JP2010034617A - 通信装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】小型化でき、かつ、送受信特性を向上させることができる通信装置を提供すること。
【解決手段】この通信装置100は、近接する導体又は誘電体200と静電結合して、上記導体又は上記誘電体200を所定の周波数の電磁波に対するアンテナエレメントとして動作させる静電結合用電極111と、上記静電結合用電極111に接続され、上記導体又は上記誘電体200が近接して静電結合した際に上記所定の周波数の電磁波に対するアンテナエレメントとして動作するように上記導体又は上記誘電体200のインピーダンスを整合するマッチング回路120と、を有する。
【選択図】図2A
【解決手段】この通信装置100は、近接する導体又は誘電体200と静電結合して、上記導体又は上記誘電体200を所定の周波数の電磁波に対するアンテナエレメントとして動作させる静電結合用電極111と、上記静電結合用電極111に接続され、上記導体又は上記誘電体200が近接して静電結合した際に上記所定の周波数の電磁波に対するアンテナエレメントとして動作するように上記導体又は上記誘電体200のインピーダンスを整合するマッチング回路120と、を有する。
【選択図】図2A
Description
本発明は、通信装置に関する。
無線通信に用いられるアンテナ(Antenna、空中線)は、所定の周波数の送信信号(電圧又は電流)の入力を受けて無線通信で用いられる電磁波(電波)を放射したり、逆にその電磁波を受信して受信信号(電圧又は電流)に変換する。その際、アンテナは、無線通信で使用される波長に対応する長さを有する場合に、電磁波の受信感度や送信効率を向上させることができる。
従って、アンテナエレメント(Element、アンテナ線)の長さは、通常、電磁波の4分の1波長の整数倍に近くなるように設定されることが多い。このようなアンテナエレメントの長さは、特に中距離通信や遠距離通信で使用されるアンテナを設計する上で重要なファクターで、近距離通信においても同様のことが言える。一方、近年開発されている近距離通信の技術として、下記特許文献1に示すように、人体を伝送路として使用する人体通信の技術が開発されている。しかし、この人体通信の技術では、人体を伝送路として使用するので通信距離が限られており、中距離通信や遠距離通信に応用することは難しい。
また、近年の電子技術の発展に伴い、携帯電話や携帯テレビ、ノートPC(Personal Computer)などのように、携帯可能な小型の電子機器が広く普及している。これらの機器は、単に放送波を受信する場合も含めて通信機能を有しており、通信装置の一種であるとも言える。このように通信装置は小型化が進められているが、無線通信に使用される電磁波の周波数は、様々で、その波長は、周波数の逆数に比例する。従って、例えば、低い周波数の電磁波は、波長が長くなる。これに対して、上記アンテナエレメントの長さ(以下「エレメント長」ともいう。)は、4分の1波長の整数倍であることが望ましい場合が多く、波長が長くなる低い周波数の電磁波では、エレメント長も長くなる。従って、低い周波数の電磁波で通信するような通信装置を小型化することと、低い周波数の電磁波に対して特性の良いアンテナエレメントを作成することとは、技術的に相反しており、小型で効率の良いアンテナを作成することは難しい。よって、通信装置の小型化と、電磁波の送受信特性の向上とを両立させることは困難であった。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、小型化でき、かつ、送受信特性を向上させることが可能な、新規かつ改良された通信装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、近接する導体又は誘電体と静電結合して、上記導体又は上記誘電体を所定の周波数の電磁波に対するアンテナエレメントとして動作させる静電結合用電極と、上記静電結合用電極に接続され、上記導体又は上記誘電体が近接して静電結合した際に上記所定の周波数の電磁波に対するアンテナエレメントとして動作するように上記導体又は上記誘電体のインピーダンスを整合するマッチング回路と、を有する、通信装置が提供される。アンテナエレメントには通常、損失の小さい金属等の導体が用いられるが、誘電体も交流信号を伝えるのでアンテナエレメントとして動作させることは可能である。また、この場合、上記導体又は上記誘電体が近接していないときはインピーダンスが整合しない。
この構成によれば、結合用電極が、近接する導体又は誘電体と静電結合することができる。そして、結合用電極及びマッチング回路が、その結合した導体又は誘電体を、所定の周波数の電磁波に対するアンテナエレメントとして動作させることができる。従って、通信装置内部に、アンテナエレメントを収容するスペースを確保する必要が無く、かつ、所定の周波数の電磁波の送受信特性を向上させることができる。
また、上記マッチング回路は、前記導体又は前記誘電体が前記静電結合用電極に静電結合したときに、前記導体又は前記誘電体が前記静電結合用電極に静電結合していないときに比べて、より定在波比が1に近づくように、形成されてもよい。
また、上記静電結合用電極と、当該静電結合用電極に近接する上記導体又は上記誘電体との間を絶縁する絶縁部材を更に有してもよい。
また、上記導体又は上記誘電体は、人体であってもよい。
また、上記静電結合用電極は、近接した上記人体を当該静電結合用電極に投影した形状よりも大きな平板状の形状を有してもよい。
また、上記静電結合電極は、上記導体又は上記誘電体の長さと同程度の波長を有する電磁波に対するアンテナエレメントとして上記導体又は上記誘電体を動作させてもよい。
また、上記所定の周波数の電磁波に対するアンテナエレメントとして動作した導体又は誘電体により受信する受信信号の有無に応じて、所定の処理を行う処理部を更に有してもよい。
また、上記通信装置は、上記静電結合用電極を複数有し、
上記処理部は、いずれの上記静電結合用電極が上記受信信号を受信したかに応じて、予め定められた処理のいずれを行うかを判断してもよい。
上記処理部は、いずれの上記静電結合用電極が上記受信信号を受信したかに応じて、予め定められた処理のいずれを行うかを判断してもよい。
また、上記処理部は、上記受信信号の受信の有無に応じて、予め定められたサービスを提供するか否かを判断してもよい。
また、上記処理部は、上記受信信号を受信した場合、外部の処理装置に所定の処理を行わせてもよい。
また、上記静電結合電極は、放送波を受信するアンテナエレメントとして上記導体又は上記誘電体を動作させてもよい。
以上説明したように本発明によれば、小型化でき、かつ、送受信特性を向上させることが可能である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
本発明の各実施形態に係る通信装置は、例えば人体などのような任意の導体又は誘電体を、使用周波数における略4分の1波長の整数倍のエレメント長を有するアンテナエレメントとして動作させる。それにより、この通信装置は、通信装置自体を小型化することができ、かつ、通信装置による無線通信の受信感度を向上させ、送信効率をも向上させることを可能にしている。以下では、この通信装置を理解しやすいように、まず、第1実施形態として、通信装置の構成と動作等について説明し、引き続き、第2実施形態以降で、この通信装置の応用例について説明する。つまり、以下では、次のような順序で説明する。
1.第1実施形態
1.1 通信装置の構成:図1
1.2 通信装置の動作:図2A,図2B
1.2.1 静電結合の第1例:図2C
1.2.2 静電結合の第2例:図2D
1.2.3 静電結合の第3例:図2E
1.3 効果の例
2.第2実施形態:図3(放送波受信装置への応用)
3.第3実施形態:図4A,図4B(自動販売機への応用)
4.第4実施形態:図5A,図5B(外部の処理装置への応用)
5.第5実施形態:図6A,図6B(自動ドアへの応用)
6.第6実施形態:図7(人体通信への応用)
7.第7実施形態:図8(複数の通信装置によるシステムへの応用)
1.1 通信装置の構成:図1
1.2 通信装置の動作:図2A,図2B
1.2.1 静電結合の第1例:図2C
1.2.2 静電結合の第2例:図2D
1.2.3 静電結合の第3例:図2E
1.3 効果の例
2.第2実施形態:図3(放送波受信装置への応用)
3.第3実施形態:図4A,図4B(自動販売機への応用)
4.第4実施形態:図5A,図5B(外部の処理装置への応用)
5.第5実施形態:図6A,図6B(自動ドアへの応用)
6.第6実施形態:図7(人体通信への応用)
7.第7実施形態:図8(複数の通信装置によるシステムへの応用)
なお、以下では、本発明の各通信装置を図1に示すように「通信装置100」と言い、この通信装置100を複数使用する場合には各通信装置を区別するために、図8に示すように「通信装置101〜104」と言う。しかし、通信装置101〜104は、基本的に通信装置100と同様に構成され、相違点については適宜説明する。また、ここでいう「通信装置」には、所定の周波数の電磁波を使用して無線通信を行うことができる様々な装置が含まれる。そして通信装置は、例えば、携帯電話・無線機・近年のデジタルテレビなどのような双方向通信を行う通信装置だけでなく、一般のラジオやテレビなどのような受信装置、それらの基地局などの送信装置も含まれる。また、この通信装置は、送信回路や受信回路(処理部130)を含まない場合は、アンテナとして取り扱うこともできる。更に、この通信装置は、例えば、第3実施形態〜第5実施形態で説明するように、他の機器と共に1つのシステムを構成することも可能である。
<1.第1実施形態>
上述の通り、まず図1〜図2Eを参照しつつ、本発明の各実施形態に係る通信装置の代表例として、本発明の第1実施形態に係る通信装置について説明する。
上述の通り、まず図1〜図2Eを参照しつつ、本発明の各実施形態に係る通信装置の代表例として、本発明の第1実施形態に係る通信装置について説明する。
(1.1 通信装置の構成):図1
図1は、本発明の第1実施形態に係る通信装置の構成を説明する説明図である。
図1に示すように、本実施形態に係る通信装置100は、結合部110と、マッチング回路120と、処理部130とを有する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る通信装置の構成を説明する説明図である。
図1に示すように、本実施形態に係る通信装置100は、結合部110と、マッチング回路120と、処理部130とを有する。
結合部110は、所定の導体又は誘電体が近接して配置された場合、その導体と静電結合するように構成される。そのために、結合部110は、結合用電極111と、絶縁部112とを有する。
結合用電極111は、静電結合を行う静電結合用電極の一例であって、例えば金属材料などのような導体で形成される。
この結合用電極111は、図1に示すように、x軸正の方向から近づく所定の導体と静電結合し易いように例えば平板状の形状を有する。この結合用電極111の形状は、平板状に限定されるものではなく、平板状でない場合には、例えば、静電結合する相手の導体又は誘電体の、結合用電極111に対向する面と同様な形状で形成されることが望ましい。この際、相手の導体又は誘電体の形状が規定されない場合には、図1に示すように、結合用電極111の形状は、平板状であることが望ましい。これらのような形状に結合用電極111を形成することにより、相手の導体との結合を強めることが可能である。
結合用電極111を平板状に形成する場合、相手の導体又は誘電体を結合用電極111に投影した形状よりも大きくなるような形状に、結合用電極111を形成することが望ましい。このように平板の結合用電極111の面積を大きくすることにより、更に静電結合を強めることができる。後述するように、結合相手の導体又は誘電体として例えば人の身体(人体)を使用し、かつ、人体がこの結合用電極111上に乗ることを想定する場合、結合用電極111と誘電体である人体との間には靴や衣類などが存在する可能性がある。しかし、このように結合用電極111の面積を大きく形成することにより、これらの挿入物があったとしても、結合用電極111は、十分に静電結合が可能である。結合用電極111の形状や面積により静電結合を強めることができる理由は、この静電結合を擬似的にコンデンサに置き換えることにより、定性的に説明することができる。つまり、結合用電極111と相手の導体又は誘電体の対向する面とを、2つの電極で構成されるコンデンサに例えると、そのコンデンサの静電容量Cは、距離に反比例し、面積に比例する。従って、この距離が均一に小さくなり、面積が大きくなるように、結合用電極111の形状を形成することにより、静電結合を強めることが可能になる。なお、以下では、この結合用電極111が平板状に形成される場合を例に説明する。
この結合用電極111は、上述のように所定の導体と静電結合することにより、更に、その導体又は誘電体を、所定の周波数を有する電磁波(以下「使用電磁波」とも言う。)に対するアンテナエレメントとして動作させる。この際、使用電磁波の周波数は、その波長が導体又は誘電体の長さと同程度となるように設定されることが望ましい。また、後述するマッチング回路120を有する場合には、このマッチング回路120と導体又は誘電体とで構成されるアンテナのエレメント長と波長が同程度となるように、使用電磁波の周波数が設定されることが望ましい。なお、結合相手である所定の導体又は誘電体とそのアンテナエレメントとしての動作とについては、詳しく後述する。
絶縁部112は、結合用電極111と、その結合用電極111に近接する結合相手の導体との間を絶縁する。つまり、例えば、絶縁部112は、絶縁材料で構成され、結合用電極111における導体と対向する部位を覆うように配置される。なお、図1では、結合用電極111が平板状に形成されるため、導体が近接するx軸正の方向の面を、絶縁部112が層状に覆う場合を示している。しかし、結合用電極111が他の形状を有する場合には、導体に対向する部位のみを覆うように絶縁部112を形成したり、結合用電極111の全域を覆うように絶縁部112を形成することも可能である。
このような絶縁部112を有することにより、結合部110は、結合相手の導体と安定して強く静電結合することができる。例えば、絶縁部112が無い場合、導体が結合用電極111に直接接触している場合(直接接続)と、離隔して近接している場合(静電結合)とでは、アンテナエレメントと結合用電極111との間に流れる電流の大きさに非常に大きな差が生じる。このように大きな電流の変化は、導体をアンテナエレメントとして動作させた場合、その導体から放射される電磁波の振幅値に大きな誤差を生じさせてしまう恐れがある。また、アンテナエレメントから電磁波を送信する場合も同様に、受信信号の振幅値に大きな誤差を生じさせてしまう恐れがある。そこで、予め絶縁部112で結合用電極111をカバーしておくことにより、導体を絶縁部112に接触させることで、その導体と結合用電極111との距離を一定に保つことができ、静電結合の強さを安定させることができる。つまり、絶縁部112は、通信装置100の通信状態を安定させることが可能である。結合相手に誘電体を用いる場合については、誘電体として人体を使用し、かつ、結合用電極111が金属の場合、人によっては金属アレルギーを有する恐れもある。しかし、絶縁部112は、このようなアレルギーのある人でも、結合用電極111と安全に静電結合することが可能である。
マッチング回路120は、結合用電極111に接続され、結合用電極111が結合する相手の導体又は誘電体が使用電磁波に対するアンテナエレメントとして動作するように、その導体又は誘電体のインピーダンスを整合する回路である。図1には、マッチング回路120として、伝送路に直列に接続されたインダクタンス121と、インダクタンス121と結合用電極111との間に一端が接続され他端が接地されたキャパシタンス122とを有する集中定数型のマッチング回路の一例を示している。なお、このマッチング回路120の構成は、図1に示すような集中定数型に限定されるものではなく、他の集中定数型はもちろん、分布常数型のマッチング回路や、集中定数型と分布定数型を組み合わせたマッチング回路であってもよいことは、言うまでもない。
マッチング回路120は、結合用電極111に静電結合した導体又は誘電体及びマッチング回路120自身に、使用電磁波の周波数で発生する定在波比が1に近づくように形成される。つまり、マッチング回路120は、使用電磁波の周波数で、所定の導体又は誘電体に対して、以下のように各構成(例えばインダクタンス121及びキャパシタンス122)の容量を設定される。例えば、使用電磁波の周波数と、アンテナエレメントとして使用する導体又は誘電体とが決定される。そして、結合用電極111を有する結合部110を形成し、この結合用電極111に、決定された導体又は誘電体を近接させて、両者を静電結合させる。そして、そしてネットワークアナライザなどを使用して、定在波比(VSWR:Voltage Standing Wave Ratio)が1に近づくように、給電線と結合用電極111との間のマッチング回路120を構成する。その結果、決定された周波数及び導体又は誘電体で、その導体又は誘電体が特性のよいアンテナエレメントとして動作させることが可能なマッチング回路120を形成することができる。このように形成されたマッチング回路120を有することにより、通信装置100は、例えば、導体又は誘電体の長さが、使用電磁波の波長の4分の1の整数倍よりも短かったり長かったりしたとしても、擬似的に導体又は誘電体の長さをアンテナエレメントとして効率よく動作する長さに伸ばしたり縮めたりすることができる。その結果、通信装置100は、マッチング回路120と導体又は誘電体との合計の長さを使用電磁波の波長の略4分の1の整数倍に設定することができ、通信特性を向上させることが可能となる。また、この場合、ある長さの導体又は誘電体が静電結合していないときは、マッチングがとれずVSWRが大きな値をとる。
ただし、例えば、導体又は誘電体の長さが使用電磁波の波長の4分の1の整数倍にほぼ等しい場合などのように、導体又は誘電体のみで所望の通信特性を確保することができる場合には、このマッチング回路120は、必ずしも必要ではない。但し、本実施形態に係る通信装置100は、アンテナエレメントとして動作させる所定の導体又は誘電体が予め決定されることが望ましいが、その導体の長さが一様であるとは限らない。このような導体又は誘電体の長さの誤差は、使用電磁波の波長の4分の1の整数倍からのズレとなるため、通信特性(例えば、受信感度や送信効率など)に影響を与えてしまう。そこで、本実施形態のようにマッチング回路120を配置することにより、マッチング回路120と導体又は誘電体とで擬似的に形成するアンテナのエレメント長に対する、導体又は誘電体の長さの誤差の比を小さくすることができる。従って、マッチング回路120は、このような導体又は誘電体の長さのバラツキを抑えつつ、通信特性を安定させることができる。
ここで、残りの構成である処理部130について説明する前に、導体又は誘電体とその長さについて説明する。
本実施形態に係る導体又は誘電体、つまり、結合用電極111と静電結合し、交流信号が流れてアンテナエレメントの役割を担う導体又は誘電体は、上述のように、予め決定される。この導体又は誘電体としては、例えば、人の身体(以下単に「人体」ともいう。)・動物の身体・植物などの生き物、自動車・鉄道・自転車・船などの乗り物、橋・ビルディング・家屋などの建造物、サッシ・ドア・ノブなどの部材、その他電子機器等のように、交流信号が流れることのできる導体又は誘電体であれば様々な材質を使用することができる。そして、導体又は誘電体の長さは、例えば誘電体が人の場合、身長・胴の幅・手の大きさ・足の幅など様々な部位の長さを意味し、特定の長さに限定されるものではない。つまり、例えばバイオリンの共鳴する波長が、バイオリンの胴体の長手方向の長さに限定されないように、導体又は誘電体の長さも最長の長さに限定されるものではない。なお、説明の便宜上、以下では、誘電体としては人体を使用し、かつ、誘電体の長さとしては身長を使用する場合について説明する。なお、人体は、誘電体であり、金属に比べると損失は大きいものの、ある程度、高周波信号を伝達することができる。従って、本実施形態に係る通信装置100は、金属の代わりに人体をアンテナの放射エレメントの一部として動作させることが可能である。
処理部130は、アンテナエレメントとなる人体に対して、マッチング回路120及び結合部110を順次介して、使用電磁波の周波数の送信信号(例えば、高周波信号)を入力する。また、処理部130は、アンテナエレメントとなる人体が受信した受信信号を取得する。そのために、処理部130は、例えば、送信機能及び受信機能の少なくともいずれか一方を有することが望ましい。通信装置100が送信装置として使用される場合、処理部130は、例えば、電源、発振回路及び変調回路を有し、これらで発生させた高周波信号を、マッチング回路120に出力する。その結果、通信装置100は、人体を一部とするアンテナエレメントから通信用の使用電磁波を外部に放射させることができる。一方、通信装置100が受信装置として使用される場合、使用電磁波の周波数の受信信号を受信する受信回路を有することにより、人体を一部とするアンテナエレメントにより使用電磁波を受信することができる。
なお、この処理部130は、他の処理をする機能を有してもよいが、この他の機能については、後述する第2実施形態〜第7実施形態において説明する。
以上、本実施形態に係る通信装置100の構成について説明した。
次に、本実施形態に係る通信装置100の動作について説明する。なお、以下の通信装置100の動作に説明では、使用電磁波を送信する場合について説明し、受信する場合については、信号の流れが逆であること以外はほぼ同様であるため省略する。
次に、本実施形態に係る通信装置100の動作について説明する。なお、以下の通信装置100の動作に説明では、使用電磁波を送信する場合について説明し、受信する場合については、信号の流れが逆であること以外はほぼ同様であるため省略する。
(1.2 通信装置の動作)
図2A,図2Bは、本実施形態に係る通信装置の動作を説明する説明図である。
図2Aは、結合用電極111に、誘電体の一例である人体が静電結合している場合を示している。一方、図2Bは、結合用電極111に人体が静電結合していない場合を示している。
図2A,図2Bは、本実施形態に係る通信装置の動作を説明する説明図である。
図2Aは、結合用電極111に、誘電体の一例である人体が静電結合している場合を示している。一方、図2Bは、結合用電極111に人体が静電結合していない場合を示している。
図2Aに示すように、結合用電極111が人体200と静電結合した場合、処理部130から信号を入力すると、人体200は、アンテナエレメントとして動作して、所望の周波数の電磁波を、放射効率よく放射することができる。
一方、図2Bに示すように、結合用電極111が人体200と静電結合してない場合に、処理部130から信号を入力したと仮定する。この場合、マッチング回路120は、結合用電極111が人体200と結合したときにインピーダンスマッチングが取れるように形成されているため、静電結合してない場合には信号のリターンロスが大きくなり、通信装置100は、外部に電磁波をほとんど放射しない。
このことは、通信装置100が電磁波を受信する場合も同じで、人体200が結合用電極111と結合していれば、外部からの電磁波を受信するが、結合していなければ、受信信号は非常に弱くなる。
(1.2.1 静電結合の第1例)
なお、結合用電極111による、人体200に対する静電結合、つまり、誘電体に対する静電結合としては、様々な形態が考えられる。ここで、この静電結合の形態の例を説明する。
なお、結合用電極111による、人体200に対する静電結合、つまり、誘電体に対する静電結合としては、様々な形態が考えられる。ここで、この静電結合の形態の例を説明する。
図2Cは、本実施形態に係る通信装置の静電結合の第1例を説明する説明図である。
図2Cに示すように、通信装置100は、例えば、ユーザが携帯するだけで、結合用電極111によりユーザの人体200と結合することができる。この際、通信装置100は、例えば、ユーザの衣類に付着されたり、衣類や鞄の中に入れられたり、ストラップなどによりぶら下げられたとしても、人体200に結合することができる。但し、結合用電極111が人体200に面するように配置されることが望ましい。
図2Cに示すように、通信装置100は、例えば、ユーザが携帯するだけで、結合用電極111によりユーザの人体200と結合することができる。この際、通信装置100は、例えば、ユーザの衣類に付着されたり、衣類や鞄の中に入れられたり、ストラップなどによりぶら下げられたとしても、人体200に結合することができる。但し、結合用電極111が人体200に面するように配置されることが望ましい。
(1.2.2 静電結合の第2例)
図2Dは、本実施形態に係る通信装置の静電結合の第2例を説明する説明図である。
図2Dに示すように、通信装置100は、例えば、予め所定の位置に配置されており、ユーザが結合用電極111の位置に人体200の一部をかざすか、又は、絶縁部112越しに触れることにより、人体200に結合することもできる。
図2Dは、本実施形態に係る通信装置の静電結合の第2例を説明する説明図である。
図2Dに示すように、通信装置100は、例えば、予め所定の位置に配置されており、ユーザが結合用電極111の位置に人体200の一部をかざすか、又は、絶縁部112越しに触れることにより、人体200に結合することもできる。
この第2例では、図2Dに示すように、ユーザが指で通信装置100に触れる場合を示しているが、ユーザが通信装置100に触れる部位は、指に限られず、頭部、胴体部、腕部、脚部など様々な部位であってもよい。この応用例として、次の第3例も考えられる。
(1.2.3 静電結合の第3例)
図2Eは、本実施形態に係る通信装置の静電結合の第3例を説明する説明図である。
図2Eに示すように、通信装置100は、例えば、床や階段、椅子などのように、ユーザが乗るであろう場所に配置されており、ユーザが結合用電極111に乗ることにより、人体200に結合することができる。この場合、ユーザは、自らの人体200がアンテナエレメントとして動作していることだけでなく、通信装置100があることすら認識せずに済むことになる。なお、この場合、ユーザは靴などを履いている可能性があるため、結合用電極111を、ユーザの投影面積よりも大きな面積を有するように形成することにより、ユーザの人体200と結合用電極111との静電結合を強めることができる。
図2Eは、本実施形態に係る通信装置の静電結合の第3例を説明する説明図である。
図2Eに示すように、通信装置100は、例えば、床や階段、椅子などのように、ユーザが乗るであろう場所に配置されており、ユーザが結合用電極111に乗ることにより、人体200に結合することができる。この場合、ユーザは、自らの人体200がアンテナエレメントとして動作していることだけでなく、通信装置100があることすら認識せずに済むことになる。なお、この場合、ユーザは靴などを履いている可能性があるため、結合用電極111を、ユーザの投影面積よりも大きな面積を有するように形成することにより、ユーザの人体200と結合用電極111との静電結合を強めることができる。
なお、ここで挙げた静電結合の態様の例は、あくまで一例に過ぎず、導体の種類に応じて様々な応用例が可能であることは言うまでもない。
(1.3 効果の例)
以上、本発明の第1実施形態に係る通信装置100について説明した。
この通信装置100によれば、結合用電極111を有することにより、例えば人体200などのような外部の導体又は誘電体をアンテナエレメントとして使用することができる。よって、アンテナエレメントの収容スペースを通信装置100自体に確保する必要が無く、通信装置100を小型化することができる。
以上、本発明の第1実施形態に係る通信装置100について説明した。
この通信装置100によれば、結合用電極111を有することにより、例えば人体200などのような外部の導体又は誘電体をアンテナエレメントとして使用することができる。よって、アンテナエレメントの収容スペースを通信装置100自体に確保する必要が無く、通信装置100を小型化することができる。
また、例えば、携帯機器などにこの通信装置100を使用とした場合、アンテナスペースの確保から、携帯機器を大きくするか、確保できるスペースに配置可能なアンテナのエレメント長に応じた短い波長の電磁波を使用していた。更に、この場合、ある程度通信特性を犠牲にして、波長に対して小さなアンテナを使用していた。しかし、本実施形態に係る通信装置100によれば、人体などの外部の導体又は誘電体をアンテナエレメントとして使用することができるため、携帯機器を小さくしつつ、送受信特性を向上させることが可能である。さらに、携帯機器などでは、アンテナの配置位置や大きさが、その機器のデザインに制約を与えていたが、本実施形態に係る通信装置100によれば、このようなデザイン上の制約を大きく低減して、デザイン性を向上させることも容易である。また、上述の通り、導体又は誘電体が人体200の場合、衣類や鞄の中に収容したまま、通信装置100を使用することができるため、ユーザは、ハンズフリーで通信装置100を使用することも可能である。
次に、この第1実施形態に係る通信装置100を使用した応用例について、第2実施形態〜第7実施形態において説明する。しかし、これらの実施形態は、あくまで応用の一例であり、多種多様な他の応用が可能であることは、言うまでもない。
<2.第2実施形態>
図3は、本発明の第2実施形態に係る通信装置を説明する説明図である。
この図3では、通信装置100が、基地局300や衛星などから放送される放送波を受信するアンテナエレメントとして人体200を動作させる場合を示している。
図3は、本発明の第2実施形態に係る通信装置を説明する説明図である。
この図3では、通信装置100が、基地局300や衛星などから放送される放送波を受信するアンテナエレメントとして人体200を動作させる場合を示している。
一般にアンテナのエレメント長は、使用する放送波の波長によって決まり、波長に比べて極端に短いエレメント長のアンテナは、有効な利得を得ることが難しい。例えば、近年放送が開始されたワンセグ(1seg)放送は、周波数が約470〜770MHz程度のUHF(Ultra High Frequency)の周波数帯域の放送波を使用している。この波長は、場合によっては数十cm程度にも及ぶこともある。手軽な放送を楽しむために主に携帯機器のために開始されたワンセグ放送の携帯機器は、この波長によりアンテナを内蔵して小型化するのが難しく、アンテナを外部に配置せざるを得ない場合が多い。しかし、本実施形態に係る通信装置100によれば、例えば、ユーザが通信装置100を持つことにより、結合用電極111を人体200に静電結合させることができる。その結果、通信装置100によれば、人体200(マッチング回路120を含んでもよい。)をアンテナエレメントとして動作させることができる。従って、携帯機器などの小型の機器に通信装置100を使用することにより、サイズを更に小さくして、利得の高いアンテナを実現することができる。人体を送信用のアンテナの一部として用いる場合、送信電力が大きいと健康への影響が懸念される場合もあるが、人体を受信用のアンテナの一部として用いる場合は、もともと空気中に存在している電波以上の信号を人体が浴びることはないので、人体をアンテナの一部として用いることによる健康への影響はないものと思われる。
以上、本実施形態では、通信装置100が放送波を受信する場合について説明した。他の応用例として、処理部130が、アンテナエレメントである人体200により受信される受信信号の有無に応じて、予め定められた所定の処理を行うことも可能である。一般の通信装置の場合、例えば送信や受信等のような処理を行うか行わないかの切替は、ユーザ自ら行うか、別途の制御装置が必要であった。しかしながら、この処理部130は、そのような切替を、人体200が結合用電極111に触れるか否かで行うことができ、スイッチの役割を担うことが可能である。このように処理部130が所定の処理を行う場合の応用例を、第3実施形態〜第5実施形態で説明する。
<3.第3実施形態>
図4A及び図4Bは、本発明の第3実施形態に係る通信装置を説明する説明図である。
本実施形態では、通信装置100が、結合用電極111を複数有する場合の応用例について説明する。つまり、通信装置100には、結合用電極111とマッチング回路120とのセットが複数配置される。そして、処理部130は、例えば、この複数の結合用電極111A〜111Bのいずれが受信信号を受信するかに応じて、予め定められた所定の処理のいずれを行うかを判断することができる。図4Aでは、このように複数の結合用電極111A〜111Bを有する例として、自動販売機400を示している。
図4A及び図4Bは、本発明の第3実施形態に係る通信装置を説明する説明図である。
本実施形態では、通信装置100が、結合用電極111を複数有する場合の応用例について説明する。つまり、通信装置100には、結合用電極111とマッチング回路120とのセットが複数配置される。そして、処理部130は、例えば、この複数の結合用電極111A〜111Bのいずれが受信信号を受信するかに応じて、予め定められた所定の処理のいずれを行うかを判断することができる。図4Aでは、このように複数の結合用電極111A〜111Bを有する例として、自動販売機400を示している。
この本実施形態では、自動販売機400には、複数の結合用電極111A〜111Bが、自動販売機400が販売する商品を選択する選択ボタンとして配置される。そして、ユーザは、他のユーザ通信装置410を携帯している。
この際、ユーザが人体200で結合用電極111A〜111Cのいずれか1つを選択する、つまり結合用電極111A〜111Cのいずれかに触れる(例えば結合用電極111B)。すると、ユーザの人体200をアンテナエレメントとして動作させた結合用電極111Bが、ユーザ通信装置410から放射される電磁波を受信して、処理部130に受信信号を送信する。この受信信号を取得した処理部130は、受信した結合用電極111Bを特定して、その結合用電極111Bに予め割り当てられた処理を行うと判断して、その処理を実行する。ここでは、例えば、処理部130は、図4Bに示すように、結合用電極111Bに対応する商品430を、商品渡し口420に排出させることになる。この際、更に処理部130は、結合用電極111B・人体200・電磁波等を介して、ユーザ通信装置410と通信を行い、ユーザ通信装置410が有する電子マネー機能に課金することも可能である。
つまり、本実施形態のように通信装置100を自動販売機400などに応用することにより、例えば、通信を行うか行わないかの切替を、ユーザが結合用電極111に触れるか触れないかにより、行うことが可能となる。従って、ユーザは、通信装置100を意識せずに、処理部130による通信処理を含めた所定の処理のON/OFFを切替えることが可能である。一方、例えば一般の複数のアンテナを近接して配置していると、これらの間での結合が生じて混信してしまう恐れがある。しかし、本実施形態に係る通信装置100では、ユーザが触れていない結合用電極111A,111Cは、アンテナエレメントがなく、外部に電磁波を放射もほとんどしなければ、放射された電磁波を受信することもほとんどない。従って、図4A及び図4Bのように、複数の結合用電極111を近接して配置したとしても、互いの結合用電極111が影響を及ぼしあうことはなく、人体200と結合して有効になった結合用電極111のみを介して、通信を行うことができる。なお、このような効果は、結合用電極111を1つだけ配置する場合も同様に得られることは、言うまでもない。
<4.第4実施形態>
図5A及び図5Bは、本発明の第4実施形態に係る通信装置を説明する説明図である。
本実施形態に係る通信装置100は、受信信号の受信の有無に応じて、予め定められたサービスを提供するか否かを判断することができる。この際、通信装置100は、サービスの提供を外部通信装置500(外部の処理装置の一例)に行わせることができる。
図5A及び図5Bは、本発明の第4実施形態に係る通信装置を説明する説明図である。
本実施形態に係る通信装置100は、受信信号の受信の有無に応じて、予め定められたサービスを提供するか否かを判断することができる。この際、通信装置100は、サービスの提供を外部通信装置500(外部の処理装置の一例)に行わせることができる。
このような通信装置100の例として、図5A及び図5Bに示すように、本実施形態に係る通信装置100は、床に埋め込まれている。一方、外部には、外部通信装置500が配置される。この場合、図5Aに示すように、人体200が通信装置100の上に乗らないと、人体200がアンテナエレメントとして動作せず、通信装置100は、外部通信装置500と通信しない。一方、人体200が通信装置100の上に乗ると、人体200がアンテナエレメントとして動作して、通信装置100は、外部通信装置500と通信可能になる。このような通信装置100は、例えば美術館や博物館などの音声案内などに応用されれば、外部通信装置500が音声案内を提供するか否か切替えることができることになる。
また、受信信号の受信の有無に応じて、外部の処理装置に所定の処理を行わせる通信装置100の他の例として、図6A及び図6Bのような、第5実施形態なども実現可能である。
<5.第5実施形態>
図6A及び図6Bは、本発明の第5実施形態に係る通信装置を説明する説明図である。
本実施形態に係る通信装置100は、外部の処理装置として自動ドア600に所定の処理をさせる。
図6A及び図6Bは、本発明の第5実施形態に係る通信装置を説明する説明図である。
本実施形態に係る通信装置100は、外部の処理装置として自動ドア600に所定の処理をさせる。
例えば、図6Aに示すように、通信装置100は、自動ドア600の前の床に埋め込まれる。そして、通信装置100は、図6Aに示すように受信信号がない場合には、自動ドア600に閉じさせ、図6Bに示すように受信信号がある場合には、自動ドア600に開かせることも可能である。この際、ユーザ通信装置610のメモリーにユーザのID情報などを記録し、ユーザ通信装置610が、通信装置100に送信する信号に、そのID情報を載せて搬送することも可能である。この場合、通信装置100は、受信信号に含まれるID情報を確認して、権限のあるユーザのみに対してドアを開けたり、課金したりすることも可能である。この場合、通信装置100は、誰がドアを通過したかを記録して、入退室者の情報を管理することも可能である。
以上、本発明の第1実施形態に係る通信装置100の応用例を説明したが、これらの応用例は、あくまで通信装置100により可能となった応用例の極一部であり、他の応用も可能である。このように、本発明の第1実施形態に係る通信装置100は、応用例を挙げれば枚挙にいとまがなく、例えば人体200などの導体又は誘電体をアンテナエレメントとすることにより様々な用途に活用することが可能である。
また、上記第2実施形態〜第5実施形態の場合、アンテナエレメントになる導体又は誘電体に、1つの通信装置100が静電結合する場合について説明した。しかしながら、第1実施形態に係る通信装置100を、複数台用意し、その通信装置を同一の導体を結合させることも可能である。その例として、次に第6実施形態について説明する。
<6.第6実施形態>
図7は、本発明の第6実施形態に係る通信装置を説明する説明図である。
図7では、本実施形態に係る通信装置101,102の一方が、床に配置され、他方がユーザに携帯されている場合を示している。この場合、ユーザに携帯された通信装置101は、ユーザの人体200に静電結合しており、ユーザが通信装置102に乗ったときに、通信装置102は、同じユーザの人体200に静電結合する。つまり、ユーザの人体200が、通信装置101のアンテナエレメントとしても動作し、通信装置102のアンテナエレメントとしても動作する。この場合、通信装置101,102は、空中での電磁波を介さずに、直接ユーザの人体200を通信媒体として使用して、通信をおこなうことができる。この場合、上記第2〜第5実施形態に比べて、電磁波を介さない分、非常に小さな伝搬損失で通信信号の送受信を行うことが可能となる。例えば、非接触ICカードに通信装置101が使用され、そのリーダライタに通信装置102が使用される場合、ユーザは、非接触ICカードをリーダライタにかざすことなくハンズフリーで、両者に通信を行わせることが可能である。このような応用例としては、通信装置101,102は、例えば、駅構内の自動改札機やドアのキーと同様の役割を担うことも可能である。例えば、通信装置101に、自動改札機を通過する際の認証・課金機能と、ドアのキーとしての機能と、更に、上記第2実施形態〜第5実施形態で例示したような機能とを同時に持たせることも可能である。その場合、通信装置101は、本実施形態のようにユーザの人体200を通信媒体として使用したり、上記実施形態のようにユーザの人体200から電磁波に対するアンテナエレメントとして使用することが可能である。よって、これらの通信装置100,101,102は、複数の通信装置を1つに統合し、かつ、各通信装置で提供されるサービスを一括して提供することが可能である。
図7は、本発明の第6実施形態に係る通信装置を説明する説明図である。
図7では、本実施形態に係る通信装置101,102の一方が、床に配置され、他方がユーザに携帯されている場合を示している。この場合、ユーザに携帯された通信装置101は、ユーザの人体200に静電結合しており、ユーザが通信装置102に乗ったときに、通信装置102は、同じユーザの人体200に静電結合する。つまり、ユーザの人体200が、通信装置101のアンテナエレメントとしても動作し、通信装置102のアンテナエレメントとしても動作する。この場合、通信装置101,102は、空中での電磁波を介さずに、直接ユーザの人体200を通信媒体として使用して、通信をおこなうことができる。この場合、上記第2〜第5実施形態に比べて、電磁波を介さない分、非常に小さな伝搬損失で通信信号の送受信を行うことが可能となる。例えば、非接触ICカードに通信装置101が使用され、そのリーダライタに通信装置102が使用される場合、ユーザは、非接触ICカードをリーダライタにかざすことなくハンズフリーで、両者に通信を行わせることが可能である。このような応用例としては、通信装置101,102は、例えば、駅構内の自動改札機やドアのキーと同様の役割を担うことも可能である。例えば、通信装置101に、自動改札機を通過する際の認証・課金機能と、ドアのキーとしての機能と、更に、上記第2実施形態〜第5実施形態で例示したような機能とを同時に持たせることも可能である。その場合、通信装置101は、本実施形態のようにユーザの人体200を通信媒体として使用したり、上記実施形態のようにユーザの人体200から電磁波に対するアンテナエレメントとして使用することが可能である。よって、これらの通信装置100,101,102は、複数の通信装置を1つに統合し、かつ、各通信装置で提供されるサービスを一括して提供することが可能である。
また、このように複数の通信装置100が1つの人体200を共用する場合として、更に、上記の電磁波に対するアンテナエレメントとしての使用と、通信媒体としての使用とを複合的に組み合わせて、新たなサービスを提供することも可能である。その例として、第7実施形態について説明する。
<7.第7実施形態>
図8は、本発明の第7実施形態に係る通信装置を説明する説明図である。
図8では、2人のユーザが、それぞれ通信装置101,103を携帯し、床には通信装置102,104が配置される。そして、図8では、一方のユーザの人体201が、通信装置102の上に乗り、他方のユーザの人体201が、通信装置104の上に乗っている。この場合、通信装置101と通信装置102とは、一方のユーザの人体201を通信媒体として通信を行い、通信装置103と通信装置104とは、他方のユーザの人体202を通信媒体として通信を行う。この通信をここでは「人体有線通信」と呼ぶことにする。これに対して、各ユーザの人体201,202は、各通信装置101,102,103,104のアンテナエレメントとしても動作するため、人体201,202からは、電磁波が発せられる。この電磁波による通信をここでは「人体無線通信」と呼ぶことにする。
図8は、本発明の第7実施形態に係る通信装置を説明する説明図である。
図8では、2人のユーザが、それぞれ通信装置101,103を携帯し、床には通信装置102,104が配置される。そして、図8では、一方のユーザの人体201が、通信装置102の上に乗り、他方のユーザの人体201が、通信装置104の上に乗っている。この場合、通信装置101と通信装置102とは、一方のユーザの人体201を通信媒体として通信を行い、通信装置103と通信装置104とは、他方のユーザの人体202を通信媒体として通信を行う。この通信をここでは「人体有線通信」と呼ぶことにする。これに対して、各ユーザの人体201,202は、各通信装置101,102,103,104のアンテナエレメントとしても動作するため、人体201,202からは、電磁波が発せられる。この電磁波による通信をここでは「人体無線通信」と呼ぶことにする。
第6実施形態で説明した通り、人体有線通信は、人体無線通信に比べて伝送損失が非常に少ないため、ゲインが大きい。従って、図8に示す場合、人体無線通信の電磁波は、人体有線通信に混信するが、ゲインが大きく異なるため、その影響を抑えることができる。よって、図8に示す場合には、各ユーザは、互いに影響を及ぼしあうことなく、それぞれ独立に人体有線通信をおこなうことができる。
一方、例えば、一方のユーザ(例えば人体201のユーザ)が、通信装置102から離れると、通信装置101は、人体202から送信される電磁波を受信することが可能となり、通信装置103,104の少なくとも一方と人体無線通信を行うことができる。また、例えば、他方のユーザ(例えば人体202のユーザ)も、通信装置104から離れると、通信装置103は、人体201から送信される電磁波を受信することが可能となり、通信装置101との間の通信が確立可能である。
このような本実施形態において、通信装置101及び通信装置103が、例えば、通話機能と音声再生機能を備えた通信装置であり、通信装置102及び通信装置104が、例えば博物館や美術館の音声案内装置であるとする。すると、所定の位置に到達したユーザには、通信装置102,104から通信装置101,103に音声案内が送信され、通信装置101,103は、その音声をユーザに提供することができる。このような音声案内が提供されていない場合は、通信装置101,103同士が通信を行うことにより、ユーザ間の通話を行うことができることになり、新たなサービスの提供への道を開くことができる。このような複合的な通信システムによるサービスの例も、様々な応用が可能であり、この例に限定されるものではないことを付言しておく。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態では、マッチング回路120は、予め決定された導体又は誘電体に対してインピーダンスマッチング可能なように形成されるが、例えば、各構成要素を、静電結合された導体又は誘電体に応じて変更することも可能である。この場合、マッチング回路120は、例えば、容量の異なるインダクタンス121及びキャパシタンス122のセットを複数有し、更に結合された導体の種類に応じて、実際に使用するセットを選択するスイッチを有してもよい。また、マッチング回路120は、例えば、容量可変型のインダクタンス121及びキャパシタンス122を有し、更に、結合された導体の種類に応じて容量を可変する制御部を有してもよい。なお、この際、結合された導体の種類を判別するために、マッチング回路120は、例えば、定在波比や供給電力などをモニターする検出器を有しその導体の種類を判別し、その種類に応じたマッチングが可能なように構成されてもよい。
100,101,102,103,104 通信装置
110 結合部
111,111A,111B,111C 結合用電極
112 絶縁部
120 マッチング回路
121 インダクタンス
122 キャパシタンス
130 処理部
200,201,202 人体
300 基地局
400 自動販売機
410 ユーザ通信装置
420 商品渡し口
430 商品
500 外部通信装置
600 自動ドア
610 ユーザ通信装置
110 結合部
111,111A,111B,111C 結合用電極
112 絶縁部
120 マッチング回路
121 インダクタンス
122 キャパシタンス
130 処理部
200,201,202 人体
300 基地局
400 自動販売機
410 ユーザ通信装置
420 商品渡し口
430 商品
500 外部通信装置
600 自動ドア
610 ユーザ通信装置
Claims (11)
- 近接する導体又は誘電体と静電結合して、前記導体又は前記誘電体を所定の周波数の電磁波に対するアンテナエレメントとして動作させる静電結合用電極と、
前記静電結合用電極に接続され、前記導体又は前記誘電体が前記静電結合用電極と静電結合したときに前記所定の周波数の電磁波に対するアンテナエレメントとして動作するように前記導体又は前記誘電体のインピーダンスを整合するマッチング回路と、
を有する、通信装置。 - 前記マッチング回路は、前記導体又は前記誘電体が前記静電結合用電極に静電結合したときに、前記導体又は前記誘電体が前記静電結合用電極に静電結合していないときに比べて、より定在波比が1に近づくように、形成される、請求項1に記載の通信装置。
- 前記静電結合用電極と、当該静電結合用電極に近接する前記導体又は前記誘電体との間を絶縁する絶縁部材を更に有する、請求項1又は2に記載の通信装置。
- 前記導体又は前記誘電体は、人体である、請求項1又は2に記載の通信装置。
- 前記静電結合用電極は、近接した前記人体を当該静電結合用電極に投影した形状よりも大きな平板状の形状を有する、請求項4に記載の通信装置。
- 前記静電結合電極は、前記導体又は前記誘電体の長さと同程度の波長を有する電磁波に対するアンテナエレメントとして前記導体又は前記誘電体を動作させる、請求項1又は2に記載の通信装置。
- 前記所定の周波数の電磁波に対するアンテナエレメントとして動作した導体又は誘電体により受信する受信信号の有無に応じて、所定の処理を行う処理部を更に有する、請求項1又は2に記載の通信装置。
- 前記通信装置は、前記静電結合用電極を複数有し、
前記処理部は、いずれの前記静電結合用電極が前記受信信号を受信したかに応じて、予め定められた処理のいずれを行うかを判断する、請求項7に記載の通信装置。 - 前記処理部は、前記受信信号の受信の有無に応じて、予め定められたサービスを提供するか否かを判断する、請求項7に記載の通信装置。
- 前記処理部は、前記受信信号を受信した場合、外部の処理装置に所定の処理を行わせる、請求項9に記載の通信装置。
- 前記静電結合電極は、放送波を受信するアンテナエレメントとして前記導体又は前記誘電体を動作させる、請求項1又は2に記載の通信装置。
Priority Applications (3)
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