JPH111493A - ペプチドおよびこれを固定化してなる医療材料 - Google Patents

ペプチドおよびこれを固定化してなる医療材料

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JPH111493A
JPH111493A JP9172827A JP17282797A JPH111493A JP H111493 A JPH111493 A JP H111493A JP 9172827 A JP9172827 A JP 9172827A JP 17282797 A JP17282797 A JP 17282797A JP H111493 A JPH111493 A JP H111493A
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JP
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peptide
amino acid
cys
lys lys
lys
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JP9172827A
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Tamako Oshita
瑞子 尾下
Koji Inai
公二 稲井
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

Abstract

(57)【要約】 【課題】高い血液凝固阻害活性を有するペプチドを提供
すること、並びにそれを固定化した抗血栓性医療材料を
提供すること。 【解決手段】一般式(1): 【化1】 (式中、Aは水素原子又はB’と一緒になっての単結合
を示し、Bは水酸基、アミノ基又はA’と一緒になって
の単結合を示し、A’は水素原子又はBと一緒になって
の単結合を示し、B’は水酸基、アミノ基又はAと一緒
になっての単結合を示す。XおよびX’は任意のアミノ
酸残基3〜13個から構成されるペプチド断片を示す。
YおよびY’は中性アミノ酸残基又は塩基性アミノ酸残
基を示す。ZおよびZ’は任意のアミノ酸残基2〜12
個から構成されるペプチド断片を示す。)で示されるペ
プチド、並びに該ペプチドを血液接触部に固定化してな
る医療材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、血液中の凝固因子
に作用して血液凝固阻害作用を示すぺプチド、すなわ
ち、抗血栓性を有するペプチドに関するものである。本
発明のペプチドは、医療用具を抗血栓化処理する材料と
して有用である。
【0002】
【従来の技術】抗血栓性作用を有するタンパク質および
ペプチドに関しては、多くの研究がなされている。例え
ば、ヒルから分泌されるヒルジンが血液凝固を阻害する
ことが報告されており(S . R. Stoneら Biochemistry,
25, 4622,(1986) )、その55−65位あるいは54−65位
に相当するフラグメントにも血液凝固阻害作用があるこ
とが報告されている(J. L. Krstenanski ら FEBS Let
ters 211, 10,(1987) )。また、血液凝固系プロテアー
ゼを阻害するインヒビター、例えば尿中トリプシンイン
ヒビターのフラグメント(特開平6−25289号公
報)など、或いは、ジスルフィド結合を有するペプチド
(特開平8−59694号公報)にも血液凝固阻害作用
があることが報告されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、抗血栓
作用を有するタンパク質およびペプチドは血液凝固阻害
活性、またはその安定性が十分ではない場合があり、医
療材料の抗血栓化用途に使用するために、血液凝固阻害
活性がより高く、安定なタンパク質およびぺプチドの提
供が望まれている。しかして、本発明の目的は、高い血
液凝固阻害活性を有するペプチドを提供することにあ
る。そして、本発明の他の目的は、それを固定化した抗
血栓性医療材料を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解
決すべく鋭意検討したところ、一分子内の所定の位置に
ジスルフィド結合を二つ有する、特定の構造のペプチド
が、安定性が高く、高い血液凝固阻害活性を有すること
を見出し、本発明を完成させた。
【0005】即ち、本発明の要旨は、〔1〕 下記の
一般式(1):
【0006】
【化2】
【0007】(式中、Aは水素原子又はB’と一緒にな
っての単結合を示し、Bは水酸基、アミノ基又はA’と
一緒になっての単結合を示し、A’は水素原子又はBと
一緒になっての単結合を示し、B’は水酸基、アミノ基
又はAと一緒になっての単結合を示す。XおよびX’は
任意のアミノ酸残基3〜13個から構成されるペプチド
断片を示す。YおよびY’は中性アミノ酸残基又は塩基
性アミノ酸残基を示す。ZおよびZ’は任意のアミノ酸
残基2〜12個から構成されるペプチド断片を示す。)
で示されるペプチド、
【0008】〔2〕 XがX1−X2−X3−X4
で、およびX’がX1’−X2’−X3’−X4’(た
だし、X1およびX1’は0〜10個の任意のアミノ酸
残基を示し、X2およびX2’は中性アミノ酸残基又は
塩基性アミノ酸残基を示し、X3およびX3’は中性ア
ミノ酸残基又は塩基性アミノ酸残基を示し、X4および
X4’は任意のアミノ酸残基を示す。)であり、そして
ZがZ1−Z2−Z3で、およびZ’がZ1’−Z2’
−Z3’(ただし、Z1、Z1’、Z2およびZ2’は
塩基性アミノ酸残基又は非荷電極性アミノ酸残基を示
し、Z3およびZ3’は0〜10個の任意のアミノ酸残
基を示す。)である前記〔1〕記載のペプチド、〔3〕
前記〔1〕又は〔2〕記載のペプチドを血液接触部
に固定化してなる医療材料、に関するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。本明細書においてアミノ酸残基の略号は下記の通
りのものである。 Ala :L-アラニン残基 Arg :L-アルギニン残基 Asn :L-アスパラギン残基 Asp :L-アスパラギン酸残基 Cys :L-システイン残基 Gln :L-グルタミン残基 Glu :L-グルタミン酸残基 Gly :L-グリシン残基 His :L-ヒスチジン残基 Ile :L-イソロイシン残基 Leu :L-ロイシン残基 Lys :L-リジン残基 Met :L-メチオニン残基 Phe :L-フェニルアラニン残基 Pro :L-プロリン残基 Ser :L-セリン残基 Thr :L-スレオニン残基 Trp :L-トリプトファン残基 Tyr :L-チロシン残基 Val :L-バリン残基
【0010】また、本明細書においては、特にことわら
ない限り常法に従ってペプチドのアミノ酸配列を、その
N末端のアミノ酸残基が左側に位置し、C末端のアミノ
酸残基が右側に位置するように記述する。
【0011】本発明のペプチドは、下記の一般式
(1):
【0012】
【化3】
【0013】(式中、Aは水素原子又はB’と一緒にな
っての単結合を示し、Bは水酸基、アミノ基又はA’と
一緒になっての単結合を示し、A’は水素原子又はBと
一緒になっての単結合を示し、B’は水酸基、アミノ基
又はAと一緒になっての単結合を示す。XおよびX’は
任意のアミノ酸残基3〜13個から構成されるペプチド
断片を示す。YおよびY’は中性アミノ酸残基又は塩基
性アミノ酸残基を示す。ZおよびZ’は任意のアミノ酸
残基2〜12個から構成されるペプチド断片を示す。)
で示されるものである。
【0014】酸性アミノ酸残基とは側鎖に中性で負電荷
をもつ官能基(カルボキシル基)を有するアミノ酸残基
で、Asp 、Glu が含まれる。塩基性アミノ酸残基とは側
鎖に中性で正電荷をもつ官能基(アミノ基、イミノ基
等)を有するアミノ酸残基で、Lys 、Arg 、His が含ま
れる。また、中性アミノ酸残基とは側鎖が中性で電荷を
もたないアミノ酸残基で、非荷電極性アミノ酸残基と非
極性アミノ酸残基を含む。非荷電極性アミノ酸残基はAs
n 、Gln 、Ser 、Thr 、Tyr 、Gly が含まれ、非極性ア
ミノ酸残基はAla 、Val 、Leu 、Ile 、Pro 、Phe 、Me
t 、Trp 、Cys が含まれる。ただし、Cys は別のCys と
共有結合しやすく目的とした構造が得られないこともあ
るため、環状ペプチドを形成させる場合を除いて一般式
(1)記載のX、X’、Y、Y’、Z、Z’に含まれな
い方が好ましい。
【0015】AおよびA’が水素原子を示し、Bおよび
B’が水酸基又はアミノ基を示すとき、本発明のペプチ
ドは、2本のペプチドがそのペプチド間に2つのジスル
フィド結合を介して結合された構造となる。AとB’が
一緒になって単結合を示し、かつA’は水素原子を、B
は水酸基又はアミノ基を示すとき、又はA’とBが一緒
になって単結合を示し、かつAは水素原子を、B’は水
酸基又はアミノ基を示すとき、本発明のペプチドは、1
本のペプチドが分子内に2つのジスルフィド結合を有す
るヘアピンのような構造となり、合成の簡便さよりこの
構造が好ましい。AとB’が一緒になって単結合を示
し、かつA’とBが一緒になって単結合を示すとき、本
発明のペプチドは1本のペプチドの分子内に2つのジス
ルフィド結合を有する環状の構造となる。
【0016】XおよびX’は任意のアミノ酸残基の3〜
13個から構成されるペプチド断片であれば特に限定さ
れないが、XおよびX’がそれぞれ下記の一般式
(2)、一般式(2’) (2)X1−X2−X3−X4 (2’)X1’−X2’−X3’−X4’ (ただし、X1およびX1’は0〜10個の任意のアミ
ノ酸残基を示し、X2およびX2’は中性アミノ酸残基
又は塩基性アミノ酸残基を示し、X3およびX3’は中
性アミノ酸残基又は塩基性アミノ酸残基を示し、X4お
よびX4’は任意のアミノ酸残基を示す。)で示される
ペプチド断片である方が、より高い血液凝固阻害活性を
示すため好ましい。
【0017】また、X1、X1’、X2およびX2’
は、塩基性アミノ酸残基で構成されるペプチド断片であ
る方が、溶解性、血液凝固阻害活性の点から好ましい。
また、ペプチド合成の煩雑性や人体に対する抗原性の観
点から、X1およびX1’のアミノ酸残基数は10個以
下、特に5個以下が好ましい。
【0018】X3およびX3’は中性又は塩基性アミノ
酸残基であるが、その中でも側鎖にベンゼン環を有する
アミノ酸残基が活性の点から好ましく、Phe 、Tyr を挙
げることができる。X4およびX4’は任意のアミノ酸
残基であればよいが、非極性アミノ酸残基および塩基性
アミノ酸残基が好ましく、血液凝固阻害活性の点からIl
e 、Val 、Lys 、Arg が特に好ましい。
【0019】YおよびY’は中性アミノ酸残基又は塩基
性アミノ酸残基であるが、側鎖に炭素原子が4個以上含
まれるアミノ酸残基が血液凝固阻害活性並びに安定性の
点から好ましい。また、YおよびY’はD型アミノ酸残
基等の非天然アミノ酸残基であっても良い。
【0020】ZおよびZ’は2〜12個の任意のアミノ
酸残基であるが、ZおよびZ’がそれぞれ下記一般式
(3)、一般式(3’) (3)Z1−Z2−Z3 (3’)Z1’−Z2’−Z3’ (ただし、Z1、Z1’、Z2およびZ2’は塩基性ア
ミノ酸残基又は非荷電極性アミノ酸残基を示し、Z3お
よびZ3’は0〜10個の任意のアミノ酸残基を示
す。)で示されるペプチド断片の血液凝固阻害活性が高
く好ましいが、塩基性アミノ酸残基から構成されるペプ
チド断片である方が、溶解性、血液凝固阻害活性の点か
ら好ましい。また、ペプチド合成の煩雑性や人体に対す
る抗原性の観点から、Z3およびZ3’のアミノ酸残基
数は10個以下、特に5個以下が好ましい。
【0021】本発明により提供されるぺプチドの代表例
(ペプチド番号:1〜15)を次に示すが、本発明のペ
プチドはこれらに何ら限定されるものではない。
【0022】
【化4】
【0023】
【化5】
【0024】
【化6】
【0025】ペプチドは、公知の方法によって合成され
る。例えば、化学的合成法としては固相合成法、または
段階的伸張法、フラグメント縮合法のような液相合成法
などが用いられるが、固相合成法により行うのが操作上
簡便である[Journal of theAmerican Chemical Societ
y 85 2149(1963);日本生化学会編「生化学実験講
座1 タンパク質の化学IV 化学修飾とペプチド合成」
(昭和52年11月15日(株)東京化学同人発行);
日本生化学会編「続生化学実験講座2 タンパク質の化
学(下)」(昭和62年5月20日(株)東京化学同人
発行)参照]。また、遺伝子操作による生物学的な合成
法も可能である。
【0026】ペプチドを人為的な方法(即ち、上記の固
相合成法、液相合成法、生物学的合成法等)で合成する
と、システイン残基のSH基が還元状態で合成されてく
ることがある。この場合、公知の方法によってSH基を
酸化させ、ジスルフィド結合を形成させることができ
る。本発明における一般式(1)で示されるペプチド
は、通常の方法で該一次構造をもつペプチドを合成した
後、酸化条件下でジスルフィド結合を形成させる方法で
得ることができる。全てのシステインの保護基を外した
状態で酸化した場合でも、目的とするペプチドを得るこ
とができるが、高い収率で得ることは難しい。これは、
システイン間のジスルフィド結合がランダムに形成され
ることが多いためである。目的とするジスルフィド結合
をもつペプチドを高収率で得るには、ジスルフィド結合
形成時に、一部のシステインの硫黄原子を保護してお
き、保護基のない硫黄原子間でジスルフィド結合を形成
させ、続いて、保護基を外し、それらの硫黄原子間でジ
スルフィド結合を形成する方法が適している。
【0027】システインの側鎖の保護基としてベンジル
(以下Bzl)、4−メチルベンジル(以下Meb)、4−メト
キシベンジル(以下Mob)、tert−ブチル(以下tBu)、ト
リフェニルメチル(以下Trt)、2,4,6−トリメトキ
シベンジル、4,4' ,4''−トリメトキシトリフェニ
ルメチル、アセタミドメチル(以下Acm)、トリメチルア
セタミドメチル、フェニルアセタミドメチル、フルオレ
ニルメチル、2−(2,4,ジニトロフェニル) エチ
ル、tert−ブチルメルカプト(以下StBu) 、3−ニトロ
−2−ピリジン−スルフェニール、[N’−メチル−
N’−フェニルカルバモイル)−スルフェニール] 等が
用いられる。Fmoc法でペプチドを合成するときには保護
基としてTrt 、Acm 、StBuなどが一般的に用いられてい
る。
【0028】Fmoc法の場合は、通常固相樹脂からのペプ
チドの切り出しとペプチドの側鎖の保護基を外すために
トリフルオロ酢酸(以下TFA)を用いるが、TFA の使用に
よりTrt は容易に脱離するが、Acm およびStBuは脱離せ
ず保護基を残した状態のペプチドを合成することができ
る。また、Boc 法では保護基としてAcm 、Bzl 、tBu、M
eb 、Mob などが用いられる。この合成法では固相樹脂
からの切り出しとペプチド側鎖の保護基を外すために通
常フッ化水素(以下HF) を用いるが、HFの使用によりBz
l 、tBu 、Meb およびMob は容易に脱離するが、Acm の
場合にはこの処理では脱離せずに残る。ジスルフィド結
合させた後に残った保護基を脱離させるには、Acm の場
合は、沃素や銀(I) 、水銀(II)などを加えることによ
り、StBuの場合は、還元性の試薬を加えることにより可
能である。
【0029】目的とするジスルフィド結合を形成させる
方法を具体的に例示する。まず、二本鎖からなるペプチ
ドの作製方法について述べる。例えば、ペプチド番号:
1の左側ペプチド(そのアミノ酸配列は配列番号:1で
示される。)の左から4番目のCys の保護基をTrt に、
6番目のCys の保護基をAcm にし、ペプチド番号:1の
右側のペプチド(そのアミノ酸配列は配列番号:2で示
される。)の左から4番目のCys の保護基をAcm に、6
番目のCys の保護基をTrt にしたペプチドをそれぞれ固
相樹脂上で合成する。次にTFA で固相樹脂からの切り出
しと側鎖の保護基を脱離させるが、このときAcm を保護
基としたシステインの側鎖に保護基が残った状態にな
る。このペプチドを希薄溶液中で酸化条件下(溶存酸素
による自然酸化でよい)に置くと、保護基のない、ペプ
チド番号:1の左側ペプチドの左から4番目とペプチド
番号:1の右側のペプチドの左から6番目のシステイン
残基間でジスルフィド結合が生じる。
【0030】次に、沃素や銀(I) 、水銀(II)などを加え
るとAcm が脱離し、新たにペプチド番号:1の左側ペプ
チドの左から6番目とペプチド番号:1の右側のペプチ
ドの左から4番目のシステイン残基がジスルフィド結合
を形成する。このように、一部の保護基を残した状態で
ジスルフィド結合を形成させ、その後で、残りの保護基
を脱離させてジスルフィド結合をさらに形成させること
で、目的とする構造のペプチドを得ることができる。た
だし、この場合同種ペプチド間でもジスルフィド結合さ
れることより、アミノ酸配列が配列番号:1で示される
ペプチドの二量体、あるいはアミノ酸配列が配列番号:
2で示されるペプチドの二量体もできてしまう。これら
は生成物を逆相液体クロマトグラフィーで精製すること
により除くことができる。
【0031】次にヘアピン状のペプチドの作製方法を述
べる。ペプチド番号:8の場合を例示する。アミノ酸配
列が配列番号:11で示されるペプチドの左から7番目
と22番目のシステイン残基の保護基にTrt を、左から
9番目と20番目のCys 残基の保護基にAcm を用い、該
一次構造をもつペプチドをFmoc法で合成する。はじめに
TFA で固相樹脂からの切り出しと側鎖の保護基を脱離さ
せるが、このときAcmを保護基としたシステインの側鎖
に保護基が残った状態になる。このペプチドを希薄溶液
中で酸化条件下(溶存酸素による自然酸化でよい)に置
くと保護基のない左から7番目と22番目のシステイン
残基間でジスルフィド結合が生じる。次に、沃素や銀
(I) 、水銀(II)などを加えるとAcm が脱離し、新たに9
番目と20番目のシステイン残基がジスルフィド結合を
形成する。このように、一部の保護基を残した状態でジ
スルフィド結合を形成させ、その後で、残りの保護基を
脱離させてジスルフィド結合をさらに形成させること
で、目的とする構造のペプチドを高収率で得ることがで
きる。環状のペプチドの場合も同様の方法で高収率で目
的とするペプチドを得ることが可能である。このよう
に、ジスルフィド結合するシステインのペアに一方の保
護基をTrt 、もう一方の保護基をAcm にすることによ
り、ジスルフィド結合する相手のシステイン残基をコン
トロールすることができる。
【0032】環状のペプチドを合成する方法として、ペ
プチドの両末端にシステインまたはβ, β' −ジメチル
システインなどメルカプト基をもつアミノ酸をおきそれ
らをジスルフィド結合する方法、N末端あるいはアミノ
酸側鎖のアミノ基とC末端あるいはアミノ酸側鎖のカル
ボキシル基をカルボジイミドまたはカルボジイミド誘導
体存在下で共有結合させる方法などをあげることができ
る。
【0033】こうして得られる本発明のペプチドは、ヒ
ト血液の凝固を顕著に阻害することができる。従って、
医療において、血液に微量添加することにより、または
血液と接触する医療用具の材料の血液接触部に本発明の
ペプチドを固定化することにより、血液の凝固を防止す
るのに有用である。即ち、使用に際して血液と接触する
表面(血液接触部)に本発明のぺプチドを固定化するこ
とにより、血液の凝固を防止するのに有用な抗血栓性医
療材料を作成することができる。
【0034】また、本発明において血液の凝固性は公知
の方法、即ち、活性化部分トロンボプラスチン時間、血
漿カルシウム再加時間の測定により評価することができ
る。具体的には、活性化部分トロンボプラスチン時間
(以下、これをAPTTと略記することがある)は、ヒ
ト血漿100μL(ペプチドの効果を測定する際には2
nモルのペプチドを加える。)をガラス製試験管に加
え、37℃で10分間インキュベートした後、活性化部
分トロンボプラスチン(オーソ・クリニカル・ダイアグ
ノスティックス株式会社製)100μLを加え、更に3
分間インキュベートし、20mM塩化カルシウム液10
0μLを加えた後、凝固するまでの時間を測定すること
で求めることができる。また、血漿カルシウム再加時間
は、ヒト血漿100μL(ペプチドの効果を測定する際
には1nモルのペプチドを加える。)をガラス製試験管
に加え、37℃で10分間インキュベートし、20mM
塩化カルシウム液100μLを加えた後、凝固するまで
の時間を測定することで求めることができる。
【0035】本発明のぺプチドを固定化する抗血栓性医
療材料の基材としては、公知の医療用の基材である合成
樹脂等の高分子材料であれば問題なく、特に表面に水酸
基、アミノ基、カルボキシル基を有しているものが好ま
しい。また、表面にこれらの官能基を有しないものに、
表面処理により水酸基、アミノ基、カルボキシル基を導
入したものも使用することができる。このような医療材
料の基材としては、例えば、ポリウレタン、セルロース
アセテート等のセルロース類、エチレン−ビニルアルコ
ール等のポリビニルアルコール類を挙げることができ
る。
【0036】これらの基材を原料とした医療材料で製造
された、抗血栓性を有する医療用具としては、血液バッ
グ、血液回路、カテーテル、注射器、医療用容器、人工
血管、人工腎臓等の血液処理膜等を挙げることができ
る。
【0037】また、本発明においては上記の抗血栓性医
療用具に限定されるものではなく、使用に際して血液と
接触することのある医療用の各種の素材に本発明のペプ
チドを固定化して抗血栓性材料としたものも本発明の態
様に含まれる。この場合、抗血栓性材料はそのままで、
あるいは所望の形状に加工して適宜使用することができ
る。
【0038】上記の抗血栓性医療材料の表面処理は、公
知の方法により行うことができる。例えば、酸素ガス、
または窒素ガスおよびアンモニアガスを含む気体中でプ
ラズマ処理する方法、または過マンガン酸塩を含む硫酸
溶液等で化学処理する方法が挙げられる。プラズマ処理
する方法は、医療材料を短時間で大量に処理することが
でき、さらにガス中で処理するために医療材料を清浄に
保つことができるため好ましい。化学処理する方法は、
複雑な形状を有するもの、容器内面などのプラズマ処理
できないものをも処理することができ、適用範囲が広
い。一般に使用に際して血液と接触する医療材料は、チ
ューブ、中空糸およびボトルなどの複雑な形状をしたも
のが多く、化学処理する方法が有利である。
【0039】酸素ガス中でプラズマ処理した場合には、
主に水酸基が表面に導入され、窒素ガスおよびアンモニ
アガス中でプラズマ処理した場合には、主にアミノ基が
表面に導入され、過マンガン酸塩を含む硫酸溶液等で化
学処理した場合には、主に水酸基とカルボキシル基が導
入される。
【0040】上記のように処理すれば、両末端にエポキ
シ基を有する試薬、エポキン基を有するシランカップリ
ング剤等を介して、基材表面にぺプチドを固定化するこ
とができる。基材表面に水酸基が存在する場合には、両
末端にエポキシ基を有する試薬やエポキシ基を有するシ
ランカップリング剤を用いることにより共有結合で固定
化でき、基材表面にアミノ基やカルボキシル基が存在す
る場合には、両末端にエポキシ基を有する試薬を用いる
ことにより同様に共有結合で固定化することが可能であ
る。
【0041】具体的には、シランカップリング剤を用い
る場合には、通常エポキシ基を有するシランカップリン
グ剤(例えば、(3−グリシドキシプロピル)トリメト
キシシラン)の0.5〜5%溶液(水または有機溶媒溶
液)に高分子材料を1〜30分接触させ、それを1分〜
2日間加熱乾燥後、架橋していないシランカップリング
剤を洗浄除去し、エポキシ基を導入した高分子材料を作
製する。また両末端にエポキシ基を有する試薬を用いる
場合には、両末端にエポキシ基を有する試薬(例えば、
1 ,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル)の1〜
20%水溶液(pH10〜13)に高分子材料を1時間
〜2日間接触させ、そのあと洗浄し、エポキシ基を導入
した高分子材料を作製する。
【0042】このようにして作製した高分子材料に0.
001〜2%ぺプチド水溶液(pH10〜12)を1時
間〜2日間接触させ、ぺプチドのアミノ基またはカルボ
キシル基と高分子材料に導入されたエポキシ基とを共有
結合し、ぺプチド固定化材料を得る。本発明のぺプチド
の固定化量は、特に限定されるものではないが、1cm
2 当たり0.01nモル〜20nモルが好ましく、より
好ましくは0.1nモル〜5nモルである。
【0043】また、ここで得られたペプチドは、血液凝
固時間を顕著に延長させることより、医療材料だけでは
なく、血液凝固を抑制する医薬品としても使用すること
が期待される。
【0044】
【実施例】以下に本発明を実施例、比較例及び参考例に
よって具体的に説明するが、本発明はそれらによって何
ら制限されない。
【0045】実施例1 ペプチド番号:1で示されるペプチドを以下に示す方法
で合成した。Lys His Ile Cys(Trt) Ile Cys(Acm) Lys
Lys で示されるペプチド断片(そのアミノ酸配列は配列
番号:1で示される。)、およびLys His Ile Cys(Acm)
IleCys(Trt) Lys Lys Lys Lys で示されるペプチド断
片(そのアミノ酸配列は配列番号:2で示される。)を
自動ぺプチド合成装置(PSSM−8、株式会社島津製
作所社製)を用いて固相合成法により合成した。ここで
はCys 以外の保護基の記載は省略する。また、Cys の保
護基は、Cys(Acm)のようにCys の後で()内に示す。
【0046】合成手順を表1に示す。ポリエチレングリ
コールをポリスチレンにグラフト共重合させたレジンに
Fmoc−Lys を結合させたレジン、TGS −PHB −Lys (Bo
c)(株式会社島津製作所社製)を0.1g用い、これに
表1に示す一連の操作に従って、目的とするペプチドの
C末端側からN末端方向に向かって対応する順序で結合
させた。尚、本実施例、及び以下の実施例、比較例にお
いて用いたアミノ酸は、ペプチド番号:15のペプチド
におけるアミノ酸を除いて全てL−アミノ酸で、α位ア
ミノ基をFmoc(9−フルオレニルメトキシカルボニル)
基で保護されたものであり、更に他の置換基の保護を必
要とするアミノ酸については、Arg は4−メトキシ−2
,3 ,6 −トリメチルベンゼンスルホニル(Mtr)基、A
sp 、Serは、t−ブチル(tBu)基、His はトリチル(Tr
t)基、Lys はt−ブトキシカルボニル(Boc)基でそれぞ
れ保護されたもの(株式会社ペプチド研究所製)を用い
た。 Cysは、ジスルフィド結合をコントロールする目的
で、トリチル(Trt) 基とアセトアミドメチル(Acm)基で
それぞれ保護されたもの(株式会社ペプチド研究所製)
を用いた。
【0047】
【表1】
【0048】全てのアミノ酸についての反応操作が終了
した後、それぞれの反応容器内で得られた樹脂をメタノ
ール及びt−ブチルメチルエーテルを用いて順次洗浄
し、次いで真空乾燥することにより約200mgの乾燥
樹脂を得た。トリフルオロ酢酸9.4mL、アニソール
0.5mL、およびエタンジチオール0.1mLを混合
した液1.5mLを、容器下部に栓をした反応容器に滴
下した。室温で2時間放置後栓を外し、混合物を濾過
し、濾液にジエチルエーテルを加え遠心分離することに
より白い沈殿物を得た。得られた沈殿物を真空乾燥した
後、2規定の酢酸水溶液で抽出し、抽出液を凍結乾燥す
ることにより粗ぺプチド断片を得た。
【0049】得られた粗ぺプチド断片を分取用高速液体
クロマトグラフィー[装置:株式会社島津製作所社製、
逆相カラムを使用、アセトニトリル: TFA=99.5:
0.5および水:TFA =99.5:0.5の2液を混合
し濃度勾配を作成]で精製した。得られた2種類のペプ
チド断片をpH8.0のトリス緩衝液(100mM NaC
l 、50mM トリス−HCl)に等モルづつ溶解させて2
4時間放置し、配列番号:1における4番目のCys と配
列番号:2における6番目のCys の間に、一方のジスル
フィド結合を形成させた。得られたペプチドを分取用高
速液体クロマトグラフィーで精製した。精製したペプチ
ドを80%酢酸水溶液に1μmol/mLとなるように
溶解した。このペプチド断片溶液にヨウ素を5μmol
/mLとなるように溶解し、Acm 基を除去するとともに
配列番号:1における6番目のCys と配列番号:2にお
ける4番目のCys の間に、もう一方のジスルフィド結合
を形成させた。30分後ペプチド断片溶液と同量の水を
加え反応を停止させ、その後得られたペプチド断片溶液
の1/4量の四塩化炭素を添加、よく撹拌し、その上清
を採取することによりヨウ素を除去した。この操作を4
回繰り返し得られた上清を凍結乾燥させた。
【0050】次に、この凍結乾燥させたペプチドを0.
1M酢酸に溶解し、再度分取用高速液体クロマトグラフ
ィーで精製した。このとき3つの大きなピークが得られ
たが、中央のピークが目的とするペプチドで、この分画
を凍結乾燥させた。得られたぺプチドについてFAB 法マ
ススぺクトルにより求めた分子量は2179(理論値は
2179.2)であった。このぺプチドをヒト血漿に加
えた時の血漿カルシウム再加時間及びAPTTの測定し
た結果を表2に示す。
【0051】なお、測定条件は次のとおりである。即
ち、血液凝固阻害活性はAPTT、血漿カルシウム再加
時間の測定により評価した。具体的には、APTTは、
ヒト血漿100μLに2nモルのペプチドを加え、37
℃で10分間インキュベートした後、活性化部分トロン
ボプラスチン(オーソ・クリニカル・ダイアグノスティ
ックス株式会社製)100μLを加え、更に3分間イン
キュベートし、20mM塩化カルシウム液100μLを
加えた後、凝固するまでの時間とした。また、血漿カル
シウム再加時間は、ヒト血漿100μLに1nモルのペ
プチドを加え、37℃で10分間インキュベートし、2
0mM塩化カルシウム液100μLを加えた後、凝固す
るまでの時間とした。
【0052】この結果は下記参考例1および比較例1の
結果と比較すると、本発明のぺプチド(ペプチド番号:
1)が血液凝固を顕著に阻害することを示している。
【0053】参考例1 ペプチドを添加していないヒト血漿の血漿カルシウム再
加時間は124秒、APTTは25秒であった。
【0054】比較例1 次にペプチドを以下に示す方法で合成した。Lys His Il
e Cys(Acm) Ile Cys(Trt) Lys Lys で示されるペプチド
断片(そのアミノ酸配列は配列番号:18で示され
る。)、およびLys His Ile Cys(Acm) IleCys(Trt) Lys
Lys Lys Lys で示されるペプチド断片を(そのアミノ
酸配列は配列番号:19で示される。)自動ペプチド合
成装置で合成した。これらのペプチドを用いて、実施例
1の方法と同様の方法で、次に示される二量体ペプチド
【0055】
【化7】
【0056】を得た。この時の血漿カルシウム再加時間
は138秒、APTTは34秒であった。ペプチドのジ
スルフィド結合の構造が実施例1のものと異なるため、
血液凝固を阻害する作用は弱い。このことから本発明の
ペプチドにおいて血液凝固阻害活性を発現するには、ジ
スルフィド結合の位置が重要であることが示されてい
る。
【0057】実施例2〜7 ペプチド合成は、C末端のアミノ酸残基がLys でないペ
プチドにおいては実施例1の TGS−PHB −Lys (Boc) の
代わりにそれぞれのペプチドのC末端のアミノ基をすで
に結合させたポリエチレングリコールをポリスチレンに
グラフト共重合させたレジン(株式会社島津製作所社
製、例えば配列番号:9にアミノ酸配列が示されるペプ
チドの場合はTGS −PHB −Ser)を用いて行ない、他の合
成操作及び前述のジスルフィド結合を形成させる操作は
実施例1と同様である。合成したペプチドのアミノ酸配
列とCys の保護基は次の通りである。
【0058】Lys Lys His Ile Cys(Trt) Ile Cys(Acm)
Lys Lys (アミノ酸配列は配列番号:3に示される。) Lys Lys His Ile Cys(Acm) Ile Cys(Trt) Lys Lys Lys
Lys (アミノ酸配列は配列番号:4に示される。) Lys Lys Tyr Leu Cys(Trt) Val Cys(Acm) Lys Lys Lys
(アミノ酸配列は配列番号:5に示される。) Lys Lys Lys Tyr Leu Cys(Acm) Val Cys(Trt) Lys Lys
Lys Lys (アミノ酸配列は配列番号:6に示される。) His His His Tyr Leu Cys(Trt) Val Cys(Acm) Lys Lys
Lys Lys (アミノ酸配列は配列番号:7に示される。) Gln Gln Gln Tyr Leu Cys(Trt) Val Cys(Acm) Lys Lys
Lys Lys (アミノ酸配列は配列番号:8に示される。) His His His Tyr Leu Cys(Trt) Val Cys(Acm) Ser Ser
Ser Ser (アミノ酸配列は配列番号:9に示される。) His His His Tyr Leu Cys(Trt) Val Cys(Acm) Ser Ser
Lys Gly Asp (アミノ酸配列は配列番号:10に示され
る。)
【0059】これらのペプチド断片を表2で示す組合せ
で、実施例1と同様にしてジスルフィド結合を形成させ
てペプチド番号:2〜7で示されるペプチドを得た後、
血漿カルシウム再加時間、およびAPTTを測定した。
その結果を表2に示す。
【0060】
【表2】
【0061】実施例8 ペプチド番号:8のペプチドを以下の方法で合成した。
His His His His Phe Arg Cys(Trt) Ile Cys(Acm) Lys
Lys Lys Lys His HisHis His Tyr Leu Cys(Acm) Ile Cy
s(Trt) Lys Lys Lys Lys Lys Lys で示されるペプチド
断片(アミノ酸配列は配列番号:11に示される。)を
自動ぺプチド合成装置を用いて固相合成法により合成し
た。合成手順は粗ぺプチド断片を得るところまで実施例
1と同様の方法で行った。
【0062】得られた粗ぺプチド断片を実施例1と同様
の方法で分取用高速液体クロマトグラフィーで精製し
た。得られたペプチド断片をpH8.0 のトリス緩衝液
(100mM NaCl 、50mM トリス−HCl)に溶解さ
せて24 時間放置し、7番目のCys と22番目のCys の
間にジスルフィド結合を形成させた。得られたペプチド
を分取用高速液体クロマトグラフィーで精製した。精製
したペプチドを80%酢酸水溶液に1μmol/mLと
なるように溶解した。このペプチド断片溶液にヨウ素を
5μmol/mLとなるように溶解し、Acm 基を除去す
るとともに9番目のCys と20番目のCys の間にジスル
フィド結合を形成させた。30分後ペプチド断片溶液と
同量の水を加え反応を停止させ、その後得られたペプチ
ド断片溶液の1/4量の四塩化炭素を添加、よく撹拌
し、その上清を採取することによりヨウ素を除去した。
この操作を4回繰り返し得られた上清を凍結乾燥させ
た。このぺプチドをヒト血漿に加えた時の血漿カルシウ
ム再加時間及びAPTTの測定した結果を表2に示す。
なお、実施例8においては、実施例1に比べて高収率で
目的とするペプチドが得られた。
【0063】このペプチドについてFAB法マススペク
トルにより求めた分子量は3612(理論値は361
1.9)であった。更に、ペプチドの円二色性の測定よ
りβターン構造が確認された。次に、このペプチドのCy
s 残基のSH基を測定した結果、1分子あたり0.1個
以下であった。以上の結果から、このペプチドはヘアピ
ン状構造をとっていることが明らかになった。
【0064】SH基の定量は次のように実施した。4,
4’−ジチオピリジンを生理的リン酸緩衡液(以下、P
BSと略記する)に1mg/mlになるように溶解した
溶液(以下、4PDS液と略記することもある)を作製
した。0.1mg/mlのペプチド溶液2mlに対し
て、当該4PDS液2mlを加え、直ちに攪拌し、32
4nmの吸光度を測定することによりペプチド中のSH
基量を求めた。
【0065】実施例9〜15 C末端のアミノ酸残基がLys でないペプチドにおいては
実施例8のTGS −PHB−Lys (Boc)の代わりにそれぞれ
のペプチドのC末端のアミノ基をすでに結合させたポリ
エチレングリコールをポリスチレンにグラフト共重合さ
せたレジンを用いて行ない、他の合成操作及び前述のジ
スルフィド結合を形成させる操作は実施例8と同様であ
る。合成したペプチドのアミノ酸配列とCys の保護基は
次の通りである。
【0066】His His His His Tyr Leu Cys(Trt) Val C
ys(Acm) Lys Lys His His Tyr Leu Cys(Acm) Val Cys(T
rt) Lys Lys Lys Lys Lys Lys (アミノ酸配列は配列番
号:12に示される。) Asp Asp Asp Asp Asp Lys Tyr Leu Cys(Acm) Val Cys(T
rt) Lys Lys Lys Lys Lys Lys Lys Lys Tyr Leu Cys(Tr
t) Val Cys(Acm) Ser His His His His His (アミノ酸
配列は配列番号:13に示される。) His His His His Tyr Leu Cys(Acm) Phe Cys(Trt) Lys
Lys Lys Pro Gly Lys Tyr Leu Cys(Trt) Val Cys(Acm)
Lys Lys Lys (アミノ酸配列は配列番号:14に示され
る。) Lys Leu Lys Leu Lys Leu Lys Leu Lys Leu Lys His Il
e Cys(Trt) Ile Cys(Acm) Lys Lys His Pro Gly Lys Hi
s Ile Cys(Acm) Ile Cys(Trt) Lys Lys Ser LysSer Lys
Ser Lys Ser Lys Ser Lys (アミノ酸配列は配列番
号:15に示される。)
【0067】His His His Ser Phe Lys Cys(Trt) Lys C
ys(Acm) Lys Lys Lys Pro Gly Lys Ile Val Cys(Acm) P
he Cys(Trt) Lys Lys Lys (アミノ酸配列は配列番号:
16に示される。) His His His Leu His Ser Cys(Acm) Ile Cys(Trt) Lys
Lys Lys Pro Gly Lys Ile Leu Cys(Trt) Phe Cys(Acm)
Lys Lys Gly (アミノ酸配列は配列番号:17に示され
る。) Leu His His Leu Tyr Leu Cys(Trt) dVal Cys(Acm) Lys
Lys Lys Pro Gly Lys Ile Leu Cys(Acm) Nle Cys(Trt)
Lys Lys Gly (式(4)) (なお、式(4)において、dValはD−バリン、Nle は
ノルロイシンを示す。)
【0068】これらのペプチドをジスルフィド結合させ
てペプチド番号:9〜15で示されるペプチドを得、血
液凝固阻害活性を調べた。その結果を表2に示す。表2
の結果から、本発明のペプチドはいずれも血液凝固阻害
活性を有することが分かる。また、D型アミノ酸等の非
天然アミノ酸を含むペプチドであっても、本願の構造を
有するものであれば血液凝固阻害活性を有することが分
かる。
【0069】比較例2 実施例2のペプチドを、前述のジスルフィド結合を形成
させる操作を行うことなく、PBS(pH7.4)に溶
解し、溶解後すみやかに実施例2と同様のペプチド濃度
で血漿カルシウム再加時間の測定を行なった結果、12
9秒であった。APTTは25秒であった。このときの
ペプチドのCys 残基のSH基を定量した結果、ペプチド
断片1分子あたり1.9であり、ジスルフィド結合はほ
とんど形成されていなかった。
【0070】比較例3 実施例8のペプチドを、前述のジスルフィド結合を形成
させる操作を行うことなく、PBS(pH7.4)に溶
解し、溶解後すみやかに実施例8と同様のペプチド濃度
で血漿カルシウム再加時間の測定を行なった結果128
秒であった。APTTは25秒であった。このときのペ
プチドのCys 残基のSH基を定量した結果、1 分子あた
り3.8であり、ジスルフィド結合はほとんど形成され
ていなかった。以上、比較例2、比較例3の結果は、ジ
スルフィド結合が本発明のペプチドにおいて抗血栓性作
用発現に必要であることを示している。
【0071】実施例16 内径10mmの塩化ビニル製のチューブ内面を、0.4
%過マンガン酸カリウムを含む濃硫酸溶液で処理(25
℃で5分間浸漬)した後、蒸留水で30分間洗浄した。
この処理により、チューブ内面には水酸基が導入された
ことがX線光電子分光法(ESCA法)で確認された。
次に、2%(3−グリシドキシプロピル)トリメトキシ
シラン水溶液をチューブ内面に25℃で5分間接触させ
た後、50℃で2時間乾燥させ、蒸留水で2時間洗浄し
た。実施例9のペプチド50mgを蒸留水50mLに溶
解しpHを11に調整して得た液をチューブ内に入れ、
37℃で12時間放置して、ペプチド固定化チューブを
得た。このチューブを10cmの長さに切り、その片端
を閉じて試験用のチューブを作製した。その中に健常人
の新鮮血2mLを注ぎ、25℃において30秒毎に血液
の状態を観察し、血液の流動性が失われる時間(凝固時
間)を測定したところ、約20分であった。この結果と
参考例2の結果とを比較すると、本発明のペプチド固定
化チューブの血液凝固阻害能は顕著であるといえる。
【0072】参考例2 本発明のペプチドによる表面処理をしていない内径10
mmの塩化ビニル製のチューブを10cmの長さに切
り、その片端を閉じて試験用のチューブを作製した。そ
の中に健常人の新鮮血2mLを注ぎ、実施例16と同様
の方法で凝固時間を測定したところ、約12分であっ
た。
【0073】
【発明の効果】本発明のペプチドは、血液凝固に対する
高い阻害活性を有しており、この活性は滅菌条件下でも
安定であり、医療用具の抗血栓化処理用途に使用する医
療材料に適している。また、本発明の上記ペプチドを固
定化した医療材料を用いた抗血栓性医療用具も、高い抗
凝固活性と安定性を有しており、カテーテル、血液回
路、血液バッグ、血液透析膜、人工血管等のように、長
期にわたって血液と接触して使用されるあらゆる医療用
具として好適なものである。
【0074】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:8 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴 特徴を表す記号:Cross-links 存在位置:4 他の情報:ペプチドLys His Ile Cys Ile Cys Lys Lys
Lys Lys の6位のCysとジスルフィド結合 配列の特徴 特徴を表す記号:Cross-links 存在位置:6 他の情報:ペプチドLys His Ile Cys Ile Cys Lys Lys
Lys Lys の4位のCysとジスルフィド結合 配列: Lys His Ile Cys Ile Cys Lys Lys 1 5
【0075】配列番号:2 配列の長さ:10 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴 特徴を表す記号:Cross-links 存在位置:4 他の情報:ペプチドLys His Ile Cys Ile Cys Lys Lys
の6位のCys とジスルフィド結合 配列の特徴 特徴を表す記号:Cross-links 存在位置:6 他の情報:ペプチドLys His Ile Cys Ile Cys Lys Lys
の4位のCys とジスルフィド結合 配列: Lys His Ile Cys Ile Cys Lys Lys Lys Lys 1 5 10
【0076】配列番号:3 配列の長さ:9 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴 特徴を表す記号:Cross-links 存在位置:5 他の情報:ペプチドLys Lys His Ile Cys Ile Cys Lys
Lys Lys Lys の7位のCys とジスルフィド結合 配列の特徴 特徴を表す記号:Cross-links 存在位置:7 他の情報:ペプチドLys Lys His Ile Cys Ile Cys Lys
Lys Lys Lys の5位のCys とジスルフィド結合 配列: Lys Lys His Ile Cys Ile Cys Lys Lys 1 5
【0077】配列番号:4 配列の長さ:11 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴 特徴を表す記号:Cross-links 存在位置:5 他の情報:ペプチドLys Lys His Ile Cys Ile Cys Lys
Lys の7位のCys とジスルフィド結合 配列の特徴 特徴を表す記号:Cross-links 存在位置:7 他の情報:ペプチドLys Lys His Ile Cys Ile Cys Lys
Lys の5位のCys とジスルフィド結合 配列: Lys Lys His Ile Cys Ile Cys Lys Lys Lys Lys 1 5 10
【0078】配列番号:5 配列の長さ:10 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴 特徴を表す記号:Cross-links 存在位置:5 他の情報:ペプチドLys Lys Lys Tyr Leu Cys Val Cys
Lys Lys Lys Lys の8位のCys とジスルフィド結合 配列の特徴 特徴を表す記号:Cross-links 存在位置:7 他の情報:ペプチドLys Lys Lys Tyr Leu Cys Val Cys
Lys Lys Lys Lys の6位のCys とジスルフィド結合 配列: Lys Lys Tyr Leu Cys Val Cys Lys Lys Lys 1 5 10
【0079】配列番号:6 配列の長さ:12 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴 特徴を表す記号:Cross-links 存在位置:6 他の情報:ペプチドLys Lys Tyr Leu Cys Val Cys Lys
Lys Lys の7位のCysと、ペプチドHis His His Tyr Leu
Cys Val Cys Lys Lys Lys Lys の8位のCysと、ペプチ
ドGln Gln Gln Tyr Leu Cys Val Cys Lys Lys Lys Lys
の8位のCysと、ペプチドHis His His Tyr Leu Cys Val
Cys Ser Ser Ser Ser の8位のCysと、又はペプチドHi
s His His Tyr Leu Cys Val Cys Ser Ser Lys Gly Asp
の8位のCys とジスルフィド結合 配列の特徴 特徴を表す記号:Cross-links 存在位置:8 他の情報:6位のCys がペプチドLys Lys Tyr Leu Cys
Val Cys Lys Lys Lysの7位のCys と結合する場合該ペ
プチドの5位のCys と、6位のCys がペプチドHis His
His Tyr Leu Cys Val Cys Lys Lys Lys Lys の8位のCy
s と結合する場合該ペプチドの6位のCys と、6位のCy
s がペプチドGln Gln Gln Tyr Leu CysVal Cys Lys Lys
Lys Lys の8位のCys と結合する場合該ペプチドの6
位のCysと、6位のCys がペプチドHis His His Tyr Leu
Cys Val Cys Ser Ser Ser Serの8位のCys と結合する
場合該ペプチドの6位のCys と、又は6位のCys がペプ
チドHis His His Tyr Leu Cys Val Cys Ser Ser Lys Gl
y Asp の8位のCys 結合する場合該ペプチドの6位のCy
s とジスルフィド結合 配列: Lys Lys Lys Tyr Leu Cys Val Cys Lys Lys Lys Lys 1 5 10
【0080】配列番号:7 配列の長さ:12 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴 特徴を表す記号:Cross-links 存在位置:6 他の情報:ペプチドLys Lys Lys Tyr Leu Cys Val Cys
Lys Lys Lys Lys の8位のCys とジスルフィド結合 配列の特徴 特徴を表す記号:Cross-links 存在位置:8 他の情報:ペプチドLys Lys Lys Tyr Leu Cys Val Cys
Lys Lys Lys Lys の6位のCys とジスルフィド結合 配列: His His His Tyr Leu Cys Val Cys Lys Lys Lys Lys 1 5 10
【0081】配列番号:8 配列の長さ:12 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴 特徴を表す記号:Cross-links 存在位置:6 他の情報:ペプチドLys Lys Lys Tyr Leu Cys Val Cys
Lys Lys Lys Lys の8位のCys とジスルフィド結合 配列の特徴 特徴を表す記号:Cross-links 存在位置:8 他の情報:ペプチドLys Lys Lys Tyr Leu Cys Val Cys
Lys Lys Lys Lys の6位のCys とジスルフィド結合 配列: Gln Gln Gln Tyr Leu Cys Val Cys Lys Lys Lys Lys 1 5 10
【0082】配列番号:9 配列の長さ:12 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴 特徴を表す記号:Cross-links 存在位置:6 他の情報:ペプチドLys Lys Lys Tyr Leu Cys Val Cys
Lys Lys Lys Lys の8位のCys とジスルフィド結合 配列の特徴 特徴を表す記号:Cross-links 存在位置:8 他の情報:ペプチドLys Lys Lys Tyr Leu Cys Val Cys
Lys Lys Lys Lys の6位のCys とジスルフィド結合 配列: His His His Tyr Leu Cys Val Cys Ser Ser Ser Ser 1 5 10
【0083】配列番号:10 配列の長さ:13 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴 特徴を表す記号:Cross-links 存在位置:6 他の情報:ペプチドLys Lys Lys Tyr Leu Cys Val Cys
Lys Lys Lys Lys の8位のCys とジスルフィド結合 配列の特徴 特徴を表す記号:Cross-links 存在位置:8 他の情報:ペプチドLys Lys Lys Tyr Leu Cys Val Cys
Lys Lys Lys Lys の6位のCys とジスルフィド結合 配列: His His His Tyr Leu Cys Val Cys Ser Ser Lys Gly Asp 1 5 10
【0084】配列番号:11 配列の長さ:28 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴 特徴を表す記号:disulfide-bonds 存在位置:7,22 配列の特徴 特徴を表す記号:disulfide-bonds 存在位置:9,20 配列: His His His His Phe Arg Cys Ile Cys Lys Lys Lys Lys His His 1 5 10 15 His His Tyr Leu Cys Ile Cys Lys Lys Lys Lys Lys Lys 20 25
【0085】配列番号:12 配列の長さ:24 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴 特徴を表す記号:disulfide-bonds 存在位置:7,18 配列の特徴 特徴を表す記号:disulfide-bonds 存在位置:9,16 配列: His His His His Tyr Leu Cys Val Cys Lys Lys His His Tyr Leu 1 5 10 15 Cys Val Cys Lys Lys Lys Lys Lys Lys 20
【0086】配列番号:13 配列の長さ:30 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴 特徴を表す記号:disulfide-bonds 存在位置:9,24 配列の特徴 特徴を表す記号:disulfide-bonds 存在位置:11,22 配列: Asp Asp Asp Asp Asp Lys Tyr Leu Cys Val Cys Lys Lys Lys Lys 1 5 10 15 Lys Lys Lys Lys Tyr Leu Cys Val Cys Ser His His His His His 20 25 30
【0087】配列番号:14 配列の長さ:23 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴 特徴を表す記号:disulfide-bonds 存在位置:7,20 配列の特徴 特徴を表す記号:disulfide-bonds 存在位置:9,18 配列: His His His His Tyr Leu Cys Phe Cys Lys Lys Lys Pro Gly Lys 1 5 10 15 Tyr Leu Cys Val Cys Lys Lys Lys 20
【0088】配列番号:15 配列の長さ:39 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴 特徴を表す記号:disulfide-bonds 存在位置:14,27 配列の特徴 特徴を表す記号:disulfide-bonds 存在位置:16,25 配列: Lys Leu Lys Leu Lys Leu Lys Leu Lys Leu Lys His Ile Cys Ile 1 5 10 15 Cys Lys Lys His Pro Gly Lys His Ile Cys Ile Cys Lys Lys Ser 20 25 30 Lys Ser Lys Ser Lys Ser Lys Ser Lys 35
【0089】配列番号:16 配列の長さ:23 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴 特徴を表す記号:disulfide-bonds 存在位置:7,20 配列の特徴 特徴を表す記号:disulfide-bonds 存在位置:9,18 配列: His His His Ser Phe Lys Cys Lys Cys Lys Lys Lys Pro Gly Lys 1 5 10 15 Ile Val Cys Phe Cys Lys Lys Lys 20
【0090】配列番号:17 配列の長さ:23 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴 特徴を表す記号:disulfide-bonds 存在位置:7,20 配列の特徴 特徴を表す記号:disulfide-bonds 存在位置:9,18 配列: His His His Leu His Ser Cys Ile Cys Lys Lys Lys Pro Gly Lys 1 5 10 15 Ile Leu Cys Phe Cys Lys Lys Gly 20
【0091】配列番号:18 配列の長さ:8 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴 特徴を表す記号:Cross-links 存在位置:4 他の情報:ペプチドLys His Ile Cys Ile Cys Lys Lys
Lys Lys の4位のCysとジスルフィド結合 配列の特徴 特徴を表す記号:Cross-links 存在位置:6 他の情報:ペプチドLys His Ile Cys Ile Cys Lys Lys
Lys Lys の6位のCysとジスルフィド結合 配列: Lys His Ile Cys Ile Cys Lys Lys 1 5
【0092】配列番号:19 配列の長さ:10 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴 特徴を表す記号:Cross-links 存在位置:4 他の情報:ペプチドLys His Ile Cys Ile Cys Lys Lys
の4位のCys とジスルフィド結合 配列の特徴 特徴を表す記号:Cross-links 存在位置:6 他の情報:ペプチドLys His Ile Cys Ile Cys Lys Lys
の6位のCys とジスルフィド結合 配列: Lys His Ile Cys Ile Cys Lys Lys Lys Lys 1 5 10

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の一般式(1): 【化1】 (式中、Aは水素原子又はB’と一緒になっての単結合
    を示し、Bは水酸基、アミノ基又はA’と一緒になって
    の単結合を示し、A’は水素原子又はBと一緒になって
    の単結合を示し、B’は水酸基、アミノ基又はAと一緒
    になっての単結合を示す。XおよびX’は任意のアミノ
    酸残基3〜13個から構成されるペプチド断片を示す。
    YおよびY’は中性アミノ酸残基又は塩基性アミノ酸残
    基を示す。ZおよびZ’は任意のアミノ酸残基2〜12
    個から構成されるペプチド断片を示す。)で示されるペ
    プチド。
  2. 【請求項2】 XがX1−X2−X3−X4で、および
    X’がX1’−X2’−X3’−X4’(ただし、X1
    およびX1’は0〜10個の任意のアミノ酸残基を示
    し、X2およびX2’は中性アミノ酸残基又は塩基性ア
    ミノ酸残基を示し、X3およびX3’は中性アミノ酸残
    基又は塩基性アミノ酸残基を示し、X4およびX4’は
    任意のアミノ酸残基を示す。)であり、そしてZがZ1
    −Z2−Z3で、およびZ’がZ1’−Z2’−Z3’
    (ただし、Z1、Z1’、Z2およびZ2’は塩基性ア
    ミノ酸残基又は非荷電極性アミノ酸残基を示し、Z3お
    よびZ3’は0〜10個の任意のアミノ酸残基を示
    す。)である請求項1記載のペプチド。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のペプチドを血液接
    触部に固定化してなる医療材料。
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