JP4085340B2 - 交換可能なシエルを有するスーツケース - Google Patents
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Description
フレームから交換または取外すことができるシエルを有するそのようなスーツケースは、例えば米国特許4,270,590および国際出願WO96/02160から既知である。
ここに参照として取入れるWO96/02160は可変容積のスーツケースを記載する。普通のスーツケース例えばナイトスーツケースまたは休暇スーツケースの内部の容積は通常一定であるため、異なる容積を満たすためには異なるスーツケースを使用することが必要である。例えば、数日のビジネス旅行のためには数週間の休暇旅行のためよりも小さいスーツケースが適している。異なるサイズの多数のスーツケースを買うコストは高い。さらにスーツケースは大きい貯蔵スペースを必要とする。
WO96/02160に記載されたスーツケースの場合には、シエルは中央部分の半割フレームへ取外し自在に接続される。このことは、異なる深さのシエルを一つの同じ中央部分と組合せて使用できることを意味する。この態様においてスーツケースの容積をその中味の容積へ適合させることができる。通常硬質プラスチックよりなるシエルは、軽金属または硬質プラスチックよりなる中央部分と合体して適当なスーツケースを形成する。スーツケースを使用しない時は、異なる深さのシエルは他のシエルの内側へ重ねることができる。このようにスーツケースは異なる容積を有する多数の普通のスーツケースよりも相当に小さい貯蔵スピースを必要とする。スーツケースの縁は周辺の縁リップを有し、該リップは内側から関連する半割フレームの周縁に対して接触し、ロックされる。
もし交換可能なスーツケースが腰掛けに使用されたならば、または別のスーツケースもしくは他の重い物体が輸送中にそのようなスーツケースの上に重ねられたならば、それぞれの関連する半割フレーム上の二つのシエル部分のロッキングエレメント上に外側から大きな力が働く。
本発明の基礎とする課題は、シエル部分が外部から高い荷重を受けた時でさえも、フレーム部分およびシエル部分は一体に保持され続け、そのためスーツケースの安定性がなお確保されるような、交換可能なシエルを有する既知のスーツケース、特にWO96/02160から既知のスーツケースを開発することである。この場合、それぞれのシエルをその関連する半割フレーム中にロックするための手段へ作用する力は低く保たれ、その結果簡単なロック手段を使用することができ、これはユーザーがシエル部分をすばやくそして問題なしに交換することを許容する。
この課題は請求項1の特徴を有する可変容量のスーツケースによって解決される。
本発明によるスーツケースは、各シエルの縁は少なくとも一部の区域においてフランジによって延長され、該フランジの幅はスーツケースを閉じる時、第1のシエルのフランジと第2のシエルのフランジが互いに接して衝突し互いに支え合うように選定されることを特徴とする。このフランジは、適当にはシエルが半割フレームに挿入されそしてロックされる時、フランジが半割フレームの縁と実質面一に終わるような幅である。このことは、シエルが外側から高い荷重を受ける時でさえフレームから外れることができないことを確実にする。シエル部分は互いに支え合っているので、ロックエレメントは低い力を吸収することを要するのみである。該ロックエレメントは比較的簡単なそしてコンパクトな構造のものでよく、その結果スーツケースシエルを非常に容易に交換することができる。
好ましくはフランジは直角に曲がってシエルの主要面に対して実質上直角に向いているシエルの縁の延長を形成している。
通常フランジおよびスーツケースシエルはワンピース部品、例えばプラスチック成形品で形成される。
有利にはフランジの縁にシール片が配置され、この縁はスーツケースを閉じる時互いに衝突する。好ましくはこれらのシール片は弾力性材料からなり、スーツケースを閉じる時二つのシエル部分のシール片は互いに押し付けられ、そしてこのように区画されたスーツケース内部の外部への必要なシールを確実にする。
特に有利には、シエルはフランジがヒンジ区域を除いてシエルの全部の側縁を延びるように構成される。
有利にはフランジはシエルへ周辺の折り目区域を介して接続される。
有利には各半割フレームは、シエルのフランジストリップがその中に係合するみぞが少なくともハンドル側および二つの側部分の区域に設けられている周縁を内側に有する。この周縁はシエルの挿入の間ストップとして作用し、このみぞに係合するストリップは半割フレームにシエルを精密に位置決めしそして固定することを確実にする。加えてストリップおよびみぞの相互係合は、重いスーツケースが持ち上げられる時、フレームとシエルがハンドル側に接続され続け、そしてフレームのハンドル側の可能性ある曲げ変形が防止されることを確実にする。
好ましくは各半割フレームは、ヒンジ側の内側にそれぞれのシエルの縁がその中に係合するみぞと、そして反対のハンドル側にはそれぞれシエルをその半割フレーム中へロックするための少なくとも一つの手段を有する。このことは、シエルはヒンジ側においてみぞ/縁係合接続によって所定位置に固定され、そして他の側において他のシエルの縁によって支持されることを意味する。
本発明によるスーツケースの好ましい具体例においては、ロック手段は各半割フレームのハンドル側の内側へ可動態様でフィットし、そしてシエルフランジのハンドル側に設けた係合システムと相互作用するスライドを含む。係合システムはここでは、スライドの開位置において半割フレームの周縁に対してシエルが当接できるように構成される。次にもしスライドが閉位置へ動けば、スライドと係合システムは、シエルが周縁に対して当接してロックされ、再び半割フレームの外へ回動できないように相互作用する。
スライドのための係合システムは、例えばフランジのハンドル側から突出するリブとして設計することができ、ハンドル側の二つの外縁区域に好ましく配置される。
好ましくはスライドは、ロックされた状態においてそしてスーツケースが閉じられる時、それらが相互を脱ロックに対し阻止するように、それらの半割フレーム上に対向して配置される。
この目的のため、有利には各スライドは半割フレームの縁を開閉する方向に突出する作動ウエブを有する。スーツケースが閉じられる時、二つの半割フレームの作動ウエブは部分的に重なる態様で並置関係に配置され、このため相互に望ましくない変位に対して固定する。
本発明はまた、上に記載したタイプのスーツケースと、複数の異なる構造の交換可能なシエルとからなるスーツケースセットに関する。もっと正確には、この状況におけるスーツケースセットに関し、もし少なくとも三つの交換可能なシエルが備えられるならば、少なくとも一つのシエルは他の二つのシエルとは異なる構造にされるということができる。これは、例えば異なる着色もしくは形状、異なる表面組織、シエル内部の異なる取付具、または異なる材料を含むことができる。
しかしながら特に好ましい具体例によれば、スーツケースセットは一つの中央部分と、そして異なる深さの少なくとも二対のシエルとから形成される。そのようなスーツケースセットは少なくとも二つの普通のスーツケースの利益を有する。コストはすばやい製造サイクルおよび簡単な組立てによって低減される。本発明によるスーツケースは任意の様式に製造することができる。本発明の原理は任意のタイプのスーツケースへ適用することができる。加えてシエルを交換できる能力はスーツケースの個別のカラーコーディネーションに対する新しい可能性を開く。一つのスーツケースセットは例えば硬質シエルと可撓性シエルの対を含むことができる。
本発明に従った例示的具体例を添付図面を参照して以下に説明する。
図1は、一方のスーツケースシエルが丁度中央部分のフレーム中へ挿入されつつある、本発明によるスーツケースの部分斜視図である。
図2は、シエルなしのスーツケースの中央部分を図示する。
図3は、図2においては開いていた半割フレームが閉じられ、そしてシエルが挿入されている図2の線III−IIIに沿った断面図である。
図4は、シエルロック手段の例示的具体例として、スライドの平面図である。
図5は、図4のスライドの側面図である。
図6は、異なる容積のシエルを有する本発明に従ったスーツケースセットの斜視図である。
図1および図2に示した中央部分10は、二つの半割フレーム20,30によって形成される。各半割フレームはハンドル側21,31,ヒンジ側22,32、および二つの側方部分23,33を有し、二つの半割フレーム20,30は蝶番14によってヒンジ連結され、そしてそれらの閉鎖縁27,37に沿って相互に密接へもたらすことができる。閉鎖具11はヒンジ14の反対に位置する半割フレーム20,30の側に設けられる。半割フレーム20,30中閉鎖具11の中間にハンドル13(図1には示さず)を収容するためのくぼみ12が設けられる。半割フレーム20,30は各自周縁24,34を有する。さらに半割フレーム20,30のヒンジ側22,32上にヒンジ14と平行して内側みぞ25,35が設けられる。
図1に示したスーツケース内部は二つの浅いシエル41,42によって形成され、それらは交換できるように中央部分10中に挿入することができる。シエル41,42は各自半割フレーム20,30の周縁24に対して当接する縁リップ47を有する。半割フレーム20,30のヒンジ側22,32では縁リップ46はみぞもしくは玉縁25,35の背後で係合する。
各シエルは縁リップ区域47をこえてフランジ43,44によって延長される。フランジの幅は、スーツケースが閉じる時シエル41,42のフランジ43,44が相互に衝突し、その結果ヒンジ区域を除いてスーツケース内部が二つのシエル41,42によって完全に封じられるような寸法とされる。ハンドル側21,31へ割当てられたフランジ区域には係合システム60が設けられ、該システムは半割フレーム20,30中にシエル41,42をロックするため、ハンドル側の底に設けた二つのスライド70と相互作用する。図示した具体例においては、二つのスライド70を有し、このため第1の係合システム61および第2の係合システム62が備えられる。
シエル41,42が挿入されている半割フレーム20,30の特に有利な断面構造が図3に図示されている。周縁24,34は、ストップとして設計されただけでなく、みぞ26,36も有し、その中に該みぞの形状に相補的なシエル41,42の周縁リップ47のストリップ45が係合することができる。これは重いスーツケースを持ち上げる時、ハンドル側21,31がシエル41,42の頂縁から離れて動くことがなく、むしろ中央部分10およびシエル41,42が垂直方向において寸法的に安定な態様で相互に接続されることを確実にする。この図は縁リップ区域47をこえてフランジ43,44によるシエル41,42の延長を特に明瞭に示している。図示したスーツケースの閉鎖状態においては、フランジ43,44はその端部において相互に衝突している。スーツケースのより良いシールのため、特に外部からスーツケース中へ湿気が浸透するのを防止するため、フランジ43,44の端面に弾力性シール片48,49が配置され、そしてスーツケース閉鎖時加圧される。
関連する半割フレーム20,30中にシエル41,42をロックするための手段60,70が半割フレーム20,30のハンドル側21,31に配置される(図1)。
そのようなロック手段の一例として、図4および5はスライド70をそれぞれ平面図および側面図として図示する。図4の平面図において、さらに点線は係合システム60の対応する立体位置を図示し、それはシエル41のフランジ43上に配置されそしてそれとスライド70が相互作用する。
スライド70は二つのスロット71a,71bを有し、それを通ってスライドを半割フレーム20のハンドル側21の内側にねじもしくはリベット(図示せず)を用いて固着することができる。スロット71a,71bは各自二つのくぼんだ部分を有し、それらはロックされた位置および解除された位置のためのキャッチのタイプを構成する。スライド70はスロット71a,71bによってあらかじめ決められた寸法に従って長手方向に動くことができる。この目的のため、それは頂部により良い把持を与えるためのそして例えばユーザーの親指で動かすことができるこぶ74を備える作動ウエブ73を有する。もしスライド70がその閉位置へ動かされるならば(図4において矢印方向)、スライド70の舌72が係合72が係合システム60のリブみぞ61a中に係合し、そして作動ウエブ73の切り欠きが係合システムのフイン61bと係合する。その時シエルは半割フレーム中の所定位置にロックされる。
相互に対向するスライドの作動ウエブ73は半割フレームの閉鎖縁27,37を少しこえて突出し(図1)、そしてロック状態においてそしてスーツケースが閉じられる時、望まない外れに対し相互に固定する。
図6は、一対の半割フレーム20,30と、そして四つのシエル41,42,51,52からなるスーツケースセットを図示する。シエル41,42は浅いシエルセット40を形成しそして深いシエルセット50を形成するシエル51,52より深さが小さい。貯蔵目的のため、シエル41,42,51,52は一方を他方の内側へ配置することができ、このため二つの完全なスーツケースよりも相当に少ない貯蔵スペースを必要とする。底のコーナー区域において、スーツケースシエル41,42,51,52は、好ましくは各自スーツケースシエル上に一体に形成された半球形ソケット中に配置された球体よりなる脚を有する。好ましくはこれらの球体は硬質ゴムもしくはプラスチックで構成される。それらは掻き傷をつくらない点で普通のスーツケース脚を上廻る利益を有する。球体の代わりに、半球形または半円形スタンドを設けることも可能であり、それらは例えばプラスチックで構成され、そして接地表面の区域にゴムインサートを持つことができる
本発明によるスーツケースの使用方法は以下の通りである。
最初に詰めるべき中味の容積に最良に適合するであろう一対のシエルを選定することが必要であり、次に選定したシエルの縁リップ46をみぞもしくは玉縁25,35の背後に係合しなければならない。それぞれのシエルは、周縁リップ47が周縁24,34上に着座し、そして縁リップ47のストリップ45が半割フレームのみぞ26,36中に係合するように、それぞれのシエルを関連する半割フレーム中に押し込まなければならない。最後に関連する半割フレーム中の二つのスライド70をそれらの閉位置へ動かし、そして本発明によるスーツケースが使用可能となる。
Claims (10)
- 相互にヒンジ連結され、そしてスーツケース内部を形成する二つのシエル(41,42,51,52)のための支持体として作用する二つの安定な半割フレーム(20,30)よりなる中央部分(10)を有し、各半割フレーム(20,30)はハンドル側(21,31),ハンドル側の反対に位置するヒンジ側(22,32)および二つの相互に対向する側部分(23,33)を有し、各シエル(41,42,51,52)はそれへ割当てられた半割フレーム(20,30)へ着脱自在に接続されるスーツケースであって、
各シエル(41,42,51,52)の周縁は少なくとも一部の区域においてフランジ(43,44)によって延長され、該フランジ(43,44)はシエル(41,42,51,52)のヒンジ区域を除いて全部の側を延びており、そして該フランジの幅はスーツケースを閉じた時第1のシエル(41,51)のフランジ(43)および第2のシエル(42,52)のフランジ(44)が相互に衝突しそして相互を支えるように選定されていることを特徴とするスーツケース。 - シールストリップ(48,49)がフランジ(43,44)の衝突縁に配置されていることを特徴とする請求項1のスーツケース。
- フランジ(43,44)はシエル(41,42,51,52)へ周縁リップ区域(47)を介して接続していることを特徴とする請求項1又は2のスーツケース。
- 各半割フレーム(20,30)は内側に周縁(24)を有し、少なくともハンドル側(21,31)および二つの側部分(23,33)区域において周縁(24)の内側にシエル(41,42,51,52)のフランジ(43,44)のストリップ(45)が係合するみぞ(26)が設けられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかのスーツケース。
- 各半割フレーム(20,30)はヒンジ側(22,32)の内側に、それぞれのシエル(41,42,51,52)の縁リップ(46)が係合し、反対のハンドル側(21,31)にそれぞれのシエル(41,42,51,52)をその半割フレーム(20,30)内にロックするための少なくとも一つのロック手段(70)を有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかのスーツケース。
- 前記ロック手段は各半割フレーム(20,30)のハンドル側(21,31)の内側でスライド可能に固定され、そしてシエル(41,42,51,52)のフランジ(43,44)のハンドル側に設けた係合システム(60)と相互作用するスライド(70)を含むことを特徴とする請求項5のスーツケース。
- 少なくとも一つのスライド(70)が関連する第1の半割フレーム(20)上に配置され、そのためロック状態においてそしてスーツケースが閉じられる時、スライド(70)は第2の半割フレーム(30)上に対向して配置されたスライドと相互に脱ロックに対して阻止するように相互作用することを特徴とする請求項6のスーツケース。
- 各スライド(70)は、前記スーツケースが閉じた位置にある時、半割フレーム(20)の周囲に沿って配置された半割フレーム(20)の閉鎖縁(27)へ向けて、および対抗する他方の半割フレーム(30)の閉鎖縁(37)へ向けて突出しており、前記シエルをロックするために対抗する他方の作動ウエブ(73)と連結して相互に固定する作動ウエブ(73)を有することを特徴とする請求項7のスーツケース。
- スーツケースシエル(41,42,51,52)は剛直または可撓性シエルであることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかのスーツケース。
- 請求項1ないし9のいずれかのスーツケースと、複数の異なる構造の交換可能なシエルからなるスーツケースセットにおいて、前記シエルは異なる深さのシエル(41,42,51,52)の少なくとも二つの対を備えている前記スーツケースセット。
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