JP4087050B2 - ヘッドレスト用トリムカバーの縫製方法 - Google Patents
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【産業上の利用分野】
本発明は自動車用シートに備えるヘッドレスト、詳しくはクッション体を一体発泡する穴開きヘッドレストにおけるトリムカバーの縫製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のヘッドレストのトリムカバーは、例えば、特許第2829903号公報に開示するように、ヘッドレストの正面側及び裏面側に、トリムカバーを構成する布地の接ぎハギが形成されている。
【0003】
従って、この接ぎハギによりヘッドレストの外観品質が損なわれる不具合があった。
【0004】
斯る不具合を解除するものとして、例えば、特開2000ー189291号公報に示すように、接ぎハギをヘッドレストの正面側に設けずに側面側に設けたものが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
これは穴開き部分を形成する筒状の穴開き形成部に、ヘッドレストの前面側又は裏面側を構成する布地を縫着して前面側と裏面側を構成する布地を一体に縫着する際に、布地を少なくとも2回裏返する必要がある。
【0006】
また、前面側の布地に下面側の布地が縫着されていないため、発泡液が外部に漏出する虞れもある。
【0007】
そのため、縫製作業の作業性が悪く、簡単に縫製できない不具合がある。
【0008】
そこで、本発明は、縫着個所をヘッドレストの前面及び裏面側に設けない穴開きトリムカバーにおいて、その縫製を簡単化することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成するための本発明は、下端縁を除く周囲に沿ってまちを有し中央に通孔を形成した表身頃と裏身頃と、この表身頃と裏身頃の両通孔に前後の両口端縁を縫着する筒状の穴開き形成部と、前記表身頃と裏身頃の下端縁に沿って周縁を縫着する下部まちとからなり、
前記穴開き形成部を表身頃、裏身頃に縫着後、表身頃と裏身頃の両上端縁の略中央を内側に重ね合わせて両身頃の一方の側端縁における下端まで、両身頃の一側端縁を合わせ縫いした後、前記両上端縁の略中央より内側に両身頃の他方の側端縁における下端まで、両身頃の他側端縁を一体に合わせ縫いし、次に、両身頃の両下端縁に沿って前記下部まちの周縁を縫着してなることを特徴とするものである。
【0010】
以上の如く穴開きトリムカバーを縫製するため、表身頃、裏身頃を裏返しすることなく、表身頃と裏身頃を縫着できるため、縫製作業を容易化できる。
【0011】
更に、前記下部まちにはヘッドレストのフレーム挿入用のスリットを設け、該スリット内から下部まちの周縁を前記両身頃の下端縁に沿って縫着してなることにより、縫目が外部に露出することなく下部まちを両身頃に縫着でき、その縫製作業も簡単になる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は穴開きヘッドレストの縫製前の状態を示し、図中(1)はヘッドレストの前面側を構成する表身頃、同(2)はヘッドレストの背面側を構成する裏身頃、(3)は同ヘッドレストの穴を形成する穴開き形成部、(4)は同ヘッドレストの底部を構成する下部まち部を各々示す。
【0013】
これら構成部材の素材は、布地にポリウレタンフィルムやウレタン発泡シートなどのクッション部材を裏打ちしたものなどの弾性を有するものを使用している。
【0014】
前記表身頃(1)と裏身頃(2)は略同一の大きさで、各々の下端縁(104)、(204)を除く周囲に沿ってまち(10)(20)を有し、中央には通孔(100A)(200A)が開孔されている。
【0015】
図中(101)(102)は表身頃(1)と裏身頃(2)の上端縁、(102)(202)は同右側端縁、(103)(203)は同左側端縁、(100)、(200)は通孔(100A)(200A)の孔縁を各々示す。
【0016】
穴開き形成部(3)は、表面を内側にした筒体で、図示するものは4枚の素材を縫い代(3A)…を外側にして縫製したものである。図中(31)は上部開口縁、(32)は下部開口縁を示す。なお、穴開き形成部(3)は、一枚の素材を筒状に巻回してその両端を縫着して形成したものでも良い。
【0017】
下部まち(4)は前部まち(4A)と後部まち(4B)からなり、その両者の長さ方向の両端は一体に縫着され、この両まち(4A)(4B)間にスリット(40)を形成している。
このスリット(40)の幅は、図8に示す略U字状に折曲するフレーム(5)の幅(W)と同一又はやや長く形成し、このスリット(40)からフレーム(5)が挿入できるように形成されている。図中(43)はヘッドレストを構成するクッション体形成用の発泡液注入孔を示す。
【0018】
図中(41)は、下部まち(4)における前記表身頃(1)の下端縁(104)に縫着される前端縁、同(42)は裏身頃(2)の下端縁(204)に縫着される後端縁を各々示す。
【0019】
まず、以上の穴開き形成部(3)の上部開口縁(31)に表身頃(1)の孔縁(100)、同下部開口縁(32)に裏身頃(2)の孔縁(200)を、各々両身頃(1)の表面が外側になるように、ミシン縫いする。
この状態を図2、図3に示す。
【0020】
然る後、図1、図2に示す表身頃(1)の上端縁(101)における中央部(101A)と、裏身頃(2)の上端縁(201)における中央部(201A)を各々内側に折り曲げて両身頃(1)(2)の一方の側端縁、例えば、図4に示すように、中央部(101A)(102A)から左右方向に順次、内側に折り曲げながら両身頃(1)(2)の右側端縁(102)(202)を合わせ縫いする。
【0021】
即ち、図示するものは、両身頃(1)(2)の上端縁(101)(201)における中央部(101A)(201A)から右端部(102B)(201B)、右端部(102B)(201B)から右下端部(102A)(202A)まで、縫い代が内側になるように重ねて内部からミシンで合わせ縫いする。
これにより、トリムカバーにおけるヘッドレストの右半分を構成する部分が筒状になる。
【0022】
次に、前記中央部(101A)(201A)から左端部(103B)、左端部(103B)から左下端部(103A)に渉って前記と同様にミシンで合わせ縫いすると、図5に示すように、下部が開放状の袋状トリムカバーが形成され、前記両身頃(1)(2)のまち(10)(20)は各々側面に位置する。
【0023】
その後、下部まち(4)の周囲を筒状に形成した両身頃(1)(2)の下端縁(104)(204)に縫い合わせる。
【0024】
この縫い合わせは、図6に示すように、まず初めに下部まち(4)の後端縁(42)を裏身頃(2)の下端縁(204)に沿って縫い代が内側になるように縫着した場合には、下部まち(4)の前端縁(41)を、前記スリット(40)内から前端縁(41)に重ね合わせた表身頃(1)の下端縁(104)をミシン縫いする。これにより、下部まち(4)全体の周囲が両身頃(1)(2)に一体に縫着される。
【0025】
この縫着された下部まち(4)は、図7に示すように、縫い代が内側になり、縫目も内側になるため、外部に露出することがない。
【0026】
以上の如く縫製されたトリムカバーは、下部まち(4)のスリット(40)より略U字状に折曲するフレーム(5)を挿入し、発泡液注入孔(43)より内部に発泡液を注入してクッション体(6)をトリムカバーと一体発泡すると、図8、図9に示すヘッドレストが得られる。
【0027】
そして、前記スリット(40)は下部まち(4)を構成する前部まち(4A)と後部まち(4B)のスリット(40)側の端縁より延設した折曲部(4A′)4B′)の反発弾性により完全に閉口され、内部に注入したクッション体(6)発泡成形用の発泡液が外部に露出することがない。
【0028】
【発明の効果】
本請求項1の発明によれば、筒状の穴開き形部を縫着した表身頃と裏身頃の周縁を一体に縫着する際に、両身頃を裏返して縫着する必要が全くないため、縫製作業の作業性を向上し得るし、ヘッドレストの前面又は背面側に接ぎ合わせ個所がなく、外観品質に優れたヘッドレストを提供できる。
【0029】
本請求項2の発明によれば、下部まちの周囲を両身頃の下端縁に沿って一体に、且つ縫い代を内側にして縫着できるので、クッション体発泡成形用の発泡液が外部に露出することがなく、また、外観品質に優れたトリムカバーを縫製できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】縫製前の状態を示す斜視図である。
【図2】図1の穴開き形成部を、表身頃と裏身頃に縫着した状態の斜視図である。
【図3】図2のIIIーIII線断面図である。
【図4】図2の状態から表身頃と裏身頃の一部を縫着した状態を示す斜視図である。
【図5】図4の状態から表身頃と裏身頃の他の部分を縫着した状態を示す斜視図である。
【図6】図5の状態より下部まちを縫着する状態を示す斜視図である。
【図7】本製法によって縫製したトリムカバーを示す斜視図である。
【図8】図7のトリムカバーを使用したヘッドレストを示す斜視図である。
【図9】図8のXーX線断面図である。
【符号の説明】
1 表身頃
2 裏身頃
3 穴開き形成部
4 下部まち
101 表身頃の上端縁
102 表身頃の側端縁
103 表身頃の側端縁
104 表身頃の上端縁
201 裏身頃の上端縁
202 裏身頃の側端縁
203 裏身頃の側端縁
204 裏身頃の下端縁
Claims (2)
- 下端縁を除く周囲に沿ってまちを有し中央に通孔を形成した表身頃と裏身頃と、この表身頃と裏身頃の両通孔に前後の両口端縁を縫着する筒状の穴開き形成部と、前記表身頃と裏身頃の下端縁に沿って周縁を縫着する下部まちとからなり、
前記穴開き形成部を表身頃、裏身頃に縫着後、表身頃と裏身頃の両上端縁の略中央を内側に重ね合わせて両身頃の一方の側端縁における下端まで、両身頃の一側端縁を合わせ縫いした後、前記両上端縁の略中央より内側に両身頃の他方の側端縁における下端まで、両身頃の他側端縁を一体に合わせ縫いし、次に、両身頃の両下端縁に沿って前記下部まちの周縁を縫着してなることを特徴とするヘッドレスト用トリムカバーの縫製方法。 - 前記下部まちにはヘッドレストのフレーム挿入用のスリットを設け、該スリット内から下部まちの周縁を前記両身頃の下端縁に沿って縫着してなるヘッドレスト用トリムカバーの縫製方法。
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