JP4088621B2 - めっき装置 - Google Patents
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Description
電子部品10は、金属製部材から成るベース11に貫通孔12,12が形成され、これら貫通孔12,12に、リード14,14が挿通されてガラス封着されている。また、金属製部材の一面側にはアースリード15が当接して接合されている。
そして、このような電子部品には、防錆等のためにめっき皮膜を形成する必要がある。
めっき治具20は、複数個の電子部品10のリード14を収納する貫通孔17が形成されたガイド板16と、ガイド板16の下方に設けられた導電性不織布19と、導電性不織布19の下方に設けられた負電極21および負電極板22とを具備している。また、負電極板22内の電子部品10に対応する各位置には、電子部品10のリード14を確実に導電性不織布19に当接させるために、リード14を引きつけるマグネット23が設けられている。
このようなめっき治具20は、正電極を有するめっき液中に浸漬され、導電性不織布19を介して負電極21に当接している電子部品10にめっきが施される(例えば特許文献1参照)。
しかし、このめっき治具20では導電性不織布19や電子部品10を保持する機構部分ごとめっき液中に浸漬することとなるので、めっき液中に導電性不織布19あるいは機構部分に付着していた異物が分離して混入してしまい、製品に異物が付着するおそれがあるという課題がある。
また、電子部品10を保持する機構部分がめっき液中に浸漬されると、機構部分が腐食してしまうおそれもある。そこで、機構部分がめっき液中に浸漬しないように、めっき治具20全体を上下ひっくり返して電子部品10および導電性不織布19だけをめっき液中に浸漬することも考えられる。しかし、かかる場合には、電子部品10のベース11が邪魔になって、ベース11の上面(めっき液中では下面になっている)のエアが抜けにくく、めっき未着等のおそれがあるという課題もある。
すなわち、一側壁部が開口された処理槽を有する処理ユニットと、保持面に複数の被めっき物が着脱可能に保持される、被めっき物保持ユニットと、めっき液タンクと、該めっき液タンクからめっき液を前記処理槽内に供給するポンプと、前記処理槽内に送り込まれるめっき液を濾過するフィルタと、 前記処理槽内のめっき液を前記めっき液タンクに戻す排出管と、該排出管に介装されたバルブとを具備し、前記保持面に複数の被めっき物が保持された前記被めっき物保持ユニットを、保持面に保持された被めっき物が処理槽内に臨むようにして前記処理槽の開口された部分を覆って装着することにより、前記被めっき物保持ユニットと前記処理ユニットとで密閉されためっき処理槽が形成され、前記被めっき物は、ベースと、該ベースから突出するリードとを有する電子部品であり、前記被めっき物保持ユニットは、前記複数の被めっき物を着脱する際には、被めっき物を保持する保持面が上方を向くように位置し、保持した複数の被めっき物を前記処理槽内に臨ませる際には、前記保持面が側方を向いて前記処理槽の開口された部分と対峙するように被めっき物保持ユニット全体を回動させる回動手段と、前記ベースが上方に位置するように、リードを収納する貫通孔が形成されたガイド板と、該ガイド板の下方に設けられ、リードの先端部が当接する金属製のメッシュ状陰極と、該メッシュ状陰極の下方に設けられ、該メッシュ状陰極を挟んで各被めっき物のリードの先端部を吸着し、各被めっき物を当該被めっき物保持ユニットに固定する複数のマグネットと、該複数のマグネットを保持するマグネットホルダと、前記複数の被めっき物を当該被めっき物保持ユニットに固定する際には、前記マグネットホルダを前記メッシュ状陰極方向に移動させ、前記複数の被めっき物を当該被めっき物保持ユニットから着脱する際には、前記マグネットホルダを前記メッシュ状陰極から離間させるように動作するマグネット接離動手段とを設けていることを特徴としている。
この構成を採用することにより、処理槽の側面から被めっき物を進入させて浸漬させることになるので、機構部分全体をめっき液中に浸漬させなくともよく機構部分の腐食防止を図れる。また、めっき終了後は一旦めっき液をめっき液タンクに戻し、新たな被めっき物にめっきを施す場合には、フィルタを通して異物を濾過しためっき液を処理槽内に導入してめっきを施すので、異物が被めっき物に付着するのを防止でき、不良率の低減を図ることができる。さらに、被めっき物に対するエア抜きも確実であり、めっき未着を防止できる。また、保持面が上方を向いている状態で被めっき物を着脱できるので、被めっき物の被めっき物保持ユニットへの着脱が容易となる。さらに、予めガイド板に電子部品である被めっき物を載置しておき、ガイド板ごと被めっき物保持ユニットへ着脱する場合、被めっき物のマグネットによる保持が容易且つ確実なものとなる。
この構成によれば、ガイド板が電子部品のベースに近づきすぎて、ベースのガイド板側がめっき未着になってしまう不具合を防止することができる。
なお、特許請求の範囲でいうリードとは、実施例におけるリードおよびアースリードを含めた概念である。
この構成によれば、目詰まり等がないメッシュ状陰極を用いることができるので、リードの陰極への接触が確実になると共に、メッシュ状陰極からの異物の分離を防止し、めっき不良率の低減にさらに寄与する。
この構成によれば、被めっき物保持ユニットが回動して上面に位置していた被めっき物を側面に位置するようにして、処理槽の開口された部分から処理槽内に進入させる際にメッシュ状陰極の破損等を防止し、また被めっき物保持ユニットの回動をスムーズに行なわせることができる。
図1および図2はめっき装置全体の概略構成を説明する説明図である。
まず、めっき装置30全体の概略構成について説明する。
めっき装置30は、被めっき物(図1,図2では図示せず)が保持されている被めっき物保持ユニット32と、処理槽31が形成されている処理ユニット34とを具備している。
処理槽31の一方側の側壁部には開口部35が形成されている。また処理槽31内には陽極36が配置されている。
また、処理槽31には、処理槽31からめっき後のめっき液をめっき液タンク38に排出するための排出管41が接続されている。排出管41の中途部にはめっき液の排出を制御するための排出バルブ42が設けられている。
被めっき物保持ユニット32は、図1に示す場合には、被めっき物を保持する保持面32aが上方を向いている。作業者は、この状態で被めっき物を被めっき物保持ユニット32に装着させる(ステップS100)。
被めっき物保持ユニット32の回動手段(図1〜図3では図示せず)は、保持面32a
が側方を向くように、紙面に対して垂直方向を軸線として被めっき物保持ユニット32全体を90度回転させる(ステップS102)。
被めっき物保持ユニット32が処理槽31の開口部35に装着されると、処理槽31の開口部35の外方側端面に設けられたシール部材37と、被めっき物保持ユニット32の保持面32a側の処理槽当接面33とが密着して処理槽31を密閉してめっき処理槽が形成される。
そして、回動手段が、保持面32aが上方を向くように、紙面に対して垂直方向を軸線として被めっき物保持ユニット32全体を90度回転させる(ステップS114)。
保持面32aが上方に向いた後、被めっき物保持ユニット32からめっき済みの被めっき物が取り外される(ステップS116)。
これで、1回のめっき工程が終了する。さらに他の被めっき物をめっきする場合には、
ステップS100に戻り、未めっきの被めっき物を被めっき物保持ユニット32に装着する。
まず、処理ユニット34について、図4,図5に基づいて説明する。
処理槽31内にめっき液を導入する導入管39は、処理ユニット34に設けられた処理槽31の下部側面に接続されている。導入管39は処理槽31内に配設された複数の孔が形成されたパイプ46に接続されており、パイプ46からめっき液が処理槽31内に導入される。
なお、処理槽31からめっき液を排出する排出管41は2本設けられており、それぞれ処理槽31の下面に接続されている。
さらに、処理槽31からめっき液がオーバーフローしてしまった場合、オーバーフローしためっき液をめっき液タンク38に戻すためのオーバーフロー配管48が、処理槽31の下面に接続されている。
なお、本実施形態における被めっき物10は、従来の技術で説明したものと同様に、レーザダイオード等の端子として用いられる電子部品であり、金属製部材から成るベース11に貫通孔12,12が形成され、これら貫通孔12,12に、リード14,14が挿通されてガラス封着されている。また、金属製部材の一面側にはアースリード15が当接して接合されて構成されているものであるとする。
ただし、メッシュ状陰極52は、通常張りつめた状態にしておいて、被めっき物保持ユニット32の回動時にのみ弛ませるようにしてもよい。
シリンダ66が作動すると、マグネットホルダ64は、ガイドロッド67にガイドされて下ベース部材60に対して上下動する。このように、シリンダ66によってマグネットホルダ64がメッシュ状陰極52に対して接離動する。
また、押え用部材72は、爪部74がガイド板50の側面方向から上面に進入および退出するように移動可能である。具体的には、2本の押え用部材72,72のうちの一方の下部にシリンダ76が取り付けられ、他方の下部にシリンダ76のロッド77の先端部が取り付けられている。このような構成を有しているので、シリンダ76が作動することにより、下ベース部材60に対して両押え用部材72,72が互いに接離動する方向に移動可能となっている。
なお、図7においては、押え用部材72,72が互いに外方に移動して爪部74がガイド板50の押えを解除したところを2点鎖線で示している。
押圧部82は、ガイド板50の短辺に沿って設けられている取り付け板85の両端に設けられており、取り付け板85はシリンダ84のロッド86の先端が固定されてロッド86の動作に合わせて上下に移動可能な連結部材87の上端部に取り付けられている。
このような構成の移動手段80を設けたことにより、シリンダ84の動作によって下ベース部材60に対して押圧部82が上下方向に移動する。
駆動手段が、回動シャフト88を軸線方向を中心に所定角度だけ回動させるように駆動すると、回動シャフト88が被めっき物保持ユニット32を所定角度だけ回動させる。ガイドシャフト89は、被めっき物保持ユニット32の回動シャフト88の反対側を支承する。
この構成であれば、回動シャフトが被めっき物保持ユニット32の反対側も支承することとなり、回動シャフトおよびガイドシャフトを設ける形態よりも部品点数の削減ができる。
31 処理槽
32 被めっき物保持ユニット
32a 保持面
33 処理槽当接面
34 処理ユニット
35 開口部
36 陽極
37 シール部材
38 めっき液タンク
39 導入管
40 フィルタポンプ
41 排出管
42 排出バルブ
46 パイプ
47,49 フロートセンサ
48 オーバーフロー配管
50 ガイド板
51 貫通孔
52 メッシュ状陰極
54 供給ローラ
55 巻取ローラ
56 上ベース部材
58 柱状部材
60 下ベース部材
62 マグネット
64 マグネットホルダ
66,76,84 シリンダ
67 ガイドロッド
69,77,86 ロッド
70 軸受
72 押え用部材
74 爪部
80 移動手段
82 押圧部
85 取り付け板
87 連結部材
88 回動シャフト
89 ガイドシャフト
Claims (4)
- 一側壁部が開口された処理槽を有する処理ユニットと、
保持面に複数の被めっき物が着脱可能に保持される、被めっき物保持ユニットと、
めっき液タンクと、
該めっき液タンクからめっき液を前記処理槽内に供給するポンプと、
前記処理槽内に送り込まれるめっき液を濾過するフィルタと、
前記処理槽内のめっき液を前記めっき液タンクに戻す排出管と、
該排出管に介装されたバルブとを具備し、
前記保持面に複数の被めっき物が保持された前記被めっき物保持ユニットを、保持面に保持された被めっき物が処理槽内に臨むようにして前記処理槽の開口された部分を覆って装着することにより、前記被めっき物保持ユニットと前記処理ユニットとで密閉されためっき処理槽が形成され、
前記被めっき物は、ベースと、該ベースから突出するリードとを有する電子部品であり、
前記被めっき物保持ユニットは、
前記複数の被めっき物を着脱する際には、被めっき物を保持する保持面が上方を向くように位置し、保持した複数の被めっき物を前記処理槽内に臨ませる際には、前記保持面が側方を向いて前記処理槽の開口された部分と対峙するように被めっき物保持ユニット全体を回動させる回動手段と、
前記ベースが上方に位置するように、リードを収納する貫通孔が形成されたガイド板と、
該ガイド板の下方に設けられ、リードの先端部が当接する金属製のメッシュ状陰極と、
該メッシュ状陰極の下方に設けられ、該メッシュ状陰極を挟んで各被めっき物のリードの先端部を吸着し、各被めっき物を当該被めっき物保持ユニットに固定する複数のマグネットと、
該複数のマグネットを保持するマグネットホルダと、
前記複数の被めっき物を当該被めっき物保持ユニットに固定する際には、前記マグネットホルダを前記メッシュ状陰極方向に移動させ、前記複数の被めっき物を当該被めっき物保持ユニットから着脱する際には、前記マグネットホルダを前記メッシュ状陰極から離間させるように動作するマグネット接離動手段とを設けていることを特徴とするめっき装置。 - 前記被めっき物保持ユニットは、
前記ガイド板が前記被めっき物のリードの中途部に位置するように、ガイド板をリードの軸線方向に移動させる移動手段を設けていることを特徴とする請求項1記載のめっき装置。 - 前記メッシュ状陰極は長尺状に形成されており、
前記被めっき物をめっきする際には新たなメッシュ状陰極を用いることができるように、前記被めっき物保持ユニットにメッシュ状陰極を供給する供給手段が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2記載のめっき装置。 - 前記供給手段は、
少なくとも前記被めっき物保持ユニットを前記回動手段が回動させる際には、前記供給手段と前記被めっき物保持ユニットとの間のメッシュ状陰極を弛ませることを特徴とする請求項3記載のめっき装置。
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