JP4793380B2 - めっき装置 - Google Patents

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Description

本発明は、たとえばチップ部品の端子電極などを形成するためのめっき装置に関する。
従来のバレルめっき方法においては、被めっき物が小さくなればなるほど、めっきが不完全に施される被めっき物が増加する傾向にある。また、ドラムの内壁には、被めっき物を効果的に攪拌するための凹凸が設けられる場合があり、被めっき物が、この凹凸に入り込んでしまう場合もある。また、回転するドラムの内壁によって被めっき物が掻き上げられるため、被めっき物に必要以上の外力が加わる場合も想定される。
そこで、被めっき物に発生する不具合を効果的に低減できるめっき装置として、下記の特許文献1に示すめっき装置が提案されている。この装置では、ポッドなどの筒体の内部にカソード電極の頭部を配置し、ポッドの内部に被めっき物と共に収容されるメディアを通して被めっき物に電流を流しめっき処理を行う。このめっき装置によれば、ポッド内に配された被めっき物周辺に気泡が残留することはなくなり、それが原因となる不完全めっきなどの不具合を解消できる。
しかしながら、このめっき装置では、ポッドの内部に突出しているカソード電極の頭部の表面に、メディアが接触しない領域表面が形成され、その電極表面にめっきが析出して成長することがある。特に、カソード電極の頭部において、メッシュとの接触部分では、電極角部となり、その部分でめっき用電流が集中し、めっき析出部分が生じやすかった。また、その部分には、メディアが接触することができず、めっき析出部分が成長し続けるおそれがあった。
その電極表面に形成されためっき析出部分に、チップ部品などの被めっき物が付着するおそれがある。そのチップ部品がめっき析出部分から剥がれると、めっき膜が形成されない不良品となる。
また、そのめっき析出部分がカソード電極から剥がれると、ポッド内を浮遊し、被めっき物やメディアに付着する。このためめっき不良を引き起こすことがある。さらに、カソード電極に形成されためっき析出部分が成長すると、カソード電極付近に位置するメッシュの孔を塞ぎ、ポッド内部へのめっき液の流通が困難になる。その結果として、めっきの効率が低下する。そこで、カソード電極に形成されためっき析出部分を取り除くために、頻繁にカソード電極を掃除するなどのメンテナンスが必要となる。
特開2007−56359号公報
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、不良品の発生が少なく、しかも頻繁にメンテナンスを行う必要がないめっき装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明に係るめっき装置は、
めっき液が貯留してあるめっき槽と、
前記めっき槽の内部に配置されるアノード電極と、
前記アノード電極に対して前記めっき液を介して導通可能なカソード電極と、
前記めっき槽の内部に配置され、内部に被めっき物およびメディアが着脱自在に収容される筒体と、を有するめっき装置であって、
前記筒体は、前記めっき液を筒体内部に流通させるためのメッシュを有し、
前記メッシュには、前記カソード電極の頭部が、前記筒体の内側に位置するように取り付けられ、
前記カソード電極の頭部は、全体として、前記筒体の内部に向けて凸の曲面を有し、
前記カソード電極の頭部には、
前記メディアまたは被めっき物が接触して電気的導通可能な可能な電気接続部分と、
前記電気接続部分と前記メッシュとの間に形成され電気的導通が生じない絶縁部分と、が形成されている。
本発明に係るめっき装置では、メッシュの表面から筒体の内部に露出しているカソード電極の頭部には、電気接続部分とメッシュとの間に形成されて被めっき物が接触しても電気的導通が生じない絶縁部分が形成してある。そのため、その絶縁部分には、めっきが析出することはなく、めっき析出部分は形成されない。その結果、チップ部品がめっき析出部分から剥がれて、めっき膜が形成されない不良品となることはない。また、めっき析出部分がカソード電極から剥がれて、筒体内を浮遊してめっき不良を生じさせることもない。
さらに、カソード電極の絶縁部分では、めっき析出部分が成長してカソード電極付近に位置するメッシュの孔を塞ぐこともない。そのため、頻繁にカソード電極やメッシュなどを掃除する必要が無くなり、メンテナンスが容易になる。
好ましくは、前記筒体の内部で前記メディアが前記メッシュの表面に接触した状態で、当該メディアが前記カソード電極の頭部と接触する接触点のメッシュ表面からの高さに比較して、前記メッシュ表面からの前記絶縁部分の高さは同等以上である。カソード電極の表面にめっき析出部が形成されやすい部分は、カソード電極の頭部において、メディアとの接触点からメッシュ表面までの間である。その部分を絶縁部分にすることで、その部分では、めっきが析出して成長することが無くなる。
好ましくは、前記絶縁部分は、前記カソード電極の頭部に着脱自在に一体化される絶縁性のリング部材で構成してある。被めっき物と共に筒体の内部に収容されるメディアの外径は、被めっき物の大きさなどに応じて変更される。メディアの外径が変化すれば、カソード電極の頭部において、メディアとの接触点からメッシュ表面までの高さも変化する。そのため、それに合わせて、絶縁部分の高さも調整することが好ましい。絶縁部分をリング部材で構成することにより、リング部材を交換することで、絶縁部分の高さも容易に調整することができる。
好ましくは、前記リング部材の外周面は、前記電気接続部分の外周面に対して滑らかに繋がっている。その場合には、めっき液がカソード電極の頭部に沿って滑らかに流れ、被めっき物が滞留することが無い。
もし、滑らかに繋がっていない場合には、リング部材と電気接続部分との接続部分に凸状段差または凹状段差が生じる。凸状段差の場合には、凸状段差の上に被めっき物が滞留し、その状態でめっき析出物が成長し、その中に複数の被めっき物が取り込まれるおそれがあり好ましくない。また、凹状段差の場合には、凹状段差の中に被めっき物が入り込み停滞し、その部分でめっき析出物が成長し、その中に複数の被めっき物が取り込まれるおそれがあり好ましくない。
好ましくは、前記電気接続部分では、前記カソード電極自体が露出している。カソード電極自体を露出させることで、電気接続部分の面積を可能な限り大きくすることができ、めっきのための通電効率を向上させることができる。
なお、絶縁部分は、前記カソード電極の表面を絶縁膜で覆うことでも形成することができる。
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
図1は本発明の一実施形態に係るめっき装置の全体概略図、
図2は図1に示すポッドの分解斜視図、
図3(A)〜図3(C)は図2に示すポッドの縦断面図、横断面図および要部縦断面図、
図4は図2に示すポッドにおける下部取付リングの斜視図、
図5はカソード電極の頭部を示す要部断面図、
図6〜図11は図1に示すめっき装置の動きを示す概略図、
図12および図13はそれぞれ本発明の別の実施形態に係るめっき装置におけるカソード電極の頭部を示す要部断面図、
図14〜図16は本発明の比較例に係るめっき装置におけるカソード電極の頭部を示す要部断面図である。
めっき装置
図1に示すように、本発明の一実施形態に係るめっき装置2は、めっき槽4を有する。めっき槽4の内部には、仕切り壁4aが形成してあり、めっき槽4の内部を、めっき液6が貯留される槽本体4bと、槽本体4bから溢れためっき液6を外部に流出させるオーバーフロー流路4cとに区分けしてある。槽本体4bの底部には、めっき液供給口4dが形成してあり、そこから槽本体4bの内部にめっき液が供給されて槽本体4bの内部がめっき処理に必要なイオン濃度に保たれる。
槽本体4bの内部には、シリンジ8の下端部が上下方向に移動自在に配置される。シリンジ8を上下方向に移動させるには、シリンジ保持部材10をアクチュエータなどで上下方向に駆動すればよい。シリンジ8の下端部内部には、収容空間8aが形成してある。その収容空間8aの下端は槽本体4bの内部に対して開口している。
シリンジ8の上内部には、その長手方向に沿って供給通路8bが形成してある。供給通路8bは、収容空間8aに連絡してあるが、収容空間8aよりも流路断面積が小さい。収容空間8aと供給通路8bとの境界部には、テーパ部8cが形成してあり、流路断面を、収容空間8aから供給通路8bに向けて徐々に狭くしてある。めっき液のスムーズな流れを実現するためである。
供給通路8bには、供給パイプ8dが接続してあり、供給パイプ8dには、バルブ12およびポンプ14が装着してあり、図示省略してある供給タンクから供給通路8bへ向けてめっき液を供給可能になっている。バルブ12は、たとえば制御信号により制御されるコントロールバルブであり、供給通路8bと供給タンクとの連絡を確保および遮断可能になっている。
なお、ポンプ14の種類によっては、バルブを兼ねることも可能であり、バルブ12は必ずしも無くても良い。すなわち、ポンプ14を駆動するときには、供給通路8bへ向けて供給タンクからめっき液を供給し、ポンプ14の駆動を停止すれば、自動的に、供給通路8bと供給タンクとの連絡を遮断するようになっていても良い。
収容空間8aには、ポッド(筒体)20が、収容空間8aの長手方向に沿って相対移動自在に配置してある。ポッド20は、図2に示すように、円筒状の本体22と、この本体22における軸方向の両端開口部に装着されるメッシュ23,24と、各メッシュ23,24を本体22に着脱自在に取り付ける取付リング25,26と、を有する。これらの本体20、メッシュ23,24および取付リング25,26は、少なくとも外表面が絶縁性部材で構成してあることが好ましい。
本体22の下端開口部に取り付けられるメッシュ24の中央部には、カソード電極30が取り付けられ、その頭部30aは、メッシュ24に対して、本体22の内側に位置するようになっている。カソード電極30は、導電性部材で構成してあり、その頭部30aは、導電性部材の表面が露出している。メッシュ24の外側(本体22の外部)では、カソード電極30の外周を絶縁性の保持筒34が覆っている。
保持筒34は、図3(A)〜図3(C)および図4に示すように、取付リング26における内側開口部26aの円周方向略等間隔に配置してある複数(図では4つ)の棒状連結部材27により取付リング26に一体化してある。取付リング26における内側開口部26aには、メッシュ24が張り巡らされ、取付リング25における内側開口部25aには、メッシュ23が張り巡らされる。そのため、図1に示すように、ポッド20の内部は、その上下に取り付けられたメッシュ23および24を通して、めっき液6の流通が可能になっている。
メッシュ23,24の目の粗さは、ポッド20の内部に取り出し自在に収容されるワーク50をポッド20の外部に漏出させず、しかもめっき液の流通がスムーズに行えるように決定される。なお、ポッド20の内部には、被めっき物としてのワーク50と共に、ワーク50とカソード電極30との電気的導通を確保するための多数の導電性メディア52が収容してある。
図5に示すように、本実施形態では、カソード電極30の頭部30aは、全体として、ポッド20の内部に向けて凸の曲面を有する。また、この頭部30aは、メディア52またはワーク50が接触して電気的導通可能な可能な電気接続部分である傘部30a1と、傘部30a1とメッシュ24との間に装着されて電気的導通が生じない絶縁部分であるリング部材(カラー部材)30b1とを有する。
リング部材30b1は、たとえば合成樹脂などの絶縁部材で構成される。傘部30a1は、棒状のカソード電極30の頭部に一体的に形成され、カソード電極自体が露出する構成であり、たとえば金属などの導電性部材で構成される。傘部30a1の外周面とリング部材30b1の外周面とは、全体として半球状となるように滑らかに繋がっている。
傘部30a1の外表面の半径R1は、メディア52の半径R2に比較して、好ましくは1〜4倍の大きさである。リング部材30b1のメッシュ24の表面からの高さh1は、メディア52がメッシュ24の表面に接触した状態で、メディア52がカソード電極の頭部30aと接触する接触点52aのメッシュ表面からの高さh2と同等以上である。
図1に示すように、ポッド20における取付リング25および26の外周は、シリンジ8に形成してある収容空間8aの内壁に対して摺動可能になっており、シリンジ8が、ポッド20に対して上下方向に相対移動することが容易になっている。
カソード電極30および保持筒34は、シャフト32の上端に着脱自在に固定される。シャフト32には、昇降手段36と、シャフト32を通してポッド20の内部を振動させるための加振手段38が連結してある。
昇降手段36としては、特に限定されないが、たとえばモータアクチュエータ、流体駆動アクチュエータなどが例示される。加振手段38としては、特に限定されないが、超音波振動印加装置、圧電素子、カム機構付モータアクチュエータなどが例示される。
昇降手段36を駆動することで、シャフト32は、たとえば図6に示すように、ポッド20と共に上下方向に移動可能になっている。なお、図6に示すポッド20の上方位置は、ポッド20の内部へワーク50を収容する位置、あるいは、ポッド20の内部からワーク50を取り出す位置である。
図1に示すように、槽本体4bの内底部には、円盤状のアノード電極40が配置してあり、アノード電極40に形成してある中央開口部40aを貫通して、シャフト32が上下方向に延びている。アノード電極40は、アノード支持部42で槽本体4bの内底部に保持され、導線42aを通して電力供給が可能になっている。
めっき方法
次に、図1に示すめっき装置2を用いる本実施形態のめっき方法について説明する。まず、図1に示す昇降手段36が駆動されて、図6に示すように、シャフト32がポッド20と共に上方に移動させ、ポッド20を、槽本体4bのめっき液6の液面よりも高くする。
シリンジ8は、シリンジ保持部材10により、ポッド20よりもさらに上方に持ち上げられており、ポッド20は、シリンジ8の収容空間8aの下端開口からさらに下方に位置する。その位置で、ポッド20の内部に、ワーク50をメディア52と共に収容する。ポッド20の内部に、ワーク50をメディア52と共に収容するには、たとえば取付リング25およびメッシュ23を、本体22から取り外せばよい。
その後に、取付リング25およびメッシュ23を、本体22に取り付ければ、ポッド20の内部は、ワーク50を収容した状態で、メッシュ23,24を介してポッドの外部と連通する。その後に、図7に示すように、ポッド20がシリンジ8の収容空間8aの内部に収容された状態で、シリンジ8の下端部を、ポッド20と共に下方に移動させ、めっき槽4のめっき液6の内部に完全に浸す。
めっき液6は、シリンジ8の収容空間8aにも入り込む。なお、シリンジ8の下降移動に際しては、バルブ12を開けておくことが好ましい。また、シリンジ8の下降移動に際しては、バルブ12を開け、しかもポンプ14により供給通路8bを通してめっき液6を収容空間8aに向けて流し込みながら下降移動を行っても良い。
その後に、図7に示すバルブ12を閉じて供給通路8bを閉塞し、その状態で、図8に示すように、シリンジ8をポッド20に対して上方向に移動させ、ポッド20の内部に存在していた気泡6aを、シリンジ8の収容空間8aの上部に向けて吸い上げる。
ポッド20の上下端には、メッシュ23,24が装着してあるが、このメッシュ23,24の編み目が細かい場合に、ポッド20の内部に気泡が残りやすい。この方法によれば、ポッド20の内部に存在していた気泡6aを、シリンジ8の収容空間8aの上部に向けて吸い上げることが容易である。その際に、シリンジ8の上方移動による吸い上げ圧力のために、ワーク50は、ポッド20の内部で舞い上がり撹拌される。その時には、めっき液6中に浸されたアノード電極40とカソード電極10との間には、電力は供給せずに、めっき処理は行わない。
次に、図1に示すバルブ12を閉じて、図8に示す状態から図9に示すように、ポッド20に対してシリンジ8を下降移動させ、シリンジ8の収容空間8aにおいて、ポッド20の内部で下方向に向かうめっき液の流れを作る。その時には、めっき液6中に浸されたアノード電極40とカソード電極10との間に、電圧を印加して第1めっき処理を行う。
図9に示すように、ポッド20に対してシリンジ8が最下限位置まで下降移動した後、次に、図1に示すバルブ12を開けてポンプ14を起動し、タンクからめっき液を供給通路8bを通して収容空間8aに流し込む。その状態で、図9に示す位置から図10に示すように、シリンジ8をポッド20に対して上方向に移動させる。また、その際には、カソード電極30とアノード電極40との間に電圧を印加する。
すなわち、シリンジ8の内部に形成してある供給通路8aからめっき液を供給してポッド20の内部で下方向に向かうめっき液6の流れを作りつつ、ワーク50への第2めっき処理を行う。また、同時に、この第2めっき工程では、図1に示す加振手段38を用いて、ポッド20を振動させながらワーク50のめっき処理を行う。
図10に示すように、シリンジ8をポッド20に対して、めっき途中の上限位置まで移動させた場合には、次に、図1に示すバルブ12を閉じて、図10から図11および図9に示すように、前述した第1めっき処理を行い、その後に、上述した第2めっき処理を行う。これらの第1めっき処理と第2めっき処理を所定時間交互に繰り返した後毎に所定のタイミングで、図8に示す気泡除去処理を行っても良い。
本実施形態に係る第2めっき工程では、シリンジ8をポッド20に対して上方向に移動させる際に、シリンジ8の内部に形成してある供給通路8bからポッド20に向けてめっき液を供給する。そのため、ポッド20の内部で下方向に向かうめっき液の流れを作ることが可能になり、シリンジ8をポッド20に対して上方向に移動させる際に発生するワーク50の舞い上がり(図8参照)が抑制され、ワーク50に対するカソード電極30との電気的導通が確保され、めっきが可能になる。
また第2めっき工程では、ポッド20が振動させられているため、ポッド20内部のワーク50も適度に撹拌されながらめっき処理される。したがって、本実施形態の方法では、第1めっき工程のみでなく、第2めっき工程でもめっき処理が成され、めっき処理時間の短縮を図ることができると共に、所定時間では、めっき膜厚を厚く形成することが可能になり、生産効率が向上する。
しかも、第1めっき工程および第2めっき工程の双方において、ポッド20の内部には、下向きのめっき液の流れが形成され、めっき処理に際しては、ワーク50の周囲には、常に新鮮なめっき液が供給される。そのため、めっき処理に必要なイオン濃度がワーク50の周囲において低下することはない。その結果、めっき膜の品質が向上すると共に、めっきの効率も向上する。
特に、第1めっき工程では、シリンジ8をポッド20に対して下降移動させる際に発生するめっき液の下向きの流れが強く、そのめっき液の流れによりポッド20内のワーク50が相互に押し付けられるので、ワーク50間の通電効率が向上する。その点でもめっき効率が向上する。
また、本実施形態のめっき方法では、第1めっき工程の前に、気泡除去工程を行うため、気泡によるめっき物の浮きや、気泡付着部分がめっきされないことなどを効果的に防止することができる。
本実施形態のめっき装置2では、図5に示すように、メッシュ24の表面からポッド8の内部に露出しているカソード電極の頭部30aには、傘部30a1とメッシュ24との間に、電気的導通が生じない絶縁性のリング部材30b1が装着してある。そのため、その絶縁性のリング部材30b1の外周面には、めっきが析出することはなく、めっき析出部分は形成されない。その結果、チップ部品などのワーク50がめっき析出部分に入り込み、その後にそこから剥がれることはなくなり、めっき膜が形成されない不良品となることはない。また、めっき析出部分がカソード電極から剥がれて、ポッド内を浮遊してめっき不良を生じさせることもない。
さらに、リング部材30b1の外周面には、めっき析出部分が成長することが無く、カソード電極付近に位置するメッシュ24の孔を塞ぐこともない。そのため、頻繁にカソード電極30やメッシュ24などを掃除する必要が無くなり、メンテナンスが容易になる。
もし仮に、図14に示すように、カソード電極30の頭部30aを、カソード電極30に一体化されている傘部30a2のみで構成した場合には、メディア52との接触点52aからメッシュ24の表面にかけて、めっきが析出して成長し、めっき析出部分54が形成される。その理由としては、メディア52が接触しないためと考えられる。そのめっき析出部分54には、チップ部品などのワーク50が入り込むおそれがあり好ましくない。また、そのめっき析出部分54はメッシュ24の孔を塞ぐおそれもあり好ましくない。
また本実施形態では、図5に示すように、リング部材30b1は、カソード電極30の頭部に形成してある傘部30a1に着脱自在に一体化される。ワーク50と共にポッド20の内部に収容されるメディア52の外径は、ワーク50の大きさなどに応じて変更される。メディア52の外径が変化すれば、カソード電極の頭部30aにおいて、メディア52との接触点からメッシュ表面までの高さh2も変化する。そのため、それに合わせて、リング部材30b1の高さく1も調整することが好ましい。本実施形態では、リング部材30b1を交換することで、絶縁部分の高さh1も容易に調整することができる。
また、リング部材30b1の外周面は、傘部30a1の外周面に対して滑らかに繋がっているので、めっき液がカソード電極の頭部30aに沿って滑らかに流れ、被めっき物が滞留することが無い。
もし、滑らかに繋がっていない場合には、次に示すような不都合を生じる。すなわち、図15に示すように、導電性の傘部30a1に比較して、リング部材30b4の外径が大きすぎると、リング部材30b4と傘部30a1との接続部分に、凸状段差が生じ、その凸状段差の上にワーク50が滞留し、その状態でめっき析出物54が成長し、その中に複数のワーク50が取り込まれるおそれがあり好ましくない。
また、図16に示すように、導電性の傘部30a1に比較して、リング部材30b5の外径が小さすぎると、リング部材30b5と傘部30a1との接続部分に、凹状段差が生じ、その凹状段差の中にワーク50が入り込み停滞し、その部分でめっき析出物54が成長し、その中に複数のワーク50が取り込まれるおそれがあり好ましくない。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
たとえば、図12に示すように、リング部材30b2の外周面を、メッシュ24に向けて直線状、あるいは多少凹形状に広がるような形状であっても良い。あるいは、図13に示すように、カソード電極30の頭部30aを、カソード電極30に一体化されている傘部30a2のみで構成し、図5に示すリング部材30b1に対応する高さh1の範囲で、導電性の傘部30a2を絶縁膜30b3で覆うように構成しても良い。これらの実施形態でも、上述した実施形態と同様な作用効果を奏する。
図1は本発明の一実施形態に係るめっき装置の全体概略図である。 図2は図1に示すポッドの分解斜視図である。 図3(A)〜図3(C)は図2に示すポッドの縦断面図、横断面図および要部縦断面図である。 図4は図2に示すポッドにおける下部取付リングの斜視図である。 図5はカソード電極の頭部を示す要部断面図である。 図6は図1に示すめっき装置の動きを示す概略図である。 図7は図6の続きの動きを示す概略図である。 図8は図7の続きの動きを示す概略図である。 図9は図8の続きの動きを示す概略図である。 図10は図8の続きの動きを示す概略図である。 図11は図10の続きの動きを示す概略図である。 図12は本発明の別の実施形態に係るめっき装置におけるカソード電極の頭部を示す要部断面図である。 図13は本発明の別の実施形態に係るめっき装置におけるカソード電極の頭部を示す要部断面図である。 図14は本発明の比較例に係るめっき装置におけるカソード電極の頭部を示す要部断面図である。 図15は本発明の比較例に係るめっき装置におけるカソード電極の頭部を示す要部断面図である。 図16は本発明の比較例に係るめっき装置におけるカソード電極の頭部を示す要部断面図である。
符号の説明
2… めっき装置
4… めっき槽
6… めっき液
8… シリンジ
8a… 収容空間
8b… 供給通路
12… バルブ
14… ポンプ
20… ポッド
30… カソード電極
30a… 頭部
30a1,30a2… 傘部(電気接続部分)
30b1,30b2… リング部材(絶縁部分)
30b3… 絶縁膜(絶縁部分)
40… アノード電極
50… ワーク(被めっき物)
52… メディア
54… めっき析出部分

Claims (7)

  1. めっき液が貯留してあるめっき槽と、
    前記めっき槽の内部に配置されるアノード電極と、
    前記アノード電極に対して前記めっき液を介して導通可能なカソード電極と、
    前記めっき槽の内部に配置され、内部に被めっき物およびメディアが着脱自在に収容される筒体と、
    前記筒体の内部に収容される前記メディアと、を有するめっき装置であって、
    前記筒体は、円筒状の本体と、前記本体における軸方向の両端開口部に装着されて前記めっき液を筒体内部に流通させるための一対のメッシュとを有し、
    前記本体の下端開口部に取り付けられる前記メッシュには、前記カソード電極の頭部が、前記筒体の内側に位置するように取り付けられ、
    前記カソード電極の頭部は、全体として、前記筒体の内部に向けて凸の曲面を有し、
    前記カソード電極の頭部には、
    前記メディアまたは被めっき物が接触して電気的導通可能な電気接続部分と、
    前記電気接続部分と前記メッシュとの間に形成され電気的導通が生じない絶縁部分と、が形成され
    前記筒体の内部で前記メディアが前記メッシュの表面に接触した状態で、当該メディアが前記カソード電極の頭部と接触する接触点のメッシュ表面からの高さに比較して、
    前記メッシュ表面からの前記絶縁部分の高さは同等以上である
    ことを特徴とするめっき装置。
  2. 前記絶縁部分は、前記カソード電極の頭部に着脱自在に一体化される絶縁性のリング部材で構成してある請求項1に記載のめっき装置。
  3. 前記リング部材の外周面は、前記電気接続部分の外周面に対して滑らかに繋がっている請求項2に記載のめっき装置。
  4. 前記電気接続部分では、前記カソード電極自体が露出している請求項1〜3のいずれかに記載のめっき装置。
  5. 前記絶縁部分では、前記カソード電極の表面に絶縁膜が形成してある請求項1に記載のめっき装置。
  6. めっき液が貯留してあるめっき槽と、
    前記めっき槽の内部に配置されるアノード電極と、
    前記アノード電極に対して前記めっき液を介して導通可能なカソード電極と、
    前記めっき槽の内部に配置され、内部に被めっき物およびメディアが着脱自在に収容される筒体と、を有するめっき装置であって、
    前記筒体は、円筒状の本体と、前記本体における軸方向の両端開口部に装着されて前記めっき液を筒体内部に流通させるための一対のメッシュとを有し、
    前記本体の下端開口部に取り付けられる前記メッシュには、前記カソード電極の頭部が、前記筒体の内側に位置するように取り付けられ、
    前記カソード電極の頭部は、全体として、前記筒体の内部に向けて凸の曲面を有し、
    前記カソード電極の頭部には、
    前記メディアまたは被めっき物が接触して電気的導通可能な電気接続部分と、
    前記電気接続部分と前記メッシュとの間に形成され電気的導通が生じない絶縁部分と、が形成され、
    前記絶縁部分は、前記カソード電極の頭部に着脱自在に一体化される絶縁性のリング部材で構成してあり、
    前記リング部材の外周面は、前記電気接続部分の外周面に対して滑らかに繋がっていることを特徴とするめっき装置。
  7. めっき液が貯留してあるめっき槽と、
    前記めっき槽の内部に配置されるアノード電極と、
    前記アノード電極に対して前記めっき液を介して導通可能なカソード電極と、
    前記めっき槽の内部に配置され、内部に被めっき物およびメディアが着脱自在に収容される筒体と、
    前記筒体の内部に収容される前記メディアと、
    前記カソード電極が着脱自在に固定されるシャフトと、
    前記シャフトを前記筒体と共に上下移動させる昇降手段と、
    を有するめっき装置であって、
    前記筒体は、前記めっき液を筒体内部に流通させるためのメッシュを有し、
    前記メッシュには、前記カソード電極の頭部が、前記筒体の内側に位置するように取り付けられ、
    前記カソード電極の頭部は、全体として、前記筒体の内部に向けて凸の曲面を有し、
    前記カソード電極の頭部には、
    前記メディアまたは被めっき物が接触して電気的導通可能な電気接続部分と、
    前記電気接続部分と前記メッシュとの間に形成され電気的導通が生じない絶縁部分と、が形成され
    前記筒体の内部で前記メディアが前記メッシュの表面に接触した状態で、当該メディアが前記カソード電極の頭部と接触する接触点のメッシュ表面からの高さに比較して、
    前記メッシュ表面からの前記絶縁部分の高さは同等以上である
    ことを特徴とするめっき装置。
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