)フェニル酢酸のよう
な4−(ハロアルキル)アリール−低級アルカン酸、Bo
c−アミノアシル−4−(オキシメチル)フェニル酢酸
のようなBoc−アミノアシル−4−(オキシメチル)ア
リール−低級アルカン酸、N−Boc−p−グルタロイル
ベンズヒドリルアミンのようなN−Boc−p−アシルベ
ンズヒドリルアミン、N−Boc−4′−メチル−p−グ
ルタロイルベンズヒドリルアミンのようなN−Boc−
4′−低級アルキル−p−アシルベンズヒドリルアミ
ン、N−Boc−4′−メトキシ−p−グルタロイルベン
ズヒドリルアミンのようなN−Boc−4′−低級アルコ
キシ−p−アシルベンズヒドリルアミンおよび4−ヒド
ロキシメチルフェノキシ酢酸のような4−ヒドロキシメ
チルフェノキシ−低級アルカン酸を包含するアミノメチ
ル基のようなアミノ基に対して反応性のある試薬であ
る。
合成したペプチドまたはタンパク質鎖を固体支持体か
ら開裂するために組込み、ペプチドまたはタンパク質鎖
のC−末端がアミドの形であるベンズヒドリルアミノ、
4−メチルベンズヒドリルアミノおよび4−メトキシベ
ンズヒドリルアミノのような一定の官能基はスペーサー
基を導入する必要はなく、そのような官能基はどれも本
発明において都合よく利用される。
スペーサー基またはハンドル基の導入に関する別法と
して、いわゆる「前形成ハンドル(pre−formed handl
e)法(タム(Tam)ら、シンセシス(Synthesis)、955
〜57(1979)参照)があり、これは、最初のアミノ酸の
カップリングを完全に制御し、ペプチドまたはタンパク
質の合成に無関係の所望でない官能基の存在により生じ
る複雑化を排除する。この方法では、前記のとおり通常
同型のスペーサー基またはハンドル基を、該固体支持体
に固定させたい最初のアミノ酸と反応させる。該アミノ
酸はNを保護し、所望のペプチドまたはタンパク質鎖の
形成には関係ない他の側鎖を所望により保護している。
通常の固相ペプチド合成でよく知られた多数の他の可能
性も存在するが、適当なN−保護基には、普通、ベンジ
ル基と組合わせて側鎖を保護するBoc、普通、t−ブチ
ルと組合わせてあらゆる側鎖を保護するFmoc(Boc=t
−ブチルオキシカルボニル;Fmoc=9−フルオレニルメ
チルオキシカルボニル)がある。
したがって、スペーサー基またはハンドル基が所望の
場合は、固体支持体にカップリングする最初のアミノ酸
は、例えばアミノメチルのような最初に導入した官能基
に結合しているスペーサー基の自由反応末端にカップリ
ングするか、または最初に導入した官能基と反応させる
スペーサー形成試薬と反応させうるかである。
カップリングさせる最初のアミノ酸のカップリングの
完了に続き、固相合成の次の段階は、所望のペプチドま
たはタンパク質鎖を系統的に仕上げることである。この
仕上げは、脱保護/カップリングサイクルの繰り返しを
包含する。最後にカップリングしたアミノ酸上の、前記
BocまたはFmoc基のような一時的な保護基は適当な処理
により定量的に除去される。例えば、Bocの場合、トリ
フルオロ酢酸によるようなアシドリシスにより、Fmocの
場合、ピペリジンによるような塩基処理により、最後に
カップリングしたアミノ酸のN−末端アミン官能基を遊
離させる。
ついで、次の所望のN−保護アミノ酸を最後にカップ
リングしたアミノ酸のN−末端にカップリングさせる。
この、最後にカップリングしたアミノ酸とアミノ酸のC
−末端をカップリングさせることは、幾つかの方法で行
なわれうる。例えば、活性エステル誘導体の最初の形成
または無水物の最初の形成を包含する幾つかの方法のど
れか1つにより活性化されたカルボキシル基を有する形
で新しいアミノ酸を与えることによるようなものであ
る。また、新しいアミノ酸のカルボキシル基は、例えば
ジシクロヘキシルカルボジイミドまたはその誘導体のよ
うな縮合剤の補助により、最後にカップリングしたアミ
ノ酸のN−末端と直接反応させてもよい。
保護基を包含する所望のペプチドまたはタンパク質鎖
の集合の完了に続き、次の工程は通常、該ペプチドまた
はタンパク質鎖のアミノ酸部分の脱保護および合成ペプ
チドまたはタンパク質を固体支持体から開裂させること
である。これらの工程は、実質的に同時に起こりうるも
のであり、これによりフリーなペプチドが所望の形で得
られる。また、2つの別々に合成されたペプチドまたは
タンパク質鎖の縮合を行う場合、合成の最初に適当なス
ペーサー基を選ぶことにより、所望のペプチドまたはタ
ンパク質鎖を個々の固体支持体から開裂させることが可
能である。ペプチドまたはタンパク質鎖はどちらもまだ
側鎖保護基を有しており、例えば保護ペプチドまたはタ
ンパク質の2つの側鎖をカップリングさせてより長いペ
プチドまたはタンパク質鎖を形成し、最後に側鎖保護基
を除去する。3つめの可能性は、例えばペプチド化学ま
たは生化学の分析面で特に関係のあるものであり、該鎖
を固体支持体に保っている固体結合の開裂なしにペプチ
ドタンパク質鎖から保護基を除去することである。
本発明によるものと類似するが問題としている特有の
化学に適合するリンカーまたはスペーサー基を包含する
ポリスチレン−グラフト化ポリエチレン基質は、ペプチ
ド以外の、単一または複数の生体高分子の合成において
貴重かもしれない。1つの例として、オリゴヌクレチド
の合成があり、これらは通常わずか4個の異なる反応区
画、すなわち4つのヌクレオチド単位それぞれのもの
(すなわち、DNAフラグメントにはA、T、Gおよび
C、RNAフラグメントにはA、G、CおよびU)が必要
であるに過ぎないので、概念的には合成は容易である。
そのような合成は平行的に、実質的に同時に、本発明と
同様の方法により行なわれるであろう。
以下、実施例により本発明を説明する。使用略語は以
下のとおりである。略語一覧表 Boc:tert−ブチルオキシカルボニル ClZ:2−クロロベンジルオキシカルボニル DCC:N,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド DCU:N,N′−ジシクロヘキシルウレア DIEA:N,N′−ジイソプロピルエチルアミン DMF:N,N−ジメチルホルムアミド FABMS:高速原子衝撃質量分析法 HOBt:1−ヒドロキシベンゾトリアゾール HPLC:高速液体クロマトグラフィー Pam:フェニルアセトアミドメチル PE:ポリエチレン PP:ポリプロピレン SEC:サイズ排除クロマトグラフィー SPPS:固相ペプチド合成 TFA:トリフルオロ酢酸 TFMSA:トリフルオロメタンスルホン酸 THF:テトラヒドロフラン 種々のアミノ酸に使用する略語は、IUPAC−IUBコミッシ
ョン・オブ・バイオケミカル・ノメンクラチャー(Comm
ission of Biochemical Nomenclature)[ジャーナル・
オブ・バイオロジカル・ケミストリー(J.Biol.Che
m.)、247、977〜983(1972)]のとおりであり、すべ
ての場合、L−配置アミノ酸を意味する。
実施例1 ポリスチレン−グラフト化ポリエチレンシートの製造の
一般法 スチレン(99%アルドリッチ(Aldrich))を塩基性
アルミナに通した。ある場合には更にナトリウムまたは
水素化カルシウムから蒸留した。メタノール中の純粋ス
チレン30%(v/v)溶液20mlを、n−ヘキサン中洗浄し
た低密度PEシート長方形片とともに、アンプル中に入れ
た。使ったシートの厚さは54μmであった。凍結−解凍
サイクルを高真空ライン上で繰り返すことにより、該溶
液を完全に脱気し、ついで該アンプルを真空下封かんし
た。ついで、該アンプルおよび内容物を、コバルトガン
マ照射施設中で照射した。該照射は2段階で行った。線
量分布をできる限り均一にするため、2段階の間に該ア
ンプルを照射源中の1箇所から他へ移動させた。線量率
は約400Gy/時間であった。使用した最高の線量率は417G
y/時間であり、最低は339Gy/時間であった。照射後、該
シートをソックスレー抽出器中、ジクロロメタンで抽出
し、乾燥した。固有のデータを表1に示す。照射線量と
グラフト化の程度の間に明確な相互関係があるが、デー
タ中多くのばらつきがあることは注目に値する。これ
は、1つにはいわゆる「余効(after effect)」による
ものであり、照射停止後、重合工程がある程度継続して
いるのである。この効果の例として、450%グラフト化
シートを得るために全線量3.4kGyで照射したシートを含
有するアンプルを、2段階の照射の間の10時間、照射源
外に置いた。さらに、該アンプルを照射完了10日後に初
めて開けた。230%のグラフト化を得るために全線量2.0
kGyで照射したシートにも同様の方法を用いた。
また、グラフト化がそれぞれ46、129および331%のシ
ートも製造した。
実施例2 ポリプロピレン・コアおよび他の高密度ポリエチレン層
を含有する繊維からなる不織フェルト上のグラフト化方
法 不織PP/PEフェルトをn−ヘキサンで洗浄し、実施例
1記載の通常法と全く同様に、メタノール中の脱気した
精製スチレン30%(v/v)溶液を含有する封かんしたア
ンプル中照射した。結果を表2に示す。
実施例3 グラフト化ポリスチレン鎖の長さに対するメタノール/
スチレン率の影響 以下の結果は、異なるメタノール/スチレン混合物
中、低密度ポリエチレンシートの照射により得た(線量
5kGy、線量率400Gy/時間、室温)。
ポリスチレン−グラフト化ポリエチレンシートのグラフ
ト鎖中に吸蔵され、シートからジクロロメタンで抽出さ
れたホモポリマー分画の分子量(架橋スチレン/ジビニ
ルベンゼンカラム物質上、サイズ排除クロマトグラフィ
ーで測定)は、溶液中のメタノール/スチレン率により
増加することがわかる。同時に、高いメタノール/スチ
レン率において、分子量分布は狭くなる傾向にある。
実施例4 グラフト化ポリスチレン鎖の分子量の評価に関する実
験。
シートから抽出したポリスチレンホモポリマーはSEC
により特徴づけられた。抽出したポリスチレンは2つの
ふくらみを有する典型的な分子量分布を示す。これは、
照射中、シート中および周囲の溶液中の両方において、
ポリスチレンが形成されたことによるものである。も
し、ソックスレー抽出を行う前にジクロロメタン中、シ
ートを簡単に洗浄すれば、低分子量フラクション量は高
分子量フラクション量に比べて大幅に減少するだろう。
抽出したホモポリマーの高分子量フラクションの分子量
データを表3に示す。典型的なサンプルの大きさは、ポ
リマーが0.01mg〜0.2mgであった。それぞれ173、220、2
31および450重量%にグラフト化したシートからのホモ
ポリマーについては、SECにトーヨ・ソーダ(Toyo Sod
a)TSK GMH6の60cmカラムを外界温度で使用し、THFで溶
出し、流速0.5ml/分であった。443重量%にグラフト化
したシートからのホモポリマーについては、SECにショ
ーデックス(Shodex)A80−Mの50cmカラムを50℃で使
用し、溶媒にキシレンを用い、流速0.5ml/分であった。
グラフト化ポリマーのSECにもこのセットを使用した
が、この場合は90℃、流速約0.3ml/分であった。該グラ
フト化シートは熱いキシレン中で溶ける。5つのグラフ
ト化シートのポリスチレン−グラフト化ポリエチレンの
分子量データを表4に示す。得られたすべての分子量デ
ータは、分子量2800g/mol〜8,000,000g/molのポリスチ
レン標準に基づく検量線を用いて計算した。該検量線の
形は3次多項式に一致する。1次(直線)検量線を用い
ても同じ結果になる。スチレンホモポリマーで得られた
分子量は絶対的なものだが、グラフトコポリマーで得ら
れた分子量は絶対的なものでないことに注意しなければ
ならない。ショーデックスA80−Mカラムの場合、観察
された極端に大きな分子量を計算するためには、検量線
の外挿が必要であった。この外挿は重量平均分子量の過
小評価につながり、また結果的に多分散性の過小評価に
つながりうる。非グラフト化ポリエチレンは、1,2,4−
トリクロロベンゼンで溶出する高温SECにより特徴づけ
られた。以下の値を得た。
Mw=4×104g/molおよびMw/Mn=5。後者のデータはポ
リスチレン標準に基づく検量線を用いて得た。
ポリスチレンホモポリマーのデータは、分子量は全照
射線量に影響を受けないが、ポリスチレン−グラフト化
ポリエチレンについては、測定分子量は該線量によく比
例することを示している。これらの観測は、非常に長鎖
のグラフトが全照射工程で形成し、本質的にはグラフト
の数だけが該線量の影響を受けることを示している。
実施例5 ポリスチレン−グラフト化ポリエチレンシートの再成型 173%グラフトシート(表1参照)の1部分を100℃で
キシレン中に溶解し、80℃で該溶液をテフロン鋳型中へ
注いだ。キシレンをゆっくり蒸発させた後、非常に薄い
フィルムが形成した。フィルムが極端に薄いため、フィ
ルム小片(1〜2mm平方)以外にも何も得られなかっ
た。しかしながら、これら小片はジクロロメタンにさら
しても崩壊しなかった。このことはポリエチレン層が切
れ間なく再型成していることを意味する。
実施例6 ポリスチレン−グラフト化PEシートのアミノメチル化
(官能基導入)。
443%ポリスチレン−グラフト化ポリエチレンシート
(全1.30g)の8つの等しい大きさの長方形片(1.5×4.
5cm)を、手動式SPPS振盪器上60mlSPPS反応容器中へ入
れTFA/CH2Cl2(1:1v/v)で3×5分間洗浄した。N−
(ヒドロキシメチル)フタルイミド(97%純度;EGA−CH
EMIE)0.35g(1.9mmol)のTFA/CH2Cl2(1:1v/v)40ml溶
液を該洗浄シートに加え、該混合物を10分間振盪した。
TFMSA/TFA/CH2Cl2(10:45:45v/v/v)10mlをゆっくり4
〜5時間にかけて加え、振盪を更に3時間続けた。該シ
ートを濾過により単離し、以下のように順次洗浄した:T
FA/CH2Cl2(1:1v/v)(120ml)、CH2Cl2(240ml)、メ
タノール(160ml)およびエタノール(160ml)。ついで
それらを、10%ヒドラジン(フルカ)を含有するエタノ
ール40ml中、70℃で12時間振盪した。該シートを熱混合
物から濾過し、以下のように順次洗浄した(各洗浄につ
き20分の振盪):熱エタノール(3×4ml)、熱DMF(3
×40ml)、熱エタノール(3×40ml)、熱メタノール
(3×40ml)およびCH2Cl2(3×40ml)。最後に、該シ
ートをDIEA/CH2Cl2(1:9v/v)40mlで2×5分間処理
し、CH2Cl2200mlで洗浄し、室温で乾燥した。4回の分
光光学的ニンヒドリンカラー試験を総合すると、1.00mm
ol NH2/gシート(それぞれ0.99、0.96、1.02および1.01
mmol/g)を示し、元素分析は、1.07mmol N/gシートを示
した。
また、以下のポリスチレン−グラフト化ポリエチレン
シートもアミノメチル化した。
実施例7 BocGln−4−(オキシメチル)−Pam−シートの製造 アミノメチル−シート(置換=1.0mmol/gシート;443
%グラフト)0.63gを、SPPS振盪器上60ml反応容器中、D
MF/CH2Cl2(1:2v/v)中で3×3分間、前洗浄した。Boc
Gln−4−(オキシメチル)フェニル酢酸0.98g(2.5mmo
l、4当量)およびHOBt0.38g(2.5mmol、4当量)をDMF
/CH2Cl2(1:1v/v)20ml中に溶解しネジ栓付試験管(scr
ew−cappedtube)中、0℃で3分間攪拌した。DCC0.52g
をCH2Cl210ml中に溶解し、該混合物に加えた。0℃で25
分攪拌後、DCUを濾過し、該濾過液を前洗浄アミノメチ
ルシートに加え、2時間攪拌した。該シートを濾過し、
CH2Cl2で洗浄し、DIEA/CH2Cl2(5:95v/v)で中和し、CH
2Cl2で洗浄し、乾燥した。ニンヒドリン試験が陽性でな
いことは、定量的カップリングを示し、また以下の処理
によるBoc基の除去後にもこれを確認した。30mlTFA/CH2
Cl2(1:1v/v)で1×2分間および1×30分間、30mlCH2
Cl2で6×1分間、30mlDIEA/CH2Cl2(5:95v/v)で2×
5分間および30mlCH2Cl2で4×1分間。ついで2回のニ
ンヒドリン試験は、−NH2置換度が0.76mmol NH2/gシー
ト(それぞれ0.74および0.77mmol/g)を示し、これは理
論値0.78mmol NH2g/シートに非常に近いものである。
実施例8 ペプチド合成:(a)443重量%ポリスチレン−グラフ
ト化ポリエチレンシート上、保護ヒト[Asp76]−副甲
状腺ホルモンフラグメント80〜84、75〜84および70〜84
の合体。
BocGln−OCH2−Pam−シート(0.84g、443%グラフ
ト、0.58mmol Gln)を、SPPS振盪器上、60ml反応容器に
入れた。保護hPTH70〜84(図1参照)を以下の合成法に
より合体させた。
(1)CH2Cl2、35ml、3×1分; (2)TFA/CH2Cl2(1:1v/v)、35ml、3×1分; (3)TFA/CH2Cl2(1:1v/v)、35ml、30分; (4)CH2Cl2、35分、6×1分; (5)DIEA/CH2Cl2(1:19v/v)、35ml、30分; (6)CH2Cl2、35ml、6×1分; (7)サンプル3〜10mgをニンヒドリン分析のために取
った。
(8)DMF/CH2Cl2(1:4v/v)35ml中、2時間攪拌しなが
ら、保護アミノ酸を前形成対称無水物(3当量、0.05
M)としてカップリングさせた。
(9)CH2Cl2、35ml、4×2分; (10)サンプル3〜10mgを取り、ニンヒドリン分析の前
に(5)および(6)を繰り返して中和した。
カップリング物はすべて、単一であった。定量的ニン
ヒドリン試験[もともとビーズ上のペプチド合成のため
に開発された、例えば、サリン(Sarin)ら、アナリテ
ィカル・バイオケミストリー(Anal.Biochem.)117、14
7(1981)参照]を用いる合成のモニタリングは成功し
(表5)、2番目のアミノ酸カップリング(すなわちBo
c−Ser83(Bzl)Gln84−OCH2−Pam−シートの形成を伴う
もの)についての結果を除き(理由は不明)、各カップ
リング段階におけるカップリング効率の数値は満足なも
のを示した。
(b)合成hPTH−(80〜84)の開裂、精製および同定。
H−Lys(Clz)AlaLys(Clz)Ser(Bzl)GlnO CH2−Pam
−シート90mgを、無水HF/アニソール(9:1v/v)5mlと0
℃で1時間処理し、同時に側鎖保護基を脱保護し、シー
トからペプチドを開裂させた。エーテルで抽出し、アニ
ソールやアルキル化アニソールのような有機化合物を除
去し、ついで10%酢酸水溶液で抽出した。凍結乾燥し高
純度の粗生成物24.0mgを得た[図2(A)のHPLCクロマ
トグラム参照]。
該粗生成物をプレパラティブC18カラム(300×19mm)
上、2段階で精製した。TFAを包含する緩衝液を減圧下
留去し、該生成物を水中に再溶解した。該溶液を濾過
し、凍結乾燥しH−LysAlaLysSerGln−OH17.8mgを得、
アミノ酸分析(表6)およびFABMS分子量測定(表7)
により確認した。
定量的アミノ酸分析に基づき、全合成収率は約84%、
純粋ペプチドの収率は約69%であった。
(c)合成hPTH−(75〜84)の開裂、精製および同定。
H−ValAsp(OBzl)ValLeuThr(Bzl)Lys(Clz)AlaLys
(Clz)Ser(Bzl)Gln−OCH2−Pam−シート93mgをhPTH
−(80〜84)と同様に処理し、粗生成物36.6mgを得[図
2(B)のHPLCクロマトグラムを参照]、最終的に純粋
ペプチド27.2mgを得、アミノ酸分析(表6)および分子
量測定(表7)により同定した。定量的アミノ酸分析に
基づき、全合成収率は約85%、純粋ペプチドの収率は約
69%であった。
(d)合成h−PTH−(70〜84)の開裂、精製および同
定。
(b)および(c)と同様にして、hPTH−(70〜84)フ
ラグメントをペプチドシート96mgから遊離させた[図2
(C)のHPLCクロマトグラムを参照]。全合成収率は約
83%、純粋ペプチドの収量は26mg(約63%)であった。
該純粋ペプチドは、アミノ酸分析(表6)および分子量
測定(表7)により同定した。
加水分解は、封かんした空のチューブ中、110℃、20
時間、0.05%フェノールを含有する5.7M HClにより行っ
た。蛍光検出(338/450nm)を用いるHPLCによる分析、
ついでo−フタルジアルデヒド誘導剤と処理(ポスト−
カラム)。
a括弧内の数値は理論値である。
bThrおよびSerは、加水分解中の損失について修正して
いない。
四重極質量分析計により測定した。m/zの計算値はC
=12.000uおよびH=1.008Uである。
実施例9 多重ペプチドアナローグのラピッドパラレル合成 (a)シートのラベリング アミノメチル化した285%ポリスチレン−グラフト化
ポリエチレンシート(0.6mmolNH2/gシート)を13の分解
小片(各片:1.5×3cm、厚さ約50μm、約40mg)に切
り、それぞれグラファイト製インクでラベルした。一片
のポリエチレンフィルムをそれぞれラベルした表面の最
上面に置き、熱電気封かん器を用いてグラフトシート中
に溶融させた。最後に、該シートを50%TFA/CH2Cl2中、
20分間振盪させ、すべてのラベルがうまくシールされて
いるかを調べた。
(b)ラベルシート上のメリチン−(7〜21)および12
のアナローグの同時合成。
保護メリチン−(7〜21)、すなわち、 および12位および14位の置換により誘導した12のアナロ
ーグ(遊離ペプチドの配列を図3に示す)を、ラベルシ
ート上、それぞれ逐次的に合体させた。同一のアミノ酸
の脱保護、中和、洗浄およびカップリングの共通の段階
は、単一の反応容器中で行い、一方、異なるアミノ酸の
カップリングは、別々の容器中で行った。
標準的な固相法を用い、30%DMF/CH2Cl2中、HOBtエス
テルとしてダブルカップリングさせたBoc−GlnおよびBo
c−Asn、20%DMF/CH2Cl2中、対称酸無水物としてダブル
カップリングさせたBoc−Leu13からGln14を除くすべて
の残基については、ダブルDCCカップリング(30%DMF/C
H2Cl2中、3.5当量、0.05M)を用いた。
N−末端Boc基の除去に続き、低/高HF法(タム(Ta
m)ら、ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル
・ソシエティー(J.Am.Chem.Soc.)、105、6442(198
3))により、シートからのペプチドの脱保護および遊
離を行った。全合成収率約70%にて、15残基遊離ペプチ
ドを得た。図4は、13の未精製ペプチドのHPLCクロマト
グラムを示す。ペプチドはすべて、セミプレパラティブ
C18カラム上、1〜2段階で行った。例えば、1cm2(2
3.2mg)の完全保護ペプチド−シートから、純粋メリチ
ン(7〜21)3.2mgを得た。ペプチドの同一性は、アミ
ノ酸分析(表8)および分子量測定(表9)により確認
した。
該ペプチドは、封かん非真空管中、110℃、18時間、
5.7MHClで加水分解した。ただし、ペプチド1は真空管
中、24時間加水分解した。濾過後、加水分解物をベック
マン6300アミノ酸分析器で分析した。
a括弧内の数値は理論値である。
bThrおよびSerの数値は加水分解中の損失について修正
しなかった。
cトリプトファンは測定していない。
dペプチドアナローグNo.10は分析しなかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ペデルセン,ワルター・バツベルグ デンマーク国 デェーカー―4000 ロス キルデ、ローゼンハーヴェストレーゼ4 番 (72)発明者 ホルム,アルン デンマーク国 デェーカー―2840 ホル テ、マルグレスバイ19番 (72)発明者 タム,ジェイムズ・ピイ アメリカ合衆国ニューヨーク州10021、 9ジェイ、イースト・シクスティサー ド・ストリート500番 (72)発明者 メリーフィールド,ロバート・ブルース アメリカ合衆国ニュージャージー州 07626、クレスキル、メツィン・ドライ ブ43番 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07K 1/04 C08F 255/02 C08F 291/00 CA(STN) WPI/L(QUESTEL) EPAT(QUESTEL)

Claims (30)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】A)ポリスチレン鎖でグラフト化したポリ
    マー基質を与える工程(ここに、前記ポリスチレン鎖
    は、さらに合成全体にわたる条件下にて反応性でない置
    換基を有していてもよく、該ポリマーにグラフト化した
    ポリスチレン鎖の推定最大分子量が、任意の置換基を除
    き、少なくとも200,000であり、ポリスチレン−グラフ
    ト化ポリマー基質のポリスチレン鎖の少なくとも一部分
    に、該ポリスチレン部分と、少なくともN末端が保護さ
    れ、カルボキシル末端が誘導されていてもよいアミノ酸
    との間で、固定結合の形成を容易にする化学的官能基が
    導入されている)、 B)N端が保護されており、カルボキシル末端が誘導さ
    れていてもよいアミノ酸を、官能基導入したポリスチレ
    ン部分にカップリングさせる工程(ここに、前記官能基
    およびN端が保護されており、カルボキシル末端が誘導
    されていてもよい前記アミノ酸は、合成されるべきペプ
    チドおよびタンパク質を実質的に崩壊させることなく、
    形成した固定結合をその後開裂することができるように
    互いに適するものである)、 C)カップリングし、Nが保護されたアミノ酸のN−保
    護アミノ基または置換アミノ基からN−保護基を除去
    し、カップリングしたアミノ酸のアミノ基または置換ア
    ミノ基と、新しく加えるアミノ酸のカルボキシル基また
    は活性化カルボキシル基との反応を容易にする工程、 D)最後にカップリングしたアミノ酸の前記アミノ基ま
    たは置換アミノ基を、新しく加えるN−保護アミノ酸の
    カルボキシル基および活性化カルボキシル基と反応さ
    せ、2つのアミノ酸部分間にペプチド結合を形成させる
    工程、 E)最後にカップリングしたN−保護アミノ酸のN−保
    護アミノ基または置換アミノ基からN−保護基を除去し
    てもよく、それで後のアミノ酸のアミノ基および置換ア
    ミノ基と、新しく加えるN−保護アミノ酸のカルボキシ
    ル基または活性化カルボキシル基との反応を容易にする
    工程、 F)工程E)を行った場合において、工程D)および
    E)を所望の回数繰り返す工程、 G)合成したペプチドまたはタンパク質鎖のアミノ酸部
    分上に残存しうる、数個またはすべての保護基を除去し
    てもよい工程、 H)官能基導入したポリスチレン部分に合成ペプチドま
    たはタンパク質鎖を固定している結合を開裂させてもよ
    い工程、 および I)合成ペプチドまたはタンパク質鎖からいずれのさら
    に望ましくない基を除去してもよい工程、 からなることを特徴とするペプチドまたはタンパク質の
    合成方法。
  2. 【請求項2】A)複数の実質的に同一の、ポリスチレン
    鎖とグラフト化したポリマー基質を提供し(ここに、前
    記ポリスチレン鎖は、さらに該合成全体にわたる条件下
    にて反応性でない置換基を有していてもよく、該ポリマ
    ーにグラフト化したポリスチレン鎖の推定最大分子量
    が、任意の置換基を除き、少なくとも200,000であり、
    各ポリスチレン−グラフト化ポリマー基質のポリスチレ
    ン鎖の少なくとも一部分が、ポリスチレン部分と、少な
    くともNが保護されており、カルボキシル末端が誘導さ
    れていてもよいアミノ酸との間の固定のための結合形成
    を容易にする化学官能基が導入されている)、 B)前記の複数のポリスチレン−グラフト化ポリマー基
    質の一部分を、それぞれ1個またはそれ以上の前記複数
    を含有する2個またはそれ以上のセットに物理的に分画
    してもよく、N−保護されており、カルボキシル末端が
    誘導されていてもよいアミノ酸を、前記複数の各部分の
    官能基化されたポリスチレン部分にカップリングさせ、
    または、可能であれば、用いたN−保護されており、カ
    ルボキシル末端が誘導されていてもよいアミノ酸の各セ
    ットの各部分が、該多数物のすべての部分にとって同一
    であることまたは、可能であれば、1つのセットの全部
    分がそうであること、さらに、可能であれば、以下から
    選ばれるもののうちの1つに一致すること、 (i)すべてのセットにとり同一である、 (ii)前記セットが2以上の時、少なくとも2つのセッ
    トにとり同一である、 (iii)各セットにとり異なる、 前記官能基および前記したN−保護されており、カルボ
    キシル末端が誘導されていてもよいアミノ酸がお互いに
    適合し、合成するペプチドまたはタンパク質鎖を実質的
    に分解させることなく、形成した固定結合はその後開裂
    でき、 C)前記複数の各部分または、可能であれば、前記各セ
    ットの各部分を処理し、カップリングした、N−保護ア
    ミノ酸のN−保護アミノ基または置換アミノ基からN−
    保護基を除去し、カップリングしたアミノ酸のアミノ基
    および置換アミノ基が、別のN−保護アミノ酸のカルボ
    キシル基または活性カルボキシル基と反応するのを容易
    にし、 D)前記複数の各部分の、可能であれば各セットの各部
    分の、官能基化ポリスチレン部分に最後にカップリング
    したアミノ酸の前記アミノ基または置換アミノ基を、別
    のN−保護アミノ酸のカルボキシル基または活性カルボ
    キシル基と反応させて、前記アミノ基または置換アミノ
    基、および前記カルボキシル基または活性カルボキシル
    基の間にペプチド結合を形成させ、前記の別のN−保護
    アミノ酸は、該複数の全部分または可能であれば1つの
    セットの全部分にとり同一であることおよび、さらに、
    可能であれば、ステップB)との関連で前記3つの選択
    枝の1つに一致させ、 E)前記複数の各部分の、または可能であれば前記各セ
    ットの各部分を処理して、最後にカップリングしたN−
    保護アミノ酸のN−保護アミノ基または置換アミノ基か
    らN−保護基を除き、後のアミノ酸のアミノ基はたは置
    換アミノ基が、別のN−保護アミノ酸のカルボキシル基
    または活性カルボキシル基と反応するのを容易にしても
    よく、 F)工程E)を行った場合に工程D)およびE)を所望
    の回数繰り返し、 G)前記複数の各部分の、または可能であれば前記各セ
    ットの各部分を処理し、合成ペプチドまたはタンパク質
    鎖のアミノ酸部分上に残っているかもしれない、幾つか
    のまたはすべての保護基を除去してもよく、 H)前記複数の各部分の、または可能であれば前記各セ
    ットの各部分を処理し、前記複数の各部分の、または可
    能であれば前記各セットの各部分の官能基化ポリスチレ
    ン部分に、合成されたペプチドまたはタンパク質鎖を固
    定している結合を開裂させてもよく、および、 I)さらに、合成したペプチドまたはタンパク質鎖か
    ら、所望でないあらゆる基を除去してもよいこと、 からなることを特徴とする2個またはそれ以上のペプチ
    ドまたはタンパク質を合成する時、所望の数のペプチド
    およびタンパク質を平行的に、および実質的に同時に合
    成できる、1またはそれ以上のペプチドまたはタンパク
    質の合成方法。
  3. 【請求項3】A)ポリスチレン鎖でグラフト化したポリ
    マー基質を与える工程(ここに、前記ポリスチレン鎖
    は、さらに、合成全体にわたる条件下にて反応性でない
    置換基を有していてもよく、該ポリマーにグラフト化し
    たポリスチレン鎖の推定最大分子量が、任意の置換基を
    除き、少なくとも200,000であり、ポリスチレン−グラ
    フト化ポリマー基質のポリスチレン鎖の少なくとも一部
    分に、該ポリスチレン部分と、少なくともN末端が保護
    されており、カルボキシル末端が誘導されていてもよい
    アミノ酸との間の、固定結合形成を容易にする化学的官
    能基が導入されている)、 B)N端が保護されており、カルボキシル末端が誘導さ
    れていてもよいアミノ酸を、官能基導入したポリスチレ
    ン部分にカップリングさせる工程(ここに、前記官能基
    およびN端が保護されており、カルボキシル末端が誘導
    されていてもよい前記アミノ酸は、合成したペプチドお
    よびタンパク質を実質的に崩壊させることなく、形成し
    た固定結合をその後開裂するのに互いに適するものであ
    る)、 C)カップリングし、Nが保護されたアミノ酸のN−保
    護アミノ基または置換アミノ基からN−保護基を除去
    し、カップリングしたアミノ酸のアミノ基または置換ア
    ミノ基と、新しく加えるアミノ酸のカルボキシル基また
    は活性化カルボキシル基との反応を容易にする工程、 D)最後にカップリングしたアミノ酸の前記アミノ基ま
    たは置換アミノ基を、新しく加えるN−保護アミノ酸の
    カルボキシル基および活性化カルボキシル基と反応さ
    せ、2つのアミノ酸部分間にペプチド結合を形成させる
    工程、 E)最後にカップリングしたN−保護アミノ酸のN−保
    護アミノ基または置換アミノ基からN−保護基を除去し
    てもよく、それで後のアミノ酸のアミノ基および置換ア
    ミノ基と、新しく加えるN−保護アミノ酸のカルボキシ
    ル基または活性化カルボキシル基との反応を容易にする
    工程、 F)工程E)を行った場合において、工程D)および
    E)を所望の回数繰り返す工程、および G)合成したペプチドまたはタンパク質鎖のアミノ酸部
    分上に残存しうる、数個またはすべての保護基を除去し
    てもよい工程、 からなることを特徴とする、合成されるペプチドまたは
    タンパク質を与えるポリスチレン−グラフト化ポリマー
    基質の製造方法。
  4. 【請求項4】有機溶媒中の後記モノマー溶液中に存在す
    る、該ポリマー基質と置換されていてもよいスチレンモ
    ノマーとの間の実質的なラジカル開始反応により、前記
    ポリスチレン−グラフト化ポリマー基質が形成する請求
    の範囲第1項〜第3項のいずれか1つの方法。
  5. 【請求項5】置換されていてもよいスチレンモノマーを
    溶解させるのに使用した有機溶媒がメタノールである請
    求の範囲第4項の方法。
  6. 【請求項6】使用溶液中の所望により置換したスチレン
    の容量パーセント(%v/v)が、25≦%v/v≦35である請
    求の範囲第5項の方法。
  7. 【請求項7】該ポリマーにグラフト化したポリスチレン
    鎖の推定最大分子量が、任意の置換基を含まずに、300,
    000〜1,600,000の範囲である請求の範囲第1項ないし第
    6項のいずれか1つの方法。
  8. 【請求項8】ポリスチレン−グラフト化ポリマー基質
    が、厚さ25〜100μmの範囲のシートまたはフィルムの
    形態で、ポリマー基質から製造され、ポリマー基質のポ
    リスチレン鎖のグラフト度が、5〜800重量%の範囲に
    ある請求の範囲第1項ないし第7項のいずれか1つの方
    法。
  9. 【請求項9】少なくともN末端が保護されており、誘導
    されていてもよいアミノ酸と、官能基導入されたポリス
    チレン部分との間の固定結合の形成を促進する化学官能
    基が、 クロロ−、ブロモ−およびヨード−置換アルキル、 アミノ−置換アルキル、 アミノ−およびアリール−置換アルキル、 アミノ−およびアルキルアリール−置換アルキル、また
    は ヒドロキシ−置換アルキル、 であるか、またはそれらから誘導され、 前記したいずれかの基から誘導された場合、該官能基
    は、合成ペプチドまたはタンパク質鎖が、該鎖の実質的
    崩壊なしでポリスチレン部分から開裂され得るであろう
    スペーサー基を有する官能基である請求の範囲第1項な
    いし第8項のいずれか1つの方法。
  10. 【請求項10】該ポリマーがポリエチレンである請求の
    範囲第1項ないし第9項のいずれか1つの方法。
  11. 【請求項11】請求の範囲第3項〜第10項のいずれか1
    つに記載の方法により製造された、ペプチド−またはタ
    ンパク質を有するポリスチレン−グラフト化ポリマー基
    質。
  12. 【請求項12】ポリスチレン鎖とグラウト化し、そのポ
    リスチレン鎖にペプチドまたはタンパク質がカップリン
    グしているポリマー基質であって、該ポリスチレン鎖
    が、さらに、ペプチド合成全体にわたる条件下にて反応
    性でない置換基を有していてもよく、該ポリマーにグラ
    フト化したポリスチレン鎖の推定最大分子量が、任意の
    置換基を除いて、少なくとも200,000であり、ポリスチ
    レン−グラフト化ポリマー基質のポリスチレン鎖の少な
    くとも一部が固定結合を有し、それを介して前記ペプチ
    ドまたはタンパク質がカップリングしているポリマー基
    質。
  13. 【請求項13】ポリスチレン鎖とグラフト化したポリマ
    ー基質であって、該ポリスチレン鎖が、さらに、ペプチ
    ド合成全体にわたる条件下にて反応性でない置換基を有
    していてもよく、ポリマーにグラフト化したポリスチレ
    ン鎖の推定最大分子量が、任意の置換基を除いて、少な
    くとも200,000であり、ポリスチレン−グラフト化ポリ
    マー基質のポリスチレン鎖の少なくとも一部が、ポリス
    チレン部分と、少なくともN末端が保護されており、カ
    ルボキシル末端が誘導されていてもよいアミノ酸との間
    で、固定結合の形成を容易にする化学的官能基が導入さ
    れているポリマー基質。
  14. 【請求項14】ポリスチレン鎖とグラフト化し、そのポ
    リスチレン鎖に少なくともNの保護されているアミノ酸
    がカップリングしているポリマー基質であり、該ポリス
    チレン鎖が、さらに、ペプチド合成全体にわたる条件下
    にて反応性でない置換基を有していてもよく、該ポリマ
    ーにグラフト化したポリスチレン鎖の推定最大分子量
    が、任意の置換基を除いて、少なくとも200,000であ
    り、ポリスチレン−グラフト化ポリマー基質のポリスチ
    レン鎖の少なくとも一部が固定結合を有し、それを介し
    て前記の少なくともNの保護されたアミノ酸がカップリ
    ングしているポリマー基質の製法であって、有機溶媒中
    の所望により置換されていてもよいスチレンモノマーの
    溶液中に浸したポリマー基質を、フリーラジカルの形成
    につながる処理に付してポリスチレン鎖をポリマー基質
    にグラフト化し、ポリスチレン部分と、少なくともNが
    保護されており、カルボキシル末端が誘導されていても
    よいアミノ酸との間に固定結合の形成を容易にする化学
    的官能基を該ポリスチレン鎖の少なくとも一部分に導入
    し、および官能基を反応させて、少なくともNが保護さ
    れたアミノ酸に固定結合を形成させることを特徴とする
    ポリマー基質の製法。
  15. 【請求項15】フリーラジカルの形成につながる処理が
    ガンマ線照射である請求の範囲第14項の方法。
  16. 【請求項16】ガンマ線照射を、約300〜約1,000Gy/時
    間のガンマ放射線量率を用いて行う請求の範囲第15項の
    方法。
  17. 【請求項17】有機溶媒がアルコールである請求の範囲
    第14項〜第16項のいずれか1つの方法。
  18. 【請求項18】アルコールがメタノールである請求の範
    囲第17項の方法。
  19. 【請求項19】置換されていてもよいスチレンの溶液中
    容量パーセント(%v/v)が、25≦%v/v≦35である請求
    の範囲第14項〜第18項のいずれか1つの方法。
  20. 【請求項20】ポリスチレン鎖でグラフト化し、そのポ
    リスチレン鎖に少なくともNの保護されたアミノ酸がカ
    ップリングしているポリマー基質であって、該ポリスチ
    レン鎖が、さらに、ペプチド合成全体にわたる条件下に
    て反応性でない置換基を有していてもよく、該ポリマー
    にグラフト化したポリスチレン鎖の推定最大分子量が、
    任意の置換基を除いて、少なくとも200,000であり、ポ
    リスチレン−グラフト化ポリマー基質のポリスチレン鎖
    の少なくとも一部が固定結合を有し、それを介して前記
    の少なくともNの保護されたアミノ酸がカップリングし
    ていることを特徴とするポリマー基質。
  21. 【請求項21】ポリスチレン鎖とグラフト化したポリマ
    ー基質であって、該ポリスチレン鎖が、さらに、置換基
    を有していてもよく、該ポリマーにグラフトされたポリ
    スチレンの推定最大分子量が、任意の置換基を除き、少
    なくとも200,000であるポリマー基質。
  22. 【請求項22】ポリマーにグラフトされたポリスチレン
    鎖の推定最大分子量が、任意の置換基を除き、300,000
    〜1,600,000の範囲である請求の範囲第21項のポリスチ
    レン−グラフト化ポリマー基質。
  23. 【請求項23】ポリマー基質より、厚さが25〜100μm
    の範囲のシートまたはフィルムの形態にて調製され、該
    ポリマー基質のポリスチレン鎖のグラフト度が5〜800
    重量%の範囲である請求の範囲第21項または第22項のポ
    リスチレン−グラフト化ポリマー基質。
  24. 【請求項24】ポリマー基質のポリスチレン鎖のグラフ
    ト度が100〜600重量%の範囲である請求の範囲第23項の
    ポリスチレン−グラフト化ポリマー基質。
  25. 【請求項25】シートまたはフィルムの形態である請求
    の範囲第21項〜第24項のいずれか1つのポリスチレン−
    グラフト化ポリマー基質。
  26. 【請求項26】ポリマー基質より、ビーズ、ペレット、
    ディスク、リング、チューブ、ロッドまたはネットの形
    態にて調製される請求の範囲第24項または第25項のポリ
    スチレン−グラフト化ポリマー基質。
  27. 【請求項27】ポリマーがポリオレフィンである請求の
    範囲第21項〜第22項のいずれか1つのポリスチレン−グ
    ラフト化ポリマー基質。
  28. 【請求項28】ポリオレフィンがポリエチレンである請
    求の範囲第27項のポリスチレン−グラフト化ポリマー基
    質。
  29. 【請求項29】抗原/抗体反応を分光光学的にモニター
    観察する方法であって、抗原が、請求項11または12に記
    載のポリスチレン−グラフト化ポリマー基質である光透
    過性担体上で合成され、そこに固定されたままであるペ
    プチドであることを特徴とする方法。
  30. 【請求項30】モニター観察がELISA法の使用を伴う請
    求の範囲第29項の方法。
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