JPH10231290A - 核酸結合化合物の調製方法 - Google Patents

核酸結合化合物の調製方法

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JPH10231290A
JPH10231290A JP10025937A JP2593798A JPH10231290A JP H10231290 A JPH10231290 A JP H10231290A JP 10025937 A JP10025937 A JP 10025937A JP 2593798 A JP2593798 A JP 2593798A JP H10231290 A JPH10231290 A JP H10231290A
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amino
carbon atoms
nucleic acid
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JP10025937A
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English (en)
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Hans-Georg Batz
バッツ,ハンス−ゲオルク
Henrick Freitenlund Hansen
フライデンルント ハンセン,ヘンリック
Henrick Olm
オルム,ヘンリック
Troelss Koch
コッホ,トロエルス
Thomas Kofoed
コフォエド,トーマス
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Boehringer Mannheim GmbH
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Abstract

(57)【要約】 【課題】特異的保護/脱保護戦略を用いる核酸結合化合
物の調製方法、かかる合成のために用いる化合物及び選
択的二重標識核酸結合化合物の調製方法を提供するこ
と。 【解決手段】水素結合を介して核酸のヌクレオ塩基への
結合が可能な、バックボーンに結合した複数のリガンド
を含有してなり、該リガンドの少なくとも1つは、中程
度の強塩基により除去可能な第1保護基P1により保護
された1級又は2級アミノ基を含み、該バックボーン
は、式(O): 【化1】 (X1 は、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基及び中
程度の強酸により除去可能なアミノ保護基P2から選択
され、X2 は、中程度の強酸により除去可能なアミノ保
護基P3である)で表される保護されたアミノ基をさら
に含有してなる保護された核酸結合化合物を調製する工
程;該中程度の強酸により除去可能な保護基を除去する
工程;並びに該中程度の強塩基により除去可能な保護基
を除去する工程を含む核酸結合化合物の調製方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特異的保護/脱保
護戦略を用いる核酸結合化合物の調製方法、かかる合成
のために用いる化合物および選択的二重標識核酸結合化
合物の調製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、かなり安定な方法でヌクレオ塩基
対形成を介して核酸を結合している化合物が開発された
(国際公開第92/20702号パンフレット)。かか
る化合物は、固相に結合した出発官能基へのモノマーの
続いて起こる付加に基づく方法で調製される。ペプチド
核酸(PNA)の合成において、Boc基により保護さ
れたアミノ基を含むモノマーが使用される。該モノマー
は、遊離のカルボン酸基を含み、出発官能基であるか、
合成の早期に付着したモノマーを脱保護することにより
遊離となるかのいずれかの固相上のアミノ基と反応す
る。カップリング後、モノマーのBoc保護基を、例え
ば、トリフルオロ酢酸等の中程度の強酸により成長鎖か
ら除去する。
【0003】国際公開第93/12129号パンフレッ
トにおいて、前記合成中にシトシン、アデニンおよびグ
アニンを保護するためにZ基を使用することが提唱され
ている。該基は、例えば、トリフルオロメタンスルホン
酸等の非常に強力な酸により環外アミンにおけるアミノ
基から除去される。
【0004】国際公開第95/17403号パンフレッ
トにおいて、選択的カルバメート保護グアニンモノマー
によるPNAの調製が記載されている。バックボーン上
のアミノ基は、Boc基により保護される。
【0005】欧州特許出願公開第0 672 677号
明細書において、バックボーンのアミノ基上の保護基が
中程度の強塩基により(Fmoc)または弱酸により
(Tr)切断され、塩基の環外アミノ基における保護基
が弱酸により(Tr)または中程度の強塩基により(A
cyl)除去される、核酸類似体の合成方法が記載され
ている。
【0006】現在までに提唱されたこれらの方法は、い
くつかの欠点を有している。それらは、PNA合成にと
って最適でないモノマーを生ずる複雑で高価なモノマー
合成に基づいているか、PNA合成に適するが高含有量
の残留物で汚染している低い回収量の粗材料を生ずる合
成方法に基づくかのいずれかである。塩基のアミノ基に
対する通常用いられるカルバメート保護基(Z)は、厳
しい条件である強酸で切断可能である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、前
記従来技術に鑑みてなされたものであり、本発明の目的
は、特異的保護/脱保護戦略を用いる核酸結合化合物の
調製方法を提供することにある。また、本発明の目的
は、かかる合成のために用いる化合物を提供することに
ある。また、本発明の目的は、選択的二重標識核酸結合
化合物の調製方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の要旨
は、 〔1〕 下記工程: a)水素結合を介して核酸のヌクレオ塩基への結合が可
能な、バックボーンに結合した複数のリガンドを含有し
てなり、該リガンドの少なくとも1つは、中程度の強塩
基により除去可能な第1保護基P1により保護された1
級または2級アミノ基を含み、該バックボーンは、式
(O):
【0009】
【化7】
【0010】(式中、X1 は、水素原子、炭素数1〜3
のアルキル基および中程度の強酸により除去可能なアミ
ノ保護基P2から選択され、X2 は、中程度の強酸によ
り除去可能なアミノ保護基P3である)で表される保護
されたアミノ基をさらに含有してなる、保護された核酸
結合化合物を調製する工程; b)該中程度の強酸により除去可能な保護基を除去する
工程;ならびに c)該中程度の強塩基により除去可能な保護基を除去す
る工程を含む核酸結合化合物の調製方法、 〔2〕 該中程度の強酸により除去可能な保護基がウレ
タン型のアミノ保護基である、前記〔1〕記載の調製方
法、 〔3〕 該ウレタン型の保護基がBoc基である前記
〔2〕記載の調製方法、 〔4〕 該第1保護基が式(IV):
【0011】
【化8】
【0012】(式中、Xは、OおよびSから選択され、
Rは、非置換または炭素数1〜4のアルコキシ基もしく
は置換芳香族基により置換されていてもよい直鎖状また
は分枝鎖状の炭素数1〜6のアルキル基、および非置換
または炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアル
コキシ基、ハロゲンもしくはニトロ基で置換されていて
もよい6〜10個の芳香族炭素原子を含む芳香族基から
選択される)で表される基である、前記〔1〕〜〔3〕
いずれか記載の調製方法、 〔5〕 保護型の該核酸結合化合物が、他のアミノ保護
基のいずれもまたは両方(即ち、P1およびP3、X1
がP2である場合、さらにP2)とも除去されない条件
下で除去可能な第2保護基により保護された1級アミノ
基または2級アミノ基を含有するリガンドをさらに含
む、前記〔1〕記載の調製方法、 〔6〕 該第1および第2保護基が同じ型の塩基に、但
し、異なる位置で結合する、前記〔5〕記載の調製方
法、 〔7〕 該化合物が固相に結合している前記〔1〕記載
の調製方法、 〔8〕 一般式(IIIa)、(IIIb)または(IIIc):
【0013】
【化9】
【0014】〔式中、AおよびBは、それぞれ、下記: (a)Aは、式(I/A)、(I/B)もしくは(I/
C)の基で、Bは、NもしくはR3 + である;または (b)Aは、式(I/D)の基で、Bは、CHである;
のように選択され、
【0015】
【化10】
【0016】(式中、Xは、O、S、Se、NR3 、C
2 またはC(CH3 2 であり;Yは、単結合、O、
SまたはNR4 であり;pおよびqは、それぞれ、0ま
たは1〜5の整数であり;rおよびsは、それぞれ、0
または1〜5の整数であり;R1 およびR2 は、それぞ
れ独立して、水素、ヒドロキシ−もしくは炭素数1〜4
のアルコキシ−もしくは炭素数1〜4のアルキルチオ−
置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、ヒド
ロキシル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜
4のアルキルチオ基、アミノ基およびハロゲンからなる
群より選択され;ならびにR3 およびR4 は、それぞれ
独立して、水素、炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキ
シ−もしくはアルコキシ−もしくはアルキルチオ−置換
された炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシル基、炭
素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルチ
オ基およびアミノ基からなる群より選択される) Cは、(CR6 7 y であり、ここで、R6 は水素、
7 は天然のαアミノ酸の側鎖からなる群より選択され
るか、R6 とR7 は、独立に、水素、炭素数1〜6のア
ルキル基、アリール基、アラルキル基、ヘテロアリール
基、ヒドロキシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭
素数1〜6のアルキルチオ基、NR3 4およびSR5
からなる群より選択され、ここで、R3 とR4 は前記の
ように定義され、R5 は、水素、炭素数1〜6のアルキ
ル基、ヒドロキシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、
または炭素数1〜6のアルキルチオ置換された炭素数1
〜6のアルキル基であるか、R6 とR7 は、一緒になっ
て脂環系もしくは複素環系を形成し;またはCは、C
O、CS、CNR3 である;Dは、、(CR6 7 z
であり、ここで、R6 とR7 は、前記定義するとおりで
あり;yおよびzは、それぞれ、0または1〜10の整
数であり、y+zの合計は少なくとも2であり、Eは、
COOH、CSOH、SOOH、SO2 OHまたはそれ
らの活性化誘導体であり、Fは、式(O):
【0017】
【化11】
【0018】(式中、X1 は、水素原子、炭素数1〜3
のアルキル基および中程度の強酸により除去可能なアミ
ノ保護基P2から選択され、X2 は、中程度の強酸によ
り除去可能なアミノ保護基P3である)で表される基で
あり、ならびにLは、式(V):
【0019】
【化12】
【0020】(式中、X’およびX”は、独立してO−
R’およびNH−R”であり、ここで、R’およびR”
は、保護基であり、Zは、CHまたはNであり、および
Rは、水素、炭素数1〜4のアルキル基、アリール基、
アルキル−アリール基、ハロゲン、ヒドロキシル基、ア
ルコキシ基または標識である)で表される基である〕で
表される化合物、
〔9〕 下記工程: − 水素結合を介して核酸のヌクレオ塩基への結合が可
能な、バックボーンに結合した複数のリガンドを含有し
てなり、該リガンドの少なくとも1つは、中程度の強塩
基により除去可能な第1保護基P1により保護された1
級または2級アミノ基を含み、少なくとも1つのさらな
るリガンドは、他のアミノ保護基が除去されない条件下
で除去可能な第2保護基により保護された1級または2
級アミノ基を含む、保護された核酸結合化合物を提供す
る工程; − 第1未保護アミノ基を産する該第2保護基を除去す
る工程; − 第1標識を第1未保護アミノ基に結合する工程; − 第2未保護アミノ基を産する該第1保護基を除去す
る工程;ならびに − 第2標識を第2未保護アミノ基に結合する工程を含
む、リガンドの2つの選択された部分で標識されている
核酸結合化合物の調製方法、に関する。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の主題は、下記工程: a)水素結合を介して核酸のヌクレオ塩基への結合が可
能な、バックボーンに結合した複数のリガンドを含有し
てなり、該リガンドの少なくとも1つは、中程度の強塩
基により除去可能な第1保護基P1により保護された1
級または2級アミノ基を含み、該バックボーンは、式
(O):
【0022】
【化13】
【0023】(式中、X1 は、水素原子、炭素数1〜3
のアルキル基および中程度の強酸により除去可能である
ことが好ましいアミノ保護基P2からなる群より選択さ
れ、X 2 は、中程度の強酸により除去可能なアミノ保護
基P3である)で表される保護されたアミノ基をさらに
含有してなる、保護された核酸結合化合物を調製する工
程; b)該中程度の強酸により除去可能な保護基P3および
存在するならばP2を除去する工程;ならびに c)該中程度の強塩基により除去可能な保護基P1を除
去する工程を含む核酸結合化合物の調製方法である。
【0024】本発明の目的は、直交の保護基戦略が適用
される合成戦略を提供することにある。
【0025】P2およびP3の一方のみが保護基である
ことが好ましい。
【0026】本発明のさらなる目的は、モノマーおよび
オリゴマー合成を改良することにある。従って、モノマ
ー合成は、前向きに真っ直ぐであり、PNA合成におけ
るこれらのオリゴマー化は、高純度で高収量の粗材料を
提供する。
【0027】本発明のさらなる主題は、シトシン
(C)、アデニン(A)、グアニン(G)または/およ
びジアミノプリン(D)からなるモノマーを含むオリゴ
マーの容易な合成を提供することにある。
【0028】本発明のさらなる目的は、例えば、PNA
/DNAキメラおよびジスルフィドを含有する分子のよ
うなコンジュゲート等、強酸に感受性である分子を調製
するための新規な分子の道具を提供することにある。ま
た、直交保護戦略は、選択的に除去可能で、選択的に二
重標識オリゴマーを調製するために使用可能ないくつか
の異なる保護基で操作する可能性を提供する。
【0029】定義 本発明の保護基とは、付着している官能基を予定外の化
学反応に関与することから防ぐ化学基をいう。該保護基
は、核酸結合化合物の核酸結合特性を破壊することな
く、核酸結合化合物からのバックボーンユニットの予定
外の除去なしに、かかる官能基から除去することができ
る。本発明において、焦点は、モノマーからオリゴマー
の合成中にモノマーのアミノ基を保護する保護基に置か
れる。かかる保護基の例は、P1、P2およびP3であ
る。
【0030】本発明の核酸結合化合物は、塩基対形成を
介して核酸に結合可能な分子である。かかる塩基対形成
は、通常、AとTとの塩基対形成およびCとGとの塩基
対形成等の相補的ヌクレオ塩基間の水素結合により起こ
る。核酸結合化合物は、原理的には2つの方法で核酸に
結合できる。第1の場合、核酸結合化合物の一方の鎖が
核酸の一方の鎖の選択された領域に結合し、そうするこ
とにより、二重らせん鎖、即ち、二本鎖を形成し、また
は、核酸結合化合物の2つの分子が核酸の選択された領
域と複合体を形成し、そうすることにより、三重らせん
鎖、即ち、三本鎖を形成する。かかる核酸結合化合物
は、当該技術分野において、例えば、国際公開第92/
20702号パンフレットから公知のものであってもよ
い。同一に繰り返されたバックボーン部分を有するPN
Aのみならず、バックボーンが異なるモノマーバックボ
ーンサブユニットにより作られる核酸結合化合物も本発
明により包含される。かかる化合物は、例えば、国際公
開第95/14706号パンフレットに記載されてお
り、その内容は、核酸結合化合物の構造を定義するため
に本明細書に取り込まれる。さらに、ペプチド結合モノ
マーとオリゴヌクレオチドサブユニットの混合構造が開
示されている欧州特許出願公開第0 672 677号
明細書に開示された化合物も包含される。さらに、国際
公開第96/20212号パンフレット及び欧州特許出
願公開第0 700 928号明細書に開示された化合
物も包含される。
【0031】リガンドは、水素、フェニル基、融合芳香
族基、複素環基、天然のヌクレオ塩基および非天然のヌ
クレオ塩基ならびにレポーター基からなる群より優先的
に選択される。天然のヌクレオ塩基の例は、例えば、チ
ミン、シトシン、アデニンおよびグアニン等の主要なヌ
クレオ塩基またはイノシン、5−メチルシトシンもしく
はチオウラシル等のまれな塩基である。非天然のヌクレ
オ塩基の例は、7−デアザ−グアニンである。融合芳香
族基の例は、ナフトールである。複素環基は、ピリジン
である。レポーター基は、フルオレッセイン等の蛍光化
合物のような検出可能な基、またはハプテンに対する抗
体により認識可能なハプテンのような別の分子存在によ
り認識可能な基である。核酸結合化合物の核酸に対する
結合を達成させるために、核酸結合化合物は、通常、核
酸のヌクレオ塩基への塩基対形成のためのリガンドとし
て十分な数の、例えば、少なくとも6個のヌクレオ塩基
を含む。例えば、付着したヌクレオ塩基を有するバック
ボーンの末端に、該バックボーンは、ヌクレオ塩基以外
のリガンドを含んでもよい。
【0032】核酸結合化合物のバックボーンは、リガン
ドが異なる部位で結合してもよい直線様式で配置された
サブユニットを含む基が好ましい。本発明の核酸結合化
合物のバックボーンは、末端の一方で少なくとも1つの
1級アミノ基または2級アミノ基を含む。しかしなが
ら、該バックボーンは、追加のアミノ基、具体的には、
該サブユニットの別のサブユニットへの付着に使用され
る1つのモノマーサブユニットのアミノ基を含むことが
好ましく、この別のサブユニットのカルボン酸基を介す
ることが好ましい。該バックボーンのサブユニットは、
リガンドを考慮することなく同一であることが好まし
い。しかしながら、アミノ基とカルボキシル基を含むサ
ブユニットは、付着のための他の官能基を含むサブユニ
ットと混合してもよい。
【0033】標識は、通常、核酸結合化合物の存在を決
定するために検出可能であるか検出可能に作製され得る
基であるとして、当業者に公知である。従って、標識
は、光度計または核酸結合化合物の残部由来の免疫反応
性および核酸のような決定対象のいかなる化合物による
ような他の手段により、識別可能であるべきである。よ
く知られた標識は、フルオレッセイン等の蛍光標識、ル
テニウム錯体等の電気化学発光、ビオチンまたはジゴキ
シゲニンである。
【0034】本発明における粗材料とは、さらなる作製
もなく、合成された固相から直接溶出された核酸結合化
合物である。かかる粗材料の収量は、使用したモノマー
の量から計算された理論収量から計算され、溶出液中に
含まれる核酸結合化合物の量と比較する。
【0035】カルボン酸(COOH)基とアミノ(NH
2 )基との反応は、当業者によく知られているので、ポ
リマーバックボーンが隣接モノマーサブユニット(モノ
マー)のカルボン酸基とアミノ基との間のアミド結合を
含む核酸結合化合物は、最近重要になっている。一般的
な反応は、例えば、ある蛋白質の特異的エピトープ部分
であってもよいペプチドを生成させるためのアミノ酸の
重合化の合成からよく知られている。しかしながら、ペ
プチド合成は、通常、核酸に対するいかなる塩基対形成
も斟酌しない。核酸への塩基対形成は、核酸上のヌクレ
オ塩基に結合可能な複数のリガンドがペプチドバックボ
ーンまたは偽ペプチドバックボーンに付着したことによ
り達成可能である。かかる鎖間の結合は、反応性アミノ
基(プロトン供与体)と酸素または窒素(プロトン受容
体)のいずれかを要する水素結合を介して提供されるこ
とが多い。
【0036】本発明により製造され得る核酸結合化合物
は、国際公開第92/20702号パンフレットに例示
されている。好ましいペプチド核酸は、アザ窒素原子を
介して偽ペプチドバックボーンに連結するリガンドを含
むということを特徴とする。かかるアザ窒素原子の他
に、少なくともいくつかのモノマービルディングブロッ
クがアミド結合(−CONH−)を用いて互いに連結し
ていることが最も好ましい。好ましいペプチド核酸を、
式(I)で示す:
【0037】
【化14】
【0038】〔式中、nは、少なくとも3以上の整数で
あり、xは、2〜n−1の整数であり、L1 〜Ln は、
それぞれ独立して、水素、ヒドロキシル基、炭素数1〜
4のアルカノイル基、天然のヌクレオ塩基、非天然のヌ
クレオ塩基、芳香族基、DNAインターカーレーター、
ヌクレオ塩基結合基、複素環基、レポーターリガンドお
よびキレート基からなる群より選択されたリガンドであ
り、少なくとも1つのL1〜Ln は1級または2級アミ
ノ基を含有し;C1 〜Cn は、それぞれ、(CR
6 7 y (CR6 7 、CHR6 CHR7 またはCR
6 7 CH2 が好ましい)であり、ここで、R6 は水
素、R7 は天然のαアミノ酸の側鎖からなる群より選択
されるか、R6 とR7 は、独立に、水素、炭素数1〜6
のアルキル基、アリール基、アラルキル基、ヘテロアリ
ール基、ヒドロキシル基、炭素数1〜6のアルコキシ
基、炭素数1〜6のアルキルチオ基、NR3 4 および
SR5 からなる群より選択され、ここで、R3 とR4
以下のように定義され、R5 は、水素、炭素数1〜6の
アルキル基、ヒドロキシル基、炭素数1〜6のアルコキ
シ基、または炭素数1〜6のアルキルチオ置換された炭
素数1〜6のアルキル基であるか、R6 とR7 は、一緒
になって脂環系もしくは複素環系を形成し;またはC1
〜Cn は、CO、CS、CNR3 である;D1 〜D
n は、それぞれ、(CR6 7 z (CR6 7 、CH
6 CHR7 またはCH2 CR6 7 が好ましい)であ
り、ここで、R6 とR7 は、前記定義するとおりであ
り;yおよびzは、それぞれ、0または1〜10の整数
であり、y+zの合計は少なくとも2であり、好ましく
は、2を越えるが10以下であり、G1 〜Gn-1 は、そ
れぞれ、−NR3 CO−、−NR3 CS−、−NR3
O−または−NR3 SO2 −のいずれの向きでもよく、
ここで、R3 は、以下に定義するとおりであり;A1
n とB1 〜Bn は、それぞれ、下記: (a)A1 〜An は、式(I/A)、(I/B)もしく
は(I/C)の基で、B 1 〜Bn は、NもしくはR3
+ である;または (b)A1 〜An は、式(I/D)の基で、B1 〜Bn
は、CHである;ように選択される。
【0039】
【化15】
【0040】(式中、Xは、O、S、Se、NR3 、C
2 またはC(CH3 2 であり;Yは、単結合、O、
SまたはNR4 であり;pおよびqは、それぞれ、0ま
たは1〜5の整数であり(p+qの合計は、5以下であ
ることが好ましい);rおよびsは、それぞれ、0また
は1〜5の整数であり(r+sの合計は、5以下である
ことが好ましい);R1 およびR2 は、それぞれ独立し
て、水素、ヒドロキシ−もしくは炭素数1〜4のアルコ
キシ−もしくは炭素数1〜4のアルキルチオ−置換され
ていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシル
基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアル
キルチオ基、アミノ基およびハロゲンからなる群より選
択され;ならびにR3 およびR4 は、それぞれ独立し
て、水素、炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシ−も
しくはアルコキシ−もしくはアルキルチオ−置換された
炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシル基、炭素数1
〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルチオ基お
よびアミノ基からなる群より選択され;QおよびIは、
独立して、NH2 、CONH2 、COOH、水素、炭素
数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のO−アルキル
基、アミノ保護基により保護されたアミノ基、レポータ
ーリガンド、インターカーレーター、キレート剤、ペプ
チド、蛋白質、炭水化物、脂肪、ステロイド、ヌクレオ
シド、ヌクレオチド、ヌクレオチドジホスフェート、ヌ
クレオチドトリホスフェート、オリゴリボヌクレオチド
とオリゴデオキシリボヌクレオチドの両方を含むオリゴ
ヌクレオチド、オリゴヌクレオシドおよび可溶性および
非可溶性ポリマーならびに核酸結合基からなる群より選
択され、x1およびy1は、それぞれ、0〜10までの
整数である)
【0041】最も好ましい核酸結合化合物は、一般式
(II):
【0042】
【化16】
【0043】(式中、Lは、L1 〜Ln に対して前記定
義されたリガンドであり、k、lおよびmは、独立に0
または1〜5までの整数であり、pは、0または1であ
り、R7 は、水素および天然のαアミノ酸の側鎖からな
る群より選択される)で表されるモノマーサブユニット
の少なくとも1つを含むものである。
【0044】本発明の保護された核酸結合化合物は、該
リガンドの少なくとも1個の1級または2級アミンが、
中程度の強塩基により除去可能な第1保護基P1により
保護され、バックボーンが式(O):
【0045】
【化17】
【0046】(式中、X1 は、水素原子、炭素数1〜3
のアルキル基および中程度の強酸により除去可能である
ことが好ましいアミノ保護基P2からなる群より選択さ
れ、X 2 は、中程度の強酸により除去可能なアミノ保護
基P3である)で表される保護されたアミノ基を含む。
【0047】これらの保護された化合物は、例えば、非
可溶性ポリマー等の固相に付着されることが好ましく、
保護された核酸結合化合物の一方の末端が固相に結合さ
れる、即ち、式(I)中のIまたはQが、例えば、化合
物がDn とIまたはC1 とQの間のカルボニル基を介し
て結合した官能アミノ基を含有するポリスチレン等の非
可溶性ポリマーであるように定義することが最も好まし
い。かかる固相への結合は、よく知られており、PNA
に対する従来技術で適用される。これらの化合物は、さ
らなる保護官能基を含んでもよい。
【0048】さらに、本発明は、該保護された核酸結合
化合物の調製を含む該核酸結合化合物の調製方法を示
す。この化学合成中に、モノマーバックボーンビルディ
ングブロック上のアミノ基の保護が必要である。該モノ
マービルディングブロックの付着中に、保護基は付着し
たままであるが、モノマービルディングブロックの付着
後に保護基が除去され、続くモノマービルディングブロ
ックの付着等により、バックボーンはさらに伸長され
る。この合成の間に、国際公開第92/20702号明
細書に開示されたモノマービルディングブロックを、い
かなる遊離の1級または2級アミノ基も含まない付着リ
ガンドを有するいかなるモノマー化合物にも使用でき
る。最高の効率を達成させるために、例えば、式(I)
内のバックボーンでの保護基が、中程度の強塩基により
除去可能な第1保護基により保護された1級または2級
アミノ基を含むリガンドを有するモノマー中のものと同
一となるように選択されることが好ましい。従って、少
なくとも1個のモノマーが、一般式(IIIa)、(IIIb)
および(IIIc):
【0049】
【化18】
【0050】(式中、Aは、式(I)のA1 〜An の定
義から選択され、Bは、式(I)のB1 〜Bn の定義か
ら選択され、Cは、式(I)のC1 〜Cn の定義から選
択され、Dは、式(I)のD1 〜Dn の定義から選択さ
れ、Eは、COOH、CSOH、SOOH、SO2 OH
またはそれらの活性化誘導体、例えば、N−ヒドロキシ
ルスクシンイミドエステルのような活性化エステルであ
り、Fは、式(O)で表される基であり、およびLは、
中程度の強塩基により除去可能な第1保護基により保護
されることが好ましい1級または2級アミノ基を含むリ
ガンドである)の1つを有する。
【0051】保護された核酸結合化合物Eの化学合成に
おいて、活性化Eを固相または該反応基Eと反応可能な
調製対象の核酸結合化合物の成長鎖と反応させ、そうす
ることにより、該モノマービルディングブロックを固相
または調製対象の核酸結合化合物の成長鎖に付着させ
る。該反応基と反応させるつもりの基以外のすべての基
が、かかる反応に対して保護されていることが好まし
い。
【0052】かかる反応後、調製対象の核酸結合化合物
が現に付着しているよりも多くのモノマーユニットを含
んでいるならば、中程度の強酸を用いてバックボーンア
ミノ保護基を除去する。ウレタン型の保護基が好まし
い。かかる保護基は、通常、ペプチド合成ならびに国際
公開第92/20702号パンフレットに開示された合
成から公知である。有用なアミノ保護基は、以下の必要
条件をおおまかに満たすものである:(1)穏和な酸に
対する安定性(有意にカルボキシル基により攻撃されな
い);(2)穏和な塩基または求核物に対する安定性
(有意に該当アミノ基により攻撃されない);(3)ア
シル化に対する耐性(有意に活性化カルボン酸により攻
撃されない);および(4)保護基は重大な副反応なし
にほとんど定量的に除去されなければならない。かかる
保護基の好ましい種は、tert−ブチルカルバメート
(Boc)基である (Carpino, J. Am. Chem. Soc., 19
57, 79, 4427; McKay ら、J. Am. Chem. Soc., 1957, 7
9, 4686; Anderson ら、J. Am.Chem. Soc., 1957, 79,
6180)。他の好適なカルバメートは、1−メチル−1−
フェニルエチルカルバメート、1−メチル−1−(4−
ビフェニルイル)エチルカルバメート、1−メチルシク
ロブチルカルバメート、アリルカルバメート、シンナミ
ルカルバメート、8−キノリルカルバメート、5−ベン
ズイソオキサゾリルメチルカルバメート、N−ピバロイ
ルオキシメチル、N,N’−イソプロピリデンおよびN
−ベンジリデンである(Greene & Wuts,「有機合成にお
ける保護基」、John Wiley & sons, 1991)。また、1−
メチルシクロヘキシルカルバメート、1−メチル−1−
シクロプロピルカルバメート(Brady ら、J. Org. Che
m., 1977, 143, 42) 、1,1−ジフェニルメチルカル
バメート、1,1−ジ(4−メチルフェニル)メチルカ
ルバメート、1,1−ジメチルプロペニルカルバメート
(Sieber & Iselin, Helv. Chim. Act., 1968, 614, 5
1) 、1−アダマンチルカルバメート (J. Am. Chem. So
c., 1966, 79, 1988)は最も好ましい化合物である。
【0053】本発明の中程度の強酸は、通常、2〜−4
のpKa値を有し、2〜−2のpKa値が好ましい。か
かる中程度の強酸は、例えば、トリフルオロ酢酸(TF
A)およびトリクロロ酢酸(TCA)である。中間体核
酸結合化合物から保護基を除去するために、オリゴマー
に連結した樹脂(固相)を好ましい酸と合計5〜10分
間処理するように、これらを処理することが好ましい。
酸処理は、全体で5〜10分間の2つの連続した処理に
より行なわれることが好ましい。カップリング工程の前
に、樹脂を有機溶媒を用いて徹底的に洗浄する。かかる
条件下では、保護基P1は、リガンドの1級または2級
アミノ基から除去されないことが好ましい。
【0054】かかる条件は、例えば、国際公開第92/
20702号パンフレットに記載されている。
【0055】式(O)においては、X1 とX2 の1つの
みを保護基となるように選択すること(立体的理由等の
ため)が好ましい。他の基は、X2 の窒素原子に対する
結合を本質的に阻害しない部分の基から選択される。か
かる他の基は、水素および低級アルキル基(炭素数1〜
6)から選択されることが好ましい。
【0056】中程度の強塩基により除去可能な保護基P
1は、該モノマーのカルボン酸基と反応すること等によ
る鎖の伸長に予定されたモノマーとの反応から、リガン
ドLの1級または2級アミノ基を保護する。かかる1級
または2級アミノ基は、ヌクレオ塩基上の環外アミノ基
であることが好ましい。好ましい保護基P1は、式(I
V):
【0057】
【化19】
【0058】(式中、Xは、OまたはSであり、Rは、
非置換または炭素数1〜4のアルコキシ基もしくは置換
芳香族基により置換されていてもよい直鎖状または分枝
鎖状の炭素数1〜6のアルキル基、および非置換または
炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ
基、ハロゲン(好ましくはCl)もしくはニトロ基で置
換されていてもよい6〜10個の芳香族炭素原子を含む
芳香族基から選択される)で表される。
【0059】式(IV)で表される最も好ましい保護基
は、アシル基であり、アセチル、イソブタノイル、ベン
ゾイル、フェノキシアセチル、4−(t−ブチル)−ベ
ンゾイル、4−(t−ブチル)−フェノキシアセチルお
よび4−(メトキシ)−ベンゾイルが特に好ましい。
【0060】本発明の中程度の強塩基は、通常、8〜1
5のpKa値を有し、8〜12のpKa値が好ましい。
かかる中程度の強塩基は、例えば、それぞれが水溶液/
有機溶液中のアンモニア、メチルアミン、エチルアミ
ン、ピレリジンおよびジメチルアミンである。
【0061】リガンド保護基P1の除去は、数分から数
時間にわたる時間で保護ユニットの塩基処理により行な
われる。必要な脱保護時間は、中程度の強塩基の活量に
より決定される。アンモニアを保護されたリガンドの脱
保護のために使用した場合、条件は、通常、60℃で一
晩の処理を含む。アルキルアミンは、通常、より低温で
より速く脱保護する。アミンは、水または有機溶媒、好
ましくはアルコールのいずれかに溶解させる。オリゴマ
ーが樹脂から切断されず、特異的リガンド保護基のみが
除去されるならば、溶液(脱保護混合物)を濾過により
除去し、オリゴが連結した樹脂のさらなる操作を行なう
ことができる。オリゴマーが塩基処理の間樹脂から切断
されるならば、オリゴマーを含む脱保護混合物を樹脂か
ら洗い出して、溶媒を蒸発により除去することができ
る。
【0062】1級アミノ基は、−NH2 基である。2級
アミノ基は、−NH−基である。好ましい塩基不安定保
護基により保護された1級アミノ基を含む好ましいリガ
ンドは、アデニン(6位に環外アミノ基)、グアニン
(2位に環外アミノ基)、シトシン(4位に環外アミノ
基)およびジアミノプリン(2位および6位の一方また
は両方に環外アミノ基)である。グアニンに対しては、
前記アルキル基の第1セットにより、またはO−ベンジ
ル等の他の適当な酸素保護基により6位のヒドロキシル
基を保護することも可能である。
【0063】式(IIIa)〜(IIIc)のモノマーは、収束
合成戦略により調製されることが好ましく、従って、保
護されたバックボーンユニットおよび保護されたリガン
ド(塩基等)をまず別々の経路で調製し、次いで、一緒
に連結する。バックボーンを、Boc保護アミノ−アセ
トアルデヒドをアルキルグリシネート等の保護α−アミ
ノ酸と反応させることにより調製する。塩基を、まずα
−ハロ酢酸誘導体でアルキル化し、次いで、反応性位置
で保護することが好ましい。次いで、保護かつアルキル
化されたリガンド(塩基)を、アミド結合を介して、バ
ックボーンユニットの中心の2級アミンにカップリング
する。
【0064】予定したまたは必要とされる数のモノマー
サブユニットを固相へ付着したときに、最終保護核酸結
合化合物が準備される。それは、アミノ基、特にリガン
ドにおける保護型のアミノ基を含む。ほとんどの場合、
かかる保護化合物は、所望の核酸結合特性を有さないで
あろう。従って、最終核酸結合化合物を調製するため
に、保護基を除去することが必要である。保護基P1を
除去するために、化合物を中程度の塩基での処理に供す
る。
【0065】固相上で核酸結合化合物を合成するなら
ば、合成した固相から化合物を切断することが望まれ
る。この切断のための条件は、第1モノマーの固相への
付着に使用されるリンカーに依存する。かかる結合と切
断も、国際公開第92/20702号パンフレットに開
示されている。
【0066】さらに、直交保護戦略により、本発明は、
異なる保護基により1つの核酸結合化合物内で異なるリ
ガンドを保護する方法を提供する。該方法は、1つの配
列内に特異的かつ一定の位置で標識リガンドの調製を可
能にする。保護型の核酸結合化合物は、化学合成中に、
保護された1級または2級アミノ基を有するリガンドを
結合した第1モノマーバックボーンユニット、次いで、
第1モノマーバックボーンユニットと同一または好まし
くは異なってもよいリガンドを産する次のモノマーバッ
クボーンユニットを使用することにより調製される。次
の付着モノマーユニットが、第1保護基が除去される条
件とは異なる条件下で除去可能な保護基により保護され
た1級または2級アミノ基を含むならば、この保護基を
選択的に除去することができる。
【0067】本発明の方法の第1の態様において、第1
モノマー塩基ユニット上に位置する第1保護基P1は、
前に開示したような中程度の強塩基により除去可能であ
るが、第2モノマー塩基ユニット上に位置する第2保護
基P2は、強酸により除去可能である。バックボーン上
のアミノ保護基は、両モノマーに対して中程度の強酸に
より除去可能である。
【0068】本発明の第2の態様において、第1モノマ
ー塩基ユニットの塩基上に位置する第1保護基P1は、
前に開示したような中程度の強塩基により除去可能であ
るが、第2モノマーユニットの塩基上に位置する第2保
護基は、他の塩基により除去可能である。後者の例は、
ピペリジンおよび1,8−ジアザビシクロ(5,4,
0)ウンデカ−7−エン(DBU)等の立体障害性の中
程度の強塩基により除去可能なFmoc基である。バッ
クボーン上のアミノ保護基は、両モノマーに対する中程
度の強酸により除去可能である。この保護基の組み合わ
せは、Fmoc基をバックボーン上の1級アミンを保護
するために使用し、前記定義されたような中程度の強塩
基により除去可能な基と中程度の強酸で除去可能な基と
の組み合わせにより塩基が保護されるように組むことも
可能である。
【0069】本発明のさらに別の態様において、第1モ
ノマー塩基ユニット上に位置する第1保護基P1は、前
に開示したような中程度の強塩基により除去可能である
が、第2モノマー塩基ユニット上に位置する第2保護基
は、弱酸により除去可能である。後者の例は、トリフェ
ニルメチル(Trt),モノ−またはジ−メトキシ−ト
リフェニルメチル(Mmt,Dmt)であってもよい。
次いで、バックボーン上のアミノ保護基は、Fmocで
あってもよい。この態様において、組み合わせは、バッ
クボーン上の1級アミンを保護するための弱酸により除
去可能な保護基を有することにより構成されてもよく、
塩基は、中程度の強塩基により除去可能な保護基とFm
oc基との組み合わせにより保護されてもよい。
【0070】弱酸とは、2〜6のpKa値を有すると定
義される。
【0071】選択的または非選択的に除去可能なさらに
異なる保護基により保護されるさらなるモノマーバック
ボーンユニットが存在してもよい。すべて異なったリガ
ンドで保護されたモノマーバックボーンユニットは、決
定対象の核酸に対する相補性等の特別な目的に要求され
るヌクレオ塩基配列に依存して、保護される核酸結合化
合物内のいかなる位置に位置してもよい。
【0072】選択的に切断可能な保護基を有する保護型
のかかる核酸結合化合物を用いることは、異なる標識の
核酸結合化合物の調製を容易にする。かかる方法におい
て、該第1および第2保護基の一方のみを選択的に除去
し、バックボーンのアミノ保護基を除去しない条件下
で、保護型の核酸結合化合物をインキュベートする。こ
れらの条件下では、核酸結合化合物の結合している固相
からのいかなる切断も起こらないことが好ましい。弱酸
により除去可能な保護基である第2保護基の好ましい場
合において、保護型の核酸結合化合物を、例えば、モノ
−/またはジ−/またはトリ−クロロ酢酸等の弱酸と接
触させる。次いで、リガンド上のヒドロキシル基または
環外アミノ基等の現未保護官能基を、この基への付着対
象の第1標識の反応種と反応させる。
【0073】次の工程において、他のリガンドのいかな
る第1保護基も除去する。好ましい場合において、この
ことは、保護型の核酸結合化合物を中程度の強塩基に適
用することによりなされ、そうすることにより、該リガ
ンドで遊離の1級または2級アミノ基を用意するが、前
もって付着させた標識基、即ち、バックボーン上のアミ
ノ保護基X1 とX2 の結合に影響せず、オリゴマーが依
然として固相に結合しているならば、固相への付着も損
なわれていない。
【0074】次いで、リガンドの現利用可能な1級また
は2級アミノ基を、第2標識の反応種と反応させる。次
いで、現ビス−標識保護核酸結合化合物を、X1 および
2等のいかなるさらなる保護基も除去することによ
り、全体的に脱保護してもよく、オリゴマーが依然とし
て固体支持体に結合しているならば、オリゴマーは、支
持体から除去される。さらに、具体的にはバックボーン
上で保護基が除去されるアミノ基は、該標識の反応種と
この基を反応させることにより第3のまたはさらなる標
識を付着させるために用いることができる。その後、オ
リゴマーが固体支持体に結合するならば、該化合物を固
相から除去してもよい。この戦略は、ヒドロキシル基ま
たはアミノ基が、バックボーンおよび/またはリガンド
内で利用可能であるとき、官能基と同じ数の標識に適用
してもよい。保護基の除去条件が互いに異なるにつれ
て、標識の結合選択性が高くなることは、当業者にとっ
て明らかである。
【0075】脱保護された官能基への標識の付着は、リ
ガンドまたはバックボーンでの官能基の縮合を誘導する
化合物、例えば、標識上のカルボン酸により達成されて
もよい。標識を結合する別の様式は、活性化エステル等
の該標識の反応種を使用することである。かかる反応種
は、当業者によく知られている。
【0076】本発明のさらなる主題は、リガンドの2つ
の選択的部分で標識された核酸結合化合物(オリゴマ
ー)の調製方法である。この方法は、下記工程: 1.水素結合を介して核酸のヌクレオ塩基への結合が可
能な複数のリガンドを有するバックボーンを含み、該リ
ガンドの少なくとも1つは、中程度の強塩基により除去
可能な第1保護基P1により保護された1級または2級
アミノ基を含み、少なくとも1つのさらなるリガンド
は、第1アミノ保護基P1が除去されない条件下で除去
可能な第2保護基により保護された1級または2級アミ
ノ基を含む保護された核酸結合化合物(オリゴマー)を
提供する工程、 2.該第2保護基を除去し、そうすることにより第1未
保護1級または2級アミノ基を生ずる工程、 3.第1標識(例えば、ビオチン)を該第1未保護アミ
ノ基に結合する工程、 4.該第1保護基P1を除去し、そうすることにより第
2未保護アミノ基を生ずる工程、 5.第2標識(例えば、ルテニウム錯体)を該第2未保
護アミノ基に結合する工程を含む。
【0077】次いで、必要ならば、生成した化合物を完
全に脱保護し、化合物が生成した固相から切断する。
【0078】本発明のさらなる主題は、一般式(IVa
)、(IVb )または(IVc ):
【0079】
【化20】
【0080】〔式中、A、B、C、D、EおよびFは、
式(IIIa)、(IIIb)および(IIIc)に対して定義され
たとおりであり、Lは、式(V):
【0081】
【化21】
【0082】(式中、X’およびX”は、独立して、O
−R’およびNH−R”から選択され、ここで、R’お
よびR”は保護基であり、Zは、CHまたはNであり、
Rは、水素、炭素数1〜4のアルキル基、アリール基、
アルキル−アリール基、ハロゲン、ヒドロキシル基、ア
ルコキシ基または前記定義された標識である)で表され
る基である〕で表される化合物である。
【0083】式(V)において、保護基R’およびR”
は異なることが好ましい。従って、R’は中程度の強酸
により除去可能なベンジル等の保護基であることが好ま
しく、R”は、中程度の強塩基により除去可能な、例え
ば、アセチル、イソブチリルおよびベンゾイルのアシル
基またはアロイル基等の保護基であることが好ましく、
R”は水素であってもよい。
【0084】X’およびX”が両方ともNH−R”であ
る場合は、R”は、同一または異なってもよい。R”
は、式(IV):
【0085】
【化22】
【0086】(式中、XはOおよびSであり、Rは、非
置換または炭素数1〜4のアルコキシ基もしくは置換芳
香族基により置換されていてもよい直鎖状または分枝鎖
状の炭素数1〜6のアルキル基、および非置換または炭
素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ
基、ハロゲン(好ましくはCl)もしくはニトロ基で置
換されていてもよい6〜10個の芳香族炭素原子を含む
芳香族基から選択される)で表される基であることが好
ましい。
【0087】イソブチルまたはアセチル基であることが
最も好ましい。
【0088】一般式(V)のリガンドの好ましい例は、
ジ/モノ−保護ジアミノプリンおよびジ保護グアノシン
である。
【0089】新規な戦略の有利な点は、粗生成物の高収
量、モノマーの迅速なカップリング速度および大量生産
の容易性である。さらに、キメラ化合物も調製すること
ができる。S−S含有化合物等の非常に感受性のある化
合物でさえも、この戦略を使用して調製することができ
る。さらに、新規な戦略は、塩基としてA、GまたはD
を含む混合配列核酸結合パートナーの調製に有利であ
る。
【0090】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明する。
【0091】一般 使用したすべての試薬は、分析等級であり、アルドリッ
チ(Aldrich)製である。HATUは、パーセプティブ
バイオシステムズ(PerSeptive Biosystems、MA) から購
入した。MBHA樹脂は、ノババイオケム(NovaBioche
m、スイス) から購入した。EZ−LinkTMNHS−
SS−ビオチンは、ピアース(Pierce 、IL) から購入し
た。ビス−(2,2’−ビピ)−4−(4−(4’−M
e−2,2’−ビピ))−ブタン酸−ルテニウム(II)−
ビス−ヘキサフルオロホスフェートは、ベーリンガーマ
ンハイム(Boehringer Mannheim) GmbHから購入し
た。N−MMT−(CH2)−アミノモディファイヤー
は、クローンテック パロ アルト(Clontech Palo Alt
o 、CA、米国) から購入した。実施例に使用したオリゴ
マーは、直鎖状で、一本鎖である。
【0092】実施例において例示された反応に対して、
合成の流れ図と化合物番号を示す図が参照される。
【0093】略号: HOBt: 1−ヒドロキシルベンゾトリアゾール DCM: ジクロロメタン MBHA: メチル−ベンズヒドリルアミン PAM: フェニルアセトアミドメチル HATU: O−(7−アザベンゾトリアゾール−1
−イル)−1,1,3,3,−テトラメチルウロニウム
ヘキサフルオロホスフェート DIEA: ジイソプロピルアミン Ado: 8−アミノ−3,6,−ジオキサ−オク
タン酸
【0094】実施例1 モノマーの調製 1−(ベンジルオキシカルボニルメチル)−4−アミノ
−2−オキソ−ピリミジン(2) DMF(400mL)中のシトシン(1)(20g、1
80mmol)溶液に、磁石で攪拌しながら、水素化ナ
トリウム(8.35gの60%懸濁液)を添加した。混
合物を、さらなるH2 の発生が見られなくなった後、5
0℃で2時間維持した。冷却(30℃未満)後、ベンジ
ル−2−ブロモアセテート(45.75g、31.6m
L、200mmol)を1時間かけて滴下して加え、溶
液を室温で一晩攪拌した。冷却後、粗生成物を濾過によ
り得て、炭酸水素ナトリウム溶液(6%、400mL)
とともに攪拌し、濾過して水とジエチルエーテルで洗浄
した。収量:20g(43%)。
【0095】1−(ベンジルオキシカルボニルメチル)
−N4 −(ベンゾイル)−4−アミノ−2−オキソ−ピ
リミジン(3) ピリジン(100mL)中の1−(ベンジルオキシカル
ボニルメチル)−4−アミノ−2−オキソ−ピリミジン
(2)(10.0g、38.6mmol)の懸濁液に、
10分間かけてベンゾイルクロリド(5.2mL)を滴
下して加えた。室温で3時間放置した後、追加のベンゾ
イルクロリド(1mL)を添加し、混合物を1時間攪拌
した。メタノール(10mL)を添加し、減圧下での蒸
発により溶媒を除去した。粗生成物を、トルエンで共蒸
発させた。エタノール(約1L)からの再結晶化により
純粋な生成物(3)を得た。収量:12.1g(86
%)。
【0096】1−(カルボキシメチル)−N4−(ベン
ゾイル)−4−アミノ−2−オキソ−ピリミジン(4) 1−(ベンジルオキシカルボニルメチル)−N4 −(ベ
ンゾイル)−4−アミノ−2−オキソ−ピリミジン
(3)(9.2g、25.3mmol)を、水(400
mL)およびTHF(50mL)の混合液中で懸濁した
後、LiOH(1M溶液、75mL、75mmol)を
添加した。1時間後、溶液を濾過し、減圧下で濃縮し
た。粗生成物を水に再溶解させ、2N NaHSO4
溶液でpHを2.8に調整すると生成物(4)が沈澱し
た。収量:5.1g(78%)。
【0097】N−((N4 −(ベンゾイル)−4−アミ
ノ−2−オキソ−ピリミジン−1−イル)アセチル)−
N−(2−Boc−アミノエチル)−グリシンメチルエ
ステル(6) Bocバックボーン(5)(1.0g、4.3mmo
l)をDMF(5mL)に溶解し、HOBt(670m
g、5mmol)、1−(カルボキシメチル)−N4
(ベンゾイル)−4−アミノ−2−オキソ−ピリミジン
(4)(1.12g、4.1mmol)およびDCC
(1.0g、4.8mmol)を添加した。混合物を室
温で3時間攪拌した後、DCM(20mL)を添加し
た。有機相を濾過し、NaHCO3 水溶液(2x20m
L)およびNaHSO4 水溶液(2x20mL)で洗浄
した。MgSO4 で乾燥させた後、減圧下での蒸発によ
り粗生成物(6)を単離した。収量:4.55g(57
%)。
【0098】N−((N4 −(ベンゾイル)−4−アミ
ノ−2−オキソ−ピリミジン−1−イル)アセチル)−
N−(2−Boc−アミノエチル)−グリシン(N4
(ベンゾイル−Boc−C−モノマー(7) N−((N4 −(ベンゾイル)−4−アミノ−2−オキ
ソ−ピリミジン−1−イル)アセチル)−N−(2−B
oc−アミノエチル)−グリシンメチルエステル(6)
(2.0g、4.1mmol)を、NaOH(2M、1
0mL)に溶解し、室温で1時間攪拌後、混合物を濾過
してNaHSO4 (2M)水溶液でpHを2.5に調整
した。濾過により粗生成物を単離した。該生成物を最少
量の酢酸エチルに溶解し、n−ヘキサンに滴下添加する
ことにより沈澱させた。収量:1.4g(72%)。
【0099】9−(エチルオキシカルボニルメチル)−
6−アミノプリン(9) 機械的攪拌子、窒素導入管および滴下ロートを備えた三
つ口丸底フラスコで、DMF(750mL)中で、アデ
ニン(8)(50g、0.37mol)を懸濁した。水
素化ナトリウム(16g、0.40mol、60%懸濁
液)を、10℃で1時間かけて、少量ずつ添加した。混
合物を室温で1時間攪拌した後、2−ブロモ酢酸エチル
エステル(123g、82mL、0.74mol)を3
時間かけて滴下して加え、次いで、室温で20時間放置
した。黄色溶液を蒸発させて乾燥させ、水(500m
L)で2時間攪拌した。粗生成物を濾過により回収し、
水と冷エタノールで洗浄した。収量:36g(44
%)。
【0100】9−(エチルオキシカルボニルメチル)−
(N6 −ベンゾイル)−6−アミノプリン(10) ベンゾイルクロリド(7.27g、6.0mL、5.1
7mmol)を、ピリジン(150mL)中の9−(エ
チルオキシカルボニルメチル)−6−アミノプリン
(9)(10g、4.5mmol)溶液に0℃で滴下し
て加え、室温で一晩攪拌した。メタノール(10mL)
を添加し、混合物を蒸発させて乾燥させた。粗生成物を
熱エタノール(250mL)に再溶解させ、0℃で一晩
沈澱させた。濾過およびエタノールとジエチルエーテル
での洗浄後、生成物を単離した。収量:9.0g(62
%)。
【0101】9−(カルボキシメチル)−(N6 −ベン
ゾイル)−6−アミノプリン(11) 9−(エチルオキシカルボニルメチル)−(N6 −ベン
ゾイル)−6−アミノプリン(10)(9.0g)を水
(200mL)に溶解した後、NaOH(2M、60m
L)を0℃で滴下添加した。30分後、温度が室温に達
するようにさせ、1時間溶液を放置した。次いで、Na
HSO4 (2M)水溶液でpHを2.5に調整し、冷却
(0℃)後、生成物を沈澱させ、濾過により回収して冷
水で洗浄した。収量:3.5g(56%)。
【0102】N−((N6 −(ベンゾイル)−6−アミ
ノプリン−9−イル)アセチル)−N−(2−Boc−
アミノエチル)−グリシンメチルエステル(12) Bocバックボーン(5)(1.0g、4.3mmo
l)を、DMF(5mL)に溶解し、HOBt(670
mg、5mmol)、9−(カルボキシメチル)−N6
−(ベンゾイル)−6−アミノプリン(1.2g、4.
1mmol)およびDCC(1.0g、4.8mmo
l)を添加した。混合物を、室温で3時間攪拌した後、
DCM(20mL)を添加し、沈澱物を濾別した。溶液
を、NaHCO3 水溶液(2x20mL)およびNaH
SO4 水溶液(2x20mL)で洗浄した。MgSO4
で乾燥させた後、減圧下での蒸発により粗生成物(1
2)を単離した。収量:1.4g(67%)。
【0103】N−((N6 −(ベンゾイル)−6−アミ
ノプリン−9−イル)アセチル)−N−(2−Boc−
アミノエチル)−グリシン(N6 −ベンゾイル−Boc
−A−モノマー(13) 粗製N−((N6 −(ベンゾイル)−6−アミノプリン
−9−イル)アセチル)−N−(2−Boc−アミノエ
チル)−グリシンメチルエステル(12)(900m
g)を、THF(2.5mL)と水(5mL)との混合
液に溶解した後、LiOH(1M、5mL)を添加し
た。室温で1時間攪拌した後、THFを蒸発により除去
した。NaHSO4 (2N)水溶液でpHを2.8に調
整することにより、生成物を沈澱させた。粗生成物を最
少量のDCMに再溶解し、n−ヘキサン(200mL)
の添加により沈澱させた。
【0104】9−(エチルオキシカルボニルメチル)−
2−アミノ−6−クロロプリン(15) DMF(500mL)中の2−アミノ−6−クロロプリ
ン(14)(25g、143mmol)の懸濁液を、炭
酸カリウム(41g、0.40mol)と1時間攪拌し
た。エチル2−ブロモアセテート(30g、20mL、
180mmol)を添加し、混合物を室温で20時間放
置した。生じた混合物をシーライトにより濾過し、減圧
下で濃縮した。粗生成物を無水エタノールから再結晶し
た。収量:25.6g(70%)。
【0105】9−(カルボキシメチル)−2−アミノ−
6−O−ベンジルプリン(16) 9−(エチルオキシカルボニルメチル)−2−アミノ−
6−クロロプリン(15)(10g、39.1mmo
l)を、ベンジルアルコール(100mL)とナトリウ
ム(2.7g)との混合物に添加した。これにより、濃
い黄色の混合物が得られ、このものを室温で一晩放置し
た。水(200mL)の添加後、溶液をジエチルエーテ
ル(2x100mL)で洗浄した。NaHSO4 (2
M)水溶液で水相のpHを2に調整し、生成物を濾過に
より単離した。該生成物をエタノール(約1L)から再
結晶した。収量:10.9g(93%)。
【0106】9−(カルボキシメチル)−2−イソブチ
リル−6−O−ベンジル−2−アミノプリン(17) 9−(カルボキシメチル)−2−アミノ−6−O−ベン
ジルプリン(16)(2.5g、8.36mmol)
を、ピリジン(25mL)に溶解し、0℃で冷却した。
イソブチリルクロリド(1.5mL、14mmol)を
10分間かけて滴下して加え、2時間後、混合物の温度
を室温に到達させて一晩放置した。溶媒を減圧下で蒸発
させ、残留物をNaHCO3 (0.5M)に再懸濁させ
た。溶液を濾過し、2N NaHSO4 でpHを2.5
に調整した。粗生成物を濾過で回収した。収量:1.6
g(52%)。
【0107】N−((N2 −(イソブチリル)−6−O
−ベンジル−2−アミノプリン−9−イル)アセチル)
−N−(2−Boc−アミノエチル)−グリシンメチル
エステル(18) Bocバックボーン(5)(1.0g、4.3mmo
l)をDMF(5mL)に溶解し、HOBt(670m
g、5mmol)、9−(カルボキシメチル)−2−イ
ソブチリル)−6−O−ベンジル−2−アミノプリン
(17)(1.5g、4.1mmol)およびDCC
(1.0g、4.8mmol)を添加して、混合物を室
温で3時間攪拌した。反応混合物をDCM(20mL)
で希釈して濾過した。有機相を、NaHCO3 水溶液
(2x20mL)およびNaHSO4 水溶液(2x20
mL)で洗浄した。MgSO4 で乾燥させた後、減圧下
での蒸発により粗生成物を単離した。収量:850mg
(36%)。
【0108】N−((N2 −(イソブチリル)−6−O
−ベンジル−2−アミノプリン−9−イル)アセチル)
−N−(2−Boc−アミノエチル)−グリシン(N2
−(イソブチリル)−6−O−ベンジル−Boc−G−
モノマー(19) 粗製N−((N2 −(イソブチリル)−6−O−ベンジ
ル−2−アミノプリン−9−イル)アセチル)−N−
(2−Boc−アミノエチル)−グリシンメチルエステ
ル(18)(400mg、0.69mmol)を、TH
F(2mL)と水(2.5mL)との混合液に溶解し、
LiOH(1M、2mL)の添加により加水分解した。
室温で1時間攪拌した後、混合物を濾過してTHFを蒸
発により除去した。水(10mL)を添加し、NaHS
4 (2N)水溶液でpHを2.5に調整して生成物を
沈澱させた。収量:350mg(88.4%)。
【0109】9−(エトキシカルボニル)−2,6−ジ
アミノプリン(20) DMF(25mL)中の2,6−ジアミノプリン(15
g、100mmol)の懸濁液に、K2 CO3 (41
g、300mmol)を添加した。該懸濁液を室温で1
時間攪拌し、エチル−2−ブロモアセテート(13.3
mL、120mmol)を添加した。懸濁液をさらに3
時間攪拌した。反応混合物を濾過し、回収物をDMF
(100mL)で洗浄した。固体を無水エタノール(2
00mL)に懸濁して加熱した後、還流懸濁液を熱濾過
した。濾液を活性炭とともに沸騰させ、シーライト層を
通して濾過した。濾液の体積を30mLまで減少させ、
冷却して生成物を沈澱させた。収量:12.5g(53
%)。
【0110】1H NMR、6dDMSO、400MH
z:7.69ppm(1H,H−8);6.72ppm
(2H,NH2 );5.83ppm(2H,NH2 );
4.85ppm(2H,CH2 CO);4.15ppm
(2H,OCH2 );1.2ppm(3H,CH2 CH
3 )。
【0111】9−(エトキシカルボニル)−(N2 ,N
6 −ジイソブチリル)−2,6−ジアミノプリン(2
1) ピリジン(20mL)中の9−(エトキシカルボニル)
−2,6−ジアミノプリン(1.6g、6.8mmo
l)の懸濁液を0℃で攪拌し、イソブチリルクロリド
(2.9mL、27.4mmol)を添加した。該混合
物をさらに2時間攪拌した。反応混合物を蒸発させて乾
燥させ、残留物をDCMに再溶解させて、希塩酸で抽出
した。有機相をMgSO4 で乾燥させ、蒸発させて乾燥
させた。残留物を無水エタノールから結晶化した。収
量:2.35g(92%)。
【0112】分子量、C17246 4 計算値/
実測値:376/3771 H NMR、6dDMSO、400MHz:10.48
ppmと10.99ppm(1H,NH);8.29p
pm(1H,H−8);5.09ppm(2H,CH2
CO);4.18ppm(2H,OCH2 );3.06
ppmと2.93ppm(1H,CH);1.22pp
m(3H,CH2 CH3 );1.10ppm(3H,C
3 )。
【0113】9−(カルボキシメチル)−(N2 ,N6
−ジイソブチリル)−2,6−ジアミノプリン 水/THF(50mL、2:1)中の9−(エトキシカ
ルボニル)−(N2 ,N6 −ジイソブチリル)−2,6
−ジアミノプリン(2.2g、5.85mmol)を、
2時間攪拌し、LiOH(1M、16mL)を添加し
た。固体が直ちに溶解した。溶液を、NaHSO4 (2
M)水溶液でpH2.5に調整した後、DCM(2x5
0mL)で抽出した。有機相を合わせて食塩水で抽出
し、MgSO 4 で乾燥させた。溶媒を蒸発により除去し
た。無水エタノールから再結晶化した。収量:1.9g
(95.5%)。 分子量、C15206 4 計算値/実測値:34
8/349
【0114】N−((N2 ,N6 −ジイソブチリル−
2,6−ジアミノプリン−9−イル)アセチル)−N−
(2−Boc−アミノエチル)−グリシン(N2 ,N6
−ジイソブチリル−Boc−D−モノマー(22) 9−(カルボキシメチル)−(N2 ,N6 −ジイソブチ
リル)−2,6−ジアミノプリン(1.5g、4.4m
mol)、DCC(1g、4.8mmol)、HOBT
(0.66g、4.8mmol)およびメチルN−Bo
c−アミノエチルグリシネート(1.23g、5.3m
mol)を、DMF(30mL)中で一晩攪拌した。反
応混合物を濾過し、回収物をDCM(2x30mL)で
洗浄した。濾液を、希NaHCO3 水溶液(3x20m
L)、NaHSO4 水溶液(2M、2x20mL)およ
び食塩水(30mL)で抽出した。有機相をMgSO4
で乾燥させ、蒸発させて乾燥させた。エタノールからの
再結晶により、N−((N 2 ,N6 −ジイソブチリル−
2,6−ジアミノプリン−9−イル)アセチル)−N−
(Boc−アミノエチル)メチルグリシネートを得た。
収量:2.2g(90%)。 分子量、C25388 7 計算値/実測値:56
2/562
【0115】さらに精製することなく、N−((N2
6 −ジイソブチリル−2,6−ジアミノプリン−9−
イル)アセチル)−N−(Boc−アミノエチル)メチ
ルグリシネート(2.0g、3.6mmol)を、水/
THF(40mL、10/1)に懸濁し、LiOH(1
M、6mL)を添加して、化合物を徐々に溶液にした。
溶液を、NaHSO4 (2M)水溶液でpH2.8に調
整し、DCM(2x30mL)で抽出した。有機相をM
gSO4 で乾燥させ、蒸発させて乾燥させた。生成物を
エタノールから再結晶した。収量:1.8g(92
%)。
【0116】1H NMR、6dDMSO、400MH
z:10.51ppm(s,1H,NH);10.32
ppm(s,1H,NH);8.16ppmと8.15
ppm(s,1H,H−8);7.04ppmと6.7
6ppm(m,1H,BocHN);5.21ppmと
5.10ppm(s,2H,CH2 CO);4.35p
pmと4.00ppm(s,2H,CH2 CO);3.
1ppm(m,4H,CH 2 );1.35ppmと1.
33ppm(s,9H,Boc);1.1ppm(m,
12H,isobut.)。 分子量、C24368 7 計算値/実測値:54
8/548
【0117】モノ−イソブチリル保護ジアミノプリン
を、室温で1時間、10%アンモニア水で処理すること
により、化合物(22)から調製した。
【0118】Boc−Tlys(Fmoc)−OHの合
Nα−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノエチ
ル)−Nα−(1−チミニルアセチル)−Nε−(9−
フルオレニルメチルオキシカルボニル)−D−リジン
(図8) Nα−(2−tert−ブチルオキシカルボニルアミノ
エチル)−Nα−(1−チミニルアセチル)−Nε−
(2−クロロベンジルオキシカルボニル)−D−リジン
(1g、1.6mmol)を、メタノール中4.4%の
ギ酸アンモニウム溶液(20mL)に溶解した。Pd−
ブラック(200mg)を溶液に添加し、懸濁液を1時
間攪拌した。懸濁液をシーライトを通して濾過し、蒸発
させて乾燥させた。固体をDMF(25mL)に溶解
し、DIEA(0.4mL)とFmoc−N−ヒドロキ
シスクシンイミド(800mg)を添加し、混合物を2
時間攪拌した。反応混合物を蒸発させ、炭酸水素ナトリ
ウム水溶液(50mL、0.5M)で抽出した。水相を
濾過し、硫酸水素ナトリウム水溶液(2M)の添加によ
りpHを2.8に調整し、それにより標的分子を沈澱さ
せた。沈澱物を酢酸エチル(5mL)に溶解し、ヘキサ
ン(100mL)を溶液に滴下して加え、それにより標
的分子を沈澱させた。生成物を濾過し、ヘキサンで洗浄
した。収量:885mg(1.3mmol、75%)。
【0119】1H−NMR(DMSO−d6 /TM
S):δ=1.23(m,7H,CH2 )、1.35と
1.38(s,9H,Boc)、1.73と1.75
(s,9H,Boc)、3.00(m,2H,C
2 )、3.21(m,2H,CH2 )、4.27
(m,2H,CH2 CO)、4.64(m,1H,CH
CO)、6.83と6.88(m,1H,BocN
H)、7.24〜7.43(m,9H,芳香環)、7.
66と7.69(d,1H,6−H)、7.87と7.
90(d,1H,CON)、11.26と11.28
(d,1H,イミドNH)。 MS(MALDI−TOF)m/z:716(M+
K)。
【0120】実施例2 オリゴマー(PNA)合成 前もって負荷したMBHA支持体上での標準合成サイク
ルを用いて、PNAを組み立てた。前もって負荷するこ
とは、既報〔国際公開第92/20702号パンフレッ
トおよびクリステンセン(Christensen)ら、(1995) J.
pep. sci., 3,175-183 〕のように、Tモノマーで行な
った。モノマーのHATUとの前活性化時間は、1〜5
分間延長した。最初のカップリングにおいて、Boc−
Gly−PAMをT樹脂に連結させた。最終工程におい
て、すべてのPNAオリゴマーをアセチル化し、塩基に
よる脱保護と支持体からの除去の間での最終モノマーの
転位を防いだ。PNAモノマーのオリゴマー化は、PN
A合成工程の操作用に改変したソフトウエアを用いてA
BI433Aペプチドシンセサイザーで行なった。PN
Aモノマーを前もって溶解させ、ピペットで別々、即
ち、カップリング毎に1個のカートリッジに入れた。
【0121】反応スケールは、5μmolで、全反応容
量は、440μlであった。3mLの反応容器を用い
て、測定ループは、150μlの容量を有する。TFA
/m−クレゾール(95/5;2×180s)を、Bo
c保護基を脱保護するために使用した。脱保護とカップ
リングモジュールの間に、2洗浄モジュール、即ち、そ
れぞれ5回の連続洗浄からなる1 DCMと1 NMP
モジュールを挿入する。各カップリングにおいて、14
0μlの0.26Mモノマー(36μmol;NMP
中)、150μlの0.21M HATU(32μmo
l;NMP中)および150μlの0.50M DIE
A(75μmol;ピリジン中)を加える。モノマー
を、合成カートリッジ中で1分間前もって活性化した。
樹脂の中和と活性化モノマーの添加を同時に行なった。
カップリング時間は10分であり、樹脂の初期置換に対
して7倍過剰のPNAモノマーを使用する。カップリン
グの間、モノマー濃度は0.08Mである。キャッピン
グ(無水酢酸/NMP/ピリジン(1:25/25))
は、1分間行なう。
【0122】合成サイクルのまとめ 1.Boc基の除去(2x3分) 2.洗浄(DCMとDMF) 3.15分間のカップリング 4.洗浄(DCMとDMF) 5.キャッピング(1分) 6.洗浄(DCMとDMF)
【0123】特に述べない限り、反応収量は、定量カイ
ザー(Kaiser)検定により評価する。オリゴマー
化の間のオリゴマーの生成物の収量と平均カップリング
収量は、HPLC分析および/または260nmでのO
D測定により決定する。
【0124】マススペクトルは、ヒューレット−パッカ
ード(Hewlett-Packard)製MALDI−TOFマススペ
クトロメーター(G2025A)で記録する。マトリッ
クスは、10nM〜100μMのPNA溶液と1:1の
比で混合したシナピン酸(100mM;アセトニトリル
/メタノール/水(60/32/8)中)からなる。
【0125】PNAオリゴマーの分析RP−HPLC
を、ヒューレット−パッカード製HPLCシステム(1
050)を用いるDeltapak(C18、100Å、
5μm、3.9×150、1mL/分(Waters製))
で、50℃で行なう。2つの溶離液:A,水中0.1%
TFAおよびB,アセトニトリル中0.1%TFAを用
いる。30分間の0〜40%の溶離液Bの直線勾配を用
い、溶離液は、260nmでモニターする。保護された
PNAオリゴマーの樹脂からの切断は、前記のように行
なう。
【0126】実施例3 PNA部分とオリゴヌクレオチド部分を有するオリゴマ
ーの合成(キメラ分子;キメラ) DNA部分は、CPG支持体上で、標準ホスホロアミダ
イト合成を用いて合成した。5’−アミノ官能基の導入
は、特異的6−(Mmt−アミノ)ヘキシルホスホロア
ミダイトを用いて行なった。支持体を反応容器に移し、
DCM中の3%トリクロロ酢酸での処理中に、Mmt基
を除去した。前記サイクルを用いてPNAモノマーを加
えた。また、合成は、CPG樹脂上でDNAを使用可能
にするために、ボルテックスによる混合を窒素パージに
置き換えた方法を用いて、ABI433Aペプチドシン
セサイザーで行なった。
【0127】HATUによるルテニウムコンジュゲート
上のカルボキシル基の活性化により、PNAモノマーの
末端側のN末端にルテニウム錯体をカップリングさせ、
ビオチンもHATUにより活性化させたが、二重カップ
リングであり、フルオレッセインイソチオシアネート
は、さらなる活性化なしに、触媒量のDIEAのみで2
4時間カップリングさせた。ビオチンまたはフルオレッ
セインをカップリングしたときは、最終PNAモノマー
は、無水酢酸でキャップしなかった。
【0128】最終のキメラを支持体から除去し、アンモ
ニア水(32%)を用いて60℃で20時間またはメチ
ルアミン(40%)を用いて室温で4時間脱保護した。
【0129】Ac−TGT−ACG−TCA−CAA−
CTA−Glyの合成 PNA合成は、本質的に前記のように行なった。
【0130】全収量は、粗生成物を5%酢酸に再溶解し
て、260nmでのUV吸収を測定し、DNAに対して
通常使用する4個のヌクレオ塩基に由来する吸収に対す
る標準値を用いることにより見積もった。HPLCによ
り測定した粗生成物の純度は、90.7%であった。O
Dにより測定された粗物質の全回収率は、68%であっ
た。
【0131】キメラ:前記方法を用いて、以下のキメラ
を合成した(PNAを下線で示す)。 A:フルオレッセイン−TAAATCAGCTCA−N
H−(CH2 6 −TTTTT B:ビオチン−CCTGATAGACGG−NH−(C
2 6 −TTTTT C:ビオチン−TGTTAAATCAGCTCA−NH
−(CH2 6 −TTTTT D:ルテニウム−TGTTAAATCAGCTCA−N
H−(CH2 6 −TTTTT
【0132】また、前記キメラCおよびDは、すべての
ボルテックスによる混合工程を窒素パージに置き換えた
方法を用いて、ABI433Aペプチドシンセサイザー
を使用して合成した。すべてのキメラの純度は、HPL
Cによりチェックし、構造は、MALDI−TOF質量
分析により確認した。
【0133】キメラ分子に関して、PNAセグメントを
まず製造すること、または最初に製造したDNAセグメ
ントはピリミジン塩基のみを含むが、次に製造したPN
Aセグメントはあらゆる選択塩基を有することができる
ように配列を選択することが賢明である。
【0134】Boc−Gly−PAM:DMF(5m
L)に溶解したBoc−グリシン(1.12g、6.4
mmol)溶液に、アセトニトリル(30mL)に溶解
した4−ブロモメチルフェニル酢酸フェナシルエステル
(1.5g、4.3mmol)を添加した後、フッ化カ
リウム二水化物(900mg、9.56mmol)を添
加した。混合物を50℃で20時間攪拌した。固体の無
機物を濾過により除去し、酢酸エチル(60mL)と水
(60mL)を添加した。水層を酢酸エチル(3x50
mL)で抽出し、合わせた有機相を水(3x50mL)
で洗浄した。過剰のBoc−グリシンを、緩衝溶液(3
00mL水中、6.9gK2 CO3 と8.4gNaHC
3 )を用いる洗浄(3x100mL)により除去し
た。硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒をロータリーエバ
ポレーションにより除去し、黄色の固体として生成物が
得られた。収量=1.7g(90%)。
【0135】生成物(1.6g、3.6mmol)を、
酢酸(40mL)と水(85:15)に溶解した後、亜
鉛粉末(5g)を添加した。混合物を室温で4時間攪拌
した。濾過後、酢酸エチル(150mL)と水(150
mL)を添加し、水相をHCl水溶液(0.5M)の添
加により酸性(pH約1.5)にした。水相を酢酸エチ
ル(3x100mL)で抽出し、合わせた有機相を水
(10x50mL)で洗浄した。硫酸マグネシウムでの
乾燥およびロータリーエバポレーターを用いる濃縮後に
粗生成物が得られた。粗生成物を最少量の酢酸エチルに
再溶解し、n−ヘキサンへの滴下添加により沈澱させ
た。これにより、HPLCにより確認した純粋な生成物
が850mg(73%)得られた。
【0136】Bio−S−S−Lys−(T)7 −Ad
o−Lys−Ado−Lys−Ado−(T)7 −Ad
o−Gly−NHCH3 の合成 Bio−S−S−Lys−TTT TTT T−Ado
−Lys−Ado−Lys−Ado−T TTT TT
T−Ado−Gly−NHCH3 (5μmol)の合成
は、前記のように、Tモノマーで前もって負荷したHM
BA支持体上で行なった。塩基不安定なリンカーBoc
−Gly−PAMを第1残基としてカップリングさせ
た。Ado−およびT−モノマーは、Boc保護されて
おり、リジンは、α−Boc、γ−Fmoc保護されて
いた。N−ヒドロキシスルホ−スクシンイミドエステル
(EZ−Link、10mg、16.5μmol)を反
応させることにより、S−S−ビオチン部分を末端Bo
c脱保護リジンとカップリングさせた。反応は、塩基性
条件を保持するためにDIEAを添加して、NMP中で
1時間行なった。PNAを樹脂から切断し、40%メチ
ルアミン水溶液で0.5時間処理することにより、Fm
oc−リジンを脱保護した。
【0137】この保護と切断の戦略は、樹脂上のPNA
に対する−S−S−部分の直接の連結を提供する。
【0138】
【発明の効果】本発明により、特異的保護/脱保護戦略
を用いる核酸結合化合物の調製方法、かかる合成のため
に用いる化合物および選択的二重標識核酸結合化合物の
調製方法が提供される。本発明で用いられる新規な戦略
の有利な点は、粗生成物の高収量、モノマーの迅速なカ
ップリング速度および大量生産の容易性である。さら
に、キメラ化合物も調製することができる。S−S含有
化合物等の非常に感受性のある化合物でさえも、この戦
略を使用して調製することができる。さらに、新規な戦
略は、塩基としてA、GまたはDを含む混合配列核酸結
合パートナーの調製に有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、新規な合成戦略の実施例で使用される
ヌクレオ塩基A、C、GおよびTに対するPNAモノマ
ーを示す。
【図2】図2は、PNAモノマーによる固相に結合した
リンカーの伸長反応および固体支持体からのオリゴマー
の切断の概略を示す。
【図3】図3は、PNAモノマーによる固体支持体に結
合したオリゴヌクレオチドの伸長反応および生じたキメ
ラ分子のかかる支持体からの切断の概略を示す。
【図4】図4は、保護Cモノマーの合成経路を示す。
【図5】図5は、保護Aモノマーの合成経路を示す。
【図6】図6は、保護Gモノマーの合成経路を示す。
【図7】図7は、保護Dモノマーの合成経路を示す。D
とはジアミノプリンを意味する。
【図8】図8は、保護Tリジンモノマーの調製の流れ図
を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07H 21/00 C07H 21/00 (72)発明者 オルム,ヘンリック デンマーク国 ヴォルロース デーカー− 3500 ヴィルドロスヴェイ 3 (72)発明者 コッホ,トロエルス デンマーク国 コーベンハーベン エス デーカー−2300 フンキアヴェイ 47 (72)発明者 コフォエド,トーマス デンマーク国 オーデンセ エス デーカ ー−6260 エゲリッケヴェイ 11

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記工程: a)水素結合を介して核酸のヌクレオ塩基への結合が可
    能な、バックボーンに結合した複数のリガンドを含有し
    てなり、該リガンドの少なくとも1つは、中程度の強塩
    基により除去可能な第1保護基P1により保護された1
    級または2級アミノ基を含み、該バックボーンは、式
    (O): 【化1】 (式中、X1 は、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基
    および中程度の強酸により除去可能なアミノ保護基P2
    から選択され、X2 は、中程度の強酸により除去可能な
    アミノ保護基P3である)で表される保護されたアミノ
    基をさらに含有してなる、保護された核酸結合化合物を
    調製する工程; b)該中程度の強酸により除去可能な保護基を除去する
    工程;ならびに c)該中程度の強塩基により除去可能な保護基を除去す
    る工程を含む核酸結合化合物の調製方法。
  2. 【請求項2】 該中程度の強酸により除去可能な保護基
    がウレタン型のアミノ保護基である、請求項1記載の調
    製方法。
  3. 【請求項3】 該ウレタン型の保護基がBoc基である
    請求項2記載の調製方法。
  4. 【請求項4】 該第1保護基が式(IV): 【化2】 (式中、Xは、OおよびSから選択され、Rは、非置換
    または炭素数1〜4のアルコキシ基もしくは置換芳香族
    基により置換されていてもよい直鎖状または分枝鎖状の
    炭素数1〜6のアルキル基、および非置換または炭素数
    1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハ
    ロゲンもしくはニトロ基で置換されていてもよい6〜1
    0個の芳香族炭素原子を含む芳香族基から選択される)
    で表される基である、請求項1〜3いずれか記載の調製
    方法。
  5. 【請求項5】 保護型の該核酸結合化合物が、他のアミ
    ノ保護基のいずれもまたは両方とも除去されない条件下
    で除去可能な第2保護基により保護された1級アミノ基
    または2級アミノ基を含有するリガンドをさらに含む、
    請求項1記載の調製方法。
  6. 【請求項6】 該第1および第2保護基が同じ型の塩基
    に、但し、異なる位置で結合する、請求項5記載の調製
    方法。
  7. 【請求項7】 該化合物が固相に結合している請求項1
    記載の調製方法。
  8. 【請求項8】 一般式(IIIa)、(IIIb)または(III
    c): 【化3】 〔式中、AおよびBは、それぞれ、下記: (a)Aは、式(I/A)、(I/B)もしくは(I/
    C)の基で、Bは、NもしくはR3 + である;または (b)Aは、式(I/D)の基で、Bは、CHである;
    のように選択され、 【化4】 (式中、Xは、O、S、Se、NR3 、CH2 またはC
    (CH3 2 であり;Yは、単結合、O、SまたはNR
    4 であり;pおよびqは、それぞれ、0または1〜5の
    整数であり;rおよびsは、それぞれ、0または1〜5
    の整数であり;R1 およびR2 は、それぞれ独立して、
    水素、ヒドロキシ−もしくは炭素数1〜4のアルコキシ
    −もしくは炭素数1〜4のアルキルチオ−置換されてい
    てもよい炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシル基、
    炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキル
    チオ基、アミノ基およびハロゲンからなる群より選択さ
    れ;ならびにR3 およびR4 は、それぞれ独立して、水
    素、炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシ−もしくは
    アルコキシ−もしくはアルキルチオ−置換された炭素数
    1〜4のアルキル基、ヒドロキシル基、炭素数1〜6の
    アルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルチオ基およびア
    ミノ基からなる群より選択される) Cは、(CR6 7 y であり、ここで、R6 は水素、
    7 は天然のαアミノ酸の側鎖からなる群より選択され
    るか、R6 とR7 は、独立に、水素、炭素数1〜6のア
    ルキル基、アリール基、アラルキル基、ヘテロアリール
    基、ヒドロキシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭
    素数1〜6のアルキルチオ基、NR3 4およびSR5
    からなる群より選択され、ここで、R3 とR4 は前記の
    ように定義され、R5 は、水素、炭素数1〜6のアルキ
    ル基、ヒドロキシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、
    または炭素数1〜6のアルキルチオ置換された炭素数1
    〜6のアルキル基であるか、R6 とR7 は、一緒になっ
    て脂環系もしくは複素環系を形成し;またはCは、C
    O、CS、CNR3 である;Dは、、(CR6 7 z
    であり、ここで、R6 とR7 は、前記定義するとおりで
    あり;yおよびzは、それぞれ、0または1〜10の整
    数であり、y+zの合計は少なくとも2であり、Eは、
    COOH、CSOH、SOOH、SO2 OHまたはそれ
    らの活性化誘導体であり、Fは、式(O): 【化5】 (式中、X1 は、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基
    および中程度の強酸により除去可能なアミノ保護基P2
    から選択され、X2 は、中程度の強酸により除去可能な
    アミノ保護基P3である)で表される基であり、ならび
    にLは、式(V): 【化6】 (式中、X’およびX”は、独立してO−R’およびN
    H−R”であり、ここで、R’およびR”は、保護基で
    あり、Zは、CHまたはNであり、およびRは、水素、
    炭素数1〜4のアルキル基、アリール基、アルキル−ア
    リール基、ハロゲン、ヒドロキシル基、アルコキシ基ま
    たは標識である)で表される基である〕で表される化合
    物。
  9. 【請求項9】 下記工程: − 水素結合を介して核酸のヌクレオ塩基への結合が可
    能な、バックボーンに結合した複数のリガンドを含有し
    てなり、該リガンドの少なくとも1つは、中程度の強塩
    基により除去可能な第1保護基P1により保護された1
    級または2級アミノ基を含み、少なくとも1つのさらな
    るリガンドは、他のアミノ保護基が除去されない条件下
    で除去可能な第2保護基により保護された1級または2
    級アミノ基を含む、保護された核酸結合化合物を提供す
    る工程; − 第1未保護アミノ基を産する該第2保護基を除去す
    る工程; − 第1標識を第1未保護アミノ基に結合する工程; − 第2未保護アミノ基を産する該第1保護基を除去す
    る工程;ならびに − 第2標識を第2未保護アミノ基に結合する工程を含
    む、リガンドの2つの選択された部分で標識されている
    核酸結合化合物の調製方法。
JP10025937A 1997-02-08 1998-02-06 核酸結合化合物の調製方法 Withdrawn JPH10231290A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2286792A1 (en) 1999-02-26 2011-02-23 Novartis Vaccines and Diagnostics, Inc. Microemulsions with an adsorbent surface, comprising a microdroplet emulsion

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