JP4086398B2 - 基板洗浄装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウエハや液晶表示器用のガラス基板、フォトマスク用のガラス基板、光ディスク用の基板などの基板に洗浄処理を施す基板洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の基板洗浄装置は、スピンチャックで基板を水平姿勢に保持して鉛直方向の軸芯周りで回転させながら、その基板の洗浄面を洗浄ブラシなどの洗浄具で洗浄するように構成されている。
【0003】
ここで、例えば、真空吸着式のスピンチャックの場合、基板の一方側の面(通常は下面)の中央部に密着される吸着面を有するベース部材を備えており、また、メカニカル式のスピンチャックの場合は、基板の周縁部を保持する保持部材を有し、支持するための基板の一方側の面(通常は下面)に近接配置されるベース部材を備えている。
【0004】
このスピンチャックのベース部材は、基板の洗浄面を洗浄ブラシなどの洗浄具で洗浄する上で邪魔になるので、スピンチャックに保持された基板の面のうち、ベース部材に向く側の面(通常は下面)の洗浄を行うことができなかった。そのため、従来の基板洗浄装置は、スピンチャックに保持された基板の面のうち、ベース部材に向く側の面と反対側の面(通常は上面)のみを洗浄面とした洗浄を行うように構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
例えば、基板の表面と裏面の両面を洗浄する場合、従来は、基板の表面を上にしてスピンチャックに保持して基板の表面を洗浄する基板洗浄装置(表面洗浄装置)と、基板の裏面を上にしてスピンチャックに保持して基板の裏面を洗浄する基板洗浄装置(裏面洗浄装置)と、上を向く基板の面を表面と裏面とで反転させる基板反転装置とが必要になる。
【0006】
そして、まず、一方の基板洗浄装置、例えば、裏面洗浄装置で基板の裏面を洗浄し、裏面の洗浄を終えると、裏面洗浄装置から基板反転装置に基板を搬送し、基板反転装置で上を向く基板の面を裏面から表面に反転させた後、基板反転装置から表面洗浄装置に基板を搬送し、基板の表面を洗浄する工程が必要になる。
【0007】
すなわち、従来は、基板の表裏両面を洗浄する際に必要な装置数が多くなり、それに応じて装置の設置面積(フットプリント)が大きくなるとともに、基板の表裏両面の洗浄に要する時間が長くなり、スループットが低下するという問題がある。
【0008】
また、例えば、表面を上に向けた状態で多数の基板が水平姿勢で収容されたカセットから基板を取り出し、基板の表裏両面を洗浄した後、表面を上に向けた状態で再びカセットに戻す場合には、さらに、裏面洗浄装置で行う基板の裏面洗浄の前にも基板の面を表面から裏面に反転させる必要があり、スループットの一層の低下を招くことになる。しかも、上を向く基板の面を表面から裏面に反転させる基板反転装置と、上を向く基板の面を裏面から表面に反転させる基板反転装置とを個別に備える場合には、フットプリントの一層の増大を招くことになる。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、装置のフットプリントを小さくし、スループットを向上させて基板の表裏両面の洗浄が可能な基板洗浄装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる
【0011】
(削除)
【0012】
請求項に記載の発明は、基板に洗浄処理を施す基板洗浄装置であって、ベース部材に設けられた保持部材によって前記ベース部材と基板とが離間された状態で基板の周縁部を保持する基板保持手段と、前記ベース部材に連結された中空状の回転軸を介して前記基板保持手段を回転させる回転駆動手段と、前記保持部材に保持された基板の面のうち、前記ベース部材に向く側の面(以下、この面を「第1洗浄面」と言う)を洗浄するための第1洗浄具と、前記保持部材に保持された基板と前記ベース部材との間に前記第1洗浄具を配置させて、前記第1洗浄面に沿って前記第1洗浄具を移動可能に支持する第1洗浄具支持手段と、前記ベース部材を挟んで、前記保持部材に保持された基板が配置される空間と反対側の空間に配設され、前記第1洗浄面に沿って前記第1洗浄具の往復移動を駆動する移動駆動手段と、前記回転軸内に同芯状で配設され、前記回転軸内の中空部を介して前記移動駆動手段による移動動力を伝達する第1の伝達軸を備えた移動動力伝達手段とを備えるとともに、前記第1洗浄具は、洗浄ブラシであって、前記洗浄ブラシを回転させるブラシ回転手段を備え、前記ブラシ回転手段は、前記ベース部材を挟んで、前記保持部材に保持された基板が配置される空間と反対側の空間に配設され、前記洗浄ブラシを回転駆動するブラシ回転駆動手段と、前記回転軸内の中空部を介して前記ブラシ回転駆動手段による回転動力を伝達する回転動力伝達手段と、を備えたことを特徴とするものである。
【0013】
(削除)
【0014】
(削除)
【0015】
(削除)
【0016】
請求項に記載の発明は、請求項1に記載の基板洗浄装置において、前記保持部材に保持された基板の面のうち、前記第1洗浄面と反対側の面を洗浄するための第2洗浄具をさらに備えたことを特徴とするものである。
【0017】
請求項に記載の発明は、請求項に記載の基板洗浄装置において、前記第2洗浄具が洗浄ブラシであることを特徴とするものである。
【0018】
請求項に記載の発明は、請求項に記載の基板洗浄装置において、前記第1洗浄具と前記第2洗浄具とが同じ移動軌跡に沿って、同じ移動開始位置から同じ移動速度で移動されることを特徴とするものである。
【0019】
【作用】
請求項1に記載の発明の作用は次のとおりである。
基板保持手段を構成するベース部材に設けられた保持部材によってベース部材と基板とが離間された状態で基板の周縁部が保持される。保持部材に保持された基板の面のうち、ベース部材に向く側の第1洗浄面を洗浄するための第1洗浄具は、第1洗浄具支持手段によって、保持部材に保持された基板とベース部材との間に第1洗浄面に沿って移動可能に配置支持される。
【0020】
そして、回転駆動手段によってベース部材に連結された中空状の回転軸を介して基板保持手段及びそれに保持された基板を回転させながら、移動駆動手段による移動動力によって、第1洗浄面に沿って第1洗浄具を往復移動させ、第1洗浄具により基板の第1洗浄面を洗浄する。
【0021】
また、移動駆動手段は、ベース部材を挟んで、保持部材に保持された基板が配置される空間と反対側の空間に配設され、移動駆動手段による往復移動動力は、回転軸内に同芯状で配設され、第1の伝達軸を備えた移動動力伝達手段によって回転軸内の中空部を介して伝達される。
【0022】
(削除)
【0023】
さらに、洗浄ブラシを回転駆動するブラシ回転駆動手段が、ベース部材を挟んで、保持部材に保持された基板が配置される空間と反対側の空間に配設され、ブラシ回転駆動手段による回転動力は回転動力伝達手段によって回転軸内の中空部を介して伝達される。
【0024】
(削除)
【0025】
(削除)
【0026】
(削除)
【0027】
請求項に記載の発明によれば、保持部材に保持された基板の第1洗浄面が第1洗浄具で洗浄されるとともに、保持部材に保持された基板の第1洗浄面と反対側の面が第2洗浄具で洗浄される。
【0028】
請求項に記載の発明によれば、保持部材に保持された基板の第1洗浄面と反対側の面を洗浄ブラシで洗浄する。
【0029】
請求項に記載の発明によれば、第1洗浄具と第2洗浄具とが同じ移動軌跡に沿って、同じ移動開始位置から同じ移動速度で移動されるので、基板のたわみを抑制でき、各洗浄具の押込み量を基板全面にわたって均一化できる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の一実施例に係る基板洗浄装置の全体的な構成を示す縦断面図であり、図2はその平面図、図3は第1洗浄具支持アーム内の拡大縦断面図、図4は保持部材による基板の保持とその解除との切り替えの原理を説明するための図である。
【0031】
基板Wを保持する基板保持手段に相当する基板保持機構1は、円板状のベース部材2と、このベース部材2の周縁に沿って等間隔に立設された複数(例えば、図2に示すように6つ)の保持機構3とが備えられている。なお、図1では、図面が煩雑になるのを避けるために、保持機構3を2つだけ描いている。
【0032】
各保持機構3は、鉛直方向の軸芯H周りに回転可能にベース部材2に立設された支軸4の上端部に保持用磁石5と保持部材6とを設けて構成されている。各保持部材6は、基板Wの周縁部を載置支持する支持部7と支持部7に支持された基板Wの外周端縁を押圧付勢して保持する保持部8とを備えている。このような構成により、保持部材6によってベース部材2と基板Wとの間に洗浄ブラシなどを配設するのに十分な空間が形成されるようにベース部材2と基板Wとが離間された状態で基板Wの周縁部が保持される。なお、保持部材6(保持部8)による基板Wの保持とその解除の切替えは後で詳述するように保持用磁石5の変動によって実現される。
【0033】
ベース部材2には、回転可能に立設された中空状の回転軸9が連結されている。この回転軸9は、ベルト伝動機構10によって回転駆動手段に相当する回転モーター11に連動連結されている。回転モーター11を回転駆動させることにより、回転軸9を介して基板保持機構1及びそれによって水平姿勢に保持された基板Wが鉛直方向の軸芯J周りで回転されるように構成されている。
【0034】
回転軸9の中空部には、回転可能に立設された中空状の第1の伝達軸12、回転可能に立設された中空状の第2の伝達軸13、供給管14がその順に、互いに干渉せずに各軸9、12、13が軸芯J周りで独立して回転できるように、同芯状に設けられている。
【0035】
回転軸9の内側に遊挿された第1の伝達軸12は、ベルト伝動機構15によって移動駆動手段に相当する回転モーター16に連動連結され、回転モーター16を回転駆動させることにより、軸芯J周りで回転されるように構成されている。
【0036】
第1の伝達軸12の内側に遊挿された第2の伝達軸13は、ベルト伝動機構17によってブラシ回転駆動手段に相当する回転モーター18に連動連結され、回転モーター18を回転駆動させることにより、軸芯J周りで回転されるように構成されている。
【0037】
なお、各回転モーター11、16、18は、例えば、電動モーターやエアモーターなどで構成されている。
【0038】
第2の伝達軸13の内側に遊挿された供給管14及びその上端部に設けられたノズル支持部19には、不活性ガス(窒素ガスなど)などの気体と、薬液や純水などの洗浄液を供給する図示しない供給路が形成されていて、図示しない気体供給源や薬液供給源、純水供給源から、ノズル支持部19に配設された気体供給ノズル20a、薬液供給ノズル20b、純水供給ノズル20cへ気体、薬液、純水を個別に供給できるようになっている。各ノズル20a、20b、20cは、保持部材6に保持された基板Wの面のうち、ベース部材2に向く側の面である第1洗浄面WF1(本実施例では下面)の回転中心付近に向けて気体、薬液、純水を噴出供給するように構成されている。
【0039】
保持部材6に保持された基板Wとベース部材2との間には、保持部材6に保持された基板Wの第1洗浄面WF1を洗浄するための第1洗浄具に相当する、基板Wの裏面洗浄用の、例えばナイロンブラシなどの第1洗浄ブラシ21が、保持部材6に保持された基板Wの第1洗浄面WF1に接触する程度の高さ位置に配置されている。この第1洗浄ブラシ21は、第1洗浄具支持手段に相当する第1洗浄具支持アーム22によって、第1洗浄面WF1に沿って移動可能に支持されている。
【0040】
第1洗浄具支持アーム22は、先端部に第1洗浄ブラシ21を支持する第1アームセグメント22aと、基端部側が第1の伝達軸12の上端部に一体回転可能に連結支持された第2アームセグメント22bとを備えている。第1アームセグメント22aは、その基端部が、第2アームセグメント22bの先端部に回動可能に連結されている。
【0041】
図3に示すように、第1洗浄具支持アーム22内には、第1の動力伝達機構23と第2の動力伝達機構24とが設けられている。
【0042】
第1の動力伝達機構23は、第2アームセグメント22b内の基端部側に第2の伝達軸13を遊挿させた状態で第2アームセグメント22bに固定されたプーリ30と、第1アームセグメント22aの基端部に垂設固定された回動支軸31と、回動支軸31の下端に固定されたプーリ32と、プーリ30、32との間に架け渡されたタイミングベルト33とを備えている。
【0043】
そして、第1の伝達軸12の回転によって、平面視で、第2のアームセグメント22bが軸芯Jを支点に所定方向(例えば、反時計周り)に所定角度(θとする)揺動されると、第1のアームセグメント22aが回動支軸31の回動軸芯Kを支点にその反対方向(時計周り)に2倍の角度(θ×2)揺動されるように、プーリ30、32の径やタイミングベルト33の架け渡しなどが設計されている。
【0044】
また、第1洗浄ブラシ21の中心軸Q1と軸芯Kとの間の長さ(第1アームセグメント22aの有効長)と、軸芯Kと軸芯Jとの間の長さ(第2アームセグメント22bの有効長)とを同じ長さLに設定している。
【0045】
これにより、第1、第2アームセグメント22a、22bを屈伸させながら、図2の軌跡Cに示すように、第1洗浄ブラシ21を第1洗浄面WF1に沿って水平1軸方向(図1、図2のX方向)に直線状に移動させることができる。なお、第1アームセグメント22aと第2アームセグメント22bとが一直線状に延びた状態で、第1洗浄ブラシ21が保持機構3の外側の待機位置(図1、図2の二点鎖線で示す位置)に配置できるように、第1、第2アームセグメント22a、22bの有効長Lが決められている。
【0046】
上記第1の動力伝達機構23と第1の伝達軸12とベルト伝動機構15は、本発明における移動動力伝達手段に相当し、ベース部材2を挟んで、保持部材6に保持された基板Wが配置される空間と反対側の空間に配設された回転モーター16による第1洗浄ブラシ21の移動動力を回転軸9の中空部を介して伝達するように構成されている。
【0047】
第2の動力伝達機構24は、第2アームセグメント22b内の基端部側に供給管14を遊挿させた状態で第2の伝達軸13の上端部に一体回転可能に連結支持されたプーリ40と、第2アームセグメント22b内の先端部側に回動支軸31を遊挿させた状態で回動可能に支持されたプーリ41と、プーリ40、41の間に架け渡されたタイミングベルト42と、第1アームセグメント22a内の基端部側に回動支軸31を遊挿させた状態で回動可能に支持されたプーリ43と、回動支軸31を遊挿させた状態でプーリ41、43を一体回転可能に連結する中空状の連結軸44と、第1アームセグメント22a内の先端部側に回動軸芯を第1洗浄ブラシ21の中心軸Q1と一致させた状態で回動可能に支持されたプーリ45と、プーリ43、45の間に架け渡されたタイミングベルト46と、プーリ45と第1洗浄ブラシ21とを連結する連結部47とを備えている。
【0048】
そして、第2の伝達軸13を回転させることにより、タイミングベルト42、連結軸44、タイミングベルト46を介してプーリ40、41、43、45が回転され、連結部47を介して、第1洗浄ブラシ21が中心軸Q1周りで回転されるようになっている。
【0049】
この第2の動力伝達機構24と第2の伝達軸13とベルト伝動機構17は、本発明における回転動力伝達手段に相当し、ベース部材2を挟んで、保持部材6に保持された基板Wが配置される空間と反対側の空間に配設された回転モーター18による第1洗浄ブラシ21の回転動力を回転軸9の中空部を介して伝達するように構成されている。
【0050】
基板保持機構1及びそれに保持された基板Wの周囲には、カップ50が配置されている。このカップ50は、固定された下カップ51と、エアシリンダなどのアクチュエーター52によって昇降可能に構成された上カップ53とに分離されている。
【0051】
上カップ53には、円環状の操作磁石54と円環状の補助操作磁石55とが高さ位置を違えて設けられている。上カップ53を昇降させて、保持用磁石5に対する各操作磁石54、55の配置関係を変更し、その配置関係に応じた各操作磁石54、55からの磁力の保持用磁石5への作用によって、保持部材6(保持部8)による基板Wの保持とその解除とが切替えられるようになっている。この原理を図4を参照して説明する。
【0052】
保持部8は、軸芯Hに対して偏芯して支持部7上に設けられている。そして、軸芯H周りで保持部材6が回転されて、軸芯Hからの距離が長い側の側面(保持側側面)8aが内側(軸芯J側)を向いたとき、保持部8が基板Wの外周端縁を押圧付勢して基板Wを保持し(図4(b))、一方、軸芯Hからの距離が短い側の側面(解除側側面)8bが内側(軸芯J側)を向いたとき、保持部8による基板Wの保持が解除されるようになっている(図4(c))。
【0053】
保持用磁石5は、例えば、棒状の永久磁石で構成され、保持側側面8aがN極になるように配置されている。保持用磁石5と保持部材6とは、支軸4によって軸芯H周りに一体的に回動されるようになっている。
【0054】
一方、操作磁石54及び補助操作磁石55は、円環状の永久磁石や、環状に配設された電磁石などで構成され、操作磁石54は内側(軸芯J側)がN極になるように配置され、補助操作磁石55は内側(軸芯J側)がS極になるように配置されている。
【0055】
以上の構成により、図1に示すように、上カップ53が上昇され、図1、図4(b)に示すように、操作磁石54が保持用磁石5の側方に位置したとき、保持用磁石5が操作磁石54から大きな磁力の作用を受けることになる。従って、図4(b)に示す状態では、操作磁石54のN極に保持用磁石のS極は引き寄せられるように支軸4、保持用磁石5、保持部材6が軸芯H周りで回転し、保持用磁石5のN極側の保持側側面8aが操作磁石54と反対側の軸芯J側に向けられ、基板Wが保持される。
【0056】
また、上カップ53が下降されると、図4(c)に示すように、操作磁石54が保持用磁石5より下方の高さ位置に位置されるとともに、補助操作磁石55が保持用磁石5の側方に位置される。このとき、操作磁石54の磁力線は矢印Mに示すようにN極から軸芯J方向に向かって進んだ後、向きを変えて保持用磁石5の位置で略軸芯から上カップ54に向かって進むことになる。従って、図4(c)に示す状態では、図4(b)に示す状態とは逆に、保持用磁石5のS極が軸芯J側を向くようになる。さらに、この実施例では、補助操作磁石55が保持用磁石5に対してS極を向けて配置されているので、保持用磁石5のS極が軸芯J側を向くように一層強い力を受けることになる。これにより、支軸4、保持用磁石5、保持部材6は、保持用磁石5のS極が軸芯J側に向くように、軸芯H周りで確実に回転し、保持用磁石5のS極側の解除側側面8bが軸芯J側に向けられ、基板Wの保持が解除される。
【0057】
以上のように、上カップ53を昇降させることで、基板Wの保持とその解除とが切り替えられる。
【0058】
なお、以上の説明から明らかなように、補助操作磁石55は、基板Wの保持の解除をより確実に行うために設けているので、操作磁石54だけで基板Wの保持とその解除が確実に行えるときには、補助操作磁石55を省略してもよい。
【0059】
図2に示すように、カップ50の側方には、第1洗浄ブラシ21を洗浄するための洗浄液を供給する洗浄液供給ノズル60を支持する支持アーム61が配設されている。支持アーム61は、駆動機構62により昇降可能で、かつ、鉛直方向の軸芯Sを支点として揺動可能に構成されている。これにより、洗浄液供給ノズル60を、上カップ50を乗り越え、図2の矢印Rに示すように移動させて、カップ50の内側であって、保持機構3の外側の待機位置で待機している第1洗浄ブラシ21の上方に移動させ、待機中の第1洗浄ブラシ21を洗浄液で洗浄することができるようになっている。
【0060】
以上の構成で、保持部材6に保持された基板Wの面のうち、ベース部材2に向く側の第1洗浄面WF1を第1洗浄ブラシ21で洗浄することができるが、本実施例では、さらに、保持部材6に保持された基板Wの面のうち、ベース部材2に向く側の第1洗浄面WF1と反対側の面(本実施例では上面であり、以下、この面を第2洗浄面と言う)WF2を洗浄するための第2洗浄面洗浄機構100も備えている。
【0061】
この第2洗浄面洗浄機構100は以下のように構成されている。
まず、保持部材6に保持された基板Wの第2洗浄面WF2を洗浄するための第2洗浄具に相当する、基板Wの表面洗浄用の、例えば、PVAブラシなどの第2洗浄ブラシ101を備えている。
【0062】
この第2洗浄ブラシ101は、支持部102を介して第2洗浄具支持アーム103に支持されている。支持部102内には、回転モーター104が設けられ、第2洗浄ブラシ101をその中心Q2周りで回転可能に構成されている。
【0063】
また、第2洗浄具支持アーム103内には、コンベアなどの1軸方向移動機構105が設けられている。この1軸方向駆動機構105により、支持部102とともに第2洗浄ブラシ101を、保持部材6に保持された基板Wの第2洗浄面WF2に沿って、水平1軸方向(図1、図2のX方向)に直線状に移動させることができるように構成されている。
【0064】
第2洗浄具支持アーム103は、駆動機構106により、昇降可能で、かつ、図2のY方向に移動可能に構成されている。これにより、第2洗浄ブラシ101を、上カップ53を乗り越えて、カップ50の外側の待機位置と保持部材6に保持された基板Wを洗浄する位置との間で移動させることができるようになっている。
【0065】
第2洗浄ブラシ101の待機位置には、待機ポット107が設けられ、待機中の第2洗浄ブラシ101を洗浄できるように構成されている。
【0066】
また、カップ50の外側には、保持部材6に保持された基板Wの第2洗浄面WF2の回転中心付近に向けて、不活性ガス(窒素ガスなど)などの気体、薬液、純水を噴出供給する気体供給ノズル108a、薬液供給ノズル108b、純水供給ノズル108cも配設されている。
【0067】
次に、上記構成を有する実施例装置の動作を説明する。
基板Wに対する洗浄処理を行っていない非処理中は、第1洗浄ブラシ21は、カップ50の内側であって、保持機構3の外側の待機位置に位置されるとともに、洗浄液供給部ノズル60が、その第1洗浄ブラシ21の上方に位置され、洗浄液供給部ノズル60から供給される洗浄液で第1洗浄ブラシ21が洗浄されている。また、第2洗浄ブラシ101は、待機ポット107内に収容されて洗浄されている。なお、本実施例では、基板保持機構1を所定の位置で回転を停止させるための、周知の回転制御機構(図示せず)を備えていて、常に、保持機構3が図2に示す位置関係で基板保持機構1の回転が停止されるようになっており、保持機構3と干渉せずに第1洗浄ブラシ21を保持機構3の外側と内側との間で移動させられるようになっている。
【0068】
基板Wに対する洗浄処理を行うときには、洗浄液供給ノズル60をカップ50の外側に退避させ、第1洗浄ブラシ21を保持機構3の内側の所定位置に移動させる。この所定位置は、例えば、第1洗浄ブラシ21の中心軸Q1が軸芯Jに一致する位置とする。そして、上カップ53を下降させて、各保持部材6を上カップ53の上方に突出させる。この状態で、図示しない基板搬送装置によって洗浄処理前の基板Wが搬入されて、基板Wの周縁部が各保持部材6の支持部7に載置され、表面を上に向けた状態で各保持部材6に基板Wが受け渡される。
【0069】
基板Wの受渡しを終えて、基板搬送装置が退避すると、上カップ53を上昇させる。これにより、上述したように基板Wは、各保持部材6によって保持される(図1、図4(b)参照)。
【0070】
次に、第2洗浄ブラシ101を待機ポット107から引き上げて、保持部材6に保持された基板Wの第2洗浄面WF2上の所定位置に移動させる。この所定位置は、例えば、第2洗浄ブラシ101の中心軸Q2が軸芯Jに一致する位置とする。
【0071】
そして、回転モーター11を回転駆動して、回転軸9を介して基板保持機構1及びそれに保持された基板Wを軸芯J周りで回転させ、各ノズル20a、20b、20c、108a、108b、108cから予め決められた手順に従って、洗浄液(薬液、純水)や気体を基板Wの表裏両面に供給しながら、第1洗浄ブラシ21を第1洗浄面WF1に接触させた状態で第1洗浄面WF1に沿って第1洗浄面WF1の中心と周縁部との間を往復移動させるとともに、第2洗浄ブラシ101を第2洗浄面WF2に接触させた状態で第2洗浄面WF2に沿って第2洗浄面WF2の中心と周縁部との間を往復移動させて、基板Wの表裏両面を同時に洗浄する。この際、第1洗浄ブラシ21または/および第2洗浄ブラシ101を、Q1、Q2周りに回転させるようにしてもよい。
【0072】
なお、第1、第2洗浄面WF1、WF2の回転中心付近に供給された洗浄液は、遠心力によって第1、第2洗浄面WF1、WF2の全面にひろげられる。このとき、第1、第2洗浄面WF1、WF2の回転中心は周速が「0」であるので、そこに洗浄液が残留し易くなるが、気体供給ノズル20a、108aから噴出された気体により、第1、第2洗浄面WF1、WF2の回転中心に残留する洗浄液が周囲に吹き飛ばされ、第1、第2洗浄面WF1、WF2の回転中心に洗浄液が残留するのを防止することができる。
【0073】
また、上記洗浄において、第1、第2洗浄ブラシ21、101の中心Q1、Q2が同じ移動軌跡(図2に示す軌跡C)に沿って移動させるようにするとともに、第1、第2洗浄ブラシ21、101を同じ移動開始位置(第1、第2洗浄ブラシ21、101の中心Q1、Q2が軸芯Jと一致する位置)から同じ移動速度で移動させて、基板Wを挟んで第1、第2洗浄ブラシ21、101が対向した状態を常時維持しつつ、第1、第2洗浄ブラシ21、101を移動させるようにしてもよい。このように第1、第2洗浄ブラシ21、101を移動させることにより、基板Wのたわみを抑制でき、各洗浄ブラシ21、101の基板Wに対する押込み量を基板全面にわたって均一化でき、基板表面、裏面ともその全面にわたって均一に洗浄することができる。
【0074】
基板Wへの洗浄を終えるときには、第1、第2洗浄ブラシ21、101の中心Q1、Q2が基板Wの周縁に一致する位置で第1、第2洗浄ブラシ21、101の移動を停止させ、ノズル20a、20b、20c、108a、108b、108cからの洗浄液や気体の供給を停止し、基板保持機構1(基板W)の回転を停止させる。そして、第2洗浄ブラシ101を待機ポット107に戻す。
【0075】
その後、上カップ53を下降させる。これによって、上述したように、保持部材6による基板Wの保持が解除される(図4(c)参照)。そして、基板搬送装置によって、洗浄処理済の基板Wが、保持部材6から受け取られ、装置の外へ搬出される。
【0076】
以上のように本実施例によれば、基板Wの表裏両面の洗浄を1つの装置で行うことができるので、基板Wの表裏両面を洗浄する際に従来必要であった基板反転装置を必要とせず、また、従来、表面洗浄装置と裏面洗浄装置の2つの装置で行っていた基板Wの表裏両面の洗浄を1つの装置だけで行うことができ、基板Wの表裏両面を洗浄するために必要な装置数を大幅に削減することができ、フットプリントを極めて小さくすることができる。また、本実施例によれば、基板Wの表裏両面の洗浄を同時に行うこともできるので、基板Wの表面と裏面とを反転する工程を省略できるとともに、2回に分けて片面ずつ洗浄していた工程をまとめて行うことができ、さらに、複数の装置への基板の搬送も省略することもできるので、基板Wの表裏両面を洗浄する処理時間を大幅に短縮することができ、スループットを大幅に向上させることができる。
【0077】
さらに、本実施例によれば、基板Wの表裏両面に対して、各面に適した洗浄ブラシで同時に洗浄することもできる。
【0078】
また、本実施例によれば、第1洗浄面WF1に沿った第1洗浄ブラシ21の移動を駆動する回転モーター16を、ベース部材2を挟んで、保持部材6に保持された基板Wが配置される空間と反対側の空間に配設し、回転モーター16による移動動力をベルト伝動機構15、第1の伝達軸12、第1の動力伝達機構23によって回転軸9内の中空部を介して伝達するように構成したので、保持部材6に保持された基板Wとベース部材2との間の空間に配置する部材を削減でき、その空間が煩雑になることを避けることができるとともに、パーティクルの発生源となる回転モーター16を被洗浄基板Wから遠ざけることができ、基板Wの汚染を防止することもできる。
【0079】
さらに、本実施例によれば、回転モーター11による基板保持機構1の回転を、基板保持機構1を構成するベース部材2に連結された回転軸9を介して行うように構成したので、パーティクルの発生源となる回転モーター11を被洗浄基板Wから遠ざけることができ、基板Wの一層の汚染防止を図ることもできる。
【0080】
また、本実施例によれば、第1洗浄ブラシ21を回転駆動する回転モーター18を、ベース部材2を挟んで、保持部材6に保持された基板Wが配置される空間と反対側の空間に配設し、回転モーター18による回転動力をベルト伝動機構17、第2の伝達軸13、第2の動力伝達機構24によって回転軸9内の中空部を介して伝達するように構成したので、保持部材6に保持された基板Wとベース部材2との間の空間が煩雑になることを避けることができ、パーティクルの発生源となる回転モーター18を被洗浄基板Wから遠ざけて、基板Wのさらなる汚染防止を図ることもできる。
【0081】
さらに、本実施例によれば、第1、第2洗浄ブラシ21、101を回転可能に構成したので、第1、第2洗浄面WF1、WF2の洗浄を第1、第2洗浄ブラシ21、101を回転させながら行うこともでき、第1、第2洗浄面WF1、WF2に対する多様で高精度な洗浄を行うことができる。
【0082】
なお、上記実施例では、基板Wの表面を上に向けた状態で保持して洗浄するように構成したが、第1洗浄ブラシ21を基板Wの表面洗浄用の洗浄ブラシで構成し、第2洗浄ブラシ101を基板Wの裏面洗浄用の洗浄ブラシで構成すれば、基板Wの裏面を上に向けた状態で保持して洗浄することも可能である。
【0083】
また、ノズル20a〜20c、108a〜108cの本数や供給流体の種類は適宜に変更してもよい。
【0084】
さらに、上記実施例では、第1洗浄ブラシ21を回転駆動する回転モーター18を、ベース部材2を挟んで、保持部材6に保持された基板Wが配置される空間と反対側の空間に配設し、回転モーター18による回転動力を回転軸9内の中空部を介して伝達するように構成したが、例えば、この回転モーター18を第1洗浄具支持アーム22内に設け、ベルト伝動機構などによって回転動力を伝達するように構成してもよい。
【0085】
また、上記実施例では、第1洗浄具支持アーム22を多関節型のアーム22a、2bで構成して、この多関節型のアーム22a、22bを屈伸させることで、第1洗浄ブラシ21を第1洗浄面WF1に沿って移動させるように構成したが、例えば、図5、図6に示すような機構で第1洗浄ブラシ21を移動させることも可能である。
【0086】
図5(a)は、第1洗浄具支持アーム22内に、第1の伝達軸12と回転可能に連結された主動プーリ70と、従動プーリ71と、これらプーリ70、71との間に架け渡されたコンベア72とを備え、連結部47を介して、コンベア72と第1洗浄ブラシ21とを連結し、第1の伝達軸12を軸芯J周りに回転させることで、第1洗浄ブラシ21を水平1軸方向に移動させるように構成している。
【0087】
図5(b)は、第1の伝達軸12の上端部にウォームギア80を取り付けるとともに、第1洗浄具支持アーム22内に、ウォームギア80に歯合するネジ軸81を水平方向に配設し、それと平行にガイド軸82を配設している。また、第1洗浄ブラシ21を支持する連結部47に設けたナット83をネジ軸81に螺合させ、連結部47に設けたガイド部84をガイド軸82に摺動可能に挿通させている。そして、第1の伝達軸12を軸芯J周りに回転させることで、ウォームギア80によって鉛直方向の軸芯J周りの回転が水平方向の軸芯周りの回転に変換されてネジ軸81が回転され、第1洗浄ブラシ21を水平1軸方向に移動させるように構成している。
【0088】
図6は、第1洗浄具支持アーム22を、ベースアーム22cと、ベースアーム22cの先端部に回動軸芯90を介して揺動アーム22dの基端部を連結し、軸芯Jから外れた鉛直方向の軸芯Pを支点として、先端部に第1洗浄ブラシ21を支持した揺動アーム22dを揺動させるように構成している。ベースアーム22c内には、第1の伝達軸12の回転を回動支軸90に伝達するベルト伝動機構91が設けられている。これにより、第1の伝達軸12を軸芯J周りに回転させると、軸芯P周りで揺動アーム22dが揺動され、図6(b)の矢印Fに示すように第1洗浄ブラシ21を第1洗浄面WF1に沿って(第1洗浄面WF1の中心と周辺部との間を)円弧状に移動させることができる。
【0089】
その他の機構で第1洗浄ブラシ21を移動させることも可能である。
【0090】
また、第2洗浄ブラシ101も上記実施例で示した構成以外で第2洗浄面WF2に沿って移動させることが可能である。
【0091】
例えば、駆動機構106による第2洗浄具支持アーム103のY方向の水平移動を利用して、第2洗浄ブラシ101を第2洗浄面WF2に沿ってY方向に移動させることも可能である。この構成によれば、1軸方向駆動機構105を省略することができる。
【0092】
また、第2洗浄具支持アーム103を、昇降可能で、かつ、カップ50の外側の位置における鉛直方向の軸芯周りで基端部を回動させて、その軸芯周りで揺動可能に構成し、その第2洗浄具支持アーム103の先端部に第2洗浄ブラシ101を支持させれば、第2洗浄具支持アーム103の揺動により第2洗浄ブラシ101を第2洗浄面WF2に沿って(第2洗浄面WF2の中心と周辺部との間を)円弧状に移動させることもできる。
【0093】
また、上記実施例では、回転モーター11の回転動力をベルト伝動機構10によって伝達するように構成したが、例えば、図7に示すような回転モーター160によって回転軸9を回転させるように構成してもよい。この回転モーター160は、円環状のステーター161の内側に、ステーター161に対して回転可能な円環状の回転子162を同芯状に配設している。そして、回転子162の中心の中空部内に回転軸9を挿入して、回転子102と回転軸9とを一体回転可能に連結している。これにより、ベルト伝動機構を用いずに、回転モーター160の回転動力を回転軸9に直接伝達することができる。
【0094】
また、同様の構成により、第1の伝達軸12や第2の伝達軸13を回転させるように構成してもよい。
【0095】
また、上記実施例では、カップ50を下カップ51と上カップ53とに分けて、上カップ53だけを昇降可能に構成したが、例えば、図8に示すように、カップ50を一体もので構成し、このカップ50全体を昇降させるように構成してもよい。
【0096】
また、図1や図8などにおいて、カップ50(上カップ53)側を固定し、基板保持機構1側を昇降させるように構成してもよい。
【0097】
また、例えば、カップ50全体と基板保持機構1とを相対的に昇降可能に構成した場合、例えば、図8に示すように、保持機構3の支軸4をベース部材2に回転可能に貫通させ、ベース部材2の下方に保持用磁石5を設け、操作磁石54を保持用磁石5よりも軸芯J側に配置させてもよい。
【0098】
図8の構成では、保持用磁石5の極性を上記実施例と逆(保持部8の保持側側面8a側をS極する)にし、操作磁石54に極性を軸芯J側をS極とすれば、カップ50全体と基板保持機構1とを相対的に昇降させることで、保持部材6がカップ50の上方に突出されたとき、基板Wの保持を解除し、基板保持機構1がカップ50の中に収容されたとき、基板Wを保持させることができる。
【0099】
また、上記構成において、カップ50全体と基板保持機構1とを相対的に昇降させて、保持部材6がカップ50の上方に突出されたときに、保持用磁石5の側方に位置されるように補助操作磁石55を設けてもよい。この場合の補助操作磁石55の極性は、軸芯J側をN極とすればよい。
【0100】
また、上記実施例では、磁力を利用して保持部材6による基板Wの保持と解除を切り替えるように構成したが、その他の機構により保持部材6による基板Wの保持と解除を切り替えるように構成してもよい。
【0101】
また、上記実施例では、6つの保持機構3(保持部材6)を備えているが、保持部材の個数はそれに限定されず、3個以上の保持部材6を備えていれば基板Wを保持することができる。
【0102】
また、上記実施例では、全ての保持部材6を可動式、すなわち、姿勢を変動(軸芯H周りに回動)させて、基板Wの保持と解除とを切り替える構成としたが、複数の保持部材6のうち、少なくとも1つの保持部材6が可動式であればよく、残りの保持部材6は固定式、すなわち、ベース部材2に固定されて変動しない構成であってもよい。この固定式の保持部材6は、例えば、図8に示すように、ベース部材2に固定された支軸4の上端部に、基板Wの周縁部を支持する支持部7と支持部7に支持された基板Wの外周端縁に当接する当接部600とを備えた保持部材6を取り付けて構成される。そして、可動式の保持部材6の保持部8に基板Wが押圧付勢されることで、可動式の保持部材6の保持部8と固定式の保持部材6の当接部600とで基板Wを挟持して保持する。
【0103】
また、保持部材6の構成は上記実施例のものに限定させず、例えば、上下に接離可能に構成された上爪と下爪により基板Wの周縁部を挟持するようなものであってもよい。
【0104】
また、ベース部材2は、円板状のものに限らず、例えば、星型のもので形成し、周囲に放射状に延びた部分の先端部に保持機構3を設けるように構成してもよい。
【0105】
また、上記実施例では、第1洗浄具を洗浄ブラシで構成したが、洗浄ブラシに代えて、例えば、超音波洗浄ノズルや高圧噴射ノズルなどのその他の洗浄具を第1洗浄面WF1に沿わせて移動させてその洗浄具で第1洗浄面WF1を洗浄するように構成してもよい。第2洗浄具も同様に、洗浄ブラシ以外の洗浄具で構成してもよい。さらに、第1洗浄具と第2洗浄具とは同じ種類であってもよいし、異なる種類、例えば、第1洗浄具を洗浄ブラシで構成し、第2洗浄具を超音波洗浄ノズルで構成するようにしてもよい。
【0106】
また、上記実施例やその変形例では、第2洗浄面洗浄機構100を備えて、基板Wの表裏両面を同時に洗浄するように構成したが、第2洗浄面洗浄機構100を省略して、保持部材6に保持された基板Wの第1洗浄面WF1だけを洗浄できる装置としてもよい。このような装置によれば、従来、ベース部材が邪魔になって洗浄具で洗浄することができなかったベース部材2に向く側の基板Wの第1洗浄面WF1を第1洗浄具により洗浄することが可能にある。
【0107】
従って、そのような構成の基板洗浄装置と、従来の基板洗浄装置とを備えれば、基板Wの面を反転することなく、基板Wの表裏両面の洗浄を行うことができる。よって、基板Wの表裏両面を洗浄する場合に基板反転装置を省略することができ、基板Wの表裏両面の洗浄に必要な装置数を従来より削減でき、それに応じて従来よりもフットプリントを小さくすることができる。また、基板Wの面を反転する工程を省略することができるとともに、基板反転装置に対する基板の搬送が不要になるので、基板Wの表裏両面の洗浄に要する時間を従来より短縮することができ、従来よりもスループットを向上させることもできる。
【0108】
また、上記実施例や変形例では、ベース部材2の上方で基板Wを保持するように構成しているが、ベース部材2の下方で基板Wを保持するような構成であってもよい。
【0109】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、請求項1に記載の発明によれば、基板保持手段を構成するベース部材に設けられた保持部材によってベース部材と基板とが離間された状態で基板の周縁部を保持し、保持部材に保持された基板の面のうち、ベース部材に向く側の第1洗浄面を洗浄するための第1洗浄具を、第1洗浄具支持手段によって保持部材に保持された基板とベース部材との間に第1洗浄面に沿って移動可能に配置支持し、回転駆動手段によってベース部材に連結された中空状の回転軸を介して基板保持手段及びそれに保持された基板を回転させながら、移動駆動手段による移動動力によって、第1洗浄面に沿って第1洗浄具を往復移動させるように構成したので、従来、ベース部材が邪魔になって洗浄具で洗浄することができなかったベース部材に向く側の基板の面(第1洗浄面)を第1洗浄具により洗浄することが可能となった。
【0110】
従って、この請求項1に記載の発明に係る基板洗浄装置と、従来の基板洗浄装置とを備えれば、基板の面を反転することなく、基板の表裏両面の洗浄を行うことができる。よって、基板の表裏両面を洗浄する場合に基板反転装置を省略することができ、基板の表裏両面の洗浄に必要な装置数を削減でき、それに応じてフットプリントを小さくすることができる。また、基板の面を反転する工程を省略することができるとともに、基板反転装置に対する基板の搬送が不要になるので、基板の表裏両面の洗浄に要する時間を短縮することができ、スループットを向上させることもできる。
【0111】
また、請求項1に記載の発明によれば、第1洗浄面に沿った第1洗浄具の往復移動を駆動する移動駆動手段を、ベース部材を挟んで、保持部材に保持された基板が配置される空間と反対側の空間に配設し、移動駆動手段による往復移動動力を、回転軸内に同芯状で配設され、第1の伝達軸を備えた移動動力伝達手段によって回転軸内の中空部を介して伝達するように構成したので、保持部材に保持された基板とベース部材との間の空間に配置する部材を削減でき、その空間が煩雑になることを避けることができるとともに、パーティクルの発生源となる移動駆動手段を被洗浄基板から遠ざけることができ、基板の汚染を防止することもできる。
【0112】
さらに、請求項1に記載の発明によれば、回転駆動手段による基板保持手段の回転を、基板保持手段を構成するベース部材に連結された回転軸を介して行うように構成したので、パーティクルの発生源となる回転駆動手段を被洗浄基板から遠ざけることができ、基板の一層の汚染防止を図ることもできる。
【0113】
(削除)
【0114】
また、請求項1に記載の発明によれば、洗浄ブラシを回転駆動するブラシ回転駆動手段を、ベース部材を挟んで、保持部材に保持された基板が配置される空間と反対側の空間に配設し、ブラシ回転駆動手段による回転動力を回転動力伝達手段によって回転軸内の中空部を介して伝達するように構成したので、保持部材に保持された基板とベース部材との間の空間が煩雑になることを避けることができ、パーティクルの発生源となるブラシ回転駆動手段を被洗浄基板から遠ざけて、基板のさらなる汚染防止を図ることができる。
【0115】
(削除)
【0116】
(削除)
【0117】
(削除)
【0118】
請求項に記載の発明によれば、保持部材に保持された基板の第1洗浄面と反対側の面を洗浄するための第2洗浄具をさらに備えたので、1つの装置内で、基板の表裏両面を同時に洗浄することができる。従って、基板の表裏両面の洗浄に必要な装置数を一層削減でき、それに応じてフットプリントをさらに小さくすることができるとともに、基板の表裏両面の洗浄に要する時間を一層短縮することができ、スループットをさらに向上させることもできる。
【0119】
請求項に記載の発明によれば、保持部材に保持された基板の第1洗浄面と反対側の面を洗浄ブラシで洗浄することができる。従って、基板の表裏両面を洗浄ブラシで同時洗浄することも可能であるし、基板の一方の面を洗浄ブラシで、他方の面を洗浄ブラシ以外の洗浄具で洗浄することも可能であり、基板の表裏両面に対する多様な洗浄を行うことができる。
【0120】
請求項に記載の発明によれば、基板のたわみを抑制でき、各洗浄具の押込み量を基板全面にわたって均一化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係る基板洗浄装置の全体的な構成を示す縦断面図である。
【図2】 実施例装置の平面図である。
【図3】 第1洗浄具支持アーム内の拡大縦断面図である。
【図4】 保持部材による基板の保持とその解除との切り替えの原理を説明するための図である。
【図5】 第1洗浄面に沿って第1洗浄ブラシを移動させる機構の変形例の概略構成を示すを示す縦断面図である。
【図6】 第1洗浄面に沿って第1洗浄ブラシを移動させる機構の別の変形例の概略構成を示す縦断面図と平面図である。
【図7】 回転軸を回転させる回転モーターの変形例の概略構成を示す縦断面図である。
【図8】 カップ、保持部材、基板の保持と解除の切替え機構などの変形例の概略構成を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1:基板保持機構
2:ベース部材
6:保持部材
9:回転軸
10、15、17:ベルト伝動機構
11、16、18:回転モーター
12:第1の伝達軸
13:第2の伝達軸
21:第1洗浄ブラシ
22:第1洗浄具支持アーム
23:第1の動力伝達機構
24:第2の動力伝達機構
101:第2洗浄ブラシ
W:基板
WF1:第1洗浄面
WF2:第2洗浄面

Claims (4)

  1. 基板に洗浄処理を施す基板洗浄装置であって、
    ベース部材に設けられた保持部材によって前記ベース部材と基板とが離間された状態で基板の周縁部を保持する基板保持手段と、
    前記ベース部材に連結された中空状の回転軸を介して前記基板保持手段を回転させる回転駆動手段と、
    前記保持部材に保持された基板の面のうち、前記ベース部材に向く側の面(以下、この面を「第1洗浄面」と言う)を洗浄するための第1洗浄具と、
    前記保持部材に保持された基板と前記ベース部材との間に前記第1洗浄具を配置させて、前記第1洗浄面に沿って前記第1洗浄具を移動可能に支持する第1洗浄具支持手段と、
    前記ベース部材を挟んで、前記保持部材に保持された基板が配置される空間と反対側の空間に配設され、前記第1洗浄面に沿って前記第1洗浄具の往復移動を駆動する移動駆動手段と、
    前記回転軸内に同芯状で配設され、前記回転軸内の中空部を介して前記移動駆動手段による移動動力を伝達する第1の伝達軸を備えた移動動力伝達手段とを備えるとともに、
    前記第1洗浄具は、洗浄ブラシであって、
    前記洗浄ブラシを回転させるブラシ回転手段を備え、
    前記ブラシ回転手段は、
    前記ベース部材を挟んで、前記保持部材に保持された基板が配置される空間と反対側の空間に配設され、前記洗浄ブラシを回転駆動するブラシ回転駆動手段と、
    前記回転軸内の中空部を介して前記ブラシ回転駆動手段による回転動力を伝達する回転動力伝達手段と、
    を備えたことを特徴とする基板洗浄装置。
  2. 請求項1に記載の基板洗浄装置において、
    前記保持部材に保持された基板の面のうち、前記第1洗浄面と反対側の面を洗浄するための第2洗浄具をさらに備えたことを特徴とする基板洗浄装置。
  3. 請求項に記載の基板洗浄装置において、
    前記第2洗浄具が洗浄ブラシであることを特徴とする基板洗浄装置。
  4. 請求項に記載の基板洗浄装置において、
    前記第1洗浄具と前記第2洗浄具とが同じ移動軌跡に沿って、同じ移動開始位置から同じ移動速度で移動されることを特徴とする基板洗浄装置。
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