JP4088354B2 - 情報記録再生装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報を記録再生するヘッドを情報記録ディスクの所定の位置に回転移動させて位置決めを行なう情報記録再生装置に係り、装置に衝撃力が作用しても装置内部機構の損傷を防止する情報記録再生装置に関するものである。なお本発明は、特に、2.5インチ、1.8インチ、1.3インチ等の小形磁気ディスク装置に適用するものである。
【0002】
【従来の技術】
公開特許公報、特開平6−96532号を例にして従来の小形磁気ディスク装置について説明する。積層した情報記録ディスクは、ベースに固定したディスク回転駆動モータにより一定速度で回転駆動される。ヘッドは支持ばねを介してキャリッジに支持され、ディスクとの間に微小隙間を隔てて浮上し、情報の記録再生を行なう。ヘッドの高速高精度な位置決めは、キャリッジをボイスコイルモータにより回転駆動することにより行なう。スリ−ブに回転軸と2個の転がり軸受を組み込んだピボットアセンブリにキャリッジを保持し、ピボットアセンブリをベース上に固定することにより、キャリッジは回転軸のまわりに回転できる。キャリッジを駆動するボイスコイルモータは、駆動コイル、永久磁石、ヨークから構成されている。このうち、キャリッジには駆動コイルを取付け、残りの永久磁石、ヨーク(これらを含めて「磁石・ヨ−クアセンブリ」と称する)はベース上に固定してある。磁気回路に挾まれた駆動コイルは磁界作用を受けているので、駆動コイルに通電することにより、キャリッジを駆動することができ、ヘッドを所定の場所に位置決めすることができる。
【0003】
最近では、装置の小形、薄型化が進み、ICカ−ドのようにポケットに入れて持ち運びのできるリム−バブル装置の需要が拡大している。装置としては、持ち運び中に何かにぶつけたり、床に落としたりしてもこわれない、耐衝撃特性の優れた機構が求められている。耐衝撃特性を向上するための方法としては、(1)装置内部の位置決め機構、円板、スライダ等の各要素の耐衝撃特性を上げる手段、と、(2)装置全体を衝撃から守る手段、の2通りの方法がある。
【0004】
装置全体を衝撃から守る手段として、例えば、特開平1−311495号公開特許公報に開示されているものがある。この例では、装置本体の側面4箇所に防振・緩衝部材を設けると共に、その防振・緩衝部材を介して装置本体を内部ケ−スに格納している。内部ケ−スは凸状の案内部を有し、案内レ−ル付きケ−スに着脱可能に格納される。以上の構成により、装置本体への外部振動、衝撃の伝達が緩和される。
【0005】
また、他の公知例としては、特開平4−368690号公開特許公報に開示されているものがある。この例では、磁気ディスク収納筐体部側面の四隅にクロロプレンゴムからなる衝撃吸収部材を取り付け、衝撃による内部機構部品損傷を防止している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
いずれの公知例も、装置にゴム等からなる衝撃吸収部材を設け,衝撃による装置内部機構の損傷防止を図っている。しかし、装置を床等に誤って落としてしまった場合、装置に作用する衝撃力は非常に大きく、反発性のあるゴムだけでは衝撃エネルギの吸収を充分に行なうことができない。その結果、装置内部機構の損傷を防止しきれない場合がある。
【0007】
本発明の目的は、装置を床等に誤って落としてしまった場合でも衝撃エネルギの吸収を充分に行ない、装置内部機構の損傷を防止することができる衝撃吸収機構を備えた情報記録再生装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は,上記目的を達成するため,ハウジングの外周面に、粒状の固形部材と粘弾性材料とを練り合わせて形成した衝撃吸収部材を備えた構造とした。
【0009】
また、衝撃吸収部材は、衝撃力印加後、変形し、自然放置状態では元の形状に復元しない構造とした。
【0010】
また、衝撃吸収部材は、衝撃力印加後、変形し、時間の経過と共に徐々に元の形状に復元する構造とした。
【0011】
また、衝撃吸収部材に種々の大きさの衝撃力が作用した場合の衝撃加速度と衝撃吸収部材の変形形状を予め計測しておき、その結果を衝撃加速度早見表としてハウジングに貼付しておき、装置に衝撃力が作用した場合、衝撃吸収部材の実際の変形形状を衝撃加速度早見表と比較することにより、装置に印加された衝撃加速度の概略値を知ることができる構成とした。
【0012】
また、装置全体を耐衝撃箱に納め、装置側面と接する部分の前記耐衝撃箱の肉厚寸法が、カバ−側およびベ−ス側と接する部分の耐衝撃箱の肉厚寸法よりも大きい構造とした。装置全体を納める耐衝撃箱は、粒状の固形部材と粘弾性材料とを練り合わせて形成した衝撃吸収部材、あるいはゴム材料、あるいはプラスチック材料で形成した構造とした。
【0013】
また、装置全体をゴム材料、あるいはプラスチック材料で形成した編み籠状の耐衝撃箱に納め、耐衝撃箱のコ−ナ−に粒状の固形部材と粘弾性材料とを練り合わせて形成した衝撃吸収部材を備える構造とした。
【0014】
また、衝撃吸収部材を構成する粘弾性材料よりも高めの硬度を持つ粘弾性材料を用い、衝撃吸収部材の表面をコ−ティングした構造とした。
【0015】
また、衝撃吸収部材を構成する粒状の固形部材の代わりに、ばね部材、あるいは、繊維材料を用い、粘弾性材料とを練り合わせて衝撃吸収部材を形成した。
【0016】
また、変形した前記衝撃吸収部材は、手で容易に元の形状に修復可能で、繰り返し使用に耐える構造とした。
【0017】
また、衝撃吸収部材を、小形磁気ディスク装置のフォ−ムファクタ規格寸法の範囲内に収納した構造とした。
【0018】
また、装置を納める耐衝撃箱、ないし、衝撃吸収部材を透明な材料で構成し、実装後の情報記録再生装置が透けて見える構造とした。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
【0020】
図1は、本発明による情報記録再生装置(磁気ディスク装置)の一実施例の全体構成図である。図1(a)は磁気ディスク装置の上方からみた構成図であり、(b)はこの磁気ディスク装置をB方向からみた構成図である。装置カバ−、コネクタ近傍の一部を破断した状態を示す。図の紙面鉛直方向に積層したディスク6は、ベース8Aに固定したディスク回転駆動モータ7により回転駆動される。情報の記録再生を行うヘッド1は、キャリッジ3にヘッド支持ばね2を介して取付ける。キャリッジ回転軸4とスリ−ブ(図示せず)との間に2個の転がり軸受5を収めたピボットアセンブリをキャリッジ3に固定し、キャリッジ回転軸4をベース8Aに固定することにより、キャリッジ3をキャリッジ回転軸4回りに回転可能に支持する。ヨークと永久磁石とから成る磁石・ヨ−クアセンブリ9、およびキャリッジ3に設けた駆動コイル10により構成したアクチュエ−タによりキャリッジ3を回転駆動し、ヘッド1をディスク6の所定のトラックに位置決めし、情報の記録再生を行なう。
【0021】
本装置は、小形、薄型で、持ち運びのできるリム−バブル装置であり、パ−ソナルコンピュ−タ等への取付、取外しが容易にできる。持ち運び中に何かにぶつけたり、床に落としたりして装置に衝撃が作用しても内部機構が損傷しないようにするため、装置外周部に衝撃吸収部材14を設けた構成を取っている。衝撃吸収部材14は、粒状固形部材14Aと粘弾性材料14Bとを練り合わせて形成したものである。粒状固形部材14Aと粘弾性材料14Bの体積比は、例えば4対1として混合する。粒状固形部材14Aの材質は、例えば珪砂で、呼称297、粒度係数63.1(日本鋳物協会規格)のものを用いる。衝撃吸収部材14は衝撃が印加されると大変形し、内部摩擦により衝撃エネルギを消費することにより装置内部機構損傷を防止する。
【0022】
装置を取り巻く衝撃吸収部材14の厚さtは、以下のようにすることが好ましい。すなわち、装置側面部の厚さt1が、ベ−ス側厚さt2ないしカバ−側厚さt3よりも大きくなるようにする。このようにすることにより、装置角部の張出し部の体積をある程度確保することができ、衝撃印加により積極的に衝撃吸収部材14を変形させることができる。その結果、内部摩擦により衝撃エネルギを消費することにより、装置内部機構損傷を防止することができる。
【0023】
本装置は、パ−ソナルコンピュ−タ等と接続するためのコネクタ12を備えている。コネクタ挿入口13はコネクタ接続のための挿入空間であり、衝撃吸収部材14の一部を除去した部分である。磁気ディスク装置業界では,装置の縦L,横W,高さHの各寸法,いわゆる『フォームファクタ寸法』を規定しており,これを満足することが必須である。本実施例でもこれを満足する装置構成をとっている。フォームファクタ寸法は、例えば、2.5インチの装置では、L=100、W=70、H=9.5 mm、または、L=100、W=70、H=12.7 mm、または、L=100、W=70、H=19 mm である。
【0024】
衝撃吸収部材の内部構造および変形状態を図2に示す。図2は、衝撃吸収部材14の角部の一部を拡大して示したものである。衝撃力Fが作用すると、例えば16に示すように大変形する。変形が進行する過程において、粒状固形部材14Aと粘弾性材料14Bが互いに摩擦し、衝撃エネルギが摩擦熱となって消費され、その結果、装置内部機構損傷を防止することができる。
【0025】
前記衝撃吸収部材は、衝撃力印加後、大変形し、自然放置状態では元の形状に復元しない。これは、衝撃エネルギの消費を充分に行なうためである。もし誤って装置を何かにぶつけたり、床に落としたりして装置外周部の衝撃吸収部材14が変形した場合は、ユ−ザが手で形状修復を行ない、今後の衝撃変形に備える。ユ−ザが自らの手で形状修復することで、遊びごころを伴う装置を狙っている。なお、前記衝撃吸収部材は、衝撃力印加後、大変形し、時間の経過と共に徐々に元の形状に復元する反発性のある素材で構成しても良い。
【0026】
前記衝撃吸収部材の内部構造の他の実施例を図3を用いて説明する。図3は、衝撃吸収部材14を構成する材料の部分拡大図である。衝撃吸収部材14は、ばね作用を持つばね部材14Cと粘弾性材料14Bとを練り合わせて形成したものである。ばね部材14Cは、金属材料、プラスチック材料、セラミック材料等から製作する。ばね部材14Cと粘弾性材料14Bの体積比は、例えば4対1として混合する。衝撃吸収部材14は衝撃が印加されると大変形し、変形が進行する過程において、ばね部材14Cと粘弾性材料14Bが互いに摩擦し、衝撃エネルギが摩擦熱となって消費され、その結果、装置内部機構損傷を防止することができる。
【0027】
前記衝撃吸収部材の内部構造の他の実施例を図4を用いて説明する。図4は、衝撃吸収部材14を構成する材料の一部を示した図である。衝撃吸収部材14は、粒状固形部材14Aと粘弾性材料14Bを練り合わせ、それをばね作用を持つばね部材14Dに充填して形成したものである。ばね部材14Dは、金属材料、プラスチック材料等から製作する。衝撃吸収部材14は衝撃が印加されると大変形し、変形が進行する過程において、ばね部材14Cと粘弾性材料14Bが互いに摩擦し、衝撃エネルギが摩擦熱となって消費され、その結果、装置内部機構損傷を防止することができる。ばね部材14Cの表面は、摩擦を助長させるため、粗い面に加工しておくことも効果的である。本装置では、衝撃吸収部材14が衝撃により大変形しても、ばね部材14Cのばね作用により、変形前の形状に復元するのでユ−ザによる形状修復は不要である. 本発明における衝撃吸収機構の他の実施例を図5を用いて説明する。図5は、磁気ディスク装置を収納する衝撃吸収機構である。装置全体をゴム材料、あるいはプラスチック材料で形成した編み籠状の耐衝撃箱19Aに納め、装置を衝撃から守る。耐衝撃箱19Aのコ−ナ−には粒状の固形部材と粘弾性材料とを練り合わせて形成した衝撃吸収部材19Bを備える。衝撃吸収部材19Bは、前述した実施例に用いている衝撃吸収部材と同様の材料から成る。衝撃吸収部材19Bの形状は、例えば球形とする。衝撃吸収部材19Bは衝撃が印加されると大変形し、変形が進行する過程において、粒状固形部材と粘弾性材料が互いに摩擦し、衝撃エネルギが摩擦熱となって消費され、その結果、装置内部機構損傷を防止することができる。なお、本実施例では耐衝撃箱19Aを編み籠形状としたが、それをハニカム形状としても良い。
【0028】
本発明の衝撃吸収機構は、耐衝撃箱19Aないし衝撃吸収部材19Bを透明材料で構成すれば内部の装置が透けて見える。したがって、例えば磁気ディスク装置を外部記憶装置として机上に設置して使用する場合、デザイン的にユニ−クな装置となる。
【0029】
前記衝撃吸収部材の構造の他の実施例を図6に示す。衝撃吸収部材14は、上述した実施例と同様に粒状固形部材14Aと粘弾性材料14Bとを練り合わせて形成したものである。さらに、粘弾性材料14Bよりも高めの硬度を持つ粘弾性材料を用い、衝撃吸収部材の表面にコ−ティング層14Gを施す。衝撃吸収部材内部の粘弾性材料14Bの硬度、コ−ティング層14Gの硬度、厚さ等の特性を選ぶことにより、種々の耐衝撃特性を実現することができる。コ−ティング層 14Gを充分に厚くし、その内部の粘弾性材料14Bの硬度を充分に小さくても良い。
【0030】
前記衝撃吸収部材の構造の他の実施例を図7に示す。図7は、衝撃吸収部材の内部構造を一部拡大した図である。衝撃吸収部材14は、繊維材料14Hと粘弾性材料14Bとを練り合わせて形成したものである。繊維材料14Hの繊維材質、布構造、粘弾性材料14Bの組成を選ぶことにより、種々の耐衝撃特性を実現することができる。
【0031】
次に、もし誤って装置を何かにぶつけたり、床に落としたりして装置外周部の衝撃吸収部材が変形した場合、装置に印加した衝撃加速度の概略値を把握する方法について図8を用いて説明する。図8は、本発明の衝撃吸収機構の衝撃加速度早見表である。予め、衝撃加速度(単位G)と衝撃吸収部材の変形状態を種々の実験により調査しておく。その結果をまとめたものが衝撃加速度早見表17であり、これを装置表面に貼付しておく。本実施例では、作用する衝撃力の方向が異なる2つのサンプル(サンプル1およびサンプル2)について、衝撃吸収部材14の変形前の状態、印加衝撃加速度が1000G、2000G、3000Gのそれぞれの場合の変形状態を示している。サンプル1は、衝撃吸収部材端部14Eの線上に衝撃力が作用した場合である。サンプル2は、衝撃吸収部材角部14Fに衝撃力が作用した場合である。衝撃吸収部材の実際の変形形状を衝撃加速度早見表と比較することにより、装置に印加された衝撃加速度の概略値を知ることができる他、ユ−ザに装置取扱注意を喚起するものとして有効である。なお、装置表面には、デ−タラベル18を貼付し、デ−タ内容を記録できるようにしておくと便利である。
【0032】
次に、本発明の情報記録再生装置とコンピュ−タ等との接続方法について図9を用いて説明する。図9は、本発明による情報記録再生装置の実装方法を示す図である。例えば、本発明の衝撃吸収機構を備えた磁気ディスク装置22を磁気ディスク装置挿入口21を経てパ−ソナルコンピュ−タ20に内蔵する。磁気ディスク装置22はコネクタを介して自由に着脱できるので、ユ−ザは磁気ディスク装置22を持ち運びすることができる。また前述したように、磁気ディスク装置を外部記憶装置として用い、パ−ソナルコンピュ−タ20とケ−ブルで接続し、机上に設置して使用することもできる。この場合、衝撃吸収機構の色、形状等を種々用意することによりデザイン的にユニ−クな装置を構成することができる。
【0033】
【発明の効果】
本発明では,ハウジングの外周面に、粒状の固形部材と粘弾性材料とを練り合わせて形成した衝撃吸収部材を備えた構造とした。衝撃吸収部材に衝撃力が作用すると大変形する。変形が進行する過程において、粒状固形部材と粘弾性材料が互いに摩擦し、衝撃エネルギが摩擦熱となって消費され、その結果、装置内部機構損傷を防止することができる。前記粒状固形部材の代わりに、ばね部材、あるいは繊維材料を用い、粘弾性材料と一緒に練り合わせて衝撃吸収部材を形成しても同様の効果が得られる。
【0034】
衝撃吸収部材は、衝撃力印加後、変形し、自然放置状態では元の形状に復元しない構造とすることで、衝撃エネルギの消費を充分に行なうことができる。もし誤って装置を何かにぶつけたり、床に落としたりして装置外周部の衝撃吸収部材が変形した場合は、ユ−ザが手で形状修復を行ない、今後の衝撃変形に備える。衝撃吸収部材は、繰り返し使用に耐える構造とし、ユ−ザが自ら手による形状修復を楽しむことができる。また、衝撃吸収部材は、衝撃力印加後、大変形し、時間の経過と共に徐々に元の形状に復元する反発性のある素材で構成しても良い。この場合は、ユ−ザが形状修復を行なう必要はない。
【0035】
衝撃吸収部材は小形磁気ディスク装置のフォ−ムファクタ規格寸法の範囲内に収納した構造とした。したがって、従来通りの規格寸法装置に本発明装置を組み込むことができる。
【0036】
衝撃吸収部材に種々の大きさの衝撃力が作用した場合の衝撃加速度と衝撃吸収部材の変形形状を予め計測しておき、その結果を衝撃加速度早見表としてハウジングに貼付した。装置に衝撃力が作用した場合、衝撃吸収部材の実際の変形形状を衝撃加速度早見表と比較することにより、装置に印加された衝撃加速度の概算値を知ることができる他、ユ−ザに装置取扱注意を喚起するものとして有効である。
【0037】
装置全体を耐衝撃箱に納め、装置側面と接する部分の前記耐衝撃箱の肉厚寸法が、カバ−側およびベ−ス側と接する部分の耐衝撃箱の肉厚寸法よりも大きい構造とした。このようにすることにより、装置角部の張出し部の体積をある程度確保することができ、衝撃印加により積極的に衝撃吸収部材を変形させることができる。その結果、内部摩擦により衝撃エネルギを消費することにより、装置内部機構損傷を防止することができる。
【0038】
衝撃吸収部材を構成する粘弾性材料よりも高めの硬度を持つ粘弾性材料を用い、衝撃吸収部材の表面にさらにコ−ティング層を施した。衝撃吸収部材、コ−ティング層の硬度、コ−ティング層の厚さ等の特性を選ぶことにより、種々の衝撃特性を実現することができる。
【0039】
衝撃吸収部材は小形磁気ディスク装置のフォ−ムファクタ規格寸法の範囲内に収納した構造とした。したがって、従来通りの規格寸法装置に本発明装置を組み込むことができる。
【0040】
装置全体をゴム材料、あるいはプラスチック材料で形成した編み籠状の耐衝撃箱に納め、耐衝撃箱のコ−ナ−に粒状の固形部材と粘弾性材料とを練り合わせて形成した衝撃吸収部材を備える構造とした。装置を納める耐衝撃箱、ないし、衝撃吸収部材を透明な材料で構成し、実装後の情報記録再生装置が透けて見える構造とし、外部記憶装置として机上に設置して使用することもできる。この場合、デザイン的にユニ−クな装置を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による情報記録再生装置の一実施例の全体構成図
【図2】本発明における衝撃吸収部材の内部構造および変形状態
【図3】本発明における衝撃吸収部材内部構造の他の実施例
【図4】本発明における衝撃吸収部材内部構造の他の実施例
【図5】本発明における衝撃吸収機構の他の実施例
【図6】本発明における衝撃吸収部材内部構造の他の実施例
【図7】本発明における衝撃吸収部材内部構造の他の実施例
【図8】本発明における衝撃吸収機構の衝撃加速度早見表
【図9】本発明による情報記録再生装置の実装方法
【符号の説明】
1…ヘッド、 2…ヘッド支持ばね、 3…キャリッジ、 4…キャリッジ回転軸、 5…転がり軸受、 6…ディスク、 7…ディスク回転駆動モータ、 8…ハウジング、 8A…ベース、 8B…カバ−、 9…磁石・ヨ−クアセンブリ、 10…駆動コイル、 11…FPC(可撓性プリントケ−ブル)、 12…コネクタ、 13…コネクタ挿入口、 14…衝撃吸収部材、 14A…粒状固形部材、 14B…粘弾性材料、 14C…ばね部材、 14D…ばね部材、 14E…衝撃吸収部材端部、 14F…衝撃吸収部材角部、 14G…衝撃吸収部材コ−ティング層、 14H…繊維材料、 15…衝撃吸収部材の変形前形状、 16…衝撃吸収部材の変形後形状、17…衝撃加速度早見表、 18…デ−タラベル、 19…衝撃吸収機構、 19A…編み籠状の耐衝撃箱、19B…衝撃吸収部材、 20…パ−ソナルコンピュ−タ、 21…磁気ディスク装置挿入口、 22…衝撃吸収機構を備えた磁気ディスク装置。

Claims (2)

  1. 情報を記録するディスクと、前記ディスクを回転駆動するディスク回転駆動モ−タと、前記ディスクに情報を記録再生するヘッドを支持し前記ディスクの半径方向に回転位置決めするキャリッジと、前記キャリッジに回転トルクを与えるキャリッジ駆動部と、これらを支持包含するベ−スおよびカバ−で構成したハウジングとから成り、前記ハウジングの外周面に衝撃吸収部材を備えた情報記録再生装置において、
    前記衝撃吸収部材は、粒状の珪砂である多数の固形部材と粘弾性材料とを4対1の体積比で有し、前記多数の固形部材は前記粘弾性材料で保持される構造を成し、衝撃力印加後、前記衝撃吸収部材は変形し、変形した前記衝撃吸収部材は、そのままの自然放置状態では元の形状に復元しないことを特徴とする情報記録再生装置。
  2. 請求項1に記載の情報記録再生装置において、
    前記衝撃吸収部材は、コーティング層で包み込んで形成してなることを特徴とする情報記録再生装置。
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