JP4089457B2 - 物流システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物内の物流システムに係り、特に荷物を上下に搬送するのに好適な物流システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の個人向け物流システムの例が、特許文献1にに記載されている。この公報に記載の宅配ロッカーシステムでは、駅や店舗などに宅配ロッカーを配置することで、多数の人が宅配ロッカーシステムを利用できるようにしている。このロッカーシステムは、荷物を出し入れするロッカーと、入力手段と、表示手段と、受取人に関する情報を記憶する手段と、ロッカーの使用状態の情報を記憶する手段と、メッセージを公衆回線に送信する手段等を備えている。
【0003】
また、集合住宅の物流システムの例が、特許文献2に記載されている。この公報に記載の物品等の搬送方法では、高層建築物においてごみや、郵便物、宅配物等を省スペースで搬送するために、建物の各階にコンテナを配置したステーションを設けている。そして、ステーションとゲージ間に搬出入ラインを設け、コンテナをストックしたサービス階にはコンテナの回収とゲージへの返送用の回収返送ラインを設けている。
【特許文献1】
特開2002−177127号公報
【特許文献2】
特開平9−169404号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1に記載の宅配ロッカーシステムでは、高層の集合住宅やオフィスビルにおいて居住階床に居ながらにして、簡便に荷物を発送したり受け取ることについては、十分には考慮されていない。そのため、集合住宅の高層階床の住人の場合には、荷物を発送する際は荷物を持ってエレベーターに乗りこみ、宅配ロッカが設置された場所まで自力で搬送するか、別の搬送装置を必要とする。
【0005】
上記特許文献2に記載の物品等の搬送方法では、高層階の居住者への便宜は図られているものの、廃棄物や郵便物と宅配物が混じり合って使用されるので、郵便物や宅配物を安全に使用者に引き渡すことが困難である。また、装置が大掛かりになり、使用者の利便性が損なわれるおそれがある。
【0006】
本発明は上記従来技術の不具合に鑑みなされたものであり、その目的は、集合住宅等の建屋内において、確実に宅配便等を住居階まで自動的に配送可能にすることにある。本発明の他の目的は、簡素な構成で上記物流システムを実現することにある。本発明のさらに他の目的は、建屋内の配送におけるセキュリティを向上させることにある。そして本発明は、上記目的の少なくともいずれかを達成することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の特徴は、複数階床間に渡って荷物を移動させ、各居住階に荷物を搬送する物流システムにおいて、各階床ごとに設けた荷物の格納手段と、荷物を上下方向に昇降させる搬送装置と、配送人が配送先の階床を指定する情報格納手段とを有し、格納手段は搬送装置の一側面に隣り合って設けられており、搬送装置から各格納手段に荷物の移送を可能にする手段を設けたものである。
【0008】
そしてこの特徴において、荷物の移送を可能にする手段は、搬送装置および格納手段に設けたコンベア式の移送手段と、格納手段に設けた開閉扉を有するか、搬送装置に設けた伸縮可能または移動可能の移送手段と荷物の押し込み装置と、格納手段に設けた開閉扉を有することが好ましい。
【0009】
また上記特徴において、格納手段から搬送装置への荷物の移送の際には、搬送装置の移送手段の高さを格納装置の移送手段の高さより低くし、搬送装置から格納装置への荷物の移送の際にはその逆に位置決めする制御手段を設けるようにしてもよい。
【0010】
上記目的を達成するための本発明の他の特徴は、複数階床間に渡って荷物を移動させ、各居住階に荷物を搬送する物流システムにおいて、各階床に設けた荷物の格納手段と、荷物を上下方向に昇降させる搬送装置と、配送人が配送先階床を指定する情報格納手段とを有し、格納手段が搬送装置に隣り合うとともに、各階床における格納手段の水平投影断面がそれぞれ重複することにある。
【0011】
そしてこの特徴において好ましくは、搬送装置の横方向長さが、複数列配置された格納手段の横方向全幅よりも長く、一度の昇降時に複数の格納手段から荷物を受取り可能である、または格納手段内に第1の荷物移送手段を、搬送装置内に第2の荷物移送手段をそれぞれ設け、第1の荷物移送手段は奥行き方向に上昇して傾斜配置されており、第2の荷物移送手段は奥行き方向に下降して傾斜配置されているものである。
【0012】
また好ましくは、搬送装置内に第1の荷物移送手段を、格納手段に第2の荷物移送手段をそれぞれ設け、荷物を格納手段から搬送装置に移送する際には第1の荷物移送手段の最上面を第2の荷物移送手段の最上面よりも下方に位置させ、荷物を搬送装置から格納手段に移送する際には、第1の荷物移送手段の最上面を第2の荷物移送手段の最上面よりも上方に位置するように搬送装置を位置決めする制御手段を設けるものであり、荷物の仮置きをする仮置き手段を設け、この仮置き手段は、荷受先から指定した階床の荷送り先へ搬送装置を用いて荷物を送るときに指定階床の全ての格納手段に既に荷物が格納されていたら荷物を仮置きするものであり、荷物を受け取る際に、指定階床の格納手段に既にある他の荷物を他階床の格納手段または仮置き手段に移動させた後、指定階床に荷物を仮置き手段から移動させるよう制御する制御手段を設けるのがよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る物流システムの実施例を、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例が適用される高層ビルの一部を、斜視図で表した模式図である。高層住宅やオフィスビルなどの高層ビルに、ビル内の人間用の昇降手段であるエレベーターが設置されている。このエレベーターの昇降路31内には、図示しない荷物を上下に昇降させる搬送パレット12が設置されている。各階床のエレベーターホール前には、荷物を発送しまたは受取るための専用の集配ロッカ11が設置されている。搬送パレット12は、集配ロッカ11の背面を上下する。
【0014】
集配ロッカ11は、各階床に複数個配置されており、図1では横に2列あり、左側の列には4段に、右側の列には3段に積層されている。これらの集配ロッカ11は、上の階の設置位置の真下に、下の階の設置位置が設定されている。この構成により、搬送パレット12を横方向に移動させる必要がなく、搬送パレット12から水平移動機構を省くことができる。したがって、1台の搬送パレット12があれば、荷物を昇降させることができる。
【0015】
図2に、図1に示した物流システムを用いて荷物を受け渡す例を示す。宅配業者の配送人35が、指定階床に荷物1を送る場合である。各集配ロッカ11は、前面側に荷物を出し入れする開閉扉3を有する。この開閉扉3の横には、この集配ロッカ11内に収納された荷物1に関する情報や荷受人の部屋番号等の情報を記憶し表示する情報格納及び表示手段4が設けられている。また、集配ロッカ11の底面には、複数のローラ21、23が回転自由に取り付けられた移送手段22が取り付けられている。ローラ21にはコンベアが装架されており、ローラ21は集配時等にコンベアを駆動する。ローラ23は従動ローラである。集配ロッカ11の背面側には、左右の辺を回転中心として開閉自在な図示しない扉が設けられている。
【0016】
この背面扉の近傍を上下に、搬送パレット12が通過する。搬送パレット12は矩形の容器であり、集配ロッカ11に対向する側が開いているか開閉可能な扉42を有している。搬送パレット12の底面には集配ロッカ11と同様、複数の回転可能なローラ7、9を有する移送手段8が取付けられている。ローラ7は、駆動ローラであり、荷物1を集配ロッカ11から取出すとき、または集配ロッカ11に送るときにこのローラ7に装架されたコンベア8aを駆動する。また、ローラ9はコンベア8aを駆動する従動ローラである。
【0017】
搬送パレット12の上面には、プーリ5が固定されており、このプーリ5にはロープ6が装架されている。そして、図示しない制御装置がこれも図示しない駆動装置を駆動し、駆動装置のプーリに装架したロープ6を巻き取ったり、繰り出したりすることにより搬送パレット12が所定階の所定集配ロッカ11の位置に位置決めされる。
【0018】
配送人35は荷物1を指定された届主に配送するために、ビルの1階に配置された各戸への配送用集配ロッカ11まで荷物1を図示しない運搬車から運び出す。そして、集配ロッカ11の移送手段22上に荷物1を格納し、集配ロッカ11前面の情報格納部4に荷物1の送り先階床及び部屋番号を入力する。情報格納部4に情報が入力されたので、情報格納部4は搬送パレット12の図示しない駆動制御部に、1階まで搬送パレット12を回送するよう指令する。この指令により、搬送パレット12は、配送人35からの受け取り位置として指定されているビルの1階の例えば上段の集配ロッカ11の位置に位置決めされる。
【0019】
搬送パレット12が所定の集配ロッカ位置に位置決めされて停止したら、開閉扉42を開ける。それとともに駆動ローラ23、9が同一方向に回転し始める。集配ロッカ11の移送手段22のコンベア22a上に載置された荷物1は、移送手段22のコンベア22aが奥側に移動したのに伴い、集配ロッカ11内を奥側に移動し、ついで搬送パレット12の移送手段8上のコンベア8a上へと移動する。
【0020】
搬送パレット12に荷物1が完全に移動したら、集配ロッカ11の奥側の開閉扉42を閉じる。そして、搬送パレット12を、配送人35が指定した階床に設けた集配ロッカ11に、図示しないロープ6の駆動装置が位置決めする。図3に、指定階床に搬送パレット12が到着し、その階の指定集配ロッカ11に搬送パレット12が位置決めされた様子を示す。
【0021】
搬送パレット12は、指定階床の空いている集配ロッカ11位置に位置決めされた後停止する。搬送パレット12が停止した位置の集配ロッカ11は、搬送パレット12の到着信号を受信して、奥側に位置する開閉扉42を開く。開閉扉42が開いたことを確認して、搬送パレット12の移送手段8と集配ロッカ11の移送手段22のコンベアを駆動ローラ23、9を駆動して荷物1を前側に移動させる。そして、荷物1は搬送パレット12から集配ロッカ11に完全に移動する。
【0022】
図2および図3に示した移動の詳細を、図4および図5を用いて説明する。図4は、物流システムの主要部の縦断面図であり、図5はその上面断面図である。集配ロッカ11に取付けた移送手段22は、前面側から奥側へと少し上向きに傾いて取付けられている。そして、移送手段22の前方端には、移送手段22の高さよりやや高さの高いストッパ41が前面開閉扉3の幅方向に渡って設けられている。搬送パレット12に取付けた移送手段8は、前面側から奥側へと少し下向きに傾いて取付けられている。
【0023】
集配ロッカ11の奥側の開閉扉42は、集配ロッカ11の幅方向ほぼ中央位置で2分割されており、集配ロッカ11の左右の側壁に回動可能に取付けられている。集配ロッカ11から搬送パレット12に荷物1を移送するときは、開閉扉42は奥側に開く。搬送パレット12から集配ロッカ11に荷物1を移送するときは、手前側に開く。
【0024】
開閉扉42は、荷物1を受け渡ししないときに、荷物1の落下や子供等によるいたずらを防止するため、常時閉である。なお、本実施例では、簡素な構成にするため開閉扉42を回転式としたが、スライド式や巻き取り式にすれば奥行き方向の寸法を縮小できる。図5に示すように本実施例では、搬送パレットの幅は、集配ロッカ11の2列分に対応した幅となっている。
【0025】
搬送パレット12のコンベア8aが手前側に移動すると、荷物1は搬送パレット12のコンベア8aとともに、やや上向きの姿勢で移動する。そして移送手段8の前端側まで移動すると、荷物1のモーメントにより荷物1はやや下向きの姿勢となって集配ロッカ11の移送手段22上に移る。そして、移送手段22のコンベア22aとともに、下向きの姿勢のまま集配ロッカ11の前面側へ移動する。荷物1の先端が集配ロッカ11のストッパ41に当たると、移送手段22の駆動ローラ23および従動ローラ21が停止する。これにより、荷物1の集配ロッカ11内への格納が終了する。
【0026】
ところで搬送パレット12から集配ロッカ11に荷物を移動させるときには、搬送パレット12の移送手段8の前端側に位置する最上面高さsが、集配ロッカ11の移送手段22の後端側に位置する最上面高さrよりも高さh1だけ下方に位置するように、搬送パレット12を位置決めしている。これにより、荷物のモーメントにより確実に移送手段8から移送手段22へ荷物1が移動する。
【0027】
一方、荷物を集配ロッカ11から搬送パレット12に移動させる場合には、図4に示すように、搬送パレット12の移送手段8の前端側に位置する最上面高さsが、集配ロッカ11の移送手段22の後端側に位置する最上面高さrよりも高さh1だけ上方に位置するように、搬送パレット12を位置決めする。
【0028】
搬送パレット12の前面に扉は設けられていないが、移送装置8が緩やかに傾斜しているので、荷物1が搬送パレット12から落下することはない。したがって、確実に荷物1を集配ロッカ11から搬送パレット12に移送できる。また、指定階床までの上昇中にも、搬送パレットからの落下を防止できる。
【0029】
集配ロッカ12には、荷物1の受取人の名前または部屋番号を表示する表示部が設けられている。荷物1を格納したことが確認されると、集配ロッカ11の表示部には、受取人の名前または部屋番号が表示される。
【0030】
本実施例では、配送人35が荷物1を指定階床に送り、受取人36が荷物1を受け取る例を示している。ビルの住人36や従業員が、荷物1を特定階床から発送する場合も、本実施例と同様の手順で実施できる。その場合住人36は、居住階床の集配ロッカ11に荷物1を格納し、集配ロッカ11の前面に設けた情報格納部4から荷物1の発送情報を入力する。集配ロッカ11の制御部は、発送情報を駆動制御部に送信する。そして、搬送パレット12を例えばビルの2階にある発送部門に移動させる。
【0031】
発送部門では、必要な伝票や発送宛名の貼付、データ入力等をして、例えば地下1階にある出荷階床に移動させる。出荷階床では、荷物1を搬送パレット12から集配ロッカ11に移動させ、配送人を待つ。出荷階床では、荷物1を格納した集配ロッカ11に取り付けた表示手段、または専用の表示手段に発送物有りとの情報を表示する。
【0032】
図6に、搬送パレット12の駆動機構の詳細を示す。搬送パレット12の下部には、プーリ5が取付けられている。ビルの屋上近くの部分には、軸端部にプーリ13が取付けられた巻上機14が設けられている。これらプーリ5、13にはロープ6が装架されている。ロープ6の一端または両端は、ビルに固定されている。プーリ5、13に装架されたロープは、プーリを有するつりあい重り15に連結されている。巻上機14が回転すると、搬送パレット12が上下方向に昇降する。
【0033】
搬送パレット12は、各階床に設置した集配ロッカ11の横方向の寸法W1に相当する幅W2であり、集配ロッカ11が横に2列に配置されていれば2列分の寸法である。本実施例によれば、搬送パレット11が1個あれば、すべての集配ロッカ11の荷物1を搬送できる。そのため、搬送パレット12を横方向に移動させる手段を設ける必要がない。荷物1の集配量が多い建物においては、搬送パレット12の幅W2を集配ロッカ11の1個の幅W3に合わせ、集配ロッカ11を複数列配置する。そして、各列毎に複数の搬送パレット12を設置するのがよい。
【0034】
本実施例においては、搬送パレット12の上下方向の個数を1個としているが、上下方向に搬送パレット12を複数台連結してもよい。また、集配ロッカ11と搬送パレット12の双方に情報通信手段を設けて、搬送パレット12が位置決めされる度に、集荷ロッカ11内の荷物1の有無を確認するようにしてもよい。戸の場合、搬送パレット12が位置決めされる度に、上下方向に配置された複数の搬送パレットにおいて、荷物1を受け渡しすることができる。オフィスなど連続的に荷物1を循環させるときには、例えば、チェーンなどに搬送パレット12を取り付け、1つのループを形成して、循環駆動してもよい。
【0035】
図7に、本発明に係る荷物の格納方法の一例を示す。集配ロッカC1〜C3が一杯になった階床に、図示しない配送人が、さらに荷物を配送する場合の例である。指定階床には荷物を置く場所がないので、他の階床の集配ロッカA1に一時的に仮置きする。受取人36が荷物を受取る際には、自己の階床以外の階床にある空いた集配ロッカA2,B1に一時的に保管した荷物と、集配ロッカC1〜C3に格納した荷物を入れ替える。
【0036】
この場合、荷物の受取人は、例えば外部からビルへの入口が設けられた階床に設置した情報表示板を見ることにより、自己の荷物の着荷の有無を知る。そして上記操作をすることにより、居住階の任意の集配ロッカ11で荷物を受け取ることができる。なおこの操作を、集配ロッカに取出しのアクセスしたら、集配ロッカが自動的に行うようにすることも可能である。
【0037】
上記実施例によれば、エレベータの近傍に表示手段を設けたので、ビルの住人や従業員は、自分に配達物があるかどうかをエレベーター出入りの際に、確認することができる。また上記実施例におていは宅配ロッカを、エレベーターに隣接した領域に配置したが、この領域には限定されず、各階床の住人または従業員が取出し安い場所に設ければよい。また、宅配ロッカの個数を、それぞれの建物の規模や物流量に応じて変えればよい。その際、各宅配ロッカの幅方向長さと高さ方向長さに基づいて、設置台数を決定すればよい。
【0038】
上記実施例では、各集配ロッカに移送手段を設けているが、搬送パレットに伸縮可能または移動可能なパレットと荷物を押し込む手段とを設けてもよい。この場合、荷物を持ち込むときは、移送手段を集配ロッカまで伸ばすか移動させて荷物を載荷する。その後、荷物を載せたまま移送手段を搬送パレットに戻す。指定階床の集配ロッカに達したら、移送手段を伸ばすか移動させて、集配ロッカに荷物を移動させる。そして、移送手段だけを搬送パレットに戻す。その際押し込み手段を用いて、荷物が搬送パレットに戻るのを防止する。このようにすれば、搬送パレットにだけ、移送手段を設ければよく、機構が簡単になるとともに安価になる。
【0039】
なお、上記実施例では図示を省略したが、搬送パレットの位置決めのために位置決め用センサが集配ロッカの背面側に設けられている。また、荷物位置が定まったときに移送装置の駆動ローラを停止させるために、ストッパまたはその近傍に位置決め用のセンサを設けている。この位置決め用センサは、搬送パレットにも取り付けられており、移送装置の駆動ローラの停止に用いる。
【0040】
上記実施例においては、集合住宅における荷物の発送や受取について例示したが、新聞や食材料等の宅配物にも適用することができるのはいうまでもない。また、新設コストや運用コストの負担を軽減するために、各階床の集配ロッカをテナントが物流システムの運用会社とレンタル契約するようにしてもよい。
【0041】
なお、上記各実施例においては、各階床の集配ロッカは権限のある人しか操作できないので、他人が自己の荷物を持ち去る等の事故を防止できる。その際、荷物の集配人が入力した部屋番号カードキー等を利用すれば、簡易な方法でセキュリティを確保できる。また、配送人を運転免許証等で身分照会することにより、誤収集、誤配送を防止できる。
【0042】
上記各実施例では、搬送パレットを集配ロッカの奥側に設けているが、集配ロッカの横に設けてもよい。これは、奥行き寸法が取れないビルに適する。
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば、集配ロッカ間の荷物移動を自動化したので、簡素な構成で、集合住宅等の建屋内において、確実に宅配便等を住居階まで配送できる。また、集配ロッカへのアクセスを権限のある人しかできないようにしたので、建屋内の配送におけるセキュリティを向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る物流システムの一実施例の模式図。
【図2】図1に示した物流システムに用いる宅配ロッカー部の模式図。
【図3】図1に示した物流システムに用いる宅配ロッカー部の模式図。
【図4】図1に示した物流システムに用いる宅配ロッカー部の側面図。
【図5】図1に示した物流システムに用いる宅配ロッカー部の上面図。
【図6】図1に示した物流システムの要部斜視図。
【図7】本発明に係る物流システムの利用形態を説明する図。
【符号の説明】
1…荷物、3…開閉扉、4…情報格納部、5…プーリ、6…ロープ、7…従動ローラ、8…(第1の荷物)移送手段、9…駆動ローラ、11…集配ロッカ(格納手段)、12…搬送パレット(搬送装置)、13…駆動シーブ、14…巻上機、15…つりあい重り、21…従動ローラ、22…(第2の荷物)移送手段、23…駆動ローラ、31…エレベーター昇降路、35…配送人、36…受取人、41…ストッパ、42…開閉扉、r…移送手段ローラ最上面(集配ロッカ側)、s…移送手段ローラ最上面(搬送パレット側)、A1…集配ロッカ(一時保管用)、A2…集配ロッカ(待避用)、B1…集配ロッカ(待避用)、C1〜C3…集配ロッカ、h1…搬送パレットと集配ロッカの停止位置の差(高さ方向)、w1…複数列の集配ロッカ幅、w2…搬送パレット幅、w3…単一集配ロッカの幅。
Claims (2)
- 複数階床間に渡って荷物を移動させ、各居住階に荷物を搬送する物流システムにおいて、各階床に設けた荷物の格納手段と、荷物を上下方向に昇降させる搬送装置と、配送人が配送先階床を指定する情報格納手段とを有し、前記格納手段が前記搬送装置に隣り合うとともに、各階床における格納手段の水平投影断面がそれぞれ重複し、
前記格納手段内に第1の荷物移送手段を、前記搬送装置内に第2の荷物移送手段をそれぞれ設け、第1の荷物移送手段は奥行き方向に上昇して傾斜配置されており、第2の荷物移送手段は奥行き方向に下降して傾斜配置されていることを特徴とする物流システム。 - 複数階床間に渡って荷物を移動させ、各居住階に荷物を搬送する物流システムにおいて、各階床に設けた荷物の格納手段と、荷物を上下方向に昇降させる搬送装置と、配送人が配送先階床を指定する情報格納手段とを有し、前記格納手段が前記搬送装置に隣り合うとともに、各階床における格納手段の水平投影断面がそれぞれ重複し、
さらに、荷物の仮置きをする仮置き手段を設け、この仮置き手段は、荷受先から指定した階床の荷送り先へ前記搬送装置を用いて荷物を送るときに指定階床の全ての格納手段に既に荷物が格納されていたら荷物を仮置きするものであり、荷物を受け取る際に、指定階床の格納手段に既にある他の荷物を他階床の格納手段または仮置き手段に移動させた後、指定階床に荷物を仮置き手段から移動させるよう制御する制御手段を設けたことを特徴とする物流システム。
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