JP4085318B2 - 音声記録方法および電子カメラ - Google Patents
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Description
本発明は音声記録方法および電子カメラに係り、特に音声情報を取り扱うデジタルカメラに好適な音声の記録/再生技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、デジタルカメラにボイスメモ等の情報記録機能および音声再生機能が組み込まれている製品が一般化している。通常は一枚の静止画に対応付けられた音声データをカメラが記録し、記録された音声データはカメラの音声再生機能により再生される。
【0003】
特許文献1に開示された情報記録再生システムでは、音声等のオーディオ情報、カメラ等から得られる映像情報およびパソコン等から得られるデジタルコード等のいわゆるマルチメディア情報を光学的に読み取り可能なドットコードとして画像や文字と一緒に紙等の媒体上に記録している。そして、ペン型情報再生装置を用いてドットコードを読み込み、音声情報はペン型情報再生装置に取り付けられたイヤホン等の音声出力器に出力し、映像はペン型情報再生装置に接続されたCRT等の表示装置に出力し、また、デジタルコードはペン型情報再生装置に接続されたプリンター等の出力装置に出力するようになっている。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−231466号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に開示された情報記録再生システムでは、マルチメディア情報であるドットコードを読み取るための読取装置およびドットコードを解釈し再生する再生装置が必要である。
【0006】
本発明はこのような事情を鑑みてなされたもので、ペン型情報再生装置等の専用の装置を別途必要とせずに音声の再生を実現できる音声記録方法および電子カメラを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために本発明に係る音声記録方法は、光学読取可能な情報コードの形態により画像形成媒体上に形成されている音声データコードを電子カメラの撮像手段によって撮像する工程と、前記撮像手段を介して取得した前記音声データコードの画像データから音声データを復元する復元工程と、前記復元された音声データを、前記撮像手段を介して取得した画像データが記録される記録媒体に記録する音声記録工程と、を含むことを特徴としている。
【0008】
本発明によれば、音声情報は光学読取可能な情報コードの形態に変換され、この情報コード(音声データコード)が画像形成媒体上に形成されている。電子カメラの撮像手段を利用して音声データコードを撮像し、得られた画像データを解析することにより音声データに変換する。こうして得られた音声データを画像データと同一の記録媒体に記録する機能を実現可能である。また、このように、電子カメラの撮像機能を利用して画像情報から音声情報を再生することにより、専用の情報再生装置が不要となり、電子カメラの付加価値を高めることができる。
【0009】
なお、画像形成媒体とは、音声データコードが形成される媒体を意味し、音声データコードが印刷される用紙、プレートその他の印刷媒体や、音声データコードが映出されるCRT、液晶ディスプレイその他の画像表示装置などを包含するものである。
【0010】
また、前記目的を達成するために本発明に係る電子カメラは、光学像を電気信号に変換する撮像手段と、前記撮像手段を介して取得した画像データを記録媒体に記録する記録手段と、を有する電子カメラであって、光学読取可能な情報コードの形態により画像形成媒体上に形成されている音声データコードを前記撮像手段で撮像して得られた画像データから音声データを復元する信号処理手段と、前記信号処理手段により復元された音声データを再生し、聴き取り可能な音声として出力する音声出力手段と、前記信号処理手段により復元された音声データを前記記録媒体に記録する音声記録手段と、を備えたことを特徴としている。
【0011】
かかる態様によれば、撮像手段で撮像した音声データコードをカメラ内部で音声データに変換して記録媒体に記録する機能を実現できる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項2記載の電子カメラの一態様に係り、前記撮像手段により前記音声データコードを撮像するコードモードと、前記撮像手段により通常の撮像を行うノーマルモードと、を切り換えるモード選択手段と、前記撮像手段の撮像結果を表示するモニタと、を備え、前記モード選択手段により前記モードが選択されると、前記モニタには前記コードモードにおける音声コードの画角合わせに用いられる画角合わせ用枠及び前記撮像手段の合焦検出に用いられる中心合わせ用枠が表示されることを特徴とする。また、請求項4に記載の発明は、請求項3記載の電子カメラの一態様に係り、前記コードモードにおける前記撮像手段の合焦検出において、前記撮像手段の合焦が検出されない場合には、前記モニタに合焦警告表示が表示されることを特徴とする。また、請求項5に記載の発明は、請求項3又は4記載の電子カメラの一態様に係り、前記コードモードにおける前記音声データコードの画角合わせにおいて、前記音声データコードが形成された画像形成媒体上に表示された領域マーカーと前記画角合わせ用枠が重ならない場合には、前記モニタにマーカー警告表示を表示することを特徴とする。
【0013】
光学読取可能な音声データコードを生成する一態様として、本発明に係る写真プリント装置は、電子カメラで記録された情報を入手する情報入手手段と、前記情報入手手段から入手した音声データを光学的読み取り可能な形式の音声データコードに変換する形式変換手段と、前記形式変換手段により生成された音声データコードおよび前記情報入手手段から入手した画像データが示す画像を同一の印刷媒体にプリントするプリント手段と、を備える態様も好ましい。
【0014】
音声録音機能付きの電子カメラを用いて画像と音声を記録し、その画像データと音声データを同一の印刷媒体(プリント用紙など)にプリントすることにより、音声情報付きの写真を形成することが可能になる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に従って本発明に係る音声再生方法および電子カメラ並びに写真プリント装置の好ましい実施の形態について説明する。
【0016】
[基本実施形態]
図1は本発明の基本実施形態を示す図であり、光学読取可能な情報コード形式に記録された音声データコードをカメラにより取得する様子が示されている。
【0017】
カメラ10は被写体の光学像をデジタル画像データに変換して記録するデジタルカメラであって、音声再生機能を備えている。
【0018】
符号12で示した画像形成媒体(例えば用紙)にはメッセージ等の音声が光学読取可能な形式にコード化された二次元コード(以下音声コードと記載)14が形成されている。音声コード14の形式にはバーコード、ドットコード等があるが、音声コード14は音声情報を表すことが可能であればよく、任意の文字列、任意の数字列等、何れの形式でもよい。
【0019】
本例の音声コード14は画像形成媒体12たる用紙上にカラー印刷されており、バー(色が付けられた部分)、スペース(白い部分)の太さ、パターンに加え、バーの色が意味(情報)を持っている。
【0020】
図2は音声コード14の拡大図である。
【0021】
画像形成媒体12には音声コード14の他に、音声コード14の領域を示す領域マーカー16および中心合わせ用マーカー(以下中心マーカーと記載)18が形成されている。領域マーカー16および中心マーカー18は音声コード14と区別できる形状、大きさ、色である。
【0022】
また領域マーカー16は撮影時の画角合わせに使用され、中心マーカー18は中心合わせおよび焦点合わせに利用される。
【0023】
画像形成媒体12の材質は紙に限定されず、音声コード14、領域マーカー16、中心マーカー18をカメラ10でカラー撮影可能であれば金属や樹脂等でもよい。
【0024】
図3乃至図7はカメラ10の外観を示す正面図、背面図、平面図、底面図、および右側面図である。
【0025】
図3に示すカメラ10の前面には、沈胴式の撮影レンズ20、ファインダー窓21、ストロボ22、ストロボ調光センサー23、セルフタイマーランプ24、マイク26が設けられている。
【0026】
また、カメラ10の前面には、前記撮影レンズ20の沈胴位置で開閉されるレンズバリア28(図8参照)が設けられている。なお、図3では、レンズバリア28が開放された状態を示している。
【0027】
図4に示すカメラ10の背面には、ファインダー30、モードダイヤル32、右キー34、左キー36、上下レバー37、メニュー/実行キー38、キャンセル/戻るキー40、表示キー42および液晶モニタ44が設けられている。
【0028】
モードダイヤル32は、カメラの機能(モード)を変更する手段であり、モードダイヤル32を回動操作することにより、静止画撮影を行う撮影モード、撮影した画像を再生する再生モード、音声付き動画撮影を行うムービーモード、画像無しの音声記録を行うボイスレコーダモードに設定できる。また静止画撮影後にその画像と関連付けて音声を記録するボイスメモ機能を有している。
【0029】
右キー34および左キー36は、それぞれ再生モード時に1コマ逆送りボタン、1コマ順送りボタンとして機能し、あるいは、メニュー画面にてカーソルを右左に移動させるボタンとして機能する。
【0030】
また、上下レバー37は再生機能や撮影時のズーム機能における倍率調整用ズームキー等として用いられる。
【0031】
メニュー/実行キー38は各モードの通常画面からメニュー画面へ遷移させる時、あるいは、選択内容の確定、処理の実行(確認)指示の時などに使用される。
【0032】
キャンセル/戻るキー40はメニューから選んだ項目の取り消し(キャンセル)や一つ前の操作状態に戻る時などに使用される。
【0033】
表示キー42は液晶モニタ44をON/OFF操作したり、再生方法や再生中のコマ番号等の表示/非表示を切り替えたりするための操作手段である。
【0034】
液晶モニタ44は、電子ビューファインダーとして使用できるとともに、撮影した画像やカメラに装填されたメモリカードから読み出した再生画像等を表示することができる。また、液晶モニタ44は、撮影可能コマ数や再生コマ番号の表示、ストロボ発光の有無、マクロモード表示、記録画質(クオリティー)表示、画素数表示等の情報も表示される。
【0035】
図5に示すカメラ10の上面には、電源スイッチを兼ねたモード設定スイッチ46およびレリーズボタン48が設けられている。
【0036】
モード設定スイッチ46は、図5上でツマミが右方向に移動する時にはロックされ、ツマミが左方向に移動する時にはロックされないスライドスイッチであり、前記ツマミが右方向に移動してロックされると、オーディオモードを設定し、前記ツマミが左方向に移動する毎にカメラモードとカメラ内電源をOFFにするOFFモードとを交互に設定する。
【0037】
レリーズボタン48は2段階式に構成され、レリーズボタン48を軽く押して止める「半押し(S1 =ON)」の状態で自動ピント合わせ(以下AFと記載)および自動露出制御(以下AEと記載)が作動してAFとAEをロックし、「半押し」から更に押し込む「全押し(S2=ON)」の状態で撮影が実行される。レリーズボタン48は、静止画の記録開始の指示を与える手段であるとともに、動画の録画ボタン(録画スタート/ストップボタン)およびボイスレコーダモード下での録音ボタン(録音スタート/ストップボタン)として兼用される。
【0038】
図6に示すカメラ10の底面には、メモリカード(スマートメディア)のスロットカバーを兼ねた電池カバー50、および三脚ねじ穴52が設けられている。
【0039】
図7に示すカメラ10の右側面(グリップと反対側の側面)には、音声/映像出力端子(ラインOUT)54、リモコン端子56、デジタル(USB)端子58、電源入力端子60、スピーカー62が設けられている。
【0040】
図8はカメラ10の内部構成を示したブロック図である。
【0041】
同図において、中央処理装置(CPU)70は、本カメラシステムを統括制御する制御部である。CPU70は、モードダイヤル32、モード設定スイッチ46、レリーズボタン48等からの指示信号の入力に基づいてカメラ10内の各回路の動作を制御する。
【0042】
ROM71にはCPU70が処理するプログラムおよび制御に必要な各種データ等が格納されている。RAM73は画像処理領域の他、CPU70が各種の演算処理等を行う作業用領域を有している。
【0043】
撮影レンズ20を通過した光は、図示せぬ絞りによって光量が調節された後、CCDイメージセンサ(以下CCDと記載)74に入射する。CCD74の受光面には、多数のフォトセンサが平面的に配列されており、撮影レンズ20を介してCCD74の受光面に結像された被写体像は、各フォトセンサによって入射光量に応じた量の信号電荷に変換される。なお、CCD74は、シャッターゲートパルスのタイミングによって各フォトセンサの電荷蓄積時間(シャッタースピード)を制御する、いわゆる電子シャッター機能を有している。
【0044】
このようにして蓄積された信号電荷は、その信号電荷に応じた電圧信号として順次読み出される。CCD74から順次読み出された電圧信号は、相関二重サンプリング回路(CDS回路)76に加えられ、ここで各画素ごとのR、G、B信号がサンプリングホールドされるともに増幅され、A/D変換器78に加えられる。A/D変換器78は、CDS回路76から順次加えられるR、G、B信号をデジタル信号に変換して画像信号処理回路80に出力する。
【0045】
画像信号処理回路80は、A/D変換器78から加えられる点順次のR、G、B信号を同時式に変換する同時化処理、ホワイトバランス調整、ガンマ補正、輝度/色差信号処理(YC処理)等の所定の画像処理を行う。画像信号処理回路80で処理された画像データはRAM73に格納される。撮影画像を表示出力する場合、RAM73から画像データが読み出され、このデータが内部バス85を介して画像再生処理回路86に転送される。
【0046】
画像再生処理回路86に送られたデータは、画像再生処理回路86およびビデオエンコード回路88を介して表示用の所定方式の信号(例えば、NTSC方式のカラー複合映像信号)に変換された後、液晶モニタ44に出力されるとともに、音声/映像出力端子54に出力される。CCD74から出力される画像信号によってRAM73内の画像データが定期的に書き換えられ、その画像データから生成される映像信号が液晶モニタ44に供給されることにより、CCD74を介して入力する画像がリアルタイムに液晶モニタ44に表示される。撮影者は、液晶モニタ44に映し出される画像(スルー画)、或いはファインダー30によって撮影画角を確認できる。
【0047】
モードダイヤル32によって撮影モードが設定されると、液晶モニタ44に被写体選択画面が表示される。前記被写体表示画面では「ノーマル」と「コード」を選択することができる。右キー34あるいは左キー36を操作してどちらか一方を選び、メニュー/実行キー38の押下により選択を確定する。
【0048】
上記被写体選択により「ノーマル」を選択した場合には、通常の写真撮影が行われる。レリーズボタン48が押されると(S2=ON)、撮影開始指示(レリーズON)信号が発せられる。CPU70は、この指示信号の受入に呼応して、記録用の画像データの取り込みを開始する。なお、CPU70は、撮影動作に先立ち、レリーズボタン48の半押し(S1 =ON)に応動してAF制御およびAE制御を行う。すなわち、CPU70はCCD74から得られる画像データに基づいて焦点評価演算やAE演算などの各種演算を行い、その演算結果に基づいてレンズ駆動用モータ90のドライバ92を制御し、撮影レンズ20を合焦位置に移動させる一方、図示せぬアイリス駆動部を制御して絞りを適正絞り値に設定するとともにCCD74の電荷蓄積時間を制御する。また、CPU70は、必要に応じてストロボ発光制御を行う。
【0049】
レリーズボタン48全押し(S2=ON)に応動して取り込まれた画像データは、YC処理その他の所定の信号処理を経てRAM73に格納される。CPU70は圧縮伸長処理回路94にコマンドを送り、これにより圧縮伸長処理回路94は、RAM73上に取り込まれた画像データ(輝度信号Yとクロマ信号Cr、Cb)を所定のフォーマット(例えば、JPEG方式) に従って圧縮する。圧縮されたデータは、メディアコントロール回路96を介してメモリカード98に記録される。
【0050】
本例のカメラ10では、画像データを保存する手段として、例えばスマートメディア(Solid-State Floppy Disk Card)が適用される。記録メディアの形態はこれに限定されず、PCカード、コンパクトフラッシュ、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、メモリスティックなどでもよく、電子的、磁気的、若しくは光学的、又はこれらの組み合わせによる方式に従って読み書き可能な種々の媒体を用いることができる。使用される媒体に応じた信号処理手段とインターフェースが適用される。異種、同種の記録メディアを問わず、複数の媒体を装着可能な構成にしてもよい。リムーバブルメディアに限らず、カメラ10に内蔵された記録媒体(内部メモリ)であってもよい。
【0051】
カメラ10には撮影後(記録前)に撮影結果を液晶モニタ44に表示して、その撮影画像を記録するか否かをユーザーが選択できるようにした機能(プレビュー機能)が設けられている。ユーザーは、セットアップメニュー画面において、プレビュー機能の有効/無効を指定することができる。プレビュー機能が「有効」の場合、撮影直後に撮影画像が表示され、当該画像の記録を容認する場合は、ユーザーはメニュー/実行キー38を押下して、「記録OK」の指示を入力する。この指示入力に応動して撮影画像がメモリカード98に書き込まれる。また、液晶モニタ44に表示された撮影画像の記録を希望しない場合、ユーザーはキャンセル/戻るキー40を押下して「記録取消」の指示を入力する。この指示入力応動して撮影画像の記録処理が取り消される。
【0052】
また、静止画の撮影後に一定時間内の音声を記録できるボイスメモ機能を有している。静止画の撮影モード(オート撮影モード、またはマニュアル撮影モード)におけるメニュー画面でボイスメモ機能のON/OFFを選択できるようになっている。
【0053】
ボイスメモ機能ONが選択されている場合、撮影を実行して画像データをメモリカード98に書き込み終わると、液晶モニタ44には記録画像を背景とする録音スタンバイ画面が表示される。録音スタンバイ画面でキャンセル/戻るキー40を押下した場合、ボイスメモ録音を実行せずに、通常の撮影画面に遷移する。
【0054】
一方、レリーズボタン全押し(S2=ON)でボイスメモ録音を開始し、その後レリーズボタン48の半押し(S1=ON)で録音を完了する。ここでメニュー/実行キー38を押下すると音声データをメモリカード98に書き込む処理が実行される。録音中にキャンセル/戻るキー40を押下した場合は録音がキャンセルされ、録音スタンバイ画面に戻る。
【0055】
録音が一定時間(例えば30秒間)を超えると録音は強制的に終了され、液晶モニタ44には録音終了画面が表示される。ここでメニュー/実行キー38を押下すると、録音内容がメモリカード98に書き込まれる。録音のやり直しを希望する場合には、キャンセル/戻るキー40を押下して録音スタンバイ画面に戻す。こうしてボイスメモ機能による音声記録が完了すると、通常の撮影モードに復帰して、撮影が可能となる。
【0056】
また、被写体選択において「コード」を選択した場合には、音声コード読み込みが行われる。音声コード読み込みでは、音声コード14をカメラ10の撮像手段により撮影する。撮影された音声コード14は所定の信号処理を施され、画像としてRAM73に一時記憶される。その後、CPU70はROM71に格納されたデコードプログラムを起動し、RAM73に記憶された音声コード(画像)を読み出す。読み出された音声コード(画像)は音声データに変換され、メモリカード98に記録される。
【0057】
図9は音声コード14の読み込みの流れを示したフローチャートである。
【0058】
モードダイヤル32により撮影モードが選択されると(ステップS10)、被写体選択において通常の写真撮影を行う「ノーマル」あるいは音声コード撮影を行う「コード」のどちらかを選択する(ステップS12)。「ノーマル」が選択されると、通常の写真撮影を行う(ステップS14)。
【0059】
一方、「コード」が選択されると、CPU70はROM71に格納されたデコードプログラムを起動し(ステップS16)、デコードプログラムが起動されると、図10に示すとおり、液晶モニタ44には音声コード読み込み状態を示す「コード」表示110および、画角合わせ用枠112、中心合わせ用枠114が表示される(ステップS18)。
【0060】
レリーズボタン48半押し(S1=ON)が行われると(ステップS20)、AE、AF、AWB(オートホワイトバランス)制御および所定の信号処理が行われ(ステップS22)、取り込まれた音声コード14は画像形式ファイルとして、一時RAM73に格納される(ステップS24)。
【0061】
ここで、撮影レンズ20の合焦検出が行われる(ステップS26)。合焦検出は音声コード14が形成された画像形成媒体12に形成された中心合わせ用マーカー18と液晶モニタ44に表示された中心合わせ用枠114が重なるようフレームを合わせ、中心合わせ用マーカー18に撮影レンズ20が合焦するかを検出する。
【0062】
撮影レンズ20の合焦が検出されない場合には、図11に示す合焦警告表示120が液晶モニタ44に表示され(図9のステップS28)、カメラの制御はレリーズボタン48半押し(S1=ON)待ち状態に遷移する。
【0063】
一方、撮影レンズの合焦が検出されると、マーカー検出が行われる(ステップS30)。マーカー検出では、液晶モニタ44に表示された画角合わせ用枠112と画像形成媒体12に表示された領域マーカー16が重なっているかを検出する。画角合わせ用枠112と領域マーカー16が重ならない場合には、図12に示すマーカー警告表示130が液晶モニタ44に表示され(図9のステップS32)、カメラ10の制御はレリーズボタン48半押し(S1=ON)待ち状態に遷移する。画角合わせ用枠112と領域マーカー16が重なると、レリーズボタン48全押し(S2=ON)により(ステップS34)、RAM73に格納された音声情報は画像信号処理回路80に読み出され(ステップS36)、音声データに変換される(ステップS38)。
【0064】
ここで液晶モニタ44には、図13に示す音声再生選択画面140が表示される。音声再生選択画面140において音声再生を行うあるいは音声再生を行わないの何れかを選択する(図9のステップS39)。
【0065】
音声再生選択画面140において「いいえ」を選択すると、音声処理回路100にてWAVE形式等所定の音声ファイル形式に変換され(ステップS40)、メディアコントロール回路96を介してメモリカード98に記録される(ステップS42)。
【0066】
また、音声再生選択画面140において「はい」(音声再生を行う)を選択すると、カメラ10に備えられた音声再生機能により、音声が再生される(ステップS44)。
【0067】
音声再生が終了すると、液晶モニタ44は、図14に示す音声データ処理選択画面150が表示され、再生した音声をメモリカード98に記録するか、再生した音声を消去するかを選択する(図9のステップS46)。
【0068】
音声データ処理選択画面150において「いいえ」を選択すると、該音声データは消去され、カメラ10の制御は被写体選択(ステップS12)に遷移する。
【0069】
一方、音声データ処理選択画面において「はい」(再生した音声を記録する)を選択すると、音声データは音声処理回路100に転送され、音声処理回路にてWAVE形式等所定の音声ファイル形式に変換され(ステップS40)、メモリカード98に記録される(ステップS42)。
【0070】
カメラ10がムービーモードに設定されると、音声付きの動画記録が可能となる。レリーズボタン48の押下(S2=ON)によって録画動作がスタートし、もう一度レリーズボタン48を押下(S1 =ON)すると録画動作が停止する。レリーズボタン48を押下継続している期間、録画動作を行い、押下解除により録画を停止するようにしてもよい。動画データは、例えば、モーションJPEG形式によってメモリカード98に記録される。
【0071】
カメラ10がボイスレコーダモードに設定されると音声記録が可能となる。レリーズボタン48の全押し(S2=ON)で録音を開始し、その後レリーズボタン48の半押し(S1 =ON)で録音を停止する。これにより、レリーズボタン48の操作音が記録されないようになっている。マイク26を介して入力された音声信号は、音声処理回路100に入力される。音声処理回路100は、入力した音声信号をデジタル信号に変換するとともに、所定のファイル形式(例えば、WAVE形式) に変換する。こうして得られた音声データは、メディアコントロール回路96を介してメモリカード98に記録される。
【0072】
図15はメモリカード98のディレクトリ(フォルダ)構造を示す図である。図15に示したディレクトリ名およびファイル名は、一例であり適宜変更可能である。
【0073】
ルート(root)ディレクトリの下に、画像ファイル格納用ディレクトリ(DCIM)が形成されている。画像ファイル格納用ディレクトリ(DCIM)の下層には、複数のサブディレクトリ「100 _fuji」、「101 _fuji」…が形成されており、ディレクトリ毎に分類して画像ファイルを保存することができる。
【0074】
また、記録されたデータには記録形式に従ったファイル名が自動的に付けられる。例えばJPEG形式で記録された静止画ファイルは「DSCF****.jpg」というファイル名(ただし****は4桁の数字列)で記録され、WAVE形式で記録されたされた音声ファイルは「****.wav」というファイル名で記録される。
【0075】
ファイル名は記録時にCPU70によって自動付与される。また、ファイル名の4桁の番号は、原則として、重複なく連番で付与される。
【0076】
ボイスメモ機能によって録音された音声ファイルは、ボイスメモの対象となる画像ファイルと拡張子を除いて同じファイル名が付与される。
【0077】
すなわち、図15中の音声ファイル「DSCF0003.wav」は、ボイスメモ機能によって画像ファイル「DSCF003.jpg 」関連付けされた音声ファイルであることを示している。
【0078】
モード設定スイッチ46によってカメラモードが設定され、モードダイヤル32によって再生モードが選択されると、メモリカード98に記録されている最終コマのファイルがメディアコントロール回路96を介して読み出される。最終コマのファイルが静止画ファイルの場合、この読み出された画像ファイルの圧縮データは、圧縮伸長処理回路94を介して非圧縮のYC信号に伸長される。
【0079】
伸長されたYC信号は、画像再生処理回路86およびビデオエンコード回路88を介して表示用の信号に変換され、液晶モニタ44に出力されるとともに、音声/映像出力端子54に出力される。
【0080】
これにより、液晶モニタ44にはメモリカード98に記録されている最終コマのコマ画像が表示され、また、音声/映像出力端子54にテレビ受像機(不図示)が接続されている場合には、テレビ受像機に最終コマのコマ画像が表示される。
【0081】
その後、右キー34が押されると順方向にコマ送りされ、左キー36が押されると逆方向にコマ送りされる。そして、コマ送りされたコマ位置の画像ファイルがメモリカード98から読み出され、上記と同様にしてコマ画像が液晶モニタ44に再生される。最終コマのコマ画像が表示されている状態で順方向にコマ送りされると、メモリカード98に記録されている第1コマ目の画像ファイルが読み出され、1コマ目のコマ画像が液晶モニタ44やテレビ受像機その他の画像表示装置に再生される。
【0082】
再生対象ファイルが動画ファイルの場合には、動画の先頭コマが代表画像として表示され、動画再生開始の指示を受け付ける画面になる。また、再生対象ファイルが音声ファイルの場合には、液晶モニタ44上に音声ファイルであることを示す所定の図像が表示され、音声再生開始の指示を受け付ける画面になる。音声再生開始の指示を入力すると、メモリカード98から音声ファイルが読み出され、音声処理回路100により音声信号に変換された後、スピーカー62又はリモコン端子56に接続されるヘッドホン(不図示)を介して音声として出力される。
【0083】
上記の如く構成されたカメラ10では、コード化された音声情報を画像としてカメラ10に取り込み、カメラ10に備えられた画像処理機能とデコードプログラムにより音声コード(画像形式)を音声データ(音声形式の信号)に変換し、記録できる。したがって、カメラの撮影機能を利用して、画像だけなく音声を記録することが可能になる。
【0084】
上記にはデジタルカメラにおける実施形態を開示したが、本発明の適用範囲はデジタルカメラに限定されず、ムービーカメラにも適用可能である。
【0085】
[応用例1]
本実施形態の応用例1を図16を用いて説明する。
【0086】
図16は本発明の応用例1を示した図であり、写真に音声メッセージを添付したポストカードを製作するシステムが示されている。
【0087】
図16に示したカメラ200はボイスメモ機能を有するデジタルカメラであり、被写体を撮影し、静止画をJPEG形式でメモリカード202に記録するとともに、画像に添付するメッセージを録音しWAVE形式でメモリカード202に記録する。
【0088】
画像の記録形式はJPEG形式に限定されず、他のファイル形式でも記録可能である。またメッセージの記録形式もWAVE形式に限定されず、他のファイル形式でも記録可能である。基本実施形態に提示したとおり、画像ファイルと音声ファイルには自動的にファイル名が付与される。
【0089】
204はポストカード製作依頼者を示し、製作依頼者204は画像ファイルと音声ファイルを記録したメモリカード202を高画質デジタルカメラプリントサービス店(以下プリント店と記載)206に渡す。(図16中矢印208で提示)。製作依頼者204とプリント店206との画像ファイルおよびメッセージファイルの受け渡しはメモリカード等記録媒体による受け渡しに限定されず、インターネットなどネットワーク通信を利用した受け渡しも可能である。
【0090】
プリント店206にはプリント装置210があり、プリント装置210はデータ入力部212、変換部214、出力部216を備えている。データ入力部212では受け取ったメモリカード202から画像ファイルおよびメッセージファイルを読み出し変換部214に転送する。
【0091】
変換部に214おいて、画像ファイルは写真として印刷するための処理を施され、メッセージファイルは光学読取可能な情報コード形式に変換される。所定の処理を施された画像ファイルおよびメッセージファイルは出力部216に転送される。出力部216において、画像ファイルは写真として印刷され、メッセージファイルは光学読取可能な二次元コードとして印刷される。
【0092】
本応用例における出力例を218、220、222に示す。図16中218、220、222はポストカードである。ポストカード218は表面218Aには画像、裏面218Bには光学読取可能な情報コード形式に変換されたメッセージが印刷されている。同様に、ポストカード220は表面220Aには画像、裏面220Bには光学読取可能な情報コード形式に変換されたメッセージ、ポストカード222には表面222Aには画像、裏面222Bには光学読取可能な情報コード形式に変換されたメッセージがそれぞれ印刷されている。
【0093】
同じ画像に対して異なる音声コードを印刷してもよいし、異なる画像に同じ音声コードを印刷してもよい。
【0094】
ポストカードの印刷形態は上記に示した両面印刷に限らず、写真およびメッセージの何れも表面あるいは裏面のどちらか一方に印刷することも可能である。
【0095】
メモリカード202中に画像ファイルとメッセージファイルがそれぞれ複数存在する場合には、予め、画像ファイルとメッセージファイルの組み合わせおよびポストカードの製作数量を製作依頼者204から指示され、製作依頼者204の指示に従ってポストカードを製作する。製作されたポストカードは製作依頼者204に納入される(図16中矢印226で提示)。
【0096】
出力媒体の材質は紙類に限定されず、金属板、樹脂、布など、出力媒体表面にカラー印刷が可能な材質であれば何れでも良い。
【0097】
画像ファイルとメッセージファイルの組み合わせと製作数の情報(発注情報)を画像ファイルおよびメッセージファイルとともにメモリカード202に予め記録しておき、プリント店206ではメモリカード202から発注情報を読み取ることも可能である。
【0098】
上記の如く構成された写真にメッセージを添付して配布するシステムでは、画像およびメッセージ(音声)をポストカードに出力できる。また画像とメッセージがそれぞれ複数ある場合には、一つの画像に異なる音声メッセージを添付したり、一つの画像に複数の音声メッセージを添付したりすることが自在である。
【0099】
送られてきたポストカード218、220、222を受け取った人は、図1から図15で説明したカメラを用いて音声を再生して聴く。画像とともに音声を楽しむことができ写真の利用価値が高まる。
【0100】
[応用例2]
図17乃至図18を用いて本実施形態の応用例2を説明する。
【0101】
図17は観光地における記念写真撮影の様子を示し、図18は案内看板300に表示された案内メッセージ302をカメラ304で撮影する様子を示している。カメラ304は基本実施形態に提示したカメラ10が備える機能をすべて有している。また、案内看板300に表示された観光地案内は光学読取可能な情報コード形式に変換されている。
【0102】
撮影者(不図示)はカメラ304を静止画撮影モードに設定し、被撮影者306と風景308の撮影を行った後、カメラ304をコード撮影モードに切り替えて、案内看板300に表示された案内メッセージ302を撮影する。
【0103】
静止画撮影された被写体(被撮影者306および風景308)像はカメラ304内で所定の信号処理を施され、JPEG形式に変換、ファイル名付与の後、カメラ304に備えられたメモリカード記録される。
【0104】
また、コード撮影された案内メッセージ302は、カメラ304内で所定の信号処理を施され、WAVE形式に変換される。さらに、前記JPEG形式(静止画)ファイルのボイスメモとしてファイル名を付与され、記念写真のボイスメモとしてカメラ304に備えられたメモリカードに記録される。
【0105】
カメラ304の音声再生機能でボイスメモを再生すると、記念写真を見ながら観光地案内を音声で聴くことができる。
【0106】
本発明における実施形態では、音声を取り扱う形態について例示したが、本発明の適用範囲は音声に限定されない。例えば、カメラの制御プログラムにおける、アップデートファイルの読み込みやオプション機能追加の際のプログラムロードなどにも適用可能である。
【0107】
【発明の効果】
本発明によれば、光学読取可能な情報コード形式に変換されたメッセージ(音声)を、カメラの撮影機能を利用してカメラに読み込むことが可能になる。さらに、読み込んだメッセージをカメラの画像処理を利用して音声データに変換し、読み込んだ音声情報はカメラに備えられた記録媒体に記録することができ、また聴き取り可能な音声として再生することができる。
【0108】
カメラ一台で被写体の撮影および記録、音声の記録および再生が可能になり、デジタルカメラの新たな利用方法を提案し、デジタルカメラの付加価値を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本実施形態に係るカメラにより光学読取可能な情報コード形式に記録された音声データコードを取得する様子を示す図
【図2】光学読取可能な情報コード形式に記録された音声データコードを示す図
【図3】本発明の基本実施形態に係るカメラの正面図
【図4】本発明の基本実施形態に係るカメラの背面図
【図5】本発明の基本実施形態に係るカメラの上面図
【図6】本発明の基本実施形態に係るカメラの底面図
【図7】本発明の基本実施形態に係るカメラの右側面図
【図8】本発明の基本実施形態に係るカメラの電気的構成を示すブロック図
【図9】音声データコード読み込みの流れを示すフローチャート
【図10】音声データコード読み込み状態を示す液晶モニタの表示を示す図
【図11】音声データコード読み込み状態における合焦警告画面を示す図
【図12】音声データコード読み込み状態におけるマーカー警告画面を示す図
【図13】音声データコード読み込みにおける音声再生選択画面を示す図
【図14】音声データコード読み込みにおける音声データ処理選択画面を示す図
【図15】メモリカードのディレクトリ構想を示す図
【図16】写真にメッセージを添付して配布するシステムを示した図
【図17】観光地における記念写真撮影の様子を示す図
【図18】案内看板に表示された観光地案内をカメラで撮影する様子を示す図
【符号の説明】
10,200,304…カメラ、12…画像形成媒体、14,218B,220B,222B,300…音声コード、20…撮影レンズ、44…液晶モニタ、54…音声/映像出力端子、62…スピーカー、70…CPU、71…ROM、73…RAM、80…画像信号処理回路、98,202…メモリカード、210…プリント装置、212…データ入力部、214…変換部、216…出力部、218,220,222…ポストカード、S16…デコードプログラム起動、S40…圧縮・形式変換、S42…記録、S44…再生出力
Claims (5)
- 光学読取可能な情報コードの形態により画像形成媒体上に形成されている音声データコードを電子カメラの撮像手段によって撮像する工程と、
前記撮像手段を介して取得した前記音声データコードの画像データから音声データを復元する復元工程と、
前記復元された音声データを、前記撮像手段を介して取得した画像データが記録される記録媒体に記録する音声記録工程と、
を含むことを特徴とする音声記録方法。 - 光学像を電気信号に変換する撮像手段と、前記撮像手段を介して取得した画像データを記録媒体に記録する記録手段と、を有する電子カメラであって、
光学読取可能な情報コードの形態により画像形成媒体上に形成されている音声データコードを前記撮像手段で撮像して得られた画像データから音声データを復元する信号処理手段と、
前記信号処理手段により復元された音声データを再生し、聴き取り可能な音声として出力する音声出力手段と、
前記信号処理手段により復元された音声データを前記記録媒体に記録する音声記録手段と、
を備えたことを特徴とする電子カメラ。 - 前記撮像手段により前記音声データコードを撮像するコードモードと、前記撮像手段により通常の撮像を行うノーマルモードと、を切り換えるモード選択手段と、
前記撮像手段の撮像結果を表示するモニタと、
を備え、
前記モード選択手段により前記モードが選択されると、前記モニタには前記コードモードにおける音声コードの画角合わせに用いられる画角合わせ用枠及び前記撮像手段の合焦検出に用いられる中心合わせ用枠が表示されることを特徴とする請求項2記載の電子カメラ。 - 前記コードモードにおける前記撮像手段の合焦検出において、前記撮像手段の合焦が検出されない場合には、前記モニタに合焦警告表示が表示されることを特徴とする請求項3記載の電子カメラ。
- 前記コードモードにおける前記音声データコードの画角合わせにおいて、前記音声データコードが形成された画像形成媒体上に表示された領域マーカーと前記画角合わせ用枠が重ならない場合には、前記モニタにマーカー警告表示を表示することを特徴とする請求項3又は4記載の電子カメラ。
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