JP4088896B2 - 通信システム及び通信装置 - Google Patents

通信システム及び通信装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4088896B2
JP4088896B2 JP2004055500A JP2004055500A JP4088896B2 JP 4088896 B2 JP4088896 B2 JP 4088896B2 JP 2004055500 A JP2004055500 A JP 2004055500A JP 2004055500 A JP2004055500 A JP 2004055500A JP 4088896 B2 JP4088896 B2 JP 4088896B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
communication
human body
signal
unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2004055500A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004282733A (ja
JP2004282733A5 (ja
Inventor
清昭 滝口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP2004055500A priority Critical patent/JP4088896B2/ja
Publication of JP2004282733A publication Critical patent/JP2004282733A/ja
Publication of JP2004282733A5 publication Critical patent/JP2004282733A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4088896B2 publication Critical patent/JP4088896B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Description

本発明は通信システム及び通信装置に関し、例えば電界を介して情報を送受信する通信システムに適用して好適なものである。
従来、通信システムは、例えば携帯電話機間において放射電界(電波)を用いて情報を送受信したり、例えば駅の改札機に設けられたデータ読出書込器内のコイルと、ICカード内のコイルとの間における電磁誘導により情報を送受信するようになされている。
近年、例えば下記の表1に示すように、人体表皮に当接された状態で装着される人体側通信機と、当該人体の近傍に機器側通信機とを設け、当該人体側通信機の電極を介して人体に交流電圧を印加し、その結果、人体側通信機及び機器側通信機における各電極間に介在する人体を媒質としたコンデンサの作用により、当該機器側通信機の電極で生ずる静電誘導現象を用いて情報を送受信するようになされた通信システムが提案されている(例えば非特許文献1参照)。
Figure 0004088896
また、表1に示した場合の他にも、送受信用の電極間に介在する人体を媒質としたコンデンサの作用により、受信用の電極に生じる静電誘導現象を用いて情報を送受信するようになされた通信システムが数多く提案されている(特許文献1〜9、非特許文献2〜5参照)。
特表平11−509380号 特許第3074644号 特開平10−228524号 特開平10−229357号 特開2001−308803号 特開2000−224083号 特開2001−223649号 特開2001−308803号 特開2002−9710号 インターネット<URL:http://www.mew.co.jp/press/0103/0103-7.htm> [平成15年1月20日検索] 2002.3.1、蜂須賀啓介、中田杏理、柴健次、佐々木健、保坂寛、板生清(東大)「人体を伝送路とした情報通信デバイスの開発」マイクロメカトロニクス学術講演会講演論文集 VOL,2002,春季;PP.27−28 2002 中田杏理、蜂須賀啓介、柴健次、佐々木健、保坂寛、板生清(東大)「生体内通信システムの開発」精密工学会大会学術講演開講演論文集 春季;PAGE.640 2002.3.1 藤井勝之(千葉大)、伊達公一(千葉大)、田島茂(ソニーコンピュータサイエンス研)「人体を伝送路として利用した通信システムのモデル化に関する検討」社団法人映像メディア学会技術報告 Vol.26,No.20,pp.13〜18 2002.3.18 蜂須賀啓介、中田杏理、武田健人、佐々木健、保坂寛、板 生清(東大 大学院新領域創世科学研究科)、柴健次(東京理大 理工)「人体を伝送路とした情報通信デバイスの開発」マイクロメカトロニクス Vol.46,NO.2;PP.53−64
ところでかかる構成の通信システムにおいては、送受信用の電極間に介在させる人体を媒質としたコンデンサの作用を物理的作用の前提としていることにより、当該電極間で通信する際の通信強度が電極面積に依存してしまう。
また、送受信用の電極間に介在させる人体を媒質としたコンデンサの作用を物理的作用の前提としていることにより、例えば、送信用の電極を人体の右手首に装着した場合には当該右手首から指先方向以外への通信については物理的に不可能となり、一方、送信用の電極を人体の胸近傍に装着した場合には当該胸から前面方向以外への通信については物理的に不可能となる。
このように通信システムにおいては、送受信用の電極間に介在させる人体を媒質としたコンデンサの作用を物理的作用の前提としていることにより、人体に装着する電極位置に応じて通信方向が制約されるのみならず、当該通信の強度が電極面積に依存する結果、通信の際における自由度が乏しいという問題があった。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、通信の際における自由度を向上し得る通信システム及び通信装置を提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明は、人体の近傍に設けられ、送信すべき情報に応じて変調した準静電界を発生することにより、上記人体を帯電させる第1の通信装置と、所定の制御対象物又はその近傍に設けられ、上記人体の帯電状態の変化を検出し、当該変化に基づいて情報を復調する第2の通信装置とにより通信システムを構築させる。
また本発明は、所定の制御対象物又はその近傍に設けられる通信装置を通信相手として通信するための通信装置であって、人体に近接される電極と、人体を帯電させるための信号を送信すべき情報に応じて変調し、変調された変調信号を電極に出力する変調手段とを含む構成とする。
また本発明は、所定の制御対象物又はその近傍に設けられ、人体に近接される通信装置を通信相手として通信するための通信装置であって、通信相手によって帯電させられる人体の帯電状態を検出する検出手段と、検出手段により検出される帯電状態の変化に基づいて情報を復調する復調手段とを含む構成とする。
体表面からその周囲等方に帯電状態が広がる人体をアンテナとして通信することが可能となる
極めて良好に帯電するため、帯電対象が人体であってもアンテナとして作用させることができる。
さらに、通信間の電極について、微小ダイポールの近傍における所定位置での電界の誘導電磁界成分がノイズフロアよりも小さくなる関係を満たすようにすることにより、準静電界通信に不要な誘導電磁界成分や放射電界成分を抑制した分だけ通信に必要なエネルギーを低くできると共に、不要伝播を抑制して空間分解能を向上させることができため、通信の安定化を図ることができる。
以上のように本発明によれば、人体表面からその周囲等方に帯電状態が広がる人体をアンテナとして通信可能とすることにより、送信側の電極の位置に応じて通信方向が制約されることなく、当該通信の強度が電極面積に依存することなく通信することができ、かくして通信の際における自由度を向上することができる。
以下図面について本発明について詳述する。
(1)本発明の概要
本発明は、電界を用いて情報を送受信する。以下、電界との関係において本発明の概要を述べる。
(1−1)電界
一般に、電気双極子(ダイポールアンテナ)に電流を流した場合、当該アンテナからの距離rに従って発生する電界Eは、次式
Figure 0004088896
のように簡略化して表すことができる。
(1)式に示されるように、電界Eは、距離rの3乗に反比例する成分(以下、これを準静電界と呼ぶ)と、距離rの2乗に反比例する成分(以下、これを誘導電磁界と呼ぶ)と、距離rに線形に反比例する成分(以下、これを放射電界と呼ぶ)とに大別される。
放射電界は、距離rに線形に反比例するだけである分、当該距離rが長い場合であっても急速に減衰しない伝搬性に優れた成分であるため、従来における情報通信の分野では一般的な情報伝送媒体として用いられている。
誘導電磁界は、距離rが長くなるとその2乗に反比例して減衰する伝搬性に乏しい成分であるが、近年における一部の情報通信の分野では情報伝送媒体として用いられている。
準静電界は、距離rの3乗に反比例して急速に減衰するので伝搬性はなく、単に振動として振動源のごく近傍に現れるだけの成分であるため、放射電界や誘導電磁界を前提とした情報通信の分野では利用されていない。
本発明は、電界のうち準静電界を用いた近傍通信(以下、これを近接場通信と呼ぶ)手法により、ごく近傍の通信範囲内で情報を送受信するようになされている。
(1−2)準静電界
かかる準静電界について更に詳しく述べる。まず、上述の(1)式に表した電界Eを、図1に示すように、原点から所定間隔だけ離れた位置P(r,θ,φ)における電界として表してみる。
このとき距離δだけ離れた位置に電荷qと、電荷−qとが存在し、時刻tで電荷qが「Qcosωt」と変化すると仮定した場合に、電荷qの位置を原点とすると、位置P(r,θ,φ)における各電界Er、Eθ及びEφは、次式
Figure 0004088896
と表すことができる。
因みに、(2)式において電界Eφが「0」となるが、これは位置P(図1)からφ方向には電界が発生しないことを意味している。
ここで、(2)式に表される電界Er及びEθから、距離rに線形に反比例する成分(即ち放射電界)を分離すると、位置P(r,θ,φ)における放射電界E1r及びE1θは、次式
Figure 0004088896
と表すことができ、また(2)式に表される電界Er及びEθから、距離rの2乗に反比例する成分(即ち誘導電磁界)を分離すると、位置P(r,θ,φ)における誘導電磁界E2r及びE2θは、次式
Figure 0004088896
と表すことができ、さらに(2)式に表される電界Er及びEθから、距離rの3乗に反比例する成分(即ち準静電界)を分離すると、位置P(r,θ,φ)における準静電界E3r及びE3θは、次式
Figure 0004088896
と表すことができる。
因みに(3)式において放射電界E1rのみ「0」となるが、これは位置P(図1)から接線方向には放射電界が発生しないことを意味している。
次に、距離rに関する放射電界、誘導電磁界及び準静電界における成分別電界強度を表すために、かかる(3)式〜(5)式のうち放射電界E1θ、誘導電磁界E2θ及び準静電界E3θについてもう少し整理してみる。
すなわち、波数k〔m−1〕は、角周波数をωとし、光速をcとすると、次式
Figure 0004088896
に示す関係にあるので、波数kを(6)式に置き換えると共に、距離rによる周期的な電界強度変化に相当する「j・exp(-jkr)」については議論の本質とはならないので取り除き、また電荷qと電荷−qとの時間的変化の最大時を扱うため「cosωt」を1とすると、次式
Figure 0004088896
となり、次いで、(7)式について距離δを1とし、電荷q(=Q)を0.001〔C〕とし、θをπ/2として整理すると、次式
Figure 0004088896
となる。
かかる(8)式に基づいて放射電界E1θ、誘導電磁界E2θ及び準静電界E3θにおける成分別電界強度を定性的にプロットした結果を図2及び図3に示す。
但し、図2及び図3においては、周波数1〔MHz〕における成分別電界強度を示し、また図3においては、図2に示した成分別電界強度を指数(指数尺度)に置き換えて示している。
特に図3から明らかなように、放射電界E1θ、誘導電磁界E2θ及び準静電界E3θにおける成分別電界強度の等しくなる距離r(以下、これを境界点と呼ぶ)が存在しており、当該境界点よりも遠方では放射電界E1θが支配的となり、これに対して境界点から近傍では準静電界E3θが支配的となっていることが分かる。
ところで境界点においては、上述の(8)式よれば、次式
Figure 0004088896
となるときであり、光速cは波長をλとし、周波数をfとすると、次式
Figure 0004088896
に示す関係にあり、一方、角周波数ωは次式
Figure 0004088896
に示す関係にあるので、(10)式と(11)式とを(9)式に代入して整理すると、次式
Figure 0004088896
となる。
(12)式によれば、原点から境界点までの距離rについては波長λによって異なり、図4に示すように、波長λが長いほど準静電界E3θが支配的となる範囲(原点から境界点までの距離r)は広くなる。
以上に述べたことをまとめてみると、空気の比誘電率εを1とし、空気中の波長をλとして仮定した場合、原点からの距離rが「r<λ/2π」である範囲内では、準静電界E3θは支配的となる。
本発明は、近接場通信手法により情報を送受信する際に、かかる(12)式を充足する範囲を選定することにより、準静電界E3θが支配的となる空間上で当該情報を送受信するようになされている。
(1−3)準静電界と人体
ところで、人体に放射電界や誘導電磁界を発生させようとするならば当該人体に電流を流す必要があるが、人体はインピーダンスが非常に高いので、当該人体に電流を効率的に流すことは物理的に困難であり、また生理的にも好ましくない。しかしながら静電気については全く様相が異なってくる。
すなわち、日常我々が静電気を体感するという経験的事実からも示唆されるように、人体は非常に良く帯電する。また動作に応じた人体表面の帯電により準静電界が発生することも知られていることから、人体へ準静電界を発生させる場合には当該人体に通電する必要はなく帯電させればよい。
つまり、人体では極めて少ない電荷の移動(電流)により帯電し、当該帯電変化が瞬間的に人体表面周囲に伝わってその周囲からほぼ等方向へ準静電界の等電位面として形成されると共に、準静電界が支配的となる上述の(12)式を充足する範囲内では放射電界や誘導電磁界の影響も少ないのでアンテナとして効率的に機能する。このことは本出願人による実験結果により既に確認されている。
本発明は、近接場通信手法として、所定の情報に応じて人体を帯電させることにより当該人体近傍の周囲へ等方に形成される準静電界を変調し、その結果人体近傍に情報を有する準静電界を形成させて当該情報を送受信するようになされている。
このように本発明の概要としては、準静電界の性質と人体の性質とを利用したものであって、当該準静電界が支配的となる範囲内において当該人体を帯電させることによりアンテナとして作用させ、その結果人体近傍に形成される準静電界を情報伝送媒体として用いるようにするものであり、以下、本発明を適用した一実施の形態について述べる。
(2)第1の実施の形態
(2−1)第1の実施の形態による通信システムの全体構成
図5において、1は全体として第1の実施の形態による通信システムの全体構成を示し、所定の駅に設けられた改札機2と、改札機2を利用する人体(以下、これを利用者と呼ぶ)の着衣のポケットに挿入されたカード形状でなる可搬型の装置(以下、これをカード装置と呼ぶ)3とによって構成される。
改札機2においては、利用者の通過経路として駅における所定の場所へ設置された入出用通路部4と、当該入出用通路部4の出口側へ開閉自在に設けられた出口扉5とを有し、当該入出用通路部4の入口側の側面には電極(以下、これを側面電極と呼ぶ)7が設けらている。
カード装置3は、一方の表面には電極(以下、これを内部電極と呼ぶ)8が設けられると共に、他方の表面にも電極(以下、これを外部電極と呼ぶ)9が設けられている。
かかる通信システム1は、入出用通路部4上を通過しようとする利用者のカード装置3を起動した後、当該カード装置3と改札機2との間で近接場通信し、必要に応じて閉鎖状態の出口扉5を開放するようになされている。
(2−2)近接場通信
かかる通信システム1における近接場通信について、改札機2の内部構成と、カード装置3の内部構成とを示す図面を用いながら以下詳細に述べる。
(2−2−1)カード装置の起動
図6に示すように、改札機2の制御部20は、所定の通信処理プログラムに従って改札機2を統括的に制御するようになされており、予め情報格納メモリに格納された所定の通信クロックに基づいて経路切換器21の切換切片21aを送信用接続端21b又は受信用接続端21cに切り換えるようになされている。
送信部23は、通信クロックに基づく送信タイミングの際に、交流電源15に基づいて生成した所定の周波数でなる交流信号S1を経路切換器21を介して側面電極7に与え、当該側面電極7を介して交流信号S1に応じて振動する準静電界を発生する。
具体的に送信部23は、空気の比誘電率εを1とし、空気中の波長をλとし、カード装置3と改札機2とが通信する際における外部電極9と側面電極7との間での最大の距離をrとし、交流信号S1の周波数をfとして上述の(12)式に(10)式を代入して整理すると、次式
Figure 0004088896
を充足する周波数fでなる交流信号S1を生成して側面電極7に与えることにより、図2及び図3について上述したように、放射電界及び誘導電磁界を抑制した状態で、準静電界を側面電極7から発生し得るようになされている。
この状態において、側面電極7から発生される準静電界の内部に利用者が入ると(即ち、入出場通路部4上を利用者が通過しようとすると)、当該準静電界内部の利用者は側面電極7の変位に応じて帯電することによりアンテナとして作用し、利用者表面周囲にはほぼ等方向へ当該変位に応じた準静電界(以下、これを交番準電界と呼ぶ)TDが広がる。
この場合、図7に示すように、利用者に携帯されるカード装置3の内部電極8は、当該利用者と静電結合してコンデンサC2を形成し、その一方で外部電極9は、接地と結合してコンデンサC3を形成すると共に、当該利用者を経由して側面電極7(接地と等価電位でなる)と結合してコンデンサC1を形成する。
この結果、図8に示すように側面電極7、利用者、内部電極8及び外部電極9を順次経由してなる電気的な経路が形成され、当該外部電極9は帯電する利用者を経由してカード装置3内の交流電源15の基準電位となる。これによりカード装置3における内部電極8と外部電極9との間には、帯電する利用者を経由して改札機2側の交流電源15の電圧が加わる。
このときカード装置3は、図9に示すように、内部電極8側の切換切片31aを受信用接続端31cに接続すると共に、外部電極9側の切換切片31bを受信用接続端31eに接続しており、外部電極9及び内部電極8間に生じる交流信号(電流)S1を整流回路33により全波整流し、その結果得られる直流電流S2を平滑コンデンサHCに電力として蓄積する。
電源制御部32は、平滑コンデンサHCに蓄積される電力が所定の電圧レベルにまで達したことを検出するとカード装置3を起動するようになされている。
このようにして通信システム1においては、利用者を帯電させることにより巨大なアンテナ(電極)として機能する当該利用者からカード装置3の電力を得るようにしたことにより、改札機2側からの電力供給を補助することができると共に、カード装置3側では、内部電極8及び外部電極9の電極面積に依存することなくかつ電池を設けることもなく電力を得ることができるようになされている。
かくするにつき、通信システム1では、改札機2からカード装置3への電力供給の効率化を図りつつ、システム全体及びカード装置3自体の小型化を図ることができるようになされている。
一方、カード装置3は、改札機2から与えられる交流信号S1の周波数fに基づいて、クロックジェネレータ34により改札機2側の通信クロックに対応する同期クロックS3を生成し、これを制御部30に与える。
制御部30は、所定の通信処理プログラムに従ってカード装置3を統括的に制御するようになされており、クロックジェネレータ34から与えられる同期クロックS3に基づいて経路切換器31の切換切片31a及び31bを切り換える。
因みに制御部30は、同期クロックS3に基づく送信タイミングの際には切換切片31aを送信用接続端31dに接続すると共に切換切片31bをアース接続端31fに接続し、これに対して受信タイミングの際には切換切片31aを受信用接続端31cに接続すると共に切換切片31bを受信用接続端31e に接続するようになされている。
(2−2−2)カード装置から改札機への近接場通信
制御部30は、同期クロックS3に基づく送信タイミングの際に、例えば駅を入出場する際の駅名や料金情報等、利用者の入出場の可否を識別する識別情報S4を内部の情報格納メモリ(図示せず)から読み出し、これを送信部35に与える。
送信部35は、平滑コンデンサHCに蓄積された電力に基づいて改札機2側と同一の周波数でなる交流信号を生成し、当該交流信号に対して所定の変調方式に従った変調処理を施して識別情報S4を重畳し、その結果得られる識別信号S5を経路切換器31を介して内部電極8と外部電極9との間に与える。
この場合、内部電極8は識別信号S5の周波数に応じて振動し、当該振動に応じた準静電界(識別信号S5)を発生する。この結果、利用者は内部電極8の振動に応じて帯電し、当該利用者周囲にはほぼ等方へ当該振動に応じて識別信号S5の有する準静電界(以下、これを情報伝送準静電界と呼ぶ)DTDが形成される。
この場合、図7及び図8について上述した場合と同様の作用により、利用者と側面電極7とが結合し、情報伝送準静電界DTDは、側面電極7で検出されるようになされている。
このようにして送信部35においては、(12)式について上述したように放射電界及び誘導電磁界を抑制した空間上で、内部電極8から発生する準静電界(識別信号S5)に応じて利用者の帯電状態を変化させることにより当該利用者をアンテナとして作用させ、情報伝送準静電界DTDを形成し得るようになされている。
このとき改札機2(図6)では通信クロックに基づく受信タイミングとなっており、電界効果トランジスタ(以下、これをFETと呼ぶ)28は、側面電極7により検出された情報伝送準静電界DTDの強度変位を当該FET28のゲートを介して電位変化として検出し、これをアンプ(図示せず)を介して識別信号S6として受信部24に与える。
受信部24は、識別信号S6に対して所定の復調方式に従って復調処理を施すことにより識別情報S7を抽出し、これを制御部20の通過判定部25に与える。
通過判定部25は、受信部24から識別情報S7を受けると、当該識別情報S7と、予め情報格納メモリに格納された判定情報とに基づいて所定の判定処理を実行し、入出用通路部4(図5)を通過しようとする利用者を通すべきか否かを判定する。
そして通過判定部25は、利用者を通すべき肯定結果を得た場合には通過許可命令を出口扉制御部26及び情報提供部27に与え、これに対して当該利用者を通すべきではない否定結果を得た場合には通過不許可命令を出口扉制御部26及び情報提供部27に与える。
出口扉制御部26は、通過判定部25から通過許可命令を受けた場合には入出用通路部4(図5)の出口扉5を開放することにより当該利用者を通し、これに対して通過判定部25から通過不許可命令を受けた場合には入出用通路部4の出口扉5を閉塞状態のまま維持することにより当該利用者の通過を阻止するようになされている。
(2−2−3)改札機からカード装置への近接場通信
情報提供部27は、通過判定部25から通過許可命令又は通過不許可命令を受けると、当該通過許可又は通過不許可やその他利用者に通知する通知情報S8を生成した後、通信クロックに基づく送信タイミングの際に通知情報を送信部23に与える。
送信部23は、交流信号S1に対して所定の変調方式に従った変調処理を施して通知情報S8を重畳し、この結果得られる通知信号S9を経路切換器21を介して側面電極7に与え、当該通知信号S9に応じて振動する準静電界を側面電極7から発生する。
これにより送信部23においては、図7及び図8で上述したような準静電界の誘導により、放射電界及び誘導電磁界を抑制した空間上で、側面電極7から発生する準静電界(通知信号S9)に応じて利用者の帯電状態を変化させて当該利用者をアンテナとして作用させ、利用者近傍に情報伝送準静電界DTDを形成し得るようになされている。
このときカード装置3(図9)では同期クロックS3に基づく受信タイミングとなっており、内部電極8は利用者近傍に形成される情報伝送準静電界DTDを検出し、FET37は、内部電極8により検出された情報伝送準静電界DTDの強度変位を当該FET37のゲートを介して電位変化として検出し、これをアンプ(図示せず)を介して通知信号S9として受信部24に与える。
受信部24は、通知信号S9に対して所定のパルス変調方式により復調処理を施すことにより通知情報S10を抽出し、これを制御部30に与える。
このとき制御部30は、例えば通知情報S10に基づいてその内容を表示部(図示せず)を介して表示することにより、当該内容を利用者に通知するようになされている。
このように改札機2(カード装置3)は、通信クロック(同期クロックS3)に基づいて送信経路と受信経路とを交互に切り換えて情報を送受信する半2重方式を実行することにより、側面電極7(内部電極8)を介して送信した通知信号S9(識別信号S5)を、当該側面電極7(内部電極8)を介して受信してしまうこと(いわゆる回り込み)を回避し得るようになされている。
この場合、改札機2(カード装置3)は、1つの側面電極7(内部電極8)で、利用者を帯電させる帯電誘導電極としての機能と、カード装置3(改札機2)によって変化させられた利用者の帯電状態の変化を検出する検出電極としての機能とを兼用することができ、その分だけ小型化できるようになされている。
さらに、改札機2は、1つの交流信号S1を電力供給用又は情報通信用として兼用することにより、当該電力供給用の信号に係る送信用電極と情報通信用信号の送信用電極とを別々に設けることなく1つの側面電極7で共用することができ、その分小型化し得るようになされている。
(2−3)近接場通信における補助手段
かかる構成に加えて、通信システム1においては、図10に示すように、入出用通路部4の床面(以下、これを経路床面と呼ぶ)Y1をアース(以下、これを建物床面と呼ぶ)Y2へ接地せずに、当該建物床面Y2から所定の空間dx(空隙)だけ隔てた状態で、経路床面Y1を設けるようになされている。
この場合、経路床面Y1と建物床面Y2との間における空間dxの分だけ利用者の足と建物床面Y2との間の静電容量を、当該利用者と側面電極7との間の静電容量よりも小さくすることができ、当該利用者足元から建物床面Y2への情報伝送準静電界DTD(交番準電界TD)の漏洩を抑制し得るようになされている。
これに加えて例えば建物床面Y2における鉄骨同士の接合面の隙間や、当該鉄骨の錆による電気的に不安定な状態から生じる放電ノイズ等、建物床面Y2の不整合により生じるノイズ(以下、これを環境ノイズと呼ぶ)KNが、経路床面Y1から利用者へ誘導されることをも回避し得るようになる。
従って通信システムでは、利用者を帯電させた際に、当該帯電変化が瞬間的に利用者表面周囲に伝わってその周囲からほぼ等方向へ形成される情報伝送準静電界DTD(交番準電界TD)の等電位面を、一段と安定した状態で形成させることができ、かくして、近接場通信の安定化を図り得るようになされている。
このことは人体が理想的なものダイポールアンテナとして機能した際の準静電界の等電位面を示す図11と、本実施の形態による実験結果を示す図12とを比較すれば視覚的にも分かる。
さらに、通信システム1の改札機2は、図13に示すように、側面電極7からFET28を介して受信部24までにわたる経路の途中での信号の漏洩を抑制するようになされており、具体的には第1にFET28とは電気的に分離した状態で当該FET28の周囲を覆う導体の筐体28Aを設け、第2に当該受信経路における接地を受信部24だけにする。
また改札機2は、かかる漏洩を抑制する手段として、第3にFET28と接地との間における静電容量SC1を、当該FET28から受信部24を介して接地するまでの間における静電容量SC2に比して低減するようになされており、例えばFET28と接地との間隔(高さ)を大きくする。
これにより改札機2は、側面電極7により検出された情報伝送準静電界DTD(交番準電界TD)をFET28を介して受信部24にまで効率よく誘導することができ、かくして、利用者に形成される情報伝送準静電界DTD(図5)を感度良く受信することができるようになされている。
(2−4)動作及び効果
以上の構成において、通信システム1においては、準静電界の性質と利用者(人体)の性質とを利用し、利用者を帯電させることによりアンテナとして作用させ、この結果利用者近傍に形成される準静電界を情報伝送媒体として用いるようにした。
具体的に通信システム1においては、図6及び図9で上述したように、カード装置3(改札機2)側では識別情報S4(通知情報S8)に応じて変調した識別信号S5(通知信号S9)に応じた準静電界を内部電極8(側面電極7)から発生することにより利用者を帯電させ、改札機2(カード装置3)では利用者近傍へ等方に形成される情報伝送準静電界DTD(図5)の強度の変位を側面電極7(内部電極8)及びFET28(FET37)を順次介して検出し、当該検出結果に基づいて識別情報S4(通知情報S8)を復調するようにした。
従って通信システム1では、極めて良好に帯電する利用者をアンテナとして、識別信号S5(通知信号S9)に応じて当該利用者表面からほぼ等方へ広がる情報伝送準静電界DTDを形成させることができ、またカード装置3における保持の仕方や装着の仕方等に依存することなく、カード装置3における内部電極8の利用者への接触又は非接触に依存することもなく送受信することができる。
また通信システム1では、帯電する利用者をアンテナとして作用させるので、当該利用者の動作に係わらず利用者表面からその周囲等方へ広がる情報伝送準静電界DTDを形成させることもでき、従って通信の際に所定の動作を利用者に強要させることなく情報を送受信することもできる。
さらに通信システム1では、帯電する利用者をアンテナとして作用させ、その結果利用者近傍に形成される非伝搬性の情報伝送準静電界DTDを介して情報を送受信するので、他の電波(誘導電磁界又は放射電界)との混信を回避することができると共に、当該通信空間外からの傍受を回避して通信内容の秘匿性を確保することができる。
このように通信システム1では、従来のように送受信用の電極間に介在させる利用者を媒質として扱うのではなくアンテナとして作用させるようにしたことにより、利用者近傍において方向性の制約もなく秘匿性を確保した状態で、かつ利用者に所定の動作を強要もせずに情報の送受信を実現することができる。
かかる構成に加えて、通信システム1では、(12)式について上述したように、最大の距離rと、当該側面電極7に与える信号の周波数fとの関係として、上述の(13)式を充足するように選定している。
従って通信システム1においては、入出用通路部4上を通過しようとする利用者をアンテナとして作用させて近接場通信する際には、当該通信空間を常に非伝搬性の準静電界E3θが支配的となる空間(実質的に閉じた空間)として形成することができ、その結果、当該通信空間外に通信内容が伝わらない程度に通信出力を弱めることができ、通信内容の秘匿性を一段と確保することができるようになされている。
以上の構成によれば、通信システム1においては、準静電界の性質と利用者の性質とを利用し、当該利用者を帯電させることによりアンテナとして作用させ、その結果利用者近傍に形成される準静電界DTDを情報伝送媒体として用いるようにしたことにより、利用者近傍において方向性の制約もなく秘匿性を確保した状態で、かつ利用者に所定の動作を強要もせずに情報の送受信を実現することができ、かくして、準静電界を用いた通信の際における自由度を向上することができる。
(2−5)他の実施の形態
上述の第1の実施の形態においては、第1の通信装置としてのカード装置3を利用者の着衣のポケットに挿入するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、図14に示すように腕に装着するようにしても良く、或いは携帯電話機や歩数計内に組み込みんだり、鞄に入れる等、上述したようにカード装置3における保持の仕方や装着の仕方等に依存することなく、カード装置3における内部電極8の利用者への接触又は非接触に依存することもなく送受信人体の近傍に設けることができるので、要は利用者の近傍にあれば良い。
また上述の第1の実施の形態においては、カード装置3をカード形状とするようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、この他種々の形状にすることができる。
さらに上述の第1の実施の形態においては、建物床面Y2(図10)から所定の空間dxだけ隔てて経路床面Y1を入出用通路部4に設けるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、当該経路床面Y1と建物床面Y2との間に比誘電率の低い部材を充填するようにしても良い。
この場合、経路床面Y1と建物床面Y2との間に充填される部材の比誘電率をεとし、当該経路床面Y1と建物床面Y2との間における隙間をdxとし、真空の誘電率をε0 とし、利用者の足裏面積をS とすると、利用者の足と建物床面Y2との間の静電容量CY2は、次式
Figure 0004088896
の関係に近似するので、かかる関係を考慮して経路床面Y1と建物床面Y2との間における距離dxと、経路床面Y1と建物床面Y2との間に充填する部材との比誘電率をεを選定すれば、利用者と側面電極7との間の静電容量よりも利用者の足と建物床面Y2との間の静電容量CY2を確実に小さくすることができ、かくして、当該利用者足元から建物床面Y2への情報伝送準静電界DTD(交番準電界TD)の漏洩を一段と抑制して近接場通信の安定化をより一層図ることができる。
また上述の実施の第1の形態においては、識別対象と建物床面との電気的結合を抑制する結合抑制手段として、建物床面Y2(図10)から所定の空間dxだけ隔てて経路床面Y1を入出用通路部4に設けるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、図16に示すように、経路床面Y1に敷設され、当該建物床面Y2に接地されたノイズ吸収接地ライン40を設けるようにしても良い。
この場合、上述の第1の実施の形態と同様に、建物床面Y2の不整合により生じるノイズ(以下、これを環境ノイズと呼ぶ)KNが、経路床面Y1から利用者へ誘導されることをも回避でき、近接場通信の安定化を図ることができる。また経路床面Y1(図10)と建物床面Y2との間に空間dxを設けると共にノイズ吸収接地ライン40を設けるようにすれば、近接場通信の安定化を一段と図ることができる。
さらに上述の第1の実施の形態においては、検出電極及び電力供給用電極としての側面電極7によって1つの交流信号S1を電力供給用の信号又は搬送用の信号として兼用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、当該電力供給用としての電極と、情報通信用としての電極とを別々に設けるようにしても良い。
具体的には図6、図8及び図9の対応する部分にそれぞれ同一符号を付した図16、図17及び図18に示すように、改札機2では、入出用通路部4の入り口側の内側面に側面電極7とは別に電力供給用電極51を新たに設けると共に、当該電力供給用電極51と接地との間に交流電源15を設け、側面電極7については近接場通信の際にのみ用いるようにする。またカード装置3では、経路切換器31に代えて、一方の表面に受信用内部電極52と送信用内部電極53とを設けると共に、他方の表面に受信用外部電極54と送信用外部電極55とを設ける。このようにして改札機2とカード装置3との間における電力供給用の経路と、情報通信用の経路とを別々に送受信するようにしても、上述の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
さらに上述の第1の実施の形態においては、検出電極としての側面電極7により検出された利用者の帯電状態の変化(情報伝送準静電界DTD)を、検出手段としてのFET28により識別情報S7として検出し、復調手段としての受信部24により識別情報S7を復調するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、当該情報伝送準静電界DTDのインピーダンスの変化を測定することにより識別情報S7を復調するようにしても良い。
具体的には図6の対応する部分にそれぞれ同一符号を付した図19に示すように、改札機2は、送信部23により、交流電源15に基づいて生成した所定の周波数でなる交流信号S1を経路切換器21を介して側面電極7に与えて準静電界を発生する。このとき復調手段及びインピーダンス測定手段としての受信部60は、このようにすれば、上述の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
さらに上述の第1の実施の形態においては、検出手段としてのFET28又は37により利用者の帯電変化を識別信号S6(通知信号S9)として検出するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば誘導電圧に誘起された電圧をトランジスタやFETで構成されるものによって測定する誘導電極型電界強度計や、誘導電極から得られる直流信号をチョッパ回路や振動容量等を用いて交流変換する誘導電極型変調増幅方式電界強度計や、電気光学効果を有する物質に電界を加えることにより当該物質内に生じる光伝播特性の変化を測定する電気光学効果型電界強度計、またカード装置3に限ってはエレクトロメータ、シャント抵抗型電界強度計又は集電型電界強度計等、この他種々の検出手段によって利用者の帯電変化を検出するようにしても良い。
さらに上述の実施の第1の形態においては、変調手段及び電力供給手段としての送信部23により交流信号S1を常時側面電極7に与えるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、利用者が入出用通路部4に近づいてきた際に当該歩行運動に応じて利用者に形成される電界変位を検出電極としての側面電極7により検出している間のみ交流信号S1を側面電極7に与えるようにしても良い。
具体的に改札機2は、制御部20の制御の基、入出用通路部4(図5)を通過しようとする利用者を検出するまでは経路切換器21の切換切片21a を受信用接続端21cに接続しておき、入出用通路部4に近づいてくる利用者に形成されている歩行準電界変位を側面電極7及びFET28を順次介して検出し、当該検出結果を送信部23に送出したとき、制御部20により切換切片21a を送信用接続端21bに接続して交流信号S1を側面電極7に与える。一方、改札機2は、入出用通路部4を遠ざかる利用者に形成されている歩行準電界変位を側面電極7及びFET28を順次介して検出できず、当該検出結果を送信部23に送出しなくなったとき、制御部20により切換切片21a を再び受信用接続端21cに接続すると共に交流信号S1の側面電極7への供給を停止する。このようにすれば、改札機2は、利用者の歩行による歩行準電界変位(帯電)を側面電極7により検出している間以外には交流信号S1を側面電極7に与えない分だけ、上述の実施の形態に比して一段と省エネルギー化を図ることができる。
さらに上述の第1の実施の形態においては、利用者の近傍に設けられた可搬型でなる第1の通信装置としてのカード装置3と、所定の制御対象物に設けられた第2通信装置としての改札機2との間で近接場通信するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、当該一方の利用者に設けられたカード装置3と、他方の利用者に設けられたカード装置3との間で当該一方及び又は他方の利用者を経由して近接場通信するようにして良い。この場合、一方の利用者に設けられたカード装置3から他方の利用者に設けられたカード装置3までに経由する際の利用者(人体)の経由人数は何人であっても良い。このようにしても上述の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
さらに上述の第1の実施の形態においては、所定の制御対象物に設けられた第2の通信装置として改札機2を本発明に適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えばビデオテープレコーダ、テレビジョン装置、携帯電話機又はパーソナルコンピュータ等の電子機器や、医療機器、車、机、その他制御を目的とする制御対象物又はその近傍に設けられた第2の通信装置を本発明に幅広く適用することができる。この場合、上述の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
さらに上述の第1の実施の形態においては、識別対象として人体を本発明に適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ほ乳類やは虫類あるいは植物等の生体、さらには所定の導電性の物、その他識別を目的とする帯電性を有する対象を識別対象として本発明に幅広く適用することができる。
さらに上述の第1の実施の形態においては、通信経路としての入出用通路部4への入出場の際に必要に応じて出口扉5を開放する通信システム1に本発明を適用するようにした場合について述べたが、これに限らず、例えば会社の入出用通路への入出場の際に必要に応じて扉を開放する通信システム、机の近傍を通信経路とし当該机に近づいた際に必要に応じて机の扉を開放する通信システム、パーソナルコンピュータの近傍を通信経路とし当該パーソナルコンピュータに近づいた際に必要に応じて電源をオン状態にする通信システム、所定の識別対象物を搬送する搬送路を通信経路とし所定の位置へ当該識別対象物が搬送された際に必要に応じて搬送路を切り換える通信システム等、要は、人体を情報に応じて帯電させてアンテナとして作用させ、当該人体近傍に形成される準静電界を情報伝達媒体として情報を送受信する通信システムであれば、この他種々の用途でなる通信システムに本発明を幅広く適用することができる。
(3)第2の実施の形態
(3−1)第2の実施の形態による通信システムの全体構成
図20において、100は全体として第2の実施の形態による通信システムを示し、人体の着衣における尻ポケットに挿入された音声再生装置102と、当該人体の頭部に装着されたヘッドホン装置103とによって構成される。
この音声再生装置102はカード形状でなり、当該音声再生装置102の内部には、送信電極105aと、当該送信電極105aと対をなす参照電極105bとからなる平行平板電極部(以下、これを送信電極部と呼ぶ)105が設けられている。
この場合、音声再生装置102は、音声記憶媒体から音声信号を再生し、当該再生した音声信号に応じて変調した準静電界を送信電極部105から発生することにより人体を帯電させるようになされている。
一方、ヘッドホン装置103は、ヘアバンド部103Aと、当該ヘアバンド部103Aの先端に設けられた1対のイヤパッド部103L、103Rとによって構成される。そしてこのヘアバンド部103Aには、その略中心位置に受信電極106aと、当該受信電極106aと対をなす参照電極106bとからなる平行平板電極部(以下、これを受信電極部と呼ぶ)106が設けられている。
この場合、ヘッドホン装置103は、音声再生装置102によって帯電させられた人体の帯電状態の変化を受信電極部106付近の電界の変化、具体的には受信電極部106の電極106a、106b間の電位差を検出し復調した後、この結果得られる音声信号に基づく音声をイヤパッド部102L、102Rに内蔵されるスピーカ(図示せず)から出力するようになされている。
このようにしてこの通信システム100は、音声再生装置102の送信電極部105から発生させた準静電界をヘッドホン装置103の受信電極部106の電極106a、106b間の電位差として検出するようにして、音声信号を人体を経由して近接場通信することができるようになされている。
ここで、上述の第1の実施の形態では、人体に設けられた電極(内部電極8)と、所定の場所(入出場通路部4上)に設けられた電極(側面電極7)との双方の電極間の電位差を利用して近接場通信したが、当該人体を経由して受信側の装置に到達する信号と、空中に形成された電界を経由して受信側の装置の電極から受信される信号との位相が物理的に逆となるため、相互に打ち消しあう結果、当該信号を受信できないことがあった。
特に送信側において、準静電界と比較して距離に対して減衰しにくい誘導電磁界や放射電界は、送信電力の無駄であり、また近接場通信の特徴である「遠隔には伝わりにくい」というメリットが得られなくなる。
そこでこの実施の形態の場合、通信システム100においては、放射電界及び誘導電磁界がノイズフロアレベル以下となるように、かつ使用を想定した位置での受信電極部106の電極106a、106b間の電位差がプリアンプ121で検出可能なレベルを上回るように、送信機としての音声再生装置102及び受信機としてのヘッドホン装置103が設計されている。
これによりこの通信システム100は、送受信機(音声再生装置102及びヘッドホン装置103)による近接場通信に要するエネルギーを最適化することができると共に、不要伝播を抑制して空間分解能を向上させ、通信時の安定化を図ることができるようになされている。
(3−2)音声再生装置の構成
音声再生装置102は、図21に示すように、音声再生部111、変調部112、増幅アンプ113及び送信電極部105によって構成される。
この送信電極部105は、後述する送受信機の設計手法に従って選定された電極構造(電極形状、電極面積及び電極間距離)でなり、具体的には基準周波数でなる電位が与られた場合に、当該送信電極部105に相当する微小ダイポールの近傍における所定位置での電界の誘導電磁界成分がノイズフロアよりも小さく、かつ当該電界を検出する受信側のプリアンプ121における電圧ノイズよりも大きくなる関係を満たす電極面積及び電極間距離として形成されている。
音声再生部111は、図示しない装填部に装填された音声記憶媒体から音声信号S1を再生し、当該再生した音声信号S1を変調処理部112に送出する。
変調処理部112は、信号供給部112a及び変調部112bを有し、この信号供給部112aでは、送信電極部105に印加する電圧信号の電位として、予め規定された発信周波数(使用周波数)に対応する電位が設定されている。
そして信号供給部112aは、このとき規定された発信周波数かつ電位でなる電圧信号を所定のタイミングで変調部112bに与えるようになされており、変調部112bは、電圧信号に対して所定の変調方式に従った変調処理を施して音声信号S1を重畳し、この結果得られる変調信号S2を増幅アンプ113を介して送信電極部105の送信電極105aに印加するようになされている。
この場合、送信電極105aは変調信号S2の発信周波数に応じて振動し、当該振動に応じて発生する準静電界に対応して人体が帯電し、この結果、人体周囲にはほぼ等方へ当該振動に応じた準静電界が形成されることとなる。
このようにして音声再生装置102は、人体を経由して情報(音声信号)を送信することができるようになされている。
(3−3)ヘッドホン装置の構成
ヘッドホン装置103は、図22に示すように、受信電極部106、プリアンプ121、復調部122、音声増幅部123(123L、123R)及びスピーカ124(124L、124R)によって構成される。
この受信電極部106は、後述する送受信機の設計手法に従って選定された電極構造でなり、具体的には送信電極部105に対して基準周波数でなる電位が与えられた場合に、当該送信用平行平板電極105に相当する微小ダイポールの近傍における所定位置での電界の誘導電磁界成分がノイズフロアよりも小さく、かつプリアンプ121における電圧ノイズよりも大きくなる関係を満たす電極間距離として、電極面積に依存することなく形成されている。
プリアンプ121は、受信電極部106の電極106a、106b間の電位差を検出し、これを変調信号S2として復調部122に送出する。なお、一般にプリアンプの入力信号は微弱であるので、このプリアンプ121は、入力抵抗が高いものを用いると良い。
復調部122は、復調部122から供給される変調信号S2に対して所定の復調方式に従って復調処理を施すことにより音声信号S1を生成し、これを音声増幅部123(123L、123R)を介してスピーカ124(124L、124R)に送出する。
この結果、この音声信号S1に基づく音声がスピーカ124(124L、124R)から出力されることとなる。
このようにしてヘッドホン装置103は、音声再生装置102から送信される音声信号S1に基づく音声を放音することができるようになされている。
(3−4)送受信機の設計手法
次に、送信機としての音声再生装置102及び受信機としてのヘッドホン装置103の設計手法について説明する。
(3−4−1)設計パラメータ
まず、送受信機(音声再生装置102及びヘッドホン装置103)を設計する際の設計パラメータについて説明する。
この送受信機おいては、(A)送信電極部105から発生される誘導電磁界をノイズフロア以下に抑えること、(B)受信機(ヘッドホン装置103)に搭載されるプリアンプ121(図16)自体のノイズよりも受信電極部106の各電極106a、106b間の電位が高く得られることを指針(以下、これを設計指針と呼ぶ)として設計される。
かかる設計指針を充足するように送受信機を設計する場合、設計前処理として、重要度の高いものから順に、(a)発信周波数及び通信帯域、(b)送信電極部105における電極面積(その形状も含む。以下同じ)及び電極間距離と、受信電極部106における電極面積及び電極間距離、(c)人体に配置する送信電極部105及び受信電極部106の位置、(d)プリアンプ121の各種設計パラメータの選定が行われる。
実際上、これら(a)〜(d)の各種設計パラメータの選定には、例えば通信システムの用途や、当該通信時に用いる通信アプリケーション、さらには音声再生装置102(ヘッドホン装置103)において送信電極部105(受信電極部106)を搭載し得る空間面積等の諸事情(以下、これを設計事情と呼ぶ)が考慮されることになる。
(3−4−2)受信電極部における電極間電位
次に、受信電極部106における受信電極106a、参照電極106b間に生じる電位(以下、これを電極間電位と呼ぶ)について説明する。
この受信電極部106における電極間電位はいわば通信性能を意味する重要な要素であり、当該電極間電位について、FDTD手法(Finite Difference Time Domain:電磁気の基本方程式であるMaxwell方程式を差分化(Finite Difference)し、時間領域(Time Domain)で解く手法)によりシミュレーションしてみた。
具体的には図23に示すように、人体モデルに対して、送信電極部105を尻ポケットに相当する位置に配置すると共に、受信電極部106を頭頂部に相当する位置に配置した状態において、送信電極部105の電極間に100[MHz]で1[V]の電圧を印加することを前提とし、その他各種条件の下でシミュレーションした。このシミュレーション結果を図24〜図27に示す。
図24は、受信電極部106の電極面積と、受信電極部106の電極間電位との関係を示したものであり、このとき送信電極部105の電極面積は8×4[cm2]、送信電極部105の電極間距離は2[cm]、受信電極部106の電極間距離は1[cm]でそれぞれ固定とした。
この図24からも明らかなように、受信電極部106の電極面積が変わっても、当該電極間電位はほぼ一定であることが分かる。このことは、送受信機を設計する際に受信機側の受信電極部106の電極面積を小さくしても、通信時の安定化を図り得ることを意味する。
また図25は、受信電極部106の電極間距離と、受信電極部106の電極間電位との関係を示したものであり、このとき送信電極部105の電極面積は8×4[cm2]、送信電極部105の電極間距離は2[cm]、受信電極部106の電極面積は4×4[cm2]でそれぞれ固定とした。
この図25からも明らかなように、受信電極部106の電極間距離をd[m]とし、受信電極部106の電極間電位をV[V]とすると、当該電極間距離dと電極間電位Vとは、「 (d )=0.00088d -0.00034」の関係にある。この電極間電位V には、定数項「-0.00034」の影響は小さく、かつ受信電極間距離d の変化に優位に影響を受けるため、当該定数項については省略できる。従って、電極間電位V と受信電極間距離d との関係は、次式
Figure 0004088896
として表すことができる。
さらに図26は、送信電極部105の電極面積と、受信電極部106の電極間電位との関係を示したものであり、このとき送信電極部105の電極間距離は2[cm]、受信電極部106の電極面積は4×4[cm2]、受信電極部106の電極間距離は1[cm] でそれぞれ固定とした。
この図26からも明らかなように、受信電極部106の電極間電位、送信電極部105の電極面積との関係は比例関係に近似することが分かる。
さらに図27は、送信電極部105の電極間距離と、受信電極部106の電極間電位との関係を示したものであり、このとき送信電極部105の電極面積は8×4[cm2]、受信電極部106の電極面積は4×4[cm2]、受信電極部106の電極間距離は1[cm] でそれぞれ固定とした。
この図27からも明らかなように、受信電極部106の電極間電位、送信電極部105の電極間距離との関係は比例関係に近似することが分かる。
以上のシミュレーション結果(図24〜図27)より、受信電極部106の電極間電位V[V]は、受信電極部106の電極間距離をd[m]、送信電極部105の電極面積をA[m2]、送信電極部105の電極間距離をd[m]、送信電極部105の送信電極105a、参照電極105b間に印加する電位(以下、これを印加電位と呼ぶ)をV[V]とすると、次式
Figure 0004088896
と表すことができる。
この(16)式において受信電極部106の電極面積が考慮されていない理由は、図24に示したように、受信電極部106の電極間電位V[V]は、当該電極面積に依存しないからである。
またこの(16)式において定数αは、送信電極部105の印加電位に対する受信電極部106の電極間電位の傾きであって、設計事情を考慮して選定された(b)及び(c)の設定パラメータに依存する定数(以下、これをパラメータ依存定数と呼ぶ)である。
なお、送信電極部105における印加電位Vは、周波数fに依存するため、(16)式は、実際には次式
Figure 0004088896
となる。
このように受信電極部106における電極間電位は、送信電極部105の印加電位に対する、(b)の設計パラメータに応じた相対的な電位として、(17)式のように定式化することができる。
(3−4−3)パラメータ依存定数の決定
従って、このパラメータ依存定数αは、(b)及び(c)の設定パラメータが選定されていれば、図23で示したようなシミュレーションを所定の電界シミュレータによって実行することにより決定することができる。
すなわち、電磁界シミュレータにおいて人体モデルと、(b)及び(c)の設計パラメータの内容とをそれぞれ定義し、この後、送信電極部105の電極105a、105b間をある周波数でなる所定振幅の信号により励振させることにより、このとき受信電極部106に生じる電極間電位V(f)をシミュレーションにより計算させる。
この状態において(17)式におけるパラメータ依存定数α以外はすべて既知となっているため、当該既知の値を(17)式に代入してパラメータ依存定数αを求めることができる。
因みに、図24〜図27におけるシミュレーションでの各種条件として、送信電極部105の電極面積Aが8×4[cm2]、送信電極部105の電極間距離dが2[cm]、受信電極部106の電極間距離dが2[cm]、送信電極部105に印加する電位V(f)がある単一周波数でなる1[V]、送信電極部105の配置位置が尻ポケット、受信電極部106の配置位置が人体の頭頂部を例にした場合、受信電極部106に生じる電極間電位V(f)は、図25のシミュレーション結果及び(15)式にも示したように、0.00088[V]となる。そして(17)式に対応する各値を代入すると、0.00088=α×1×0.0032×0.02×0.01となるから、パラメータ依存定数αは1375と決定することができる。
このようにして電界シミュレータ及び(17)式により、このとき選定された(b)及び(c)の設定パラメータに応じたパラメータ依存定数αを決定することができる。但し、周波数と送受間の距離とは一定の対応関係にあることから、(a)の設定パラメータにおける発信周波数が決まれば、(c)の設定パラメータもある程度決まることになる。
(3−4−4)送信電極部に印加可能な最大電位
次に、(a)〜(c)の設定パラメータで送受信機を設計した際に、送信電極部105から発生する電界の誘導電磁界成分がノイズフロアよりも小さくなるように、(d)の設計パラメータ(送信電極部105に与える印加電位)を決定するが、ここでは、送信電極部105に印加可能な最大電位について説明する。
自由空間上における電界発生源(送信電極部105)から近傍位置rの時刻tの電界強度Eは、当該電界強度Eが最大になる「cosωt=1」の場合かつ議論を単純化するためにθ=π/2の場合を取り扱って(2)式を整理すると、次式
Figure 0004088896
として表わすことができる。
そして開口面積K[m2]のアンテナ(受信電極部106)で受信した場合の受信電力p[W]は、受信電力密度をS[W/m2]とすると、次式
Figure 0004088896
であり、この受信電力密度S[W/m2]は、当該受信される電界強度Eとの関係では、次式
Figure 0004088896
となる。
従って受信電力p[mW]は、(19)式に(20)を代入して、次式
Figure 0004088896
となる。
この(21)の「E」に(18)式の誘導電磁界の項を代入し、電界発生源(送信電極部105)から近傍位置rでノイズフロアnf[dBm]より10[dB]小さくなるように電荷qと微小ダイポールの電荷との間における距離lの積qlを求めようとすると、次式
Figure 0004088896
となるから、当該積qlの最大値(以下、これを最大値積と呼ぶ)qlmaxは、次式
Figure 0004088896
となり、これを整理した次式
Figure 0004088896
に従って求めることができる。
なお、ノイズフロアnfは、雑音指数をNF、通信帯域をBとすると、次式
Figure 0004088896
によって定義される。
実際上、周波数fが4[MHz]、雑音指数NFが10[dB]、通信帯域Bが100[kHz]、受信電極部106の開口面積Kが0.03[m2]、θ=π/2のときを例として、送信電極部105から0.05[m]隔てた位置での誘導電磁界の出力がノイズフロアnf(=-174+10+10log(1000000)=-114[dBm])よりも小さくなるようにするならば、最大値積qlmaxを(24)式により1.5×10−16にすれば良いことになる。但し、実際には、「ql<qlmax」であるような積qlにすれば、送信電極部105から0.05[m]隔てた近傍位置rでの誘導電磁界成分がノイズフロアnf以下となる。
ここで、この例における通信距離と、準静電界、誘導電磁界及び放射電界の合成電界の電界強度及び誘導電磁界のみの電界強度との関係を確認してみる。
すなわち、(18)式にθ=π/2、qlmax=1.5×10−16を代入すると、合成電界の電界強度E(Eθ)は、次式
Figure 0004088896
となる。この(26)式に真空の誘電率ε=8.85e−12、周波数f=4[MHz]、波数k=2πf/c(c:光速)を代入すると、合成電界の電界強度Eと、電界発生源からの近傍距離rとは図28に示す関係でプロットすることができる。
そして、次式
Figure 0004088896
により定義される誘導電磁界成分の電界強度Eと、電界発生源からの近傍距離rとは図29に示す関係でプロットすることができる。
この図28と図29とを比較してみても明らかなように、電界発生源(送信電極部105)の近傍位置rにおいて、誘導電磁界は準静電界に比べて十分小さいことが確認できる。なお、この図28及び図29において示していない放射電界は、近傍位置rでは誘導電磁界よりも小さいため、準静電界よりも小さいことは明らかである。
このように周波数f、雑音指数NF、通信帯域B、受信電極部106の開口面積K及び送信電極部105からの近傍位置rが具体的に定まれば、電荷qと微小ダイポールの電荷との間における距離lの最大値積qlmaxは、(24)式により求めることができる。
ところで、かかる最大積qlmaxは、送信電極部105に印加可能な最大電位に相当するものである。従って、(b)の設計パラメータとして選定された電極面積A及び電極間距離dでなる送信電極部105から発生する電界が、(26)式に基づくプロット結果である図28の曲線とほぼ一致するように、電界シミュレータを用いて送信電極部105に対する印加電位V(A,d,f)を決定することができれば、送信電極部105を中心とした通信範囲の限界位置rneighbour(=近傍距離r)での誘導電磁界がノイズフロアnfよりも小さくなるようにすることができることになる。
例えば、電界シミュレータにおいて電極面積Aが4×4[cm2]、かつ当該電極間距離dが4[cm]でなる送信電極部105を自由空間中に配置した状態において、当該送信電極部105に単一周波数f0で1[V]の印加電位を与えた場合、このとき送信電極部105から周囲に発生する電界を0.002倍したものが、図28の曲線とほぼ一致した。
このことは、送信電極部105に対して0.002[V]の印加電位V(0.04×0.04,0.04,f0)を送信電極部105に与えれば、送信電極部105を中心とした通信範囲の限界位置rneighbourでの誘導電磁界がノイズフロアnfよりも小さくなることを意味する。
このことから、周波数fに依存する最大積qlmax(f)に対応した送信電極部105に印加可能な最大電位 (以下、これを印加可能最大電位と呼ぶ)AVSmax(A,d,f)は、電界シミュレータによるシミュレーションで用いた単一周波数をf0とし、当該シミュレーションに従って得られた印加電位をV(A,d,f0)とすると、次式
Figure 0004088896
となる。
因みに、最大値積qlmaxを(24)式により1.5×10−16となるとした場合の条件(単一周波数f0が4[MHz]、雑音指数NFが10[dB]、通信帯域Bが100[kHz]、受信電極部106の開口面積Kが0.03[m2]、θ=π/2)に、電界シミュレータによるシミュレーション結果(電極面積Aが4×4[cm2]、かつ当該電極間距離dが4[cm]でなる送信電極部105に印加電位V(0.04×0.04,0.04,4)が0.002[V])での条件を付加した場合を例として、(28)式の対応する事項に代入すると、印加可能最大電位は、次式
Figure 0004088896
となり、この(29)式に基づく、周波数fと印加可能最大電位AVSmax(0.04×0.04,0.04,f)との関係は図30に示す結果となる。この図30からも明らかなように、どの周波数fに対しても、電界発生源(送信電極部105)から5[cm] 離れた位置での誘導電磁界の電界強度をノイズフロアより小さくできる。
このようにして電界シミュレータ及び(28)式により、このとき選定された(a)〜(c)の設定パラメータに応じた印加可能最大電位AVSmax(A,d,f)を求めることができる。
(3−4−5)プリアンプの選択
次に、電圧ノイズがn[V/√Hz]であるプリアンプ121をヘッドホン装置103に搭載した場合、このプリアンプ121は、通信帯域B[Hz]に対して電位n/√B [V]の信号を検出可能である。
従って、次式
Figure 0004088896
を満足するようにプリアンプ121を選定すれば良いこととなる。
(3−4−6)まとめ
以上のように上述した事項をまとめると、送受信機(音声再生装置102及びヘッドホン装置103)の設計は、図31の設計手順RTに従って行うことができる。
すなわち、まず、(a)発信周波数f及び通信帯域B、(b)送信電極部105における電極面積A及び電極間距離dと、受信電極部106における電極間距離d、(c)人体に配置する送信電極部105及び受信電極部106の位置、(d)プリアンプ121における電圧ノイズnの選定を設計前処理として行う(ステップSP1)。
次いで、電磁界シミュレータにおいて人体モデルと、(b)の設計パラメータからなる送信電極部105及び受信電極部106とを定義すると共に、当該人体モデルに対して送信電極部105及び受信電極部106を(c)の設計パラメータに対応する位置に配置し、当該送信電極部105の電極105a、105b間を、発信周波数fでなる所定の印加電位V(f)により励振させたときの受信電極部106の電極間電位V(f)を求める(ステップSP2)。
この後、このとき定義した事項を(17)式の対応する部分に代入し、(b)及び(c)の設計パラメータで送受信機を設計した場合のパラメータ依存定数αを求める(ステップSP3)。
次に、受信電極部106の開口面積K、雑音指数NF及び送信電極部105を中心とした通信範囲の限界位置rneighbourを決定し、当該決定事項と、(a)の設計パラメータとを(24)式の対応部分に代入して最大値積qlmaxを求める。
そして(b)の設計パラメータとして選定された電極面積A及び電極間距離dでなる送信電極部105から発生する電界が、このとき求めた最大値積qlmaxに関する事項を(18)式に代入した結果得られる合成電界の電界強度E(Eθ)とほぼ一致するように、電界シミュレータにおいて送信電極部105に対する印加電位V(A,d,f)を求める(ステップSP4)。
次に、このとき決定した印加電位V(A,d,f)を(28)式に代入することにより、自由空間において送信電極部105を中心とした通信範囲の限界位置rneighbourでの誘導電磁界がノイズフロアnfよりも小さくなる印加可能最大電位AVSmax(A,d,f)を求める(ステップSP5)。
最後に、送信電極部105に与える印加電位V(f)として、印加可能最大電位AVSmax(A,d,f)よりも小さく、かつ、受信電極部106の電極間電位V(f)がこのとき選択したプリアンプ121の電圧ノイズn以上であることを充足する印加電位V(f)があるか否かを確認する(ステップSP6)。
ここで、かかる条件を充足する印加電位V(f)がなければ、再度(a)〜(d)の全て又は一部の設計パラメータを見直し、当該見直した設計パラメータに基づいてステップSP2〜SP6までの手順を繰り返す。
これに対して、かかる条件を充足する印加電位V(f)が存在すれば、送受信機を設計できたことを意味し、このときこの設定手順RTを終了する。
このようにして図31に示す設計手順RTを行うことにより、電界発生源から発生する所定範囲内の電界のうち誘導電磁界成分がノイズフロアレベルよりも小さくなるように、任意に選定される設計パラメータに応じた送信電極部105の印加電位V(f)を決定することができる。
なお、送受信機の取り付け位置が複数の箇所で想定されている場合には、これら箇所全てについてステップSP1〜SP6までの手順を順次行うようにすれば、当該箇所の送受信機ごとに設計パラメータに応じた送信電極部105の印加電位V(f)を決定することができる。
(3−5)動作及び効果
以上の構成において、通信システム100においては、電界の誘導電磁界成分が通信帯域に応じて規定されるノイズフロアよりも小さくなるように、基準周波数に応じた構造に送信電極部105を形成する。
具体的には基準周波数でなる電位が与られた場合に、当該送信電極部105に相当する微小ダイポールの近傍における所定位置での電界の誘導電磁界成分がノイズフロアよりも小さく、かつ当該電界を検出する受信側のプリアンプ121における電圧ノイズよりも大きくなる関係を満たす電極面積及び電極間距離として形成する。
従ってこの通信システム100では、準静電界通信に不要な誘導電磁界成分や放射電界成分を抑制した分だけ通信に必要なエネルギーを低くできると共に、不要伝播を抑制して空間分解能を向上させることができ、通信の安定化を図ることができる。
これに加えて、通信システム100においては、基準周波数に応じた送信電極間に印加する電圧を制限することにより、より通信の安定化を図ることができる。
以上の構成によれば、電界の誘導電磁界成分が通信帯域に応じて規定されるノイズフロアよりも小さくなるように、基準周波数に応じた構造に送信電極部105を形成したことにより、準静電界通信に不要な誘導電磁界成分や放射電界成分を抑制した分だけ通信に必要なエネルギーを低くできると共に、不要伝播を抑制して空間分解能を向上させることができるため、通信の安定化を図ることができ、通信時の自由度をより向上することができる。
(3−6)他の実施の形態
上述の第2の実施の形態においては、プリアンプ121における電圧ノイズを考慮して送信電極部105及び受信電極部106を形成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、当該送信電極部105に相当する微小ダイポールの近傍における所定位置での電界の誘導電磁界成分がノイズフロアよりも小さくするようにすれば、必ずしも電圧ノイズを考慮しなくとも良い。
また上述の第2の実施の形態においては、電界の誘導電磁界成分が通信帯域に応じて規定されるノイズフロアよりも小さくなるように基準周波数に応じた電極構造を(16)式に基づいて選定するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、これを基本として改良した式等、(16)式以外の式に基づいて選定するようにしても良い。
さらに第2の実施の形態においては、かかる電極構造でなる電極に対して印加する信号を使用周波数に応じて生成する生成手段として、予め規定された発信周波数(使用周波数)に対応する電位を設定し、当該設定された電位の信号を生成して印加するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、複数の周波数と、当該周波数に対応する電位とをテーブルとして保持しておき、当該テーブルを参照してこのとき使用する周波数に対応する電位を決定し、当該決定した電位の信号を所定のタイミングで切り替えて順次生成しこれを印加するようにしても良い。
この場合、複数の周波数を用いてヘッドホン装置103と通信することができるため、当該通信時の安定性を維持した状態で通信効率を高めることができる。
さらに上述の第2の実施の形態においては、送受信機の配置位置として、音声再生装置102を人体の着衣における尻ポケットに配置し、ヘッドホン装置103を当該人体の頭頂部に配置するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、この他種々の位置に送受信機(音声再生装置102及びヘッドホン装置103)を配置するようにしても良い。
さらにかかる送受信機の組み合わせとして、例えば携帯電話機とパーソナルコンピュータとの間で通信する場合等、この他種々の送受信機の組み合わせを適用することができる。この場合、送信電極部105及び受信電極部106を一組として送信機及び受信機の双方に搭載すれば良い。
さらにこの場合、送受信対象の情報については音声以外の情報を適用することができ、また人体の経由人数は何人であっても良く、当該人体に代えて、ほ乳類やは虫類あるいは植物等の生体、さらには所定の導電性の物、その他種々の対象を適用することもできる。
本発明は、送受信機における電極間における電位差を利用して近接場通信する場合であって、特に人体を経由して情報を送受信する場合に適用することができる。
極座標系の説明に供する略線図である。 距離に対する各電界それぞれの相対的な強度の変化(1)を示すグラフである。 距離に対する各電界それぞれの相対的な強度の変化(2)を示すグラフである。 波長と距離との関係を示すグラフである。 第1の実施の形態による通信システムの全体構成を示す略線図である。 改札機の構成を示す略線かつブロック図である。 人体におけるアンテナとしての作用の説明に供する略線図である。 通信システムにおける電気的な接続関係を略線図である。 カード装置の構成を示す回路的ブロック図である。 改札機の床面の説明に供する略線図である。 人体を理想的なダイポールアンテンとして作用させた場合に形成される準静電界の等電位面を示す略線図である。 本実施の形態により形成された準静電界の等電位面を示す略線図である。 電気的漏洩の抑制の説明に供する略線図である。 他の実施の形態におけるカード装置の装着例を示す略線図である。 ノイズ吸収接地ラインの構成を示す略線図である。 他の実施の形態における改札機の構成(1)を示す略線かつブロック図である。 他の実施の形態における通信システムの電気的な接続関係(1)を示す略線図である。 他の実施の形態におけるカード装置の構成を示す回路的ブロック図である。 他の実施の形態における改札機の構成(2)を示す略線かつブロック図である。 第2の実施の形態による通信システムの全体構成を示す略線図である。 音声再生装置の構成を示すブロック図である。 ヘッドホン装置の構成を示すブロック図である。 FDTD手法によるシミュレーションを行うための人体モデル例を示す略線図である。 受信側の電極面積と電極間電位との関係を示す略線図である。 受信側の電極間距離と電極間電位との関係を示す略線図である。 送信側の電極面積と受信側の電極間電位との関係を示す略線図である。 送信側の電極間距離と受信側の電極間電位との関係を示す略線図である。 合成電解の電界強度と電界発生源からの距離との関係を示す略線図である。 誘導電磁界の電界強度と電界発生源からの距離との関係を示す略線図である。 印加電位と周波数との関係を示す略線図である。 設計手順を示すフローチャートである。
符号の説明
1、100……通信システム、2……改札機、3……カード装置、7……側面電極、8……内部電極、9……外部電極、20、30……制御部、23、35……送信部、24、36、60……受信部、28、37……FET、32……電源制御部、34……クロックジェネレータ、51……電力供給用電極、52……受信用内部電極、53……受信用外部電極、54……送信用内部電極、55……送信用外部電極、102……音声再生装置、103……ヘッドホン装置、105……送信電極部、106……受信電極部、111……音声再生部、112……変調処理部、112a……信号供給部、112b……変調部、113……増幅アンプ、121……プリアンプ、122……復調部、123……音声増幅部、124……スピーカ。

Claims (19)

  1. 人体の近傍に設けられ、送信すべき情報に応じて変調した準静電界を発生することにより、上記人体を帯電させる第1の通信装置と、
    所定の制御対象物又はその近傍に設けられ、上記人体の帯電状態の変化を検出し、当該変化に基づいて情報を復調する第2の通信装置と
    を具えることを特徴とする通信システム。
  2. 所定の制御対象物又はその近傍に設けられ通信装置を通信相手として通信するための通信装置であって、
    人体に近接される電極と、
    帯電させるための信号を、送信すべき情報に応じて変調し、変調された変調信号を上記電極に出力する変調手段と
    を具えることを特徴とする通信装置。
  3. 上記電極は平行平板電極でなり、
    上記平行平板電極は、
    電極面積をA[m2]、電極間距離をd[m]、電極間電位をV[V]とし、通信相手における平行平板電極の電極間電位をV[V]、電極間距離をd[m]とし、上記電極間距離d、上記電極面積A及び上記電極間距離dに依存する定数をαとした場合において、
    上記電極間距離dを固定とし、基準周波数の電極間電位Vを与えた際に、次式
    =α×V×A×d×d
    を充足するように、上記電極面積A及び上記電極間距離dが決定された
    ことを特徴とする請求項に記載の通信装置。
  4. 上記電極は平行平板電極でなり、該平行平板電極の一方の電極は、人体の表面に対向され
    ことを特徴とする請求項に記載の通信装置。
  5. 上記信号は、
    放射電界及び誘導電磁界に比べて電力又は電荷の少なくとも一方制限される
    ことを特徴とする請求項に記載の通信装置。
  6. 上記信号は、
    誘導電磁界の強度よりも優位となる準静電界を発生させるための信号である
    ことを特徴とする請求項に記載の通信装置。
  7. 上記信号は、
    上記電極から通信相手の電極までの距離をrとし、該信号の波長をλとした場合に、r=λ/2πの関係充足され
    ことを特徴とする請求項に記載の通信装置。
  8. 上記人体を経由して、通信相手における電極と上記電極との間に電気的な経路が形成された場合、上記経路に生じる信号を自己の起動電力として蓄積する蓄積手段
    をさらに具えることを特徴とする請求項に記載の通信装置。
  9. 所定の制御対象物又はその近傍に設けられ、人体に近接される通信装置を通信相手として通信するための通信装置であって、
    上記通信相手によって帯電させられる人体の帯電状態を検出する検出手段と、
    上記検出手段により検出される帯電状態の変化に基づいて情報を復調する復調手段と
    を具えることを特徴とする通信装置。
  10. 上記検出手段は、
    上記通信相手に設けられる平行平板電極の電極間電位をV[V]、電極間距離をd[m]とし、上記検出手段に含まれる平行平板電極の電極面積をA[m2]、電極間距離をd[m]、電極間電位をV[V]とし、上記電極間距離d、上記電極面積A及び上記電極間距離dに依存する定数をαとした場合において、
    上記電極間距離dを固定とし、基準周波数の電極間電位Vを与えた際に、次式
    =α×V×A×d×d
    を充足する上記電極面積A及び上記電極間距離dをもつ通信相手によって帯電させられる人体の帯電状態を検出する
    ことを特徴とする請求項9に記載の通信装置。
  11. 上記検出手段から上記復調手段までにわたる経路からの電気的な漏洩を抑制する漏洩抑制手段
    を具えることを特徴とする請求項9に記載の通信装置。
  12. 上記漏洩抑制手段は、
    上記検出手段から上記復調手段を介して接地するまでの静電容量を、上記検出手段と接地との間における静電容量に比して大きくする
    ことを特徴とする請求項11に記載の通信装置。
  13. 上記検出手段は、
    上記帯電状態を検出するための検出用電極と、当該検出用電極により検出される帯電状態を電気信号に変換する変換手段とを有し、
    上記漏洩抑制手段は、
    上記検出電極と上記変換手段とを物理的に分離する筐体でなる
    ことを特徴とする請求項11に記載の通信装置。
  14. 上記漏洩抑制手段は、
    上記検出手段から上記復調手段までにわたる経路のうち、上記復調手段のみ接地する
    ことを特徴とする請求項11に記載の通信装置。
  15. 人体の歩行によってその人体に形成される帯電状態を検出する歩行検出手段と、
    上記歩行検出手段により検出されている間に、上記通信相手に対して電力を供給する電力供給手段と
    を具えることを特徴とする請求項9に記載の通信装置。
  16. 上記電力供給手段は、
    上記通信相手に対して上記人体を経由して電力を供給する
    ことを特徴とする請求項15に記載の通信装置。
  17. 上記人体に形成される帯電状態を検出するための電極と、上記通信相手に対して電力を供給するための電極とは同一の電極でなる
    ことを特徴とする請求項15に記載の通信装置。
  18. 上記電力供給手段は、
    上記電力供給用の信号を、上記通信相手へ送信するための搬送用の信号と兼用する
    ことを特徴とする請求項15に記載の通信装置。
  19. 上記信号は、誘導電磁界の強度よりも優位となる準静電界を発生させるための信号である
    ことを特徴とする請求項18に記載の通信装置。
JP2004055500A 2003-02-27 2004-02-27 通信システム及び通信装置 Expired - Lifetime JP4088896B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004055500A JP4088896B2 (ja) 2003-02-27 2004-02-27 通信システム及び通信装置

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003051867 2003-02-27
JP2004055500A JP4088896B2 (ja) 2003-02-27 2004-02-27 通信システム及び通信装置

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2004282733A JP2004282733A (ja) 2004-10-07
JP2004282733A5 JP2004282733A5 (ja) 2005-10-27
JP4088896B2 true JP4088896B2 (ja) 2008-05-21

Family

ID=33301830

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004055500A Expired - Lifetime JP4088896B2 (ja) 2003-02-27 2004-02-27 通信システム及び通信装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4088896B2 (ja)

Families Citing this family (30)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4507058B2 (ja) 2003-06-05 2010-07-21 ソニー株式会社 距離検出システム
WO2006059454A1 (ja) * 2004-11-30 2006-06-08 Konica Minolta Holdings, Inc. 情報処理装置
JP4099484B2 (ja) 2005-02-09 2008-06-11 株式会社カイザーテクノロジー 通信システム。
JP2006268614A (ja) 2005-03-25 2006-10-05 Sony Corp 情報処理システム、情報処理装置および方法、プログラム、並びに記録媒体
JP4403512B2 (ja) 2005-03-29 2010-01-27 ソニー株式会社 情報処理システム、情報処理装置および方法、プログラム、並びに記録媒体
JP4586618B2 (ja) 2005-04-18 2010-11-24 ソニー株式会社 人体通信システム及び通信装置
JP2006350990A (ja) 2005-05-17 2006-12-28 Sony Corp 情報処理システム、および情報処理方法
JP4257611B2 (ja) 2005-05-17 2009-04-22 ソニー株式会社 通信装置および方法、並びにプログラム
JP4501073B2 (ja) * 2005-05-17 2010-07-14 ソニー株式会社 通信システム、送信装置、受信装置、並びに送受信装置
JP2006350993A (ja) 2005-05-17 2006-12-28 Sony Corp 販売装置、販売方法、およびプログラム
JP4524647B2 (ja) 2005-06-14 2010-08-18 ソニー株式会社 通信装置、通信方法、およびプログラム
JP2006352700A (ja) 2005-06-17 2006-12-28 Sony Corp 通信システム、通信装置および方法、並びにプログラム
JP4544080B2 (ja) * 2005-07-25 2010-09-15 ソニー株式会社 通信装置および方法、並びにプログラム
JP4539551B2 (ja) 2005-12-20 2010-09-08 ソニー株式会社 情報処理システムおよび方法、情報処理装置および方法、並びにプログラム
JP4348637B2 (ja) 2006-01-16 2009-10-21 ソニー株式会社 通信装置
JP4210953B2 (ja) 2006-04-14 2009-01-21 ソニー株式会社 電界制御装置及び検出装置
AT503301B1 (de) * 2006-05-04 2007-09-15 Evva Werke Vorrichtung zur zutrittskontrolle
KR101343717B1 (ko) 2007-01-29 2013-12-20 삼성전자주식회사 데이터 통신을 위한 단말의 보안 장치 및 방법
JP2009017397A (ja) * 2007-07-06 2009-01-22 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> ヘッドセット
JP4980301B2 (ja) * 2008-06-16 2012-07-18 アルプス電気株式会社 電界通信システム及び受信電極構造
JP2010062818A (ja) * 2008-09-03 2010-03-18 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 電極
JP2010074797A (ja) * 2008-09-22 2010-04-02 Alps Electric Co Ltd 通信システム
JP2010193132A (ja) * 2009-02-18 2010-09-02 Ntt Electornics Corp トランシーバ
WO2011021531A1 (ja) 2009-08-18 2011-02-24 ローム株式会社 入出力装置、モバイル機器、情報表示機器
JP5156780B2 (ja) * 2010-03-17 2013-03-06 日本電信電話株式会社 設置用電界通信装置
JP2012053520A (ja) * 2010-08-31 2012-03-15 Nippon Signal Co Ltd:The 入退場管理システムおよび人体通信ユニット
JP2014075670A (ja) * 2012-10-03 2014-04-24 Alps Electric Co Ltd 情報伝達システム
JP6261356B2 (ja) * 2014-01-29 2018-01-17 東日本旅客鉄道株式会社 準静電界を利用した通信装置および改札機
JP6368126B2 (ja) * 2014-04-09 2018-08-01 東日本旅客鉄道株式会社 準静電界を利用した改札システム
WO2017098951A1 (ja) 2015-12-11 2017-06-15 ソニー株式会社 送受信装置、および送受信方法、並びにプログラム

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07170215A (ja) * 1993-12-13 1995-07-04 Sony Corp 信号伝送方式
CA2220294C (en) * 1995-05-08 2002-07-09 Massachusetts Institute Of Technology System for non-contact sensing and signalling using human body as signal transmission medium
JP3425347B2 (ja) * 1996-12-12 2003-07-14 日本電信電話株式会社 人体経由情報伝達装置
US6211799B1 (en) * 1997-11-06 2001-04-03 Massachusetts Institute Of Technology Method and apparatus for transbody transmission of power and information
EP1045947B1 (de) * 1998-09-14 2005-01-26 Koninklijke Philips Electronics N.V. Elektronisches kommunikationssystem
JP2002111602A (ja) * 2000-09-28 2002-04-12 Matsushita Electric Works Ltd データ通信装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004282733A (ja) 2004-10-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4088896B2 (ja) 通信システム及び通信装置
KR101020313B1 (ko) 통신 시스템
US9002264B2 (en) Antenna structure for a near-field communication device
CN105684263B (zh) 用于双模式无线电力接收器的系统、设备和方法
US20060158820A1 (en) Authentication system
US7612651B2 (en) Communication system, communication method and program
WO2004010618A1 (ja) 電界通信システムおよび電界通信装置、および電極配置方法
JP2004282733A5 (ja)
US7531939B2 (en) Communication device
JP2010034617A (ja) 通信装置
JP4114143B2 (ja) 通信システム、通信方法及び通信装置
WO2020032701A1 (ko) Nfc 신호용 hbc 장치 및 방법
JP5300913B2 (ja) 設置用電界通信装置
Trapezon et al. Basics of using connected me system in the transmission of information signals
CN207603653U (zh) 有效屏蔽干扰录音设备的系统
US20070064471A1 (en) Magnetostatic communication
Washiro HF RFID transponder with capacitive coupling
JP3926357B2 (ja) データ送受信機及びデータ送受信システム
CN105243543A (zh) 无源指纹NFC Key
CN205810386U (zh) 一种屏蔽件及安装有该屏蔽件的钱包
Mohammed et al. Charging Wearable Devices Through Natural Interactions with Instrumented Everyday Objects
CN115152153B (zh) 近电场通信
JP2003198452A (ja) 視覚障害者誘導用足取付け型通信機
KR20120082993A (ko) 자기공명 무선전력전송 장치
KR20100088119A (ko) 휴대용 단말기

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050608

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050608

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050825

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070806

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070810

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070925

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071026

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071219

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080201

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080214

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4088896

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110307

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110307

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110307

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110307

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110307

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110307

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110307

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D04

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120307

Year of fee payment: 4

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D03

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130307

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140307

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250