JP4085813B2 - 露光装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パターンの像を基板に露光する露光装置に関するものである。
本出願は日本国特許出願2000年第402273号を基礎としており、その内容を本明細書に組み込む。
【0002】
【従来の技術】
半導体素子や薄膜磁気ヘッドあるいは液晶表示素子等をフォトリソグラフィ工程で製造する場合に種々の露光装置が使用されているが、フォトマスクあるいはレチクル(以下、「レチクル」と称する)に形成されたパターンの像を、表面にフォトレジスト等の感光剤が塗布されたウエハ又はガラスプレートなどの基板(以下、「ウエハ」と称する)上に投影光学系を介して投影する露光装置が一般的に使用されている。このような露光装置では、微細なパターンを露光処理するため、高精度な温度管理を行う必要があるとともに、装置内の不純物質を低減して高い清浄度を維持しなければならない。そのため、露光装置をチャンバ内に収納し、空調系によってチャンバ内の温度調整を行うとともに、この空調系の流路の一部に不純物質除去用フィルタを設置してチャンバ内の清浄度を維持することが行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、露光装置を収納するチャンバ内は複数の空調室に分割されており、露光装置本体を収納する露光室と、露光装置本体に対してレチクルをロード・アンロードするレチクルローダ系を収納するレチクルローダ室と、露光装置本体に対してウエハをロード・アンロードするウエハローダ系を収納するウエハローダ室とを含んでいる。さらに、露光室はその一部、即ちウエハステージが収納される本体コラムが別の空調室となっている。そして、空調系は、露光室に対する全体空調を行うための全体空調系と、本体コラム、レチクルローダ室、ウエハローダ室のそれぞれに対するローカル空調を行うためのローカル空調系とを有している。
【0004】
ここで、本体コラム及びウエハローダ室に対するローカル空調系では、ウエハに塗布されたレジスト保護のために、アンモニアなどレジスト劣化を促進する物質を除去するためのケミカルフィルタを用いて空調を行っている。一方、露光室に対する全体空調系では、多くの風量を必要とするので、ケミカルフィルタを用いると、このケミカルフィルタがすぐに汚染してしまい、頻繁に交換しなければならなくなるなど、メンテナンスの手間やランニングコストの増加を招くことになる。したがって、全体空調系では、ケミカルフィルタを用いずに空調を行っている。このとき、ケミカルフィルタを用いずに空調を行われている露光室から、ケミカルフィルタを用いて空調を行われている本体コラムやウエハローダ室に対してガスが流入してしまうと、ウエハのレジスト劣化を促進してしまうといった問題が生じる。
【0005】
また、露光光の通過する空間である光路空間内に不純物質が存在していると、露光光が減光されて十分な強度でウエハ上に到達できなかったり、ウエハ上で照度むらが発生するなど、精度良い露光処理が行えないといった問題が生じる。
【0006】
従来より、露光装置全体を収納するチャンバ内部の圧力をチャンバ外部より常に陽圧にすることによって、チャンバ外部のガスがチャンバ内部に流入するのを防止することが行われているが、チャンバ内部における各空調室間の圧力差は極めて僅かであり、圧力管理を精密に行わないと、各空調室どうしの間で大きな圧力差が生じ、ガスのフロー(風)が発生して適切な空調を行うことができない。この場合、例えば本体コラム内にフローが発生すると、本体コラム内に気体屈折率の局所的な大きな変化(揺らぎ)が生じ、露光処理を精度良く行うことができなくなったり、光学的計測装置(レーザ干渉計など)の計測精度が低下するといった問題が生じる。また、前記圧力差は極めて僅かであるため、露光装置の違い(露光装置本体やチャンバなどの製造で生じる僅かな誤差など)による影響を大きく受けることになり、露光装置毎に精密な圧力管理が必須となることが判明してきた。
【0007】
以上のように、複数の空調室を備えているチャンバ内の圧力管理を精度良く行わないと、ウエハのレジストが劣化したり、露光光の光路空間の清浄度を所定レベルに維持できなかったり、空調室どうしの間でフローが発生したりして安定した露光処理を行えなくなるおそれがあるが、従来においては、厳密な圧力管理が行われていなかった。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、複数の空調室を備えているチャンバ内の圧力管理を精度良く行うことによって、精度良く安定した露光処理をすることができる露光装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため本発明は、実施の形態に示す図1〜図7に対応付けした以下の構成を採用している。
【0010】
本発明の露光装置(10)は、パターンを基板(W)に露光する露光装置本体(22)を備え、チャンバ(12)内に収納される露光装置において、チャンバ(12)内は複数の空調室(16、18、20、34)に分割されており、複数の空調室(16、18、20、34)に関連する圧力情報(例えば、複数の空調室の各圧力と圧力差との少なくとも一方)を検出する圧力検出器(16a、18a、20a、34a)と、空調室(16、18、20、34)のそれぞれの圧力を前記圧力検出器の検出結果に基づいて調整する圧力調整装置(66a、19a、21a、70)とを備え、複数の空調室(16、18、20、34)は、基板(W)を載置して露光処理する露光用ステージ(WST)を収納するコラム室(34)と、露光装置本体(22)を収納する露光室(16)と、露光装置本体(22)に対してパターンが形成されたマスク(R)を搬入するとともに、露光装置本体(22)からマスク(R)を搬出するマスク搬送系(80、82)が収納されたマスク搬送系収納室(18)と、露光装置本体(22)に対して基板(W)を搬入するとともに、露光装置本体(22)から基板(W)を搬出する基板搬送系(84、86、88)が収納された基板搬送系収納室(20)とを含み、コラム室(34)の圧力をP、露光室(16)の圧力をP、マスク搬送系収納室(18)の圧力をPRL 、基板搬送系収納室(20)の圧力をPWL、としたとき、圧力調整装置(66a、19a、21a、50a、70)は、
≧ PWL ≧ P ≧ PRL
となるように、前記調整を行うことを特徴とする。
【0011】
ここで、圧力検出器はその圧力情報として、空調室毎にその圧力を検出してもよいし、あるいは空調室間の差圧または基準圧力との差圧を検出してもよい。また、圧力検出器として、例えば圧力センサを複数の空調室にそれぞれ設けてもよいし、あるいは各空調室に圧力サンプリングポートを設け、その圧力サンプリングポートからの配管を電磁弁などで切り換えながら圧力センサで各空調室の圧力を検出してもよい。特に後者では、その圧力センサを差圧センサとし、各空調室で所定の基準圧力(例えば、露光装置が設置されるクリーンルーム内の大気圧)との差圧を検出してもよい。
【0012】
本発明によれば、チャンバ(12)内に設けられた複数の空調室(16、18、20、34)に関連する圧力情報(例えば、各空調室の圧力あるいは各空調室毎の基準圧力との差圧など)を検出する圧力検出器(16a、18a、20a、34a)を設置し、その検出結果に応じて圧力管理を精度良く行うことができる。圧力管理を精度良く行うことによって、基板(W)や露光光の光路空間を高い清浄度に維持することができるので、基板(W)にレジストが塗布されている際のレジスト劣化や光路空間における露光光の光量減衰などを防止することができ、精度良い露光処理を行うことができる。
【0013】
本発明の露光装置(10)は、パターンを基板(W)に露光する露光装置本体(22)を備え、チャンバ(12)内に収納される露光装置において、チャンバ(12)内は複数の空調室(16、18、20、34)に分割されており、空調室(16、18、20、34)のそれぞれの圧力を調整する圧力調整装置(66a、19a、21a、70)を備え、複数の空調室(16、18、20、34)は、基板(W)を載置して露光処理する露光用ステージ(WST)を収納するコラム室(34)と、露光装置本体(22)を収納する露光室(16)と、露光装置本体(22)に対してパターンが形成されたマスク(R)を搬入するとともに、露光装置本体(22)からマスク(R)を搬出するマスク搬送系(80、82)が収納されたマスク搬送系収納室(18)と、露光装置本体(22)に対して基板(W)を搬入するとともに、露光装置本体(22)から基板(W)を搬出する基板搬送系(84、86、88)が収納された基板搬送系収納室(20)とを含み、コラム室(34)の圧力をP、露光室(16)の圧力をP、マスク搬送系収納室(18)の圧力をPRL、基板搬送系収納室(20)の圧力をPWL、としたとき、圧力調整装置(66a、19a、21a、50a、70)は、
≧ PWL ≧ P ≧ PRL
となるように、調整を行うことを特徴とする。
【0014】
さらに、露光装置(10)の設置環境(例えば、クリーンルーム内の大気圧)の圧力をPCRとしたとき、
RL ≧ PCR
となっていることを特徴とする。
【0015】
そして、露光装置(10)とインライン接続される基板処理装置内の圧力をPCDとしたとき、
WL ≧ PCD
なる関係を更に満たしていることを特徴とする。
【0016】
本発明によれば、チャンバ(12)内において基板(W)が最も長い時間配置されるコラム室(34)の圧力を他の空調室(16、18、20)より高く設定することにより、ガスフローによる外乱が低減して空気揺らぎの発生が抑えられるので、例えばマスクステージまたは基板ステージの位置情報を検出する位置検出系(干渉計など)、投影光学系の像面と基板との相対位置関係を検出する焦点検出系、及び基板などのマークを検出するアライメント系など各種計測系の計測精度の向上を図ることができる。さらに、コラム室(34)に対する不純物質の流入を防止することができるので、基板(W)にレジストが塗布されている際のレジスト劣化を防止することができる。また、露光光の光路空間であるコラム室(34)に不純物質が流入しないことになるので、露光光の光量減衰を防止することもできる。このように、コラム室(34)の圧力を他の空調室(16、18、20)より高くすることによって基板(W)や露光光の光路空間を高い清浄度に維持することができるので、精度良い露光処理を行うことができる。そして、チャンバ(12)内において、コラム室(34)の次に基板(W)が長い間配置される基板搬送系収納室(20)の圧力を、他の空調室(16、18)のうちコラム室(34)の次に高く設定することにより、基板搬送系収納室(20)に対する不純物質の流入を防止することができる。したがって、基板(W)にレジストが塗布されている際、レジスト劣化を防止することができる。なお、前述の露光室は露光装置本体の全てを収納してもよいし、あるいはその一部のみを収納するだけでもよい。また、空調室は筐体などでその空間が明確に規定されていてもよいし、あるいは筐体や仕切りなどを用いることなく単に温度などが制御された気体が供給される空間であってもよい。
【0017】
また、本発明の露光装置は第1物体のパターンを第2物体上に転写する露光装置であって、第1物体を介して照明ビームで第2物体を露光する露光装置本体のうち少なくとも第1物体が配置される第1室と、露光装置本体のうち少なくとも第2物体が配置される第2室と、第1室との間で第1物体を移送する第1搬送系が配置される第3室と、第2室との間で第2物体を移送する第2搬送系が配置される第4室と、第1室、第2室、第3室、及び第4室にそれぞれ少なくとも温度が制御された気体を供給する気体供給装置とを備え、第1室の圧力をP、第2室の圧力をP、第3室の圧力をPRL、第4室の圧力をPWLとして、
≧ PWL ≧ P ≧ PRL
となるように各室の圧力が設定される。
【0018】
さらに、本発明の他の実施態様において、上記の各室の圧力は露光装置の設置環境の圧力PCRと同程度以上に設定される。
【0019】
また、本発明の他の実施態様において、上記の各室の圧力は設置環境の圧力PCRよりも高く設定されるとともに、第3室は設置環境との差圧が0.5[Pa]程度以上となるようにその圧力PRLが設定される。
【0020】
また、本発明の他の実施態様において、上記の第2室は設置環境との差圧が1.5[Pa]程度以下となるようにその圧力Pが設定される。
【0021】
また、本発明の他の実施態様において、上記の第4室の圧力PWLは露光装置とインライン接続される基板処理装置内の圧力PCDと同程度以上に設定される。
【0022】
また、本発明の他の実施態様において、上記の第4室の圧力PWLは基板処理装置内の圧力PCDよりも高く、かつ第2室の圧力Pよりも低く設定される。
【0023】
また、本発明の他の実施態様において、上記の第4室の圧力PWLは第1及び第3室の圧力P、PRLよりも高く設定される。
【0024】
また、本発明の他の実施態様において、上記の第2室の圧力Pは第4室の圧力PWLよりも高く設定される。
【0025】
また、本発明の他の実施態様において、露光装置の第1室、第2室、第3室及び第4室の少なくとも1つに関連する圧力情報を検出する圧力検出器を備える。
【0026】
この場合において、その圧力情報が前記所定の関係を満たしていない場合に警報を表示する表示装置を備えてもよい。
【0027】
また、本発明は上記の露光装置を用いてパターンを感光物体上に転写する工程を含むデバイス製造方法を提供する。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の露光装置について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の露光装置10の一実施形態を示す概略構成図である。
【0029】
この露光装置10は、クリーンルーム内の床面(又はキャスターフレームなどの設置面)F上に設置された本体チャンバ12と、この本体チャンバ12に隣接して配置された機械室14とを備えている。
【0030】
本体チャンバ12の内部は、環境条件(清浄度、温度、圧力、湿度等)がほぼ一定に維持され、その内部空間内には、機械室14側の1つの大部屋16と、この大部屋16の機械室14と反対側に上下2段に配置された2つの小部屋18、20とが設けられている。この内、大部屋16は、その内部に露光装置本体22が収納された露光室となっている。以下においては、この大部屋16を、露光室16と呼ぶ。
【0031】
上記一方の小部屋18は、その内部に、複数枚のマスクとしてのレチクルを保管するレチクルライブラリ80、水平多関節型ロボットから成るレチクルローダ82が、露光室16と反対側から順次配置されている。レチクルローダ82によって、レチクルRが露光装置本体22を構成する後述するレチクルステージRST上に搬入され、かつレチクルステージRST上から搬出される。本実施形態では、これらレチクルライブラリ80とレチクルローダ82とによってマスク搬送系としてのレチクルローダ系が構成され、このレチクルローダ系が小部屋18に収納されている。そこで、以下においては、小部屋18を、レチクルローダ室(マスク搬送系収納室)18と呼ぶものとする。
【0032】
なお、レチクルローダ系は、上記構成に限られるものではなく、例えば複数枚のレチクルを収納可能なボトムオープンタイプの密閉式カセット(コンテナ)をレチクルライブラリ80の代わりに用いても良いし、あるいはレチクルローダとして搬送アームをスライドさせる機構を用いても良い。また、レチクル保管部(レチクルライブラリ80)とレチクルローダ82とを異なる部屋に配置しても良いし、あるいは前述の密閉式カセットをレチクルローダ室18の上部に載置し、その気密性を維持した状態でボトムオープンにてレチクルをレチクルローダ室18内に搬入するようにしても良い。さらに、レチクルローダ室18の外部に配置された密閉式カセット(スミフポッドなど)から搬入されるレチクルを一時的に保管する棚又はケースなどをレチクルローダ室18内に設けてもよい。要は、小部屋18にはレチクルローダのみが配置されていても良い。
【0033】
また、他方の小部屋20は、その内部に、複数枚の基板としてのウエハを保管するウエハキャリア84、ウエハキャリア84に対してウエハを出し入れする水平多関節型ロボット86及び該ロボット86と露光装置本体22を構成するウエハステージWSTとの間でウエハを搬送するウエハ搬送装置88とが収納されている。本実施形態では、これらウエハキャリア84、ロボット86及びウエハ搬送装置88によって基板搬送系としてのウエハローダ系が構成され、このウエハローダ系が小部屋20に収納されている。そこで、以下においては、小部屋20をウエハローダ室(基板搬送系収納室)20と呼ぶものとする。
【0034】
なお、ウエハローダ系は、上記構成に限られるものではなく、例えば多関節型のロボットのみでウエハローダ系を構成しても良いし、ウエハローダ室20内にウエハローダのみを配置しても良い。
【0035】
上記露光室16、レチクルローダ室18、ウエハローダ室20は、ステンレス(SUS)あるいはテフロン等の脱ガスの少ない素材から成る給気通路としての給気管路24及び伸縮可能な蛇腹状の接続部26を介して機械室14に接続されている。
【0036】
露光室16に収納された露光装置本体22は、ミラーM1、M2を含む照明光学系28、この照明光学系28の下方に配置された投影光学系PL、この投影光学系PLと照明光学系28とに間に配置され、マスクとしてのレチクルRを保持するレチクルステージRST、投影光学系PLの下方に配置され、基板としてのウエハWを保持するウエハステージWST、及び投影光学系PLを保持するとともにウエハステージWSTが搭載された本体コラム30等を備えている。
【0037】
照明光学系28は、ミラーM1、M2の他、オプチカルインテグレータ、視野絞り(いずれも図示省略)等を含み、これらの光学部材が不図示の照明系ハウジング内に所定の位置関係で収納されて成る。この照明光学系28は、不図示の引き回し光学系(リレー光学系)を介して不図示の光源としてのKrFエキシマレーザ(出力波長248nm)あるいはArFエキシマレーザ(出力波長193nm)等のエキシマレーザに接続されている。上記の引き回し光学系は、その少なくとも一部にビーム・マッチング・ユニットと呼ばれる、光源と照明光学系28との間の光軸調整用の光学系を含む。また、図示は省略されているが、照明光学系28が収納される照明系ハウジング、及び光源(本実施形態では上記エキシマレーザ)と照明光学系28との間に配置され、少なくとも一部にビーム・マッチング・ユニットを含む上記引き回し光学系が収納される筐体(鏡筒)は、それぞれ内部が不活性ガス(例えば窒素、ヘリウムなど)でパージされ、清浄度が極めて良好に維持されるようになっている。なお、本体コラム30などの構成は図1に限られるものではなく、例えば投影光学系PLを支持するメインフレーム(本例ではメインコラム34の上板)を、ウエハステージWSTが配置されるステージベース(本例ではメインコラム34の底板)を支持する防振台32とは別の防振台で支持し、この別の防振台をベースプレートBP又は床面F上に設置してもよい。
【0038】
なお、照明光学系28の少なくとも一部を露光室16の外部に配置しても良いし、これに加えて、あるいは単独で、光源、引き回し光学系、及び照明光学系28を除く残りの一部(例えばウエハステージWSTなど)を露光室とは別の筐体内に配置しても良い。この場合、上記別の筐体は、露光室の内部に配置しても良いし、露光室外に配置しても良い。要は、露光室16内には露光装置本体の少なくとも一部が配置されていれば良く、露光室16内に配置する部材やその構成は任意で構わない。
【0039】
本体コラム30は、本体チャンバ12の底面上に設置されたベースプレートBPの上方に複数の防振台32を介して支持されている。この本体コラム30は、防振台32によって支持されたメインコラム(コラム室)34と、このメインコラム34上部に立設されたサポートコラム36とを有している。メインコラム34の天井面を成すメインフレームにファーストインバと呼ばれる不図示の保持部材を介して投影光学系PLがその光軸方向を上下方向として保持されている。この投影光学系PLとしては、ここでは、投影倍率が1/4あるいは1/5の縮小光学系が用いられている。サポートコラム36は、不図示の照明系ハウジングの少なくとも一部を下方から支持している。
【0040】
ウエハステージWSTは、メインコラム34の底板を構成するステージベース上で不図示の平面モータやリニアモータ等の駆動装置によって2次元方向に駆動される。このウエハステージWSTの上面には、ウエハホルダ38を介してウエハWが真空吸着等によって固定されている。ウエハステージWSTのXY面内の位置、及び回転量(ヨーイング量、ピッチング量、及びローリング量の少なくとも1つ)は、ウエハステージWST上に設けられた不図示の移動鏡を介してレーザ干渉計IFによって例えば0.5〜1nm程度の分解能で計測されている。
【0041】
レチクルステージRSTは、メインコラム34の上面に設けられた不図示のセカンドインバと呼ばれる支持部材の天井部を構成するレチクルステージベース上に載置されている。このレチクルステージRSTは、露光装置本体22が静止露光を行うタイプの場合には、水平面内で微少駆動可能に構成され、走査露光を行うタイプの場合には、上記に加え、所定の走査方向に所定ストローク範囲で駆動可能に構成される。
【0042】
このようにして構成された露光装置本体22によると、不図示のエキシマレーザから出射されたパルス紫外光が、各種レンズやミラー等からなる照明光学系28で必要な大きさ、及び照度均一性に整形されて、所定のパターンが形成されたレチクルRを照明し、このレチクルRに形成されたパターンが投影光学系PLを介してウエハステージWST上に保持されたウエハW上の各ショット領域に縮小転写されるようになっている。
【0043】
本実施形態では、ウエハWとして、その表面に感光剤としてポジ型の化学増幅型レジストが塗布されたものが使用される。
【0044】
給気管路24の一端は、2つに分岐され、その一方の分岐路24aはレチクルローダ室18に接続され、そのレチクルローダ室18側の噴き出し口19の部分には、レチクルローダ室18内に流入するガス中のパーティクルを除去するエアフィルタとしてのULPAフィルタ(ultra low penetration air-filter)及びフィルタプレナムから成るフィルタボックスAF1が設けられている。また、レチクルローダ室18のフィルタボックスAF1と反対側には、リターン部40が設けられ、このリターン部40の外側の部分に排気流路としてのリターンダクト42の一端が接続され、このリターンダクト42の他端側は機械室14の底面の一部に接続されている。
【0045】
分岐路24aには、更に分岐路24cが設けられ、この分岐路24cは、ウエハローダ室20に接続され、そのウエハローダ室20側の噴き出し口21の部分には、ウエハローダ室20内に流入するガス中のパーティクルを除去するエアフィルタとしてのULPAフィルタ及びフィルタプレナムから成るフィルタボックスAF2が設けられている。このフィルタボックスAF2はケミカルフィルタを含むものである。また、ウエハローダ室20のフィルタボックスAF2と反対側には、リターン部44が設けられ、このリターン部44のウエハローダ室20と反対側には、リターンダクト42に連通する排気口42aが設けられている。
【0046】
また、他方の分岐路24bは、レチクルローダ室18と露光室16との境界部に形成された噴き出し口90のレチクルローダ室18側に配置された露光室16内に流入するガス中のパーティクルを除去するエアフィルタとしてのULPAフィルタ及びフィルタプレナムから成るフィルタボックスAF3に接続されている。そして、噴き出し口90から均一な気流がサイドフローにて露光室16の上部空間に送り込まれるようになっている。噴き出し口90が形成されたレチクルローダ室18と露光室16との境界部分には、図1のA−A線断面図である図2に示されるように、レチクル搬送エリア92を除いて、その周囲に複数のフィルタボックスAF3が配置されている。
【0047】
また、露光室16の底部の機械室14側には、リターン部46が設けられ、このリターン部46下方のチャンバ12底壁には、排気流路としてのリターンダクト48の一端側に連通する排気口が形成され、リターンダクト48の他端側は機械室14の底面の一部に接続されている。
【0048】
機械室14底部の本体チャンバ12と反対側には、外気取り入れ口としてのOA(Outlet Air)口50が形成され、このOA口50部分に対向してケミカルフィルタCF2が配置されている。本体チャンバ12内、特に露光室16内は、清浄度を保つために、外部に対して常に陽圧に保たれており、そのため本体チャンバ12の前面等や不図示のインラインインターフェイス部等からガスが外部に漏れており、この漏れ分の外気を取り入れるため、OA口50が設けられている。また、本実施形態では、化学増幅型レジストの劣化を防止するために、OA口50を介して装置内部に取り込まれるガス中の化学物質(不純物質)を除去して清浄なガスのみを装置内に取り入れるため、ケミカルフィルタCF2がOA口50部分に設けられている。
【0049】
機械室14の高さ方向中央やや下側には、冷却装置としてのクーラー(ドライコイル)52が設けられている。図示していないが、このクーラー52の出口部分には、クーラー表面の温度を検出する温度センサが配置されている。この温度センサの検出値は、制御装置70に供給されている。
【0050】
機械室14内のガス通路のクーラー52上方には、所定間隔を隔てて加熱装置としての第1ヒータ56が配置されている。この第1ヒータ56の出口付近にその加熱された空気の温度を検出する第1温度センサ54が設けられ、この第1温度センサ54の検出値は制御装置70に供給されている。さらに、この第1ヒータ56上方の機械室14の出口部分には、第1送風機58が配置されている。
【0051】
また、機械室14内のガス通路の第1ヒータ56の下方には、クーラー52を下方から上方に通過したガスの約1/5が流れ込む分岐路60が設けられ、この分岐路60の機械室14側の端部は、伸縮可能な蛇腹状部材60aにより構成されている。分岐路60の蛇腹状部材60aより機械室と反対側の部分は、露光室16内に配置されている。分岐路60内には、加熱装置としての第2ヒータ62、第2送風機64が順次配置され、この第2送風機64の機械室と反対側に、ウエハステージWST近傍に対するガスの噴き出し口75が形成され、この噴き出し口75部分にケミカルフィルタCF4、ULPAフィルタ及びフィルタプレナムから成るフィルタボックスAF4が配置されている。これらケミカルフィルタCF4、フィルタボックスAF4が設けられた噴き出し口75に対向して、メインコラム34のウエハローダ室20寄りの部分には、排気流路としてのリターンダクト66の一端側の開口端が配置され、このリターンダクト66の他端側は機械室14の底面の一部に接続されている。
【0052】
3つのリターンダクト42、48、66が接続された機械室14の底面の一部には、開口が形成されている。
【0053】
本実施形態で用いられるケミカルフィルタCF2、CF4としては、クリーンルーム内に存在するアンモニアガス等の塩基性ガスの他、シロキサン、シラザン等のシリコン系の有機物、ハイドロカーボンは勿論、可塑剤や難然剤その他の化学的不純物をも除去するものが用いられている。具体的には、ケミカルフィルタCF2、CF4として活性炭フィルタやゼオライトフィルタが用いられる。更に、機械室14内のクーラー52の下方には、ドレインパン68が配置されている。
【0054】
本体チャンバ12内の給気管路24の分岐部の機械室14寄りの部分には、給気管路24内部のガスの温度を検出する第2温度センサ72が配置されている。この第2温度センサ72の検出値は、制御装置70に出力される。
【0055】
また、ケミカルフィルタCF4の上流側には、第2送風機64から送り出されるガスの温度を検出する第3温度センサ74が配置されている。この第3温度センサ74の検出値は、制御装置70に出力される。
【0056】
メインコラム34の内部には、このメインコラム(空調室)34内の圧力を検出する圧力検出器の一部(本例では、圧力サンプリングポート)34aが設けられている。図5(a)は、本実施形態で用いる圧力検出器100の構成を模式的に示す図であり、図5(a)において、圧力サンプリングポート34aは電磁弁34bを介してセンサ部(圧力センサ)PM1に接続されている。さらに圧力検出器100は、後述するレチクルロード室18、ウエハロード室20、露光室16、及び本体チャンバ12の外部にそれぞれ設けられる圧力サンプリングポート18a、20a、16a、CR1が、対応する電磁弁18b、20b、16b、CR2を介して圧力センサPM1にそれぞれ接続されており、この電磁弁を切り換えることにより各空調室の圧力及び本体チャンバ12の外部、すなわち露光装置が設置されるクリーンルーム内の大気圧を検出可能となっている。この圧力検出器100は、例えば0.5Pa以下の微小な圧力変化を検出できるとともに、その検出値(圧力情報)を制御装置70に出力する。さらに、各圧力サンプリングポート(以下、圧力センサPM1と接続される配管部を含めてPSPと総称する)は洗浄済のテフロンコート管やSUS管など、露光処理に悪影響を与える脱ガス(アウトガス)の発生が抑えられた材質が用いられている。
【0057】
さて、PSP34aは、メインコラム34内のうち、分岐路60及び第2送風機64側からウエハステージWST近傍に対するガスの噴き出し口75近傍に配置されている。圧力検出器100が検出したメインコラム34内の圧力に関する情報は制御装置70に出力される。なお、噴き出し口75近傍にPSP34aを設ける際、噴き出されるガスの動圧成分の影響を受けないように、圧力検出器100はPSP34aであるテフロンコート管の流入口をガスの流れに対して交わる方向に配置して、テフロンコート管にガスが直接流入しないようにされている。
【0058】
レチクルローダ室18の内部には、このレチクルローダ室18内の圧力を検出するPSP18aが設けられている。PSP18aは、メインコラム34内に設けられているPSP34aと同様に、電磁弁18bを介して圧力センサPM1に接続されており、圧力検出器100はその検出したレチクルローダ室18内の圧力に関する情報を制御装置70に出力する。PSP18aも、メインコラム34内に設けられたPSP34aと同様、噴き出されるガスの動圧成分の影響を受けないように、テフロンコート管の流入口をガスの流れに対して交わる方向に配置して、テフロンコート管にガスが直接流入しないようにされている。
【0059】
ウエハローダ室20の内部には、このウエハローダ室20内の圧力を検出するPSP20aが設けられている。PSP20aも、メインコラム34内に設けられているPSP34aと同様に、電磁弁20bを介して圧力センサPM1に接続されており、圧力検出器100はその検出したウエハローダ室20内の圧力に関する情報を制御装置70に出力する。PSP20aも、メインコラム34内に設けられたPSP34aと同様、噴き出されるガスの動圧成分の影響を受けないように、テフロンコート管の流入口をガスの流れに対して交わる方向に配置して、テフロンコート管にガスが直接流入しないようにされている。
【0060】
露光室16の内部には、この露光室16内の圧力を検出するPSP16aが設けられている。PSP16aは、メインコラム34内に設けられているPSP34aと同様に、電磁弁16bを介して圧力センサPM1に接続されており、圧力検出器100はその検出した露光室16内の圧力に関する情報を制御装置70に出力する。PSP16aも、メインコラム34内に設けられたPSP34aと同様、噴き出されるガスの動圧成分の影響を受けないように、テフロンコート管の流入口をガスの流れに対して交わる方向に配置して、テフロンコート管にガスが直接流入しないようにされている。
【0061】
メインコラム34に接続した排気流路であるリターンダクト66途中には、流路の開口率を調整することによってリターンダクト66を流れるガスの流量を調整する流量調整絞り(流路開口率調整部、圧力調整装置)66aが設けられている。この流量調整絞り66aは、例えば図4に示すように、リターンダクト66に固定され、複数の開口部Cを有する開口基材300と、この開口基材300に対して回転することによって、開口部Cのそれぞれの開口率を変化させる開口率可変部材101とを有している。開口率可変部材101は不図示のアクチュエータによって駆動されるようになっており、所定量回転することによって開口部Cの開口率、すなわち、リターンダクト66の開口率を調整する。開口率可変部材101を回転させるアクチュエータの駆動量、つまり、流量調整絞り66aによるリターンダクト66における流路の開口率は制御装置70によって制御される。流量調整絞り66aは流路の開口率を大きくしてリターンダクト66を流れるガス流量を多くすることにより、すなわち、メインコラム34からの排気量を多くすることにより、メインコラム34内の圧力を低下させる。一方、流路の開口率を小さくしてリターンダクト66を流れるガス流量を少なくすることにより、すなわち、メインコラム34からの排気量を少なくすることにより、メインコラム34内の圧力を上昇させる。
【0062】
レチクルローダ室18に接続した給気流路としての分岐路24aには、流路の開口率を調整することによって噴き出し口19を流れるガスの流量を調整する流量調整絞り(流路開口率調整部、圧力調整装置)19aが設けられている。この流量調整絞り19aは、例えば図3に示すように、流路と交わる方向に可動な2枚のブレード部B1、B2を不図示のアクチュエータによって移動することにより流路の開口率を調整するようになっている。なお、本実施形態においては、図1に示すように、複数の流量調整絞り19aが並列して設けられている。ブレード部B1、B2によって設定された流路の開口率によってレチクルローダ室18に対してガスを噴き出す噴き出し口19のガス流量(ガス給気量)が調整され、この調整されたガス流量に応じてレチクルローダ室18内の圧力が調整される。そして、流量調整絞り19aによる流路の開口率は制御装置70によって制御される。流量調整絞り19aは流路の開口率を大きくしてレチクルローダ室18に対するガス給気量を多くすることにより、レチクルローダ室18内の圧力を上昇させ、流路の開口率を小さくしてレチクルローダ室18に対するガス給気量を少なくすることにより、レチクルローダ室18内の圧力を低下させる。なお、流量調整絞り19aはその開口率が不図示のアクチュエータによるブレード部B1、B2の移動により自動調整されるものとしたが、そのアクチュエータを設けることなくオペレータなどが手動でその開口率を変更するだけでもよい。
【0063】
ウエハローダ室20に接続した給気流路としての分岐路24cの途中には、流路の開口率を調整することによって分岐路24cを流れるガスの流量を調整する流量調整絞り(流路開口率調整部、圧力調整装置)21aが設けられている。この流量調整絞り21aも、流量調整絞り19a同様、図3に示すように、流路と交わる方向に可動な2枚のブレード部B1、B2を不図示のアクチュエータによって移動することにより流路の開口率を調整するようになっている。ブレード部B1、B2によって設定された分岐路24cの流路の開口率によってウエハローダ室20に対してガスを噴き出す噴き出し口21のガス流量(ガス給気量)が調整され、この調整されたガス流量に応じてウエハローダ室20内の圧力が調整される。そして、流量調整絞り21aによる流路の開口率は制御装置70によって制御される。流量調整絞り21aは流路の開口率を大きくしてウエハローダ室20に対するガス給気量を多くすることにより、ウエハローダ室20内の圧力を上昇させ、流路の開口率を小さくしてウエハローダ室20に対するガス給気量を少なくすることにより、ウエハローダ室20内の圧力を低下させる。
【0064】
本体チャンバ12に対して外気を取り入れるためのOA口50には、流路の開口率を調整することによって本体チャンバ12内に取り入れられるガスの流量を調整する流量調整絞り(流路開口率調整部、圧力調整装置)50aが設けられている。この流量調整絞り50aも、図3に示すように、流路と交わる方向に可動な2枚のブレード部B1、B2を移動することによって流路の開口率を調整するようになっている。そして、流量調整絞り50aによって設定されたOA口50における流路の開口率によって、OA口50から取り入れられ、機械室14、接続部26、給気管路24を介して本体チャンバ12の露光室16に給気されるガス給気量が調整される。そして、OA口50の流量調整絞り50aによって調整されたガス流量に応じて全ての空調室(16、18、20、34)内の圧力が一律に調整される。ここで、流量調整絞り50aは流路の開口率を大きくして全ての空調室に対するガス給気量を多くすることにより、各空調室内の圧力を上昇させる一方、流路の開口率を小さくして全ての空調室に対するガス給気量を少なくすることにより、各空調室内の圧力を低下させる。これにより、露光装置が設置されるクリーンルーム内の大気圧、あるいは露光装置とインライン接続される基板処理装置、コータ・デベロッパ内の圧力との差圧を調整することができ、各空調室内の圧力をクリーンルーム内の大気圧またはコータ・デベロッパ内の圧力と同程度以上(例えば陽圧)に設定することが可能となっている。
【0065】
このように、露光装置10において、本体チャンバ12内は、メインコラム34、レチクルローダ室18、ウエハローダ室20、露光室16の複数の空調室に分割されており、これら空調室は圧力を検出する圧力検出器100のPSP34a、18a、20a、16aをそれぞれ備えている。圧力検出器のそれぞれの検出結果は制御装置70に出力され、制御装置70は圧力検出器の検出結果に基づいて、メインコラム34、レチクルローダ室18、ウエハローダ室20、露光室16がそれぞれ互いに所定の圧力差を有するように、各空調室に対する給気流路又は排気流路に設けられた流量調整絞り66a、19a、21a、50aをそれぞれ制御するようになっている。
【0066】
次に、上述のようにして構成された露光装置10における空調について説明する。
【0067】
まず、制御装置70により、第1、第2送風機58、64が作動され、これにより、フィルタボックスAF1、AF2、AF3、AF4をそれぞれ介してレチクルローダ室18、ウエハローダ室20、露光室16、メインコラム34内のウエハステージWST近傍に、ガスが送り込まれ、前記各部の空調が行われる。この場合、レチクルローダ室18、ウエハローダ室20内では、ダウンフローにより空調が行われる。また、露光室16内では、前述した露光動作中の露光装置本体22の各部の空調がサイドフローにより行われる。そして、リターン部40、44をそれぞれ介してリターンダクト42に戻されたガス、リターン部46を介してリターンダクト48に戻されたガス、及びリターンダクト66に戻されたガスは、これらのリターンダクトの機械室14側の出口を通過する。
【0068】
そして、この出口を通過したガスは、OA口50を介して装置外から取り入れられ、ケミカルフィルタCF2を通過したケミカルクリーンなガスと一緒になって空調装置を構成するクーラー52によって所定温度まで冷却される。
【0069】
そして、クーラー52を通過して所定温度まで冷却されたガスは、約80%が第1ヒータ56に送り込まれ、残りの約20%が分岐路60内の第2ヒータ62に送り込まれ、それぞれの目標温度まで加熱される。制御装置70では、第2温度センサ72の検出値に基づいて第1ヒータ56をフィードバック制御するとともに、第3温度センサ74の検出値に基づいて第2ヒータ62をフィードバック制御する。この場合、給気管路24を介して露光室16等の内部に噴き出されるガスの目標温度(温度制御範囲を含む)と、分岐路60を介してウエハステージWST近傍に噴き出されるガスの目標温度(温度制御範囲を含む)とは、それ
ぞれ個別に設定することができる。
【0070】
そして、第1、第2ヒータ56、62によりそれぞれの目標温度まで加熱された化学的に相当に清浄なガスは、第1、第2送風機58、64によりそれぞれ送風される。第1送風機58により送風されたガスは、本体チャンバ12内の給気管路24及びフィルタボックスAF1、AF2、AF3をそれぞれ介してレチクルローダ室18、ウエハローダ室20、露光室16内にそれぞれ送り込まれる。また、第2送風機64により送風されてケミカルフィルタCF4を通過したガスは、フィルタボックスAF4を通過してウエハステージWST近傍に送り込まれる。
【0071】
フィルタボックスAF1、AF2、AF3、AF4内のULPAフィルタをそれぞれ通過することにより、ガス中のパーティクルがほぼ確実に除去されるので、レチクルローダ室18、ウエハローダ室20、露光室16、メインコラム34内のウエハステージWST近傍には、パーティクル及び化学的不純物等の微小粒子を含まないという意味で清浄度の高いガスのみが供給され、この正常なガスによってレチクルローダ系、ウエハローダ系、露光装置本体22が空調される。そして、この空調が終了し、露光装置本体22等からの脱ガスに起因する化学的不純物を含む化学的に汚れたガスが、リターンダクト42、48、66内に戻され、以後、上述したようにして各部の空調が繰り返し行われる。
【0072】
各部の空調を行うにあたり、各空調室に対する給気流路又は排気流路に設けられた圧力調整装置としての流量調整絞り66a、19a、21a、50aをそれぞれ制御しながら空調を行う。このとき、前述したように、本体チャンバ12内はOA口50から外気を取り入れることによって、外部(本実施形態においてはクリーンルーム)に対して常に陽圧に保たれている。本体チャンバ12内部の圧力は、OA口50に設けられた圧力調整装置としての流量調整絞り50aによる調整によって、外部(クリーンルーム)に対して、例えば0.5Pa程度陽圧に設定される。本体チャンバ12内を外部に対して陽圧に保つことにより、本体チャンバ12外部から内部へのガスの流入を防止し、清浄度を維持している。
【0073】
さらに、メインコラム34の圧力をP、レチクルローダ室18の圧力をPRL、ウエハローダ室20の圧力をPWL、露光室16の圧力をP、としたとき、制御装置70は、空調室のそれぞれに設けられた圧力検出器34a、18a、20a、16aの検出結果に基づいて、
≧ PWL ≧ P ≧ PRL … (1)
となるように、圧力調整装置である各流量調整絞りを用いて、圧力調整を行う。
【0074】
また、露光装置10の設置環境(クリーンルーム)の圧力をPCRとしたとき、PRL ≧ PCRとなるように調整をする。さらに、露光装置10とインライン接続される基板処理装置(コータ・デベロッパなど)内の圧力をPCDとしたとき、PWL ≧ PCDなる関係を満たすようにする。
【0075】
つまり、露光処理を精度良く行うためにウエハWに塗布されたレジストを保護する必要があり、そのため、露光装置内での一連の処理においてウエハWが最も長い時間配置される空調室における清浄度を最も高く維持する必要がある。したがって、露光処理されるウエハWを載置するウエハステージWSTが収納されているメインコラム34の圧力Pを、他の空調室であるレチクルローダ室18、ウエハローダ室20、露光室16の圧力より高く設定し、メインコラム34内部に外部からガスが流入しないようにする(即ち、P > PWL、P、PRLとすることが好ましい)。
【0076】
そして、メインコラム34の次にウエハWの配置される時間が長いウエハローダ室20の圧力PWLを、メインコラム34の圧力Pの次に高くなるように設定する(即ち、P ≧ PWL > P、 PRL、好ましくはP > PWL > P、PRLに設定すると良い)。そして、制御装置70は、空調室のそれぞれが必要とされる清浄度に応じて、(1)式で示したような圧力差を互いに有するように、圧力検出器のそれぞれの検出結果に基づいて流量調整絞りを調整する。すなわち、圧力調整装置としての制御装置70は、最も高い清浄度を必要とする空調室の圧力を最も高くし、低い清浄度を許容される空調室から高い清浄度を必要とする空調室へのガスの流入を防止するように、空調室のそれぞれの圧力を設定する。
【0077】
そして、露光装置10では、各圧力検出器の検出結果に基づいて、空調室のそれぞれが(1)式に示したような圧力差を有するように圧力調整装置によって圧力調整を行いつつ、レチクルステージRSTに支持されたレチクルRのパターンの像を、ウエハステージWSTに支持されたウエハWに露光する。
【0078】
以上説明したように、本体チャンバ12内に設けられたメインコラム34、ウエハローダ室20、露光室16、レチクルローダ室18のそれぞれに対して、これら各空調室の圧力を検出する圧力検出器34a、20a、16a、18aを設置したことにより、各空調室のそれぞれの圧力を検出し、この検出結果に応じて圧力管理を精度良く行うことができる。そして、圧力管理を精度良く行うことによって、レジストが塗布されているウエハWや、露光光の通過する光路空間を高い清浄度に維持することができるので、ウエハWに塗布されているレジスト劣化や光路空間における露光光の光量減衰などを防止することができ、精度良い露光処理を行うことができる。
【0079】
そして、本体チャンバ12内においてウエハW板が最も長い時間配置されるメインコラム34の圧力Pを、他の空調室の圧力PWL、P、PRLより高く設定したことにより、メインコラム34内に対する不純物質の流入を防止することができる。したがって、ウエハWに塗布されているレジストの劣化を防止することができる。また、露光光の光路空間であるメインコラム34内に不純物質が流入しないことになるので、露光光の光量低下や照度むらを防止することもできる。このように、メインコラム34の圧力を他の空調室より高くすることによってウエハWや光路空間の高い清浄度を維持することができるので、精度良い露光処理を行うことができる。そして、本体チャンバ12内において、メインコラム34の次にウエハWが長い間配置されるウエハローダ室20の圧力PWLを、他の空調室のうちメインコラム34の次に高く設定し、特にコータ・デベロッパ内の圧力(PCD)よりも高く設定することによって、ウエハローダ室20に対する不純物質の流入を防止することができる(即ち、P ≧ PWL > PCD、好ましくはP > PWL > PCDに設定すると良い)。したがって、ウエハWにレジストが塗布されている際、レジスト劣化を防止することができる。なお、本実施形態では露光装置の設置環境、すなわちクリーンルーム内の圧力をPCRとしたとき、
RL ≧ PCR なる関係が満足されるように、例えば流量調整絞り50aによって各空調室の圧力を調整している。そこで、図5(a)に示した圧力検出器100を図5(b)に示す構成としてもよい。図5(b)で図5(a)と同じ部材には同一の符号を付してその説明を省略する。図5(b)ではセンサ部PM2を差圧センサとし、クリーンルーム内の圧力PCRを基準として各空調室毎にその圧力PCRとの差圧が検出されることになる。これにより、圧力検出器100の検出結果を用いて、前述と同様に各空調室の圧力を精密に制御することができる。なお、図5(b)ではクリーンルーム内の圧力PCRを基準として各空調室との差圧を検出するものとしたが、その基準圧力はクリーンルーム内の圧力以外、例えば複数の空調室の1つ、あるいはコータ・デベロッパ内の圧力などでもよい。また、複数の空調室間でその差圧を検出する圧力検出器を用いるようにしてもよい。このとき、例えば(1)式の不等式などで隣接する項に対応する空調室どうしでその差圧を検出するようにしてもよい。
【0080】
空調室のそれぞれの圧力を調整する圧力調整装置を備え、圧力調整装置は、圧力検出器の検出結果に基づいて、複数の空調室のそれぞれが所定の圧力差を有するように圧力調整を行うので、例えば空調室どうしの間で大きなフロー(風)を生じさせない程度に所望の圧力差を有するように圧力調整をすることができるなど、精度良く圧力調整を行うことができる。そして、例えば露光光の光路空間であるメインコラム34内に大きなフローを生じさせないようにすることにより、気体屈折率の局所的な大きな変化(揺らぎ)の発生を防止することができるので、露光処理を安定して行うことができるとともに、光学的計測装置(レーザ干渉計IFなど)の計測精度を向上することができる。なお、上記(1)式で圧力が比較的に高く設定される空調室(34、20など)では、空調室に接続される排気管(リターンダクト)に流量調整絞りを設けてその圧力を調整するほうが、給気管(サプライダクト)に流量調整絞りを設けるよりも有効であり、これとは逆に圧力が相対的に低く設定される空調室(18など)ではサプライダクトに流量調整絞りを設けてその圧力を調整するほうが有効である。また、前述の実施形態では圧力調整装置として流量調整絞りを用いるものとしたが、圧力調整装置は流量調整絞りに限られるものではなく、例えば送風機などで空気の圧力と流量との少なくとも一方を調整するようにしてもよい。
【0081】
圧力調整装置は、空調室のそれぞれに対する給気量又は排気量の少なくとも一方を調整することにより、圧力調整を行うものである。そして、圧力調整装置は、空調室のそれぞれに接続する給気流路又は排気流路の少なくとも一方に設けられ、流路の開口率を調整することによってガス流量を調整する流量調整絞りによって構成されているため、簡易な構成で圧力調整を容易に行うことができる。
【0082】
なお、上述したように、露光装置10(本体チャンバ12)内は外部、即ち露光装置10の設置環境の圧力(クリーンルーム内の気圧)PCRと同程度以上の圧力に設定されるものとしたが、本例では本体チャンバ12内、即ちメインコラム34、露光室16、ウエハローダ室20及びレチクルローダ室18の圧力P、PWL、P、PRLをそれぞれ設置環境(クリーンルーム)の圧力PCRよりも高くする(即ち、P、PWL、P、PRL > PCRとする)ことが好ましい。具体的には、本体チャンバ12内の圧力(P、PWL、P、PRL)を、外部(設置環境/クリーンルーム)の圧力PCRを基準として0.5Pa程度陽圧に設定する、即ち圧力P、PWL、P、PRL をそれぞれ少なくとも圧力PCRよりも0.5Pa程度高く設定するとよい。また、メインコラム34、ウエハローダ室20、露光室16、レチクルローダ室18のそれぞれは所定の圧力差を有する必要があるが、空調室間の圧力差が大きいと前述したようにフロー(風)が発生して揺らぎが生じ、精度良い露光処理が行えなかったり、光学的計測装置が精度良い計測を行えなかったりする。したがって、(1)式をより具体的に表すと、本体チャンバ12外部(クリーンルーム)の圧力PCRを基準として、即ち上記各空調室34、16、20、18における本体チャンバ12のクリーンルームの圧力PCRとの差圧をそれぞれP’、PWL’、P’、PRL’として、
1.5[Pa] ≧P’≧PWL’≧P’≧PRL’≧0.5[Pa]
即ち、
CR+1.5[Pa] ≧P≧PWL≧P≧PRL≧PCR+0.5[Pa] … (2)
に設定することが好ましい。
【0083】
さらに、ウエハローダ室20には基板処理装置、例えば露光されるウエハに対してレジストを塗布する処理と露光処理されたウエハを現像する処理とを行うコータ・デベロッパ装置が隣接して設置されるが、このコータ・デベロッパ装置内の圧力PCDは、外部(クリーンルーム)の圧力PCRを基準として、即ちコータ・デベロッパ装置内におけるクリーンルームの圧力PCRとの差圧をPCD’として、
0[Pa] ≦ PCD’ ≦ 0.5[Pa]
即ち、
CR[Pa] ≦ PCD ≦ PCR+0.5[Pa] …(3)
に設定することが好ましい。
【0084】
なお、上記(2)、(3)式においても上記(1)式と同様に、メインコラム34の圧力Pを、他の空調室16、18、20の圧力PWL、P、PRLよりも高くする、即ちP>PWL、P、PRLに設定することが好ましい。また、ウエハローダ室20の圧力PWLを、メインコラム34の圧力Pの次に高くする、即ちP≧PWL>P、PRL、好ましくはP>PWL>P、PRLに設定すると良く、さらには基板処理装置(コータ・デベロッパなど)内の圧力PCDよりも高くする、即ちP≧PWL>P 、好ましくはP>PWL>PCDに設定すると良い。
【0085】
また、レチクルローダ室18内の不純物質が露光室16内に流入するのを防止するために、上記(1)、(2)式のいずれでも露光室16の圧力Pをレチクルローダ室18の圧力PRLよりも高くする、即ちP>PRLに設定することが好ましい。
【0086】
さらに、上記実施形態では露光装置10と基板処理装置(コータ・デベロッパなど)とをインライン接続するとき、両装置の間にバッファ部を設けるとともに、このバッファ部を上記両装置とは別の空調室に設置することがある。この構成では、ウエハローダ室20の圧力PWLをそのバッファ室内の圧力と同程度以上に設定することが好ましい。このとき、バッファ部が設置される空調室は、露光装置10又は基板処理装置の空調装置を兼用してその内部を空調してもよいし、あるいは専用の空調装置を用いてその内部を空調してもよい。また、バッファ部が設置される空調室はその内部の空調が行われない単なる空間(筐体など)であってもよい。以上のように本発明では、露光装置10にインライン接続される基板処理装置の圧力PCDとは、バッファ部(空調室)がないときは基板処理装置内の圧力であり、バッファ部(空調室)があるときはバッファ部(空調室)内の圧力であるものとする。また、露光装置10とインライン接続される基板処理装置はコータ・デベロッパなどに限られるものではなく、例えばレチクルに付着した異物などを検出する異物検出装置などでもよく、この場合にはレチクルローダ室18の圧力PRLを基板処理装置としての異物検出装置の圧力PCDよりも高くする、即ちPRL≧PCD、好ましくはPRL>PCDに設定すると良い。
【0087】
なお、上記実施形態において、メインコラム34内の圧力調整は、リターンダクト66に設けられた流量調整絞り66aによるガス排気量の調整によって行われるように説明したが、メインコラム34にガスを供給する給気流路としての第2送風機64の出力を調整してメインコラム34に対するガス給気量を調整することによってもメインコラム34内の圧力調整を行うことができる。この場合、第2送風機64によるメインコラム34内に対するガス給気量を多くすることによってメインコラム34内の圧力は上昇し、ガス給気量を少なくすることによってメインコラム34内の圧力は低下する。あるいは、メインコラム34内に対してガスを噴き出す給気流路としての噴き出し口75に流量調整絞り66aと同等の構成を有する流量調整絞りを設け、メインコラム34に対するガス給気量を調整することによっても、メインコラム34内の圧力調整を行うことができる。この場合、噴き出し口75に設けられた流量調整絞りの開口率を大きくすることによってメインコラム34内に対するガス給気量が多くなるのでメインコラム34内の圧力は上昇し、開口率を小さくすることによってガス給気量が少なくなるのでメインコラム34内の圧力は低下する。あるいは、排気流路としてのリターンダクト66に設けられた流量調整絞り66aと、給気流路としての噴き出し口75に設けられた前記流量調整絞りとを併設し、メインコラム34に対するガス給気量とガス排気量とを同時に制御して圧力調整をするようにしてもよい。
【0088】
上記実施形態において、レチクルローダ室18内の圧力調整は、レチクルローダ室18に接続する給気流路としての分岐路24aの途中(噴き出し口19)に設けられた流量調整絞り19aによるガス給気量の調整によって行われるように説明したが、排気流路としてのリターンダクト42に接続しているリターン部40あるいはリターンダクト42の途中(排気口42aより上流側)に流量調整絞りを設け、レチクルローダ室18からのガス排気量を調整することによってレチクルローダ室18内の圧力を調整するようにしてもよい。この場合、リターン部40に設けられた流量調整絞りの開口率を大きくすることによってレチクルローダ室18からのガス排気量が多くなるのでレチクルローダ室18の圧力は低下し、開口率を小さくすることによってガス排気量が少なくなるのでレチクルローダ室18の圧力は上昇する。あるいは、排気流路としてのリターン部40に設けられた流量調整絞りと、給気流路としての噴き出し口19あるいは分岐路24aに設けられた前記流量調整絞りとを併設し、レチクルローダ室18に対するガス給気量とガス排気量とを同時に制御して圧力調整をするようにしてもよい。
【0089】
上記実施形態において、ウエハローダ室20内の圧力調整は、ウエハローダ室20に接続する給気流路としての分岐路24cの途中(噴き出し口21)に設けられた流量調整絞り21aによるガス給気量の調整によって行われるように説明したが、排気流路としてのリターンダクト42に接続しているリターン部44あるいは排気口42aに流量調整絞りを設け、ウエハローダ室20からのガス排気量を調整することによってウエハローダ室20内の圧力を調整するようにしてもよい。この場合、リターン部44に設けられた流量調整絞りの開口率を大きくすることによってウエハローダ室20からのガス排気量が多くなるのでウエハローダ室20の圧力は低下し、開口率を小さくすることによってガス排気量が少なくなるのでウエハローダ室20の圧力は上昇する。あるいは、排気流路としてのリターン部44に設けられた流量調整絞りと、給気流路としての噴き出し口21あるいは分岐路24cに設けられた前記流量調整絞りとを併設し、ウエハローダ室20に対するガス給気量とガス排気量とを同時に制御して圧力調整をするようにしてもよい。
【0090】
なお、上記実施形態において、露光室16内の圧力調整は、OA口50に設けられた流量調整絞り50aによるガス給気量の調整によって行われるように説明したが、給気管路24を介して露光室16にガスを供給する給気流路としての第1送風機58の出力を調整して露光室16に対するガス給気量を調整することによっても露光室16内の圧力調整を行うことができる。この場合、第1送風機58の出力を上昇して露光室16内に対するガス給気量を多くすることによって露光室16、レチクルローダ室18、及びウエハローダ室20内の圧力は上昇し、第1送風機58の出力を低下してガス給気量を少なくすることによって露光室16内の圧力は低下する。その後、流量調整絞り18a、20aによって空調室18、20内の各圧力PWL、PRLを調整する、あるいは、露光室16内に対してガスを噴き出す給気流路としての噴き出し口90に流量調整絞りを設け、露光室16に対するガス給気量を調整することによっても、露光室16内の圧力調整を行うことができる。この場合、噴き出し口90に設けられた流量調整絞りの開口率を大きくすることによって露光室16内に対するガス給気量が多くなるので露光室16内の圧力は上昇し、開口率を小さくすることによってガス給気量が少なくなるので露光室16内の圧力は低下する。あるいは、排気流路としてのリターンダクト48に接続しているリターン部46あるいはリターンダクト48の途中に流量調整絞りを設け、露光室16からのガス排気量を調整することによって露光室16内の圧力を調整するようにしてもよい。この場合、リターン部46に設けられた流量調整絞りの開口率を大きくすることによって露光室16からのガス排気量が多くなるので露光室16の圧力は低下し、開口率を小さくすることによってガス排気量が少なくなるので露光室16の圧力は上昇する。あるいは、排気流路としてのリターン部46に設けられた流量調整絞りと、給気流路としてのOA口50又は噴き出し口90に設けられた前記流量調整絞りとを併設し、露光室16に対するガス給気量とガス排気量とを同時に制御して圧力調整をするようにしてもよい。
【0091】
上記実施形態において、圧力調整が行われるのはメインコラム34、ウエハローダ室20、露光室16、レチクルローダ室18であり、圧力検出器はこれら各空調室にそれぞれ設置され、圧力調整装置はこれら圧力検出器の検出結果に基づいて圧力調整を行う構成であるが、上記各空調室以外に、ウエハWが長時間配置される部分があれば、そこに圧力検出器を設置し、この圧力検出器の検出結果に基づいて圧力調整を行うことができる。例えば、ウエハローダ室20とメインコラム34との間に、ウエハステージWSTに対してウエハWの大まかな位置合わせを行うためのプリアライメント部を設けた場合には、このプリアライメント部に圧力検出器を設け、この圧力サンプリングポート(PSP)を設けて圧力検出器100のセンサ部(圧力センサまたは差圧センサなど)に接続し、この圧力検出器の検出結果に基づいて、圧力調整を行うようにする。この際、ウエハWが配置される時間に応じて、つまり、必要とされる清浄度に応じて、各空調室に対するプリアライメント部の圧力を設定する。
【0092】
上記実施形態において、圧力サンプリングポート(PSP)を各空調室に対して1つずつ設置し、電磁弁で切り換えながら1つのセンサ部(圧力センサ)で圧力を検出するものとしたが、1つの空調室に対して複数のPSPを設けるようにしてもよいし、あるいは1つの空調室に対して1つないし複数の圧力センサをPSPの代わりに直接設けることも可能である。例えば、メインコラム34において、圧力検出器を噴き出し口75近傍の他に、レーザ干渉計IF近傍に設置することも可能である。レーザ干渉計IF近傍に圧力検出器を設けることによって、レーザ干渉計IF近傍のガスの揺らぎを検出することができ、揺らぎのない環境下でレーザ干渉計IFが精度良い計測を行えているかどうかを判断することができる。また、1つの空調室に対して複数位置に圧力検出器を設けることにより、空調室内にフロー(風)が発生している場合、圧力検出器の設置位置によって風速やフローの向きが異なるので、フローの状況を把握することができるとともに、複数の圧力検出器の検出結果に基づいて、例えばフローの動圧成分の影響をキャンセルした検出結果を導き出すことができる。
【0093】
上記実施形態においては、圧力検出器は露光装置10内に組み込まれた構成であって、圧力調整装置は露光処理中においても圧力検出器の検出結果に基づいて圧力調整をする、いわゆるフィードバック制御を行うように説明したが、露光装置10の据え付け時や定期的なメンテナンス時など、装置精度を出す際の各空調室の圧力調整を行うときだけ圧力検出器を設置し、所定の圧力差を有するように各空調室が調整されたら、圧力検出器を露光装置10から外し、露光処理中においては、調整時に求めた圧力調整装置の設定値(流量調整絞りの開口率や送風機出力)を維持するようにしてもよい。つまり、露光装置10は圧力検出器を備えていなくてもよく、圧力検出器を備えない場合には、(1)式が成り立つように圧力調整装置を予め設定しておき、この設定値を維持しつつ露光処理を行う。
【0094】
また、圧力検出器を露光装置10に組み込んでおく場合、メンテナンス時などにおいて本体チャンバ12の扉が開けられた際、圧力検出器はこの扉が開けられることによって生じた大きな圧力変化を検知して動作を停止するとともに、表示装置がエラー表示を出力するような構成としてもよい。
【0095】
更に、上記実施形態において、図7に示すとおり本体チャンバ12内の前記給気管路24の一端(機械室14側の端部)に、ケミカルフィルタCF3を配置してもよい。この場合、フィルタボックスAF2はケミカルフィルタを含まないものとなる。加えて、3つのリターンダクト42、48、66が接続された機械室14の底面の一部に形成された開口に対向してケミカルフィルタCF1が設けられる。このケミカルフィルタCF1は、機械室14に設けられた不図示の開閉扉を介して容易に出し入れできるようになっている。
【0096】
本実施形態で用いられるケミカルフィルタCF1及びCF3は、ケミカルフィルタCF2及びCF4と同様に、クリーンルーム内に存在するアンモニアガス等の塩基性ガスの他、シロキサン、シラザン等のシリコン系の有機物、ハイドロカーボンは勿論、可塑剤や難然剤その他の化学的不純物をも除去するものが用いられて、その具体例には活性炭フィルタやゼオライトフィルタが含まれる。
【0097】
図7に示される構成を有する露光装置10における空調については以下のように説明される。
【0098】
まず、制御装置70により、第1、第2送風機58、64が作動され、これにより、フィルタボックスAF1、AF2、AF3、AF4をそれぞれ介してレチクルローダ室18、ウエハローダ室20、露光室16、メインコラム34内のウエハステージWST近傍に、ガスが送り込まれ、前記各部の空調が行われる。この場合、レチクルローダ室18、ウエハローダ室20内では、ダウンフローにより空調が行われる。また、露光室16内では、前述した露光動作中の露光装置本体22の各部の空調がサイドフローにより行われる。そして、リターン部40、44をそれぞれ介してリターンダクト42に戻されたガス、リターン部46を介してリターンダクト48に戻されたガス、及びリターンダクト66に戻されたガスは、これらのリターンダクトの機械室14側の出口(本実施形態では機械室14の入口)部分に設けられたケミカルフィルタCF1を通過する。このケミカルフィルタCF1を通過中に、各リターンダクト内のガスに含まれる前述したような化学的不純物質がケミカルフィルタCF1によって吸着除去される。
【0099】
そして、このケミカルフィルタCF1を通過したケミカルクリーンなガスは、OA口50を介して装置外から取り入れられ、ケミカルフィルタCF2を通過したケミカルクリーンなガスと一緒になって空調装置を構成するクーラー52によって所定温度まで冷却される。
【0100】
そして、クーラー52を通過して所定温度まで冷却されたガスは、約80%が第1ヒータ56に送り込まれ、残りの約20%が分岐路60内の第2ヒータ62に送り込まれ、それぞれの目標温度まで加熱される。制御装置70では、第2温度センサ72の検出値に基づいて第1ヒータ56をフィードバック制御するとともに、第3温度センサ74の検出値に基づいて第2ヒータ62をフィードバック制御する。この場合、給気管路24を介して露光室16等の内部に噴き出されるガスの目標温度(温度制御範囲を含む)と、分岐路60を介してウエハステージWST近傍に噴き出されるガスの目標温度(温度制御範囲を含む)とは、それぞれ個別に設定することができる。
【0101】
そして、第1、第2ヒータ56、62によりそれぞれの目標温度まで加熱された化学的に相当に清浄なガスは、第1、第2送風機58、64により、ケミカルフィルタCF3、CF4にそれぞれ送り込まれる。ケミカルフィルタCF3を通過したガスは、本体チャンバ12内の給気管路24及びフィルタボックスAF1、AF2、AF3をそれぞれ介してレチクルローダ室18、ウエハローダ室20、露光室16内にそれぞれ送り込まれる。また、ケミカルフィルタCF4を通過したガスは、フィルタボックスAF4を通過してウエハステージWST近傍に送り込まれる。
【0102】
他の構成や各空調室の圧力の設定方法などについては図1に示される露光装置10と同様であるのでその説明を省略する。
【0103】
なお、上記実施形態の露光装置10(図1、図7)では露光室18及びメインコラム34でそれぞれサイドフローにて空調を行うものとしたが、ダウンフローにて空調を行っても構わない。また、上記実施形態では露光室16に近接して機械室14を配置するものとしたが、露光装置本体が設置されるクリーンルームとは別の空間(例えばクリーンルームの床下の空間など)に、機械室14の少なくとも一部を設置してもよい。さらに、露光室16、レチクルローダ室18,及びウエハローダ室20で空調装置(第1送風機58など)を共用するものとしたが、複数の空調装置を設け、例えば露光室16と、レチクルローダ室18及びウエハローダ室20とで異なる空調装置を用いるようにしてもよい。
【0104】
また、露光装置本体22の少なくとも一部が収納される露光室16、レチクルローダ室18、及びウエハローダ室20はそれぞれ1つのチャンバを仕切板で区切って規定してもよいし、あるいは異なる筐体(チャンバ)にそれぞれ収納してもよい。さらに、露光室16などを含む複数の空調室は筐体や仕切板などでその空間が明確に規定されてもよいし、あるいは筐体や仕切板などを用いることなく、温度などが制御された気体がそれぞれ独立に供給される空間であってもよい。また、上記実施形態の露光装置10の構成(例えば、各空調室16、18、20、34内の構成)は図1に限定されるものでなく任意で構わない。
【0105】
さらに、本実施形態の露光装置10として、レチクル(マスク)Rとウエハ(基板)Wとを同期移動してレチクルのパターンを露光する走査型の露光装置にも適用することができる。
【0106】
本実施形態の露光装置10として、レチクルとウエハとを静止した状態でレチクルのパターンを露光し、基板を順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート型の露光装置にも適用することができる。
【0107】
露光装置10の用途としては半導体製造用の露光装置に限定されることなく、例えば、角型のガラスプレートに液晶表示素子パターンを露光する液晶用の露光装置や、薄膜磁気ヘッド、撮像素子、マイクロマシン、DNAチップ、及びマスク(レチクル)などを製造するための露光装置にも広く適当できる。
【0108】
本実施形態の露光装置10の光源は、g線(436nm)、h線(405nm)、i線(365nm)などを用いることもできる。
【0109】
投影光学系PLの倍率は縮小系のみならず等倍および拡大系のいずれでもよい。
【0110】
ウエハステージやレチクルステージにリニアモータを用いる場合は、エアベアリングを用いたエア浮上型およびローレンツ力またはリアクタンス力を用いた磁気浮上型のどちらを用いてもいい。また、ステージは、ガイドに沿って移動するタイプでもいいし、ガイドを設けないガイドレスタイプでもよい。
【0111】
ステージの駆動装置として平面モ−タを用いる場合、磁石ユニット(永久磁石)と電機子ユニットのいずれか一方をステージに接続し、磁石ユニットと電機子ユニットの他方をステージの移動面側(ベース)に設ければよい。
【0112】
ウエハステージの移動により発生する反力は、特開平8−166475号公報に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。本発明は、このような構造を備えた露光装置においても適用可能である。
【0113】
レチクルステージの移動により発生する反力は、特開平8−330224号公報に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。本発明は、このような構造を備えた露光装置においても適用可能である。
【0114】
以上のように、本願実施形態の露光装置は、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
【0115】
半導体デバイスは、図6に示すように、デバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板(ウエハ、ガラスプレート)を製造するステップ203、前述した実施形態の露光装置によりレチクルのパターンを基板に露光する基板処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
【0116】
【発明の効果】
本発明の露光装置は以下のような効果を有するものである。
本発明の第1実施態様における露光装置によれば、チャンバ内に設けられた複数の空調室のそれぞれに対して、この空調室の圧力を検出する圧力検出器を設置することにより、空調室のそれぞれの圧力を検出し、この検出結果に応じて圧力管理を精度良く行うことができる。圧力管理を精度良く行うことによって、基板や露光光の光路空間を高い清浄度に維持することができるので、基板にレジストが塗布されている際のレジスト劣化や光路空間における露光光の光量減衰を防止することができ、精度良い露光処理を行うことができる。
【0117】
本発明の第2実施態様における露光装置によれば、空調室のそれぞれの圧力を調整する圧力調整装置を備え、圧力調整装置は、圧力検出器の検出結果に基づいて、複数の空調室のそれぞれが所定の圧力差を有するように圧力調整を行うので、例えば空調室間で大きなフロー(風)を生じさせない程度に所望の圧力差を有するように圧力調整をすることができるなど、精度良く圧力調整を行うことができる。
【0118】
本発明の第3及び第4実施態様における露光装置によれば、圧力調整装置は、空調室のそれぞれに対する給気量又は排気量の少なくとも一方を調整することにより圧力調整を行うものであって、空調室のそれぞれに接続する給気流路又は排気流路の少なくとも一方に設けられ、流路の開口率を調整することによってガス流量を調整する流量調整絞りによって構成されているため、簡易な構成で圧力調整を容易に行うことができる。
【0119】
本発明の第5実施態様における露光装置によれば、露光装置内において基板が最も長い時間配置される露光用ステージを収納するコラム室の圧力を他の空調室より高く設定することにより、コラム室へは外部からの不純物質が流入しないので、基板にレジストが塗布されている際、レジスト劣化を防ぐことができる。また、コラム室は露光光の光路空間であるので、このコラム室に対する不純物質の流入を防ぐことによって露光光の光量減衰や照度むらを防止することができる。したがって、精度良い露光処理を行うことができる。
【0120】
本発明の第6乃至第10実施態様における露光装置によれば、チャンバ内において基板が最も長い時間配置されるコラム室の圧力を他の空調室より高く設定することにより、コラム室に対する不純物質の流入を防止することができるので、基板にレジストが塗布されている際のレジスト劣化を防止することができる。また、露光光の光路空間であるコラム室に不純物質が流入しないことになるので、露光光の光量減衰を防止することもできる。このように、コラム室の圧力を他の空調室より高くすることによって基板や光路空間の高い清浄度を維持することができるので、精度良い露光処理を行うことができる。そして、チャンバ内において、コラム室の次に基板が長い時間配置される基板搬送系収納室の圧力を、他の空調室のうちコラム室の次に高く設定することにより、基板搬送系収納室に対する不純物質の流入を防止することができる。したがって、基板にレジストが塗布されている際、レジスト劣化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の露光装置の一実施形態を示す概略構成図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】流路開口率調整部を示す図である。
【図4】流路開口率調整部を示す図である。
【図5】圧力検出器の構成を示す模式図である。
【図6】半導体デバイスの製造工程の一例を示すフローチャート図である。
【図7】本発明の露光装置の他の実施形態を示す概略構成図である。
【符号の説明】
10 露光装置
12 本体チャンバ(チャンバ)
16 露光室(空調室)
16a 圧力サンプリングポート(圧力検出器)
18 レチクルローダ室(マスク搬送系収納室、空調室)
18a 圧力サンプリングポート(圧力検出器)
19a 流量調整絞り(流路開口率調整部、圧力調整装置)
20 ウエハローダ室(基板搬送系収納室、空調室)
20a 圧力サンプリングポート(圧力検出器)
21a 流量調整絞り(流路開口率調整部、圧力調整装置)
22 露光装置本体
24 給気管路(給気流路)
24a 分岐路(給気流路)
24c 分岐路(給気流路)
30 本体コラム(コラム室)
34 メインコラム(コラム室、空調室)
34a 圧力サンプリングポート(圧力検出器)
42 リターンダクト(排気流路)
48 リターンダクト(排気流路)
50 OA口
50a 流量調整絞り(流路開口率調整部、圧力調整装置)
58 第1送風機
64 第2送風機
66 リターンダクト(排気流路)
66a 流量調整絞り(流路開口率調整部、圧力調整装置)
70 制御装置(圧力調整装置)
80 レチクルライブラリ(マスク搬送系)
82 レチクルローダ(マスク搬送系)
84 ウエハキャリア(基板搬送系)
86 ロボット(基板搬送系)
88 ウエハ搬送装置(基板搬送系)
100 圧力検出器
WST ウエハステージ(露光用ステージ)

Claims (20)

  1. パターンを基板に露光する露光装置本体を備え、チャンバ内に収納される露光装置であって、
    前記チャンバ内は複数の空調室に分割されており、
    前記複数の空調室に関連する圧力情報を検出する圧力検出器と、
    前記複数の空調室のそれぞれの圧力を前記圧力検出器の検出結果に基づいて調整する圧力調整装置とを備え、
    前記複数の空調室は、
    基板を載置して露光処理する露光用ステージを収納するコラム室と、
    前記露光装置本体を収納する露光室と、
    前記露光装置本体に対して前記パターンが形成されたマスクを搬入するとともに、前記露光装置本体から前記マスクを搬出するマスク搬送系が収納されたマスク搬送系収納室と、
    前記露光装置本体に対して前記基板を搬入するとともに、前記露光装置本体から前記基板を搬出する基板搬送系が収納された基板搬送系収納室とを含み、
    前記コラム室の圧力をP、前記露光室の圧力をP、前記マスク搬送系収納室の圧力をPRL 、前記基板搬送系収納室の圧力をPWL、としたとき、前記圧力調整装置は、
    ≧ PWL ≧ P ≧ PRL
    となるように、前記調整を行う。
  2. 請求項1に記載の露光装置であって、
    前記圧力調整装置は、前記圧力検出器の検出結果に基づいて、前記複数の空調室のそれぞれが所定の圧力差を有するように、前記調整を行う。
  3. 請求項1または2に記載の露光装置であって、
    前記圧力調整装置は、前記空調室のそれぞれに対する給気量又は排気量の少なくとも一方を調整することにより、前記調整を行う。
  4. 請求項3に記載の露光装置であって、
    前記空調室のそれぞれに接続する給気流路及び排気流路を備え、
    前記圧力調整装置は、前記給気流路又は排気流路の少なくとも一方に設けられ、流路の開口率を調整することによってガス流量を調整する流路開口率調整部を有する。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の露光装置であって、
    前記露光装置の設置環境の圧力をPCRとしたとき、
    RL ≧ PCR
    となっている。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の露光装置であって、
    前記各空調室内の圧力が前記所定の関係を満たさない場合に警報を表示する表示装置を備える。
  7. パターンを基板に露光する露光装置本体を備え、チャンバ内に収納される露光装置であって、
    前記チャンバ内は複数の空調室に分割されており、
    前記空調室のそれぞれの圧力を調整する圧力調整装置を備え、
    前記複数の空調室は、
    基板を載置して露光処理する露光用ステージを収納するコラム室と、
    前記露光装置本体を収納する露光室と、
    前記露光装置本体に対して前記パターンが形成されたマスクを搬入するとともに、前記露光装置本体から前記マスクを搬出するマスク搬送系が収納されたマスク搬送系収納室と、
    前記露光装置本体に対して前記基板を搬入するとともに、前記露光装置本体から前記基板を搬出する基板搬送系が収納された基板搬送系収納室とを含み、
    前記コラム室の圧力をP、前記露光室の圧力をP、前記マスク搬送系収納室の圧力をPRL、前記基板搬送系収納室の圧力をPWL、としたとき、前記圧力調整装置は、
    ≧ PWL ≧ P ≧ PRL
    となるように、前記調整を行う。
  8. 請求項7に記載の露光装置であって、
    前記露光装置の設置環境の圧力をPCRとしたとき、
    RL ≧ PCR
    となっている。
  9. 請求項8に記載の露光装置であって、
    前記露光装置とインライン接続される基板処理装置内の圧力をPCDとしたとき、
    WL ≧ PCD
    なる関係を更に満たしている。
  10. 第1物体のパターンを第2物体上に転写する露光装置であって、
    前記第1物体を介して照明ビームで前記第2物体を露光する露光装置本体のうち少なくとも前記第1物体が配置される第1室と、
    前記露光装置本体のうち少なくとも前記第2物体が配置される第2室と、
    前記第1室との間で前記第1物体を移送する第1搬送系が配置される第3室と、
    前記第2室との間で前記第2物体を移送する第2搬送系が配置される第4室と、
    前記第1室、第2室、第3室、及び第4室にそれぞれ少なくとも温度が制御された気体を供給する気体供給装置とを備え、
    前記第1室の圧力をP、前記第2室の圧力をP、前記第3室の圧力をPRL、前記第4室の圧力をPWLとして、P ≧ PWL ≧ P ≧ PRLとなるように前記各室の圧力が設定される。
  11. 請求項10に記載の露光装置であって、
    前記各室の圧力は前記露光装置の設置環境の圧力PCRと同程度以上に設定される。
  12. 請求項11に記載の露光装置であって、
    前記各室の圧力は前記設置環境の圧力PCRよりも高く設定されるとともに、前記第3室は前記設置環境との差圧が0.5[Pa]程度以上となるようにその圧力PRLが設定される。
  13. 請求項12に記載の露光装置であって、
    前記第2室は前記設置環境との差圧が1.5[Pa]程度以下となるようにその圧力Pが設定される。
  14. 請求項10〜13のいずれか一項に記載の露光装置であって、
    前記第4室の圧力PWLは前記露光装置とインライン接続される基板処理装置内の圧力PCDと同程度以上に設定される。
  15. 請求項14に記載の露光装置であって、
    前記第4室の圧力PWLは前記基板処理装置内の圧力PCDよりも高く、かつ前記第2室の圧力Pよりも低く設定される。
  16. 請求項10〜15のいずれか一項に記載の露光装置であって、
    前記第4室の圧力PWLは前記第1及び第3室の圧力PB、PRLよりも高く設定される。
  17. 請求項10〜16のいずれか一項に記載の露光装置であって、
    前記第2室の圧力Pは前記第4室の圧力PWLよりも高く設定される。
  18. 請求項10〜17のいずれか一項に記載の露光装置であって、
    前記第1室、第2室、第3室及び第4室の少なくとも1つに関連する圧力情報を検出する圧力検出器を備える。
  19. 請求項18に記載の露光装置であって、
    前記圧力情報が前記所定の関係を満たさない場合に警報を表示する表示装置を備える。
  20. 請求項1〜19のいずれか一項に記載の露光装置を用いてパターンを感光物体上に転写する工程を含むデバイス製造方法。
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