JPH0859694A - ペプチドおよびこれを固定化した医療材料 - Google Patents
ペプチドおよびこれを固定化した医療材料Info
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- JPH0859694A JPH0859694A JP7172737A JP17273795A JPH0859694A JP H0859694 A JPH0859694 A JP H0859694A JP 7172737 A JP7172737 A JP 7172737A JP 17273795 A JP17273795 A JP 17273795A JP H0859694 A JPH0859694 A JP H0859694A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】一般式:H X A1 A2 Cys A3 Cys A4 Y Z (Xお
よびYは酸性アミノ酸残基、塩基性アミノ酸残基、非荷
電極性アミノ酸残基からなる群より選択される単一のア
ミノ酸残基を又はこれらのアミノ酸残基の2〜10個か
ら構成されるペプチド断片を表わす。A1は中性アミノ
酸残基又は塩基性アミノ酸残基、A2は任意のアミノ酸
残基、A3は中性アミノ酸残基又は塩基性アミノ酸残
基、A4は塩基性アミノ酸残基又は非荷電極性アミノ酸
残基を表わし、Zは水酸基またはアミノ基を表わす。)
で表され、かつ、該ペプチドにおける2つのCys 残基が
ジスルフィド結合しているペプチド及び該ペプチドを血
液接触部に固定化した医療材料。 【効果】本発明のペプチドは、血液凝固に対する高い阻
害活性を有しており、医療材料に適している。また、当
該ペプチドを固定化した医療材料を用いた抗血栓性医療
用具もあらゆる医療用具として好適なものである。
よびYは酸性アミノ酸残基、塩基性アミノ酸残基、非荷
電極性アミノ酸残基からなる群より選択される単一のア
ミノ酸残基を又はこれらのアミノ酸残基の2〜10個か
ら構成されるペプチド断片を表わす。A1は中性アミノ
酸残基又は塩基性アミノ酸残基、A2は任意のアミノ酸
残基、A3は中性アミノ酸残基又は塩基性アミノ酸残
基、A4は塩基性アミノ酸残基又は非荷電極性アミノ酸
残基を表わし、Zは水酸基またはアミノ基を表わす。)
で表され、かつ、該ペプチドにおける2つのCys 残基が
ジスルフィド結合しているペプチド及び該ペプチドを血
液接触部に固定化した医療材料。 【効果】本発明のペプチドは、血液凝固に対する高い阻
害活性を有しており、医療材料に適している。また、当
該ペプチドを固定化した医療材料を用いた抗血栓性医療
用具もあらゆる医療用具として好適なものである。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗血栓性を有するぺプ
チドに関するものである。さらに詳しくは、血液中の凝
固因子に作用し、血液凝固に対する阻害作用を示すぺプ
チドおよびこれを固定化してなる抗血栓性を有する医療
材料(以下、抗血栓性医療材料ともいう。)に関するも
のであり、さらに詳しくは医薬品用途または医療用具の
抗血栓化処理用途に使用するぺプチドおよび血液と接触
する医療材料に関する。
チドに関するものである。さらに詳しくは、血液中の凝
固因子に作用し、血液凝固に対する阻害作用を示すぺプ
チドおよびこれを固定化してなる抗血栓性を有する医療
材料(以下、抗血栓性医療材料ともいう。)に関するも
のであり、さらに詳しくは医薬品用途または医療用具の
抗血栓化処理用途に使用するぺプチドおよび血液と接触
する医療材料に関する。
【0002】
【従来の技術】抗血栓性作用を有するタンパクおよびペ
プチドとして、多くの研究がなされている。例えば、ヒ
ルから分泌されるヒルジンが血液凝固を阻害する働きの
あることが報告されており(S . R. Stoneら Biochemis
try, 25, 4622,(1986) )、また、その55-65 位あるい
は54-65 位に相当するフラグメントにも血液凝固を阻害
する作用のあることが報告されている(J. L. Krstenan
ski ら FEBS Letters 211, 10,(1987) )。他にも、血
液凝固系プロテアーゼを阻害するインヒビター、例えば
尿中トリプシンインヒビターのフラグメント(特開平6
−25289号公報)などが報告されている。
プチドとして、多くの研究がなされている。例えば、ヒ
ルから分泌されるヒルジンが血液凝固を阻害する働きの
あることが報告されており(S . R. Stoneら Biochemis
try, 25, 4622,(1986) )、また、その55-65 位あるい
は54-65 位に相当するフラグメントにも血液凝固を阻害
する作用のあることが報告されている(J. L. Krstenan
ski ら FEBS Letters 211, 10,(1987) )。他にも、血
液凝固系プロテアーゼを阻害するインヒビター、例えば
尿中トリプシンインヒビターのフラグメント(特開平6
−25289号公報)などが報告されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これまで研究開発され
てきた抗血栓作用を有するタンパクやペプチドは血液凝
固阻害活性の安定性が十分ではなく、医薬品用途または
医療材料の抗血栓化用途に使用するためには、血液凝固
阻害活性のより高活性で安定なぺプチドの提供が望まれ
ている。本発明の目的は、医薬品用途または医療材料の
抗血栓化用途に使用する、血液凝固作用に対して阻害作
用を有する安定なペプチドを提供することにある。そし
て、本発明の他の目的は、それを固定化した抗血栓性医
療材料を提供することにある。
てきた抗血栓作用を有するタンパクやペプチドは血液凝
固阻害活性の安定性が十分ではなく、医薬品用途または
医療材料の抗血栓化用途に使用するためには、血液凝固
阻害活性のより高活性で安定なぺプチドの提供が望まれ
ている。本発明の目的は、医薬品用途または医療材料の
抗血栓化用途に使用する、血液凝固作用に対して阻害作
用を有する安定なペプチドを提供することにある。そし
て、本発明の他の目的は、それを固定化した抗血栓性医
療材料を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の要旨は、
(1) 一般式: H−X−A1−A2−Cys−A3−Cys−A4−Y
−Z (式中、XおよびYは酸性アミノ酸残基、塩基性アミノ
酸残基、非荷電極性アミノ酸残基からなる群より選択さ
れる単一のアミノ酸残基を又はこれらのアミノ酸残基の
2〜10個から構成されるペプチド断片を表わす。A1
は中性アミノ酸残基又は塩基性アミノ酸残基、A2は任
意のアミノ酸残基、A3は中性アミノ酸残基又は塩基性
アミノ酸残基、A4は塩基性アミノ酸残基又は非荷電極
性アミノ酸残基を表わし、Zは水酸基またはアミノ基を
表わす。)で表され、かつ、A2とA3の間のCys残
基、A3とA4の間のCys残基がジスルフィド結合し
ていることを特徴とするペプチド、(2) 前記(1)
記載のペプチドを血液接触部に固定化した医療材料、に
関する。
(1) 一般式: H−X−A1−A2−Cys−A3−Cys−A4−Y
−Z (式中、XおよびYは酸性アミノ酸残基、塩基性アミノ
酸残基、非荷電極性アミノ酸残基からなる群より選択さ
れる単一のアミノ酸残基を又はこれらのアミノ酸残基の
2〜10個から構成されるペプチド断片を表わす。A1
は中性アミノ酸残基又は塩基性アミノ酸残基、A2は任
意のアミノ酸残基、A3は中性アミノ酸残基又は塩基性
アミノ酸残基、A4は塩基性アミノ酸残基又は非荷電極
性アミノ酸残基を表わし、Zは水酸基またはアミノ基を
表わす。)で表され、かつ、A2とA3の間のCys残
基、A3とA4の間のCys残基がジスルフィド結合し
ていることを特徴とするペプチド、(2) 前記(1)
記載のペプチドを血液接触部に固定化した医療材料、に
関する。
【0005】本明細書においてアミノ酸残基の略号は下
記の通りのものである。 Ala:L−アラニン残基 Arg:L−アルギニン残基 Asn:L−アスパラギン残基 Asp:L−アスパラギン酸残基 Cys:L−システイン残基 Gln:L−グルタミン残基 Glu:L−グルタミン酸残基 Gly:L−グリンン残基 His:L−ヒスチジン残基 Ile:L−イソロインン残基 Leu:L−ロイシン残基 Lys:L−リジン残基 Met:L−メチオニン残基 Phe:L−フェニルアラニン残基 Pro:L−プロリン残基 Ser:L−セリン残基 Thr:L−スレオニン残基 Trp:L−トリプトファン残基 Tyr:L−チロシン残基 Val:L−バリン残基
記の通りのものである。 Ala:L−アラニン残基 Arg:L−アルギニン残基 Asn:L−アスパラギン残基 Asp:L−アスパラギン酸残基 Cys:L−システイン残基 Gln:L−グルタミン残基 Glu:L−グルタミン酸残基 Gly:L−グリンン残基 His:L−ヒスチジン残基 Ile:L−イソロインン残基 Leu:L−ロイシン残基 Lys:L−リジン残基 Met:L−メチオニン残基 Phe:L−フェニルアラニン残基 Pro:L−プロリン残基 Ser:L−セリン残基 Thr:L−スレオニン残基 Trp:L−トリプトファン残基 Tyr:L−チロシン残基 Val:L−バリン残基
【0006】また、本明細書においては、常法にしたが
ってペプチドのアミノ酸配列を、そのN末端のアミノ酸
残基が左側に位置し、C末端のアミノ酸残基が右側に位
置するように記述する。
ってペプチドのアミノ酸配列を、そのN末端のアミノ酸
残基が左側に位置し、C末端のアミノ酸残基が右側に位
置するように記述する。
【0007】本発明のペプチドは、一般式: H−X−A1−A2−Cys−A3−Cys−A4−Y
−Z で表わされる。ここで、XおよびYは酸性アミノ酸残
基、塩基性アミノ酸残基、非荷電極性アミノ酸残基から
なる群より選択される単一のアミノ酸残基を又はこれら
のアミノ酸残基の2〜10個から構成されるペプチド断
片を表わす。A1は中性アミノ酸残基又は塩基性アミノ
酸残基、A2は任意のアミノ酸残基、A3は中性アミノ
酸残基又は塩基性アミノ酸残基、A4は塩基性アミノ酸
残基又は非荷電極性アミノ酸残基を表わし、Zは水酸基
またはアミノ基を表わす。
−Z で表わされる。ここで、XおよびYは酸性アミノ酸残
基、塩基性アミノ酸残基、非荷電極性アミノ酸残基から
なる群より選択される単一のアミノ酸残基を又はこれら
のアミノ酸残基の2〜10個から構成されるペプチド断
片を表わす。A1は中性アミノ酸残基又は塩基性アミノ
酸残基、A2は任意のアミノ酸残基、A3は中性アミノ
酸残基又は塩基性アミノ酸残基、A4は塩基性アミノ酸
残基又は非荷電極性アミノ酸残基を表わし、Zは水酸基
またはアミノ基を表わす。
【0008】酸性アミノ酸残基とは側鎖に中性で負電荷
をもつ官能基(カルボキシル基)を有するアミノ酸残基
で、Asp 、Glu が含まれる。塩基性アミノ酸残基とは側
鎖に中性で正電荷をもつ官能基(アミノ基、イミノ基
等)を有するアミノ酸残基で、Lys 、Arg 、His が含ま
れる。また、中性アミノ酸残基とは側鎖が中性で電荷を
もたないアミノ酸残基で、非荷電極性アミノ酸残基と非
極性アミノ酸残基を含む。非荷電極性アミノ酸残基はAs
n 、Gln 、Ser 、Thr 、Tyr 、Gly 、Cys が含まれ、非
極性アミノ酸残基はAla 、Val 、Leu 、Ile 、Pro 、Ph
e 、Met 、Trp が含まれる。
をもつ官能基(カルボキシル基)を有するアミノ酸残基
で、Asp 、Glu が含まれる。塩基性アミノ酸残基とは側
鎖に中性で正電荷をもつ官能基(アミノ基、イミノ基
等)を有するアミノ酸残基で、Lys 、Arg 、His が含ま
れる。また、中性アミノ酸残基とは側鎖が中性で電荷を
もたないアミノ酸残基で、非荷電極性アミノ酸残基と非
極性アミノ酸残基を含む。非荷電極性アミノ酸残基はAs
n 、Gln 、Ser 、Thr 、Tyr 、Gly 、Cys が含まれ、非
極性アミノ酸残基はAla 、Val 、Leu 、Ile 、Pro 、Ph
e 、Met 、Trp が含まれる。
【0009】XおよびYは酸性アミノ酸残基、塩基性ア
ミノ酸残基、非荷電極性アミノ酸残基からなる群より選
択される単一のアミノ酸残基またはこれらのアミノ酸残
基の2〜10個から構成されるペプチド断片であれば特
に限定されないが、塩基性アミノ酸残基から構成される
ペプチド断片であることが好ましい。また、XおよびY
がペプチド断片である場合において、アミノ酸残基数が
この範囲より多いとペプチド合成が煩雑となり、また人
体に対する抗原性が発現する危険性があり、好ましくな
い。
ミノ酸残基、非荷電極性アミノ酸残基からなる群より選
択される単一のアミノ酸残基またはこれらのアミノ酸残
基の2〜10個から構成されるペプチド断片であれば特
に限定されないが、塩基性アミノ酸残基から構成される
ペプチド断片であることが好ましい。また、XおよびY
がペプチド断片である場合において、アミノ酸残基数が
この範囲より多いとペプチド合成が煩雑となり、また人
体に対する抗原性が発現する危険性があり、好ましくな
い。
【0010】A1は中性又は塩基性アミノ酸残基である
が、その中でも側鎖にベンゼン環を有するアミノ酸残基
が好ましくPhe 、Tyr をあげることができる。A2は任
意のアミノ酸残基が使用可能であるが、非極性アミノ酸
残基や塩基性アミノ酸残基が好ましく、Ile 、Val 、Ly
s 、Arg が特に好ましい。A3は中性または塩基性アミ
ノ酸残基であるが、側鎖に炭素原子が4個以上含まれる
アミノ酸残基が好ましい。A4は塩基性アミノ酸残基ま
たは非荷電極性アミノ酸残基であるが、Lys 、Ser が特
に好ましい。
が、その中でも側鎖にベンゼン環を有するアミノ酸残基
が好ましくPhe 、Tyr をあげることができる。A2は任
意のアミノ酸残基が使用可能であるが、非極性アミノ酸
残基や塩基性アミノ酸残基が好ましく、Ile 、Val 、Ly
s 、Arg が特に好ましい。A3は中性または塩基性アミ
ノ酸残基であるが、側鎖に炭素原子が4個以上含まれる
アミノ酸残基が好ましい。A4は塩基性アミノ酸残基ま
たは非荷電極性アミノ酸残基であるが、Lys 、Ser が特
に好ましい。
【0011】A2とA3の間にあるCys残基、A3と
A4の間にあるCys残基の側鎖がSH基の状態であれ
ば血液凝固阻害活性は小さい。そのため、ペプチドがよ
り高い血液凝固阻害活性を有するには、Cys残基の側
鎖がSH基でない状態、すなわちこれらのCys残基が
ジスルフィド結合していることが必要である。このと
き、A2とA3の間にあるCys残基、A3とA4の間
にあるCys残基は同一ペプチド内においてジスルフィ
ド結合していてもよく、複数のペプチド間においてジス
ルフィド結合していてもよく、その両方であってもよ
い。血液凝固阻害活性の発現のために、ジスルフィド結
合は分子間でかかるのが好ましく、A2とA3の間にあ
るCys残基、A3とA4の間にあるCys残基が他の
ペプチドとジスルフィド結合を形成している場合に、本
発明におけるペプチドはより強い血液凝固阻害活性を有
する。
A4の間にあるCys残基の側鎖がSH基の状態であれ
ば血液凝固阻害活性は小さい。そのため、ペプチドがよ
り高い血液凝固阻害活性を有するには、Cys残基の側
鎖がSH基でない状態、すなわちこれらのCys残基が
ジスルフィド結合していることが必要である。このと
き、A2とA3の間にあるCys残基、A3とA4の間
にあるCys残基は同一ペプチド内においてジスルフィ
ド結合していてもよく、複数のペプチド間においてジス
ルフィド結合していてもよく、その両方であってもよ
い。血液凝固阻害活性の発現のために、ジスルフィド結
合は分子間でかかるのが好ましく、A2とA3の間にあ
るCys残基、A3とA4の間にあるCys残基が他の
ペプチドとジスルフィド結合を形成している場合に、本
発明におけるペプチドはより強い血液凝固阻害活性を有
する。
【0012】また、上記の一般式において、Zは水酸基
またはアミノ基のいずれでもよい。即ち、C末端のアミ
ノ酸が通常のアミノ酸でもアミノ酸アミドでも血液凝固
阻害活性を有する。
またはアミノ基のいずれでもよい。即ち、C末端のアミ
ノ酸が通常のアミノ酸でもアミノ酸アミドでも血液凝固
阻害活性を有する。
【0013】本発明により提供されるぺプチドの代表例
を次に示すが、本発明のペプチドはこれらに何ら限定さ
れるものではない。 式(1)Lys His Ile Cys Ile Cys Lys Lys (配列番
号:1) 式(2)Lys Lys Lys Lys His Ile Cys Ile Cys Lys Ly
s Lys Lys (配列番号:2) 式(3)Asp Asp Asp Asp Tyr Ile Cys Ile Cys Lys Ly
s Lys Lys Lys (配列番号:3) 式(4)Asn Asn Asn Asn His Leu Cys Ile Cys Lys Ly
s Lys Lys (配列番号:4) 式(5)Lys Lys Lys Ser Tyr Ile Cys Ile Cys Lys Ly
s Lys Lys (配列番号:5) 式(6)Asp Asp Lys Lys His Ile Cys Ile Cys Lys Ly
s Asp Asp (配列番号:6) 式(7)Asn Asn Lys Lys Phe Ile Cys Ile Cys Lys Ly
s Asn Asn (配列番号:7) 式(8)Lys Lys Lys Lys Lys Lys Lys Lys Lys Lys Hi
s Ile Cys Ile Cys LysLys Lys Lys (配列番号:8) 式(9)Lys Lys Lys Lys His Ile Cys Ile Cys Lys Ly
s Lys Lys Lys Lys LysLys Lys Lys Lys (配列番号:
9) 式(10)Asp Lys Asp Lys Asp Lys Lys Lys Lys Lys
His Ile Cys Ile Cys Lys Lys Asn Lys (配列番号:1
0) 式(11)Asp Asp Asp Asn Asn Asn Asn Asn Asn Asn
His Ile Cys Ile Cys Lys Lys Asp Lys Lys Lys Lys Ly
s Lys Lys Lys Lys (配列番号:11) 式(12)Lys His Ile Cys Ile Cys Lys Lys Lys (配
列番号:12) 式(13)Asp Lys His Ile Cys Ile Cys Lys Lys (配
列番号:13) 式(14)Lys Lys Lys Lys His Leu Cys Phe Cys Lys
Lys Lys Lys (配列番号:14) 式(15)Lys Lys Lys Lys Phe Arg Cys Val Cys His
Lys Lys (配列番号:15) 式(16)Lys Lys Lys Lys Val Leu Cys Phe Cys Lys
Lys Lys Lys (配列番号:16) 式(17)Lys Lys Lys Lys Tyr Leu Cys Ile Cys Arg
Lys Lys Lys (配列番号:17) 式(18)Lys Lys Lys Lys Phe Asp Cys Phe Cys Lys
Lys Lys Lys (配列番号:18) 式(19)Lys Lys Lys Lys Tyr Ile Cys Lys Cys Lys
Lys Lys Lys (配列番号:19) 式(20)Lys Lys Lys Lys Phe Ile Cys Lys Cys Lys
Lys Lys Lys (配列番号:20) 式(21)Lys Lys Lys His Ile Cys Ile Cys Ser Lys
Lys Lys (配列番号:21) 式(22)Lys Lys Lys Lys Lys Tyr Ile Cys Phe Cys
Ser Ser Ser Ser Ser (配列番号:22) 式(23)Ser Ser Lys Lys Lys Phe Arg Cys Thr Cys
Ser Ser Ser Lys (配列番号:23)
を次に示すが、本発明のペプチドはこれらに何ら限定さ
れるものではない。 式(1)Lys His Ile Cys Ile Cys Lys Lys (配列番
号:1) 式(2)Lys Lys Lys Lys His Ile Cys Ile Cys Lys Ly
s Lys Lys (配列番号:2) 式(3)Asp Asp Asp Asp Tyr Ile Cys Ile Cys Lys Ly
s Lys Lys Lys (配列番号:3) 式(4)Asn Asn Asn Asn His Leu Cys Ile Cys Lys Ly
s Lys Lys (配列番号:4) 式(5)Lys Lys Lys Ser Tyr Ile Cys Ile Cys Lys Ly
s Lys Lys (配列番号:5) 式(6)Asp Asp Lys Lys His Ile Cys Ile Cys Lys Ly
s Asp Asp (配列番号:6) 式(7)Asn Asn Lys Lys Phe Ile Cys Ile Cys Lys Ly
s Asn Asn (配列番号:7) 式(8)Lys Lys Lys Lys Lys Lys Lys Lys Lys Lys Hi
s Ile Cys Ile Cys LysLys Lys Lys (配列番号:8) 式(9)Lys Lys Lys Lys His Ile Cys Ile Cys Lys Ly
s Lys Lys Lys Lys LysLys Lys Lys Lys (配列番号:
9) 式(10)Asp Lys Asp Lys Asp Lys Lys Lys Lys Lys
His Ile Cys Ile Cys Lys Lys Asn Lys (配列番号:1
0) 式(11)Asp Asp Asp Asn Asn Asn Asn Asn Asn Asn
His Ile Cys Ile Cys Lys Lys Asp Lys Lys Lys Lys Ly
s Lys Lys Lys Lys (配列番号:11) 式(12)Lys His Ile Cys Ile Cys Lys Lys Lys (配
列番号:12) 式(13)Asp Lys His Ile Cys Ile Cys Lys Lys (配
列番号:13) 式(14)Lys Lys Lys Lys His Leu Cys Phe Cys Lys
Lys Lys Lys (配列番号:14) 式(15)Lys Lys Lys Lys Phe Arg Cys Val Cys His
Lys Lys (配列番号:15) 式(16)Lys Lys Lys Lys Val Leu Cys Phe Cys Lys
Lys Lys Lys (配列番号:16) 式(17)Lys Lys Lys Lys Tyr Leu Cys Ile Cys Arg
Lys Lys Lys (配列番号:17) 式(18)Lys Lys Lys Lys Phe Asp Cys Phe Cys Lys
Lys Lys Lys (配列番号:18) 式(19)Lys Lys Lys Lys Tyr Ile Cys Lys Cys Lys
Lys Lys Lys (配列番号:19) 式(20)Lys Lys Lys Lys Phe Ile Cys Lys Cys Lys
Lys Lys Lys (配列番号:20) 式(21)Lys Lys Lys His Ile Cys Ile Cys Ser Lys
Lys Lys (配列番号:21) 式(22)Lys Lys Lys Lys Lys Tyr Ile Cys Phe Cys
Ser Ser Ser Ser Ser (配列番号:22) 式(23)Ser Ser Lys Lys Lys Phe Arg Cys Thr Cys
Ser Ser Ser Lys (配列番号:23)
【0014】ペプチドは、公知の方法によって合成され
る。例えば、化学的合成法としては固相合成法、または
段階的伸張法、フラグメント縮合法のような液相合成法
などが用いられるが、固相合成法により行うのが操作上
簡便である。[Journal of the American Chemical Soc
iety 85 2149(1963);日本生化学会編「生化学実験
講座1 タンパク質の化学IV 化学修飾とペプチド合
成」(昭和52年11月15日(株)東京化学同人発行);日
本生化学会編「続生化学実験講座2 タンパク質の化学
(下)」(昭和62年5月20日(株)東京化学同人発行)
参照]。また、遺伝子操作による生物学的な合成法も可
能である。
る。例えば、化学的合成法としては固相合成法、または
段階的伸張法、フラグメント縮合法のような液相合成法
などが用いられるが、固相合成法により行うのが操作上
簡便である。[Journal of the American Chemical Soc
iety 85 2149(1963);日本生化学会編「生化学実験
講座1 タンパク質の化学IV 化学修飾とペプチド合
成」(昭和52年11月15日(株)東京化学同人発行);日
本生化学会編「続生化学実験講座2 タンパク質の化学
(下)」(昭和62年5月20日(株)東京化学同人発行)
参照]。また、遺伝子操作による生物学的な合成法も可
能である。
【0015】ペプチドを人為的な方法(即ち、上記の固
相合成法、液相合成法、生物学的合成法等)で合成する
と、システイン残基のSH基が還元状態で合成されてく
ることがある。この場合、公知の方法によってSH基を
酸化させ、ジスルフィド結合を形成させることができ
る。本発明におけるペプチドも、求める効果を得るため
にSH基を酸化させ、ジスルフィド結合を形成させる必
要がある。たとえば、ペプチドをアルカリ性の溶液また
は金属塩が存在する溶液に溶解した後、室温に4時間以
上放置することによりジスルフィド結合を形成させるこ
とができる。ペプチドを溶解する溶液としては、pH
8.0のトリス緩衝液などが好ましい。
相合成法、液相合成法、生物学的合成法等)で合成する
と、システイン残基のSH基が還元状態で合成されてく
ることがある。この場合、公知の方法によってSH基を
酸化させ、ジスルフィド結合を形成させることができ
る。本発明におけるペプチドも、求める効果を得るため
にSH基を酸化させ、ジスルフィド結合を形成させる必
要がある。たとえば、ペプチドをアルカリ性の溶液また
は金属塩が存在する溶液に溶解した後、室温に4時間以
上放置することによりジスルフィド結合を形成させるこ
とができる。ペプチドを溶解する溶液としては、pH
8.0のトリス緩衝液などが好ましい。
【0016】こうして得られる本発明のペプチドは、ヒ
ト血液の凝固を顕著に阻害することができる。従って、
医療において、血液に微量添加することにより、または
血液と接触する医療用具の材料の接触面に本発明のペプ
チドを固定化することにより、血液の凝固を防止するの
に有用である。即ち、使用に際して血液と接触する表面
に本発明のぺプチドを固定化することにより、血液の凝
固を防止するのに有用な抗血栓性医療材料を作成するこ
とができる。
ト血液の凝固を顕著に阻害することができる。従って、
医療において、血液に微量添加することにより、または
血液と接触する医療用具の材料の接触面に本発明のペプ
チドを固定化することにより、血液の凝固を防止するの
に有用である。即ち、使用に際して血液と接触する表面
に本発明のぺプチドを固定化することにより、血液の凝
固を防止するのに有用な抗血栓性医療材料を作成するこ
とができる。
【0017】また、本発明において血液の凝固性は公知
の方法、即ち、活性化部分トロンボプラスチン時間、血
漿カルシウム再加時間又は全血凝固時間の測定により評
価することができる。具体的には、活性化部分トロンボ
プラスチン時間(以下、これをAPTTと略記すること
がある)は、ヒト血漿100μl(ペプチドの効果を測
定する際には15nモルのペプチドを加える。)をガラ
ス製試験管に加え、37℃で10分間インキュベーショ
ンした後、活性化部分トロンボプラスチン(オーソ社
製)100μlを加え、更に3分間インキュベーション
し、25mM塩化カルシウム液100μlを加えた後、
凝固するまでの時間を測定することで求めることができ
る。また、血漿カルシウム再加時間は、ヒト血漿100
μl(ペプチドの効果を測定する際には15nモルのペ
プチドを加える。)をガラス製試験管に加え、37℃で
10分間インキュベーションし、25mM塩化カルシウ
ム液100μlを加えた後、凝固するまでの時間を測定
することで求めることができる。全血凝固時間は、採血
直後のヒト全血1ml(ペプチドの効果を測定する際に
は150nモルのペプチドを加える。)をガラス製試験
管に入れ、凝固するまでの時間を測定することにより求
めることができる。
の方法、即ち、活性化部分トロンボプラスチン時間、血
漿カルシウム再加時間又は全血凝固時間の測定により評
価することができる。具体的には、活性化部分トロンボ
プラスチン時間(以下、これをAPTTと略記すること
がある)は、ヒト血漿100μl(ペプチドの効果を測
定する際には15nモルのペプチドを加える。)をガラ
ス製試験管に加え、37℃で10分間インキュベーショ
ンした後、活性化部分トロンボプラスチン(オーソ社
製)100μlを加え、更に3分間インキュベーション
し、25mM塩化カルシウム液100μlを加えた後、
凝固するまでの時間を測定することで求めることができ
る。また、血漿カルシウム再加時間は、ヒト血漿100
μl(ペプチドの効果を測定する際には15nモルのペ
プチドを加える。)をガラス製試験管に加え、37℃で
10分間インキュベーションし、25mM塩化カルシウ
ム液100μlを加えた後、凝固するまでの時間を測定
することで求めることができる。全血凝固時間は、採血
直後のヒト全血1ml(ペプチドの効果を測定する際に
は150nモルのペプチドを加える。)をガラス製試験
管に入れ、凝固するまでの時間を測定することにより求
めることができる。
【0018】本発明におけるペプチドのSH基の定量も
公知の方法で行うことができる。即ち、4,4’−ジチ
オピリジンを生食化リン酸緩衝液に1mg/mlになる
ように溶解した溶液(以下、4PDS液と略記すること
もある。)を作製する。0.1mg/mlのペプチド溶
液2mlに対して、当該4PDS液2mlを加え、直ち
に攪拌し、324nmの吸光度を測定することによりペ
プチド中のSH基量を求めることができる。
公知の方法で行うことができる。即ち、4,4’−ジチ
オピリジンを生食化リン酸緩衝液に1mg/mlになる
ように溶解した溶液(以下、4PDS液と略記すること
もある。)を作製する。0.1mg/mlのペプチド溶
液2mlに対して、当該4PDS液2mlを加え、直ち
に攪拌し、324nmの吸光度を測定することによりペ
プチド中のSH基量を求めることができる。
【0019】本発明のぺプチドを固定化する抗血栓性医
療材料の基材としては、公知の医療用の基材である合成
樹脂等の高分子材料であれば問題なく、特に表面に水酸
基、アミノ基、カルボキシル基を有しているものが好ま
しい。また、表面にこれらの官能基を有しないものに、
表面処理により水酸基、アミノ基、カルボキシル基を導
入したものも使用することができる。
療材料の基材としては、公知の医療用の基材である合成
樹脂等の高分子材料であれば問題なく、特に表面に水酸
基、アミノ基、カルボキシル基を有しているものが好ま
しい。また、表面にこれらの官能基を有しないものに、
表面処理により水酸基、アミノ基、カルボキシル基を導
入したものも使用することができる。
【0020】このような医療材料の基材としては、例え
ば、ポリウレタン類やポリ塩化ビニル類、ポリカーボネ
ート類、メチルメタクリレート等のアクリル類、または
ポリプロピレン等のポリオレフィン類、ナイロン等のポ
リアミド類、ポリスルホン類、セルロース、セルロース
アセテート等のセルロース類、エチレンービニルアルコ
ール等のポリビニルアルコール類を挙げることができ
る。
ば、ポリウレタン類やポリ塩化ビニル類、ポリカーボネ
ート類、メチルメタクリレート等のアクリル類、または
ポリプロピレン等のポリオレフィン類、ナイロン等のポ
リアミド類、ポリスルホン類、セルロース、セルロース
アセテート等のセルロース類、エチレンービニルアルコ
ール等のポリビニルアルコール類を挙げることができ
る。
【0021】これらの基材を原料とした医療材料で製造
された、抗血栓性を有する医療用具としては、血液バッ
グ、血液回路、カテーテル、注射器、医療用容器、人工
血管、人工腎臓等の血液処理膜等を挙げることができ
る。
された、抗血栓性を有する医療用具としては、血液バッ
グ、血液回路、カテーテル、注射器、医療用容器、人工
血管、人工腎臓等の血液処理膜等を挙げることができ
る。
【0022】また、本発明においては上記の抗血栓性医
療用具に限定されるものではなく、使用に際して血液と
接触することのある医療用の各種の素材に本発明のペプ
チドを固定化して抗血栓性材料としたものも本発明の態
様に含まれる。この場合、抗血栓性材料はそのままで、
あるいは所望の形状に加工して適宜使用することができ
る。
療用具に限定されるものではなく、使用に際して血液と
接触することのある医療用の各種の素材に本発明のペプ
チドを固定化して抗血栓性材料としたものも本発明の態
様に含まれる。この場合、抗血栓性材料はそのままで、
あるいは所望の形状に加工して適宜使用することができ
る。
【0023】上記の抗血栓性医療材料の表面処理は、公
知の方法により行うことができる。例えば、酸素ガス、
または窒素ガスおよびアンモニアガスを含む気体中でプ
ラズマ処理する方法、または過マンガン酸塩を含む硫酸
溶液等で化学処理する方法が挙げられる。プラズマ処理
する方法は、医療材料を短時間で大量に処理することが
でき、さらにガス中で処理するために医療材料を清浄に
保つことができるため好ましい。化学処理する方法は、
複雑な形状を有するもの、容器内面などのプラズマ処理
できないものをも処理することができ、適用範囲が広
い。一般に使用に際して血液と接触する医療材料は、チ
ューブ、中空糸およびボトルなどの複雑な形状をしたも
のが多く、化学処理する方法が有利である。
知の方法により行うことができる。例えば、酸素ガス、
または窒素ガスおよびアンモニアガスを含む気体中でプ
ラズマ処理する方法、または過マンガン酸塩を含む硫酸
溶液等で化学処理する方法が挙げられる。プラズマ処理
する方法は、医療材料を短時間で大量に処理することが
でき、さらにガス中で処理するために医療材料を清浄に
保つことができるため好ましい。化学処理する方法は、
複雑な形状を有するもの、容器内面などのプラズマ処理
できないものをも処理することができ、適用範囲が広
い。一般に使用に際して血液と接触する医療材料は、チ
ューブ、中空糸およびボトルなどの複雑な形状をしたも
のが多く、化学処理する方法が有利である。
【0024】酸素ガス中でプラズマ処理した場合には、
主に水酸基が表面に導入され、窒素ガスおよびアンモニ
アガス中でプラズマ処理した場合には、主にアミノ基が
表面に導入され、過マンガン酸塩を含む硫酸溶液等で化
学処理した場合には、主に水酸基とカルボキシル基が導
入される。
主に水酸基が表面に導入され、窒素ガスおよびアンモニ
アガス中でプラズマ処理した場合には、主にアミノ基が
表面に導入され、過マンガン酸塩を含む硫酸溶液等で化
学処理した場合には、主に水酸基とカルボキシル基が導
入される。
【0025】上記のように処理すれば、両末端にエポキ
シ基を有する試薬、エポキン基を有するシランカップリ
ング剤等を介して、基材表面にぺプチドを固定化するこ
とができる。基材表面に水酸基が存在する場合には、両
末端にエポキシ基を有する試薬やエポキシ基を有するシ
ランカップリング剤を用いることにより共有結合で固定
化でき、基材表面にアミノ基やカルボキシル基が存在す
る場合には、両末端にエポキシ基を有する試薬を用いる
ことにより同様に共有結合で固定化することが可能であ
る。
シ基を有する試薬、エポキン基を有するシランカップリ
ング剤等を介して、基材表面にぺプチドを固定化するこ
とができる。基材表面に水酸基が存在する場合には、両
末端にエポキシ基を有する試薬やエポキシ基を有するシ
ランカップリング剤を用いることにより共有結合で固定
化でき、基材表面にアミノ基やカルボキシル基が存在す
る場合には、両末端にエポキシ基を有する試薬を用いる
ことにより同様に共有結合で固定化することが可能であ
る。
【0026】具体的には、シランカップリング剤を用い
る場合には、通常エポキシ基を有するシランカップリン
グ剤(例えば、(3−グリシドキシプロピル)トリメト
キシシラン)の0.5〜5%溶液(水または有機溶媒溶
液)に高分子材料を1〜30分接触させ、それを1分〜
2日間加熱乾燥後、架橋していないシランカップリング
剤を洗浄除去し、エポキシ基を導入した高分子材料を作
製する。また両末端にエポキシ基を有する試薬を用いる
場合には、両末端にエポキシ基を有する試薬(例えば、
1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル)の1〜
20%水溶液(pH10〜13)に高分子材料を1時間
〜2日間接触させ、そのあと洗浄し、エポキシ基を導入
した高分子材料を作製する。
る場合には、通常エポキシ基を有するシランカップリン
グ剤(例えば、(3−グリシドキシプロピル)トリメト
キシシラン)の0.5〜5%溶液(水または有機溶媒溶
液)に高分子材料を1〜30分接触させ、それを1分〜
2日間加熱乾燥後、架橋していないシランカップリング
剤を洗浄除去し、エポキシ基を導入した高分子材料を作
製する。また両末端にエポキシ基を有する試薬を用いる
場合には、両末端にエポキシ基を有する試薬(例えば、
1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル)の1〜
20%水溶液(pH10〜13)に高分子材料を1時間
〜2日間接触させ、そのあと洗浄し、エポキシ基を導入
した高分子材料を作製する。
【0027】このようにして作製した高分子材料に0.
001〜2%ぺプチド水溶液(pH10〜12)を1時
間〜2日間接触させ、ぺプチドのアミノ基またはカルボ
キシル基と高分子材料に導入されたエポキシ基とを共有
結合し、ぺプチド固定化材料を得る。本発明のぺプチド
の固定化量は、特に限定されるものではないが、通常1
cm2 当たり0.01nモル〜20nモルであり、好ま
しくは0.1nモル〜5nモルである。
001〜2%ぺプチド水溶液(pH10〜12)を1時
間〜2日間接触させ、ぺプチドのアミノ基またはカルボ
キシル基と高分子材料に導入されたエポキシ基とを共有
結合し、ぺプチド固定化材料を得る。本発明のぺプチド
の固定化量は、特に限定されるものではないが、通常1
cm2 当たり0.01nモル〜20nモルであり、好ま
しくは0.1nモル〜5nモルである。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例、比較例および参考例
に基づいて説明するが、本発明はこれらの実施例等によ
りなんら限定されるものではない。 実施例1 Lys His Ile Cys Ile Cys Lys Lys (配列番号:1)を
以下に示す方法で合成した。ペプチドの合成は自動ぺプ
チド合成装置(米国アプライドバイオシステムズ社製)
を用いて固相合成法により合成した。ベンジルオキシべ
ンジルアルコールタイプ樹脂にFmoc−Lys を結合さ
せたFmoc−Lys (Boc)−レジン(島津社製)を
0.29g用い、これに表1に示す一連の操作に従っ
て、目的とするペプチドのC末端側からN末端方向に向
かって対応する順序で結合させた。尚、本実施例、及び
以下の実施例、比較例において用いたアミノ酸は、全て
L−アミノ酸で、α位アミノ基をFmoc(9−フルオ
レニルメトキシカルボニル)基で保護されたものであ
り、更に他の置換基の保護を必要とするアミノ酸につい
ては、Arg は4−メトキシ−2,3,6−トリメチルベ
ンゼンスルホニル(Mtr)基、 Asp、Cys 、Ser はt
−プチル(tBu)基、His はトリチル(Trt)基、
Lys はt−ブトキシカルボニル(Boc)基でそれぞれ
保護されたもの(ペプチド研究所製)を用いた。
に基づいて説明するが、本発明はこれらの実施例等によ
りなんら限定されるものではない。 実施例1 Lys His Ile Cys Ile Cys Lys Lys (配列番号:1)を
以下に示す方法で合成した。ペプチドの合成は自動ぺプ
チド合成装置(米国アプライドバイオシステムズ社製)
を用いて固相合成法により合成した。ベンジルオキシべ
ンジルアルコールタイプ樹脂にFmoc−Lys を結合さ
せたFmoc−Lys (Boc)−レジン(島津社製)を
0.29g用い、これに表1に示す一連の操作に従っ
て、目的とするペプチドのC末端側からN末端方向に向
かって対応する順序で結合させた。尚、本実施例、及び
以下の実施例、比較例において用いたアミノ酸は、全て
L−アミノ酸で、α位アミノ基をFmoc(9−フルオ
レニルメトキシカルボニル)基で保護されたものであ
り、更に他の置換基の保護を必要とするアミノ酸につい
ては、Arg は4−メトキシ−2,3,6−トリメチルベ
ンゼンスルホニル(Mtr)基、 Asp、Cys 、Ser はt
−プチル(tBu)基、His はトリチル(Trt)基、
Lys はt−ブトキシカルボニル(Boc)基でそれぞれ
保護されたもの(ペプチド研究所製)を用いた。
【0029】
【表1】
【0030】全てのアミノ酸についての反応操作が終了
した後、得られた樹脂をグラスフィルター上でジクロロ
メタン及びメタノールを用いて順次洗浄し、次いで真空
乾燥することにより約600mgの乾燥樹脂を得た。バ
イアル瓶中で乾燥樹脂600mgとトリフルオロ酢酸1
0ml、水0.5ml、チオアニソール0.5ml、エ
タンジオール0.25mlおよびフェノール0.75g
を混合した。室温で20時間放置後混合物をグラスフィ
ルターで濾過し、濾液にジエチルエーテルを加え遠心分
離することにより白い沈殿物を得た。得られた沈殿物を
真空乾燥した後、2規定の酢酸水溶液で抽出し、抽出液
を凍結乾燥することによりぺプチドを得た。
した後、得られた樹脂をグラスフィルター上でジクロロ
メタン及びメタノールを用いて順次洗浄し、次いで真空
乾燥することにより約600mgの乾燥樹脂を得た。バ
イアル瓶中で乾燥樹脂600mgとトリフルオロ酢酸1
0ml、水0.5ml、チオアニソール0.5ml、エ
タンジオール0.25mlおよびフェノール0.75g
を混合した。室温で20時間放置後混合物をグラスフィ
ルターで濾過し、濾液にジエチルエーテルを加え遠心分
離することにより白い沈殿物を得た。得られた沈殿物を
真空乾燥した後、2規定の酢酸水溶液で抽出し、抽出液
を凍結乾燥することによりぺプチドを得た。
【0031】得られたぺプチドを分取用高速液体クロマ
トグラフィー[装置:ミリポアウォータズ社製]で精製
した。得られたぺプチドについてFAB法マススぺクト
ルにより求めた分子量は971(理論値は972.3)
であった。得られたペプチドをpH8.0のトリス緩衝
液(100mM NaCl、50mM トリス−HC
l、10mM CaCl2 )に溶解させて24時間放置
し、ジスルフィド結合を形成させた。このペプチドのCy
s 残基のSH基を定量したところ、1分子あたり0.2
〜0.3であり、ジスルフィド結合が形成されているこ
とが確認できた。このぺプチド15nモルをヒト血漿1
00μlに加え、血漿カルシウム再加時間を測定した結
果、292秒であった。また全血凝固時間(全血1ml
に対し150nモルのペプチドを加えた。)は720
秒、APTTは70秒以上であった。この結果は下記参
考例1の結果と比較すると、本発明のぺプチド(配列番
号:1)が血液凝固を顕著に阻害することを示してい
る。尚、ペプチド中のSH基量は、0.1mg/mlの
ペプチド溶液2mlに対して4PDS液2mlを加え、
直ちに攪拌し、324nmの吸光度を測定することによ
り求めた。
トグラフィー[装置:ミリポアウォータズ社製]で精製
した。得られたぺプチドについてFAB法マススぺクト
ルにより求めた分子量は971(理論値は972.3)
であった。得られたペプチドをpH8.0のトリス緩衝
液(100mM NaCl、50mM トリス−HC
l、10mM CaCl2 )に溶解させて24時間放置
し、ジスルフィド結合を形成させた。このペプチドのCy
s 残基のSH基を定量したところ、1分子あたり0.2
〜0.3であり、ジスルフィド結合が形成されているこ
とが確認できた。このぺプチド15nモルをヒト血漿1
00μlに加え、血漿カルシウム再加時間を測定した結
果、292秒であった。また全血凝固時間(全血1ml
に対し150nモルのペプチドを加えた。)は720
秒、APTTは70秒以上であった。この結果は下記参
考例1の結果と比較すると、本発明のぺプチド(配列番
号:1)が血液凝固を顕著に阻害することを示してい
る。尚、ペプチド中のSH基量は、0.1mg/mlの
ペプチド溶液2mlに対して4PDS液2mlを加え、
直ちに攪拌し、324nmの吸光度を測定することによ
り求めた。
【0032】参考例1 本発明のペプチドを添加していないヒト血漿の血漿カル
シウム再加時間は124秒、全血凝固時間は330秒、
APTTは26秒であった。
シウム再加時間は124秒、全血凝固時間は330秒、
APTTは26秒であった。
【0033】以下の実施例において、ペプチド合成は、
実施例1のFmoc−Lys (Boc)−レジンの代わり
にそれぞれのペプチドのC末端のアミノ基をすでに結合
させたベンジルオキシベンジルアルコール樹脂(島津
製、例えば実施例6の場合はFmoc−Asp −レジン)
を用いて行ない、他の合成操作及び前述のジスルフィド
結合を形成させる操作は実施例1と同様である。
実施例1のFmoc−Lys (Boc)−レジンの代わり
にそれぞれのペプチドのC末端のアミノ基をすでに結合
させたベンジルオキシベンジルアルコール樹脂(島津
製、例えば実施例6の場合はFmoc−Asp −レジン)
を用いて行ない、他の合成操作及び前述のジスルフィド
結合を形成させる操作は実施例1と同様である。
【0034】実施例2〜23 表2、表3のアミノ酸配列からなるペプチドを合成し、
実施例1と同様にしてジスルフィド結合を形成させた
後、血漿カルシウム再加時間、全血凝固時間およびAP
TTを測定した。その結果を表2及び表3に示す。
実施例1と同様にしてジスルフィド結合を形成させた
後、血漿カルシウム再加時間、全血凝固時間およびAP
TTを測定した。その結果を表2及び表3に示す。
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】比較例1 表4のアミノ酸配列からなるペプチドを合成し、実施例
1と同様にしてジスルフィド結合を形成させた後、血漿
カルシウム再加時間及び全血凝固時間を測定した。その
結果を表4に示す。
1と同様にしてジスルフィド結合を形成させた後、血漿
カルシウム再加時間及び全血凝固時間を測定した。その
結果を表4に示す。
【0038】
【表4】
【0039】ここで実施例2、6、8〜13の例から、
XおよびYが酸性アミノ酸残基、塩基性アミノ酸残基、
非荷電極性アミノ酸残基からなる群より選択される単一
のアミノ酸残基またはこれらのアミノ酸残基の2〜10
個から構成されるペプチド断片であれば効果を発現する
ことが分かる。
XおよびYが酸性アミノ酸残基、塩基性アミノ酸残基、
非荷電極性アミノ酸残基からなる群より選択される単一
のアミノ酸残基またはこれらのアミノ酸残基の2〜10
個から構成されるペプチド断片であれば効果を発現する
ことが分かる。
【0040】また、A1、A2、A3、A4のアミノ酸
残基を変えて合成した実施例14〜23、実施例2及び
比較例1から、A1が中性または塩基性アミノ酸残基、
A2が任意のアミノ酸残基、A3が中性または塩基性ア
ミノ酸残基、A4が塩基性アミノ酸残基または非荷電極
性アミノ酸残基であれば効果を発現することが分かる。
残基を変えて合成した実施例14〜23、実施例2及び
比較例1から、A1が中性または塩基性アミノ酸残基、
A2が任意のアミノ酸残基、A3が中性または塩基性ア
ミノ酸残基、A4が塩基性アミノ酸残基または非荷電極
性アミノ酸残基であれば効果を発現することが分かる。
【0041】比較例2 実施例2のペプチドを、前述のジスルフィド結合を形成
させる操作を行うことなく、生食化リン酸緩衝液(pH
7.4)に溶解し、溶解後すみやかに実施例2と同様の
ペプチド濃度で血漿カルシウム再加時間の測定を行なっ
た結果129秒であった。このときのペプチドのCys 残
基のSH基を定量した結果、1分子あたり1.9であ
り、ジスルフィド結合はほとんど形成されていなかっ
た。
させる操作を行うことなく、生食化リン酸緩衝液(pH
7.4)に溶解し、溶解後すみやかに実施例2と同様の
ペプチド濃度で血漿カルシウム再加時間の測定を行なっ
た結果129秒であった。このときのペプチドのCys 残
基のSH基を定量した結果、1分子あたり1.9であ
り、ジスルフィド結合はほとんど形成されていなかっ
た。
【0042】比較例3 実施例16のペプチドを、前述のジスルフィド結合を形
成させる操作を行うことなく、生食化リン酸緩衝液(p
H7.4)に溶解し、溶解後すみやかに実施例16と同
様のペプチド濃度で血漿カルシウム再加時間の測定を行
なった結果127秒であった。このときのペプチドのCy
s 残基のSH基を定量した結果、1分子あたり1.9で
あり、ジスルフィド結合はほとんど形成されていなかっ
た。以上、比較例1、2の結果は、ジスルフィド結合が
本発明のペプチドにおいて抗血栓性作用発現に必要であ
ることを示している。
成させる操作を行うことなく、生食化リン酸緩衝液(p
H7.4)に溶解し、溶解後すみやかに実施例16と同
様のペプチド濃度で血漿カルシウム再加時間の測定を行
なった結果127秒であった。このときのペプチドのCy
s 残基のSH基を定量した結果、1分子あたり1.9で
あり、ジスルフィド結合はほとんど形成されていなかっ
た。以上、比較例1、2の結果は、ジスルフィド結合が
本発明のペプチドにおいて抗血栓性作用発現に必要であ
ることを示している。
【0043】比較例4 Lys Lys Lys Lys Gly Gly Gly Gly Lys Lys Lys Lys
(配列番号:27)のペプチドを合成し、実施例1と同
様の方法で血漿カルシウム再加凝固時間の測定を行なっ
た結果124秒であった。このことは、Lys の存在のみ
では抗血栓性作用は発現しないことを示している。
(配列番号:27)のペプチドを合成し、実施例1と同
様の方法で血漿カルシウム再加凝固時間の測定を行なっ
た結果124秒であった。このことは、Lys の存在のみ
では抗血栓性作用は発現しないことを示している。
【0044】実施例24 内径10mmの塩化ビニル製のチューブ内面を、0.4
%過マンガン酸カリウムを含む濃硫酸溶液で処理(25
℃で5分間浸漬)した後、蒸留水で30分間洗浄した。
この処理により、チューブ内面には水酸基が導入された
ことがX線光電子分光法(ESCA法)で確認された。
次に、2%(3−グリシドキシプロピル)トリメトキシ
シラン水溶液をチューブ内面に25℃で5分間接触させ
た後、50℃で2時間乾燥させ、蒸留水で2時間洗浄し
た。実施例16で得られた配列番号:16のペプチド1
0mgを蒸留水10mlに溶解しpHを11に調整して
得た液をチューブ内に入れ、37℃で12時間放置し
て、ペプチド固定化チューブを得た。このチューブを1
0cmの長さに切り、その片端を閉じて試験用のチュー
ブを作製した。その中に健常人の新鮮血2mlを注ぎ、
25℃において30秒毎に血液の状態を観察し、血液の
流動性が失われる時間(凝固時間)を測定したところ、
約20分であった。この結果と比較例4の結果とを比較
すると、本発明のペプチド固定化チューブの血液凝固阻
害能は顕著であるといえる。
%過マンガン酸カリウムを含む濃硫酸溶液で処理(25
℃で5分間浸漬)した後、蒸留水で30分間洗浄した。
この処理により、チューブ内面には水酸基が導入された
ことがX線光電子分光法(ESCA法)で確認された。
次に、2%(3−グリシドキシプロピル)トリメトキシ
シラン水溶液をチューブ内面に25℃で5分間接触させ
た後、50℃で2時間乾燥させ、蒸留水で2時間洗浄し
た。実施例16で得られた配列番号:16のペプチド1
0mgを蒸留水10mlに溶解しpHを11に調整して
得た液をチューブ内に入れ、37℃で12時間放置し
て、ペプチド固定化チューブを得た。このチューブを1
0cmの長さに切り、その片端を閉じて試験用のチュー
ブを作製した。その中に健常人の新鮮血2mlを注ぎ、
25℃において30秒毎に血液の状態を観察し、血液の
流動性が失われる時間(凝固時間)を測定したところ、
約20分であった。この結果と比較例4の結果とを比較
すると、本発明のペプチド固定化チューブの血液凝固阻
害能は顕著であるといえる。
【0045】比較例5 本発明のペプチドによる表面処理をしていない内径10
mmの塩化ビニル製のチューブを10cmの長さに切
り、その片端を閉じて試験用のチューブを作製した。そ
の中に健常人の新鮮血2mlを注ぎ、実施例24と同様
の方法で凝固時間を測定したところ、約12分であっ
た。
mmの塩化ビニル製のチューブを10cmの長さに切
り、その片端を閉じて試験用のチューブを作製した。そ
の中に健常人の新鮮血2mlを注ぎ、実施例24と同様
の方法で凝固時間を測定したところ、約12分であっ
た。
【0046】実施例25 実施例16で合成した、前述のジスルフィド結合を形成
させる操作を行ったペプチドをオートクレーブ滅菌(1
21℃、30分間)した後、ペプチド15nモルをヒト
血漿100μlに加えたところ、血漿カルシウム再加時
間は300秒以上、全血凝固時間は750秒であった。
この結果は、本発明のペプチド(配列番号:16)が1
21℃、30分間の条件下でも血液凝固阻害活性をほぼ
完全に保持していることを示す。この性質は、本発明の
ペプチドを血液と接触させる前に滅菌処理することを可
能とするものであり、また使用前の滅菌処理を不可欠と
する医療用具に固定化して使用する場合にも極めて有利
な特長といえる。
させる操作を行ったペプチドをオートクレーブ滅菌(1
21℃、30分間)した後、ペプチド15nモルをヒト
血漿100μlに加えたところ、血漿カルシウム再加時
間は300秒以上、全血凝固時間は750秒であった。
この結果は、本発明のペプチド(配列番号:16)が1
21℃、30分間の条件下でも血液凝固阻害活性をほぼ
完全に保持していることを示す。この性質は、本発明の
ペプチドを血液と接触させる前に滅菌処理することを可
能とするものであり、また使用前の滅菌処理を不可欠と
する医療用具に固定化して使用する場合にも極めて有利
な特長といえる。
【0047】
【発明の効果】本発明のペプチドは、血液凝固に対する
高い阻害活性を有しており、この活性は滅菌条件下でも
極めて安定であり、医薬品用途または医療用具の抗血栓
化処理用途に使用する医療材料に適している。また、本
発明の上記ペプチドを固定化した医療材料を用いた抗血
栓性医療用具も、高い抗凝固活性と安定性を有してお
り、カテーテル、血液回路、血液バッグ、血液透析膜、
人工血管等のように、長期にわたって血液と接触して使
用されるあらゆる医療用具として好適なものである。
高い阻害活性を有しており、この活性は滅菌条件下でも
極めて安定であり、医薬品用途または医療用具の抗血栓
化処理用途に使用する医療材料に適している。また、本
発明の上記ペプチドを固定化した医療材料を用いた抗血
栓性医療用具も、高い抗凝固活性と安定性を有してお
り、カテーテル、血液回路、血液バッグ、血液透析膜、
人工血管等のように、長期にわたって血液と接触して使
用されるあらゆる医療用具として好適なものである。
【0048】
【配列表】配列番号:1 配列の長さ:8 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【0049】配列番号:2 配列の長さ:13 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Lys Lys Lys Lys His Ile Cys Ile Cys Lys Lys Lys Lys 1 5 10
【0050】配列番号:3 配列の長さ:14 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Asp Asp Asp Asp Tyr Ile Cys Ile Cys Lys Lys Lys Lys Lys 1 5 10
【0051】配列番号:4 配列の長さ:13 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Asn Asn Asn Asn His Leu Cys Ile Cys Lys Lys Lys Lys 1 5 10
【0052】配列番号:5 配列の長さ:13 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Lys Lys Lys Ser Tyr Ile Cys Ile Cys Lys Lys Lys Lys 1 5 10
【0053】配列番号:6 配列の長さ:13 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Asp Asp Lys Lys His Ile Cys Ile Cys Lys Lys Asp Asp 1 5 10
【0054】配列番号:7 配列の長さ:13 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Asn Asn Lys Lys Phe Ile Cys Ile Cys Lys Lys Asn Asn 1 5 10
【0055】配列番号:8 配列の長さ:19 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Lys Lys Lys Lys Lys Lys Lys Lys Lys Lys His Ile Cys Ile Cys Lys 1 5 10 15 Lys Lys Lys
【0056】配列番号:9 配列の長さ:20 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Lys Lys Lys Lys His Ile Cys Ile Cys Lys Lys Lys Lys Lys Lys Lys 1 5 10 15 Lys Lys Lys Lys 20
【0057】配列番号:10 配列の長さ:19 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Asp Lys Asp Lys Asp Lys Lys Lys Lys Lys His Ile Cys Ile Cys Lys 1 5 10 15 Lys Asn Lys
【0058】配列番号:11 配列の長さ:27 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Asp Asp Asp Asn Asn Asn Asn Asn Asn Asn His Ile Cys Ile Cys Lys 1 5 10 15 Lys Asp Lys Lys Lys Lys Lys Lys Lys Lys Lys 20 25
【0059】配列番号:12 配列の長さ:9 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【0060】配列番号:13 配列の長さ:9 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【0061】配列番号:14 配列の長さ:13 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Lys Lys Lys Lys His Leu Cys Phe Cys Lys Lys Lys Lys 1 5 10
【0062】配列番号:15 配列の長さ:12 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【0063】配列番号:16 配列の長さ:13 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Lys Lys Lys Lys Val Leu Cys Phe Cys Lys Lys Lys Lys 1 5 10
【0064】配列番号:17 配列の長さ:13 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Lys Lys Lys Lys Tyr Leu Cys Ile Cys Arg Lys Lys Lys 1 5 10
【0065】配列番号:18 配列の長さ:13 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Lys Lys Lys Lys Phe Asp Cys Phe Cys Lys Lys Lys Lys 1 5 10
【0066】配列番号:19 配列の長さ:13 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Lys Lys Lys Lys Tyr Ile Cys Lys Cys Lys Lys Lys Lys 1 5 10
【0067】配列番号:20 配列の長さ:13 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Lys Lys Lys Lys Phe Ile Cys Lys Cys Lys Lys Lys Lys 1 5 10
【0068】配列番号:21 配列の長さ:12 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【0069】配列番号:22 配列の長さ:15 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Lys Lys Lys Lys Lys Tyr Ile Cys Phe Cys Ser Ser Ser Ser Ser 1 5 10 15
【0070】配列番号:23 配列の長さ:14 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Ser Ser Lys Lys Lys Phe Arg Cys Thr Cys Ser Ser Ser Lys 1 5 10
【0071】配列番号:24 配列の長さ:13 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Lys Lys Lys Lys Asp Ile Cys Ile Cys Lys Lys Lys Lys 1 5 10
【0072】配列番号:25 配列の長さ:13 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Lys Lys Lys Lys His Ile Cys Asp Cys Lys Lys Lys Lys 1 5 10
【0073】配列番号:26 配列の長さ:13 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Lys Lys Lys Lys His Ile Cys Ile Cys Asp Lys Lys Lys 1 5 10
【0074】配列番号:27 配列の長さ:12 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07K 17/08
Claims (2)
- 【請求項1】 一般式: H−X−A1−A2−Cys−A3−Cys−A4−Y
−Z (式中、XおよびYは酸性アミノ酸残基、塩基性アミノ
酸残基、非荷電極性アミノ酸残基からなる群より選択さ
れる単一のアミノ酸残基を又はこれらのアミノ酸残基の
2〜10個から構成されるペプチド断片を表わす。A1
は中性アミノ酸残基又は塩基性アミノ酸残基、A2は任
意のアミノ酸残基、A3は中性アミノ酸残基又は塩基性
アミノ酸残基、A4は塩基性アミノ酸残基又は非荷電極
性アミノ酸残基を表わし、Zは水酸基またはアミノ基を
表わす。)で表され、かつ、A2とA3の間のCys残
基、A3とA4の間のCys残基がジスルフィド結合し
ていることを特徴とするペプチド。 - 【請求項2】 請求項1記載のペプチドを血液接触部に
固定化した医療材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7172737A JPH0859694A (ja) | 1994-06-15 | 1995-06-14 | ペプチドおよびこれを固定化した医療材料 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6-158015 | 1994-06-15 | ||
JP15801594 | 1994-06-15 | ||
JP7172737A JPH0859694A (ja) | 1994-06-15 | 1995-06-14 | ペプチドおよびこれを固定化した医療材料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0859694A true JPH0859694A (ja) | 1996-03-05 |
Family
ID=26485277
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7172737A Pending JPH0859694A (ja) | 1994-06-15 | 1995-06-14 | ペプチドおよびこれを固定化した医療材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0859694A (ja) |
-
1995
- 1995-06-14 JP JP7172737A patent/JPH0859694A/ja active Pending
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