JP4085714B2 - 自動販売機のケース基台 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動販売機の本体ケースの底部側に設けたケース基台の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
まず、本発明の実施対象となる自動販売機の構成を図3に示す。図において、1は断熱筐体としてなる自動販売機の本体ケース(外箱)、2は前面外扉、2aは商品取出口、3は断熱内扉、4は本体ケース1の底部側に溶接した結合したケース基台基台、5は基台4の四隅コーナーに取付けた支脚、6は本体ケース1の庫内に搭載した商品収納ラック、7は商品収納ラック6から払出した商品を商品取出口2aに送出する商品搬出シュータ、8は基台4の上面に搭載した庫内保冷用冷凍機のコンデンシングユニットである。かかる構成で、自動販売機の重量を基台4で支え、支脚5を介して設置面に据え付けるようにしている。
【0003】
次に、前記したケース基台4の従来例として、本発明と同一出願人より先に出願した特開平9−251569号公報に開示されている構造を図4(a),(b) に示す。すなわち、ケース基台4は、方形状に裁断した鋼板の周囲四辺を裏面側へコ字形に折り曲げて外枠部を形成した基台本体4aに対し、その裏面側に補強板4bを組み合わせてその周縁を基台本体4aに溶接接合した箱型構造になり、かつ補強板4bには左右および中央の数カ所に絞り加工を施して補強リブ部4b-1が形成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記した従来構造のケース基台は、その補強板4bを製作する工程で補強リブ部4b−1を形成するために、絞り加工機,絞り金型を必要とすることからコスト高となる。また、従来構造のケース基台をそのまま総重量が重い大形の自動販売機に採用すると、ケース基台の剛性不足から本体ケースの外扉がスムーズに開け閉めできなくなるといった強度上の問題もあり、そのために従来では図4に示した補強板4bの絞り加工部4b−1を別な平板で塞いで溶接するなどの補強策を講じているのが現状であるが、部品,組立工数が増えて製品コストを押し上げる。
【0005】
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、コストアップの要因となる絞り加工を必要とせずに、低コストで高剛性な自動販売機のケース基台を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明によれば、庫内に商品収納ラックを搭載した前面扉付き本体ケースの底部に結合し、その四隅コーナーに支脚を取付けた自動販売機のケース基台で、該ケース基台が鋼板製の基台本体の裏面側に補強板を溶接接合した箱型構造になるものにおいて、基台本体に、その前後辺の側縁を裏面内側へU字状に折り曲げて外枠部を形成した上で、その外枠部の間に前後辺の側縁をL字状に折り曲げた補強板を嵌挿して抱え込むとともに、基台本体と補強板の間の中央部にチャンネル形のスペーサを介挿し、基台本体と補強板、スペーサ、およびスペーサと補強板の中央に形成した穴の周縁の間を溶接接合して組立てるものとする(請求項1)。
【0007】
上記構造のケース基台によれば、発明者等が行った構造解析の結果からも、従来構造の基台と比べて高い剛性を確保できることが確認されている。しかも、その製作にはコストを押し上げる絞り加工が必要なく、通常の板金加工と溶接だけで低コストに製造できる。
また、本発明によれば、前記ケース基台の実施態様として、補強板の左右両辺の側縁部に、ケース基台を本体ケースの底部に溶接する際の作業用角穴を開口する(請求項2)。これにより、ケース基台をケース本体(外箱)の底部に溶接する際に、前記角穴を溶接作業スペースとしてここに裏側から溶接電極を挿入して基台本体とケース本体との間の溶接作業が支障無く行える。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1および図2(a) 〜(c) に示す実施例に基づいて説明する。すなわち、図示実施例ケース基台4は、基本的に従来構造と同様に鋼板製の基台本体4aと、その裏面側に溶接接合した補強板4bからなる箱型構造になる。
【0009】
ここで、基台本体4aは、その周囲四辺のうちの前後二辺の側縁を裏面内側へU字状に折り曲げ(板金加工)て外枠部4a-1を形成し、左右側縁はL字状に折り曲げ(板金加工)して側壁4a-2を形成している。また、基台本体4aの裏面中央部にはチャンネル形のスペーサ4cを、さらに四隅コーナーには支脚5(図3参照)の脚座5aを溶接接合(スポット溶接)しておく。なお、4a-3は基台本体4aをメッキする際に、その前処理液を抜くために開口した穴、4a-4は風穴(ケース基台上に搭載した冷凍機のコンデンシングユニット8(図3参照)に導風する冷却風の一部を据付け床面側に排出するための排気口)である。
【0010】
一方、補強板4bにはその前後二辺の側縁を上方へL字状に折り曲げ(板金加工)た上で、左右二辺の側縁部には後記する溶接作業用の角穴4b-2を、また板面中央には前記スペーサ4cに位置を合わせて穴4b-3を開口(プレス加工)した構造になる。なお、補強板4bの前後幅は、前記した基台本体4aの前後辺に形成した外枠部4a-1の間の間隔に合わせている。
【0011】
そして、ケース基台4の組立工程では、基台本体4aに裏面側から補強板4bを嵌め込んで外枠4a-1の間に抱え込む。次に、図2(c) で表すように、補強板4bの周縁に沿って基台本体4aに溶接接合(W)し、さらに補強板4bの板面中央に開口した穴4b-3の穴周縁とスペーサ4cとの間を溶接接合する。
上記構造のケース基台2は、図4に示した従来例の構造と比べて高い剛性を確保できることが、発明者等が行った構造解析(シミュレーション手法)の結果から確認されている。また、基台本体4aと補強板4bとの間にスペーサ4cを介挿したことで、ケース基台の下にリフトのフォークを差し込んで自動販売機を持ち上げ搬送する場合の変形を防止できる。
【0012】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、基台本体の前後辺に側縁を裏面内側へU字状に折り曲げて外枠部を形成した上で、その外枠部の間に前後辺の側縁をL字状に折り曲げた補強板を嵌挿して抱え込むとともに、基台本体と補強板の間の中央部にチャンネル形のスペーサを介挿し、基台本体と補強板,スペーサ、および補強板の中央に形成した穴の周縁とスペーサとの間を溶接接合してケース基台を構成したことにより、絞り加工を必要とせに高剛性のケース基台を低コストで製作することができる。
【0013】
また、基台の中央部に配置したスペーサが、自動販売機の持ち上げ搬送時の変形防止に有効に機能し、さらに補強板の左右側縁部に溶接作業用の角穴を開口した請求項2の構成を採用することで、ケース基台を自動販売機の本体ケースの底部に溶接する作業スペースを確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係わるケース基台を裏面側から見た分解斜視図
【図2】図1のケース基台の組立構造図であり、(a),(b) はそれぞれ基台の平面図,裏面図、(c) は(a) の矢視X−X断面図
【図3】自動販売機の全体構成図
【図4】従来におけるケース基台の構成図であり、(a) は裏面図、(b) は(a) の分解斜視図
【符号の説明】
1 自動販売機の本体ケース
4 ケース基台
4a 基台本体
4a-1 外枠部
4b 補強板
4b-2 角穴
4c スペーサ
5 支脚
5a 脚座
Claims (2)
- 庫内に商品収納ラックを搭載した前面扉付き本体ケースの底部に結合し、その四隅コーナーに支脚を取付けた自動販売機のケース基台であり、該ケース基台が、鋼板製の基台本体の裏面側に補強板を溶接接合した箱型構造になるものにおいて、
基台本体に、その前後辺の側縁を裏面内側へU字状に折り曲げて外枠部を形成した上で、その外枠部の間に前後辺の側縁をL字状に折り曲げた補強板を嵌挿して抱え込むとともに、基台本体と補強板の間の中央部にチャンネル形のスペーサを介挿し、基台本体と補強板,スペーサ、および補強板の中央に形成した穴の周縁とスペーサとの間を溶接接合して組立てたことを特徴とする自動販売機のケース基台。 - 請求項1記載のケース基台において、補強板の左右両辺の側縁部に、ケース基台を本体ケースの底部に溶接する際の作業用角穴を開口したことを特徴とする自動販売機のケース基台。
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