JP4088775B2 - 建築用開閉装置における電動式巻取り装置の取付け具および取付け方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築物の開口部等に設けられる建築用開閉装置における電動式巻取り装置の取付け具および取付け方法の技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、この種建築用開閉装置において、開口部を開閉する開閉体を例えばシャッターカーテンとした所謂シャッター装置とした場合、シャッターカーテンを巻装する巻取り装置を開口部上方に設け、巻取り装置の正逆回動に伴いシャッターカーテンが開口部の開閉を行うようにしたものがある。このようなものにおいて、シャッターカーテンの開閉を手動で行う手動式のシャッター装置では、図11(A)に示すように、巻取り装置25を、シャッターカーテンの上端縁部が連結されるドラム25aと、該ドラム25aがホイール25bを介して回動自在に軸承される固定軸25cと、ドラム25a(ホイール25b)と固定軸25cとのあいだに配されるバランス弾機25dとを備えて構成し、前記固定軸25bの左右両端部を、躯体開口部上方に設けられたブラケット2aに固定することで躯体側への支持をしている。そしてこの場合に、図2に示すように、ブラケット2aの内側面に、固定軸25cの端部を係止するU字形の固定軸支持部2bが内方に向けて突出形成されたものになっている。
一方、巻取り装置に電動モータを備えた電動開閉機を連動連結し、電動開閉機の駆動力によりドラムを回動させる電動式のシャッター装置とした場合、これが例えば図11(B)に示すように、巻取り装置3としてドラム8の一端部に電動開閉機5が収容(内装)されたものである場合、巻取り装置8の一端部は、ドラム8端部から電動開閉機5を構成するケーシング5aの一端部を躯体側のブラケットに直接固定支持されるように構成されている。また、ドラム内に電動開閉機が収容されない構成のものである場合、ブラケットには、電動開閉機とともに、該電動開閉機により回動するスプロケットが設けられることになり、何れの場合であっても、ブラケットは手動式のものと電動式のものとでは別のものが用いられている。このため、従来、手動式のシャッター装置が既設されているところに、電動開閉機が内装された電動式のシャッター装置を取付けようとした場合、手動式用のブラケットを取外して電動式用のブラケットに取換える必要があった。しかるに、ブラケットの取換え作業は躯体側の工事を含む作業となるため、取換え作業が困難であり改善が求められていた。そこで、手動式のブラケットをそのまま利用する構成とし、巻取り装置のドラムの一端部に、該ドラムに連動連結する電動系駆動ユニットを組込み、該電動系駆動ユニットを、ブラケットに設けた電動開閉機側の部材に連動連結させるようにしたものが提唱されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特許第3347855号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記特許文献1のものにおいて、電動系駆動ユニットは、部品点数が多いうえ、これらの部品は、ブラケットに支持されている既設の巻取り装置に付加する状態で取付ける構成となっているので、部品点数が多い分、取付け作業の工程数が多くなって作業が煩雑になってしまうばかりでなく、長い時間高所作業を強いられるという問題があり、これらに本発明が解決しようとする課題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の如き実情に鑑み、これらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、ドラムと該ドラムを回動自在に軸承する固定軸とを備えた手動式の巻取り装置の前記固定軸を係止固定するための固定軸支持部が形成された既設の手動式巻取り装置用のブラケットに、ドラムの一端部に電動開閉機が相対回動自在に内装された電動式巻取り装置を支持して電動式の開閉装置にするにあたって用いられる取付け具であって、前記固定軸支持部の内方側に位置してブラケット面と平行となる取付け片部を有していて前記ブラケットに固定される主連結部材と、ドラムから突出する電動開閉機の一端部が固定手段を介して固定されていて前記主連結部材の取付け片部に固定される副連結部材とからなる建築用開閉装置における電動式巻取り装置の取付け具である。
そして、このようにすることにより、ブラケットに主連結部材を設ける一方、電動式の巻取り装置に副連結部材を設けておくことで、手動式用のブラケットをそのまま用いることが可能となって、取換え作業を簡単かつ容易に行うことができる。
請求項2の発明は、請求項1において、取付け片部には、ブラケットの固定軸支持部に係止固定される軸部が一体的に設けられている建築用開閉装置における電動式巻取り装置の取付け具である。このようにすることにより、主連結部材を介してブラケットに作用する負荷が分散状になって、ブラケットの強度を相対的に高めることができる。
請求項3の発明は、請求項1または2において、副連結部材には、主連結部材に仮保持するための係止片が形成されている建築用開閉装置における電動式巻取り装置の取付け具である。このようにすることにより、副連結部材を主連結部材に仮保持させた状態でこれらの部材の固定をすることができて、作業性の向上が図れる。
請求項4の発明は、ドラムと該ドラムを回動自在に軸承する固定軸とを備えた手動式の巻取り装置の前記固定軸を係止固定するための固定軸支持部が形成された既設の手動式巻取り装置用のブラケットに、ドラムの一端部に電動開閉機が相対回動自在に内装された電動式巻取り装置を支持して電動式の開閉装置にするにあたり、固定軸支持部の内方側に位置してブラケット面と平行となる取付け片部を有した主連結部材を前記ブラケットに固定する工程と、前記ドラムから突出する電動開閉機の一端部が固定手段を介して固定された副連結部材を前記主連結部材の取付け片部に固定する工程とを有している建築用開閉装置における電動式巻取り装置の取付け方法である。
そして、このようにすることにより、ブラケットに主連結部材を設ける一方、電動式の巻取り装置に副連結部材を設けておくことで、手動式用のブラケットをそのまま用いることが可能となって、取換え作業を簡単かつ容易に行うことができる。
請求項5の発明は、ドラムと該ドラムを回動自在に軸承する固定軸とを備えた手動式の巻取り装置の前記固定軸を係止固定するための固定軸支持部が形成された既設の手動式巻取り装置用のブラケットに、電動開閉機の駆動に基づいて回動するドラムを有した電動式巻取り装置を支持して電動式の開閉装置にするにあたって用いられる取付け具であって、前記固定軸支持部の内方側に位置してブラケット面と平行な取付け片部を有していて前記ブラケットに固定される連結部材と、電動開閉機と共に取付け片部に設けられ、かつ該電動開閉機の出力軸に連動されるスプロケットと、ドラムの一端面とスプロケットとのあいだに回り止め状に係合する係合手段とからなる建築用開閉装置における電動式巻取り装置の取付け具である。
そして、このようにすることにより、ブラケットに連結部材を設け、電動式の巻取り装置を連結部材のスプロケットと係合させることで電動式の巻取り装置を取付けることができ、手動式用のブラケットをそのまま用いることが可能となって、取換え作業を簡単かつ容易に行うことができる。
請求項6の発明は、請求項5において、取付け片部には、ブラケットの固定軸支持部に係止固定される軸部がスプロケットと同芯状に設けられている建築用開閉装置における電動式巻取り装置の取付け具である。このようにすることにより、連結部材を介してブラケットに作用する負荷が分散状になって、ブラケットの強度を相対的に高めることができる。
請求項7の発明は、請求項6において、取付け片部には、軸部と同芯状の支軸がドラム側に突設され、該支軸に、ドラムを軸承する固定軸が嵌着するように構成されている建築用開閉装置における電動式巻取り装置の取付け具である。このようにすることにより、連結部材と巻取り装置との連結を確実かつ堅固なものにすることができる。
請求項8の発明は、ドラムと該ドラムを回動自在に軸承する固定軸とを備えた手動式の巻取り装置の前記固定軸を係止固定するための固定軸支持部が形成された既設の手動式巻取り装置用のブラケットに、電動開閉機の駆動に基づいて回動するドラムを有した電動式巻取り装置を支持して電動式の開閉装置にするにあたり、前記固定軸支持部の内方側に位置してブラケット面と平行な取付け片部を有していて前記ブラケットに固定される連結部材を設ける工程と、電動式の巻取り装置を、電動開閉機と共に取付け片部に設けられ、かつ該電動開閉機の出力軸に連動されるスプロケットと係合させる工程とを有している建築用開閉装置における電動式巻取り装置の取付け方法である。
そして、このようにすることにより、ブラケットに連結部材を設け、電動式の巻取り装置を連結部材のスプロケットと係合させることで電動式の巻取り装置を取付けることができ、手動式用のブラケットをそのまま用いることが可能となって、取換え作業を簡単かつ容易に行うことができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の第一の実施の形態を図1〜図6の図面に基づいて説明する。
図面において、1は住宅の窓部(躯体開口部)に設けられたシャッター装置のシャッターカーテン1であって、該シャッターカーテン1は、複数枚のスラット1aを上下方向に連綴して構成されている。そして、シャッターカーテン1は、上端縁部が開口部上方の躯体側に設けたシャッターケース2内に回動自在に収容された巻取り装置3に連結され、該巻取り装置3に巻取られて開口部を開放する全開姿勢と、巻取り装置3から巻出されて開口部を閉鎖する全閉姿勢とのあいだを変姿するように設定されている。
尚、シャッターカーテン1は、左右両側縁部が開口部の左右両側に立設されたガイドレール4に嵌合して移動案内されるように設定されており、これらの基本構成は何れも従来通りの構成となっている。
【0007】
ところで、前記シャッター装置としては、シャッターカーテン1を手動で開閉する手動式用のものと、巻取り装置3に電動開閉機5が連繋され、該電動開閉機5の駆動力に基づいて巻取り装置3が回転駆動(回動)してシャッターカーテン1の開閉作動を自動的に行うようにした電動式のものとがあり、本実施の形態では、手動式のシャッター装置が取付けられていた開口部に、電動式のシャッター装置が取付けられている。
つまり、シャッターケース2を構成する左右一対のブラケット2aは、互いに対向する内側面に、U字形の固定軸支持部(ポケット)2bが内側に向けて突出する状態で一体的に設けられた手動式(手動式巻取り装置25)用のブラケット2aに構成されている。尚、前記ブラケット2aの固定軸支持部2bには、図11(A)に示す手動式巻取り装置25の固定軸25cの端部が嵌合係止し、該固定軸25cと固定軸支持部2bとに形成された螺子孔25e、2cを連通する状態に位置合せしめ、これら螺子孔25e、2cにボルトBを緊締することにより、固定軸25cがブラケット2aに固定されるように構成されている。
【0008】
一方、巻取り装置3は、左右方向(軸方向)一端部(図2において左側)に電動モータを備えた電動開閉機5が配された電動式のものに構成されており、該電動開閉機5のケーシング5a一端側の外周には、該ケーシング5aに対して相対回動自在な状体で従動ホイール6が外嵌されている。さらに、ケーシング5aの他端側外周には駆動ホイール6aが回動自在に外嵌されているが、該駆動ホイール6aは、ケーシング5aの他端側から突出する出力軸5bに連動連結されている。さらに、巻取り装置3は、左右方向他端側に位置して、電動開閉機出力軸5bと同芯となる関係で固定軸7が設けられ、該固定軸7の外周に、左右一対の従動ホイール6が回動自在に外嵌されている。そして、これら各ホイール6、6aは、これらの外周に嵌着された長筒状のドラム8により一体的に連動連結され、これによって、各ホイール6、6aとドラム8とが固定軸7と電動開閉機5に対して回動自在となるように構成され、前記ドラム8に、シャッターカーテン1の上縁部が連結されている。このように構成された巻取り装置3は、電動開閉機5の回動が、出力軸5b、駆動ホイール6aを経由してドラム8を回動せしめ、該回動に基づいて、シャッターカーテン1の開閉がなされるように構成され、このような基本的な構成は、電動開閉機内装型の巻取り装置として一般的な構成となっている。尚、7aはホイール6と固定軸7とのあいだに介装され、シャッターカーテン1を開放する側に向けて付勢された付勢弾機である。
【0009】
9は、左右方向一端側(左側)のブラケット2aの固定軸支持部2b形成部位に設けられる主連結部材であって、該主連結部材9は、矩形状の取付け片部9aと、該取付け片部9aの前後縁部からブラケット2a側に向けて折曲された前後一対の支持片部9bとを備えて構成されおり、平面視で略コ字形状になるように形成されている。そして、前記取付け片部9aの略中央部には、支持片部9bの延出方向に向けて軸部9cが設けられているが、該軸部9cは、溶着等による固着手段により取付け片部9aに一体的に固着されている。このように形成された主連結部材9は、固定軸支持部2bを跨ぐような状態でブラケット2aに取付けられ、軸部9cをブラケット2aの固定軸支持部2bに係止させ、支持片部9bをブラケット2aに突当てて螺子止めすることにより、ブラケット2aに固定されるように設定されている。そして、この取付け状態において、取付け片部9aは、固定軸支持部2bの内方側に位置し、かつ、ブラケット2aの面と平行な位置関係となるように設定されている。さらに、この取付け状態において、主連結部材軸部9cは、ブラケット2aの固定軸支持部2bに係止されており、これによって、主連結部材9に作用する荷重は、支持片部9bにおける連結部と軸部9cにおける係止部とを介し、ブラケット2a側に対して分散状に作用するように設定されている。
【0010】
10は、巻取り装置3のドラム8から突出する電動開閉機5のケーシング5aの一端部に取付けられる副連結部材であって、該副連結部材10は、平板状の本体部10aと、該本体部10aの上縁部から、ケーシング5a取付け側とは反対の下方に向けて折返すことで形成された折返し係止片部10bとを備えて形成されている。そして、連結部材10は、本体部10aをケーシング5aの一端側の面部に突当てて、螺子止めすることによりケーシング5aに固定されている。
ここで、電動開閉機5には、シャッターカーテン1の全閉、全開を検知するための一対のリミット手段が内蔵されており、該リミット手段の位置設定はシャッター装置の設置時に行われるが、該設定は、ケーシング5aの一端部に設けられたリミットスイッチ(位置設定用スイッチ)11を押し操作することに基づいてなされるように構成されている。ところが、ケーシング5aの一端部に副連結部材10を取付けることにより、リミットスイッチ11の配設部位のスペースが左右方向に幅狭となり、押し操作がやりにくくなる場合がある。そこで、本実施の形態のものでは、副連結部材10の前縁部に、スイッチ操作具12が設けられており、副連結部材10の前方に突出する操作レバー(レバー片)12aを操作することでリミットスイッチ11の操作ができるように設定されている。
【0011】
そして、電動式の巻取り装置3を、手動式巻取り装置用のブラケット2aに取付ける場合では、右側の固定軸7を他端側(右側)ブラケット2aの固定軸支持部2bに係止せしめ、左側の副連結部材10の係止片部10aを、ブラケット2a側に設けた主連結部材9の取付け片部の上縁部に係止せしめることにより、巻取り装置3を左右のブラケット2aに仮保持させた状態とし、この仮保持状態において、固定軸7の螺子孔7bと、固定軸支持部2bの螺子孔2cとを位置合せし、ボルト10により締結することで固定軸7と固定軸支持部2bとの固定がなされている。さらには、副連結部材10と主連結部材9との固定がなされるが、本実施の形態における固定手段としては、螺子13を用いて固定されるように設定されている。
さらに、本実施の形態において、電動開閉機5から引出される外部電源接続用の配線コード5cは、副連結部材10に切欠かれた切欠き孔10c、主連結部材9に切欠かれた切欠き孔9fを介してブラケット2a側に引出すように設定されている。
【0012】
このように構成したシャッター装置において、ブラケット2aには固定軸支持部2bを跨ぐような状態で主連結部材9が設けられるため、シャッターカーテン1のカーテン幅が手動式の巻取り装置としたときよりも幅狭となる。そこで、これに対応するべく、本実施の形態では、ガイドレール4の構成をつぎのようにしている。
つまり、既存のガイドレール4のガイド溝4aに平面視コ字形状の長尺体14を固定し、該長尺体14の開口側に位置する底片部14aに、新規に設置されるシャッターカーテン1のカーテン幅に対応する補助ガイドレール15の底片15aが螺子15bを用いて固定され、これによって、カーテン幅の変更に対応したガイドレール4となるようにしている。
【0013】
叙述の如く構成された本発明の実施の形態において、手動式の巻取り装置が設けられていた箇所に、電動式の巻取り装置を取付ける場合に、該電動式の巻取り装置3を躯体側に支持するためのブラケット2は、手動式のときのものがそのまま用いられており、ブラケット2aをわざわざ取外したり、ブラケット2aに必要な部材を別途新たに取付けたりする作業を不要とすることができる。しかもこの場合に、電動開閉機5がドラム8に内装された電動式の巻取り装置3の、ドラム8の一端部から突出する電動開閉機5のケーシング5a一端面に副連結部材10を取付ける一方、該側のブラケット2aに、固定軸支持部2b部位を跨ぐようにして主連結部材9を設けて、主連結部材9に副連結部材10を固定させる作業を行うことにより、手動式の巻取り装置用のブラケット2aに電動式の巻取り装置3を取付けることができる。
この結果、手動式から電動式にするためには、予め電動式の巻取り装置用として汎用されているドラム8に電動開閉機5が内装された巻取り装置3を用意し、該巻取り装置3のドラム8から突出するケーシング5aの一端面に副連結部材9を固定する一方、該側のブラケット2aに主連結部材10を固定することで対応できることになって、手動から電動への取換え作業を簡単かつ容易にすることができる。しかもこの場合に、ブラケット2aへの巻取り装置3の取付け作業として、主、副連結部材9、10の固定作業をすればよいことになって、高所作業を最小限にすることができ、現場での作業性を向上させることができる。
【0014】
しかも、本発明が実施されたものにおいて、主連結部材9の取付け片部9aには、ブラケット2aの固定軸支持部2bに係止固定される軸部9cが一体的に設けられており、ブラケット2aと主連結部材9とは、支持片部9bによるブラケット2aへの支持固定がなされているだけでなく、軸部9cによる固定軸支持部2bへの係止がなされている。このため、主連結部材9を介してブラケット1aに作用する巻取り装置3の負荷は、支持片部9bおよび軸部9cを介する分散状態となって作用することになり、ブラケット2aの強度を相対的に高めることができる。
【0015】
さらにこのものでは、副連結部材10に係止片部10bが形成されており、主連結部材9に副連結部材10を連結固定する場合に、予め係止片部10bを主連結部材取付け片部9aの上縁部に係止することにより、これらの部材を仮保持状態とすることができる。この結果、連結部材9と副連結部材10との固定手段を前記仮保持させた状態において実施することができ、固定作業を簡単かつ容易に行うことができ、作業性の向上が図れる。
【0016】
また、このものにおいて、ドラム8に電動開閉機5が内装されるが故に、電動開閉機ケーシング5aの一端部に副連結部材10を固定してしまうと、電動開閉機5のリミット手段の設定がやりにくくなってしまうことが想定されるが、このものでは、前述したように、リミットスイッチ11を副連結手段10の前方の空きスペースから操作するためのスイッチ操作具12が設けられていて、該スイッチ操作具12の操作レバー12aを操作することによりリミットスイッチ11の押し操作を行うことができるため、リミット手段の設定操作がしやすく、操作性に優れたものとすることができる。
【0017】
尚、本発明は前記実施の形態に限定されないことは勿論であって、図7、8、9に示す第二の実施の形態のように構成することも可能である。
第二の実施の形態のものは、手動式シャッター装置の設置箇所に、前記第一の実施の形態のように、電動開閉機をドラムに内装する電動式の巻取り装置を取付けるのではなく、電動開閉機16を躯体側に固定するタイプの電動式の巻取り装置17を取付ける場合の一例である。
この場合に、一方のブラケット2a(本実施の形態では、図8(A)において左側のブラケット)に連結部材18を予め取付けるが、該連結部材18は略コ字状に折曲形成されており、矩形状の取付け片部18aと、該取付け片部18aの上下縁部からブラケット2a側に向けて折曲された上下一対の支持片部18bとを備えて形成されている。そして、前記取付け片部18aの一側部(ブラケット2aへの取付け状態において後方)には、支持片部18bの延出方向に向けて軸部18cが設けられているが、該軸部18cは、溶着、絞り加工等により取付け片部18aと一体化されるように形成されている。
【0018】
さらに、連結部材取付け片部18aには、軸部18c形成部位に位置し、軸部18cとは反対側、即ち、内方側に突出する状態で支軸部(本発明の支軸)18dが設けられており、該支軸部18dの外周に、従動側スプロケット(本発明のスプロケットに相当)19が回動自在に外嵌されている。前記従動側スプロケット19は、内方側円板面19aの径方向に対向する二箇所に内方に突出する係合突片19bがそれぞれ一体形成されている。さらに、連結部材取付け片部18aの他側部(ブラケット2aへの取付け状態において前方)には、開閉機取付け台16aが設けられ、ここに、電動開閉機16が取付けられている。そして、電動開閉機16の出力軸16bは、取付け台16aを貫通して外方に突出しており、該突出端部に駆動側スプロケット16cが設けられるが、該駆動側スプロケット16cは、前記従動側スプロケット19と左右方向略同位置となる位置関係で配設されており、これらスプロケット19、16cのあいだに駆動チエン20が懸回され、該駆動チエン20を介して駆動側スプロケット16cの正逆回動が従動側スプロケット19に動力伝動されるように設定されている。
そして、連結部材18のブラケット2aへの取付けは、軸部18cを固定軸支持部2bに係止せしめる一方、支持片部18bをブラケット2aに螺子止めすることで固定されており、連結部材18のブラケット2aへの支持は支持片部18bおよび軸部18cとによりなされるように設定されている。
【0019】
一方、前記巻取り装置17は、固定軸21と、複数のホイール22と、これらホイール22の外周に外嵌する長筒状のドラム23と、該ドラム23とホイール22とのあいだに介装されたコイル弾機23aとを備えて構成されている。そして、固定軸21は、前記巻取り装置17の他端側においては該側のホイール22よりも外方に突出しているが一端側(左側)においては該側の一端側ホイール22aから突出することはないように構成されている。さらに、一端側ホイール22aの一端面には、前記従動側スプロケット19の円板面19aに突設された一対の係合突片19bがそれぞれ嵌合係止するための係合孔(本発明の凹部に相当)22bが径方向に対向する二箇所において開設されている。さらに、前記一端側の固定軸21aはパイプ状に形成されており、連結部材18の支軸部18dに嵌着する内径に設定されている。
【0020】
そして、このように形成された巻取り装置17を、手動式の巻取り装置用のブラケット2aに取付ける場合では、前述したように、予めブラケット2aに電動開閉機16および従動側スプロケット19付きの連結部材18を取付け、巻取り装置17の一端側の固定軸21aを、連結部材支軸部18dに嵌着せしめるとともに、ホイール係合孔22bに従動側スプロケット係合突片19bを係合嵌着せしめる。一方、固定軸21の他方側の突出端部を他方側のブラケット2aの固定軸支持部2bに係合せしめそれぞれの螺子孔21b、2cを連通せしめボルトBによる締結により固定する。これによって、巻取り装置17一端側と連結部材18との連動連結、巻取り装置17他端側とブラケット2aとの連結がなされ、手動式から電動式への変更ができるように構成されている。そして、この場合でも、手動式用のブラケット2aをそのまま用い、このものに連結部材18を取付け、該連結部材18に対して巻取り装置17を嵌め込む作業を行うことで手動式から電動式に交換することができ、高所作業を少なくなしえて、しかも、作業性よく取換え作業を行うことができる。
さらに、本実施の形態においても、連結部材18に軸部18cが設けら固定軸支持部2bに係止されているため、連結部材18が受ける荷重を、ブラケット2aの支持片部18b固定部の他、固定軸支持部2bにおいても受けることになって、ブラケット2aの強度を相対的に高めることができる。
【0021】
さらにこのように構成したものでは、連結部材軸部18cと同芯状に形成された支軸部18dが巻取り装置17側に突設されており、該支軸部18dに一端側の固定軸21cが嵌着する構成となっているので、連結部材18と巻取り装置17との連結が該支軸部18dにおける嵌着による連結と、スプロケット19における係合とになって、より確実でかつ堅固なものになる。
しかも、このものにおいて、スプロケット19とドラム23との連結は、スプロケット19に形成された係合突起19bを、ドラム23と一体の一端側のホイール22aに開設した係合孔22bに嵌着することで成されるので、巻取り装置17と連結部材18とは、嵌め込むだけの簡単な操作で連結することができて、さらなる作業性の向上が計れる。
【0022】
さらに、ガイドレールをシャッターカーテンのカーテン幅に対応するものに変更した例として、図10の第三の実施の形態のようにすることができる。このものは、予め取付けられているガイドレール24に下地枠部24aが一体的に形成されたものになっており、この場合でも、ガイドレール24のガイド溝24bに平面視コ字形状の長尺体14を固定し、該長尺体14の開口側に位置する底片部14aに、新規に設置されるシャッターカーテン1のカーテン幅に対応する新規ガイドレール15の底片15aを螺子15bを用いて固定することにより、カーテン幅に対応したガイドレール24とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】シャッターカーテンの概略正面図である。
【図2】巻取り装置の正面図である。
【図3】図3(A)、(B)はそれぞれ図2(A)のX−X断面図、ガイドレール部の断面図である。
【図4】巻取り装置のブラケットへの支持状態を説明する分解斜視図である。
【図5】図5(A)、(B)、(C)、(D)はそれぞれ主連結部材の正面図、側面図、背面図、図5(B)のX−X断面図である。
【図6】図6(A)、(B)はそれぞれ副連結部材の背面図、側面図である。
【図7】第二の実施の形態における巻取り装置のブラケットへの支持状態を説明する分解斜視図である。
【図8】図8(A)、(B)はそれぞれ第二の実施の形態の巻取り装置の正面図、図8(A)のX−X断面図である。
【図9】図9(A)、(B)、(C)はそれぞれ第二の実施の形態の連結部材の側面図、正面図、底面図である。
【図10】第三の実施の形態のガイドレール部の構成を説明する断面図である。
【図11】図11(A)、(B)はそれぞれ手動式の巻取り装置の正面図、電動式の巻取り装置の正面図である。
【符号の説明】
1 シャッターカーテン
2 シャッターケース
2a ブラケット
2b 固定軸支持部
3 巻取り装置
5 電動開閉機
5a ケーシング
8 ドラム
9 主連結部材
9a 取付け片部
9c 軸部
10 副連結部材
10b 折返し係止片部
11 リミットスイッチ
12 スイッチ操作具
Claims (8)
- ドラムと該ドラムを回動自在に軸承する固定軸とを備えた手動式の巻取り装置の前記固定軸を係止固定するための固定軸支持部が形成された既設の手動式巻取り装置用のブラケットに、ドラムの一端部に電動開閉機が相対回動自在に内装された電動式巻取り装置を支持して電動式の開閉装置にするにあたって用いられる取付け具であって、前記固定軸支持部の内方側に位置してブラケット面と平行となる取付け片部を有していて前記ブラケットに固定される主連結部材と、ドラムから突出する電動開閉機の一端部が固定手段を介して固定されていて前記主連結部材の取付け片部に固定される副連結部材とからなる建築用開閉装置における電動式巻取り装置の取付け具。
- 請求項1において、取付け片部には、ブラケットの固定軸支持部に係止固定される軸部が一体的に設けられている建築用開閉装置における電動式巻取り装置の取付け具。
- 請求項1または2において、副連結部材には、主連結部材に仮保持するための係止片が形成されている建築用開閉装置における電動式巻取り装置の取付け具。
- ドラムと該ドラムを回動自在に軸承する固定軸とを備えた手動式の巻取り装置の前記固定軸を係止固定するための固定軸支持部が形成された既設の手動式巻取り装置用のブラケットに、ドラムの一端部に電動開閉機が相対回動自在に内装された電動式巻取り装置を支持して電動式の開閉装置にするにあたり、固定軸支持部の内方側に位置してブラケット面と平行となる取付け片部を有した主連結部材を前記ブラケットに固定する工程と、前記ドラムから突出する電動開閉機の一端部が固定手段を介して固定された副連結部材を前記主連結部材の取付け片部に固定する工程とを有している建築用開閉装置における電動式巻取り装置の取付け方法。
- ドラムと該ドラムを回動自在に軸承する固定軸とを備えた手動式の巻取り装置の前記固定軸を係止固定するための固定軸支持部が形成された既設の手動式巻取り装置用のブラケットに、電動開閉機の駆動に基づいて回動するドラムを有した電動式巻取り装置を支持して電動式の開閉装置にするにあたって用いられる取付け具であって、前記固定軸支持部の内方側に位置してブラケット面と平行な取付け片部を有していて前記ブラケットに固定される連結部材と、電動開閉機と共に取付け片部に設けられ、かつ該電動開閉機の出力軸に連動されるスプロケットと、ドラムの一端面とスプロケットとのあいだに回り止め状に係合する係合手段とからなる建築用開閉装置における電動式巻取り装置の取付け具。
- 請求項5において、取付け片部には、ブラケットの固定軸支持部に係止固定される軸部がスプロケットと同芯状に設けられている建築用開閉装置における電動式巻取り装置の取付け具。
- 請求項6において、取付け片部には、軸部と同芯状の支軸がドラム側に突設され、該支軸に、ドラムを軸承する固定軸が嵌着するように構成されている建築用開閉装置における電動式巻取り装置の取付け具。
- ドラムと該ドラムを回動自在に軸承する固定軸とを備えた手動式の巻取り装置の前記固定軸を係止固定するための固定軸支持部が形成された既設の手動式巻取り装置用のブラケットに、電動開閉機の駆動に基づいて回動するドラムを有した電動式巻取り装置を支持して電動式の開閉装置にするにあたり、前記固定軸支持部の内方側に位置してブラケット面と平行な取付け片部を有していて前記ブラケットに固定される連結部材を設ける工程と、電動式の巻取り装置を、電動開閉機と共に取付け片部に設けられ、かつ該電動開閉機の出力軸に連動されるスプロケットと係合させる工程とを有している建築用開閉装置における電動式巻取り装置の取付け方法。
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