JP4087664B2 - エラストマー組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は耐熱性および耐油性を有するエラストマー組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えばスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)等のスチレン系エラストマーは加硫することなく常温で良好なゴム弾性を示す。しかしこれらスチレン系エラストマーは共役ジエンブロック内に二重結合を有するために熱安定性、耐候性が十分でない。そこでこれらスチレン系エラストマーに含まれる二重結合に水素添加を行ったスチレン・エチレン−ブチレン・スチレンブロック共重合体(SEBS)やスチレン・エチレン−プロピレン・スチレンブロック共重合体(SEPS)が提供されている。これら水素添加スチレン系エラストマーは熱安定性は向上するが、高温時圧縮永久歪みの大きい点、耐油性が充分でない点等の問題点がある。そこで上記スチレン系エラストマーの高温時圧縮永久歪みを小さくし、更に耐熱性および耐油性を向上せしめべたつき感をなくするために、従来有機過酸化物を架橋剤として添加する方法が提案されている(例えば特公平3−11291号)。
しかし有機過酸化物単独では架橋効率が低いために、ジビニルベンゼン、トリエチレングリコールジメタクリレート、あるいはトリメチロールプロパントリメタクリレート等の2個以上の重合可能な不飽和結合を有する単量体を架橋助剤として添加する方法が提案されている。
上記架橋助剤である単量体は有機過酸化物によって効率よく架橋を生成する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらこのような低分子の単量体は有機過酸化物との反応が急激すぎ、組成物が均一に混練されないうちに架橋が形成されてゴム成分が凝集してしまうので、伸び性能が低下し十分な破断強度が得られないと云う問題点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記従来の課題を解決するための手段として、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAの少なくとも2個と、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBの少なくとも1個とからなりA(−B−A)n(nは1〜5の整数である)で表されるブロック共重合体の水素添加物I100質量部と、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAと共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBと、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックCとをそれぞれ1個づつ含みA−B−Cで表されるブロック共重合体の水素添加物IIおよび/または上記重合体ブロックCの2個と、上記重合体ブロックBの1個からなりC−B−Cで表されるブロック共重合体の水素添加物III 5〜50質量部と、軟化剤30〜300質量部と、ポリオレフィン系樹脂1〜200質量部と、ポリオクテナマー0.1〜50質量部と、有機過酸化物0.1〜10質量部とからなり、該共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBは該ブロック共重合体が水素添加された後に非晶質ポリオレフィン系ゴム質重合体ブロックになり得る重合体ブロックであり、該共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックCは該ブロック共重合体が水素添加された後に過酸化物の存在下での加熱により架橋反応を起し得る結晶性ポリオレフィン系重合体になることが出来る共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックであるエラストマー組成物を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明を以下に詳細に説明する。
〔ブロック共重合体の水素添加物I〕
本発明において使用されるブロック共重合体の水素添加物I(以下水添ブロック共重合体Iとする)は、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAの少なくとも2個と、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBの少なくとも1個とからなりA(−B−A)n(nは1〜5の整数である)で表される水添ブロック共重合体である。
上記重合体ブロックAのビニル芳香族化合物とは、例えばスチレン、α−メチルスチレン、α−エチルスチレン、α−クロルスチレン、ビニルトルエン等のビニル基を有する芳香族化合物であり、好ましいビニル芳香族化合物としてはスチレンがある。
【0006】
上記重合体ブロックBは該ブロック共重合体が水素添加された後に非晶質ポリオレフィン系ゴム質重合体ブロックになり得る重合体ブロックであり、該重合体ブロックBの共役ジエン化合物とは、例えばブタジエン、イソプレン、クロロプレン等であり、好ましい共役ジエン化合物としては、ブタジエン、イソプレンがある。共役ジエン化合物としてブタジエンを選択した場合には、該ブロック共重合体が水素添加された後に該重合体ブロックBが非晶質ポリオレフィン系ゴム質重合体ブロックになり得るためには、該ポリブタジエンブロックにおけるミクロ構造中1,2−ミクロ構造が20〜50%となる重合条件を採用することが好ましく、更に好ましくは1,2−ミクロ構造が35〜45%となる重合条件を採用する。
【0007】
好ましい水添ブロック共重合体Iを例示すれば、例えばスチレン・エチレン−ブチレン・スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン・エチレン−プロピレン・スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン−エチレン・エチレン−プロピレン・スチレンブロック共重合体(SEEPS)がある。
【0008】
〔ブロック共重合体の水素添加物II〕
本発明において使用されるブロック共重合体の水素添加物II(以下水添ブロック共重合体IIとする)は、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAと共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBと、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックCとをそれぞれ1個づつ含みA−B−Cで表される水添ブロック共重合体である。
【0009】
上記重合体ブロックAは、上記水添ブロック共重合体Iにおける重合体ブロックAと同じ重合体ブロックであり、上記重合体ブロックBは、水添ブロック共重合体Iにおける重合体ブロックBと同じ重合体ブロックである。
上記重合体ブロックCは、該ブロック共重合体が水素添加された後に過酸化物の存在下での加熱により架橋反応を起し得る結晶性ポリオレフィン系重合体になることが出来る共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックであり、該重合体ブロックCの共役ジエン化合物としては、該重合体ブロックBの共役ジエン化合物と同様なものがあるが、好ましい共役ジエン化合物としてはブタジエンがある。
【0010】
該ブロック共重合体が水素添加されて二重結合が飽和された後に、該重合体ブロックCが過酸化物存在下による加熱処理で架橋反応を起し得る結晶性ポリオレフィン系重合体となり得るためには、ポリブタジエンブロックにおけるミクロ構造中1,2−ミクロ構造が20%以下となる重合条件を採用することが好ましく、更に好ましくは1,2−ミクロ構造が15%以下となる重合条件を採用する。好ましい水添ブロック共重合体IIとしては、スチレン・エチレン−ブチレン・エチレンブロック共重合体(SEBC)がある。
【0011】
〔ブロック共重合体の水素添加物III 〕
本発明において使用されるブロック共重合体の水素添加物III (以下水添ブロック共重合体III とする)は、上記重合体ブロックCの2個と、上記重合体ブロックBの1個からなりC−B−Cで表される水添ブロック共重合体である。
【0012】
上記重合体ブロックBは、上記水添ブロック共重合体I、IIにおける重合体ブロックBと同じ重合体ブロックであり、上記重合体ブロックCは、上記水添ブロック共重合体IIにおける重合体ブロックCと同じ重合体ブロックである。好ましい水添ブロック共重合体III としては、エチレン・エチレン−ブチレン・エチレンブロック共重合体(CEBC)がある。
【0013】
〔軟化剤〕
本発明のエラストマー組成物の硬度を調節するために、軟化剤が添加される。上記軟化剤としては鉱物油、植物油、シリコン油等がある。
鉱物油は一般にゴム軟化剤として使用されるものであり、パラフィン鎖の炭素数が全炭素中50%以上占めるパラフィン系、ナフテン環炭素数を30〜45%含むナフテン系鉱物油、芳香族系炭素数を30%よりも多く含む芳香族系の三種類があり、分散性の点からみてパラフィン系およびナフテン系の非芳香族系のものが好ましく、更にパラフィン系のものが好ましい。
【0014】
〔オレフィン系樹脂〕
エラストマー組成物の硬度を調節するために、オレフィン系樹脂が添加される。上記オレフィン系樹脂としては、例えばポリプロピレン、マレイン酸変性ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン−αオレフイン共重合体、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、プロピレン−スチレン共重合体、エチレン−スチレン共重合体、ポリブテン−1、ポリメチルぺンテン等がある。
上記ポリプロピレンとしては、ブロック、ランダムおよびホモポリマー等があり、上記ポリエチレンとしては、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等があり、エチレン−αオレフィン共重合体としては、シングルサイト触媒によって重合されたエチレンと少量(好ましくは1〜10モル%)のブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1等がある。
【0015】
〔ポリオクテナマー〕
本発明では架橋助剤としてポリオクテナマーが使用される。該ポリオクテナマーはシクロオクテンの開環重合によって得られる重合体であり、炭素8個ごとに二重結合が存在し、このように規則的に存在する二重結合にはシスおよびトランスの2種類の立体配置があり、上記立体配置のシスとトランスの割合によって結晶性、融点等が変化する。即ちトランス比が大きな程結晶化度が高くなり、使用するポリオクテナマーの結晶化度が高くなるにつれ、エラストマー組成物の使用温度範囲内での塑性変形防止効果や熱収縮防止効果が大きくなる。本発明に適したポリオクテナマーとしては、トランス比60%以上、かつ分子量が10,000以上のものがある。
【0016】
〔有機過酸化物〕
本発明において、エラストマー組成物の架橋は上記架橋助剤を介して有機過酸化物によって行われる。上記有機過酸化物としては、例えばベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ-2- エチルヘキサナート、t-ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)−ヘキサン、2,5−ジメチル2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−ヘキサン、ジイソプロピルベンゾハイドロパーオキサイド、1,3−ビス−(t−ブチルパーオキシイソプロピル)−ベンゼン等の芳香族系過酸化物および脂肪族系過酸化物が例示される。
【0017】
〔その他の添加剤〕
本発明のエラストマー組成物には、上記成分の他に更にタルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、燐酸カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、アルミナ、シリカ、ケイ藻土、ドロマイト、石膏、焼成クレー、アスベスト、マイカ、ケイ酸カルシウム、ベントナイト、ホワイトカーボン、カーボンブラック、鉄粉、アルミニウム粉、石粉、高炉スラグ、フライアッシュ、セメント、ジルコニア粉等の無機充填材や、リンター、リネン、サイザル、木粉、ヤシ粉、クルミ粉、でん粉、小麦粉等の有機充填材、あるいは木綿、麻、羊毛等の天然繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ビスコース繊維、アセテート繊維等の有機合成繊維、アスベスト繊維、ガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維、金属繊維、ウィスカー等の無機繊維等の繊維充填材等の充填材、フェノール系抗酸化剤、ホスファイト系抗酸化剤、チオエーテル系抗酸化剤等の抗酸化剤、顔料、染料、熱安定剤、光安定剤、可塑剤、帯電防止剤、結晶化促進剤、難燃剤、防炎剤、防虫剤、防腐剤、ワックス類、滑剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、増粘剤、加工助剤等の添加剤の1種又は2種以上を混合してもよい。
【0018】
〔配合〕
本発明のエラストマー組成物にあっては、上記水添ブロック共重合体I100質量部に対して、上記水添ブロック共重合体IIおよび/または上記水添ブロック共重合体III (以下水添ブロック共重合体IIおよび/またはIII と云う)が5〜50質量部添加される。
上記水添ブロック共重合体IIおよび/またはIII は上記水添ブロック共重合体Iの耐油性を改良するために添加されるが、添加量が5質量部を下回ると耐油性改良効率が充分でなく、また50質量部を上回るとエラストマー組成物の吸油性が低下し、上記軟化剤が組成物から滲み出すおそれがある。
上記軟化剤は30〜300質量部添加される。この範囲の添加量では該軟化剤は上記水添ブロック共重合体IおよびIIおよび/またはIII に吸収されるから滲み出しのおそれはない。
ポリオレフィン系樹脂は1〜200質量部添加される。ポリオレフィン系樹脂はこの範囲で本発明のエラストマー組成物の硬度を調節すると共に、加工性や成形性も改良する。
【0019】
架橋助剤としてのポリオクテナマーは0.1〜50質量部添加される。該ポリオクテナマーは分散助剤としての作用も有し、上記添加量範囲で本発明のエラストマー組成物中の各成分を均一に分散させつゝ架橋反応を比較的ゆっくり進行させる。
有機過酸化物は0.1〜10質量部添加される。この範囲の添加量で該エラストマー組成物には上記ポリオクテナマー存在下に適度の架橋が生成し良好な耐熱性や耐油性が付与される。更に上記したように本発明の組成物ではポリオクテナマーの添加によって組成物中の成分が均一に分散しかつ架橋反応がゆっくり進行するので、組成物中のゴム成分である水添ブロック共重合体の凝集による相分離、ゴム粒子の肥大化が抑制され、良好な伸び性能と機械的強度とが保障される。
【0020】
〔製造方法〕
本発明のエラストマー組成物は、上記成分を混練しかつ熱処理して架橋させることによって製造される。上記製造方法は下記の3つの方法に大別される。
【0021】
〔製造方法1〕
段階1:水添ブロック共重合体I、ポリオレフィン系樹脂、充填材等を加圧ニーダー等の混練機を使用して通常180〜200℃程度で加熱混合
段階2:軟化剤を投入して上記温度を維持し、加熱混合
段階3:水添ブロック共重合体IIおよび/またはIII 、ポリオクテナマー、有機過酸化物、酸化防止剤、滑剤等を投入して上記温度を維持し、有機過酸化物(架橋剤)の反応活性が完全になくなるまで(失活するまで)溶融・混練
段階4:上記混練物を押出機によって押出しペレット化
【0022】
〔製造方法2〕
段階1:水添ブロック共重合体I、ポリオレフィン系樹脂、軟化剤、充填材等をスーパーミキサー等の混合機で予備混合
段階2:水添ブロック共重合体IIおよび/またはIII 、ポリオクテナマー、有機過酸化物、酸化防止剤、滑剤等を上記混合物に投入して加圧ニーダー等の混練機を使用し、通常180〜200℃程度で有機過酸化物(架橋剤)の反応活性が完全になくなるまで(失活するまで)溶融・混練
段階3:上記混練物を押出機によって押出しペレット化
【0023】
〔製造方法3〕
段階1:全成分をスーパーミキサー等の混合機で予備混合
段階2:上記混合物を加圧ニーダー等の混練機を使用し、通常180〜200℃程度で有機過酸化物(架橋剤)の反応活性が完全になくなるまで(失活するまで)溶融・混練
段階3:上記混練物を押出機によって押出しペレット化
以下に本発明を更に具体的に説明するための実施例をあげる。
【0024】
〔実施例〕
表1(実施例)および表2(比較例)に示す配合を下記の製造方法によって溶融・混練しペレット化する。
【0025】
〔実施例1〜8〕
製造方法1
段階1:容量20Lの加圧ニーダーを使用し、加熱温度190℃、回転速度10rpmで1分間加熱混合
段階2:加熱温度190℃、回転速度10rpmで5分間加熱混合
段階3:加熱温度190℃、回転速度80rpmで失活するまで溶融・混練
段階4:2軸テーパー押出機を使用してペレット化
【0026】
〔実施例9〕
製造方法2
段階1:スーパーミキサーを使用して予備混合
段階2:容量20Lの加圧ニーダーを使用し、加熱温度190℃、回転速度80rpmで失活するまで溶融・混練
段階3:2軸テーパー押出機を使用してペレット化
【0027】
〔実施例10〕
製造方法3
段階1:スーパーミキサーを使用して予備混合
段階2:容量20Lの加圧ニーダーを使用し、加熱温度190℃、回転速度80rpmで失活するまで溶融・混練
段階3:2軸テーパー押出機を使用してペレット化
【0028】
〔比較例1〜3〕
製造方法3に準ずる。但し比較例3は水添ブロック共重合体IIまたはIII の添加なし。
【0029】
〔比較例4〕
製造方法3に準ずる。但しポリオクテナマー、有機過酸化物の添加なし。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
上記実施例に使用された各材料は下記の通りである。
(a) 成分 水添ブロック共重合体I
(株)クラレ製 セプトン4099 SEEPS
(b) 成分 水添ブロック共重合体IIまたはIII
b −1:JSR(株)製 Dynaron 4600C SEBC
b −2:JSR(株)製 Dynaron 6100M CEBC
(c) 成分 非芳香族ゴム用軟化剤
出光興産(株)製 ダイアナプロセスオイル PW−90 流動パラフィン
(d) 成分 オレフィン系樹脂
d −1:サンアロマー(株)製 サンアロマーPX600A ホモPP
d −2:日本ユニカー(株)製 NUCG−7651 C4系L−LDPE
(e) 成分 ポリオクテナマー
Degussa社製 VESTENAMER−8012 ポリトランスオクテナマー
(f) 有機過酸化物
日本油脂(株)製 パーヘキサ25B 2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン
無機充填剤
丸尾カルシウム(株)製 Super−sss 炭酸カルシウム
抗酸化剤
旭電化(株)製 アデカスタブPEP−36
チバスペシャリティーケミカルズ(株)製 イルガノックス1010
【0033】
上記各実施例および比較例によって得られたペレットを使用してシート状の試験片を射出成形によって作成した。各種評価に用いられた試験法は下記の通りである。
(1) 密度(g/cm3)
JIS−K−7112、試験片は2mm厚の射出成形シートから打ち抜いた。
(2) 硬度(point)
JIS−K−6253、Aタイプ。試験片は2mm厚の射出成形シートを3枚重ねて用いた。
(3) 引張強度(MPa)
JIS−K−6251、試験片は2mm厚の射出成形シートを3号ダンベル型に打ち抜いて使用した。引張速度は500mm/min 。
(4) 300%伸び応力(MPa)
JIS−K−6251、試験片は2mm厚の射出成形シートを3号ダンベル型に打ち抜いて使用した。引張速度は500mm/min 。
(5) 破断時伸び率(%)
JIS−K−6251、試験片は2mm厚の射出成形シートを3号ダンベル型に打ち抜いて使用した。引張速度は500mm/min 。
(6) 引裂強度(KN/m)
JIS−K−6252、試験片は2mm厚の射出成形シートを切込み無しアングル型に打ち抜いて使用した。
(7) 反撥弾性(%)
JIS−K−6255、試験片は12.5mm厚の試験片型を用いてプレス成形により調製した。
(8) 圧縮永久歪み(%)
JIS−K−6262、試験片は12.5mm厚の試験片型を用いてプレス成形により調製した。70℃×72時間、120℃×72hr、25%変形。
(9) 耐油浸漬試験(%)
JIS−K−6258、試験片は2mm厚の射出成形シートを3号ダンベル型に打ち抜いて使用した。IRM♯903油を使用し、50℃×22hr浸漬後の引張強度保持率、破断時伸び保持率、体積変化率を測定した。
(10)フローマークの有無
射出成形品中のフローマークの有無を確認した。(使用成形機:150t射出成形機(JSW社製)、成形機シリンダ設定温度:220℃、使用キャビティ:110×110×2mmシート)
○:フローマーク無し
×:フローマーク有り
××:はっきりとしたフローマークを確認
(11)ブツの有無
押出成形品表面の架橋したゴム粒子によるブツの有無を目視にて評価した。
○:ブツ無し
×:ブツ有り
××:ブツ多数
評価の結果を表3(実施例)、表4(比較例)に示す。
【0034】
【表3】
【0035】
【表4】
【0036】
表3および表4を参照すれば、本発明の架橋助剤ポリトランスオクテナマーを使用した実施例1〜10は、従来のモノマー架橋助剤であるジビニルベンゼンやトリエチレングリコールジメタクリレートを使用した比較例1,2に比べて引張強度、伸び率ともに優れており、また比較例1,2は伸び率300%に達せず、300%伸び応力を測定することは出来なかった。更に実施例1〜10ではフローマーク、ブツが共に認められなかったが、比較例1ではフローマーク、ブツが共に顕著に認められ、比較例2でもフローマーク、ブツが認められた。また水添ブロツク共重合体II、III が添加されていない比較例3はこれらを添加されている実施例(特に実施例2,5,6〜10)に比べて圧縮永久歪みが大きく、耐油性も実施例に比べて劣っている。更に架橋剤、架橋助剤が添加されていない比較例4は実施例に比べて圧縮永久歪みが大きくかつ耐油性は全くない。
【0037】
【発明の効果】
本発明では成形性、成形品の表面性、機械的強度、耐油性に優れ、かつ圧縮永久歪が小さく、優れたゴム的性質を有するエラストマー組成物が得られる。該エラストマー組成物は工業用品、家庭用電化製品、自動車用品、OA用品、住宅建築材料等の材料として有用である。
Claims (1)
- ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAの少なくとも2個と、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBの少なくとも1個とからなりA(−B−A)n(nは1〜5の整数である)で表されるブロック共重合体の水素添加物I100質量部と、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAと共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBと、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックCとをそれぞれ1個づつ含みA−B−Cで表されるブロック共重合体の水素添加物IIおよび/または上記重合体ブロックCの2個と、上記重合体ブロックBの1個からなりC−B−Cで表されるブロック共重合体の水素添加物III 5〜50質量部と、軟化剤30〜300質量部と、ポリオレフィン系樹脂1〜200質量部と、ポリオクテナマー0.1〜50質量部と、有機過酸化物0.1〜10質量部とからなり、該共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBは該ブロック共重合体が水素添加された後に非晶質ポリオレフィン系ゴム質重合体ブロックになり得る重合体ブロックであり、該共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックCは該ブロック共重合体が水素添加された後に過酸化物の存在下での加熱により架橋反応を起し得る結晶性ポリオレフィン系重合体になることが出来る共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックであることを特徴とするエラストマー組成物
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